Institute for Global Environmental Strategies Towards sustainable development - policy oriented, practical and strategic research on global environmental issues CDM市場における 中国CDMの傾向と分析 弥富圭介 気候変動領域/市場メカニズムプロジェクト 地球環境戦略研究機関 (IGES) 発表内容 • • • • • 登録CDMプロジェクトの傾向 登録プロセスの傾向 登録プロセスに影響を与える要因 中国の登録CDMへの影響 今後の中国登録CDMの行方 IGES CDMプロジェクトデータベースを使用(毎月更新中) IGES CDM再審査・却下プロジェクトデータベースを使用 IGES CDMプロジェクトデータベースとは CDMプロジェクトデータベースとは IGESのホームページよりダウンロード可能 IGESのホームページよりダウンロード可能 (http://www.iges.or.jp/jp/cdm/index.html ) CDM理事会にて登録されたCDMプロジェ クトの公開情報を整理したエクセル形式の データベース。2008年5月にUNFCCC事 務局とデータベースに関する覚書を締結。 2 登録CDMプロジェクトの傾向(1) ¾登録件数の伸びは2007年以降に鈍化 ¾登録件数の伸びは2007年以降に鈍化 ¾中国件数の増加は継続 ¾中国件数の増加は継続(2008年上半期登録数:41%は中国案件) (2008年上半期登録数:41%は中国案件) ¾中国件数の増加率も下落気味 ¾中国件数の増加率も下落気味 登録件数の推移 1,200 その他(41カ国) インドネシア フィリピン 韓国 チリ マレーシア メキシコ ブラジル 中国 インド 1,000 800 600 400 200 0 2004年 10-12月 2005年79月 2006年46月 2007年13月 2007年 10-12月 2008年79月 IGES CDM プロジェクトデータベース 3 登録CDMプロジェクトの傾向(2) ¾クレジット発行量は増加中(約70%は2007年以降) ¾クレジット発行量は増加中(約70%は2007年以降) ¾中国のクレジット割合も増加中(現在34%) ¾中国のクレジット割合も増加中(現在34%) ¾HFC(53%)、N ¾HFC(53%)、N22O(20%)破壊からのクレジット主流 O(20%)破壊からのクレジット主流 発行済みクレジット量の推移 200 180 160 百万CER 140 世界全体の発行済み CER量 中国案件からの発行 済みCER量 120 100 80 60 40 20 20 05 年 10 -1 20 2月 06 年 120 3月 06 年 420 6月 06 年 20 706 9月 年 10 -1 20 2月 07 年 120 3月 07 年 420 6月 07 年 20 707 9月 年 10 -1 20 2月 08 年 120 3月 08 年 420 6月 08 年 79月 0 IGES CDM プロジェクトデータベース 4 登録CDMプロジェクトの傾向(3) ¾水力、廃ガス・廃熱利用のシェアが継続して増加中 ¾水力、廃ガス・廃熱利用のシェアが継続して増加中 ¾中国の案件が同種類のシェア増加に貢献 ¾中国の案件が同種類のシェア増加に貢献 250 22% プロジ ェクト種類別の傾向( 件数) 19% 15% 13% 200 150 8 % 7% 100 50 5 % 3% 3 % 2 % 1% 1% 1% 植 林 PF C削 減 交 通 エ ネ 燃 料 転 換 N2 O 削 減 セ メ ン ト HF そ の C削 他 減 再 メ 生 タ ン 可 回 能 避 エ ネ ル ギ ー 2006年以降の件数割合 年以降の件数割合 2006 2006年以降の件数割合 省 水 力 バ 発 イ 電 オ マ ス 利 用 バ イ オ ガ ス 風 力 メ タ 発 ン 電 回 収 廃 ・利 ガ ス ・廃 用 熱 利 用 0 2006年 上半期 2006年 下半期 2007年 上半期 2007年 下半期 2008年 上半期 水力発電 19 16 17 18 20 廃ガス・廃熱利用 4 5 6 6 7 件数シェア(%) 5 IGES CDM プロジェクトデータベース 登録CDMプロジェクトの傾向(4) ¾プロジェクトの規模は年々縮小 ¾プロジェクトの規模は年々縮小 ¾中国の案件も2006年4月以降は縮小傾向 ¾中国の案件も2006年4月以降は縮小傾向 • 国別傾向 ¾HFC破壊など大量クレジット創出案件の減少 ¾HFC破壊など大量クレジット創出案件の減少 年間平均削減量の推移 中国 インド ブラジル 韓国 全体 20 04 年 10 20 -12 月 05 年 1 20 05 3月 年 20 4-6 05 月 20 年7 05 -9 年 月 10 1 20 06 2月 年 20 1-3 06 月 年 4 20 06 6月 年 20 06 7-9 年 月 10 1 20 07 2月 年 20 1-3 07 月 年 20 4-6 07 月 20 年7 07 -9 年 月 10 20 -12 月 08 年 1 20 08 3月 年 20 4-6 08 月 年 79月 5,000 4,500 4,000 千 3,500 ト 3,000 ン 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 IGES CDM プロジェクトデータベース 6 登録プロセスの傾向 ¾登録までの期間は長期化傾向 ¾登録までの期間は長期化傾向 ¾レビュー要請・実施によって3ヶ月又は半年近く遅延 ¾レビュー要請・実施によって3ヶ月又は半年近く遅延 ¾クレジット発行までの期間も長期化傾向 ¾クレジット発行までの期間も長期化傾向 登録及びクッレジット発行までの日数 600 500 400 パブコメ公開から登録までの 平均日数 登録申請から登録までの平均 日数 登録から初回発行までの平均 日数 300 200 100 プロジェクト関係締約 国のDNA又はCDM理 事会メンバーは、有効 化審査要件に関する 事項に問題があると 判断した場合、プロジ ェクトの再審査要請を 提出できる。 20 04 年 10 20 - 12 05 月 年 2 0 1 -3 05 月 年 2 0 4 -6 05 月 20 年7 05 -9 年 月 10 20 - 12 06 月 年 2 0 1 -3 06 月 年 2 0 4 -6 06 月 20 年7 06 -9 年 月 10 20 - 12 07 月 年 2 0 1 -3 07 月 年 2 0 4 -6 07 月 20 年7 07 -9 年 月 10 20 12 08 月 年 2 0 1 -3 08 月 年 4 20 08 6 月 年 79月 0 登録時のレビュー(再 審査)申請・・・ 7 登録プロセスに影響を与える要因 登録審査の強化 ¾UNFCCC事務局による内容面の事前チェック ¾CDM有効化審査・認証マニュアル(VVM)導入 ¾追加性の実証・評価ツールの改訂 ¾各種ガイダンスの導入 9投資分析の評価ガイダンス 9CDM事前検討の実証・評価ガイダンス 9“first of its kind”バリアガイダンスの検討 中国のCDM登録にどのような影響を与えているか? 8 中国の登録CDMへの影響(1) 登録プロジェクトのみ (%) 全体 中国 インド レビュー要請率 23.9 29.6 25.7 レビュー実施率 6.0 3.0 8.9 却下率 5.5 0 8.2 EB38 EB39 EB40 EB41 レビュー 検討数 中国件数 中国案件レ ビュー実施 17 38 23 29 7 20 14 22 0 9 7 16 ¾登録審査が長期化する プロセスの割合少ない ¾これまで却下されたプロ ジェクト無し ¾過去3回の理事会では、 レビュー検討の半数以上 が中国案件 ¾レビュー実施の中国件 数も序々に増加 ¾レビュー検討は66件のうち中国36件(第42回理事会) ¾レビュー検討は66件のうち中国36件(第42回理事会) ¾今後は登録までの期間が長期化する可能性あり ¾今後は登録までの期間が長期化する可能性あり 9 中国の登録CDMへの影響(2) レビュー実施を受ける理由 レビュー実施を受ける理由 ¾全体:追加性(64%)、ベースライン(45%)の指摘 ¾全体:追加性(64%)、ベースライン(45%)の指摘 ¾中国案件:追加性(74%)、ベースライン(40%)の指摘 ¾中国案件:追加性(74%)、ベースライン(40%)の指摘 追加性証明の傾向 ()内 小規 模 追加性ツール 使用 全体 49%(8%) 中国 71%(6%) バリア分析・ 投資分析のみ 投資分析両方 投資分析のう ちベンチマー ク分析使用 30%(33%) 31%(13%) 40%(53%) 71%(77%) バリア分析の み 6%(0%) 44%(0%) 50% (100%) 88% (100%) *小規模CDMの方法論では原則追加性ツールの使用が義務付けられていない 投資ガイダンスの導入→投資分析が主流の中国案件形 成へも影響 10 今後の中国CDM登録の行方 ¾中国案件のレビュー実施率及び却下率低い → 理事会でレビュー要請を受ける案件増加(主 な要因は追加性の証明) → VVM、各種ガイダンスの導入による登録審 査の強化(投資分析のシステム化) → 投資分析主流の中国案件への影響は大 → レビュー実施の増加傾向へ歯止め 11
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