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第 83 回米国心臓協会(AHA2010)年次学術集会にて発表しました
11 月 13 日∼ 17 日,米国イリノイ州シカゴ市のマコーミックプレイス(ア
メリカ最大の総合コンベンションセンター)でアメリカ心臓協会(AHA)の
第 83 回年次学術集会が開かれました。当協会からは診療所副所長である富沢
巧治医師が参加し,日頃の研究成果を発表しましたので,学会への参加レポー
トをご紹介します。
なお,研究は心房細動と脳卒中の関連を分析したもので,概要はかつて国内
の新聞各紙にも掲載され,以前本紙面でもご紹介いたしました。(そうけん 47
号,49 号)
▲ シカゴの夜景
アメリカ心臓協会(AHA)とは?
心臓や血管の病気の予防や治療,救急医療に関して長年にわたり世界をリードしている学会です。
AHA の年次学術集会は,100 カ国以上から2万人以上が参加する世界で最大規模の国際学会でもあります。
レポート
学会では,心臓血管と脳の健康維持に,
“健康生活
大な危険因子となるため,早期から積極的な対応が必
7カ条(Life s Simple 7)”の重要性を訴える会頭講
要であることを報告しました。当協会が担当した茨城
演がありました。すなわち,血圧,コレステロール,
県住民の健診データの分析結果を,欧米からの報告と
血糖レベルを適正に保つこと,また生活習慣として,
の異同に言及しつつ報告しました。
喫煙しない,適正体重の維持,規則的な運動,バラン
世界的視野で日本の疾病特徴を把握し,得られた情
スのよい食事が重要であるのですが,現実には 82%
報を世界へ向け発信する一翼を担うことができたこと
の人は4項目未満しか達成できていないとのことでし
に感謝したいと思います。
た。
以前から知られているこれらの項目に対して,積極
的かつ新しいアプローチを行い,2020 年までに心血
管疾患および脳卒中による死亡を 20% 減少させるこ
とを目標に全ての人が協力し,努力する必要性が力説
されました。
日本でもこれらのリスク対策に重点をおいて,特定
健診および特定保健指導(メタボ健診)が実施されて
いますが,より積極的かつ有効な実施が求められてお
り,当協会の果たすべき役割の重要性を再認識しま
した。
㈶茨城県総合健診協会 診療所副所長 今回の発表では,健診でもよくみられる不整脈の一
㈳日本循環器学会認定循環器専門医 つである心房細動は,慢性化する以前から脳卒中の重
富沢 巧治 2011年1月20日 Vol.51
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