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資料 MR 検査の安全性についてのアンケート実施報告書

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資料
MR 検査の安全性についてのアンケート実施報告書
山口さち子 1, 中 井 敏 晴 2, 村 中 博 幸 3, 土 橋 俊 男 4,
輝 6,7, 鎮 西 清 行 8, 吉 川 典 子 9,
山 田 直 明 5, 黒 田
10
川 光 秀 昭 , 原 田 潤 太 11, 森 川 茂 廣 12, 吉 川 宏 起 13
1
独 労働安全衛生総合研究所健康障害予防研究グループ
2
独 国立長寿医療研究センター長寿医療工学研究部神経情報画像開発研究室
3広島市総合リハビリテーションセンター放射線部
5 国立循環器病研究センター放射線部
4日本医科大学付属病院放射線科
6東海大学情報理工学部情報科学科
7公益財団法人国際医療交流財団国際医療機器開発センター
8産業技術総合研究所ヒューマンライフテクノロジー研究部門治療支援技術グループ
9
財 先端医療振興財団
10神戸大学医学部附属病院放射線部
11東京慈恵会医科大学付属柏病院
12 滋賀医科大学医学部看護学科
13駒澤大学医療健康科学部診療放射線技術科学科
日本磁気共鳴医学会 MR 適合性検討小委員会 MR 安全性アンケート調査班
日本磁気共鳴医学会 MR 適合性検討小委員会委員長
緒
言
17 年に「MR 適合性検討小委員会」を設置し,
インプラントや体表に付着する材料,撮影室内
近年,医用材料が多様化し,さまざまな体内
に持ち込まれる医療用具や機器等の MR 適合
金属(以下,インプラント)や医用材料を使っ
性に関する調査,試験研究をどのように推進す
た処置を受けた患者の MR 検査依頼が行われ
べきか検討を進めてきた.
るようになった.一方で,MR 装置も高性能化
もともと MR 検査の安全性は静磁場影響,
し, 3T 装置に代表されるような強い静磁場と
発熱,神経刺激,騒音の 4 項目(物理量)の
ラジオ波や,高速イメージングを実現する大出
規制を中心に考えられてきた1)~3).特に,強磁
力の傾斜磁場装置を備えた MR 装置が一般の
場作業環境における磁性体の吸引事故が MR
医療機関にも普及した.その結果,新規のイン
検査室での安全管理実務における主な関心事項
プラントや医療材料の「 MR 適合性」( MR 検
であった4),5) .その後,インプラント等の医用
査や被検者の安全に対する影響の有無)だけで
材料の MR 適合性6)~8) や,クエンチ, MR 検
なく,従来の 1.5T 以下の MR 装置を用いた検
査従事者のおかれる作業環境など多くの要素を
査では安全性が問題にされていなかった製品に
含むようになり9),クエンチと MR 検査従事者
ついても MR 適合性の再検討を行う必要性が
の作業環境については MR 装置の安全規格で
指摘されている.このような MR 検査をとり
あ る IEC ( 国 際 電気 標 準 会 議 , International
まく環境変化への対応として,日本磁気共鳴医
Electrotechnical Commition)規格IEC60601
学会( JSMRM )・安全性評価委員会では平成
2 33/JIS-Z4951(第 3 版)10)に反映されつつあ
キーワード MR compatibility, implants, acoustic noise, safety management, MR workers
151
日磁医誌
第31巻 3 号(2011)
る.しかし MR 適合性の IEC 規格への採用に
スラインの外で運用されてきた医療器材や電子
ついてはまだ検討の途上であり,MR 検査従事
機器が検査室内に持ち込まれる機会が増加して
者の作業環境についても暫定的な記述となっ
いる.その分,検査室内での MR 適合性に由
ている.一方, 2005 年に MR 適合性に関する
来する事例や事故防止手段の実践に関して改め
ASTM(米国材料試験協会American Society
て調査が求められている.加えて,インプラン
for Testing and Materials)の試験基準が設け
トが治療手段として身近になった昨今では,
られ,評価の方法は定まりつつあるものの,ま
MR 業務従事者自身がインプラントを有する機
だ普及途上であり,特に国内では十分なデータ
会が今後増加すると考えられ,そのような場合
が蓄積されていない.国内行政の動きとして
の勤務のありかたについても検討が必要と考え
は,平成 15 年 9 月 4 日にインプラント等の医
られる.
用材料の MR 適合性に関して「冠動脈ステン
そこで本小委員会では,今後の MR 安全性
トの承認申請に係る取り扱いについて(薬食審
に関する検討課題を策定するために, 1 ) MR
査発第 0904001 号)」11) が厚生労働省医薬食品
検査現場から見たインプラントに起因する問題
局審査管理課長から通知され,承認申請の添付
の動向とその対応方針,2 ) MR 検査中の聴覚
書類として MRI の影響についての評価が必要
障害が疑われる事例経験と騒音対策の実情,
となるなど,行政サイドからもインプラントの
3)MR 検査業務従事者の MR 適合性に関する
MR 適合性評価の対応を求められているが,ま
認識動向について, JSMRM の会員を対象と
だ日常用いられる医用材料について十分な情報
した意識調査を実施したので,本稿にてその実
が行き渡っているとは言えない状況である.年
施報告を行う.
々,新しいインプラントや医用材料が出現する
ため,その実態把握を継続的に行う必要性があ
方
る.
MR 装置が発生する騒音も,近年状況が変化
法
調査対象者
した事項の一つである.米国食品医薬品局
調査票発送日の段階で JSMRM の会員名簿
(Food and Drug Administration : FDA)のガ
に記載されている 3250 名を調査対象者とし
イドライン12)や IEC 規格10) 等で MR 装置が発
た.平成 22 年度の会員分類の内訳は,医師部
生する騒音上限値が定められてきたが,MR 装
門 1439 名,基礎部門 305 名,臨床技術部門
置で使用される傾斜磁場装置の出力向上と高速
1502 名,分類不明 4 名である.調査は会員個
イメージング技術の進歩により MR 装置がス
人を対象として実施したため,同一施設に勤務
キャン中に発生する騒音は上昇する傾向にある
する複数の回答者から同一事象についての重複
と考えられ,聴覚障害や防護対策について再検
回答があり得る.その対策として,自らが検査
討が必要となっている.MR 検査室での安全管
担当の当事者として体験した事象であるか,そ
理については,吸引事故防止の観点から多くの
れ以外であるかを設問の選択肢で区別するよう
調査研究がなされているが4),5),近年の電磁両
にした.
立性( electro-magnetic compatibility ; EMC )
調査票
技術と静磁場を発生する超電導磁石のセルフ
使用した調査票は付録として添付した.調査
シールド技術の向上により,これまで 5 ガウ
票は以下に示す 5 つの内容と 25 の質問事項か
2011 年 5 月 26 日受理 2011 年 6 月 29 日改訂
別刷り請求先 〒 214 8585 神奈川県川崎市多摩区長尾 6 21 1
グループ 山口さち子
152
独 労働安全衛生総合研究所健康障害予防研究

MR 検査の安全性についてのアンケート実施報告書
ら構成される.




調査票のレイアウト作成作業は EZ アンケー
回答者の背景に関する基本情報問 1.
ト ( プレ テ クニ カ 株式 会 社, 大 阪) を Win-
性別・年齢問 2. 所属先機関の保有装
dows XP 上で動作させ行った.
置問 3. 職種問 4. 業務内容問 5. 施
調査票の回収方法
設における総検査件数問 6. インプラ
調査票の送付と回収は JSMRM 事務局を発
ントを有する患者(被験者)の検査頻度
着点とした郵送調査により行い,対象者が調査
MR 検査現場から見たインプラントに起
票を受け取ってから約 2 か月後となる 2010 年
因する問題の動向とその対応方針問
11 月 30 日(火)を投函期限とし返送するよう
7. インプラントに対する基本的な考え
調査票用紙の 1 ページ目の説明文に記載して
方  問 8. イ ン プ ラ ン ト を 有 す る 患 者
指示した.回答内容には個人を特定できる情報
(被験者)の MR 検査実施の可否判断基
(個人情報)は含まれていない.また,二重封
準問 9. インプラントへの対処方針の
筒方式により完全に匿名化された状態で調査票
最終判断者問 10. 判断に悩むインプラ
を扱えるようにして回収した.調査票投函は
ントや材料の有無問 11. 判断に悩むイ
2010 年 9 月 27 日(月)に実施された.
ンプラントや材料の種別問 12. 判断に
調査票の回収と集計
悩むインプラントや材料に関する自由記
調査票の記入内容のうち選択式の回答の部分
述の内訳問 13. 金属探知機による検査
は「EZ アンケート」の集計機能を用いて,ス
前チェックの有無問 14. インプラント
キャナー( EPSON ES-7000H )で調査票を読
が原因と考えられる発熱事例問 15. イ
み込んで CSV フォーマットに出力した結果
ンプラントが原因と考えられる発熱以外
を,2 名が独立に読み込みエラーの確認を行い
のトラブル事例問 16. 「MR 適合性」
修正し最終データとした.
に対する主観的な理解程度問 17. MR
適合性に関する物性評価の必要性に対す
結
る認識問 18. 現在禁忌のインプラント
に関する調査ニーズ


MR 検査中の聴覚障害が疑われる事例経
験と騒音対策の実情問 19. MR 検査後


回収率
配布した 3250 通のうち 978 通が回収された
(単純回収率 30.1).無効回答は 4 件(0.4)
に聴覚以上の訴えのあった事例経験問
であった.
20. MR 装置の発する騒音に関する防護
集計結果
措置問 21. MR 装置の発生する騒音レ
果
回答者の基本情報(問 1~6)を表 1 に示す.
ベルについての把握状況
回答者は 40 才台を中心に 30 ~ 49 才に 7 割近
MR 検査業務従事者の MR 適合性に関
くが分布しており,職種では放射線技師(診療
する認識動向について問 22. 検査室内
における MR 適合性の表示問 23. 撮
影室内への持ち込み機器によるトラブル
事例問 24. MR 検査作業者が自ら有す
るインプラントに対する考え問 25. 安
全性に関する情報源


MR 適合性に関する問題意識やニーズな
どについての自由記述事項
表 1. 回答者に関する基本情報
(1)性別
問 11
男性
女性
無回答
性別
()
81.7
12.0
6.3
153
日磁医誌
(2)年齢
問 12
年齢(才)
20~29
30~39
()
6.6
第31巻 3 号(2011)
研究用途
3.8
学生
0.1
上記のいずれでも無い
無回答
2.4
0.7
31.2
40~49
50~59
37.9
60~69
70~
2.2
無回答
4.2
17.8
0.2
(6)施設における総検査件数
問 5 1 営業日当り,平均何件の MR 検査
を施行していますか全ての MR 装置で実
施される 「総検査 数」をご 記入く ださい
(件)
()
0~9
14.6
10~19
20~29
24.5
()
30~39
40~49
16.6
0.5T 以下
6.3
15.5
1.0T
6.7
50 以上
無回答
1.5T
89.8
3.0T 以上
その他
27.8
(3)所属先機関の保有する装置
〈重複回答〉
問 2 現在保有している MR 装置の静磁場
強度は(磁場強度が異なる複数保有の場合
は全て記入)
2.1
無回答
0.6
問 6 インプラントを有する患者(被験者) ()
を検査する頻度はどれぐらいですか
年に数回程度
月に数回程度
()
放射線技師(診療放射線技師)
臨床検査技師
62.6
放射線科医
28.3
2.6
その他の科の医師
研究者
2.6
学生
0.1
その他
無回答
0.7
2.7
0.6
(5)回答者の業務内容
問 4 MR 装置を使った業務について,最
も比率の高いものを一つお答えください
()
日常的に MR 装置を使った検査を担当して
いる(専任)
51.2
自分で MR 装置を操作して検査をすること
がある
20.7
MR 装置を使った検査依頼をするが,自分
では操作しない
8.1
検査依頼や装置操作は含まない業務(所見
付けなど)
13.0
154
1.4
( 7 )インプラントを有する患者(被験者)の検査
頻度
ほとんど無い(年に 1 回あるか無いか)
(4)回答者の職種
ご職業をお答えください
9.1
1.0
動物用
問3
18.3
週に数回程度
毎日
6.4
9.0
28.8
29.7
21.7
禁忌としている
1.5
無回答
2.9
表 1 のいずれの項目も全有効回答( 974 件)を対象
とする.( 3 )については重複回答あり.(1 ),(2 ),
(4)~(7)は,全回答を 100とした場合における割
合を,(3)については重複回答を含む全回答を示す.
問 6 の補足として回答者がもともとヒトを対象とし
た MR 検査を行わない立場かどうかを尋ね,行わな
い場合は問 22 以降へ誘導した( 24 件 2.5 が該
当).
放射線技師)が最も多く,放射線科医と合わせ
ると両者で回答者のほぼ 90 を占めた.会員
種別の比率と比較すると診療放射線技師の回収
率が約 4 割,医師の回収率が 2 割になる.回
答者がヒトを対象とした MR 検査を行わない
場合,設問「 22 」以降への誘導を行い,該当
MR 検査の安全性についてのアンケート実施報告書
者は問 7 - 21 の母集団から除外した( 24 件
用いているとする回答は 25.9 であり, MR
全回答の 2.5が該当).
装置の使い分けが大多数とは言えない(表 2 
MR 検査現場から見たインプラントに起因する
(2)).
問題の動向とその対応方針 (問 7~ 18
表 2~
13)
問 8. インプラントを有する患者(被験者)
の MR 検査実施の可否判断基準については,
問 7 ~ 18 で MR 検査現場から見たインプラ
筆頭回答は検査担当者,あるいは定朝の過去の
ントに起因する問題の動向とその対応方針につ
経験に基づいた判断であったが,職場により重
いて調査を行った(表 2~13).問 7. インプラ
視する基準に違いがあった(表 3,重複回答有
ントに対する基本的な考え方については,非磁
り).
性インプラントであることが明確な場合は通常
問 9. インプラントへの対処方針の最終判断
の検査として扱うとした回答が 70.9 である
者としては,筆頭の回答は主治医や依頼医
が,それでもなお 26.5 の回答で「場合によ
( 49.6 )であり,次いで検査を担当する放射
る判断」が選ばれており,慎重な対応を考えて
線科医による判断が 35.7 と,医師による判
いる施設が一定数存在する(表 2 ( 1 )). MR
断が 8 割以上を占めた(表 4,重複回答有り).
装置を複数台保有する場合にインプラントを有
問 10. 実際に判断に悩むインプラントや材料
する患者に対してより低い磁場の MR 装置を
の有無については,93.1の回答者がその存在
を指摘した.MR 適合性が大多数の検査現場の
課題として受け止められている状況が浮き彫り
表 2. インプラントに対する基本的な考え方
( 1 )インプラントを有する被検者に対する MR 検
査の実施方針
問 7 インプラントを有する患者(被験者)
()
について,MR 検査の実施方針は
非磁性インプラントであることが分かって
いる場合は,通常の検査業務の中で行って
いる
非磁性インプラントであっても,禁忌とし
ている
場合により判断している
無回答
70.9
1.5
26.5
1.2
になった(表 5).問 10 で回答者が回答に悩む
インプラントが「ない」と回答した場合,設問
「 13 」以降への誘導を行い,該当者は問 11 お
表 3. インプラントを有する患者(被験者)の MR
検査実施の可否判断基準
〈重複回答〉
問 8 インプラントを有する患者(被験者)
の MR 検査実施の可否は,どのような判断 ()
基準に基づいていますか
(複数回答可)
院内(施設内)に適応基準が定められてお
り,それに基づいて判断している
29.4
検査担当者,あるいは上長の過去の経験に
基づいて現場で判断している
66.8
()
インプラントの型番に基づいて添付文書や
文献を参考にして判断している
32.8
低い磁場強度の装置で実施している
特に使い分けはしていない
25.9
手術既往歴や経過時期などの医療記録を手
掛かりに判断している
54.8
無回答
19.6
患者(被験者)が携帯するインプラント証
明書に基づいて判断している
33.6
撮像対象とインプラントの埋め込み位置に
基づいて判断している
34.5
( 2 )インプラントを有する被検者に対する MR 装
置の使い分け
問 7 補 下記は MR 装置を複数台保有する
施設の方のみ回答してください
54.5
全有効回答(974 件)から,問 6 補足で問 22 以降へ
の回答の誘導分(24 件)を除外した 950 件を対象と
する(以降,表 3 ~ 5 ,表 8 ~ 21 まで同様).( 1 )は
全回答を 100 とした場合における割合を,( 2 )は
( 1 )で「通常の検査業務の中で行っている」とした
回答を 100とした場合における内訳を示す.
その他
無回答
9.5
0.3
有効回答は表 2 の対象に準ずる.重複回答あり.重
複回答を含む全回答を示す.
155
日磁医誌
第31巻 3 号(2011)
表 4. インプラントへの対処方針の最終判断者
〈重複回答〉
問 9 インプラントを有する患者(被験者)
の MR 検査実施について,最終判断をされ ()
る方は
表 6. 判断に悩むインプラントや材料の種別
〈重複回答〉
(1)判断に悩むインプラントや材料の有無(大項目)
問 11 MR 検査実施の判断に困るインプラ
ントや材料には,どのようなものがありま
すか(複数回答可)
()
医師(依頼医,主治医)
49.6
検査を担当する放射線科医
検査を担当する技師
35.7
脳外科インプラント
67.3
18.3
骨関節インプラント
30.4
その他
2.6
脊椎インプラント
18.8
無回答
0.6
心大血管インプラント
65.4
歯科インプラント
体幹部インプラント
64.1
その他
67.2
無回答
0.0
有効回答は表 2 の対象に準ずる.重複回答を含む全
回答を示す.
33.8
表 5. 判断に悩むインプラントや材料の有無
問 10 インプラン トや材料の MR 適合性
の判断が難しく,検査してよいかどうか困
ることがありますか(「材料」とは,体表
に付着する塗布薬や医用材料,体表に付着
する化粧品や刺青などの物質を意味します)
(2)脳外科インプラントの内訳
()
動脈瘤クリップ
78.5
血管内コイル
脳室シャントチューブ
43.9
44.9
ある
93.1
その他
2.2
ない
6.9
無回答
4.7
無回答
0
有効回答は表 2 の対象に準ずる.全回答を 100 と
した場合における割合を示す.問 10 補足として回答
者が回答に悩むインプラントが「ない」と回答した
場合,設問「 13 」以降への誘導を行い,該当者は問
11 および 12 について母集団から除外した( 66 件
6.9が該当).
(3)骨関節インプラントの内訳
人工関節
62.8
骨接合プレート
ステイプル
46.8
髄内釘
その他
51.3
無回答
6.7
33.5
2.2
よび 12 について母集団から除外した(66 件
6.9が該当).
問 11. 判断に悩むインプラントや材料の種別
(4)脊椎インプラントの内訳
ロッド
65.1
を複数回答も可として問うと,大項目(分野)
スクリュー
78.9
別では脳外科・心大血管・歯科インプラントが
その他
無回答
各 6 割以上近くを占めた(表 6(1),重複回答
 脳外科
有り).小項目(製品種別)別では,◯
インプラントでは動脈瘤クリップ(78.5表
2.4
9.6
(5)心大血管インプラントの内訳
人工弁
68.7
ステント
51.0
トでは人工関節(62.8 表 6(3),重複回答
コイル
30.4
 脊椎インプラントではスクリュー
あり),◯
フィルター
41.2
 骨関節インプラン
6 ( 2 ),重複回答あり),◯
 心大血
(78.9表 6(4),重複回答あり),◯
管 イ ン プ ラ ン ト で は 人 工 弁 ( 68.7   表 6 
 歯科インプラントで
( 5 ),重複回答あり),◯
156
その他
無回答
1.4
3.1
MR 検査の安全性についてのアンケート実施報告書
(6)歯科インプラントの内訳
矯正器具
39.0
マグネット義歯
81.5
金冠
その他
7.4
無回答
5.1
0.9
(7)体幹部インプラントの内訳
胸骨接合ワーヤー
37.1
避妊リング
その他
77.9
無回答
1.7
4.7
(8)その他インプラントの内訳
入れ墨
75.1
アートメーク
42.9
ネールアート
17.2
ピアス
14.0
マスカラ
アイシャドー
34.0
視力補正用コンタクトレンズ
20.9
視力非補正用コンタクトレンズ
その他
32.5
無回答
37.4
表 7. 判断に悩むインプラントや材料に関する自由
記述の内訳
〈重複回答〉
問 12 MR 検査を実施してよいかどうかの
判断で,特に困ったインプラントや材料が
あれば具体的に挙げてください(製品名が
分かる場合はそれも記入してください)
()
特定製品や事象を対象とした事例の指摘
73.8
添付文書等参考になるものがない古いイン
プラントの指摘
21.7
製品情報(製品名・型番・材質)不明なイ
ンプラントの指摘
10.4
患者(被験者)と施設,施設同士の情報共
有不足の指摘
7.7
検査現場の現状についての所感や MR 適合
性に関する問題点の指摘
3.2
添付文書の高磁場対応の必要性や問題点の
指摘
2.7
留置時期が不明なインプラントの指摘
2.3
留置後の検査実施可能時期についての指摘
1.4
その他
0.5
記入のあった回答数 221 件を上記要因ごとに分類
し,それぞれの回答について該当する全ての項目で
積算した.重複回答を含む全回答を示す.
4.7
1.3
表 2 ~ 5 の有効回答から,問 10 補足で問 13 以降へ
の回答の誘導分(66 件)を除外した 884 件を対象と
する.( 1 )は判断に悩むインプラントがあるとした
回答を,(2)~(8)はそれぞれの小項目が該当すると
した回答について,それぞれ重複回答を含む全回答
を示す.
そもそも製品情報(製品名・型番・材質)が不
明のインプラント(10.4)についての指摘が
二大回答であった(表 7 ,重複回答あり).特
定製品や個別事象を対象とした事例の指摘
( 73.8 )では,製品名のみの指摘や,原因と
なる要因を判別するのに十分な情報が含まれて
いない記述をこの分類とした.
問 13. 金属探知機による検査前チェックの有
はマグネット義歯(81.5表 6(6),重複回
無については,MR 検査前に金属探知機により
 体幹部インプラントでは避妊リン
答あり),◯
被検者のチェックを実施しているとする回答は
そ
グ( 77.9 表 6 ( 7 ),重複回答あり),◯
37.3であり,必ずしも金属探知機が金属物持
の他インプラントでは入れ墨( 75.1 表 6 
ち込み防止対策の主流とはなっていないことが
(8 ),重複回答あり)が筆頭回答であった.全
分かった(表 8).
回答中,最も件数が多かったのは動脈瘤クリッ
プ(467 件)であった.
問 14. インプラントが原因と考えられる発熱
事例については, 21.7 の回答者が MR 検査
問 12. 判断に悩むインプラントや材料に関す
に起因すると考えられるインプラントの発熱を
る自由記述の内訳については,一般論として製
経験した(自己経験,見聞含む)と回答し(表
品情報は判明しているが,その添付文書等参考
9 ( 1 )),そのうちの 24.7 が何等かの受傷事
になるものがない古いインプラント(21.7),
例を経験したとしている(表 9(2)).
157
日磁医誌
第31巻 3 号(2011)
表 8. 金属探知機による検査前チェック実施の有無
問 13. MR 検査の前に金属探知機による
チェックを行っていますか
()
はい
いいえ
37.3
無回答
1.9
60.8
有効回答は表 2 の対象に準ずる.全回答を 100 と
した場合における割合を示す.
表 9. インプラントが原因と考えられる発熱事例
(1)発熱事例についての経験の有無
問 14 インプラントや材料について, MR
検査中に発熱の経験はありますか
()
経験はない
77.3
自分が担当した検査で経験した
13.4
自分が依頼した検査で経験した
0.4
自分が担当した(依頼した)検査ではない
が,勤務先で発生した
7.9
無回答
0.9
表 10. インプラントに由来する発熱以外のトラブル
事例
(1)発熱以外のトラブル事例の経験の有無
インプラントや材料について, MR 検査中
に発熱以外のトラブルを経験したことがあ
()
りますか
(例インプラント部位での神経
刺激作用など)
経験はない
自分が担当した検査で経験した
83.1
自分が依頼した検査で経験した
0.7
自分が担当した(依頼した)検査ではない
が,勤務先で発生した
5.7
無回答
1.9
( 2 )インプラントに由来する発熱以外の事例発生
状況
問 15 補 「経験がある」と答えられた方
は,その時の状況について下記にご記入 ()
ください
項目 1
自分が検査を担当した
自分が検査を依頼した
57.0
勤務先での見聞
31.6
無回答
(2)発熱事例の発生状況
問 14 補 「経験がある」と答えられた
方は,その時の状況について下記にご
記入ください
自分が検査を担当した
項目 1
自分が検査を依頼した
勤務先での見聞
無回答
項目 2
()
58.5
2.2
30.8
8.5
発熱による受傷あり
発熱による受傷なし
24.7
無回答
19.6
8.6
項目 2
1.9
9.5
何等かの受傷あり
10.6
受傷なし
無回答
55.6
33.8
有効回答は表 2 の対象に準ずる.( 1 )は全回答を
100 とした場合における割合を示す.( 2 )の項目
1, 2 とも(1)で発熱事例の経験あり(自己経験,見
聞含む)とした回答を 100 とした場合における内
訳を示す.
55.7
有効回答は表 2 の対象に準ずる.( 1 )は全回答を
100 とした場合における割合を示す.( 2 )の項目
1 , 2 とも( 1 )で発熱事例の経験あり(自己経験,
見聞含む)とした回答を 100 とした場合における
内訳を示す.
10 (2 )).具体例として,歯科インプラントの
検査中に生じた痛みや違和感など感覚症状に関
するもの(14 件),検査後に生じた不具合(消
磁や,脱着不良)の指摘(8 件)が代表的であっ
た.
問 16. 「 MR 適合性」に対する主観的な理解
程度については,「 MR 適合性」という言葉自
問 15. インプラントが原因と考えられる発熱
体は 88.7 が耳にしたことがあると回答した
以外のトラブル事例については 15.0 の回答
が,そのうち 68.2 の人は「 MR 適合性」が
者が何等かの経験がある(自己経験,見聞含む)
具体的にどのようなことを指すか十分把握して
と 回 答 し て お り ( 表 10 ( 1 ) ), そ の う ち の
いないと回答している(表 11).
10.6の回答者が受傷事例を経験している(表
158
問 17. MR 適合性に関する物性評価の必要性
MR 検査の安全性についてのアンケート実施報告書
表 11. 「MR 適合性」に対する主観的な理解程度
表 13. 現在禁忌のインプラントに関する検査ニーズ
問 16 「 MR 適合性」という言葉を耳にし
()
たことがありますか
問 18 現在 MR 検査が絶対禁忌とされて
いる心臓ペースメーカーや神経刺激装置等
を装着した患者(被験者)さんについて, ()
MR 検査の必要性についてどうお考えです
か
具体的な検査法を知っている
どのような事を調べるかは知っている
「 MR 適合性」の言葉は聞いたことはある
が,内容についてはよく知らない
耳にした事はない(知らない)
無回答
10.1
10.4
68.2
必要性はあるので是非検討してほしい
10.4
どのような影響があるのか良く分からない
ので詳しく知りたい
特に必要性を感じていない
0.9
有効回答は表 2 の対象に準ずる.全回答を 100 と
した場合における割合を示す.
表 12. MR 適合性に関する物性評価の必要性に対す
る意識
〈重複回答〉
問 17 MR 検 査 を 安 全 に 実 施 す る た め に
は,インプラントや材料について,どのよ ()
うな調査が必要と思いますか(複数回答
可)
41.5
38.8
19.0
0.6
無回答
有効回答は表 2 の対象に準ずる.全回答を 100 と
した場合における割合を示す.
MR 検査中の聴覚障害が疑われる事例経験と騒
音対策の実情 (問 19~21 表 14~16)
問 19.
11.4の回答者が MR 装置の発生す
る騒音による聴覚障害,あるいはその疑いがあ
る事例を経験しており(自己経験,見聞含む
吸引(変位力,回転力)
86.2
表 14 (1 )),そのうちの 3.7 がある程度の聴
発熱
92.9
覚障害が残ったと回答している(表 14(2)).
物性(透磁率,電気特性,比熱など)
65.4
画像アーチファクト(磁化率,歪など)
その他
60.0
無回答
1.7
0.5
有効回答は表 2 の対象に準ずる.重複回答を含む全
回答を示す.
問 20.
MR 装置の発生する騒音に対する防
護措置の有無と内容については,全員に防護措
置を行っているという回答が 69.5 である一
方で,何も対策をしていない例もあった( 2.8
表 15(1)).防護措置の具体的手段は耳栓
( 76.1  ) と イ ヤ ー マ フ ( 67.4  ) で あ っ た
(表 15(2),重複回答あり).
に対する認識を複数回答も可として問うと,問
問 21.
MR 装置の発生する騒音の程度を具
16 で「 MR 適合性」が具体的にどのようなこ
体的に把握しているかどうかを問うたところ,
とを指すのか十分把握されていない一方で,
37.4の回答者は騒音値について情報を得てお
MR 検査を安全に施行するための調査として
らず(表 16),患者への騒音防護措置の普及率
「吸引」
,「発熱」,「物性(透磁率等)」などが必
は高くとも,検査者が十分に騒音程度を把握し
要であることについては,一定の認識が見られ
た上での措置ではないことが分かった.
ることが分かった(各 86.2, 92.9, 65.4
MR 検査業務従事者の MR 適合性に関する認
表 12,重複回答あり).
識動向について (問 22~25
問 18. 現在禁忌のインプラントに関する調査
ニーズ41.5の回答者が心臓ペースメーカー
問 22.
表 17~20)
表 示 に つ い て , 71.9  の 回 答 者 が
MR 検査室内への持ち込み機材に対する「MR
や神経刺激装置等,現在は絶対禁忌とされてい
適合性」の表示の取り組みを回答していたが
る装置を着装した被検者に対する MR 検査の
(表 17 ( 1 )),表示内容は統一されていなかっ
ニーズがあるので何らかの対策が必要と回答し
た(表 17 ( 2 )).また 53.9 の場合はもとも
ている(表 13).
と製品についている表示マークに表記を依存し
159
日磁医誌
第31巻 3 号(2011)
表 14. MR 検査後に聴覚異常の訴えのあった事例経験
(1)MR 検査後の聴覚障害の有無と経過
問 19 MR 検査後に聴覚障害(聴力低下・ ()
耳鳴)を訴えた事例を経験しましたか
経験はない
自分が担当した検査で経験した
表 15. MR 装置の発する騒音に対する防護措置
(1)防護措置の有無
問 20 MR 検査を受ける患者(被検者)に
騒音に対 する防護 措置を取 ってい ますか ()
(現時点での対応をご回答ください)
88.3
7.0
全員に対して行っている
自分が依頼した検査で経験した
0.6
必要と考えられる患者(被験者)に対し行っ
ている
自分が担当した(依頼した)検査ではない
が,勤務先で発生した
3.8
患者(被験者)の希望による
0.2
無回答
69.5
9.8
17.5
行っていない
2.8
無回答
0.4
(2)聴覚障害の経過
問 19 補 「 経 験が あ る 」と 答 えら れ た 方
は,聴覚障害の経過について下記から選択 ()
してください
自分が検査を担当した
項目 1
自分が検査を依頼した
勤務先での見聞
無回答
一過性でほぼ回復した
項目 2
4.6
33.0
6.4
73.4
ある程度の聴覚障害が残った
3.7
経過については把握してない
20.2
無回答
検査時の被検者の体調は問題なし
項目 3
56.0
2.8
61.5
検査時の被検者の体調は不良
4.6
検査時の被検者の体調は不明
無回答
24.8
問 20 補 「防護措置を行っている」と答え
られた方は防護方法について下記から選択 ()
してください(複数回答可)
耳栓
76.1
イアーマフ(ヘッドフォン型も含む)
その他
67.4
無回答
3.0
5.7
有効回答は表 2 の対象に準ずる.( 1 )は全回答を
100 とした場合における割合を,( 2 )は MR 装置
の騒音に対する防護措置を行っているとした回答
(
(1)全回答から「行っていない」と「無回答」を除
外した回答)の重複回答を含む全回答を示す.
9.2
有効回答は表 2 の対象に準ずる.( 1 )は全回答を
100とした場合における割合を示す.(2)の項目 1
~ 3 は経験あり(自己経験,見聞含む)とする回答
を 100とした場合における内訳を示す.
ていた(表 17(2),重複回答あり).
問 23.
(2)防護措置の具体的な方法
〈重複回答〉
撮影室への持ち込み機器に関して,
MR 適合性に由来するトラブルは自己経験とし
ては 20.9 が,見聞としては 28.3 が経験あ
りと回答した(表 18(1),重複回答あり).自
分が依頼した検査で経験したとする回答も含め
ると,合計 50.3 の回答者が何等かの経験を
有しており発生率が高い事象であるが,見聞の
表 16. MR 装置の発生する騒音レベルについての把
握状況
問 21 使用している MR 装置が実際に発
生してい る騒音が 最大でど の程度 である ()
か,具体的な数字をご存じですか
MR 装置の設置時に測定した結果を,納入
業者から確認している
MR 装置の納入後に施設側から改めて測定
を依頼し確認している
納品時に仕様書等で確認しているが,実測
結果は知らない
騒音値についての情報を得ていない(知ら
ない)
無回答
8.6
1.6
50.9
37.4
1.5
有効回答は表 2 の対象に準ずる.全回答を 100 と
した場合における割合を示す.
比率が高い点から情報共有がされやすい性質で
あることが伺われる.具体例として,小さなも
レッチャー,酸素ボンベなどの吸引が報告され
のではヘアピン,重量物としては点滴棒,スト
た(資料未記載).
160
MR 検査の安全性についてのアンケート実施報告書
表 17. 検査室内における MR 適合性の表示
(1)MR 適合性の表示標識
問 22 日常的な安全管理の一環として撮
影 室内に持 ち込まれ る医療用 具や機器 類 ()
に, MR 適合性を示す何らかのマークが用
いられていますか
はい
71.9
いいえ
25.7
無回答
2.5
表 18. MR 撮影室への持ち込み機器によるトラブル
〈重複回答〉
( 1 ) MR 撮影室への持ち込み機器によるトラブル
事例の経験
問 23 撮影室内に持ち込まれた医療用具
や機器類によって, MR 適合性に由来する
()
トラブルの経験はありますか
(例吸引事
故など複数回答可)
経験はない
51.8
自分が担当した検査で経験した
20.9
(2)具体的な対応状況
〈重複回答〉
自分が依頼した検査で経験した
1.1
問 22 補
選択)
無回答
自分が担当した(依頼した)検査ではない
が,勤務先で発生した
(「はい」の場合に具体的対応を ()
もともと製品についている表示マークや表
記に頼っており,それ以外は特に表示(表
記)はしていない
53.9
施設で独自に決めた表示(表記)方法を使
用している
22.6
必要に応じて現場で表示(表記)している
23.7
規格団体( ASTM, IEC など)が制定した
標準の表示マークを,対象となる全ての医
療用具や機器に使用している
2.6
分からない(
「MR 適合性」の表示について
知らない場合も含む)
6.6
無回答
4.0
全有効回答( 974 件)を対象とする(以降表 18 20
も同様)
.(2)については重複回答あり.
(1)は全回
答を 100とした場合における割合を,(2)は(1)
で「はい」の回答について,重複回答を含む全回答
を示す.
MR 検査担当者がインプラントを有
する当事者になった場合に,MR 検査業務への
従事についてどのように考えるかを問う設問で
ある.70.8の回答者が,インプラントが MR
適合であることを前提に撮影室内での MR 検
査業務を継続するとしており,従来どおり業務
0.5
(2)経験有りの場合の状況
問 23 補 「経験がある」と答えられた方
は,その時の状況について下記にご記入 ()
ください
項目 1
自分が検査を担当した
自分が検査を依頼した
31.7
勤務先での見聞
42.5
無回答
項目 2
問 23 補 2
項目 3
問 24.
28.3
2.1
5.0
受傷あり
4.4
受傷なし
無回答
61.9
(誰が受傷したか)
11.8
()
患者(被験者)
24.0
勤務者
19.6
その他
無回答
12.1
22.1
有効回答は表 18 の対象に準ずる.( 1 ),( 2 )ともに
重複回答あり.( 1 )は全回答を,( 2 )の問 23 補は
( 1 )で経験あり(自己経験,見聞含む)とした全回
答を,問 23 補 2 は問 23 補で「受傷あり」とした全
回答を,それぞれ重複回答も含めて示す.
を 行 う と し た 回 答 者 も 合 わ せ る と 88.1  に
上った(表 19).
問 25.
MR の 安 全 性 に 関 す る 情 報 を 得 る
ソースとしては,講演・セミナーへの参加
(68.3)や,文献・インターネット(81.4)
性や安全管理が MR 検査現場の自助努力に依
存していると考えられた.
自由記述・意見
MR 適合性に関する自由記述は,175 件の回
が 多く 活用 さ れ てい た( 表 20 ,重 複 回答 あ
答(「特になし」など,具体的な記述のない記
り).一方,所属先機関や学校教育過程での知
入は無回答と見做した)に記入があった(表
識修得成果をあげる回答者は少なく,MR 適合
21 ).具体的な記述内容は 10 項目に大別でき
161
日磁医誌
第31巻 3 号(2011)
表 19. MR 検査従事者が自ら有するインプラントに
対する考え
問 24 あなた自身がインプラントを有す
る(又は,既に有している)場合,撮影室 ()
での MR 検査業務の実施方針は
従来通り業務を行う
17.3
インプラントに MR 適合性が確認されるな
ら,撮影室で業務を行う
70.8
表 21. MR 適合性に関する問題意識やニーズなどに
ついての自由記述の分類
〈重複回答〉
その他 MR 適合性に関するご意見があれ ()
ばお書き下さい
MR 適合性に関する情報検索システムの要
望
25.7
撮影室に入室しない
3.3
MR 適合性に関する相談窓口の設置や MR
適合性試験の要望
4.6
インプラントに MR 適合性が確認されるな
ら,撮影室に一時的に入室するのは構わな
い.ただし,業務は行わない
4.2
MR 適合性の判断に関するガイドライン作
製の要望
23.4
学会による情報発信,啓蒙活動の要望
17.7
製造業者に対する情報開示の要望
添付文書における MR 適合性に関する記述
の統一や記述の義務化の要望
10.8
その他
無回答
1.3
3.2
有効回答は表 18 の対象に準ずる.全回答を 100と
した場合における割合を示す.
17.1
MR 検査に関するインシデントレポートの
集積と情報公開の要望
2.9
リスクコミュニケーションの必要性や問題
点の指摘
12.0
表 20. 安全性に関する情報源
〈重複回答〉
リスクマネージメントの必要性や問題点の
指摘
9.7
問 25 インプラン トを含む MR の安全性 ()
に関する情報源は何ですか
(複数回答可)
検査現場の現状についての所感や MR 適合
性に関する問題点の指摘
その他
講演・セミナーへの参加
メーカーによる安全講習・訓練
68.3
所属先主催の安全講習・訓練
11.9
授業で習った
文献・インターネット
81.4
35.9
24.6
2.9
記入のあった回答数 175 件を上記要因ごとに分類
し,それぞれの回答について該当するすべての項目
で積算した.重複回答を含む全回答を示す.
5.2
その他
4.1
無回答
0.8
有効回答は表 18 の対象に準ずる.重複回答を含む全
回答を示す.
のリスクマネージメントの必要性や問題点の指
摘( 9.7 )も見られ,広い意味でのリスクマ
ネージメントについては 2 割の回答者が指摘
している.製造業者に対する情報開示の要望
(10.8)を指摘する声も注目された.
た(表 21,重複あり).MR 適合性に関する情
報検索システム(インターネットで検索可能な
データベース等)の要望( 25.7 ), MR 適合
考
察
性の判断に関するガイドライン作製の要望
本調査は,MR 装置を使用している JSMRM
(23.4),学会による情報発信,啓蒙活動の要
会員が,経験としての記憶や,日常業務で抱い
望(17.7),添付文書における MR 適合性に
ている問題意識,そこから出てくる要望を尋ね
関する記述の統一や記述の義務化の要望(17.1
た意識調査である.また,調査の実現性を優先
)が多く,検査現場の現状についての所感や
して施設単位ではなく,個人単位の調査として
MR 適合性に関する問題点の指摘(24.6)で
行った.また,回収率が 3 割であり,問題意
も関連事項の指摘が見られた.また,リスクコ
識の高い会員の回答が多いと推測される.ま
ミュニケーションの必要性や問題点の指摘
た,「経験」の有無までを問うており,経験数
( 12.0 )や,リスクコミュニケーション以外
までは問うていないこと,数年の経験期間に発
162
MR 検査の安全性についてのアンケート実施報告書
生した 1 件と, 10 年以上の経験における 1 件
の要望などである.添付文章については,すで
の重みが区別できていないなど,得られた数字
に独立行政法人医薬品医療機器総合機構
と事象発生の実数との間にある程度の誤差が生
(Pharmaceuticals and Medical Devices Agen-
じていることは否めない.これは,回収率向上
cy : PDMA)のホームページ上で検索可能であ
のために記憶に基づいて答えにくい詳細事項や
る(医療機器の添付文書情報http://www.in-
立場によって回答しにくくなると予想される事
fo.pmda.go.jp / ysearch / html / menu _ tenpu _
項はできるだけ省くという調査票の作成方針と
base.html)13).該当 HP からは,医療機器の添
も関連する.しかし,日本国内で MR 検査に
付文書情報について,一般名・販売名,承認・
何等かの形でかかわっている 978 名からの回
認証番号等,商品コード,輸入先(製造元)の
答に基づいており,定性的な問題抽出やその重
国名,更新年月日で検索可能である.今後,こ
要性の優先順位の判断の上では十分参考となろ
の内容が充実されてゆくことが望まれる.また
う.
MR 検査に関するインシデントレポートの必要
 1 ページ設問 6 ~ 7 間の「*
本調査票の,◯
性や問題点の指摘については, PDMA では医
ヒトを対象とした MR 検査を行わない場合,
薬品又は医療機器の使用による副作用,感染症
をつけ設問「22 」以降にお進みください.」
又は不具合の発生(医療機器の場合は,健康被
 2 ページ設問 10~11 間の「*「ある」と
と,◯
害が発生するおそれのある不具合も含む.)に
答えられた方は設問「11 」に,「ない」と答え
ついて,保健衛生上の危害の発生又は拡大を防
られた方は設問「13 」以降にお進みください」
止する観点から報告の必要があると判断した情
を
の二つについて誘導先に誤植があり(◯
報(症例)の情報収集を行うフォーマットが整
 を「8」と「10」と誤記)
,2010 年 10
「18」,◯
備されている14).
月 4 日に学会ホームページ上で訂正のアナウ
現在のところ国内には MR 適合性評価試験
 については,誤植を元に記載
ンスを行った.◯
の規格や公的試験機関は存在していない.米国
を進めると本来必要とする部分(問 22 以降)
においては,工業規格とその試験法の標準化を
も含まれることから,チェックのあった回答に
担う米国材料試験協会(American Society for
ついては,問 7 ~ 21 についてデータが含まれ
Testing and Materials : ASTM )は MR 適合性
 については,
ないよう一律に処理を行った.◯
の評価基準となる試験項目を提出しており,
誤植を元に記載を進めると既に回答した部分に
FDA は ASTM の試験項目をインプラントの
戻ることになり,誘導指示と整合性が合わない
評価などを行うためのガイドラインに指定して
ことから,誘導指示から先に記載のない無効回
いる12),15).ASTM は MR 適合性に関する規格
答が増加する恐れがあった.しかしながら,実
と し て , 変 位 力 ( F2052 06 )16) , 回 転 力
際の無効回答は 4 件( 0.4 )であり統計に影
(F221306)17),発熱(F218202a)18),アーチ
響を与えるほどの件数でなかったことから,影
ファクト(F2119 07 )19),マーキング(F2503
響はほとんどなかったと考えられる.
05 )20) ,の 5 つを提供している.本国では平
MR 適合性の判断に困った経験があるとした
成 20 年 3 月 25 日に「厚生労働省脳動静脈
回答者が 93 に達し,その判断に必要な情報
奇形用手術用クリップ承認基準高度管理医療
の入手に苦労していることが調査結果として明
機器,管理利用機器及び一般医療機器(平成
確に現われた.具体的には自由記述で要望の多
16 年厚生労働省告示 298 号)別表第 1 第 162
か っ た MR 適 合 性 に 関 す る 情 報 検 索 シ ス テ
号規定別添(薬食発第 0325019 号)」21) が厚生
ム,相談窓口の設置や試験要望,添付文書にお
労働省医薬食品局から通知され,そこでインプ
ける記述の標準化,製造業者に対する情報開示
ラントの MR 適合性の変位力について ASTM
163
日磁医誌
第31巻 3 号(2011)
の試験法の適用が明記された.MR 適合性の判
とが分かった.
断に関するガイドライン作製,添付文書におけ
MR 検査で発生する騒音を対象とした大規模
る MR 適合性に関する記述の統一や記述の義
調査は本国では今回が初めてであるが,11.4
務化などの要望に対応してゆくためには,MR
の回答者が検査中の騒音に由来すると考えられ
適合性評価試験の規格や公的試験機関を国内で
る何らかのトラブルを経験(自己経験,見聞含
も整備してゆく必要性があり,このような状況
む)したと回答した.多くは一過性であった
から今後 ASTM に基づいた MR 適合性評価試
が,少数であるものの症状が残ったとする事例
験が注目されていくと考えられる.
経験も報告されており,注意を要する.また,
防護措置の普及率は高いが騒音の実測値は十分
ま
と
め
把握されていないという実情も判明した.
7 割の回答者が MR 検査室内への持ち込み
本調査では,近年注目されている MR 安全
機材に対する「MR 適合性」の表示の取り組み
管理上の課題である,1 ) MR 検査現場から見
を回答しているものの,表示内容は統一されて
たインプラントに起因する問題の動向とその対
いなかった.約半数の回答者で持ち込み機材に
応方針,2 ) MR 検査中の聴覚障害が疑われる
関連するトラブルの経験(自己経験,見聞含む)
事例経験と騒音対策の実情,3 ) MR 検査業務
があり,MR 検査従事者にとって現実に起こり
従事者の MR 適合性に関する認識動向に着目
得る問題であった.インプラントを利用した治
し意識調査を行った.
療手段が増加するにつれ,今後は検査作業者が
インプラントが非磁性であることが明確な場
インプラントを有する当事者となった場合につ
合は通常の MR 検査の範囲で検査を行うとこ
いて対応を考える必要がある.8 割以上の回答
ろが多数であるが,回答者の 93 が MR 適合
者が条件付きも含めて現在の業務の継続を行う
性の判断に迷う事例に遭遇しており,検査時に
と回答している.MR の安全性に関する情報の
おけるインプラントの課題が身近なものである
入手経路としては,講演・セミナーへの参加
ことが推察される.MR 適合性の現場判断の上
や,文献・インターネットが多く活用されてお
では回答者により判断基準のあり方や情報の入
り,メーカーによる安全講習も一定の役割を果
手源に違いがあった.判断に悩むインプラント
たしているが,施設が主体になって安全講習を
は,脳外科・心大血管,歯科関連がインプラン
行っている割合は少なかった.
トで 6 割近い回答を占めた.回答者の 21.7 
がインプラントに由来する発熱事例を,15.0
謝
の回答者がインプラントに由来する発熱以外の
辞
何らかのトラブルを MR 検査中に経験してお
本調査を実施するにあたって,全面的なご支
り(自己経験,見聞含む),発熱による受傷
援をいただいた日本磁気共鳴医学会,調査票の
( 24.7  ) は , 発 熱 以 外 の 事 例 に よ る も の
発送と回収作業にご協力いただいた日本磁気共
( 10.6 )よりも事例経験の割合が高い傾向が
鳴医学会事務局の鈴木ゆう子事務局長,調査票
示唆された. MR 適合性に関する意識調査で
作成にご協力いただいた有志の方々に厚く御礼
は,「 MR 適合性」という言葉自体の認知度は
申し上げます.
高いが,詳細内容について説明する自信がない
こと,一方で MR 検査を安全に施行するため
に「吸引」,「発熱」,「物性(透磁率等)」など
を知る必要があると考えている回答者が多いこ
164
文
献
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2959, United
08
States 2008 ; Designation : F2503
21 ) 脳動静脈奇形用手術用クリップ承認基準.高度
管理医療機器,管理利用機器及び一般医療機器
(平成 16 年厚生労働省告示 298 号)別表第 1 第
162 号規定別添 薬食発第 0325019 号.厚生労
働省,2008
info.pmda.go.jp / ysearch / html / menu _ tenpu _
165
日磁医誌
第31巻 3 号(2011)
Questionnaire Responses Concerning Safety Issues in MR Examination
Sachiko YAMAGUCHI-SEKINO1
, Toshiharu NAKAI2
, Hiroyuki MURANAKA3
,
Toshio TSUCHIHASHI4
, Naoaki YAMADA5, Kagayaki KURODA6,7,
Kiyoyuki CHINZEI8, Noriko YOSHIKAWA9, Hideaki KAWAMITSU10,

Junta HARADA11, Shigehiro MORIKAWA12, Kohki YOSHIKAWA13
1 Division
of Health EŠects Research, National Institute of Occupational Safety and Health, Japan
6211 Nagao, Tama-ku, Kawasaki, Kanagawa 2148585
2Functional Brain Imaging Lab, Department of Gerontechnology, National Center for Geriatrics and Gerontology
3Department of Radiology, Hiroshima City General Rehabilitation Center
4Department of Radiology, Nippon Medical School Main Hospital
5Department of Radiology, National Cerebral and Cardiovascular Center
6 Department of Human and Information Sciences, School of Information Science and Technology, Tokai University
7International Medical Device Alliance, Foundation for Kobe International Medical Alliance
8Surgical Assist Technology Group, Human Technology Research Institute
9Foundation for Biomedical Research and Innovation
10 Department of Radiology, Kobe University Hospital
11Department of Radiology, Jikei University School of Medicine, Kashiwa Hospital
12Department of Fundamental Nursing, Shiga University of Medical Science
13Department of Radiotechnical Sciences, Faculty of Radiological Health Sciences, Komazawa University

Investigation Unit and Chair, MR Compatibility Subcommittee, Japanese Society for
Magnetic Resonance in Medicine
Recently, the rising numbers of medical implants and scanners with higher static magnetic ˆeld
have increased safety concerns for magnetic resonance (MR) examination. To determine future safety focus, we distributed anonymous questionnaires to 3250 members of the Japanese Society for
Magnetic Resonance in Medicine (JSMRM ) and received 978 responses. Safety issues on the questionnaire concentrated on the 1) handling of patients with implants (Q718, appendix), 2) acoustic
trauma due to scanning (Q1921, appendix), and 3) MR compatibility within the scanner room (Q22
25, appendix). Ninety-three percent of respondents indicated they had encountered cases with implants or medical materials of unknown MR compatibility ; 21.7 reported heating problems and
15.0, nerve stimulation problems, in patients with implants during MR examination. Although 88.7
 of respondents recognized the term ``MR compatibility,'' 68.2 indicated limited detailed understanding of the term. Eleven percent had had cases with suspected acoustic injury from MR scanner
noise. Scanner noise levels were not clariˆed in any way in 37.4 cases, but 69.5 applied ear protection to patients. Labeling of ``MR compatibility'' of equipment brought into the MR scanner room
was reported by 71.9. More than 50 experienced MR compatibility issues related to equipment
brought into the MR scanner room. With regard to safety issues on metallic objects which are implanted in MR workers, 88.1 indicated they would continue current operations even the implant is
inside the body. Respondents identiˆed lectures and seminars by professional societies, safety training by manufacturers, and information from the Internet and literature as the 3 main sources for updating safety information for MR examination.
166
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