平成25年度 三者交流会 報告

平成25年度「山田高校のより良い学校づくりをめざす生徒・保護者・教職員による意見交流会」報告
平成26年3月7日(金) 視聴覚室
〔目 的〕
①生徒、保護者、教職員が、主体的に学校づくりに参加することで、より良い山田高校づくり
に役立てる。
②生徒、保護者、教職員が双方向で意見を交換することで、互いの理解を深める。
③「学校評価」の1つの資料とする。
〔 生徒による「テーマ設定」と三者交流会へ向けた意見集約の流れ 〕
12月 6日
全校生徒アンケートでテーマ募集 → 執行部で検討
1月21日
生徒議会へ提案
28日
生徒議会で採決
2月 4日
生徒議会で一斉HR討議の準備
2月 6日
一斉HR討議
2月 7日
第1回代表者会で各クラスの意見を集約
〔 保護者による意見集約の流れ 〕
12月中
保護者アンケート「山田高校を考える」の実施 → 生徒会顧問で集計
2月 5日
PTA委員会で、保護者アンケート結果を参考にしながら
生徒が設定したテーマについて、学年別分散会で意見交流を実施
☆本年度のテーマ
テーマ① 「理想の授業」とは?
〔 テーマ提案理由 〕
① 過去には「46分7限授業」・「家庭学習」「自習室の設置」「分かりやすい授業」「評価の
仕方」などの学習面に関するテーマで話し合いが行われてきました。
今回も、「授業」に関する大変多くの回答が寄せられています。その内容も多岐にわたって
おり、生徒によって「良い授業」と考えるポイントにズレがあることも感じました。簡単に言
うと、「楽な授業」がよい授業という感覚を持っている人と、進学を目指してより「厳しい授
業」を望んでいる人が混在しています。
現在の山高生が考える「良い授業」をいくつかの形にまとめてみることで、「理想の授業」
に近づくヒントが見えてくるかもしれません。「より良い授業」を目指すことは、生徒にとっ
ても先生にとっても共通の願いであり、永遠のテーマでもあります。
受け手の側の生徒から、「理想の授業」を提案していくことで、先生方の参考にもしていた
だけるし、生徒自身の学力向上につながっていくことが期待できると考えました。
<生徒意見のまとめ>
パワーポイントを使って、執行部生徒やクラス代表生徒から報告
<保護者意見のまとめ>
パワーポイントを使って、教員から報告
○パターン1
「一人一人の理解度が高まる授業」
○パターン2
「やる気になる授業」
この2つの形をもとにして意見交流をしま
した。
○パターン1 「一人一人の理解度が高まる授業」
<意見交流>
教員:この学校に着て7~8年。当時と今の生徒の状況はだいぶ違う。良くなっている。当時は
授業を落ち着かせ、聞かせ、寝ている子を起こすことがよくあった。年々良くなってきてお
り、今のみなさんの意見を聞いてすごいなあと思う。今変わって来ているところ。先生方も
試行錯誤だと思う。生徒の質も上がってきていて、よしやろう!というところだと思う。保
護者のみなさまのご意見より、もっと指導して欲しいという思いをもってみえることがわか
った。ただし、生徒全員が難しい大学をめざしているわけではない。中には専門学校をめざ
している子もいる。我々もどこに軸をおいて指導したらいいか考えている最中。英語と数学
は理解度が上から下まで幅が広いので、習熟度別の授業を行っている。私が理想と思う授業
は、普通科高校に進学してきたので、より高いところ(大学進学)をめざして生徒が興味関
心を持てる授業をすること。ご家庭と生徒の思いと教員の指導のバランスがとれるようにし
ていきたい。
生徒:宿題たくさん出されてもやる気が出ない。どうしたらいいか?野球部に所属していて、毎
日部活がある。夏休みや冬休みにたくさん宿題が出て大変。それ以上に宿題を多くされると、
部活動もがんばりたいので、出来ない。(勉強もやりたいという意識はあるが・・・。)それ
で成績を下げられたらよりやる気をなくしてしまう。
教員:理解度といっても、生徒からは一人一人の理解度に合わせてほしいという意見がある。ア
ンケートでも、生徒の目線で考えてほしいという回答がみられた。いきなり高いレベルのこ
とをされてもわからないので、一つ一つわかっていきたいという生徒の声だと思う。チョー
クの使い方を全教科で統一してほしいという面白い意見もあった。
保護者:わからないところを先生に質問しなさいと子どもに言うが、なかなか聞けない。宿題は
生徒の理解度を確かめるために出してほしい。部活が忙しいなら授業は集中しているのか?
わからないから寝る・しゃべるという負のスパイラルもある。学校の授業で理解したかどう
かが宿題をやったときにわかる。
司会:どのような意図で宿題を出しているのか?
教員:科目の特性はあるが、課題はあまり出していない。地歴公民科では、覚えることの先に理
解があると考えている。まずは必要事項を覚え、その上で学習内容の意味を理解することが
必要だと思う。
生徒:覚えるだけでなく、興味を持てるような課題を出してほしい。
「この事件についてレポート
を書いてきなさい」といった課題が良い。覚える動機付けがほしい。
生徒:私は歴史が苦手だが、覚えなくてはならないことに付け足して関連事項や面白い語呂合わ
せを先生が教えてくれて覚えることができた。
○パターン2 「やる気になる授業」
<意見交流>
教員:国語表現ではコミュニケーションを伴う活動がたくさんあるが、最終的に理解するのは自
分自身。自分が理解できるために勉強しないと楽しい活動をやっても意味がない。古典では
予習をしてもらっているが、やっていない人がいると、それを授業中に確認することになり、
予習した人にとっても不幸な授業になる。自分で勉強する習慣のある人は最終的に伸びてい
く。人に頼るのではなく自分でやることが大切。
生徒:1 年生のときは OC があったが、今は英語Ⅱと Writing しかない。もっとリスニングをや
ってほしい。
生徒:授業で眠くなる。世界史、現代社会、国語総合などは板書を写して覚える科目なので眠く
なる。化学・数学・古典などは自分で問題を解かなくてはいけないがわからなくなって寝て
しまう。周りの子はわかっているが、自分だけわかっていない。後で聞こうと思ってもなか
なか先生に聞けない。けじめは必要だと思うが、周りと相談しても良い時間があると良い。
生徒:予習をした方が良いと言われたが、課題のどこかがわからないとやる気がなくなる。予習
の仕方もわからない。難しい問題があると、解き方がわからないので進まない。授業中に単
語の意味を聞かれても、わかっている人が先に答えてしまって、わからない人が取り残され
る。
教員:予習の仕方についてはどこかで説明をした方が良いと思う。予習してわからなかったこと
を授業で聞いてほしい。流れが止まるような感じがして・・・というのはわかるが、同じこ
とを思っていた人もいるかもしれないので、勇気を振り絞って聞いてみてほしい。それがコ
ミュニケーションだと思う。
生徒:朝学部に参加している。最初は成果が出なかったが、最後のテストで良い点が取れた。朝
学や授業後の学習会があるとそういう人が増えて良いと思う。
教員:やる気のある子たちを応援したいという気持ちを教員は持っている。生徒の声聞くことで
一緒にそのような環境をつくることができると思う。
生徒:うるさい生徒を注意してほしい。まじめに授業を受けたい生徒もいるので。
教員:実技系と座学系にはっきり分けることはできないが、山田高校の生徒は実習が好きな子が
多い。受験に関係ない分、自由なことができる。他の科目で宿題を出すのは 3 年間という短
い時間の中で学習内容を定着させるためだと思う。みんなには好きになって欲しいと思って
家庭科の授業をしている。受験に関係のある科目は緊張感を持って取り組んでほしいが、家
庭科では話し合い等の時間もとれる。
テーマ② 山高の伝統をつくるために、「残していきたい良さと改善すべきこと」とは?
〔 テーマ提案理由 〕
② 過去には、三者交流会で取り上げた「部活動・生徒会活動の空調使用」が認められることに
なりました。また、「制服のカーディガン・セーターの自由化」については実施困難、それな
らということで「カーディガン・セーターの質の向上」を検討しましたが、業者などさまざま
な問題が絡み、問題解決には至っていません。最近では、「携帯電話のマナー」「校内美化」「山
高祭招待制の問題」が話し合われてきました。
今回のアンケートでは、「校内美化」「トイレの設備」に関することや、「携帯電話のマナー」
「自転車・地下鉄など通学時のマナー」「スカートの丈」「化粧」などについての回答が多く
ありました。内容としては、「自由にしてほしい」「認めてほしい」という声もありますが、「ち
ょっとやり過ぎ」「人に迷惑」「マナーがなっていない」「無責任」という声もあります。
生活面の具体的な問題をテーマにしたいと検討しましたが、なかなか選ぶことができません
でした。しかし、検討する中で、「自由と責任」「思いやり」というキーワードが出てきまし
た。
ほとんどの人が、山高に入って「楽しい」「良かった」と答えています。その一方で、自分
勝手な「楽しい」に迷惑している人もいます。ここで一度、それぞれが自分のことを振り返り
ながら、山高の良いところも良くないところもピックアップしてみることで、卒業してからも
「誇れる母校」となる伝統をつくっていくことにつながるのではないかと考えました。
<生徒意見のまとめ>
パワーポイントを使って、執行部生徒やクラス代表生徒から報告
<保護者意見のまとめ>
パワーポイントを使って、教員から報告
<意見交換>
○「改善すべきこと」
司会:直してほしい点はお金があれば解決することもある。制服についてはどうか?
教員:制服については、以前の三者交流会で話題になり、メーカーに話をしたところ、質を改善
するのであれば単価が上がるという回答をもらった。今年も、未だに「使ってすぐに毛玉が
できる」
「袖が破れる」等の意見があることをメーカーには伝えたが、大量生産ではないので
金額が高くなるのはやむを得ない。自由化という話も出ていたが、生徒諸君もいろいろ意見
があるだろうし、保護者のみなさんにも懸念があるかもしれない。今の形ならきちんとして
見えるが、自由にした場合にはだらっとした雰囲気になるのではないかと心配している。ス
カート丈についても、不審者に襲われる危険性も増すので、入学した時と同じ状態で保って
ほしい。メーカーによると、スカートの長さは 2 種類ある。身長によってどちらかを選ぶこ
とになっている。改造は禁止だが、切ってしまっている生徒もいる。改造してしまったら買
うしかないので家庭に負担がいくことになる。家庭でもぜひ指導してほしい。学校と家庭と
協力して良くしていきたい。生徒のみなさんが「かわいい」と感じていることは違反。文句
のつけようのない着こなしをしている生徒ももちろんいるが、ルールを守っていない生徒が
「自由にしろ」というのはおかしい。
教員:新制服になって 6 年たつ。制服検討委員会という教員の委員会で検討した。これまで、カ
ーディガンは色指定の自由だった。委員会では自由にしようという意見もあった。当時は空
調もなく温度調節がしにくかったが、カーディガンが自由だったためにブレザーを常に着な
さいという指導をしていた。学校の外でブレザーを脱ぐと、山田高校の生徒かどうかもわか
らなかった。今は学校のマークがついているのでわかるようになった。制服を決定するとき
は、生徒と教員で投票をして決めた。
生徒:制服を大切に着たい気持ちはあるが、ボロボロになった制服を着ていてかわいそうと思わ
れるのもいや。色指定されてもいいので、カーディガンは自由にしてほしい。スカートの長
さについては、山田はうらやましがられていてそれを誇りに思っている。スカートの長さに
ついてはこのままがいい。
生徒:外でワンポイントがついているので山田の生徒だとわかるという話があったが、シャツに
もマークがついているのでわかるのでは?ボロボロになったときに値段が高いと親に頼みに
くいが、ユニクロだと安いので親に頼みやすい。
保護者:カーディガンも 7000 円以上するが、1 年もしていないのに穴が開いてしまう。気軽に
買い換えることはできない。生徒の意見からもだらだらしたいという思いで自由にしたいと
言っているようには思えないので、色指定でもいいので自由にしてはどうか。
教員:ダンス部の顧問をしている。スカートが短いと外で恥ずかしい思いをする。強いチームほ
どきちんとしている。ルールが守れない人は意志が弱いし、強くもなれない。
教員:2 年生の国語表現の授業で制服について議論する機会があった。そのとき、制服は正装と
して使えるから便利という意見は生徒のみなさんからも出ていた。なぜ学校に正装でくるの
か考えてほしい。現状では、学校とはどのような場所なのか、とらえ方がそれぞれ違うので
はないか。
○「残しておきたい良さ」
生徒:若竹クリーンプロジェクトの校内版をつくったら、校内で汚いところも改善できる。
生徒:校内が汚いのに外を掃除してもどうかと思う。自分たちがいる場所からきれいにしたい。
生徒:体育祭を招待制にしたいと担任に言ったら、誰でも来て良いと言われたが、ほとんど誰も
来ていなかった。曜日を土日等に変えて、招待制にしてはどうか。いろんな人に見てもらい
たい。
生徒:体育祭は無法地帯。自分が出る競技以外は隅っこでしゃべっている。来ても何も見る物は
ない。
教員:生徒会行事を残したいと生徒が思ってくれているのは嬉しいが、生徒会行事にもまだまだ
課題がある。生徒が自分たちで運営していくという面を強化していきたいが、当日不備があ
ったりなかなか全校生徒に伝わりきっていないことがある。理想は完全なる自主運営。
保護者:体育祭の写真を見た時、ケータイを触っている生徒がいた。体育祭のときにケータイを
持ち込まないようにルールをつくることはできないか?
生徒:自分たちでも友達と写真をとりたいので、許可してほしい。
生徒:ケータイを触る子が増えているのは応援する気持ちがないから。今までは寒色対暖色でや
っていて、対抗という意識がなかった。今度からはクラス対抗として、応援団をつくるなど、
もっと盛り上げたい。
生徒:開会式の時にも始まった感じがしない。開会式をきちんとしたらもっと盛り上がると思う。
生徒:競技をしているのはグラウンドの真ん中だが、生徒たちの席から遠い。席を近くしてもら
えるともっと応援するひとも増えるのでは?
生徒:命の交流授業、水質調査は残してほしい。めったにない機会なので。
生徒:先生にとったら何回もある行事だが、生徒にとっては 1 回しかない行事。もっと良くした
いし大切に過ごしたい。
生徒:あいさつができるところが良い。生徒会執行部であいさつ運動をしているが、もっと増や
していきたい。
教員:朝読。この学校の誇り。
保護者:部活に力を入れてくださっているのがありがたい。
保護者:生徒を第1に考えてくれていて嬉しい。
保護者:スカートについて。自分の姿を後ろから見ることはできないが、卒業式で壇上に上がっ
たとき等に気になったので気にしてほしい。人からの目線を考えると、短すぎるのはよくな
い。学校外でも危ない目にあうといけないので気をつけてほしい。
保護者:フードコートで山田高校の生徒を見たことがある。みっともない格好をしていて不安に
思ったが、PTA で文化祭に関わり、いい子ばかりだとわかり安心した。自分の子どもも楽し
く学校に行っているので良い学校なんだと思った。
<学校長あいさつ>
H18,19 年に教頭をやっていた。ゴミが多かった。朝読の時間に校内を回ってゴミを片付けて
いた。袋いっぱいのゴミが落ちていた。教室から窓の外に向かってゴミを捨てる生徒がたくさん
いた。自動販売機のところにもゴミがあふれていた。今はゴミが少ない。今、校内をもっときれ
いにしようという意見が出るのは嬉しい。先日、垣根を切ったら、何十年も前のボールがたくさ
ん出てきた。学校がきれいになるのは嬉しいし、このように学校を良くするための意見がたくさ
ん出るのはありがたい。それぞれの立場でそれぞれの想いがあるが、それがあってこそ学校はよ
くなるので、今後もこのような機会が続くと良い。みんなが意見交換しながらより良い学校をつ
くっていきたい。