Vol.16 Common Desktop Environment

Tru64 UNIX
1996年 1月
Vol.16
Common Desktop
Environment
コンパックコンピュータ株式会社
カスタマーサービス統括本部
Vol.16 「Common Desktop Environment」目次
Vol.16
Common Desktop Environment
目次
はじめに
第1章 Common Desktop Environment
1.1 CDE session へ login ! ...................................................................
1-2
1.2 CDEセッション ..............................................................................
1-3
1.2.1
ワークスペースとフロントパネル.................................................
1-3
1.2.2
サブパネル...........................................................................
1-5
1.3 フロントパネルの上のおもなオブジェクト........................................
1-6
1.3.1
カレンダマネ-ジャ..................................................................
1-6
1.3.2
ファイルマネージャ.................................................................
1-6
1.3.3
パーソナルアプリケーションマネージャ.......................................
1-7
1.3.4
メール.................................................................................
1-8
1.3.5
ワークスペースマネージヤ.......................................................
1-9
1.3.6
プリンタ................................................................................
1-10
1.3.7
スタイルマネージャ.................................................................
1-10
1.3.8
アプリケーションマネージャ......................................................
1-11
1.3.9
ヘルプマネージャ..................................................................
1-11
1.3.10 ごみ箱.................................................................................
1-12
1.4 current session とhome session ......................................................
1-13
1.4.1
home session の作成と起動.....................................................
1-13
1.5 $HOME/.dt/dtwmrc .....................................................................
1-14
Vol.16 「Common Desktop Environment」目次
第2章 CDE 環境へのアプリケーション統合
2.1 基本統合 ......................................................................................
2-2
2.1.1
基本統合で必要となるもの.......................................................
2-2
2.1.2
クリエートアクションツール........................................................
2-4
2.1.3
クリエートアクションツールの起動方法........................................
2-5
2.2 応用統合 ......................................................................................
2-7
2.2.1
セッションマネジメント..............................................................
2-7
2.2.2
ヘルプ.................................................................................
2-7
2.2.3
ドラッグ&ドロップ....................................................................
2-7
2.2.4
標準フオントネーム................................................................
2-8
2.2.5
カラー..................................................................................
2-8
2.3 アプリケーション統合 .....................................................................
2-9
2.3.1
ワークスペースマネジメント.......................................................
2-9
2.3.2
メッセ一ジサービス.................................................................
2-9
2.3.3
カレンダーサービス................................................................
2-9
2.3.4
フロントパネル.......................................................................
2-9
第3章 Multimedia Services for Digital UNIX
3.1 Multimedia Services .......................................................................
3-2
3.2 ランタイムアプリケーション .............................................................
3-3
3.2.1
DECsound...........................................................................
3-3
3.2.2
Alpha VCR...........................................................................
3-3
3.2.3
Audio Control.......................................................................
3-5
3.3 応用例 .........................................................................................
3-6
3.4 インストレーション例 ......................................................................
3-7
3.5 その他の Multimedia Services を利用した製品 ...............................
3-16
Vol.16 「Common Desktop Environment」目次
3.5.1
DECtalk Software..................................................................
3-16
3.5.2
Communique!........................................................................
3-17
第4章 Digital UNIX Q and A
4.1 ファイルのインストール元を調べる方法 ..........................................
4-2
4.2 バージョンの確認方法 ..................................................................
4-3
4.3 POP サーバの設定方法 ................................................................
4-5
4.4 フォントサーバの設定方法 ............................................................
4-8
4.5 ユーザ定義文字の登録と表示 .......................................................
4-10
4.6 a パーティションの変更 .................................................................
4-12
4.7 a パーティション以外のパーティションの変更 .................................
4-14
4.8 quota 管理 ....................................................................................
4-17
4.9 会計情報の収集 ...........................................................................
4-19
Vol.16 Common Desktop Environment
はじめに
1996 年 1 月
本書の内容は予告無く変更されることがありますから、あらかじめご了承ください。
本書で説明するソフトウェアはライセンス契約の元に提供され、このライセンス契約の条項にした
がってのみ、その使用と複写が認められます。
日本DECおよびその関連会社以外から提供された機器を使用した場合、ソフトウェアの使用お
よび信頼性に関して日本DECは責任を負いかねます。
本書は、情報を提供することを目的としており、記載内容に万一誤りが含まれていた場合、日本
DECでは責任を負いかねます。
1995 日本ディジタルイクイップメント株式会社(日本DEC)マルチベンダーサービス事業本部
All Right Reserved
Printed in Japan
以下は、Digital Equipment Corporationの商標です。
AlphaAXP, AXP Bookreader, CDA, DDIS, DDIF, DEC, DECnet, DECstation, DECsystem,
DECwindows, DTIF, ULTRIX, ULTRIX Worksystem Software, VMS, XUI, Digital UNIX
DOCUMETER's WORKBENCH とUNIX は、米国 AT&T の商標です。
Network File System とNFS は、Sun Microsystems,Inc. の商標です。
The Open Software Foundation, OSF, OSF/1, PSF/Motif, 及び、Motif は、Open Software
Foundation の商標です。
Postscript とDisplay Postscript は Adobe System,Inc. の商標です。
X/Open は、X/Open Company Ltd. の商標です。
X Window system version 11 とその派生語 (X, X11, X version 11) は、MIT の商標です。
Vol.16 Common Desktop Environment
第1章
CommonDeskTopEnvironment
この章では、共通 UNIX のデスクトップ環境としてDigital UNIX にも提供される Common
Desktop Environment(以下 CDE)についての概要とオペレーションをご紹介します。
CDEは、1993年に発表された COSE (Common Open Software Environment)の中の1つで、
HP,IBM,Sun及び OSFの既存の技術をべースに作られています。
Digital UNIX では、V4.0から標準で取り入れられますが、V3.2CでもOSのキットの中に含まれて
おりますので、インストールを行なうことで xdm の代わりに使用することができます。
この章の内容は、Digital UNIX V3.2Cのキットに含まれる CDE のドキュメント"Common Desktop
Environment User's Guide","Common Desktop Environment: Advanced User's and System
Administrator's Guide"を元に記述しています。このため、正式サポート版においてこのドキュメ
ントと動作が異なる場合がございますが、あらかじめご了承ください。
1-1
Vol.16 Common Desktop Environment
1.1 CDE session へ login !
CDEデスクトップマネージャが表示する、login box からユーザ名とパスワードを入れてログインし
ます。login box ではオプションメニューとして、言語の選択、session 形態の選択などができま
す。
セッションは、デフォルトの RegularSession の他に FailSafeSession 、NoWindowsSession (※1)
が選択できます。(※2)
・FailSafeSession
この session を選択すると、DesktopSession が起動されずにウィンドウマネージャ(mwm)と
端末エミュレータ(xterm) が1つ(設定ファイルで変更可能)起動されます。
DesktopSession の設定を login 前に変更したり、DesktopSession を起動せずに login した
い場合などに便利です。
login … オプションメニューで FailSafeSession を選択し login box で ユーザ名とパスワー
ドを入力
logout … 最初に起動された xterm から exit
・NoWindowsSession
このSession を選択すると、Xサーバが停止し一時的にコンソール端末になります。
このモードから logout すると、再びXサーバが起動され RegularDesktopSession に login
した状態になります。
login … オプションメニューでNoWindowSessionを選択し、login: のプロンプトからログイン
logout … コマンドラインで exit
・RegularDesktopSession
デフォルトのモードで DesktopSession が起動されます。
※ 1 X 端末などの環境では、このモードは選択できません。
※ 2 Digital UNIX V4.0 では、dxsession も選択できる予定です。
1-2
Vol.16 Common Desktop Environment
1.2 CDEセッション
1.2.1ワークスペースとフロントパネル
l
ワークスペース
CDE環境では、ユーザがウィンドウアプリケーションを表示できるスクリーンエリアのことを
ワークスぺースと呼びます。
デフォルトの状態で login すると、4つのワークスペースが表示されます。
ユーザはフロントパネルの切り替えボタンを使用して自由にワークスペースを移動し、それ
ぞれのワークスペースをアレンジすることができます。
表示されているウィンドウは、ウィンドウマネージャの左上のボタンから表示されるメニュー
を使用して、別のワークスペースに移動させたり、すべてのワークスペースに表示させるよ
うに設定することもできます。
また、ワークスペースを増やしたり、滅らしたりすることも可能です。この具体的な手順に
ついては、1.3.5 で説明します。
l
l
l
フ口ントパネル
フロントパネルは、一般的にユーザが頻繁に使用すると思われる機能を集めてアイコンを
表示したウィンドウで、全てのワークスペースに表示されます。
フロントパネル上での基本の操作
アプリケーション起動
マウスボタン(MB1)でアイコンをクリックすると、アプリケーションが起動されます。
1-3
Vol.16 Common Desktop Environment
l
l
l
オプションボタン
△ は、サブパネルを表示するボタンです。
クリックすると、メニューがスクロールアップ(▽でスクロールダウン)します。
フロントパネルの移動
パネルの移動はハンドルを使用してドラッグするか、左上のボタンを押して表示されメニュ
ーの 'Move' を選択します。
ポップアップメニュー表示
アイコンや、ワークスペースエリアなどで、ボタン3を押すとポップアップメニューが表示され
ます。
1-4
Vol.16 Common Desktop Environment
1.2.2 サブパネル
サブパネルには、メインパネルのアイコンを含めたサブメニューを作成できます。
使用頻度の高いアプリケーションはメインパネルに、それ以外はサブパネルにというような便利
な使い方もできます。
・サブパネルの作成
メインパネル上で、サブパネルを作成したいアイコンをマウスをボタン3でクリックします。
ポップアップメニュの "Add Subpanel(サブパネルの追加)"を選択するとサブパネルが作成されま
す。
・サブパネルヘの項目の追加
サプパネルをスクロールアップさせ、起動したいアプリケーションのアイコンを "Install Icon (アイ
コンのインストール)"にドラッグしてボタンを離します。
・サプパネル上の項目と、メインパネル上の項目の入れ換え
サブパネルを開き、メインパネルに移動させたいアイコンをマウスボタン3でクリックします。
ポップアップメニューの "Copy To Main Panel (メインパネルに表示)"を選択します。
1-5
Vol.16 Common Desktop Environment
1.3 フロントパネルの上のおもなオブジェクト
1.3.1 カレンダマネ-ジャ
カレンダマネージャは、カレンダの表示以外に、アポイントの管理、to-do リストの作成、他のユ
ーザのカレンダの表示、他のユーザとのミーティングのスケジューリング管理などがおこなえま
す。
1.3.2 ファイルマネージャ
ファイルマネージャは、各種のファイルをそれぞれのオブジェクトとしてアイコンで表示し、ファイ
ルの操作を行うことができます。
それぞれのファイルは、種類によって異なったアイコンで表示されています。
ファイルをダブルクリックすると、対応するビューアが自動的に起動されてファイルめ内容を表示
したり、アプリケーションそのものが起動されたりします。
また、ファイルをアプリケーションのアイコンにドラッグすることで、起動をかけることもできます。
また、メインパネルのアイコンと同様にマウスのボタン3でポップアツプメニューを表示し、操作が
行えます。
1-6
Vol.16 Common Desktop Environment
1.3.3 パーソナルアプリケーションマネージャ
サブパネルも使用して、ユーザごとにアプリケーション起動メニユーを作成できます。
1-7
Vol.16 Common Desktop Environment
1.3.4 メール
dtmail は、MIME (Multipurpose Internet Mail Extensions)をサポートしています。
また、dxsession で dxmail を使用している場合でも、mail フォルダのユーティリティが提供される
ので、dxmail のmail フォルダを dtmail のメールフォルダにコンバートして使用することができま
す。
1-8
Vol.16 Common Desktop Environment
1.3.5 ワークスペースマネージヤ
ワークスペースを選択するための領域がフロントパネルの中央に配置されています。
ここには、セッションを休止させる lock ボタン、セッションを終了させる exit ボタン、インディケー
タ、ワークスペース切り替えボタンが配置されています。
切り替えボタンをクリックすることで、複数のワークスペースの切り替えが行えます。
ワークスペースを増やすには、この領域内もしくはワークスペース切替スイッチ上で、マウスのボ
タン3をクリックし、表示されるメニューから、"Add Workspace (ワークスペースの追加"を選択しま
す。
また、減らしたい場合は、消去したいワークスペースボタンをボタン3でクリックし、表示されるメニ
ユーの中から "Delete"を選択します。
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Vol.16 Common Desktop Environment
1.3.6 プリンタ
プリンタの設定をシステムでおこなっておくと、ファイルマネージャからファイルをドラッグしてプリ
ンタ出力をおこなうことができます。
また、デフォルトでフロントパネルに現れているアイコンをクリックするとプリントマネージャが起動
されます。
プリントマネージャ中に、設定されているプリンタキューがそれぞれアイコンで表示されているの
で、そこにドラッグしてプリンタ出力することもできます。
1.3.7 スタイルマネージャ
スクリーンなどの色や背景、フォントの設定、キーボード・マウスなどの設定の他、スクリーンセイ
バ、Startup (起動)設定などができます。
Startupでは、1.4 で説明するように、次回 login 時に現在のセッションを復活させるか設定したホ
ームセッションをたち上げるかなどの選択ができます。
ホームセッションの保存もここで行なうことができます。
1-10
Vol.16 Common Desktop Environment
1.3.8 アプリケーションマネージャ
アプリケーション、アクションに関するツールや、システム管理に便利なツールが用意されてお
り、ここから起動することができます。
オペレーションは、ファイルマネージャと同様です。
1.3.9 ヘルプマネージャ
ハイパテキストのヘルプウィンドウが開きます。
アンダーラインで表示されているハイパーリンクをたどることですべてのヘルプにアクセスするこ
とができます。
サプパネルには、このフロントパネル自体のヘルプと、On Item Help (アイテムヘルプ)がありま
す。
On Item Help (アイテム ヘルプ)をクリックすると、ポインタが ? に変わり、オブジェクトをクリックす
るだけでヘルプを見ることができます。
1-11
Vol.16 Common Desktop Environment
1.3.10 ごみ箱
ファイルマネージャなどからファイルのアイコンをドラッグし、ごみ箱にいれることによって、ファイ
ルの削除が行なえます。
ただし、ドラッグを行なったのみでは、ごみ箱の中に保存されたままになるので、必要があれば
ごみ箱をクリックし表示されるウインドウのファイルを選択し、メニユーから、"Shred (廃棄)"を選
ぶと実際にディスクから削除されます。
1-12
Vol.16 Common Desktop Environment
1.4 current session とhome session
通常、セッションマネージャは、ユーザの logout 時の設定やアプリケーションの起動コマンドな
どの細かい情報を $HOME/.dt/session/current 以下にある設定ファイルに書き込みます。(詳
しくは 2.2.1 参照)
次回 login 時には、それらのファイルから設定やコマンドが読み込まれ、前回のセッションが復
元されます。
このように復元されたセッションを current session と呼びます。
それに対して、ユーザが意識的に設定値などを保存したセッションを home session と呼びま
す。
次回の login 時にどちらをたちあげるかは、スタイルマネージャの中の " Startup" (起動)で設定
できます。
1.4.1 home session の作成と起動
StyleManager の Startup dialog で " Set Home Session (ホームセッションを設定)" を選択する
と、その時点でのセッションの状態が home session として、$HOME/.dt/sessions/home/ の下
のファイルに保存されます。
また、これらのファイルを直接編集し home Session を作成することも可能です。
1.4 でも説明したように、通常はセッション終了時に current session (現在のセッション)が保存さ
れ、次回 login 時に復元しますが、login 時にhome sessionを起動したい場合は、Startup dialog
(起動)の" At Login(ログイン時)" 項目を " Return to Home session(ホームセッションを開始)" に
します。
あるいは、" Ask me at Logout(ログアウト時に決定 " を選択しておくと、logout 時に、dialog を
表示し次回のセッションを current session にするか、home session にするか選ぶことができま
す。
1-13
Vol.16 Common Desktop Environment
1.5 $HOME/.dt/dtwmrc
Motif ウィンドウマネージャなどと同様にスクリーン上でボタン3を押すとポップアップメニューが表
示されます。
このポップアップメニューをカスタマイズするには、$HOME/.dt/dtwmrc を編集します。
このファイルがない場合は、/usr/dt/config/C/sys.dtwmrc を上の名前でコピーしてください。
変更後は、ポップアップメニューの "Restart Workspace Manager"で再起動をおこなうと、その場
で有効になります。
カスタマイズ例
% cat ∼/.dt/dtwmrc
Menu DtRootMenu
{
"Workspace Menu"
f.title ! タイトル文字
"dxterm"
f.menu dxtermMenu ! サブメニューを作る場合
"Shuffle Up"
f.circle_up
"Shuffle Down"
f.circle_down
"Refresh"
f.refresh
"Minimize/Restore Front Panel" f.toggle_frontpanel
no-label
f.separator
"Restart Workspace Manager ..." f.restart
no-label
f.separator
"Log out ... "
f.actionExitSession
}
Menu dxtermMenu
{
"local"
"deckc1"
"deckc2"
"deckc3"
}
!
f.exec
f.exec
f.exec
f.exec
f.menu で示されたサブメニューの内容
"dxterm -ls &" !
"dxterm -e rlogin
"dxterm -e rlogin
"rsh deckc dxterm
:
:
1-14
f.exec の後に実行コマンド
deckc1 -8&"
deckc2 -8&"
-ls -display deckc4:0.0&"
Vol.16 Common Desktop Environment
第2章
CDE 環境へのアプリケーション統合
この章では、引き続き Common Desktop Environment(CDE)の応用例などをご紹介します。
CDEのグラフイック構造は Motif をべースに作られていますので、Motif 1.2.3 をべースに作ら
れたアプリケーションはそのまま CDE の環境で動作させる事ができますが、CDEの豊富な機能
を用いる事によってさらにアプリケーションの機能を強化する事ができます。
CDE環境へのアプリケーション統合は3つの範晴に分ける事ができます。
l
l
l
基本統合
応用統合
アプリケーション統合
ここでは上の3点についてそれぞれ説明します。
2-1
Vol.16 Common Desktop Environment
2.1 基本統合
アプリケーションをデスクトップ環境内に構築するための手順です。
アプリケーション自体のコードの変更は必要ありませんが、スタイルの変更やアプリケーションに
直接アクセスできるようにするには一部コードの変更あるいは追加が必要です。
この基本統合はCDEに含まれる "Create Action Tool" を用いて行う事ができます。
2.1.1 基本統合で必要となるもの
CDE は Motif Style Guide にあるガイドラインに準拠して構築されています。
このガイドラインに合うアプリケーションを作成する事が、最低限の統合をする際の最初の重要
なステップです。
(1)アイコン プレゼンテーション
アプリケーションサービスを視覚的に表すために、様々なタイプのアイコンが用意されています。
それらのアイコンは大きく以下のように分類されます。
l
l
アプリケーションアイコン
アプリケーションの起動に使われます。
データファイルアイコン
アプリケーションで使われるデータファイルのタイプをアイコンで指定できるようにするため
に使われます。
アプリケーションアイコンとデータファイルアイコンを使って、アプリケーションを起動する場
合があります。
例として、mail アプリケーションにおける mail フォルダーを表すアイコンがあげられます。
このアイコンをクリックした時、そのフォルダーをコンテキストとして mailerを起動するように
することができます。
l
アプリケーション ファンクション アイコン
複数のアプリケーションにおけるファンクションをアイコンで指定する事ができようにするた
めのもです。
mail を再び例にとりますと、mail 作成のアイコンをクリックするとそれをコンテキストとして
mailer を起動します。
また、テキストファイルを表わすアイコンを mail 作成のアイコンにドラッグすると、そのテキ
ストの内容を取り込んで mailer を起動します。
アイコンはモノクロとカラーの両方を使用でき、またサイズも3種類(48 X 48, 32 X 32, 16 X
16)の中から選択できます。
また、すでにあるアイコンを使う事ができますし、アイコンエデイタにより簡単にオリジナル
なアイコンを作成することもできます。
2-2
Vol.16 Common Desktop Environment
(2)ファイルタイプ
作成されたアイコンは2つの事柄を表わします。
l
l
データタイプ ... パス名、ファイル名などを定義します。
データ属性 ... ファイルのアクセス権やパターンマッチングのための特定部分の内容を定
義します。
(3)アクション
アイコンをクリックした時に実行するアクションを定義します。
アクションはメッセージかシェルコマンドになります。
メッセージの場合はToolTalk メッセージ機能を使って、アプリケーションにメッセージを送りま
す。
シェルコマンドの場合は適切な引数をコマンドに渡すように指定します。
アイコンを使って、アプリケーションを動かす方法に以下の3つがあります。
l
l
l
シンプルアクテイベーション
何もコンテキストを指定せずにアプリケーションを動かす方法です。
データアクテイベーション
特定のデータタイプを指定して、アプリケーションを動かす方法です。
例えば mail フォルダアイコンをクリックして、データファイルをコンテキストとして mailer を
動かすような方法です。
ドラッグ&ドロップアクテイベーション
アイコンを他のアイコンにドラッグ&ドロップしてファイルをコピーする方法です。
2-3
Vol.16 Common Desktop Environment
2.1.2 クリエートアクションツール
クリエートアクションツールを用いる事によつてアプリケーシヨンの基本統合の設定を行うことが
できます。
このツールによって以下のアクションが生成されます。
l
l
l
ユーザーアプリケーションを起動するためのアクション
アプリケーションデータファイル用データタイプ
アプリケーションデータファイルのオープン、印刷を実行するアクション
また、このツールにより作成されたアクションは以下のファイルに保存することができます。
l
$HOME/.dt/types/xxx.dt
アクションおよびデータタイプを示すファイルです。
l
$HOME/xxx
アプリケーションプレースフォルダファイルです。
l
$HOME/.dt/icons
ツールで登録されたアイコンはこのファイルに登録されます。
2-4
Vol.16 Common Desktop Environment
2.1.3 クリエートアクションツールの起動方法
フロントパネル内のアプリケーションマネージャをクリックします。
アプリケーションマネージャーの画面から "Desktop_Apps"アイコンをダブルクリックするとCreate
Actionユーティリティを含んだメニューが起動されます。
" create action " アイコンをクリックします。
2-5
Vol.16 Common Desktop Environment
Create Action Tool の詳細は"Common Desktop Environment Advanced User's and System
Administration'sGuide" を参照ください。
2-6
Vol.16 Common Desktop Environment
2.2応用統合
アプリケーション自体のコードを変更し、CDE独自のアプリケーションインターフェイスを利用す
ることによってアプリケーションに便利な機能を追加できます。
以下にその応用例を示します。
2.2.1 セッションマネジメント
CDEのセッションマネージャーはセッションログアウト時にアプリケーションの状態を保存し、次の
ログイン時に保存した状態から再開する機能を提供します。
この機能は ICCCM Session Management Protocol をサポートする事によって実現しています。
この機能は以下の手順で実行されます。
1. ユーザーがセッションから exit を行います。
セッションマネージャーはリソースと他の情報をセーブした後、"exit notification" を受け
取る事のできる全てのアプリケーションに対して notify を行います。
2. notify を受けたアプリケーションは状態をセーブして、セッションマネージャーにセーブが
完了したことを告げ、"restart command line"をセッションマネージャーに送ります。
3. ユーザーが次にログインした時、セッションマネージャーは環境をリストアしてコマンドライ
ンを前のワークスペースに同じジオメトリで起動させます。
2.2.2 ヘルプ
CDEは全く新しい Helpメカニズムを提供します。
l
l
l
Help widget and API
help を作成するアプリケーション
help を見るアプリケーション
CDE help System を使うためには、アプリケーションを help API を使うように適合させなければ
なりません。
また、アプリケーションで使うhelp の内容をコンバートする必要があります。
ハイパーリンクメカニズムを使用する事によって実行イメージとリンクできるだけでなく他のhelp
volume とリンクすることができます。
2.2.3 ドラッグ&ドロップ
CDEでは Motif のドラッグ&ド口ップと比べて更に使いやすい API が用意されています。
2-7
Vol.16 Common Desktop Environment
2.2.4 標準フォントネーム
CDE自身はフォントを提供しませんが、alias がおこなわれているので、標準フォントを "-dtapplication-*"
の形で指定して使うことができます。
これによって、同じフォントをさまざまなアプリケーションで使用できるように なります。
2.2.5 カラー
フォントと同様に標準カラーマップを使用する事ができます。
アプリケーションで利用するには、CDEのスタイルマネージャーでカラーを変更することによって
できます。
2-8
Vol.16 Common Desktop Environment
2.3 アプリケーション統合
CDEでは、個々のアプリケーションを統合することによってそれぞれのアプリケーションの機能を
更に高めています。
以下にその例を示します。
2.3.1 ワークスペースマネジメント
CDEは多くのワークスペースを提供するだけでなく、アプリケーションからワークスペースを操作
する機能も提供します。
例えばリアルタイム環境においてすべてのワークスペースにイベントを表示させて、詳しい内容
をそのアプリケーションウィンドウで見るようにする事もできます。
2.3.2 メッセ一ジサービス
CDEは定義されたメッセージを提供するだけでなく、アプリケーション間でメッセージの交換を行
うようにす る事ができます。
2.3.3 カレンダーサービス
CDEはカレンダーアプリケーション(dtcm)を提供するだけでなく、他のアプリケーションにアクセ
スできるようなカレンダー API を提供します。
この API を使ってプロッジェクトメンバーのスケジユールを調べ,自動的にスケジュールを組むよ
うなアプリケーションを作成する事が可能になります。
2.3.4 フロントパネル
CDEはデフォルトですべてのワークスペースにコントロールパネルを提供します。
アプリケーションをCDE環境にインストールする場合は、フロントパネルの構成を変えない事をお
すすめします。
これはデフォルトフロントパネルを統一するためです。
ユーザーがフロントパネルを変更することも可能になっています。
2-9
Vol.16 Common Desktop Environment
第 3 章 Multimedia Services for Digital UNIX
この章では、Multimedia Services for Digital UNIX V1.6 のついて述べます。
他のバージョンでは、若干に違いがある場合がありますので「リリース・ノート」も合わせて参照し
てください。
Alpha Station, DEC 3000 シリーズなどのワークステーションでは、ランタイムライセンスがバンド
ルされています(一部ワークステーションではバンドルされていないものもあります。御手元のライ
センス証書をお確かめください。
3-1
Vol.16 Common Desktop Environment
3.1 Multimedia Services
Multimedia Services for Digital UNIX を使うと、ワークステーション上で音声や映像
といった、いわゆるマルチメディア情報を扱うことができるようになります。Multimedia
Services では、次のような組み込みもしくはオプションの audio / video のハードウェ
アをサポートしています。
l
l
l
l
l
l
Alpha ワークステーションの組み込みの Audio
AlphaStation Sound Card
Microsoft Windows Sound Card
Sound and Motion J300 TURBOchannel multimedia option
FullVideo Supreme PCI video option
FullVideo Supreme JPEG PCI video option
Multimedia Services には、ランタイムと開発の2種類のライセンスがあり、ランタイム
ライセンスだけでも次のような Multimedia Service のユーティリティを使用できます。
l
l
l
l
DECsound
音声の録音、再生、編集のできるユーティリティ
Alpha VCR
音声・映像データの両方を持つ AVI ファイル、JPEG の録画、再生のための
ユーティリティ
Audio Control
すべての audio デバイスのボリューム調整とポート選択を行うユーティリティ
Video Odyssey
AVI ファイルをビデオ・スクリーン・セーバーとして使用するためのユーティリ
ティ
3-2
Vol.16 Common Desktop Environment
3.2 ランタイムアプリケーション
ランタイム環境をインストールしたときに含まれる DECsound, AlphaVCR,
AudioControl について紹介します。
3.2.1 DECsound
DECsound ユーティリティでは、テープレコーダのように音声ファイルを再生したり、
ファイルに録音したりすることができます。Motif インターフェースになっているた
め、一般のウィンドウアプリケーションと同じように起動できます。
% setenv DISPLAY :0.0
% /usr/bin/mme/decsound &
入出力のポートの選択やボリュームコントロールは後述の Audio Control を用いて
行います。
3.2.2 Alpha VCR
Alpha VCR には、次のような機能があります。
l
l
l
l
l
live video, audio の再生
JPEG, Intel の Indio, YUV data を含む音声・映像ファイルの再生
明るさとコントラストの調整
MPEG-1 音声・映像ファイルの再生
AVI ファイルの再生と出力ビデオデッキやテレビのように AVI ファイルを再生
3-3
Vol.16 Common Desktop Environment
し、ビデオデバイスに出力できます。サポートされるファイル・フォーマットは、
ハードウェア・オプションに依存します。
FullVideo Supreme ボードは X Image や YUV データをビデオ出力できます。
また Sound and Motion J300 や、FullVideo Supreme JPEG support のボードでは X
Image, YUV, JPEG データを video 出力できます。
Indeo files の video 出力は、V1.6 ではまだサポートされていません。
VIDEO
JPEG
24 bit RGB
Intel Indeo
play,record
play,record
play
Audio
Microsoft Wave Audio
Sun Audio
play,record
play
Motif インターフェースになっているため。一般のウィンドウアプリケーションと同じよ
うに起動できます。
% setenv DISPLAY :0.0
% /usr/bin/mme/alphavcr &
3-4
Vol.16 Common Desktop Environment
音声入出力のポートの選択や、ボリューム調整は後述の Audio Control を用いて行
います。
[[ 注意 ]]
S-Video 端子のみの J300 video board でも、Video 信号の入出力は付属の変換プ
ラグを使用する NTSC(PIN Plug) がデフォルトになっています。
S-Video 端子を直接利用する場合には、"Option" メニューから "Record/Live
Settings" を選択し、表示される dialog box で、"Video Standard" の設定を "NTSC"
から "SVIDEO525" に変更して使用してください。
3.2.3 Audio Control
音声のボリュームや入出力先の選択を、Motif インターフェースで簡単に行うことが
できます。
独立したアプリケーションのため、Audio Control を起動したまま DECsound や
Alpha VCR を動かすこともできます。つまり、DECsound を使用中に Audio Control
によりボリュームを上げたり、左右のバランスを取ったりすることができます。
Motif インターフェースになっているため、一般のウィンドウアプリケーションと同じよ
うに起動できます。
% setenv DISPLAY :0.0
% /usr/bin/mme/decsound &
3-5
Vol.16 Common Desktop Environment
3.3 応用例
Netscape Navigator で、MPEG, audio ファイルなどをクリックするだけで、
AlphaVCR, audioplay, DECsound などを起動するには、$HOME/.mailcap に次の
ように記述します。
# Basic multimedia data type definitions
audio/basic;
audioplay -filename %s
audio/x-wav;
decsound -play -file %s
video/mpeg;
alphavcr -play %s
video/x-msvideo;
alphavcr -play %s
# Multimedia Services demo definitions
video/x-vcr;
alphavcr -play %s
video/x-videoout; alphavcr -out %s
video/x-softjpeg; alphavcr -play %s
[[ 注意 ]]
AVI ファイルは、Alpha VCR では未対応のフォーマットのものは再生でき
ず、"Unsurpported video data format" のダイアログボックスが表示されることがあり
ます。
3-6
Vol.16 Common Desktop Environment
3.4 インストレーション例
ここでは MME の インストレーションの例を示します。
(1) lmf command で MME の license が入っているか確認します。
digital# lmf list
MME のランタイム ライセンスの場合、
MMS-RTactive unlimited
のような 表示になります。MMS-RT-USER, MMS-DK, MMS-DK-USER のいずれかが入ってい
ればランタイム環境は使えます。
開発環境には MMS-DK または MMS-DK-USERのライセンスが必要になります。入ってない場
合には、
digital# lmf register
のようにしてライセンス証書を見ながら入力して下さい。終了したら、
digital# lmf reset
で登録完了です。
(2) "Software Product Library, July 1995 2/3" の CDROM を mount します。
例えば CD dive が rz4 の場合には、
digital# mount -dr /dev/rz4c /mnt
のようにします。
(3) setld command を用い、install します。
digital# cd /mnt/mme160/kit
digital# pwd
/mnt/mme160/kit
digital# setld -l .
Multimedia Services for Digital UNIX Development Kit V1.6
Copyright Digital Equipment Corporation 1993, 1995. All
rights reserved.
Restricted Rights: Use, duplication, or disclosure by the
U.S. Government is subject to restrictions as set forth in
3-7
Vol.16 Common Desktop Environment
subparagraph (c) (1) (ii) of
DFARS 252.227-7013, or in FAR 52.227-19, or in FAR 52.227-14
Alt. III, as
applicable.
This software is proprietary to and embodies the confidential
technology of Digital Equipment Corporation. Possession, use,
or copying of this software and media is authorized only
pursuant to a valid written license from Digital or an
authorized sublicensor.
Hit to continue:
Multimedia Services for Digital UNIX Runtime V1.6
Copyright Digital Equipment Corporation 1993, 1995. All
rights reserved.
Restricted Rights: Use, duplication, or disclosure by the
U.S. Government is subject to restrictions as set forth in
subparagraph (c) (1) (ii) of
DFARS 252.227-7013, or in FAR 52.227-19, or in FAR 52.227-14
Alt. III, as
applicable.
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technology of Digital Equipment Corporation. Possession, use,
or copying of this software and media is authorized only
pursuant to a valid written license from Digitalor an
authorized sublicensor.
Hit
to continue:
(4) subset を選択します。
選択方法は、以下のようになります。
1) AlphaStation などで FullVideo Supreme board を付けている場合
2) AlphaStation などで Microsoft Sound Board を付けている場合
4) MME 開発環境をインストールする場合 (MMS-DK,MMS-DK-USER のいずれかのライセンス
が必要です。)
9) DEC3000 series で Sound and Motion J300 board を付けて いる場合に選択します。
The subsets listed below are optional:
There may be more optional subsets than can be presented
on a single
3-8
Vol.16 Common Desktop Environment
screen. If this is the case, you can choose subsets
screen by screen
or all at once on the last screen. All of the choices
you make will
be collected for your confirmation before any subsets
are installed.
1) FullVideo Supreme (AV321/AV301) Device Driver V1.6
2) Microsoft Sound Board Device Driver V1.6
3) Multimedia Services for Digital UNIX Development Man
Pages V1.6
4) Multimedia Services for Digital UNIX Development V1.6
5) Multimedia Services for Digital UNIX Release Notes
V1.6
6) Multimedia Services for Digital UNIX Runtime Man
Pages V1.6
7) Multimedia Services for Digital UNIX Runtime V1.6
8) Multimedia Services for Digital UNIX Sample Data V1.6
9) Sound and Motion J300 Device Driver V1.6
--- MORE TO FOLLOW --Enter your choices or press RETURN to display the next
screen.
Choices (for example, 1 2 4-6):
Or you may choose one of the following options:
10) ALL of the above
11) CANCEL selections and redisplay menus
12) EXIT without installing any subsets
Enter your choices or press RETURN to redisplay menus.
Choices (for example, 1 2 4-6): 5-9
You are installing the following optional subsets:
Multimedia Services
Notes V1.6
Multimedia Services
Man Pages V1.6
Multimedia Services
V1.6
Multimedia Services
for Digital UNIX Release
for Digital UNIX Runtime
for Digital UNIX Runtime
for Digital UNIX Sample
3-9
Vol.16 Common Desktop Environment
Data V1.6
Sound and Motion J300 Device Driver V1.6
Is this correct? (y/n): y
Checking file system space required to install selected
subsets:
File system space checked OK.
Multimedia Services for Digital UNIX Sample Data V1.6
Copying from . (disk)
Working....Wed Aug 30 10:06:01 JST 1995
Verifying
Multimedia Services for Digital UNIX Release Notes V1.6
Copying from . (disk)
Verifying
Multimedia Services for Digital UNIX Runtime Man Pages V1.6
Copying from . (disk)
Verifying
Multimedia Services for Digital UNIX Runtime V1.6
Copying from . (disk)
Working....Wed Aug 30 10:09:47 JST 1995
Verifying
*****
You have selected the installation of the Sound and
Motion J300
option module device driver. This involves
rebuilding the Digital
UNIX kernel. You will also be prompted to specify a
kernel
configuration file to use to rebuild the Digital
UNIX kernel.
If you have questions about rebuilding the kernel or
about kernel
configuration files please refer to the Digital UNIX
Guide to System
Administration.
DO NOT INSTALL this subset unless you will be running
3-10
Vol.16 Common Desktop Environment
this kernel
on a TURBOchannel system (DEC 3000 workstation).
Do you wish to install the Sound and Motion J300 option module
device driver at this time? (y/n) [y]:
Sound and Motion J300 Device Driver V1.6
Copying from . (disk)
Verifying
Configuring "Multimedia Services for Digital UNIX Sample Data V1.6"
(MMERTSMPLDAT160)
Configuring "Multimedia Services for Digital UNIX Release Notes
V1.6" (MMERELNOTES160)
Configuring "Multimedia Services for Digital UNIX Runtime Man Pages
V1.6" (MMEMANRT160)
Configuring "Multimedia Services for Digital UNIX Runtime V1.6"
(MMERT160)
Do you want to enable scripts that automatically start the
Multimedia Services for Digital UNIX Runtime V1.6
server everytime the system is booted ? (y/n) [y]:
起動時に Multimedia Services server を自動的に立ち上げる場 合には 'y' を、立ち上げない場
合は 'n' を入力します。
Multimedia Services for Digital UNIX Runtime V1.6 server will be
started
automatically everytime the system is booted.
Do you want to start the server now ? (y/n) [y]: n
kernel にコンフィギュレーションされていませんから 'n'を type します。
*************************************************************************
You may request execution of the IVP for Multimedia Services for
3-11
Vol.16 Common Desktop Environment
Digital UNIX Runtime V1.6 now; however, if you are also installing
the Sound and
Motion J300 Driver, the FullVideo Supreme Driver, or the Microsoft
Sound
Board Device Driver, you may wish to defer execution of the IVP
until the
kernel rebuild completes and you reboot the system.
The IVP for Multimedia Services for Digital UNIX Runtime V1.6 may be
executed at a later time by issuing the command
# setld -v MMERT160
*************************************************************************
Would you like to run the IVP for
Multimedia Services for Digital UNIX Runtime V1.6 now? (y/n) [n]:
kernel にコンフィギュレーションされていませんから 'n' を type します。
Configuring "Sound and Motion J300 Device Driver V1.6" (MMEDRV160) You have selected
the Sound and Motion J300 option module device driver. Do you wish to rebuild the kernel at
this time? (y/n) [y]:
kernel を再構築するために 'y' を入力します。
*********************************************************************
* Preparing to Rebuild Kernel in order to complete installation
*********************************************************************
Do you want to use an existing kernel configuration file? (y/n)
[y]:
Enter a name for the kernel configuration file. [DIGITAL]:
ここで kernel コンフィギュレーションファイル名を聞いてき ますが、通常はそのまま Return キー
を入力します。
You selected DIGITAL, is this correct? (y/n) [y]:
Copying /sys/conf/.product.list to DIGITAL.list
*** KERNEL CONFIGURATION AND BUILD PROCEDURE ***
Saving /sys/conf/DIGITAL as /sys/conf/DIGITAL.bck
Do you want to edit the configuration file? (y/n) [n]:
*** PERFORMING KERNEL BUILD ***
3-12
Vol.16 Common Desktop Environment
Working....Wed Aug 30 10:20:21 JST 1995
Working....Wed Aug 30 10:22:22 JST 1995
Working....Wed Aug 30 10:24:23 JST 1995
The new kernel is /sys/DIGITAL/vmunix
1) Copy your old kernel from /vmunix to /vmunix.save
cp /vmunix /vmunix.save
2) Move the new kernel to /vmunix
mv /sys/NAME/vmunix /vmunix (replacing NAME)
3) Shutdown and reboot your system, after
giving proper warning to any other users.
/usr/sbin/shutdown -r +2 ¥
"Shutting down to use new kernel, rebooting immediately"
digital#
(5) installation で作った kernel を root に移して reboot します。
digital# mv /vmunix /vmunix.save
digital# mv /sys/DIGITAL/vmunix /
digital# /usr/sbin/shutdown -r +2 ¥
"新しい kernel を使うので落とします。すぐに reboot します"
(6) 確認のため、IVP (InstallationVerification Procedure) をながします。
digital# setld -v MMERT160
Multimedia Services for Digital UNIX Runtime V1.6 (MMERT160)
Multimedia Services for Digital UNIX V1.6
Installation Verification Procedure
Copyright Digital Equipment Corporation 1993, 1995. All rights
reserved.
Restricted Rights: Use, duplication, or disclosure by the U.S.
Government is subject to restrictions as set forth in subparagraph
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3-13
Vol.16 Common Desktop Environment
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valid written license from Digital or an authorized sublicensor.
Hit
to continue:
Accessing all Wave In Devices:
==============================
Device 0 is the Digital Sound and Motion J300 device.
Device 1 is the Digital Baseboard Audio device.
Accessing all Wave Out Devices:
===============================
Device 0 is the Digital Sound and Motion J300 device.
Device 1 is the Digital Baseboard Audio device.
Would you like to play a short clip on one of the Wave Out Devices?
(y/n) [y]:
Please specify a device number ( to not play clip) []: 0
Device number selected is
Playing...
Playback Complete.
0
選択したデバイスから音が出ていることを確認します。
mme_ivp_video: Device: 1
fccHandler: J300
Digital Sound & Motion J300 TURBOchannel JPEG Video,
CD-Audio Option
Board.
mme_ivp_video: Device: 2
fccHandler: SJPG
Digital Software JPEG Decompressor, supporting JPEG, and
MJPEG.
Would you like to play a short video clip to the display
device? (y/n) [y]:
Please specify a device number ( to not play clip) []: 1
3-14
Vol.16 Common Desktop Environment
Device number selected is
1
画面に映像が出ることを確認します。8 plane のグラフィックボードを使用している場合、出てきた
ウィンドウにポインタを移動してフォーカスをあててください。
Multimedia Services for Digital UNIX V1.6 IVP SUCCEEDED
digital#
3-15
Vol.16 Common Desktop Environment
3.5 その他の Multimedia Services を利用した製品
Multimedia Services を利用した製品としてDECtalk, Communique! があります。
3.5.1 DECtalk Software
DECtalk Software は、Alpha Station, DEC 3000 series 上で DECtalk のフル機能を
実現するソフトウェアです。DigitalUNIX とWindows NT で利用でき、AlphaStation
の組み込みオーディオを利用して出力します。
DEC3000システムでは、組み込みの Baseboard Audio または Sound &Motion J300
経由で出力します。
DECtalk テクノロジ
DECtalk は、MIT と共同で開発した 1,400 ルールにも及ぶ テキスト-> 会話アルゴ
リズムを元にした、テキスト-> 音声変換 テクノロジです。
l
l
l
l
l
l
肉声にちかい高品質な音声出力
MITと共同で開発した独自のアルゴリズムにより、ASCII テキストを音声出力し
ます。音声は、Multimedia Services で サポートされる音源経由もしくはスピー
カを内蔵した DECtalk ハードウェアで再生します。日本語の発音/イントネー
ションには対応していません。
柔軟なカスタマイズが可能
15,000 語もの辞書をもち、言語辞書と発音辞書は別々にカスタマイズ可能で
す。強力なカスタマイズ機能を使って、トレードマーク/フレーズの発音/イント
ネーションを正確に再現することが可能です。
9種類の音声を選択可能
基本的に、発音できるのは英語ですが、男性4種類/女性4種類/子供1種類
のトーンを選択できます。
各種の音声制御
ボリュームコントロールやトーンコントロール、75∼650語/分の間でピッチコン
トロールができます。
アプリケーションインタフェース
音声変換を含むアプリケーション開発を支援するインタフェースは、既にポピ
ュラーになっている Microsoft 社のMultiMedia Environment(MME) を拡張し
て提供します。
ドキュメントやサンプルコードも含まれています。
各種ユーティリティを含みます
発音辞書をカスタマイズするユーテリティ
テキストファイルや、ウィンドウにタイプされたテキストを音声出力するユーテリ
ティ
電子メイルが届いたとき、サブジェクトや発信者を音声で知らせるユーティリテ
ィ
指定した時間とインタバルを音声で通知する aclock
3-16
Vol.16 Common Desktop Environment
3.5.2 Communique!
AlphaStation, DEC3000 で利用可能な Insoft 社のビデオ会議システムです。
SUN/HP/Windows 上での Communique! との間でもビデオ会議を行なうことができ
ます。AlphaStatin では Digital UNIX、Windows NT で利用できます。
(1) Communique! Starter
Shared Whiteboard によりグラフィックイメージの変換やグラフィックの取り込みがで
きます。日本語は表示できません。変換できるグラフィックイメージは次のとおりで
す。
l
l
l
l
l
l
l
l
Sun ラスタイメージ
EPS
GIF
TIFF
JPEG
Windowsビットマップ
PCX
TARGA
Communique! の同じセッションにアクセスしているユーザは、同じグラフィックイメー
ジを共有し、拡大/コピー/貼りつけ/アンダーラインなどの強調を行えます。ホワイト
ボード上のデータは、上記のフォーマットで相互に保存することができます。
l
l
l
Chat Too テキストベースのコミニュケーションツールです。リアルタイムでマル
チユーザのコミュニケーションが図れます。
Conference Manager IP アドレスを持つユーザ間のコンファレンスを管理しま
す。ネットワークの接続状況をインタラクティブにスキャンし、コンファレンスの
管理を行います。最大で24人が同時にひとつのコンファレンスに参加できま
す。
Business Card Editor 個人の名刺管理をアイコンベースに行えます。
(2) Communique! SetUp (ビデオコンファレンス機能 )
Communique! Starter に加え、オーディオ/ビデオなどの機能を備えた
Communique! StepUp と、コンファレンス構築に必要なハードウェアオプションを購
入することによりビデオコンファレンス機能を使用することができるようになります。
l
l
Text Tool
会議のメンバに、メッセージやテキストファイルを配信するのに使用します。受
け取ったテキストの保存が可能です。
Graphic Tool
会議のメンバにグラフィックイメージを配信します。受信側はそれを任意に捨
てたり保存したりできます。スクリーン上の任意の領域を切り出したりすることも
可能です。サポートしているグラフィックイメージは、StarterのWhiteboard と共
通です。
3-17
Vol.16 Common Desktop Environment
l
l
l
l
Audio Tool
会議のメンバ全員で音声を送受信してお互いに会話をするためのツールで
す。
Video Tool
FullVideo Supreme などに接続されているカメラなどの映像を取り込みます。
表示している映像を Freeze して、それを Shared Whiteboard やGraphic Tool
に取り込むこともできます。
TV Tool
会議のメンバに映像を送受信して、お互いの顔をみながら会議をするための
ツールです。一度にメンバ全員や特定のメンバに送ることができます。
SHARE
SHAREは、あるワークステーションで使用しているアプリケーションを他のメン
バと会議の中で共同で使用することができます。この機能によって、参加者は
同時に CAD による図面編集やドキュメントワーク、スプレッドシートなどの共
同作業による編集が可能になります。SHARE オプション は Digital UNIX に
のみ設定され、オプションライセンスの購入で提供されます。
3-18
Vol.16 Common Desktop Environment
第 4 章 Digital UNIX Q and A
この章では、お客様からテレフォンサポートセンターに多く寄せられるご質問のうち、主にシステ
ム管理に関するものをとりあげ、それに対する設定手順などを Q and A 方式でご紹介します。
4-1
Vol.16 Common Desktop Environment
4.1 ファイルのインストール元を調べる方法
Q:
ファイルがどのサブセットからインストールされたか調べる方法は?
A:
インストールキット内には そのサブセット毎にどのようなファイルが含まれているかを示すインベ
ントリーファイル ( *.inv )が存在します。このファイルを検索することによりサブセット名を調べるこ
とができます。
# grep -i ファイル名 /usr/.smdb./*.inv
コマンド'more' がどのサブセットからインストールされたかの具体例を示します。
1. more の フルパスを調べます。
% which more
/usr/bin/more
2. サブセットのインベントリーファイル ( *.inv ) をサーチします。
% grep /usr/bin/more /usr/.smdb./*.inv
usr/.smdb./OSFBASE350.inv:0 90112 13437 3 4 100755
7/24/95 350 f
./usr/bin/more none OSFBASE350
:
:
more コマンドは、OSFBASE350 のサブセットからインストールされたことが分かります。
4-2
Vol.16 Common Desktop Environment
4.2 バージョンの確認方法
Q:
バージョンの確認方法とその他のレイヤードソフトのバージョンの確認方法は?
A:
l
OS のバージョン
OS のバージョンは、通常 /etc/motd のファイルの最初に書き込まれています。
[[ 注意 ]]
このファイルはユーザがログインする時に表示される、welcome message 用のファイ
ルです。通常のテキストファイルなので、スーパーユーザが変更することも可能です
が、バージョンの確認に便利なのでバージョンの書かれた行には、変更を加えない
ことをおすすめします。また、下のレイヤードソフトのバージョンと同様にバージョン
確認をおこなうこともできます。
% head /etc/motd
Digital UNIX V3.2C (Rev. 148); Thu Nov 2 16:46:53 JST 1995
Digital UNIX V3.2C Worksystem Software (Rev.148)
Digital UNIX Japanese Support V3.2C (rev.8)
:
:
l
レイヤードソフトのバージョン
# /usr/sbin/setld -i コマンドでシステムにインストールされているすべてのサブセットを確
認できます。レイヤードソフトのバージョンはこちらで確認してください。
( OS のバージョンも確認できます。)
"Description" の欄にサブセットの内容が簡単に書かれています。
下の例で説明しますと、DEC Fortran のようにここにバージョンが明記されている場合は
それがそのままバージョンとわかります。DEC C++ のように書かれていない場合は、サ
ブセット名の最後の数字 CXXBASE500 がバージョンの目安になります。例外もあります
が、基本的にはは3桁で、500 ならV5.0 、350 ならV3.5 などのように表されています。
また、OS のバージョンを確認する際は 標準版 OSFBASExxx、日本語版
IOSJPBASExxx を目安にしてください。
# /usr/sbin/setld -i │ more
Subset
Status
----------:
:
Description
----------:
4-3
Vol.16 Common Desktop Environment
CXXBASEA500
installed
DEC C++ (cxx) for DEC OSF/1 Systems
:
:
:
DFABASE380
installed
DEC Fortran V3.8 for OSF/1 AXP Systems
:
:
:
IOSJPABASE350 installed
Additional Japanese Software (Japanese
Support - Operating System)
OSFBASE350
installed
Base System (- Required -)
4-4
Vol.16 Common Desktop Environment
4.3 POP サーバの設定方法
Q:
POPサーバの設定についておしえてください。
A:
1. ユーザ名 pop を登録します。uid は他のユーザと重ならなければ、どんな値でも結構で
す。
# vipw
pop:NoLogin:9999:9999::/var/spool/pop:/bin/date
2. pop の作業 directory を作成します。
# mkdir /var/spool/pop
# chown pop /var/spool/pop
3. spop のオーナを変更します。
# chown pop /usr/i18n/lib/mh/spop
# cd /var/adm/sendmail
# vi sendmail.cf
:
P=/usr/i18n/lib/mh/spop ← P=/usr/lib/mh/spopを変更します。
4. POP ユーザのパスワードファイルを作成します。
# cd /var/spool/pop
# vi POP
hogehoge::hogehoge:::hegehoge@node_name.ewb.dec-j.co.jp::::0
[[ 注意 ]]
inc コマンドで POP サーバにアクセスできるクライアントマシンを登録します。
複数クライアントからアクセスを許可する場合は、カンマ(,) で区切って登録できます。
ホスト名は、/etc/hosts にある 正式名( IP アドレスの隣に書いてあるもの)を書いてくださ
い。alias 名を書くと、inc の際に、
"inc: -ERR permission denied"
でとりこみができない場合があります。
5. popwrd でパスワードを設定します。
# popwrd
:
4-5
Vol.16 Common Desktop Environment
6. popaka を実行します。
# popaka > /tmp/popaka.tmp
7. /tmp/popaka.tmp の内容を /var/adm/sendmail/aliasesに追加します。
# vi /var/adm/sendmail/aliases
# newaliases
8. 必要に応じて他のホストにも alias を追加します。
9. popd をバックグラウンドで起動します。
# /usr/i18n/lib/mh/popd > /dev/null &
10. 立ち上げ時自動的に起動させるには、以下の作業を行って下さい。
# cd /sbin/init.d
# cp sendmail sendmail.save
# vi sendmail
:
:
'start')
set `who -r`
if [ "$9" = "S" ]; then
if [ -f /usr/sbin/sendmail ]; then
(cd /usr/spool/mqueue; rm -f lf*)
/usr/sbin/sendmail -bz
/usr/sbin/sendmail -bi
/usr/sbin/sendmail -bd -q15m -om &
echo "SMTP Mail Service started"
### popd start #######
/usr/i18n/lib/mh/popd > /dev/null 2>&1 &
echo "popd started"
:
:
'stop')
### kill popd ##########
POPpid=`/bin/ps -e │ grep popd │ grep i18n │ sed -e
's/^ *//' -e 's/ .*//' │ head -1`
kill $POPpid
:
:
[[ 注意 ]]
デフォルトのサービスのポート番号は 109 になっていますが、クライアントのソフトによっては、
POP3(Post Office Protocol version 3 ) を使用しているため、ポート番号が 110 になっている場
4-6
Vol.16 Common Desktop Environment
合があり、そのようなクライアントからアクセスしようとすると" Unknown host" のエラーになって
しまいます。
この場合には、popd の立ちあげのオプションに、-p 110 をつけてお試しください。
例) /usr/i18n/lib/mh/popd -p 110
4-7
Vol.16 Common Desktop Environment
4.4 フォントサーバの設定方法
Q:
Digital UNIX のマシンでブート時にフォントサーバを起動する方法は?
A:
ブート時に、自動的に fontserver を起動するためには、以下の2つのファイルを作成し、スクリプ
トファイルを /sbin/rc3.d の下にリンクする必要があります。
・スクリプトファイル ... /sbin/init.d/fs
・config ファイル
... /usr/lib/X11/fs/config
1. /usr/init.d/fs
以下は、起動のためのシェルスクリプトのサンプルです。
[[ 注意 ]] -port の後の 7100 は クライアントのアプリケーションによって異なる場合が
ありますので、必要に応じて変更を行ってください。
#!/bin/sh
# start or stop font server
case $1 in
'start')
if [ -f /usr/bin/X11/fs ]; then
/usr/bin/X11/fs -config /usr/lib/X11/fs/config -port 7100 &
echo "font server started"
else
echo "$0: /usr/bin/X11/fs does not exist"
exit 1
fi
;;
'stop')
if [ -f /usr/bin/X11/fs ]; then
pid=`/bin/ps -e │ grep /usr/bin/X11/fs │ grep -v grep │ sed -e 's/^
*//' -e 's/ .*//' │ head -1`
if [ "X$pid" != "X" ]; then
/bin/kill $pid
fi
fi
;;
*)
echo "usage: $0 {start│stop}"
exit 1
4-8
Vol.16 Common Desktop Environment
;;
esac
exit 0
2. /usr/lib/X11/fs/config
clone-self = on
use-syslog = off
catalogue =
/usr/lib/X11/fonts/decwin/75dpi,/usr/i18n/usr/lib/X11/fonts/decwin
/75dpi/
error-file = /usr/lib/X11/fs/fs-errors
# in decipoints
default-point-size = 120
default-resolutions = 75,75,100,100
"catalogue" の所に、client に提供したいフォントのパスが書き込まれていることを確認して
ください。なければ、追加してください。
3. リンクをはります。
# ln -s /sbin/init.d/fs /sbin/rc3.d/S94fs
[[ 注意 ]] この例では、S94... で起動していますが、これは fontserver を xdm のプロセ
スより前に起動しなければならないことを意味しています。通常、xdm は
S95xdm となっていますので、この例のように S94 などで起動してください。
4-9
Vol.16 Common Desktop Environment
4.5 ユーザ定義文字の登録と表示
Q:
外字登録をして、DECterm に表示することはできますか?
A:
DECterm ( /usr/bin/X11/dxterm ) の 2byte コードのフォントは、デフォルトで "-jdecwscreen-medium-r-normal--18-180-75-75-m-160-jisx0208.1983-1" を使用しています。ここで
は、例としてこのフォントにユーザが定義した文字を登録する方法をご説明します。
1. cedit で 16x18 の外字を作成します。
cedit の操作方法などについては、% man cedit でオンラインマニュアルを参照してくださ
い。$HOME の下に .udc directory ができます。
2. cgen でプリロードファイルを作成します。
% cgen -pre
$HOME の下に .fonts directory ができます。
3. fontconverter で フォントファイルを作成します。
% ls .fonts
preload-ja_JP.deckanji-normal-16x18
% fontconverter -merge -font '-jdecw-screen-medium-r-normal-18-180-75-75-m-160-jisx0208.1983-1' .fonts/preload-ja_JP.dec
kanji-normal-16x18
JISX0208-Kanji11_16_18.pcf という名前でフォントファイルが作られます。
4. 現在使用している フォントの pcf ファイル
/usr/i18n/lib/X11/fonts/decwin/75dpi/jdecw_screen_kanji11_16_18.pcf
と置き換えます。フォントパスを変更する必要はありません。
# cd /usr/i18n/lib/X11/fonts/decwin/75dpi/
# cp jdecw_screen_kanji11_16_18.pcf jdecw_screen_kanji11_16_18.pcf.save
# cp username/JISX0208-Kanji11_16_18.pcf ¥
/usr/i18n/lib/X11/fonts/decwin/75dpi/jdecw_screen_kanji11_16_18.pcf
4-10
Vol.16 Common Desktop Environment
[[ 注意1 ]]
alias しているので、実際に作成されたファイルの名前と異なりますが、上の
ファイル名で置き換えてください。
[[ 注意2 ]]
OSF/1 のマシン上では、ディレクトリによってはフォントファイルが 圧縮され
た状態 ( *.pcf.Z ) でおかれている場合があります。この場合は、出来上が
った pcf ファイルを、もとのディレクトリに置きかえる際に compress コマンド
で .Z のファイルにしてください。( %compress xxxx.pcf )
5. マージされたことを確認します。
% xset fp rehash
% xfd -fn jdecw_screen_kanji11_16_18
<補足1> DECterm を起動し、jvi で 使用する方法
コードを入力して変換します。
コードa121 の場合は、xa121 と入力して、その後シンボル変換キーを入力します。
シンボル変換キーは、使用しているキーバインディングによって異なります。例え
ば、
・keypad バインディング ... 8
・evej バインディング
... PF1 / z
のようになっています。( /usr/i18n/usr/skel/ja_JP/*.jsykkseq 参照 )
jvi 中で、addtango コマンドを使って読みを辞書登録すると次回からは、読みを入
力して通常の漢字と同じように変換することができます。この方法については、"日
本語DEC OSF/1 日本語機能ガイドブック" をご覧ください。
4-11
Vol.16 Common Desktop Environment
4.6 a パーティションの変更
Q:
a パーティション(/)をテープからリストアする方法は?
A:
a パーティションを変更する際には、ミニカーネルでたち上げて作業を行います。OSのインスト
ール用kitを用意してください。
以下の構成を例に説明します。
ディスク
テープ
CD-ROM
... SCSI ID 0 ( rz0 )、RZ28
... SCSI ID 5 ( tz5 )
... SCSI ID 4 ( rz4 )
1. シングルユーザモードで、a パーティションのバックアップをとります。
それ以外のパーティションもバックアップをとっておくことをお薦めします。
# shutdown now
# umount -a
# fsck /dev/rrz0a
テープをセットします。
# dump 0uf /dev/rrz0a
必要なパーティション全てに、fsck・dumpを行ってください。
2. OS の kit の CD をセットし、ミニカーネルでbootします。
# halt
>>> show device
( CD のデバイス名、テープのSCSI ID はここで確認してください。)
>>> boot dka400
3. メニューから "System management" を選択します。
4. デバイス・ファイルを作成します。
# cd /dev
# ./MAKEDEV rz0 tz5
5. 新しいファイルシステムを作成し、mountしてバックアップをリストアします。
4-12
Vol.16 Common Desktop Environment
# newfs /dev/rrz0a rz28
# mount /dev/rz0a /mnt
# cd /mnt
バックアップテープをセットします。
# restore r
6. ディスクからbootします。
# sync;sync
# halt
>>> boot
4-13
Vol.16 Common Desktop Environment
4.7 a パーティション以外のパーティションの変更
Q:
パーティション(/)以外のパーティションのサイズの変更方法は?
A:
ここでは、例として以下の構成において、g パーティション(/usr)のサイズの変更を行なう場合に
ついてご説明します。
ディスク ... SCSI ID 0 ( rz0 ) 、RZ28
テープ
... SCSI ID 5 ( tz5 )
1. シングルユーザモードで、g パーティションのバックアップをとります。
それ以外のパーティションもバックアップをとっておくことをお薦めします。
[[ 注意 ]] sizeの変更が他のパーティションにも影響を与える場合(サイズの拡張で他のパ
ーティションのサイズを縮小するような場合)は、それぞれのパーティションのバッ クアップ
を必ずとってください。
# shutdown now
# umount -a
# fsck /dev/rrz0g
テープをセットします。
# dump 0uf /dev/rrz0g
必要なパーティション全てに、fsck・dumpを行ってください。
2. 作業を行ないやすくするために、いったんマルチユーザモードにあげ、スーパユーザでロ
グインします。
# ^D ( Ctrl/D を入力してください。)
rootでログインします。
3. パーティションテーブルの変更時に使用するテンプレートファイルを作成します。
# disklabel -re rz1
エディタが起動されますので、変更するパーティションの size とoffset を修正します。
# /dev/rrz0a:
type: SCSI
4-14
Vol.16 Common Desktop Environment
disk: rz28
label:
flags:
bytes/sector: 512
sectors/track: 99
tracks/cylinder: 16
sectors/cylinder: 1584
cylinders: 2595
sectors/unit: 4110480
rpm: 3600
interleave: 1
trackskew: 0
cylinderskew: 0
headswitch: 0
# milliseconds
track-to-track seek: 0
# milliseconds
drivedata: 0
8 partitions:
#
size
a:
200000
b:
800000
c: 4110480
d:
524271
e:
524271
f:
524271
g: 3110480
h:
524271
offset
0
200000
0
131072
131072
131072
1000000
131072
fstype
ADVfs
unused
unused
unused
unused
unused
ADVfs
unused
[fsize
1024
1024
1024
1024
1024
1024
bsize cpg]
# (Cyl.
8192
# (Cyl.
8192
# (Cyl.
8192
# (Cyl.
8192
# (Cyl.
8192
# (Cyl.
# (Cyl.
8192
# (Cyl.
0 126*0 82*82*82*631*82*-
126*)
631*)
2594)
413*)
413*)
413*)
2594*)
413*)
[[ 注意 ]]それぞれのパーティションの size の他に offset も変更しなければならない場合
は、使用するパーティション同士が重ならないように十分注意してください。
4. シングルユーザモードに再立ち上げし、ディスクラベルの書き直しと、新しいファイルシス
テムの作成をおこないます。
1) リブートします。
# shutdown -h now
>>> boot -fl s
2) 新しいファイルシステムを作成します。
# newfs /dev/rrz0g rz28
:
:
他に変更したパーティションがあれば同様に newfs を実行します。
4-15
Vol.16 Common Desktop Environment
5. ディスクをマウントして、バックアップをリストアします。
# mount -u /
# mount /dev/rz0g /usr
# cd /usr
バックアップテープをセットします。
# restore -r
他に変更したパーティションがあれば同様に restore を実行します。
6. reboot します。
# reboot
4-16
Vol.16 Common Desktop Environment
4.8 quota 管理
Q:
disk の quota 管理を行なう方法は?
A:
1. コンフィグレーションファイル( /sys/conf/HOSTNAME ) に以下の1行が含まれていること
を確認します。
含まれていない場合は、追加してカーネルを再構築します。
options
QUOTA
2. /etc/fstab を編集します。userquota 、groupquota のオプションを追加します。
例) /usr ファイルシステムを user とgroup の両方で quotacheck を行なう場
合
# vi /etc/fstab
:
/dev/rz1g /usr ufs rw,userquota,groupquota 1 1
:
3. クォータ管理の対象となるファイルシステムのトップディレクトリに、quota.user 、
quota.group を作成します。
# /sbin/quotacheck -a
# ls /usr/quota*
/usr/quota.user /usr/quota.group
4. 各ユーザのクォータを設定します。vi エディタが起動され、必要な項目を修正します。
# /etc/edquota user1
エディタが起動されるので、必要な項目を修正します
Quotas for user user1:
/: blocks in use: ***, limits (soft = 10240, hard = 20480)
inodes in use: ***, limits (soft = 0, hard = 0)
block 数と、inode 数 ( file 数 ) の両方で、制限ができます。値を 0 にしてお
4-17
Vol.16 Common Desktop Environment
くと、制限は働きません。
soft... ソフトリミット。書き込み時にこのリミットを越 えた場合に、warning を表
示します。3回連続してこの warning を受けると、ハードリミット扱いと
なります。
hard... ハードリミット。書き込み時にこのリミットを越 えた場合には warning が
表示され書き込みがおこなえません。ソフトリミット以下までファイルを
削除し、再度ロ グインしない限り新たにファイルを作る事は出来ませ
ん。
<補足>
-p オプションを使用すると、1人のユーザ設定を利用してそれと同様に他の
ユーザの設定を行なうことができます。例えば 下のようにすると、user1 の設
定と同様に user2、user3、user4 の設定を行なうことができます。
# /etc/edquota -p user1 user2 user3 user4
5. クォータ管理を開始します。
# /etc/quotaon/dev/ra0g
また、下のように -a オプションを使用すると、/etc/fstab に指定のあるファイ
ルシステムのみクォータ管理を開始します。
# /etc/quotaon -a
6. システム起動時にディスク・クォータを確認して使用可能にするには、次のコマンドを使用
して /etc/rc.config ファイルの変数 を設定します。
# /usr/sbin/rcmgr set QUOTA_CONFIG yes
4-18
Vol.16 Common Desktop Environment
4.9 会計情報の収集
Q:
会計情報の収集を行なう方法は?
A:
1. /etc/rc.config ファイルを編集します。
# /usr/sbin/rcmgr set ACCOUNTING YES
# grep ACCOUNTING /etc/rc.config
ACCOUNTING="YES"
export ACCOUNTING
#
2. /usr/sbin/acct/holidays ファイルを作成し、休日を登録します。
# vi/usr/sbin/acct/holidays
.
.
* Day of
Calendar
* Year
Date
*
1
Jan 1
6
Jan 6
27
Jan 27
59
Feb 28
81
Mar 22
.
Company
Holiday
New Year
Epiphany
Chinese New Year
Ash Wednesday
Indian New Year (Saka)
3. ユーザ adm になって、/var/adm/pacct、/var/adm/qacct ファイルを作成します。
# cd /var/adm
# chown adm:adm /var/adm
# su adm
$ /usr/sbin/acct/nulladm pacct qacct
$ ls -lg *acct
-rw-rw-r-- 1 adm
adm
-rw-rw-r-- 1 adm
adm
$
0
0
Mar 24 19:30 pacct
Mar 24 19:01 qacct
4. /usr/spool/cron/crontabs/adm ファイルを編集します。デフォルトで、adm の crontab に注釈
行として( 先頭 に"#") 書かれていますので、注釈行の"#" を削除してください。
4-19
Vol.16 Common Desktop Environment
$ crontab -e
:
:
0 2 * * 1-6 /usr/sbin/acct/runacct > /usr/adm/acct/nite/fd2log &
5 * * * * /usr/sbin/acct/ckpacct &
0 4 1 * * /usr/sbin/acct/monacct &
10 3 * * * /usr/sbin/ac -p > /var/adm/acct/nite/timelog &
40 2 * * * /usr/sbin/pac -s &
:
:
$
5. 関連ディレクトリを作成します。
$
$
$
$
$
$
mkdir
mkdir
mkdir
mkdir
mkdir
^D
/var/adm/acct
/var/adm/acct/sum
/var/adm/acct/fiscal
/var/adm/acct/nite
/var/adm/acct/nite/dacct
6. アカウンティングを開始します。
#
#
$
$
$
$
$
/sbin/init.d/acct start
su adm
/usr/sbin/acct/runacct > /usr/adm/acct/nite/fd2log &
/usr/sbin/acct/ckpacct &
/usr/sbin/acct/monacct &
/usr/sbin/ac -p > /var/adm/acct/nite/timelog &
^D
7. アカウンティング情報の確認方法 この他にも出力形式がございますので、詳しくは"System
Administration" ( 日本語訳"システム管理ガイド") もご参照ください。
# cd /var/adm
# ls -lg *acct
-rw-rw-r-- 1 adm adm 13120 Mar 24 19:41 pacct
-rw-rw-r-- 1 adm adm
0 Mar 24 19:01 qacct
# cd /var/adm/acct/nite
# cat lastdate
0324
4-20
Vol.16 Common Desktop Environment
# more cms
TOTAL COMMAND SUMMARY
COMMAND NUMBER TOTAL
TOTAL
TOTAL
MEAN
MEAN
HOG
CHARS
NAME
CMDS
KCOREMIN CPU-MIN REAL-MIN SIZE-K CPU-MIN FACTOR TRNSFD
TOTALS
snmpd
xdm
chmod
BLOCKS
READ
1745
0.00
6.16
1443.76
0.00
0.00
0.00
5510869224
2321
3
10
27
0.00
0.00
0.00
0.00
0.86
0.01
16.47
30.45
0.04
:
:
0.00
0.00
0.00
0.00
0.09
0.00
0.00
0.03
0.33
131040
5876736
117330368
7
87
1
#
# cd /var/adm/acct/fiscal
# more fiscrpt03
Thu Mar 24 19:13:19 1994
UID
0
0
1
10
1511
1513
Page 1
LOGNAME PRI_MEM NPRI_MEM PRI_CONNECT
oTOTAL
0
0
1515
root
0
0
0
daemon
0
0
0
adm
0
0
0
user_1
0
0
655
user_2
0
0
221
:
:
#
# cd /var/adm/acct/sum
# more loginlog
94-03-24 user_1
94-03-24 user_2
94-03-24 user_3
94-03-24 user_4
:
:
#
4-21
NPRI_CONNECT
207
0
0
0
44
44
DSK_BLOCKS
0
0
0
0
0
0
PRINT
0
0
0
0
0
0
FEES
0
0
0
0
0
0