第16号 - 福山市教育委員会

【学校教育目標】
心豊かに
自立・貢献・感謝
する児童の育成
福山市立東村小学校
No.16
-主体的に学び,地域を愛する子どもの育成-
H28.7.5
よく考える子 やさしい子 たくましい子
校長 大村 良人
7月1日(金)第1回目のスピーチ大会を行いました。発表者の内,全校児童から
最も多くの票を集めた2作品と学校長特別賞2作品を紹介します。
「ロボット教室」
3年 吉田
稀
今日は,ぼくが楽しみに通っているロボット教室
のことを話したいと思います。
初めて作ったロボットは「クロールロボット」で
す。ロボットを作るのは初めてだったので,うまく
できるか心配でとても緊張しました。だけど,先生
が配ってくださった説明書を見ながら組み立てて
いると,コツがわかってきて,だんだん楽しくなっ
てきました。できあがったロボットを動かすと本当にクロールをしているみたいで
した。
失敗するかと心配だったので,うまく動いたことがとてもうれしくて,びっくり
しました。その時,ロボット作りの楽しさを知り,もっと作りたいと思いました。
それからは,毎月2回土曜日にロボット教室に通ってロボットを作っています。
毎月新しい設計図をもらって,パーツを組み替えて,ロボットは変わっていきま
す。ロボットには,たくさん種類があります。横綱ロボットやフィッシュロボット
など,いろいろな種類があり,今月は,このレスキューロボットです。
ぼくはこのロボットが気に入っています。ロボットが動くところをみんなに見て
もらいたいので,先生に相談して持ってくることにしました。
ロボットは,設計図通りに組み立てて終わり,ではありません。組み立てたら1
回動かします。そうしたら,次に改造します。ぼくは,改造に工夫していることが
あります。それは,先月作ったロボットの部分を組み合わせることです。そしたら,
思っていたよりすごいことができたりして,さらにロボット作りが楽しくなります。
ぼくはどんどんロボットを作っていきたいです。そして,いつか自分で考えたロ
ボットで大会にも出てみたいです。
(評)素晴らしい文章構成です。まず,どんな話をするのか,簡潔に述べてから本論
に入っています。何だか楽しい話が聞けそうだな,なんて思ってしまいます。次に,
ロボット作りは楽しいよ,と体験談を交えて話が続いていきます。今では,ロボット
作りに完全にはまっている自分をさらけ出しています。
そんな,熱のこもった語りのピークで,彼はロボットの動きの実際を披露したので
す。最高潮に盛り上がったところで,話はさらに深まっていきます。ロボット作りの
真の楽しさとは何か,それは単に設計図通りに組み立てて動かすことではない,と彼
は訴えます。私も子どものころプラモデルをよく作っていました。あれはあれで楽し
かったのですが,所詮,設計図通りに作って動かして満足していたように思います。
ロボット作りはそうではない,もっと深いんだと,彼は力説したのです。
そして,改造の楽しさを知った彼は,世界で一つだけのマイロボットを携えて,大
会への出場を夢見ているのです。
「田植え」
6年 亀田
翼
6月1日に田植え体験がありました。田んぼの中に
入ったときは,土のかたまりを踏んだりして痛かった
です。苗を植えるときに,うまく植えられたり,苗が
倒れてばらばらになったりしました。しばらく植えて
いくと,手に持っている苗がだんだん少なくなってき
たので苗をもらいました。途中,晴仁君が何回もこけ
て,一人では立ち上がれない状態になりました。晴仁君はリタイアしました。晴仁
君を道路に上げるときに,田んぼで田代先生と晴仁君とぼくがこけそうになって,
ズボンが泥だらけになりました。
最後の田植え体験が楽しくできたのでよかったです。
(評)6年生にとっては,小学校最後の田植えとなりました。この行事を始めて今年
で5年目です。若草会の発足と同時期です。地域の皆様の子どもたちに対する愛情の
一つの形といえます。5回目ともなると,さすがに高学年は上手に植えていきました。
低中学年もその様子を見ながら上達していきます。苗の持ち方,植え方,その指使い
や腰つきは見事なものです。
毎日,食べている給食のごはんは,この「学校農園」産です。子どもたちが植えて,
刈り取った「学校農園」産東村小ブランド米です。もちろん,その陰には若草会の皆
様のご苦労があるわけですが,そんなことを思いながら,子どもたちは楽しい体験を
させていただき,毎日の給食をおいしくいただいているわけです。
(裏へ続く)
次に,学校長特別賞を紹介します。
「将来の夢」
3年 髙橋愛結
私の将来の夢は保育所の先生になることです。そ
になるかわかりません。毎日の生活の中で,いろんな体験をし,いろんな知識を得
る中で,世界が広がり,新たな自分を発見するものです。たとえ一過性のものであ
ったにしても,そのとき熱中したこと,夢見たことは,次のステップへの礎にきっ
となるはずです。この熱い思いを大切にしながら,地道に,ひたむきに,前へ前へ
と進んでほしいと思います。
の理由は,私は小さい赤ちゃんなど,0才から3才
までが好きなので,保育所の先生になりたいと思い
ました。
保育所の先生になりたいと,お母さんとお父さん
に言ってみると,
「それはいいね」と言ってくれました。とてもう
れしかったです。
保育所の先生になるには,いろいろな壁を乗り越えなくてはなりません。発表も
恥ずかしがらずにでき,答えが間違っていても発表ができたらいいと思います。
これからは,前に進んでいきたいです。壁を乗り越え,1年生,2年生のときの
自分じゃなくなりたいです。今の3年生でレベルアップしたいです。私の夢に向か
って,壁と階段をのぼっていきたいです。勉強もしっかりやって,大人への道をど
んどん走って行きたいです。
私には,大切な夢があることが分かってうれしいです。まだ,小さい子どもだけ
れど,いろんなことを試して,いろんな言葉を覚えて,ひらがなもカタカナもきれ
いにパーフェクトにしていきたいです。
小さい子どもたちに人気になり,とてもいい保育所の先生になりたいです。たま
には,子どもたちを笑わせたりすると,子どもたちもいい笑顔になり,自分は役に
立っているということを知り,自分も明るくなれると思います。
(評)将来の夢(目標)を持つことは,こんなにも人を輝かせるのですね。言葉の
端々にエネルギーを感じます。「保育所の先生になりたい」「お母さんとお父さんに
言ってみる」
「とてもうれしかった」
「保育所の先生になるには」
「前に進んでいきた
い」「1年生,2年生のときの自分じゃなくなりたい」「どんどん走って行きたい」
「パーフェクトにしていきたい」「自分は役に立っている」「明るくなれる」など,
ポジティブ(前向き)な自分がそこには感じられます。
彼女は,これまで味わったことのない,何か体の中から湧き出るような,そんな
エネルギーに満ち溢れた感覚をもっているのでしょう。この年代は,森羅万象,あ
りとあらゆるものに刺激を受け,新たな自分を創造しているのです。何がきっかけ
「東村小学校」
6年 福田美咲
東村小学校は,2階,3階が静まり返るときが何
時間もあります。授業中はいつも静かです。たまに,
笑い声が聞こえます。音楽の時間では,オルガン,
リコーダー,鍵盤ハーモニカ,美しい歌声が教室中
に響きます。
2階からは,朝の会の時に号令や歌が聞こえます。
なかよし1・2組,1年生教室は,にぎやかだなと
思います。
3階は,2年生,3・4年生,5・6年生です。2年生は,朝の会の「おはよう
ございます。
」というあいさつがはっきり聞こえます。3・4 年生は,授業中に学習
リーダーの「発表してください。
」などが聞こえます。リーダーを中心に学習してい
るんだな,と思います。私たち5・6年生は,時間を見ながらリーダーを中心とし
た学習を進めています。授業中,シ~ンと静まり返っているときは,どの学年も一
生懸命勉強しているときです。
夏休みまであと少しですが,各学年のよいところを生かして学習してほしいと思
います。
(評)東村小学校の風景を見事に描いてくれています。彼女は児童会会長という立場
です。“朝の会”から“帰りの会”まで,自分たちの教室はもとより,すべての教室
の子どもたちに思いを寄せ,44人の兄弟姉妹たちを3階から温かく見守ってきたに
違いありません。学校中が静まり返る時間,この時間を大切にしたいという気持ちが
伝わってきます。一生懸命勉強している時間の心地よさを実感しているからにほかな
りません。時に笑い声が聞こえ,時に歌声や楽器の音色が聞こえる。授業のはじめと
終わりには,元気のよい“あいさつ”がはっきり聞こえる。中・高学年は,学習リー
ダーが頑張っている。彼女の頭の中には,いつも“みんな”がいるのです。