3年生 おくのほそ道 [218KB pdfファイル]

国語科 習熟度別少人数授業
象
学習指導案
○
対
第3学年
○
単 元 名
古典「おくのほそ道」
○
単元の目標
・優れた表現や文体の特徴に注意して作品を読み味わう。
・作品に込められた作者の思いを読み深める。
○
教 材 観
中学校で学習する古典文学作品の代表的なものであり、最後の古典作品となる。
この「おくのほそ道」は松尾芭蕉四十六歳の時の紀行文であり、
「月日は百代の過客にして行
き交ふ年もまた旅人なり」で始まる本文は格調の高い文章として知られている。今回はその一
言一句をていねいに取り出し、読み・意味の確認を行い、文章での用いられ方を説明した。そ
して作者の思いを読み取れるようにしようと考えた。
○
習熟度別指導の設定意図
三年生となり、今までにすでに「竹取物語」
「平家物語」「枕草子」「徒然草」「万葉・古今・
新古今」を古典教材として学習してきた。しかし古典作品を読み味わえたかというと、個々の
生徒を見たときにはその差が明らかにある。そこで、習熟度別少人数学習を実施し、基本的な
「歴史的仮名遣い」の定着を図り、読めるようになることを目標とした。また、コースは読解
や作者の思いについて考えていく「読解コース」と、古文単語の定着やストーリーの内容把握
を中心とする「基礎コース」とに分けた。
○
時限
単元の指導計画(全6時間)
1
読解コース
指導・支援の留意点
「おくのほそ道」の解説(P103) ・「おくのほそ道」、松尾
を読み、作品の成り立ちや概要
を知る。
基礎コース
「おくのほそ道」の解説(P
・「おくのほそ道」、松尾
芭蕉について知ってい
103)を読み、作品の成り立
芭蕉について知ってい
るかの確認
ちや概要を知る。
るかの確認
・音声 CD の活用(冒頭
・作者、成立時期、文学
部分を聞く)
*古典コラム「俳諧の歴史」(P
107)の内容にも触れ、俳諧や
俳人についても確認する。
指導・支援の留意点
的ジャンルの確認
・成立時期
・代表的「古い池蛙とび
・作者
こむ水の音」の紹介
・文学的ジャンル
・俳諧と俳句について
2
冒頭(P103~104)を読み、
本時
内容を大まかにつかむ。
・歴史的仮名遣い、語句
冒頭(P103~104)を読
み、内容を大まかにつか
の確認
・指名し生徒音読
む。
・歴史的仮名遣い、語句
の確認
・指名し生徒音読
・本文板書
・本文板書
・注意すべき語句等をチ
・注意すべき語句につ
ェック
いてプリントを用い
1
て確認
3
「読み取る」設問①~②(P107) ・前時のからの学習の続
に取り組み、音読を通して表現
や文体を読み味わい、作者の旅
への思いを読み取る。
きとして音読
・現代語訳を確認し、芭
補助プリントを用い、表現
・現代語訳を確認し、芭
や文体を味わい、作者の旅
蕉の旅への思い、俳諧
への思いを読み取る。
に生きることの思いを
蕉の旅への思い、俳諧
考える。
に生きることの思いを
・江戸時代の旅について、
考える。
絵や写真を用いて確認
する。
4
平泉まで(折り込み裏・P105
・平泉という場所の確認
平泉までを補助プリントを
・平泉という場所の確認
~106)を読み、内容を大まか
・平泉がもつ歴史と源
用いて、語句の確認と内容
・プリントで語句の確認
を大まかにつかむ。
・藤原氏に関する歴史的
につかむ。
義経への芭蕉の思い
・音声 CD の使用
本
背景の確認
文朗読を聞く。
5
「読み取る」設問①と③に
取り組み、音読を通して表現
や文体を読み味わい、二つの
句に込められた作者の思いを
読み取る。
・本文を音読する。
平泉に登場する二つの句に
・二つの句の季語、切れ
・芭蕉、曽良の句の確認
ついて学習し、これらの句
字、句切れについて確
・奥州藤原、義経、芭
に込められた作者の思いを
認する。
蕉という古人たちの
読み取る。
それぞれの思いを考
える。
6
「考えを深める」設問ⓐに取
り組み、「おくのほそ道」の構
成の特徴やその効果について
考えたことを話し合う。
・対句表現
「おくのほそ道」の構成の
・松尾芭蕉の旅に対する
・歴史的な古典への言及
特徴や作者の思いについて
思いや李白や西行など
・漢詩漢文を交えた格調
ふりかえる。
に対するあこがれの気
高い文体等について触
教科書に加え、便覧を用い
持ちを知る。
れ、便覧を用いて他の
て旅程図を確認したり他の
・松尾芭蕉の作品(辞世
句についても知る。
句について知ったりする機
の句・・
「旅に病んで夢
会を作る。
は枯野をかけめぐる」
)
に触れる。
適宜
*学習の途中で、適宜「『おくのほそ道』旅程図」
(折り込み表)に触れる。
*この学習材と併せて、資P275~「『おくのほそ道』の旅」を読み、歴史的背景や作者の思いを確認する。
2
○
評 価
評価の観点
評
関心・意欲・態度
価
基
準
①何度も口に出し読むことを通して古文のリズムや抑揚を身に付けようとする前向き
①②
な姿勢があるか。
②また授業に参加することの意識を持ち、授業を自分たちで作っていこうとする意欲・
態度があるか。
話すこと・聞くこと
③自分の意見を発表するときはっきりと他の生徒に聞こえるように発表できたか。
③④⑤
④また他の人の意見をしっかりと聞くことができたか。
⑤そこから自分の考えを深めることができたか。
読むこと
⑥歴史的仮名遣いを間違えずに読め、語句の意味を理解して間を取りつつ読めたか。
⑥⑦
⑦暗唱できるように何度も読み覚えようとしかた。
書くこと
⑧板書内容を丁寧に写すことができているか。
⑧⑨
⑨補助プリントへの記入は間違えずに丁寧にできているか。
○
学習指導案
第2限目 (読解コース)
時
間
学
習 活 動
学
習 内 容
指導上の留意点
導入
・忘れもの点検
・漢字の再度の見直し
・授業を大切にすること(②)
(10分)
・毎回の漢字小テスト実施
・漢字テストに取り組む。
・間違いの多かった漢字への喚起
(③)
展開
(30分)
・冒頭(P103~104)を読
・本文を丁寧に最初から読み、歴史的仮
み、内容を大まかにつか
名遣いや漢詩からの引用部分、対句の
む。
部分等を見ていく。
・歴史的仮名遣い、語句の確認(③
⑥)
・全員音読後、指名し生徒音読(①
・松尾芭蕉の思いを伝え、何度も口に出
して各自で読んでみる。
④⑥⑦)
・本文板書(⑧)
・全員音読後、生徒指名し音読する。
・注意すべき語句等をチェック(⑥)
まとめ
・本時の内容のまとめ
・歴史的仮名遣い、語句の再確認
・読めない歴史的仮名遣いはないか
(10分)
・次の時間の予告
・文章の内容のふり返り
(⑥)
・次回の学習内容の予告
・語句の意味でわからないものはな
いか等をふり返る。
・次回の予告
(基礎コース)
時
間
学
習
活
動
学
習
内
容
指導上の留意点
導入
・忘れもの点検
・漢字の再度の見直し
・授業を大切にすること(②)
(10分)
・毎回の漢字小テスト実
・漢字テストに取り組む
・間違いの多かった漢字への喚起
施
(③)
3
発展
(30分)
・冒頭(P103~104)を
・本文を丁寧に最初から読み、歴史的仮
読み、内容を大まかに
名遣いや漢詩からの引用部分、対句の
つかむ。
部分等を見ていく。
・プリントへの記入を行い、チェックし
ながら丁寧に確認していく。
・何度もみんなで読み、文章のリズムや
抑揚、語句の使われ方を学ぶ。
まとめ
・本時の内容のまとめ
・歴史的仮名遣い、語句の再確認
(10分)
・次の時間の予告
・文章の内容のふり返り
・次回の学習内容の予告
・歴史的仮名遣い、語句の確認(③
⑥)
・全員音読後、指名し生徒音
読(①④⑥⑦)
・本文板書(⑧)
・注意すべき語句についてプリント
を用いて確認(⑨)
・読めない歴史的仮名遣い
はないか(⑥)
・語句の意味でわからないものはな
いか等をふり返る。
・次回の予告
4