透析室から〝こんにちは〟

透析室から〝こんにちは〟
<透析患者さんは運動不足になりやすい?>
透析患者さんは1回4~5時間の透析を一週間に3回行っています。透析のある日は透析後の疲労感
で、患者さんの活動は少なくなり、運動量は少なくなります。また、透析のない日も低血圧などで、患者さん
の活動は減り、透析のある日同様、運動量は少なくなることが多いです。
<運動不足だとどうなるの?>
運動不足になると歩行量の減少によって筋肉量・筋力が著しく低下し、寝たきりになる危険性が高くなる
サルコペニアとなる可能性があります。また骨がもろくなる骨の脆弱化、下肢の血流の悪化、食欲不振など
が起こります。
骨の脆弱化は骨折の原因となり、下肢の血流の悪化は末梢血管疾患を引き起こし歩行障害や下肢の疼
痛、壊死といった症状をもたらします。
<どんな運動をしたらいいか>
日常生活で取り組みやすい運動として下記の2つがあります。
・ウォーキング:いつでもできる運動のひとつです。自分にあった速さで歩くことで全身の有酸素運動と
して有効であると考えられます。
・ス ク ワ ッ ト:場所をとらず、日常生活に近い動きで自重を負荷にして行える運動なのでウォーキング
と同様に取り組みやすく有効な運動といえるでしょう。
この2つの運動は抗重力筋という筋肉をトレーニングすることが出来ます。抗重力筋とは人が重力に対抗
して姿勢を保つために働く筋肉の事をいい、背中の脊椎起立筋・お腹の腹直筋・お尻の大臀筋・太ももの
大腿四頭筋・ふくらはぎの下腿三頭筋などがあります。
また運動を行う前には準備運動としてストレッチを行うと、より効果的な運動が行えます。
背中=脊椎起立筋
お腹=腹直筋
お尻=大臀筋
太もも=大腿四頭筋
ふくらはぎ=下腿三頭筋
5
2