ア ン ソ ー モ ン ダ ン ソ ー モ ン ラ ロワール Un Saumon dans la Loire フ ラ ン ツ (Frants Saumon) ロワール地方,トゥールから東側にロワール河とシェール河の間に広がる‘モンルイ’ というアぺラシオンは 1938 年に認定され、シュナン・ブラン種の辛口から甘口までの 白ワインを生産しております。日本では Vouvray の方が有名ですが、M.Jacky BLOT や 今は亡き Stephane Cossais の出現でこの AOC の認知度が高まってきました。 そのモンルイの‘フランツ・ソーモン’2002 年から始めた若き醸造家で、彼の Domaine ワインはもうフランスでは1つのスタイルを確立し、根強い人気を得ております。 フランツは 1999~2000 年の2年間、ジャッキー・ブロの所で Chenin Blanc の醸造を 手掛け、2001 年は Vouvray で醸造後、2002 年に独立をしました。 無農薬の農法に興味が有り、やはり Chenin Blanc に挑戦したいと同じ AOC を結果的に 選びました。独立した当初はナチュラルワインの生産者に葡萄を売っていた時代もあり ましたが、今では Domaine のワインが足りなくて、葡萄を売るどころか醸造しても全 部売り切れで、販売するワインが足りなくなる始末です。そこで 2009 年~ネゴシアン の会社を設立し、無農薬の葡萄を購入し、ワイン醸造を増やしました。 その名は Un Saumon dans la Loire(アン・ソーモン・ダン・ラ・ロワール) 『ロワール地方のたった 1 つのソーモン氏』とでも訳しましょうか。 勿論、彼の十八番の Moutlouis の手を抜いている訳ではありません。 久しぶりに彼のモンルイを飲んだら、2002 年当時のワインより、グッとグッと洗礼さ れた素晴らしいワインになっております。私の中ではいつまでも若きフランツが印象的 ですが、今ではもう大御所の仲間入り、弊社で扱っている Gregory Leclear 氏(ドメー ヌシャウエプロディジュ)もフランツの所で見習いとして働いており、彼はどんどん指 導する立場にも回っていっております。 Montlouis は、今年春に販売いたしました。今回はネゴシアンものの入荷です。 味わいはどれもネゴシアンとは思えないミネラル感、とても素敵です。久しぶりに訪問 し、すぐ予約しました。今まで彼のワインの買い付け枠は、一端戻りスタッフと話して 本数を決めますが、これに関しては相談なしに、Max 買い付けました。 フランツがびっくりしたようです。私は今まで彼に「Max 何本購入できるのですか?」 という質問をした事がありません。試飲してまず最初に聞いた質問です。そして「いつ 出荷可能ですか?」と…。醸造方法や収量なんかは重要ではありませんでした。 とってもナチュラルな作りだったのと、昔のフランツの印象のワインを大きく上回った のです。勿論独立して 9 年も経過しているのですから十分な経験を積んだ中堅醸造家。 これは騙されたと思って買って下さい。沢山紹介したいワインです。 (2011.1.20 第三回目訪問) トゥーレーヌ ソーヴィニヨン ド トゥーレーヌ ★AOC Touraine Sauvignon de Touraine 2010 これは 2010 年からリリースした白ワインです。フランツの叔父 様がロワールのブルージェという町に住んでおり、AOC Touraine のギリギリ東にある畑 0.3ha に4年前に趣味で Sauvignon Blanc を植樹しました。それがやっと 4 年目にして実がなり、今年フラ ンツが葡萄を買って醸造する事になったのです。叔父様は昔工場 で働いており、退社し今は老後の年金暮らし。 家のガレージを壊してプレス機だけ入れると言うリタイヤ後の健康の為に始めたお仕 事。しかしなかなかどうして、綺麗なナチュラル葡萄が出来ました。ただ樹齢が若いの でどうしても厚みのあるワインと比べる事は出来ません。 発酵も早く終わり、タンクで寝かせ 3 月にはもう瓶詰めでした。 天然アルコール度数、12.51 度。最初は VdF になると思っておりましたが、お蔭様で問 題なく AOC が取得できました。最後に若干 SO2 を添加。いかにも Sauvignon Blanc っぽい香でワイン教室で使いたい典型的な味わいです。さっぱりと癖がなく、誰が飲ん でも美味しいタイプです。こういうワインは気取らずゴクゴク飲んで頂きたいです。 ロ モ ラ ン タ ン ★Vin de France Romorantin 2010 2009 年の葡萄は Vini Japon にも来日して下さったフィリップ・ ティシエー氏の畑から購入。この 2010 年の Romorantin は Cour-Cheverny のアラン・シェリー氏から購入しました。この品 種は Cheverny と Touraine にだけ生息するロワール独特の品種。 酸味の強い個性的なこの葡萄は天候の良い年と悪い年とではか なり味わいが違います。それを嫌う人がロワールでは安定した Sauvinon Blanc に植え替える傾向がありますが、私は逆にこの 品種のポテンシャルを知っているので、うちの畑に植えようとしております。 アランの畑はギヨ仕立てではなく、180cm と高く植えている為、葡萄の実が大きく育 ちます。よって香りは非常に果実香が強くアロマチィックですが、ボリュームはありま すが、長期熟成を追及するタイプとは異なります。が、勿論ちゃんとした厚みとまろや かさは去年と同様、非常に魅力的です。天然アルコール度数 13.40 度。 ム ニ ュ ピ ノ ★Vin de France Menu Pineau 2010 私の住んでいる町、Saint-Aignan の BIO の生産者、フィリッ プ・ブーブレ氏から購入した VV の樹齢から作った辛口ワイ ン。ですから AOC は本来 Touraine となるのですが、美味し いワインは VdF というのがナチュラルワインの鉄則です(笑) 去年はたった1樽だったので、入荷も少なくあっという間に 無くなりました。2010 年は 4 樽だったので、日本向け輸出は 増やして貰えましたが、それでもたった 288 本のみ。なので 急がれて下さい。はっきり言って美味しいです。これは美味しいです! 酸が綺麗に綺麗に溶け込み、もしかしたらかなり長く熟成するかもしれません。 1本だけ騙されてどこかに置き忘れて 3~4 年後に飲んで貰いたいです。 香りが非常にエレガントで天然アルコール度数 12.15 度。 うちの近所にこんな葡萄を生産する無農薬の栽培家がいらっしゃるなんて…。 地元の私が恥ずかしいです。この品種は久しぶりに飲みましたが、世の中であまり高く 評価されていない、マイナー品種です。でも実はなかなか捨てがたい品種なのです。 コスパの良さは抜群、2010 年も続けて良い出来でしたが、ネゴシアンとは何ぞや?と考 えてしまいます。う~ん、値段を思うと美味しすぎるかも? ヴ - ヴ レ イ ★AOC Vouvray 2009 近所のセバスチャン・ブルネの Chai でフランツが醸造したワイ ン。それを 2010 年 3 月に瓶詰めしました。Montlouis に位置する フランツには憧れの AOC でありますが、畑の値段の関係でなか なか購入は出来ません。天然アルコール度数 13.28 度。 とてもリッチな味わい、蜂蜜の香りが前面を支配し、厚みの酸も しっかりとして、結果とてもバランスが良くまとまっております。 でも誤解しないで下さいね。通常の Vouvray のような甘味が前面に出たスタイルではあ りません。勿論若干甘さは残りますが、非常にさっぱりとした重たくない飲みやすい Vouvray です。アペリティフにピッタリです。彼の Chai で醸造したのではないせいか、 対岸で同じ品種でも土壌・気候が違うせいか、彼の Domaine の Montlouis の Chenin と はスタイルが違うのがワイン作りの面白い所です。これもコスパの良いワインです。
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