かみなが20号

かみなが・2
第 20 号
平 成 28 年 8 月 9 日
長崎市立上長崎小学校
校長
池田 敏彦
です。
「平和について」
平和については,昔から全人類が共通し
て望んでいることです。世界を導いてきた
リーダーたちは,この平和について,いろ
いろと考えを巡らし,それを表した言葉を
残しています。
今日の私の話は,そのいくつかを紹介し,
平和とは何か,平和を阻んでいるのは何か,
平和を実現するにはどうしたらよいか,を
皆さんと考えたいと思います。
1 平和とは何か
〇
米国の第 35 代大統領ジョン・F・ケネディ
の言葉です。
私が言っているのは本物の平和です。
それは人生が生きるに値すると思わせる
平和で,すべての人々や国々を発展させ,
夢を抱かせ,子供たちのためによりよき
生活を打ち立て得る平和です。それはア
メリカ人だけのための平和ではなく全人
類のための平和で,我々の時代だけの平
和ではなく,全ての時代の平和です。
〇 インドの初代大統領ネルーの言葉です。
ある国の平和も,他国がまた平和でな
ければ保証されません。この狭い相互に
つばがった世界では、戦争も自由も平和
も全てつながっています。
〇 パナソニック創業者 松下幸之助さん
の言葉です。
何が正しいかの判断は,それがお互い
の繁栄,平和,幸福を高めるかどうかと
いうことに基づきます。
〇 ノーベル平和賞を受賞したキング牧師
の言葉です。
真の平和とは,単に緊張がないだけで
はなく,そこに正義が存在することです。
ここに共通していることは,
◎ 平和は,夢を抱かせ,正義があり,人々
がよりよき生活を送ることができる状態
であること。
◎ 平和は,ただあなた一人,日本だけが
そうであればよいのではなく,他の人々
や国々も,そうである状態
2
平和を侵すもの
〇
ビートルズという伝説的バンドのリー
ダーの言葉です。
みんな平和について語るけど、誰もそ
れを平和的な方法でやってないんだ。
〇 古代中国の哲学者老師の言葉です。
もっとも立派な武器はもっとも大きな
悪をつくる。知恵が深い人は武器に頼る
ことはしません。彼は平和を尊びます。
彼は勝っても喜ぶことをしません。戦い
に勝ったことを喜ぶことは,殺人を喜ぶ
ことを意味します。殺人を喜ぶような人
は,人生の目的に達することはできませ
ん。
〇 ノーベル文学賞を受賞したバーナード・
ショーの言葉です。
ゆがんだ国を愛する心は,自分が生ま
れたという理由で,その国が他よりも優
れていると思い込ませます。
〇 アメリカの宗教者マーフィーの言葉で
す。
それが正しい怒りであっても,怒りは
何も生まないばかりか,あなたから生命
力や情熱や心の平和を奪います。
〇 昔の実業家渋沢栄一の言葉です。
反対する者には反対する者の論理があ
る。それを聞かないうちに,いきなりけ
しからん奴だと怒ってもはじまらない。
問題の本質的な解決には結びつかない。
〇 ノーベル平和賞受賞者ダライ・ラマ 14
世の言葉です。
たいてい軍事行動は,平和を目的とし
ます。しかし現実の戦争は,まるで生き
た人間を燃料とした火事のようです。、
〇 漫画の主人公チャーリーブラウンの言
葉です。
なぐろうとすると,人にはなぐり返そ
うとする傾向があるってことが観察によ
って分かってきたんだ。
これらの言葉に共通することは,
◎ 平和を乱すものは,大きな立派な武器を
用いて他国に勝とうとすること,自分の
生まれた国が他国より優れているという
思い込み,他国への怒り。自分だけが正
しく相手が間違っているという偏った考
え方,怒りであること。
◎ 他国や相手に向けた攻撃や怒りは,必
ず,相手の攻撃や怒りを引き起こすこと。
です。
3 平和をつくるために
〇 インドの政治指導者ガンジーの言葉で
す。
平和への道はない。平和こそ道なのだ。
〇 カトリック教会の修道女マザー・テレ
サの言葉です。
平和は微笑みから始まります。
〇 ドイツの詩人ゲーテの言葉です。
各自がおのれの分をわきまえ、他人に
は他人の利益を認めれば,永遠の平和は
たちどころに成ります。
〇 宗教家マーフィーの言葉です。
平和と調和に満ちた雰囲気を家庭内で
維持しなさい。子供たちは,家庭内の精
神的な雰囲気を吸収しながら成長するの
です。
〇 日本の小説家 野上弥生子の言葉です。
平和な仲のよい夫婦ほどお互いにむず
かしい努力をしあっているのだ,という
ことをみのがしてはならない。
〇 理論物理学者アインシュタインの言葉
です。
平和は力では保たれない。平和はただ
分かりあうことで、達成できるのだ。
これらの言葉に共通することは,
◎ 平和をつくるためには,自分だけによ
いのではなく相手にとってもよいように
すること,自分だけが正しいと思わず相
手の言い分にもきちんと耳を傾けること
です。
◎ 平和をつくるためには,相手にほほえ
むこと,相手とわかり合うこと,相手も
家族を愛することです。
ということです。
正しいことを貫き通して自立して生きる,
人の考え,思い,暮らしを大切にして共生
して生きる,すべての人にとってよりよい
ものを望み,行動する創造して生きる。
私が考える平和は,「自立し,共に,よ
りよく生きる」という本校教育目標そのも
のです。
国立市の皆さん,本日は,本校の平和集
会に参加してくださり,誠にありがとうご
ざいました。
長崎の子どもたちは,かつて原子爆弾を
落とされた不幸の歴史を教えとして,毎年,
平和を実現するにはどうすればよいか考え
続けています。
そして,本校では,まず,隣の人たちを
大切にし仲良くするために,
「あったかたい
わ」という習慣を身に付ける取組をしてい
るところです。
国立市の皆さんの発表から,皆さんも,
大変不幸な歴史を背負い,やはり,平和に
ついて考え続けておられることが分かりま
した。
私たちは,平和を求め続けている仲間で
す。これからも,お互いに,それぞれの立
場で,全ての人にとってよいと思えるよう
な平和を考え続けつくっていきましょう。