WHO says H1N1 pandemic is over CIDRAP O、A/H1N1 パンデミックは去ったと判断 (ミネソタ大学感染症情報センター) WH 2010/8/11 WHO事務局長は10日(ジュネーブ時間)、A/H1N1 パンデミックは終息し、世界のインフ ルエンザ流行状況は季節性インフルエンザの特性に変わり、多くの人々が A/H1N1 ウイルスに 免疫を保有したと発表した。 「世界はもはやフェーズ6の状況にはなく、パンデミック後期間(post-pandemic period)に移 った。ウイルスは世界中で広く感染活動を示したが、既に活動力は弱まった」、と香港からの電 話記者会見で語った。 しかし女史は、ウイルスは消え去ったわけではなく、継続的監視が必要である、と語り、 A/H1N1 ウイルスは今後数年間は季節性インフルエンザとして感染を繰り返すだろうと説明し た。 WHOの緊急委員会は本日早くに開催され、WHOがパンデミック後期間に移った(パンデミ ックは終息)ことを宣言すべきと答申した。チャン事務局長はその様に説明している。 この終息宣言は2009年6月にパンデミック宣言が行われてから、丁度14ヶ月後になされ た。また米国CDCが公衆衛生上の警戒態勢を打ち切った6月23日から1ヶ月半後の宣言とな った。 多くの人々はWHOの判断が数ヶ月前になされると予想した。しかし6月と7月に開催された 緊急委員会が、南半球での A/H1N1 発生状況を見極める必要があると判断した。 最近、警戒すべき A/H1N1 の流行がインド、ニュージーランド、および他の2,3地域で起 きている。 インドでは先週942人の感染者が確認されている。 しかし最近の世界における流行状況は、典型的季節性インフルエンザの発生様式に近くなって いる、とチャン事務局長は説明している。 「世界的にみて、A/H1N1 ウイルスの感染パターンと感染力のレベルは、これまでのパンデミ ック期間に観察されたそれらとは明らかに異なっている。インフルエンザシーズン以外での発生 は、北半球と南半球では見られなくなった。現在、A/H1N1 ウイルスを含めて、インフルエンザ の発生程度は、例年のシーズン中に発生する流行程度となっている」 。 「パンデミックの間、A/H1N1 ウイルスは他のインフルエンザウイルスの感染活動を抑えたが、 現在はそのようなことはなく、多くの国でウイルスは混在して感染活動を広げている。例年のイ ンフルエンザシーズンと似た状況である」 。 さらにチャン事務局長は次のようにも説明した。 「いくつかの地域では人口の20~40%が感染により免疫を獲得している。さらに多くの国 では効果的にワクチン接種が行われ(特にハイリスク・グループ) 、さらに集団免疫の獲得率が 上がっている」 。 1 WHOのパンデミック終息宣言は、米国における公衆衛生対策上、何ら大きなインパクトはも たないだろう、とCDCは本日コメントし、米国における公衆衛生上の警戒態勢は6月23日に 解かれていると付け加えている。 「今季のインフルエンザシーズンに対するCDCの勧奨内容には特に変化はない。米国は既に 2009H1N1 インフルエンザを季節性インフルエンザとして理解して対策を考慮している」 今季の季節性インフルエンザワクチンには、A/H1N1、H3N2 およびB型が含まれている、と も説明された。 チャン事務局長は記者からの質問に以下のように答えている。 「自分は疲れたが、同時に安堵感も抱いている。なぜなら。この1年間はかなりきつい仕事に なっていたからだ。それはWHOのスタッフだけでなく、世界中の公衆衛生担当者も含めての話 である。我々は今後も警戒を続ける必要があり、決して独断的に判断することは許されない」。 今後の予想としてチャン事務局長は次のように語った。 「ウイルスは若い世代で重篤な症状を引きおこし続けると予想される。少なくとも、パンデミ ック後期間に入って直ちに発生する可能性がある。これまでハイリスク者として認識されてきた 層は、今後もリスクの高い対象として存在し続けると思われる。もちろん、そうした感染者の数 が減少することを期待しているが」 。 また女史は、パンデミックの間に少数ではあるが、若い世代や基礎疾患のない健康人が感染し て重症肺炎を起こした事実は、通常の季節性インフルエンザで通常見られる事ではなく、その特 性が今後も続くのかは不明だと、話した。さらなる警戒は必要であると強調している。 チャン事務局長は、世界は本当に幸運だったと語っている。 「ウイルスはパンデミックの間、危険な変異は起こさなかったし、タミフル耐性株が広がるこ ともなかったし、製造されたワクチンは十分適合することが立証され、安全性も非常に高いこと が示された」。 WHOがパンデミックを煽ったとするいくつかの批判が、ヨーロッパを中心として起きている。 WHOが利益を求める製薬企業に不当に影響されたとの非難も起きている。 チャン事務局長は先に弁明したように、本日もWHOの対策を擁護したが、今回の流行で、コ ミュニケーションの取り方や柔軟性などについて色々と学んだと付け加えている。 新型インフルエンザのパンデミック終息を宣言=WHO事務局長 ロイター (日本語 版)2010/8/11 世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は10日、新型インフルエンザ(H 1N1型)のパンデミック(世界的大流行)は終息したと述べた。 2 同事務局長は香港からの電話会見で、 「現在は、ポスト・パンデミック期に移行している」と 述べ、H1N1型のインフルエンザ・ウイルスの広がりは「おおかた終了した」とした。 同事務局長はまた、新型インフルエンザの世界的な流行は、前年に危惧されたよりは格段に軽 微だったとの見方を示した。ただ、40年ぶりにパンデミックを引き起こしたH1N1型ウィル スは、今後何年にもわたり季節性のインフルエンザウィルスとして感染を引き起こす恐れがある として、医療関係者に引き続き警戒を呼びかけた。 また、H1N1型ウィルスは、抗インフルエンザ薬の「オセルタミビル」に対する耐性は全般 的に示しておらず、既に生産されている新型インフルエンザワクチンには治療効果があるとした。 WHOはこの日、世界各地のインフルエンザ専門家からの報告を聞いた上で、ポスト・パンデ ミック期への移行を宣言。WHOがポスト・パンデミック期に入ったとしたことで、各国政府は 感染に対する監視など警戒態勢を引き下げることができる。 H1N1型ウィルスによる感染が原因と確認された死者数は、世界でこれまで約1万8450 人。ただWHOは正確な死者数は、パンデミック終息後少なくとも1年経過しないと把握できな いとしている。 3
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