ミツカングループ 環境への取り組み (環境への取り組み 0 2015 年度) <目次> 表紙 編集方針 P2 ごあいさつ P3 環境に対する基本姿勢 P4 2014 年度環境活動のまとめ P5 トピックス P6 環境マネジメントの体制 P10 事業活動における環境影響 P13 環境に配慮した商品開発 P14 廃棄物の削減と再資源化 P19 CO2排出量の削減 P22 オフィスにおける省資源・省エネルギー P25 社会・環境活動 P27 1 編集方針 1.「環境への取り組み」は、ミツカングループの環境活動について、グループの姿勢、具体的な取 り組み計画、及び対象期間の集計データをもとに、環境負荷の現状と今後の課題をまとめたもの です。 2.可能な限りデータ収集に努め、生産活動及び商品(容器を含む)による主要な環境負荷情報を掲 載しました。物流・オフィス・営業活動については、製品廃棄量、電力消費量、OA 紙の消費量、 産業廃棄物排出量などを評価し、他は対象外となっております。また、海外事業法人につきまし ては、対象に含めておりません。 3.環境パフォーマンスデータについては、実績値やグラフを掲載し、経年変化をわかりやすくする ことに努めました。 4.取り組み事項は項目の列挙だけでなく、説明文を記載し、またトピックスとして諸活動の具体的 な情報の提供をいたしました。 5.本文中の「当社」とは、以下の法人を含んでいます。 対象組織(2014 年度) 法人:㈱Mizkan Holdings、㈱Mizkan J plus Holdings、㈱Mizkan、㈱Mizkan Sanmi-pro、㈱Mizkan Logitec、㈱Mizkan Partners、㈱中埜酢店、㈱Mizkan Asset、㈱なかのフォレスト <常温品工場>㈱Mizkan Sanmi(栃木工場・館林工場・半田工場・大阪工場・三木工場・美濃加茂 工場)、㈱福岡ミツカン(福岡工場) <チルド品工場>㈱ミツカンフレシア(館林工場・中部工場・三木工場・美濃加茂工場) ※なお、常温品工場の半田工場、福岡工場、チルド品工場の中部工場につきましては、2014 年度を もちまして閉鎖しております。 対象期間:2014 年度(主に 2014 年 3 月 1 日~2015 年 2 月 28 日) 対象:主に環境保全に関する側面 発行日:2015 年 11 月 参考:環境省 環境報告書ガイドライン(2003 年度版) 問い合わせ先 住 所 電 話 株式会社 Mizkan Partners 品質環境部 お客様相談センター 〒475-8585 愛知県半田市中村町 2 丁目 6 番地 (フリーダイヤル)0120-261-330 2 ごあいさつ ミツカングループの歴史は、初代中野又左衛門が、お酒づくりから生じた酒かすを原料としてお酢を作る という環境にやさしい挑戦から始まりました。 創業時の酢酸菌は大切に慈しまれ、発酵という自然の営みを繰り返し、現在に受け継がれています。 ミツカングループは、210 余年に及ぶ長い歴史の中で、伝統を大切にしながら、革新を繰り返し、その時々 の環境と調和できるように継続的な活動を地道に行っております。 そして今現在の環境に関するミツカングループの取り組みや活動内容をご報告するため、 ここに 2014 年度の活動成果についてご報告いたします。 これに加えまして、2015 年度のトピックスも併せてご報告させていただきます。 今後の活動に向けて皆様からのご助言やご意見を賜れば幸いに存じます。 ミツカングループ代表 株式会社 Mizkan Holdings 代表取締役会長 兼 CEO 中埜 和英 3 環境に対する基本姿勢 グループ全体で共有すべき理念及び価値観として、ミツカングループビジョンを制定しています。環境に 関する基本姿勢は、企業理念の中で「社会への約束」として“企業活動全般で環境や地域との調和を図る” と明文化しています。また、ミツカングループ企業倫理規範においては“地球環境に配慮した企業活動を 行います”としています。これを踏まえて「日本事業環境方針」を定めております。 <ミツカングループ企業理念> 2つの原点 ・ 「買う身になって まごころこめて よい品を」 ・ 「脚下照顧に基づく現状否認の実行」 4つの約束 ・お客様への約束:「安全・安心」と「健康」を、食を通じておいしく提供する。 ・社員への約束: 意欲を持って挑戦し、やり遂げることで夢を実現できる場を提供する。 ・投資家への約束:キャッシュフロー経営を推進し、永続的な企業価値向上を目指す。 ・社会への約束: 透明性の高い企業活動を推進する。企業活動全般で環境や地域との調和を図る。 <ミツカングループ企業倫理規範> 1.安全で高品質の製品を提供します。 消費者の安心と満足が得られるよう最大限の努力をします。 2.法令・社会規範に則り、公正で健全な透明性の高い企業活動を行います。 3.ミツカングループが関わる全ての人の人格・個性を尊重します。 社員が安全で働きやすい職場環境の確保に努めます。 4.地域社会との調和を図り、豊かな社会づくりに貢献します。 5.地球環境に配慮した企業活動を行います。 6.会社財産・権利・情報を適正に取り扱うとともに、他人の財産・権利・情報を最大限尊重し、不 当利用や侵害をしません。 <日本事業環境方針> お客様の視点に立って、 「省資源・省エネルギーを通じた負荷低減」と「環境との調和」について、 地道に継続的な活動を行う。 重要課題 1.環境に配慮した商品開発 2.廃棄物の削減と再資源化 3.CO2排出量の削減 4.オフィスにおける省資源・省エネルギー 5.環境マネジメントシステムの構築・運営 4 2014 年度環境活動のまとめ <2014 年度の活動を振り返って> 2014 年度は、 「環境に配慮した商品開発」 「廃棄物の削減と再資源化」 「CO2 排出量の削減」 「オフィスに おける省資源・省エネルギー」 「環境マネジメントシステムの構築・運営」の 5 つの重要推進課題に取り 組んでまいりました。第一の「環境に配慮した商品開発」では、ガラスびん家庭用調味料製品のペットボ トル化に加え、包装資材、ダンボールなどの軽量化を進めました。第二の「廃棄物の削減と再資源化」に おいては、常温品生産工場、チルド品生産工場総計でゼロエミッションを達成しました。これは、きめ細 かな資材の調達に加え、副産物の発生抑制と徹底した分別・リサイクルに取り組んだ結果です。また、販 売活動においては、販売予測精度を向上させると共に、一部お取引先様にもご協力頂きながら返品削減に 取り組んでまいりました。第三の「CO2 排出量の削減」では、主に生産・配送拠点再編による輸送距離短 縮や輸配送の効率化により CO2 排出量を低減することができました。第四の「オフィスにおける省資源・ 省エネルギー」では、それぞれの事業所の省資源・省エネルギー活動に活かせるよう、毎月、社内電子掲 示板に環境ミニレポートを掲載し、電力使用量や廃棄物排出量等の「見える化」、情報共有を行い効率的 な電力使用などに努めました。また OA 紙の削減については会議資料の電子化によるペーパ-レス会議化を 推進しております。第五の「環境マネジメントシステムの構築・運営」につきましては、生産部門の ISO14001、本社地区全部門がエコステージに取り組むことにより、環境に配慮した業務推進を心がけま した。 以上のように全社で取り組む環境負荷を低減する活動も定着し、地道ながらも着実に前進しております。 一方、CO2 排出量の削減や廃棄物排出量の削減等、従来の延長線上の取り組み手法では効果的な環境負荷 低減が難しくなりつつある項目もあります。 近年、地球温暖化に伴い大きな自然災害を頻発させている異常気象に加え、水資源の危機、生物多様性の 保全など環境問題は年々深刻化しています。当社は、水、穀物など自然の恵みに支えられ事業活動を行っ ており、地球環境が持続可能なものであってはじめてお客さまに安全安心そして健康を提供させていただ けます。いずれも地球規模で取り組まなければならないような大きな課題ですが、社会の一員として企業 に求められている役割を十分認識したうえで、事業活動を通してこれらの解決に貢献していくことが大切 であると考えております。 ミツカングループは、これからも持続的成長が可能な社会の実現に向け、社員一人ひとりが事業活動に伴 うさまざまな環境負荷の低減に取り組み、環境に配慮した企業活動を地道に継続的に進めてまいります。 株式会社 Mizkan Partners 品質環境部長 杉本 達哉 5 トピックス 「MIZKAN MUSEUM」がオープン 創業の地半田においてミツカングループの歩んできた歴史に触 れ、今を感じ、未来につなげる施設として MIZKAN MUSEUM 愛称 MIM(ミム)を設立しました。 MIM は、古くから続く運河沿いの黒塀の景観とともに、ミツカ ンの酢づくりの歴史や、醸造の技術、ものづくりへのこだわり、 食文化の魅力などを、伝統・革新・環境を大切に考え、次世代へ 伝えてゆく施設です。 敷地面積 6,318 ㎡、延床面積は酢づくり生産エリアも含めて 5,173 ㎡(博物館「酢の里」の約 2 倍)です。建物にもさまざまな 自然のエネルギーを生かす施設が取り入れられています。これらのしくみを活用し、CO2 排出量を削減し ています。 ① 煙突による自然吸気 かつての半田工場の特徴であった「煙突の風景」を再現し、自然換気に活用しています。太陽熱を利用し て煙突の中で空気の上昇を促します。その結果、半田運河を通った冷たい風を 1 階壁面の足元から引き込 み、煙突から排気して、時の蔵の自然換気をしています。 ② トロンベウォールシステム 風の回廊の運河沿いの壁は、季節に応じて太陽熱をうまく活用できる二重構造になっています。この構造 は、春や秋には自然換気を促し、夏は壁の中の暑い空気を外に逃がし、冬は壁の中で暖められた空気を室 内に送り込みます。なお、内壁材には、かつて工場の外壁に使用されていた杉板を利用しています。 ③ 井戸水+太陽熱温水の空調利用 かつて工場で使用されていた井戸水(冷水)と、半田の豊かな太陽熱による温水の熱エネルギーを活用する ことで、空調負荷を軽減しています。井戸水と太陽熱温水は、MIM の南側にある中間実験棟敷地から、運 河下のトンネルを通して引いてきています。 ※風の回廊、時の蔵、水のシアター、光の庭にて活用しています。 ④ 「水盤+ひさし」による自然採光システム 太陽の光を、中庭の水盤、ひさしと反射させて、光の庭の中に導き入れることで、照明負荷を軽減してい ます。なお、中庭の水盤には、室内の空調に使用された井戸水を有効利用しています。 6 7 <本社地区再整備プロジェクト> ミツカングループは、1804 年創業の「ものづくり」をする企業として、「伝統」「革新」「環境」を大切に しながら、創業の地「半田」において、"本社地区再整備プロジェクト"を推進してきましたが、"MIZKAN MUSEUM"の完成をもって同プロジェクトが完了しました。 「本社地区再整備プロジェクト」が、省 CO2 先導事業に採択されました 「省 CO2 先導事業」とは、国土交通省が地球温暖化対策として推進しているもので、住宅や建築物におけ る省 CO2 対策を強力に推進する優れた建設事業を、リーディングプロジェクトとして採択し支援を行うと いうものです。 ミツカングループの「本社地区再整備プロジェクト」は、2012 年度の第 2 回募集において、省 CO2 先導 事業として適切であると評価・採択されました。 本社地区再整備:全体鳥瞰図 環境への取り組みとして、日照時間が長い半田の特性を活かした太陽光発電、太陽熱や井戸水および半田 運河の河川冷却風を活用した空調システムなどを備えています。 そして「MIZKAN MUSEUM」は、博 物館「酢の里」の跡地に新築し、地域の学習・教育の場としても活用します。 8 本社地区再整備:プロジェクトの全体像 9 環境マネジメントの体制 1999 年より環境管理に係わる規定を定めて環境負荷低減の活動を進めています。 <推進体制> 国内の環境マネジメントは、環境方針にもとづいた課題達成に向け、 (株)Mizkan Partners 品質環境部 が課題調整と実行及び全体のとりまとめを行っております。 <環境マネジメントサイクルの流れ> 環境に関連する年度目標/計画に基づき、各部署毎の活動プログラムが実行されます。 10 <環境認証取得状況> 2015 年 11 月現在 認証の名称 ISO14001 エコステージ 1 ※ 取得事業所 ・Mizkan Sanmi 栃木工場、Mizkan Sanmi 館林工場、Mizkan Sanmi 大阪工場、 Mizkan Sanmi 三木工場 ・ミツカングループ本社研究棟(Mizkan Holdings、Mizkan J plus Holdings、Mizkan Asset、中埜酢店、Mizkan、Mizkan Sanmi-pro、Mizkan Sanmi、Mizkan Partners) ※エコステージ 1:ISO14001 を基本に、従来の経営管理システムに環境の視点を導入し経営とリンクした環境 マネジメントシステム <環境関連法規への対応> 大気汚染及び水質汚濁防止 工場で発生する排気ガス及び排水については、関係法規及び条例に定められた基準を満たすよう処理して います。 廃棄物適正処理 工場や研究開発部門で発生する産業廃棄物は、「廃棄物処理法」にもとづく処理業者に、また、オフィス で発生する事業系一般廃棄物は、一般廃棄物処理業者に処理委託をしています。 容器包装リサイクル ミツカングループでは、 「容器包装リサイクル法」に基づき製品化した容器の重量に応じたリサイクル費 用を(財)日本容器包装リサイクル協会に納付しています。 11 食品リサイクル 食品リサイクル法 再生利用等の実施率 常温品生産工場 95.9% チルド品生産工場 49.9% 家庭用及び業務用製品販 売事業 食品リサイクル法に基づく再生利用等の 実施率(2014 年度)は左の表の通りです。 42.3% <環境事故・法令等の違反・苦情の状況> 苦情の状況 分類 事業所周辺の住民の方から 9 件の苦情を 頂きましたが、速やかな改善を図り地域 の方々との良好な関係作りに努めていま す。 件数 大気汚染 0 水質汚濁 0 騒音・振動 7 その他 2 <環境リスクへの対応> ミツカングループでは平常時の RM 体制については、 各部門で RM 課題の管理を行う体制としております。 環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事故及び緊急事態など、万一そのような事態が生じた場合、リス ク発生時の情報伝達ルートとそのリスクに対応するための緊急対策本部の体制を定めて周知を図ってい ます。 防災訓練 全国の防災支部毎に訓練を実施しました。 想定は大地震が発生し、その後火災が発生した場合の訓練で、終了後、危険箇所の点検・修繕、防災備品 の見直し・補充を行いました。 12 事業活動における環境影響 ミツカングループでは、原料・資材・資源の投入から、事業活動の各段階で使用した資源・エネルギーを 把握し、環境負荷量を集計・分析して、できるだけ環境負荷の少ない事業活動の実現をめざしています。 <ミツカングループの 2014 年度事業活動における主要な環境負荷フロー> ※1 ( )は前年からの増減比です。 ※2 エネルギーで、電力は工場・本社・研究棟及び全国の営業所の合計、石油とガスは工場の合計です。 ※3 用水は、工場使用分の合計です。 ※4 容器資材は、外装ダンボールを含んでいます。委託先手配の容器資材は含みません。リターナブル容器は 含んでいません。 ※5 大気排出は、使用エネルギー量から換算しました。 ※6 廃棄物は、工場廃棄物、製品廃棄、本社・研究棟廃棄物の合計です。 ※7 リサイクル対象容器は、容器包装リサイクル法に基づき(財)日本容器包装リサイクル協会に申請した再商品 化委託量です。 13 環境に配慮した商品開発 容器包装は、商品の品質を保持したり、お客さまの購買を促したりと重要な役割を果たしています。商品 に不可欠な容器包装をより環境に配慮したものに改良していくことを重要なテーマに掲げ取り組んでい ます。 <容器包装設計の基本方針> 2001 年に「容器包装設計環境ガイドライン」を制定し、これにもとづき、商品開発や既存品の改良 時に環境面の評価を行っています。 容器包装設計環境ガイドラインの評価項目 対象 安全性の配慮 有害物質を使わない 評価項目 ・塩素系樹脂は使用しない ・機能性を満たした上で、実現可能な最軽量を目指す 使用量を少なくする ・ガラスびんは「軽量びん」であること (可能な限り「超軽量びん」を目指す) 余分な包材を使わない 環境適性の配慮 ・過剰包装でないこと ・1.5L 未満の PET ボトルには取っ手をつけない ・ガラスびんは透明、茶、ないしエコボトルを使用する ・金属製キャップは使用しない(広口びんを除く) リサイクルに配慮する ・金属ラミネートのラベルは使用しない ・表示指定 PET ボトルは透明とする ・表示指定 PET の取っ手は PET 製とする 利便性の配慮 分別しやすさを追求する ・キャップが分別できること 情報を表示する ・識別表示を行う 14 <容器包装リサイクル法対象容器の使用量の推移> ・容器包装リサイクル法対象容器の使用量の推移 容器・資材の軽量化に積極的に取り組んでいます。当社における容器材質の特徴はガラスの比率が高い(重 量比で約 74%)ことです。 2014 年度の対象容器総重量は、前年度と比べ約 3%低下しました。これは、容器の軽量化の一環として進 めているガラスびん家庭用液体調味料製品の PET ボトル化の進展に加え、売上商品構成の変化などによる ものです。 <容器の軽量化> 常温品 ・軽量化の推移 中身 100ml 当たりの容器重量 容器の軽量化(容器重量/中身量)は、2003 年度から取り組んでいます。2014 年度の中身 100ml 当たり の容器重量は 22.2gでした。2003 年度と比較して 28%の削減となります。 15 <主な容器の改善事例> ・ガラスびんの軽量化 ライフスタイルの変化により、食品容器は小容量化、小型化の傾向に進み、2000 年度に実施した食酢びん の超軽量化に続いて、軽量化計画に基づくびんの薄肉化を更に推し進め、環境負荷の低減を図ってきまし た。 ガラスびんの軽量化 ・代表的なガラスびんの軽量化導入例 16 ・超軽量びんを使った製品 当社で使用されたガラスびんは、2014 年度で約 3.4 万トン(約 1.83 億本)です。このガラスびんの環境負荷低 減をはかる取り組みは、1999 年に食酢びんの環境負荷量について LCA 評価(※)をおこなった研究にはじま ります。 2000 年、食酢びん(500ml、900ml)をリターナブルの青びんから透明の超軽量ワンウェイびんに切り替えた ことを皮切りに、順次各種の調味料びんの軽量化を行っております。500ml びんについては、さらなる軽量化 (仮称:超々軽量びん)にも成功しております。このうち、超軽量化したびんは 2014 年度約 1.4 億本で、日本 で流通する超軽量びん(リターナブルびん除く)の約 60%がミツカン製品となっています。 ※原料選定から製造・運搬・使用・廃棄・再生利用にいたるライフサイクル全体にわたる資源消費量や排出物 量を算出して行う、環境への影響の総合的な評価。 PET ボトル化による容器軽量化 ・PET ボトル化による容器の軽量化をおこなった代表的な導入例 <分別廃棄しやすい容器> 常温品 17 ・キャップの改善 分別機能付きキャップは、業界に先駆け 1994 年度に導入し、順次切り替えをおこなってきましたが、現 在では、主力製品につきましては、ほぼ改良品への切り替えが済んでおります。今後もお客さまからのご 意見を参考にさらなる改善に取り組んでいきます。 食酢などの主要びん商品 「ごましゃぶ®」など、耐熱キャップ使用商品 ・リターナブル容器 リターナブル容器は、消費者のライフスタイルや流通形態の変化で、使用量を増大させることは難し いものの、条件(逆流通ルートでの回収が可能で、高い再使用率、短い輸送距離)によっては、環境 負荷の軽減に有効と考えられています。 当社は「1.8L(リットル)壜再利用事業者協議会」の一員として協力しています。また、食品企業向け にはローリー輸送やコンテナ輸送、200L(リットル)のプラスチック容器を使用してリターナブルを 行っています。 ローリー容器 1t コンテナ容器 200L プラスチック容器 1.8L びん <容器についてのお客さまの声> 容器についてお客様から貴重なご意見・ご指摘・ご要望が寄せられています。お客様からの声はその日の うちに社内ネットワークに掲載し、関係部門で共有すると共に、改善を要するものについては多角的に検 討を進め改善に努めています。ラベルの改善についても、従来よりもはがしやすいラベルの検討などを進 めております。 お客様の声(環境) 18 廃棄物の削減と再資源化 廃棄物削減の基本は、3R(リデュース・リユース・リサイクル)です。 ごみの減量を進め、ごみの焼却や埋立て処分による環境へのマイナス影響を緩和し、地球資源を有効 に繰り返して使う 3R 活動に積極的に取り組んでいます。 <産業廃棄物量の推移> 廃棄物の発生抑制に取り組むとともに、発生したものについては徹底的に有効活用することを目指してい ます。 産業廃棄物量の推移 リサイクルされない廃棄物のうち、製品廃棄については販売予測精度を向上させ、返品の削減および適正 在庫に努めると共に、再生処理を進めています。 リサイクルも含めた廃棄物の総排出量は前年度よりも 2.6%増加しました。リサイクル率については前年 度より 4.1%低下し、90.3%となりました。これらの結果は、本社地区再整備の一環で行なった研究棟移転 に伴う残置物および資材不良による不具合製品の大量廃棄などが影響しております。 <廃棄物の発生抑制> 物流活動 保管や輸配送の過程で、荷扱いの不良や不可抗力で廃棄をせざるを得ない商品が発生することがあります。 輸送中汚破損については、常温品、チルド品のいずれも前年よりも低減できました。倉庫内汚破損では、 前年度よりも増加しております。これは、リフト作業中に製品保管ラックを倒してしまう事故による大量 破損などが主な要因です。今後につきましては、倉庫内の通路幅やレイアウトの見直しなど、倉庫内のリ フト作業中の事故防止のための取り組みを進めてまいります。 19 ・汚破損の発生率 項目 倉庫内汚破損 2013 年 2014 年 常温品 5.1ppm 23.6ppm 常温品 96.4ppm 45.2ppm チルド品 9.1ppm 4.2ppm 輸送中汚破損 販売活動 ・チルド事業における未出荷ロスの削減 お客さまの手に渡ることなく廃棄される商 品量を減少させる取り組みに積極的にチャ レンジしています。チルド品は、あまり日 持ちがせず冷蔵を要する日配品です。これ らは受注と出荷とのリードタイムが短いた め、一部は見込み生産とならざるを得ませ ん。生産部門と販売部門が連携し、出荷予 測の精度をアップさせた結果、前年度より もロス率を低減することができました。今 後も未出荷ロス削減に向けての取組みを継 続してまいります。 ・チルド事業未出荷ロス推移 ・家庭用(常温品)及び業務用の返品率の削減 常温品は、販売予測にもとづき生産計画を立てて在庫を保有します。廃棄せざるを得ないものとは賞味期 限が近づいたもの、一旦、お取引様に売上げたものの返品(賞味期限が間近。業務用にあってはメニュー変 更等)となったものなどです。販売予測精度の向上と共に、お取引様にもご理解を頂きながらこの削減に取 り組んでいます。 返品率は家庭用、業務用ともにほぼ前年度並みを維持することができました。 ・返品率(対総売上金額)の削減 家庭用 (常温品) 業務用 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 実績 0.21% 0.20% 0.18% 0.15% 0.16% 実績 0.12% 0.15% 0.11% 0.09% 0.09% 20 <再資源化の取り組み> 生産活動で生じる副産物や廃棄物を有効活用し、廃棄物を限りなくゼロに近づけることを目標に取り組ん でいます。 生産活動 生産に伴うきめ細かな資材の調達に加え、副産物の発生抑制と徹底したリサイクルに取り組んだ結果、常 温品、チルド品の工場全体集計では、いずれもゼロエミッションを達成しました。各工場別では常温品、 チルド品工場全 11 工場中 10 工場でゼロエミッションを達成しております。今後につきましては、全工場 での目標達成に向け廃棄物再資源化への取り組みを継続してまいります。 ※ゼロエミッション:当社では、ゼロエミッションを再資源化率 99%以上と定義しております。 ・工場における廃棄物の排出量・再資源化量の推移 生産活動・販売活動 生産活動で発生する主な食品系廃棄物は、酢粕、醤油粕、かつお、こんぶ等のだしがら、廃棄豆などです。 また、販売活動では返品商品が主なものです。これらは、食品リサイクル法指定のリサイクル(用途は飼料・ 肥料及びメタン醗酵の原料など)を実施し、更なるリサイクル率の向上に努めています。法令に基づき、実 際の食品リサイクル率を記載しました。家庭用及び業務用製品販売事業での低下は、資材不具合による製 品の大量廃棄が発生したことが影響しております。工場については、常温品、チルド品生産の両工場とも 前年度を上回りました。 排出元 食品リサイクル実施率( % ) 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 常温品生産工場 84.9 87.8 94.8 92.8 95.9 チルド品生産工場 68.2 73.3 49.1 45.9 49.9 42.5 34.1 63.4 70.1 42.3 家庭用及び業務用製品販売 事業 21 CO2排出量の削減 地球温暖化防止に向けて CO2排出量の削減に取り組んでいます。エネルギー消費量が多い生産活動と物 流活動では、事業特性に応じた環境効率の改善に重点をおいた省エネルギー活動を推進しています。 <CO2排出量の推移> ・全体の CO2排出量 本年度の CO2 排出量は、生産・配送拠点再編による輸配送の効率化を進めたことなどで、前年度に比べ 1.2%低減することができました。CO2 排出量の活動別比率としては、71%が生産活動で、次いで物流活動 が 26%を占めました。 CO2 排出削減を継続的に進めるため、工場では生産性の向上、省エネ機器の導入など、省エネ施策の継続 を進めています。 物流活動では、受注に応じた適切な配車などによる積載効率アップ等に取り組んでいます。 オフィスでは、毎月の電力使用量を電子掲示板(環境ミニレポート)に掲載して「見える化」をはかり、 効率的な電力使用に努めています(本社・研究棟とその他オフィスの CO2 の排出量は、電力のみ対象)。 22 生産活動 ・常温品生産工場 特に CO2 排出量の多い常温品生産工場(当 社全体の排出量の 47.5%を占める)では、 2014 年度実績は、80.9kgCO2/トンと前年度 比で約 1.6%増加しました。新規工場の立 ち上げの影響はあるものの、2010 年度以降 頭打ち状態となっており、従来の取り組み 法の延長線上では大きな削減効果は期待 できないと考えられます。今後につきまし ては、改めてエネルギーの効率的な利用に 向けた見直しに努めていきます。 ・常温品生産工場 生産量あたりの CO2排出量 ・チルド品生産工場 チルド品生産工場(日本事業全体の CO2 排出量の 23.5%を占める)では、2014 年度は、261.0kgCO2/ トンと前年度比で 3.0%低減しました。これは生 産拠点再編による効果です。新規工場のさらな る稼働の安定化に加え、今後も、継続的にエネ ルギーの効率的な利用に向け、検討を進めると 共に日常的な CO2 排出量削減活動に取り組んで まいります。 ・チルド品生産工場 製品出荷量あたりの CO2排出量 物流活動 2006 年の改正省エネルギー法で、3,000 万トンキロ以上の物流を持つ荷主は、特定荷主として指定され、 省エネルギーの対策計画書と定期報告書の提出が義務付けられました。当社では、特定荷主としてエネル ギーの使用に係る原単位を中長期に毎年 1%削減することを目標に取り組んでいます。 本年度は、目標である前年度比 1%削減に対し、5%削減することができました。 これは、生産・配送拠点再編による輸配送の効率化が大きな要因です。なお、当社におけるモーダルシフ ト化率は 28.8%です。 23 項目 実績 目標 2006 年 配送 年平均 1% 削減 - 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 5.5% 0.1% 2.5% 0.2% 2.5% 2.5% 2.5% 5.0% 削減 削減 削減 削減 増加 増加 削減 削減 ・共同配送 ミツカングループでは、1996 年度よりパートナー企業との共同配送を行なっています。これは 3 社の商 品を同一車両に積み、各社の納品先に効率的に配送するもので、各社が単独で配送していた時と比べ、配 送車両台数の削減と大型化により排気ガス削減、交通渋滞の緩和、騒音抑制など環境負荷の軽減に寄与し ています。パートナー企業との共同配送面積は 77%まで広がりました。 ・共同配送実施地区 24 オフィスにおける省資源・省エネルギー オフィスからは、主に電気、ガスなどのエネルギー消費とそれに伴う CO2の排出、さらには紙・ゴ ミの排出などの環境負荷があります。これらは生産活動から発生する負荷に比べると格段に少ないも のの、無視することはできません。 当社では、「オフィス活動環境配慮ガイドライン」に基づき環境負荷の低減に取り組んでいます。 <事業系一般ごみの再資源化率> 各オフィスではびん、缶、ペットボトル等の分別を実施しています。本社及び研究棟では、可燃ごみ の再資源化率の向上に取り組んでいます。2014 年度の再資源化率は 81%でした。引き続き、焼却ご みの削減や紙類の分別回収に取り組み、今後も一層の改善に努めていきます。 事業系一般ごみの再資源化率の推移 資源化実績 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 77% 72% 79% 83% 81% <電力の節減> 1997 年度より夏季の空調温度の設定管理と服装自由化(クールビズ)を実施しております。2011 年度 からは、冬季においても服装自由化(ウォームビズ)を導入し、冬季の室温管理についても積極的に行 っています。また、不要箇所の消灯のほか、業務の効率化による勤務時間の短縮にも取り組んでいま す。 オフィス部門では、使用電力を削減する取り組みを継続しております。2014 年度は、前年度比 99.8% とほぼ前年度を維持する結果となりました。今後につきましても、業務の効率化による勤務時間短縮 などの取り組みをより積極的に進めるとともに、一人ひとりが行動や身の回りをもう一度見直し、地 道な活動を継続することでエネルギーの効率的な利用に努めていきます。 ・オフィスの電力量の推移 25 <OA 紙の削減> 従来から帳票類の見直し、電子化、用紙の使用量を削減する印刷の工夫、会議資料の画面化、ペーパ レス会議の推奨、OA 紙の使用状況の“見える化”に取り組んでいます。 2014 年度の結果は、本社研究棟の OA 紙購入量は 278 万枚(前年比 99.8%)、全社では、1,264 万枚(前 年比 100.4%)でした。引き続き、一人ひとりの日常行動チェックと工夫により OA 紙の削減に取り組 んでいきます。 26 社会・環境活動 当社では、社会の一員としてその健やかな発展に貢献し、環境や地域との調和を図り、食文化を基点にし た活動をおこなっています。 <MIZKAN MUSEUM(ミツカンミュージアム)> 創業の地半田においてミツカングループの歩んできた歴史に触 れ、今を感じ、未来につながる施設として MIZKAN MUSEAM 愛称 MIM(ミム)を設立しました。 MIM は、古くから続く運河沿いの黒塀の景観とともに、ミツ カンの酢づくりの歴史や、醸造の技術、ものづくりへのこだわ り、食文化の魅力などを、伝統・革新・環境を大切に考え、次 世代へ伝えていく施設です。 MIZKAN MUSEUM(ミツカンミュージアム) <ミツカン「水の文化センター」> 初代 中野又左衛門は、創業時より良質な醸造酢を作るために私設水道を敷設し、廻船により尾張半田か ら江戸や大阪まで食酢を運ぶなど、水と深くかかわってきました。創業以来「水」の恩恵を受け、「水」 によって育てられてきた企業として、1999 年「水の文化センター」を設立し「水」をテーマとした以下 のような社会貢献活動を行っています。 (1)調査と報告 ミツカン「水の文化センター」では「水と文化」に光を当てた調査研究活動を行っています。1995 年よ り 21 年にわたり、毎年 6 月に定期的に「水の生活意識調査」を継続しており、ホームページ上に掲載し ています。また、2010 年度より、不定期に別企画としてテーマ調査を実施し、報告書を発表しています。 27 発行年 タイトル 内容 20 歳代の節水率が他の年代よりも低いという結果が、毎年実施 2010 年 『20 歳の節水』 している「水にかかわる生活意識調査」より示唆されたため、20 歳に絞ってその節水の意識を深堀りしてみました。 東日本大震災の際に、宮城県仙台市と千葉県浦安市ではともに断 2011 年 『断水災害に力を発揮し 水しましたが、断水被害者を取り巻く環境は異なったものでし た、人とのつながり』 た。そこで、当センターでは、二つの市の断水への対応行動の実 態と意識を調査することとしました。 水道水やボトルドウォーター等がどの程度飲まれているのか、ボ 2012 年 『現代の水運び』 トルドウォーター等はいかにして運ばれているのか等、「集合住 宅居住者の飲用水運搬志向」に焦点を当てた意識実態調査を行い ました。 2013 年 『10 年後の水文化を予測す るためのツールブック』 少し先の未来である「10 年後」を念頭に、官公庁や公的機関が 発表している水に関するオープンデータを集めて現状を把握し、 注目すべきポイントを探りました。 水イメージについて海外と日本の相違を知れば、私たちが気がつ 2014 年 『滞日アジア留学生がもつ かない日本の水文化の魅力をあぶり出せるかもしれない。そんな 日本の水魅力イメージ』 発想から、滞日アジア留学生を対象に、日本の水についてどのよ うな魅力を感じているのかを調査しました。 (2)機関誌『水の文化』の発行 水に関するテーマを取り上げ、2015 年 6 月までに 50 号発行しました。2011 年より、ホームページを リニューアルし、PDF ファイルをダウンロードす ることもできます。 28 (3)里川文化塾 2011 年より、 「使いながら守る水循環」を学ぶ、希望者参加型のワークショップ「里川文化塾」をスター トさせています。 2014 年 8 月までに 19 回実施。一般参加者の方と一緒にその分野の専門家の解説を聞きながら現場を訪れ たり、専門家と直接対話をすることで、さまざまな角度から“里川”についての理解を深める機会を提供 して参ります。 わくわく・すいすい「水辺探検」 鶴見川の洪水対策 タイトル 内容 第1回 府中用水ワークショップ 都市型用水路、使いながら守るには 第2回 里川づくりワークショップ 非常時における川の利用について考える 第3回 小水力発電 小水力発電の現場とこれから 第4回 『春の小川』の流れをめぐるフィールドワーク 渋谷川から考える、これからの都市河川再生 第5回 二ヶ領用水フィールドワーク 都市河川の、環境用水としての保全事例を歩く 第6回 龍と亀 日本の治水術と中国の治水史 中国の治水史・日本の治水術から、日本の川再生 の知恵を探る 第7回 楽しみながら学ぶ『水の防災プログラム』を作 るためのワークショップ 地域の水問題を探り、子供向け防災プログラムに 落とし込む技を学ぶ 第8回 浦安市の災難と上下水道 液状化の被災地浦安から学ぶ、ライフライン上下 水道の重要性 第9回 水の郷・日野を歩く〜都市河川の再生を考える 〜 民間学が連携した、新たな都市農業を探りながら のまちづくりを学ぶ 第 10 回 船で行く荒川〜人工水路と暮らしの接点〜 防災・環境面での荒川の役割と、流域の暮らしと の接点を探る 第 11 回 野川を歩く〜都市河川の再生を考える〜 一度は再生し、水か枯れという新たな問題を抱え る野川の現況 第 12 回 演習林で学ぶ<森と水> 演習林で、水源涵養林作りに必要な要素と森林の 現状を学ぶ 第 13 回 野草探しから草木染め&ガサガサ体験 親子で草木染め&ガサガサ体験を通じ、身近な水 辺への関心を醸成する はじめの一歩 29 第 14 回 大久保長安〜八王子の治水とまちづくり〜 八王子の治水とまちづくりに功績をのこした、大 久保長安の足跡を掘り起こす 第 15 回 拡がる雨水利用 雨水を貴重な水資源と考え、墨田区の取り組みを 学ぶ 第 16 回 木版画の魅力と和紙を知ろう 木版画と和紙産地の新たな取り組みについて学 ぶ 第 17 回 鶴見川の洪水対策 ~都市河川の治水施設を考 える~ 市街化の進んだ鶴見川流域で、洪水を食い止め安 全な暮らしを守るための工夫を学ぶ 第 18 回 水のおはなし会 物語~ 水を題材にした絵本の読み聞かせを通じて、楽し みながら身近な水について考える 第 19 回 わくわく・すいすい「水辺探検」 ~河童の伝説とめぐる水の 主に小学生高学年を対象にしたクルージング& ワークショック(T シャツ作成)のプログラム <山林の育成> ミツカングループの(株)なかのフォレストは、高知県 本山地区を中心にグループが 40 年ほど前から保有する 山林の育成事業を担い、現在ではおよそ 850ha(東京ド ーム約 180 個分)を維持・管理し、CO2 の吸収や下流域 の環境保全に貢献しています。 <自然の恵みの保全と活用> 自然との調和と共生を目的に、兵庫県三木市吉川町にビオトー プを開設しています。この総面積は、工場を含め約 23 万㎡(約 6 万 9 千坪)で、ビオトープの広さだけでも約 12 万㎡(約 3 万 5 千坪) 、甲子園球場の約 3 個ほどの広さがあります。この ビオトープの役割は、 大切な自然環境の保全はもちろんのこと、 生態系のバランスを保つことで、隣接した食品工場の安全で清 潔な製造環境を維持・管理することにも貢献しています。 ビオトープ航空写真 ビオトープの構成は、里山、棚田跡、畑、新池、ため池、湿地からなり、一歩足を踏み入れると身近に多 様な植物が茂り、それを求めて虫や鳥が集まる自然を生かした場所となっています。 ここでは地元の方々を中心に、自然が大好きなボランティアの人々やミツカン社員らによって「ミツカン よかわビオトープ倶楽部」を結成し、三木市や「兵庫県立人と自然の博物館」の協力を得ながら、美しい 自然を守りつつも、自然と触れ合う活動を楽しく行っています。 2003 年より自然環境調査を毎年実施しており、2015 年 2 月までの 12 年間の調査における総確認数は、植 30 物:381 種、魚類:5 種、両生類:6 種、水生無脊椎動物:132 種、陸上昆虫:456 種類と、生物多様性が 高いことがわかっています。 これまでの調査により、環境省や兵庫県が絶滅危惧種に指定しているたくさんの珍しい生きものが確認さ れています。植物では、ミクリやミズオオバコ、コウホネなどです。昆虫類ではオオキトンボやコオイム シ、魚類ではメダカ、ドジョウそして両生類ではトノサマガエル、シュレーゲルアオガエルなどが見つか っています。これらの種は、水辺やその周辺の環境で生活している生きものたちです。湿地ビオトープや ため池ビオトープが、生きものの多様性を守るために重要な場所になっていることがうかがえます。 春の里山散策 ミクリ メダカ シュレーゲルアオガエル <招鶴亭文庫®> 一般財団法人招鶴亭文庫®の講演会・ミニ企画展に協賛 Mizkan Holdings は、一般財団法人招鶴亭文庫®の講演会・ミニ企画展《半田文化史玉手箱 「醸しの半島、 知多 特別編 醸し 旨し 話し」 (・開催日:平成 26 年 10 月 26 日(日) ・場所:半田市福祉文化会館 雁宿ホール 講堂) 》に協賛しました。定員 200 名のところ、応募者多数につき、午前の部も追加開催さ れました。当日は、320 名余りの参加者があり、このイベントにあわせて発行された機関誌も参加者に配 布されました。 31 一般財団法人招鶴亭文庫®とは ミツカングループの創業家である中埜家には、食酢醸造業その他事業(酒造業・銀行業・酪農業など)に関 わる帳簿や書状、地域のなりたちや暮らしぶりがわかる記録など多数の文書が残されておりました。招鶴 亭文庫®は、平成 20 年 1 月に設立され(平成 25 年 10 月より一般財団法人へ移行)、中埜家文書の寄贈を 受けることに加え、継続的に広く資料を収集・保存、調査・研究を深め、江戸時代以降の半田を含む知多 半島地域の学術文化の更なる向上、発展に寄与することを目的に活動しています。これらの研究成果は、 企画展や機関誌の発行を通して地域の皆様に紹介されています。 <事業所での取り組み> 防災訓練 全国各支部において防災訓練を実施しました。ミツカングループでは、携帯電話やパソコンから社員や家 族の安否を確認する専用サイトを設けており、合わせて、この入力操作の訓練も行いました。 使用済み古切手 本社を中心に全国の事業所の協力で、使用済み古切手を集め、半田法人会経由で中部善意銀行と(財)ジョイ セフに寄贈しました。 <環境コミュニケーション> 1999 年度から環境活動の成果と課題について、社内資料としてレポートを発行してきました。2002 年度版よりホームページに掲載し、環境活動を広くお客様にもご報告し、ご理解・ご協力を頂いてま いりました。本年度につきましてもホームページで公表致しました。 32
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