鉄道研究部の活動紹介 第1回 「鉄道模型工作」~ストラクチャー編①

鉄道研究部の活動紹介
第1回 「鉄道模型工作」~ストラクチャー編①
はじめに
「鉄研流」鉄道模型工作についてご紹介します。
今回はストラクチャー(ビルなどの建物)工作について説明します。毎年輝玉祭で展示しているジオラマ上のストラク
チャーの制作は、主として中学1年生の仕事となっています。実際の展示はスペースの都合もありNゲージサイズ(実
物の150分の1)ですが、作例では16番ゲージサイズ(80分の1)をご紹介しています。なお本格的な工作方法は
各種趣味誌等に詳しく出ていますのでそちらをご参照下さい。この頁はあくまで「こんな方法もあるのか…」程度の軽
い気持ちでご覧いただければ幸いです。
▲実物のおよそ80分の1で再現したマンション2棟。基本的に紙と木材、プラスチックで組んであります。
作例は世田谷区内に実在する昭和40年代建築のマンションをイメージしました。
ステップ1
▲作る建物のイメージをスケッチブック上でかためていきます。制作過程での細部の仕様変更も生じることがあります。
まず作る対象をイメージします。どんな建物を作るのか考えます。題材は通学途中の車窓から選ぶことも出来ますし、
旅先のスナップ写真から選ぶこともあります。現存しない過去の建物を書籍などから探すことも可能です。もちろん空
想の建物もOKです。こだわる方は時代設定や建築学的な考証も要求しますが、あまりかたく考えず力を抜いて工作を
楽しみましょう。鉄道研究部では作る過程を楽しんでいます。出来栄えはあまり期待しないでくださいね!
作る建物のイラストをスケッチブックなどに描き全体のイメージや構造をより明確にしてから作業に入ります。
ステップ2
▲紙工作に必要な道具類の一部
道具・材料を用意します。カッターナイフと金属製の定規、それに接着剤は必需品です。両面テープやピンセット、そ
れにカッターマットなどもあると便利です。塗料はアクリル絵具が理想ですが高価なので普通の絵具や缶スプレー等で
も大丈夫です。また写真にあるように「ポスカ」というペンはなにかと便利です。材料は鉄研の場合、予算の関係もあ
りほとんど工作用紙とバルサ材ですが、スチレンボードなどがあるといっそう工作が楽しくなります。これらは東急ハ
ンズやユザワヤなどで調達出来ます。もちろん手持ちの道具・材料を活用するのが一番です。刃物類を使う場合は怪我
をしないよう細心の注意が必要です。
ステップ3
図面を描き切抜きを開始します。工作用紙に直接描くのが基本です。鉛筆でも油性の細ペンでもOKです。直角を極力
正確に描く事がポイントです。パソコンを利用出来れば直接工作用紙にプリントするのが良いでしょう。スチレンボー
ドを使う場合は、いったん紙に印刷した図面をスプレー糊等で貼り付けてから切抜き作業を行うと便利です。
大きさ(縮尺)は適当ですが、模型車両と比較し違和感がないことが大切です。線路に近い建物は大きめに、線路から
遠く背景の一部になるような建物は小さめに作ると実感的です。また建物の背面など一部を省略すると作業能率がアッ
プします(手抜きって言わないでくださいね!)
。
▲マンションの裏手部分は省略しています。その気があればあとから増築?も出来ます。
ステップ4
切り抜いた工作用紙を貼り合わせます。結合部分にはバルサ材などを当て補強します。直角・水平に十分注意して木工
用ボンドで接着します。瞬間接着剤だとやり直しがききません。木工用ボンドなら多少の修正が可能です。また瞬間接
着剤は手についたりした場合危険が大きくなりますが、木工用ボンドなら危険度はぐんと下がります。接着剤が完全に
乾いたら塗装に入ります。イメージの色を調合(何色か混ぜ合わせる)すると実感的になります。筆塗りで十分です。
実際の建物にも凸凹やざらつきがありますので、車両工作と違ってスプレーで綺麗に塗装する必要はありません。ただ
場所によっては筆塗りよりスプレーの方が便利な場合もありますので使い分けるのが賢明です。缶スプレーの使用は基
本的に屋外で行います。室内で塗料を使う場合十分な換気が必要なことは言うまでもありませんね。
ステップ5
基本的な塗装が完了したら、適宜ディティールアップを施しリアリティを追及しましょう。作例では屋上に球体の水タ
ンクを設置しましたがこの正体は100円ショップのビニル製ボールです。
(最初のスケッチ段階では水タンクは2個予
定していましたが予算?の関係で1個になっています。)なお水タンク用に目薬やシャンプーのフタなども捨てずにとっ
ておくと意外に役立つはずです。また生活感を演出するためベランダ手摺部分には布団を干しています。布団は写真を
紙に印刷しただけですが効果は抜群と思います。如何でしょうか?また作例では手摺やパイプにプラスチック製品を使
用しています。全てNゲージ製品の流用なので大きさがちょっと違いますが細かい点は大目に見て下さいね。あくまで
雰囲気重視ということで!
▲屋上の水タンクは100均から調達。手摺に干してある布団は単なるプリントです。こうしたアイディアもポイントかと思います。
ステップ6
完成したストラクチャーをジオラマに配置します。車両や周囲の風景とのバランスも重要です。山の頂上にショッピン
グセンターがあったりしたら不自然ですよね。でも時にはそんな遊び心も大切かと思ったりします。作例では京王帝都
(現・京王電鉄)6000系車両と東急バスをマンションの前に置いてみました。「ってバスが新しすぎる!」
以上目新しい「技」がなくてすみません。まだまだ稚拙な工作技術ですがお付き合いいただき有難うございました。今
後の鉄研の活動にご期待下さい!?
▲手作りストラクチャーなので、完成度は今一つですが既製品にない魅力がありませんか。電車は京王線。
以上