産経新聞 25.09.10 ベトナム訪問の朴大統領 過去の戦争の歴史で謝罪せず ベトナム訪問中の朴槿恵(パク・クネ)大統領が過去の戦争の歴史について謝罪発言などまったくせず、 ベトナム側も何ら要求していないことが韓国で話題になっている。10日付の新聞論調では、韓国が日本 に対してしきりに「歴史直視」を要求していることと矛盾するではないかとの皮肉も出ている(ハンギョ レ新聞社説) 。 韓国は1960~70年代のベトナム戦争で米軍支援のため延べ30万人以上の部隊を派兵し、部分的 に“住民虐殺事件”もあったとされる。ベトナム統一後、両国は92年に国交を結んだが、ベトナムは韓 国に対し謝罪や反省、補償など一切求めなかった。 しかし2001年、金大中(キム・デジュン)大統領がベトナム訪問の際、 「不本意ながらベトナム国民 に苦痛を与えたことを申し訳なく思う」と“謝罪”した。これに対し当時、野党だった朴槿恵ハンナラ党 副総裁は「金大統領の歴史認識を憂慮せざるを得ない。参戦勇士の名誉を傷つけるものだ」と批判した経 緯がある。 ベトナム派兵は父・朴正煕(チョンヒ)大統領(当時)の決断で行われたものだが、朴槿恵大統領は今 回の訪問に際しベトナムの国父ホー・チ・ミンの廟参拝、献花の時を含め戦争の歴史にはまったく触れず、 もっぱら経済協力問題に終始した。 中央日報は1面トップ記事で「父の時代の歴史に対する和解」とし「過去についての両国の成熟した立 場と、間違った歴史認識にとらわれている日本を比較することになる」 「日本への圧迫の意味もある」と奇 妙な解釈を加えている。 朴槿恵大統領が謝罪をしなかった背景には、ベトナム戦争を米韓による侵略戦争とするベトナム側と「自 由を守るための戦争」とする自らとの間に歴史認識の違いがあるからだ。 にもかかわらずベトナムが韓国に歴史認識の一致や謝罪、反省を求めず未来志向の協力関係を重視する “成熟”した態度は、日本ではなくむしろ韓国の対日姿勢に対する教訓であり“圧迫”になるものだろう。 一方、韓国マスコミはベトナムが60年以上も植民地支配したフランスに対して謝罪や反省、補償など 一切求めていないことにはまったく触れていない。
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