Back office 会社が得する!行政書士のバックオフィスサポ―ト すぐに役立つ! 外国人従業員に関するQ&A 今回は、外国人従業員を有する企業様が抱える問題や従業員からよく受ける質問と回答を特 集します。実務的な手続きに加え、入管では細かく教えてくれない内容や実務経験談を申請取 次行政書士から注意点を添えてお届け致します。 Q1. 新卒留学生を採用するため、複数名の外国人留学生の 在留資格変更許可申請をしましたが、 1名だけ「不許可」 となりました。学歴や入社後の従事予定業務はほぼ同様なのです が、なぜでしょうか? A1.「留学」の在留資格を有して日本で活動していた期間の状況 が影響します。在留資格変更許可申請に対して、入国管理局は、 会社ごと、 学校ごとに審査するものではなく、 「会社と個人の状況」 をセットで審査します。 よって、 他の留学生が許可だったにも関わらず、 1名だけ 「不許可」 ということは、留学生本人の経歴や日本での素行が問題になった ことが想定されます。どんな項目が審査されているかというと、 ❶大学や専門学校での成績 ❷大学や専門学校の出欠状況 ❸資格外活動の稼働状況(学校よりもアルバイトを優先していな いか等) 以上のような審査項目が想定されます。 対策 :「成績証明書」を確認し、成績などもチェックしておくこ とをお勧めします。 Q2. 勤務先が変わった場合にはどんな手続きが必要でしょ うか? A2.勤務先の変更は14日以内に、法務大臣(地方入国管理局) に対して届け出ることが必要です。こちらは、現在郵送でも行う ことができます。届出書のひな形は入国管理局公式ホームページ から入手することが可能です。 ★注意点★ 尚、勤務先が変更した場合ではなく、次の転職先が決まらない ままで退職してしまった場合は注意が必要です。 入管の規定で、 『在留資格の取り消し』 というものがあります (出 入国管理及び難民認定法第二十二条の四) 。これは、 「現在有して いる在留資格で規定されている活動を継続して3ヶ月以上行わな い場合、在留資格の取り消しをすることがある」 という規定です。 就職活動をしていて3ヶ月以上新しい就職先が決まらないことが 見込まれる場合は、事前に最寄りの入国管理局、専門家へのご相 談をお勧めします。 Q3. 現在当社で勤務しているIT技術者が、本国から妻と子 を呼び寄せる場合には、どんな手続きが必要でしょう か? A3.在留資格「家族滞在」で呼び寄せることが考えられます。 呼び寄せることができるのは、 「IT技術者の方の扶養を受ける配 偶者又は子」に限定されます。 「扶養を受ける」ということは、IT技術者の方が呼び寄せる家族 を扶養することができる経済状況が必要です。 ★注意点★ ❶「配偶者」の定義 ここで規定されている 「配偶者」 とは、現に婚姻中の者に限られ、 離婚した者は含まれません。また、内縁の配偶者も除外されます。 加えて、海外では有効に成立した婚姻関係でも、同性婚の配偶者 は含まれません。 ❷「子」の定義 「子」には、嫡出子のほか、養子(普通養子、特別養子) 、認知さ れた非嫡出子が含まれ、成年に達した者も含まれます。 ❸その他 「配偶者」 「子」以外は、 『家族滞在』には該当しないので注意が 必要です。 例えば、老親を日本に呼び寄せたい場合などは一旦 『短期滞在』 で日本へ呼び寄せ、その後『特定活動』へ在留資格変更を行うこ とが考えられます。但し、この場合は、状況によっては認められ ないケースもあります。 Q4. 当社に在籍している外国籍社員が海外出張や休暇で日 本国外へ出国する場合にはどんな手続きが必要でしょ うか? A4.事前手続きは特段必要ありません。利用する空港・港で提 出する『再入国用EDカード』に記入・提出すればOKです。 ★注意点★ ❶1年以内に日本に戻ってくることが必須です(戻らない場合は 現に有する在留資格が取り消されます) 。また、在留期限が出国 後1年未満に到来する場合は、その在留期限までに再入国するこ とが必要です。 ❷出国時には必ず『在留カード』を携行してください! ※ 【再入国出国用EDカード】は、平成26年7月1日から様式が 変更となりましたのでご注意ください。 執筆者紹介 ∼グループ総従業員数360名!∼ SATO GROUP SATO行政書士法人 行政書士 入国管理申請取次者 坂下 麻理子 SATO GROUPは、 創業35年余の実績と 品質を誇る業界最高水準のアウトソーサー です。 当法人ではBtoBに特化したサービ スを提供しており、 大企業をターゲットと した 「許認可総合管理サービス」 「ビザ・在留資格サポートサービ ス」 「開業支援ワンストップサービス」 を主要業務とし、 お客様企業 に点在している 「リスク管理」 「法令遵守」 「業務の大量処理」 などを 徹底サポートするサービス体制を構築しています。 近年は、 周辺業務をアウトソーシングし、 コアコンピタンスに集 中するというグローバルな経営文化が浸透しつつあります。 ご興味がございましたら是非一度お気軽にご相談ください。 http://sgs.sato-group.com/ 04 03_2014_08_004_CS5.indd 4 2014/07/01 16:55
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