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 WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1674号 2008年(平成20年) 5月22日 (木曜日)
WING DAILY
【HEADLINE NEWS】
★ジャムコ、MRJエルロンなど受注に期待
A350の炭素繊維部材受注も目指す
ジャムコの寺田修社長は、三菱重工で開発中の国産リー
ジョナルジェット・MRJに対して、同社でもエルロン、スポ
イラーなどの部分の設計のために、エンジニアを派遣してい
ることを明らかにした。「将来的には、この部分が受注でき
るものと思っている」と、日本メーカーとして、国産旅客機
プロジェクトの一角に加わることに意欲的だ。また、エアバ
スで開発が進められているA350XWBについても、既報の通
り、炭素繊維部材で参画する方向で進んでいるという。な
お、ジャムコはB787とA380の納入スケジュール遅れによ
り、2007年度3月期決算で売上高が計画比33億円減少した。
今年度からこれらのプログラムが順調に推移することで急速
に売上、利益とものびてくる見通しだ。
MRJプログラムについては、ジャムコの機器製造カンパ
ニーが製造を請け負うことが確定すれば、エルロン、スポイ
ラー部分などの生産を担当する。その他にも、ジャムコとし
て、エアバスやボーイングという二大メーカーから受注して
いる内装品でも大きな強みをもっており、内装品カンパニー
でも受注を目指す。また、整備分野でも今年4月に羽田事業所
を開設、人員を拡充するなど、リソースを注力していること
から、同分野でも将来的にエアラインから整備受注をめざし
ており、あらゆる部門でMRJプロジェクトと関わっていきた
い考え。
エアバスで開発中のA350XWBでは、炭素繊維構造部材で
参画する見通し。同社は、炭素繊維事業でA380のフロアビー
ムなどの製造を担当しており、A350XWBでも同様に炭素繊
維分野の強みを押し出していきたい考え。ジャムコは航空機
用炭素繊維構造部材ADP事業の強化を推進しており、4月1日
に設立した子会社ジャムコテクニカルセンター(東京都三鷹
市)を中心に、CurvedBeamやADP技術応用製品の開発促
進を進めており、A350XWBにもその開発技術を活かしてい
きたい方針だ。このジャムコテクニカルセンターでは、技術
力の高いシニア世代の人財を活かす開発を軸に、将来は研修
センターとしての機能を持たせていく方針。
また、エンジン分野を、同社の柱に成長させていきたい考
え。とくに好調な受注が続くCF34の増産を図る方針で、現
在の月産20台分から、月産32台まで対応できる体制を整えて
いくことを検討しているという。
ジャムコは、中期3カ年計画(2008-2010年度)として、
計画最終年度までにグループ連結売上高を07年度比48.9%増
(218億円増)の664億円、経常利益が147.2%増(20億3200
万円増)の34億1200万円を目指す。各セグメントでトヨタ生
産方式のJIPS(JAMCOInteriosProductionSystem)の構築
と、情報管理のERPシステムなどの導入を進め、リーン・マ
(1)
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ニュファクチャリングを加速、生産効率を向上させていく方
針。
同社の主力である内装品製造セグメントでは、B787と
A380の内装品受注が好調なことから、最終年度には売上高
476億円を目標に設定している。とくに08年度に急速に収入
が伸びる見通しで、07年度の売上高が309億円であったのに
対して、08年度は380億円となる計画。そのうち、新造機向
けの内装品が07年度の89億円から223億円に急伸するとい
う。
機器製造セグメントでは、最終年度に売上高84億円達成を
目指す。なかでも炭素繊維によるADP分野での事業強化を図
ることで、売上高は07年度比141.2%増(24億円増)の41億
円、経常利益は276%増(3億8400万円増)の5億2300万円を
目指す。ADP事業では、開設したジャムコテクニカルセン
ターを中心に開発を進めていく。そのほか、熱交換機他コア
製品で34億円、エンジン部品の生産効率向上で9億円の目標
を設定している。
そして整備セグメントでは、2010年度に売上高104億円、
経常利益4億1200万円を目指す。同セグメントでは、航空局
のチェッカー機の整備を一括受注(4機種7機)したことを受
けて羽田事業所を先月開設。さらに営業部と技術部を羽田地
区に集約することで、装備品整備体制の強化を図っており、
100人規模の体制を作った。羽田の整備部門は、一時成田に
リソースを振り分けたことで衰退していたものの、航空局の
チェッカー機整備を一括受注したことで息を吹き返した。今
後、航空局のチェッカー機整備だけでなく、羽田、成田、そ
して仙台という整備部門の拠点を軸に、エアラインからリー
ジョナル機整備の受注を目指す。
【航空関連ニュース】
★関空取締役に大阪市副市長の柏木氏
関西国際空港会社(関空会社)は21日、新任役員の候補者
を選任、新任の取締役に柏木孝氏が就任する。6月26日開催
の定時株主総会および取締役会、監査役会において正式決定
される。
柏木氏は大阪市計画調整局企画調整部長、財政局財務部
長、財政局長を経て、平成17年12月には助役に就任、19年4
月から副市長に就任していた。退任予定の取締役は井越將之
氏。
また、新任の監査役として西村良二氏と雑賀忠士氏の2名が
内定している。退任予定の監査役は、藤原正治氏と小倉正義
氏。
★中華機の救助活動企業等に航空局長感謝状贈呈
航空局は19年度下期の航空局長感謝状の贈呈式を22日に行
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してきたが、このたび総合整備補償会社の協力を得て、より
う。個人と団体各1件と、さらに5月27日には中華航空機の炎
高度なセキュリティプロテクトを可能とする防犯監視機能搭
上事故で迅速に救助活動に従事した8社にも感謝状を贈呈す
載専用GPS端末を利用した「航空便プロテクトサポート・
る。
GPSサービス」を始める。
5月22日の贈呈式では、航空身体検査審査基準見直しに貢
万が一にそなえ専用運送保険を用意、一般航空貨物と分離
献した北里研究所病院の山田好則医長、空港の液状化実験に
して輸送を行う従来の「航空便プロテクトサポート」サービ
協力した石狩湾新港管理組合に、そして中華航空機炎上事故
スに加えて「航空便プロテクトサポート・GPSサービス」で
で迅速な救助活動にあたった日本トランスオーシャン航空、
は、定期的な位置情報履歴の蓄積、24時間体制の監視、大音
沖縄エアポートサービス、那覇空港グランドサービス、ジャ
量のブザー発信機能、インターネットにおける位置情報の確
ルスカイ沖縄、那覇空港旅客サービス、エアー沖縄、グラン
認などのサービスを付加できる。
ドシステム沖縄、那覇空港ビルディングの8社に感謝状が贈呈
料金は従来の「航空便プロテクトサポート」便に専用セ
される。
キュリティ端末レンタル料月額4725円がプラスされる。
▼北里研究所病院の山田好則医長:航空身体検査証明審査
「航空便プロテクトサポート」の料金は2kgで312円、5kgで
会委員を務め、また航空身体検査基準検討会委員として審査
630円、10kgで945円となっている。
基準の見直しに取組み多大の貢献した。
▼石狩湾新港管理組合:19年10月27日石狩新港で空港施設
★東日本3月、利用率60.3%、旅客数19万7003人
を用いた液状化実験の実施に際し広範囲な実験用地の提供等
に尽力し実験成功に多大な貢献をしたため。
東京航空局がまとめた東日本コミューター3月の旅客輸送実
▼日本トランスオーシャン航空、沖縄エアポートサービ
績によると、全9社合計の旅客数は19万7003人、利用率は
ス、那覇空港グランドサービス、ジャルスカイ沖縄、那覇空
60.3%となった。旅客を伸ばした会社は旭神航空。旅客数前
港旅客サービス、エアー沖縄、グランドシステム沖縄、那覇
年度比19.6%増を記録した。
空港ビルディング=中華航空機炎上事故で救助活動に従事し
路線別に見ると、エアーニッポンネットワークの伊丹−松
た多大の貢献したため。
山線の旅客数278.2%増、伊丹−福岡線の51.9%増、アイベッ
クスエアラインズの74.9%増などが目立った。伊丹−福岡線
★成田、30周年記念で騒音地区に記念品配布
地域との共存・共生策を推進
は利用率においても88.5%と高かった。そのほかに利用率の
高かった路線はジェイ・エアの伊丹−新千歳線の92.6%な
成田国際空港会社(NAA)は、開港30周年を記念して、騒
ど。
音対策地区住民約1万世帯に記念品を配布する。NAAは、地
一方旅客数の減少が目立ったのはエアーセントラルの新潟
域住民との共存・共生を理念として掲げており、今後も空港
−伊丹線の57.4%減や、アイベックスエアラインズの成田−
に対する理解と協力を求めるため挨拶と記念品を配布してい
伊丹線の44.7%減など。利用率の悪かった路線は、北海道エ
くことにしたという。
アシステムの丘珠−釧路線の48.8%、またエアーニッポン
配布には、NAA職員延べ400人が各世帯にクオ・カードを
ネットワークの丘珠−釧路線の44.8%などがあった。
持参、騒音対策地区にあたる成田市、芝山市、富里市、多古
なお各路線の実績は以下の通り。
町、横芝光町、河内町の各世帯をまわる。
◆新中央航空=旅客数:4717人(同13.2%減)、利用率:
★成田振興協会、空港周辺中学生の海外派遣事業
61.6%
A380に乗ってシンガポールなど視察
▼調布−新島=旅客数:2008人(同14.8%減)、利用率:
62.7%
財団法人成田国際空港振興協会は、成田空港開港30周年を
▼調布−神津島=旅客数:1433人(同1.4%減)、利用
記念して中学生海外派遣事業を実施する。派遣先はシンガ
率:61.6%
ポール、マレーシア。派遣期間は8月下旬の7日間で、空港周
◆東方航空=旅客数:1599人(同18.9%減)、利用率:59.9
辺11市町の中学3年生22名。
%
同事業では、先頃就航したばかりのシンガポール航空の
▼八丈島−青ヶ島=旅客数:420人(同4.3%減)、利用
A380に搭乗してシンガポールに行き、チャンギ国際空港、ク
率:72.9%
アラルンプール国際句稿を視察、さらに現地中学校における
▼御蔵島−三宅島=旅客数:323人(同22.9%減)、利用
交流会などを予定している。
率:63%
▼三宅島−大島=旅客数:318人(同12.4%減)、利用
★ヤマト、航空便GPSプロテクトサービス開始
率:62%
◆旭神航空=旅客数:1142人(同19.6%増)、利用率:58.7
ヤマトグループのヤマトグローバルエキスプレス社は来た
%
る6月1日から「航空便プロテクトサービス・GPSサービス」
※同線は新潟−佐渡線のみ運航 を発売する。
◆ジェイ・エア=旅客数:2万4434人(同11.9%減)、利用
同社は企業の重要書類などを安全・確実に届けるサービス
率:61%
として発送から配達までに通過する拠点において荷物の授受
▼名古屋−新潟=旅客数:3645人(同9.6%減)、利用
管理を行う「航空便プロテクトサポート」を2005年より販売
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率:58.8%
▼名古屋−秋田=旅客数:3373人(同16.9%)、利用率:
55.3%
▼伊丹−山形=旅客数:7148人(同13.3%減)、利用率:
57.9%
▼伊丹−新千歳=旅客数:2871人(同1.2%減)、利用
率:92.6%
▼伊丹−花巻=旅客数:2274人(同15.5%減)、利用率:
74.6%
◆エアーセントラル=旅客数:2万4753人(−)、利用率:
67.1%
▼成田−中部=旅客数:2426人(同2.3%減)、利用率:
78.3%
▼秋田−中部=旅客数:3520人(同69.6%増)、利用率:
76.7%
▼伊丹−仙台=旅客数:3268人(−)、利用率:72.4%
▼中部−仙台=旅客数:8303人(−)、利用率:66.5%
◆北海道エアシステム=旅客数:1万2123人(同17.6%
減)、利用率:48.2%
▼新千歳−釧路=旅客数:4785人(同24.2%減)、利用
率:54.9%
▼丘珠−釧路=旅客数:2881人(同48.8%増)、利用率:
48.8%
▼丘珠−函館=旅客数:1281人(同40.6%減)、利用率:
60.3%
◆アイベックスエアラインズ=旅客数:2万1685人(同10.9
%減)、利用率:66.6%
▼成田−新千歳=旅客数:2034人(同2.4%減)、利用
率:70.1%
▼伊丹−仙台=旅客数:2219人(同74.9%増)、利用率:
71.6%
▼成田−広島=旅客数:2327人(同0.4%増)、利用率:
76.3%
▼伊丹−福島=旅客数:6303人(同0.8%減)、利用率:
68.5%
▼伊丹−秋田=旅客数:2750人(同23.8%減)、利用率:
57.3%
◆エアーニッポンネットワーク=旅客数:9万4 7 5 9 人
(−)、利用率:59.4%
▼丘珠−釧路=旅客数:4393人(同18.2%減)、利用率:
44.8%
▼丘珠−函館=旅客数:9385人(同13.6%増)、利用率:
64.7%
▼丘珠−中標津=旅客数:6244人(同2.6%増)、利用
率:61.9%
▼丘珠−女満別=旅客数:4163人(同25.5%増)、利用
率:60%
▼伊丹−高知=旅客数:3万146人(同0.1増)、利用率:
54.8%
▼伊丹−松山=旅客数:1万3207人(同278.2%増)、利用
率:73.7%
▼伊丹−佐賀=旅客数:4671人(同8.2%減)、利用率:
50.9%
▼伊丹−福岡=旅客数:1万2178人(同51.9%増)、利用
(3)
率:88.5%
◆日本エアコミューター=旅客数:1万1831人(−)、利用
率:57.9%
▼伊丹−新潟=旅客数:4765人(−)、利用率:63.1%
▼伊丹−松本=旅客数:2051人(4.4%増)、利用率:47
%
▼新千歳−松本=旅客数:2007人(−)、利用率:57.9%
★ADO、7月運賃変更、追加設定
北海道国際航空(ADO)はこのたび、7月の運賃を一部変
更、追加設定を行い国土交通省に届け出た。
今回は旭川−東京間の「往復運賃」「道民割引」「DOシニ
ア60」「学割」「スカイメイト」「DOバリュー1・7・28」
の値下げ、東京−函館間の「DOバリュー7・28」を値下げし
た。
そのほか、7月22日〜31日までの期間「DOバリュー1・7・
10」を追加設定した。
今回は特にDOバリュー1において上下線を7700円〜10700
円と大きく値下げ、これにより1万6400円〜2万2700円とな
る。そのほか往復運賃の上下線5300円の値下げなどを設定し
た。
★中部、「世界のげんきアート展」開催
中部国際空港は世界のアートを紹介する「世界のげんき
アート展」を開催する。
5月28日〜30日までの3日間、横浜にて行われる第4回アフ
リカ開発会議、それに従って設定された「アフリカ月間」に
あわせ行われるもので5月23日〜6月2日までセントレアギャ
ラリーにて開催する。タンザニアの伝統絵画ティンガティン
ガを展示するほか、期間中には体験イベントとして「砂絵で
げんきアートを描こう!」、「カンガ布を巻いてみよう!」
「自分だけのティンガティンガコースターを作ろう!」など
を予定している。
●訃報 元エアーニッポン丸居幹一会長が死去
エアーニッポン(ANK)の会長、運輸省船員局長を務めた
丸居幹一氏が5月18日に死去した。91歳。
通夜は5月23日午後6-7時、告別式は24日午前10-11時。喪
主は長男の丸居民夫氏。斎場は桐ヶ谷斎場(住所:東京都品
川区西五反田5-32-20、TEL:03-3491-0213)
通夜、葬儀、生花・供物などに関する問い合わせは、株式
会社総合式典(TEL:045-474-4939、FAX:045-4744938)
【航空工業ニュース】
★航空宇宙工業会の新会長に森富士重工社長
副会長3名も交代、新体制で発展を期す
日本航空宇宙工業会(SJAC)は、21日午後第34回通常総
会を開催し、役員の改選を行なった。任期満了により退任し
た伊藤源嗣前会長(IHI相談役)の後任の会長には森郁夫・富
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伊藤源嗣元会長(左)と新任の森郁夫会長(右)
士重工業社長が、副会長には佃和夫・三菱重工業会長、服部
重彦・島津製作所社長、下村節宏・三菱電機社長が選任され
た。いずれも新任。
総会後の懇親会には、会員企業、関係省庁、団体などから
多数が出席、来賓の甘利明経済産業大臣、江渡聡徳防衛副大
臣、松浪健四郎文部科学副大臣が祝辞を述べた。航空宇宙産
業の主務官庁である経済産業省を代表して甘利大臣は、「我
が国の航空宇宙産業は、ボーイング787の開発に35%のシェ
アで参画するなど、日本なしでは世界の民間航空機開発がな
りたたなくなるまでに至った。独自開発のMRJもスタート
し、更に発展を期待している。MRJの「営業部長」として海
外出張では積極的に紹介している。また、21日宇宙基本法が
成立、今後「宇宙庁」が作られるようだが、是非初代長官に
なりたいものだ」など当意即妙の挨拶をした。江渡防衛副大
臣は、防衛産業としての航空機工業の重要性を指摘し、総合
取得改革の実施に協力を求めた。松浪文部科学副大臣は、
JAXAの主要宇宙プロジェクトの成功から、打上げ民営化、
そして宇宙基本法の成立で宇宙の産業化の促進が盛り込まれ
ていると指摘、また、航空機分野では民間への積極的技術支
援を行なっていく、と述べた。
森新会長、民間機は一層国際共同拡大に期待
宇宙は基本法成立で国際協力の拡大も期待
伊藤前会長は、退任にあたり所見を述べて、業界の現況と
展望を総括した。この中で、国際環境はグローバル・サプラ
イチェーンがますます拡大しており、民間航空機について
は、引き続き国際共同開発に参加しつつ、MRJのような独自
開発プロジェクトも立ち上げ、拡大を図っていくことが必要
だとした。そして、航空宇宙工業会としては、主要国の航空
宇宙産業団体との交流を拡大し、会長として関係緊密化に努
力した、と述べた。また、防衛関係は政府予算の縮減傾向が
懸念されるが、防衛ニーズに的確に応える必要があり、技術
基盤の維持とバーゲニングパワーとして先進技術実証機のよ
うなプロジェクトの充実を要望した。また、質問に答え、航
空自衛隊の次期戦闘機については、業界としては早期の機種
選定とライセンス生産の実施を望む、と述べた。
宇宙分野については、宇宙基本法が成立し、国としての統
一的な政策により宇宙産業の拡大が期待できる状況が作られ
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たことを歓迎した。
更に、中国、インドの台頭、ロシアの復活など航空宇宙分
野の国際競争が一層激化する状況の中で、わが国の航空宇宙
産業を発展させるため、自助努力だけでなく、関係各方面の
絶大な支援を要望する意向を示した。
新会長となった森富士重工社長は、民間航空機分野が好調
であり、防衛・宇宙関係もいろいろなプロジェクトはある
が、競争激化の厳しい情勢にあるとの認識を示し、民間分野
については、MRJを成功させるとともに、国際共同開発に
もっと積極的に参加することが、発展の方策ではないか、と
見ている、と述べた。
防衛については、これまで培ってきた技術基盤を活かして
防衛ニーズにタイムリーに応えていく必要があるとの認識を
示し、そのために防衛技術基盤の強化に資する施策を要望す
る旨を述べた。
宇宙については、宇宙基本法の成立で、研究開発主体から
産業の拡大による活性化が期待され、また米国との共同開発
も可能性が広がるのではないか、と述べた。
★ホンダ、英・独・西に販売・サービスディラー設立
専用設備建設、2012年欧州初号機引き渡し
ホンダエアクラフトカンパニー(ホンダ)は20日、欧州に
おける受注活動を開始した。ホンダは、欧州における受注活
動強化を図るため、イギリス、ドイツ、スペインにそれぞれ
ホンダジェットの販売とサービスを行うディーラーを設立す
る。欧州の機体の引き渡しは2012年後半の予定で、欧州初号
機はホンダレーシングF1チームドライバーのジェンソン・
パトン選手(28歳)を予定している。なお、欧州での販売価
格は北米と同様の390万米ドル。
ホンダは、欧州ディーラーとしてHondaJetUK&Northen
Europe、HondaJetCentralEurope、HondaJetSouthenEuropeを、英国のTAGAviationSA社、ドイツのRhelnlandAir
ServiceGmbH、スペインのAviastec社と提携して設立。
2012年後半までに、専用の販売・サービス施設を建設し、
サービスを開始する。
さらに、パイロット訓練は米国と同様、フライトセーフ
ティインターナショナルと提携することにしている。
★ディスカバリー号、31日に打ち上げ
「きぼう」日本実験室、船内実験室の取り付け
米国航空宇宙局(NASA)はスペースシャトル「ディスカ
バリー号」の打ち上げを米国東部夏時間5月31日17時2分(日
本時間6月1日6時2分)に行う。飛行予定期間は約14日間。
今回のミッションでは同機にJAXAの星出彰彦宇宙飛行士
が同乗し、「きぼう」日本実験棟の船内実験室の取り付け、
起動、船内保管室のハーモニーから船内実験室への移設、ロ
ボットアームの展開などを行う予定。
海外メーカーニュース】
★RR社、タイ国際のA380型6機にTrent900
ロールス・ロイス(RR社)は、タイ国際航空が導入予定の
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1674号 2008年(平成20年) 5月22日 (木曜日)
A380型6機にTrent900エンジンが選定されたと発表した。リ
ストプライスで5億米ドル(525億円)。Trent900は、A380
向けに58%のシェアを獲得しているという。
タイ国際航空への機体納入予定は2010年後半から開始され
る予定で、TotalCareサービスも契約に含まれている。
Trent900は、現在商用運航されているA380向けのエンジ
ンとしては唯一のエンジンで、07年10月に商用運航を開始し
て以来、累計で1万8000時間井序の運航時間を達成してい
る。
【海外エアラインニュース】
★ベトナム航空、7月より燃油サーチャージ値上げ
ベトナム航空(HVN)は、2008年7月1日発券分より燃油
サーチャージ額を改定し、現行の片道7500円から、1万500円
に値上げする。航空保険料(470円)に変更はない。対象と
なるのは、日本ーベトナム間発着路線全クラス、および全運
賃種別の航空券。ただし、座席を使用しない幼児は適用外と
なる。
(5)
★カタール航空、ベイルート便再開
カタール航空は去る15日、レバノン首都ベイルートの政治
的緊張緩和を受けてベイルート便を再開した。ベイルート便
を再開したのは国際的な航空会社として初。
再開後初のドーハ発QR422便はドーハ国際空港を19時32分
に出発し、22時37分にベイルートラフィク・ハリリ国際空港
に到着した。
ベイルート便は朝夜の一日2便を毎日運航する。
なお運航スケジュールは以下の通り。
【ドーハ→ベイルート】▼QR2422便=ドーハ8時10分発→
ベイルート11時15分着▼QR422便=ドーハ16時15分発→ベ
イルート19時20分着
【ベイルート→ドーハ】▼QR2423便=ベイルート12時15
分発→ドーハ15時05分着▼QR423便=ベイルート21時発→
ドーハ23時50分着
【旅行関連ニュース】
★JATA国際観光会議にエア・アジアCEOが特別講演
9月18日、アジア大旅行時代テーマに再活性化議論
★CCA、機内で四川省地震死者・被災者を追悼
中国国際航空(CCA)は5月19日〜21日の間、全フライト
の機内エンターテインメント・プログラムを中止した。今回
の中止は、四川省大地震の死者及び被災者を追悼して行った
もので、機内では3分間の黙祷も行った。またCCAは、救援
フライトでの責任を果たすことで、地震被災地復興を支援す
る意向を表明している。
★ルフトハンザグループ、2008年4月輸送実績
ルフトハンザグループ(DLH/SWR)が2008年4月輸送実
績を発表した。各数値は以下の通り(RPK:有償旅客キロ
メートル、ASK:座席有効キロメートル、L/F:ロードファ
クター、カッコ内は前年同月比)。
◆ルフトハンザグループ(DLH/SWR)
【全路線(グループ合計)】
RPK:127億6000万キロ(27.1%増)
ASK:163億400万キロ(28.2%増)
L/F:78.3%(0.6ポイント減)
【DLH旅客単体】
RPK:104億9900万キロ(4.6%増)
ASK:135億1700万キロ(6.3%増)
L/F:77.7%(1.2ポイント減)
【SWR単体】
RPK:22億6100万キロ
ASK:27億8700万キロ
L/F:81.1%
【アジア・太平洋路線】
RPK:32億2700万キロ(19.0%増)
ASK:38億400万キロ(16.0%増)
L/F:84.8%(2.1ポイント増)
日本旅行業協会(JATA)は、9月18日に東京ビッグサイト
で開催される「JATA国際観光会議2008」の詳細を発表し
た。今回の会議のテーマは「日本海外旅行市場の再活性化に
むけてPART2」と題し、メインテーマを「アジア大旅行時
代」に据えて徹底検証する。このため、特別講演はアジアか
ら世界に路線を広げるローコストキャリア(LCC)のエア・
アジアグループのトニー・フェルナンデスCEOが登壇、航空
業界地図を塗り替えるLCCの役割、エア・アジアの日本市場
進出への戦略、そして日本の旅行業界との関係などを語る予
定。
また、モルディブ共和国の大臣を招聘、観光産業が地球温
暖化防止に向けて出来ることについて「提言」してもらう。
午後のマーケティング・プログラムでは、アジア大旅行時
代を踏まえて、アジアの現状把握を行うため、第1部で太平洋
アジア観光協会(PATA)によるアジア観光市場の分析、米
系航空会社のアジア市場戦略と日本市場の位置付け、第2部で
中国、韓国を代表する旅行会社のアジア市場戦略、受けて側
のランド、ホテルのアジアと日本市場の展望、第3部では送り
手側の旅行会社が、田2部までを踏まえて、アジア海外旅行市
場についてパネルディスカッションし、海外旅行の再活性化
について議論する。風の旅行社の原優二社長が、ファシリ
テーターを担当する。
VWCと連動、佐々木委員長/澤邊室長が基調講演
19日インバウンド、20日ANTORとBOARがシンポジウム
今回のJATA国際観光会議はビジット・ワールド・キャン
ペーン(VWC)と連動、佐々木隆VWC推進特別委員会委員
長、澤邊宏VWC推進室長が基調講演し、2010年2000万人の
海外旅行者数をめざすVWCの目的、戦略などについて改めて
説明する。
また、9月19日の本会議とは別に、19日にはJATAと国土交
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1674号 2008年(平成20年) 5月22日 (木曜日)
(6)
▼ホノルル支店ホノルル空港所総務セクションマネジャー
通省共催によるインバウンド・シンポジウム、20日には午前
兼ホノルル支店ホノルル営業所兼米州支社付J A L ・
に在日外国観光局協議会(ANTOR)、午後に在日航空会社
HAWAII,INC(関連事業室付JALナビア大阪)松下透
代表者協議会(BOAR)の後援企画による海外旅行シンポジ
▼貨物郵便業務部付ジャルカーゴセールス(貨物郵便業務
ウムがそれぞれ開催される。
部付JUPITER・GLOBAL・LTD)平田守
なお、今年のJATA国際観光会議は、会議参加登録料に植
▼労務部付JAL生活協同組合(乗員サポート部副部長)本
林活動の寄付金を含む500円のカーボンオフセットを導入、
間聡
地球温暖化への業界態度を示す。
▼貨物郵便業務部JUPITER・GLOBAL・LTD兼香港支店
JATA-WTF、ミクロネシア・オセアニアと北米を特集
(貨物郵便業務部付JUPITER・GLOBAL・LTD)野海剛
業界日に北米と「マーケット・プレイス」開催
9月19-21日まで開催される「JATA世界旅行博2008」
(JATA-WTF)は、主催者企画の特集地域にミクロネシア・
オセアニアと北米を選出した。主催者企画地域は、昨年は中
東、一昨年は中欧と、新デスティネーションを選んでいた
が、今年は「海外旅行再活性化へVWCと旅行博を連動してい
きたい」(澤邊VWC推進室長)として、VWCの2008年度上
期重点地域に選ばれているメイン・デスティネーションの再
活性化をめざす。
また、19日の業界日の企画として、北米出展者を対象に、
商談・情報交換を行う「マーケット・プレイス」を試験的に
実施する。
★JATA、VWCロゴ決まる−「もっと!海外へ」
わかりやすく、力強く、メッセージ発信 日本旅行業協会(JATA)のビジット・ワールド・キャン
ペーン(VWC)2000万人推進室は5月22日、VWCのロゴ・
キャッチフレーズを決定した。ロゴマークは、海外旅行への
呼びかけに「もっと!」を印象的なキーワードに、「海外
へ」を矢印の中に入れてモチーフにしたデザインとした。海
外旅行需要喚起を訴えかけるメッセージを、わかりやすく、
力強くを強調した。カラーは赤と青のシンプルなデザイン
で、名刺やパンフレット上にも違和感なく掲載できるように
した。
JATAは今回発表したロゴ・キャッチフレーズを海外旅行
振興のための業界のシンボル・ロゴとして、会員各社(正会
員、協力会員約2000社)をはじめ、観光局、サブライヤーな
どに積極的に採用してもらう。
なお、ロゴ・キャッチフレーズの電子データはJATAホー
ムページ「VWC2000万人推進室」上に掲載、自由に使用可
能。
※URL=VWC2000万人推進室
http://www.jata-net.or.jp/vwc_index.htm
【人事異動】
★JAL管理職の異動
(6月1日付)
▼ホノルル支店ホノルル空港所長兼米州支社付JAL・
HAWAII・INC兼経営企画室付JALウェイズ(ホノルル支店ホ
ノルル空港所総務セクションマネジャー兼ホノルル支店ホノ
ルル営業所兼米州支社付JAL・J・HAWAII・INC)田中剛