IT ヘルスケア 第 5 巻 1 号,May 23, 2010 シンポジウム講演1 病 院 で も I T か ら I C T ( information and communication technology) へ の 移 行で豊かに 野末 睦 医療法人社団山形愛心会庄内余目病院院長 医療法人徳洲会常務理事 アナログがデジタル化されることに抵抗を感じる人が医療現場には多いような気が します。ここでは8年前に庄内余目病院の院長になった私の経験と見解を述べさせて もらいたいと思います。 最近当院でも電子カルテを導入いたしました。いくつかの懸念はありましたが、私 は導入に大きな可能性と魅力を感じました。なぜなら、電子カルテのほうが、人間の 本質(良好なコミュニケーション)に近づくと感じたからです。それは私たちの日ご ろのコミュニケーションを思い出してみれば明らかです。直接話す、手紙を書く、固 定 電 話 で 話 す 、携 帯 電 話 で 話 す 、メ ー ル を 打 つ 、チ ャ ッ ト す る 、ト ゥ イ ッ タ ー を 使 う 、 スカイプを使ってグループで話す。ITのおおよそのレベル順に列記しましたが、み なさんは現在どのレベルでもっともコミュニケーションをとっているでしょうか? 私が院長になってからの病院でのITの導入を、思いつく限り列挙してみます。ま ず 、8 年 前 、富 士 通 の オ ー ダ リ ン グ が 導 入 さ れ ま し た 。次 に 患 者 さ ん の ナ ー ス コ ー ル 、 モニターを一新しました。職員間ではグループウェアであるサイボウズを数年前に導 入しました。それと前後して、ホームページを開設し、病院ブログは約二年前、そし て院長室ブログは今年の一月から、そしてついに今年の3月から電子カルテと画像シ ステムを導入したのです。 学会発表ではこれらの大きな流れを踏まえつつ、電子カルテ導入でのエピソードな どを楽しくお話したいと思います。基本的には病院のICT化は避けられず、という より積極的に導入したいと考えていますので。その際のキーワードは、導入のタイム ラ イ ン 、潜 在 意 識 へ の 働 き か け 、マ ス タ 、財 政 的 根 拠 、心 理 的 動 き 、ク ラ ウ ド 的 動 き 、 ベンチマークなどになると思います。抄録執筆時点で電子カルテ導入から日が浅いの で、具体的データについてはここではお示しできず、当日の発表となります。楽しみ にしてお聞きください。 13
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