第 号 - 旭川医科大学学術成果リポジトリ

学 長
この度、第7代旭川医科大学学長に就任した吉田晃敏
です。私は、本学の第一期生として学び、その後は教員
として本学に仕え、トータルで3
4年間、旭川医科大学と
共に歩んで参りました。今回、母校の学長として迎えら
れた事を大変光栄に思っておりますが、同時に、本学を
取り巻く厳しい状況を考えますと、身が引き締まる思い
です。
大学という大きな組織の「舵取り」を任された私に、
いま課せられている喫緊の課題は、明確な「海図」を策
定して、進むべき方向性をクリアにする事だと思ってお
ります。現在、病院の各診療科・各中央部門、それぞれ
の部署に対し、現状の問題点や将来像について、病院長
を通じてヒアリングを実施中です。その結果をもとに、
執行部と共に、病院の将来あるべき姿、グランドデザイ
ンを策定いたします。このグランドデザインをベース
に、長期的な視点に立った病院経営を行い、職員が誇り
の持てる職場、そして地域住民が高い信頼を寄せる病院
へと、更なる飛躍を図りたいというのが私の願いです。
ここで、病院の経営状況について述べたいと思いま
す。確かに手術件数は年々伸びています。しかし病院収
入は、現場の医師、看護師、コメディカル、事務職員等
が努力しているにもかかわらず、ここ三年間は横ばいの
状態です。必要な医療機器の整備は遅れがちで、現場の
モチベーションも下がり続けています。
「どこまで頑張
ったら良いのか目標が見えない」
「将来が不安」
「人が足
りない」
「現場の声がトップに届いていない感じがする」
という意見が出る一方で、
「頑張ろうとする部署ほど忙
しくなってしまう」という声も聞かれます。この「悪循
環」を断ち切るには、あらゆる分野での思い切った改革
が必要です。
私の掲げる主な公約を示します。
①努力した部署にインセンティブを付与します
②最先端の医療機器の導入・整備を積極的に検討します
③後期研修医の獲得を目指します
④地域へ医師を派遣するための新政策を実行します
⑤医療の充実のため7:1の看護体制の早期実現を目
指します
⑥中央診療部を充実させます
⑦救急医療・ICUを充実させます
⑧医用画像情報管理システム(PACS)
・電子カルテを
早期に導入します
⑨基幹病院、診療所との棲み分け・連携を図ります
⑩入退院センターを設置します
⑪広報部門を充実させ、外部に対する診療各科の PR
を強化します
⑫医療費率を削減し、その減額分を本院改革のための
財源とします
平成1
8年度の病院収益を見てみますと、手術件数の伸
びなどのため、前年比1億4千7百万円の増加となって
います。しかし、手術件数が伸びたため材料費も増え、
加えて、臓器別診療体制への移行に伴うソフト変更作業
費や、病棟クラーク・外来受付の増員に伴う業務委託費
の増加など、各種負担増があわせて1億4千9百万円に
のぼり、病院収益の増額分を上回っております。
続いて、病院の状況を踏まえた大学全体の運営・収支
を見てみますと、平成1
8年度の大学全体の収支は、収入
が1
8
9億5千万円、支出が1
9
1億7千万円となっており、
差し引き2億2千万円の赤字で、繰越金で穴埋めせざる
を得ない状況となっています。この赤字解消の鍵を握る
のが、病院収益の向上です。
改善方策として、
『7:1看護体制』への早期移行、病
院未収金の回収強化、加えて材料費の削減や後発医薬品
の利用促進などに取り組み、財政状況の改善を図りま
す。成果をあげた部署には、インセンティブを与える事
も重要だと思っております。前述の通り、大学全体の財
政状況には、決して余裕はありませんが、だからこそ、
積極的な先行投資やインセンティブの導入が必要だとい
うのが私の考えです。例えば本年7月からは、看護師、
医療技術職員などのコメディカルの研修費を、大学が全
額負担する事を決め、既に実行に移しております。ま
た、遅れていたPETの導入もすでに決定しました。
今後、病院長ヒアリングの結果を踏まえ、各診療科、
中央診療部門等の要望を集約し、改革に向けて前向きに
検討していきます。病院長には一定金額までの裁量権を
持たせましたので、よりスピーディな結論が導き出せる
ものと期待しております。
改革の成否を左右するのは、活力です。活力ある旭川
医科大学病院をいかに創り上げていくか、その一点に力
を注ぐのが私に課せられた使命です。
そのためにもまず、日々汗を流す職員がその努力に見
合った評価を受ける、正当な人事評価システムの構築を
急いでおります。プロの第三者もまじえた公平な評価を
基に、インセンティブを与え、学内に広がる疲弊感の解
消を目指します。
“活力ある、躍動する旭川医科大学病院”の新生を目指
すならば、危機的な状況にある今こそが、一致団結して
改革に取り組む好機だと確信しております。
私は、自ら常に現場に立ち、現場をよく観察し、かつ、
強い志を持って決断していく“行動する学長”として、
共に汗を流す所存です。
新たな一歩を共に踏み出すためにも、皆様のご支援ご
協力を心よりお願い申し上げ、学長としての病院経営に
関する決意表明とさせて頂きます。
旭川医科大学病院長
吉田晃敏学長のご指名により平成1
9年7月1日付けで
旭川医大病院の第8代病院長に就任いたしました。病院
私自身、北大医学部卒業後の約7年間は病理医として
長の拝命は突然のことでありましたが、非常に光栄に存
過ごしました。その内の3年間は北大病院の病理部(当
じますとともに、医療の荒海に漕ぎ出す一艘の船に乗り
時は検査部)助手として過ごしました。この経験から、
込んだ気持ちです。船へのダメージを恐れて、入江に避
コ・メディカルの方々のご苦労・悩みなどは充分理解し
難したまま嵐の過ぎ去ることを待つことはもはや出来ま
ているつもりですし、病院におけるその重要性も充分認
せん。幸いにも私の乗った船は、前執行部の八竹直学長
識しております。まずはコ・メディカル分野の充実が急
と石川睦男病院長が築いた強固な船でありますし、乗員
務であると考えます。その一環として、吉田学長が「旭
として、この数年間必死になって病院の収入増に努力し
川医大病院に勤務する看護師、放射線技師、薬剤師など
てこられた優秀な職員の方々がおります。そして何にも
の医療技術職の学外研修費用の全額補助」を打ち出した
増して「旭川医科大学病院丸」には、全幅の信頼をおく
ことは、職員の皆様はすでにご存じの通りです。
ことの出来る吉田晃敏学長という舵取りがおります。吉
田学長の舵取りの下、職員の皆様のご協力を得て安心し
本院は、他大学病院より医療費率が高いといわれてい
て荒波に漕ぎ出したいと思っております。
ます。折角、医業収益を上げても、診療材料等の医業経
以下に、私が病院長として心がけたいことを挙げたい
費が高ければ、医業利益は低くなりますので、健全な病
と思います。
院運営を行うためには、医療費率の削減は急務です。
そのためには、パートナーである㈲ドゥーダと協働
「コンプライアンス」の本来の意味は、
「相手の願いや
で、医療材料物流及び価格分析調査を徹底して行い、医
期待に応える」ということです。病院における「相手」
療材料の購入価格削減に向かって努力したいと思いま
とは、①患者とその家族、②病院職員、③地域社会でし
す。
ょう。残念ながら旭川医大病院はまだまだ“徹底”して、
この件で一番重要なことは職員の皆様一人一人が医療
患者の願いや期待に応えようとする体制にはなっていな
費率削減を行うという強い意識を持つことです。ご協力
いと思います。私を含めて、全職員の意識の改善が必要
をお願いします。着任以来の2ヶ月で行った各部署のヒ
です。病院内で一番患者への対応が速く、又、感じの良
アリングにおいてそれぞれの部署から多くのご意見・ご
い場所はスターバックスだと言われているようではまだ
要望をいただきました。ヒアリングが形式的なヒアリン
まだだと思います。
グに終わらない様に頑張る所存です。
2番目の病院職員に対しては、すでにコンサルティン
米国第35代大統領のケネディが1
96
3年の一般教書の
グ契約を行っている㈱アイブレインから民間的経営手法
中で、
『困難な日は必ずしも暗いとは限らない。私たち
の提案をいただき、吉田学長がマニフェストの中に掲げ
は前を向いて歩いていたい。視線は後ろ向きではなく斜
ているように、まずは「頑張った部署に対してのインセ
め前方である。そのためには、
「希望を抱かせてくれる
ンティブの付与」を第一に考えます。それ以外にも「医
人」が必要なのだ。リーダーに必要なのは、決して「ス
療機器の導入・更新・整備」
、
「コ・メディカル分野の充
キル」でも「才能」でもない。
「活力」や「未来に対す
実」
、
「スタッフの増員と常勤化」
、
「救急医療・ICU の充
る」姿勢なのだ。つまり言い換えれば「明るさ」である』
実」
、
「病床の再編成」などに対して積極的な見直しを開
と、言っています。病院にとっては、当分の間、困難な
始し、早期に「グランドデザインとアクションプラン」
日々が続くことは間違いありません。しかしその中で、
を全職員に呈示し、病院運営を良い方向へ推進していこ
病院職員の皆様が「明るさを持って前向きに歩いて行く
うと思います。3番目の「地域社会」については、副学
ことの出来る、希望を抱かせてくれる病院」にしたいと
長として「医療担当」以外に「地域医療担当」の肩書き
思います。私には、病院長としての「スキル」も「才能」
が付きましたので、地域医療、特に、僻地医療について
もありません、しかし、
「活力」や「明るさ」には自信が
の解決策を考えて行きたいと思いますが、これは、我々
あります。
「旭川医科大学丸」を沈没させないために、病
だけで解決できる問題ではありません。国、道そして北
院職員である皆様方の絶大なるご協力をお願いいたしま
大、札幌医大との協力の下、未来に向けて何らかの方策
す。
を考えて行きたいと思います。
放射線科
本年7月1日付けで、松野病院長より、経営改善・
て正解かどうかはわからない。僕以上に適任のひと
病院改革担当の副病院長職を拝命した。
が沢山いる。
」と問うことが多い。それに対して、西
放射線医学講座教授兼放射線部長として旭川医科
部副部長は、
「しかし、引き受けた以上は当然頑張っ
大学に赴任したのは平成5年9月1日である。その
てもらわねばならない。
」と答える。今回の重責も、
後14年間、病院では、放射線科医師として専門の核
その繰り返しではないかと思っている。ともあれ、
医学診療に従事する傍ら、放射線部長として微力な
一旦拝命した以上は、精一杯努力したいと考えてい
がら陳旧化した放射線医療機器の更新に努めてき
る。
た。放射線部の充実が病院の発展につながるとの信
ここ数年、病院への PET 診療の早期導入しか考え
念のもとに、学長や病院長に対して、ひたすら放射
ていなかったが、副病院長を拝命して初めて、吉田
線機器の導入・更新を御願いすることが自分の主た
学長のマニフェストを熟読した。頑張った部署へイ
る仕事と考えていた。
ンセンティブを付与してもらうためにも、各部署ご
それが、今回の拝命以来、従来の仕事に加えて、
とにきちんとした実績のデータ作りが不可欠と考え
今回新たに病院長補佐とはいえ、全般的な立場から
る。また、医療機器の前向きな導入・整備には、既
病院を考えていかなければならなくなったわけであ
に導入された医療機器の過去数年間に亘る稼働実績
る。
を検証していくことも併せて必要であろう。
正直いって、副病院長拝命は僕にとって重荷であ
以上、先ず、放射線部長としての過去14年間の経
る。西部・放射線部副部長との雑談の折に、僕は口
験をもとに、それに関連したところから職務を果た
癖として、
「僕がその仕事を引き受けたのは、果たし
していきたい。
麻酔科
平成19年7月1日付けで、旭川医科大学病院副病
全を確立していくことは全職員の協力と意識向上が
院長(事故防止・安全問題担当)を拝命致しました。
重要なポイントとなります。医療事故防止目的に安
これまで病院の医療安全管理部にて医療事故防止対
全マニュアルを改訂しその充実を図ってきておりま
策や安全管理について発足時より関与して参りまし
すが、医療現場における医療安全マニュアルの徹底
たので、その延長線上での業務でありそれほどの違
を図るには日頃からの良好な医療従事者間のコミュ
和感はありませんが、責任の重大さを痛感致してお
ニュケーションが極めて重要です。つまり、事故防
ります。病院における医療安全を確立していくこと
止には、ふと浮かんだ疑問や相互確認に優る方策は
の重要性には異論がありませんが、安全のために取
ありません。医療安全対策は、臨床現場で起きる
り決めたマニュアルを実際の臨床現場にて遂行して
種々の問題が大きな事故になる前に、その解決策を
いくことは決して容易ではありません。特に、急性
個人に帰することなく、可能な限り病院のシステム
期病院として機能している大学病院にては、学生、
の改善にて対応していきたいと考えておりますので
研修職員に対する教育、研修に加えて、複雑・高度
職員の皆様のご協力のほど重ねてお願い申し上げま
化する医療の遂行と臨床現場の多忙の中で、医療安
す。
第一内科長 循環・呼吸・神経病態内科分野 教授
この度、第一内科を担当させていただくことにな
す。ただし時間をかける代りに延々お待たせする現
りました。創世記からお世話になった母校に恩返し
状は、まさにサービス不足と反省しています。今回
する機会に恵まれました事を心から嬉しく思いま
教授就任を機に、飽和状態で待ち時間の長い私の外
す。就任直後から外来主任科長、点滴センター長、
来患者さん達に、一度他の医師に診てもらうよう説
化学療法プロトコール委員長、さらに長年部員の安
明し納得してもらいました。私の見落しや欠点を発
全管理部では副部長昇任など瞬く間に「偉く」して
見してもらう目的にも適いますが、私の診療の良い
いただき、これ以上「偉く」なって勘違いするとい
所が、患者さんを介して教室員に伝わればとの勝手
けませんので、そろそろ「右から来た役職を左へ受
な願いもあります。
け流す」上手な方法はないものかと……。ともあれ
増加の一途の救急・時間外診療で、循環器、呼吸
皆様の期待の大きさを実感しつつ決意を新たにする
器、神経、腎の患者さんは当科が担当しています。
日々です。
生命に直結する分野を少ないスタッフで、しかも24
病棟医長時代の10年前、本誌に「サービスと命取
時間対応可能な体制を維持するのは容易ではありま
りの方程式」という拙文を寄稿しました。当時「♪
せん。使命感に燃えた教室員の努力が報われるよう
サ∼ビス悪けりゃ命取り∼」という CM が流行った
な環境改善をお願いしつつ「人と知識と技術をいき
のです。
「全職員がサービスを意識しなければ独法
いきと動かす」工夫を講じたいと思います。
化後の病院に未来は無い」
「受け手の心地よさを追求
患者さんへの教育とは裏腹に、私自身の運動不足
するのがサービスの本質」
との趣旨でした。先日
「こ
には益々拍車がかかっています。10年来エレベータ
の病院の方々は皆さん本当に親切で驚きます」との
ーを使わない信念で、9階病棟へも歩き続けていま
患者さんの感想を耳にして大変嬉しく誇りに思いま
すが、これが唯一の運動という寂しい状況は改めた
した。
「患者さんに心地よさを提供する医療」
そして
いと思います。まさに「患者さんへのサービスは、
「それを実感して誇りに思う医療」を目指したいも
自らの健康が基本」であると自戒します。
のです。
今後とも私達第一内科にご支援・ご指導をいただ
拙文中、当時の病院トイレの改善案として「ハン
きますよう心よりお願い申し上げて挨拶に代えさせ
カチの要らない」
「顔が洗える」
「無料常備の生理用
ていただきます。
品」などを挙げました。病院再開発でかなり改善さ
れた事は評価できると思います。
「普通それは無い」
と済ませるのは、面倒な作業や改革を避ける便法に
過ぎません。
「通常無い事は否定する」
姿勢がサービ
スを後退させます。当時なら注目されたはずの「全
国初の全面禁煙の大学病院」
「入院すれば禁煙できる
病院」で“攻めの差別化を図っては”との提案も虚
しく、結局「病院機能評価」という外圧で全面禁煙
に至る現状は寂しい限りです。
教室最多の講義を担当しつつ、学生教育では常に
「分かる講義」を心がけてきましたが、昨年度、学
生の授業評価で第一位の評価を得て素直に感激しま
した。診療でも常に「患者さんに届く説明」を心が
けてきました。
「全身を診させていただき全人的に
対応する」基本姿勢を教室員に徹底したいと思いま
緩和ケア診療室 専任医師
緩和ケアは以下のように定義され
ています。
世界保健機関(2002)によると“緩和ケアとは生
命を脅かす疾患を持つ患者と、その家族の QOL を
改善するアプローチである。それは、痛みやその他
の様々な問題、身体的、心理社会的、そしてスピリ
チュアルな問題を早期に認識し、適切に評価、治療
し、苦痛を予防・軽減することである。その「ケア」
はできるだけ早期から、望むべくは病気の診断時か
ら提供されるべきである”と定義しています。
アメリカ臨床腫瘍学会は“がんと診断されたその
日から、がんの病変そのものの治療とともに、がん
を抱えた患者の体験に対してもバランス良くアプロ
ーチが必要である。つまり「がんを治療もしくはコ
ントロールして最良の結果を生むこと」と「がんに
伴う苦痛を緩和すること」が並行して行われること
が必須である”と述べ、これを包括的がん医療と呼
び、これからのがん医療のあり方としています。
上記のように緩和ケアは、全人的医療の具現化を
担うとともに、特にがん医療を支えていく役割とし
て(がん以外の疾患も適応ですが)その必要性は世
界的情勢からも明白です。
わが国においても、がんの問題が
一医療分野に留まらず、国民の生活の基盤を揺るが
す社会的にも大きな問題であることを受けて、2006
年6月の通常国会でがん対策基本法が成立し、本年
4月から施行されています。今回画期的であったの
は、法案検討委員会に患者や家族側が参加し、その
意見が反映されたことですが、患者・家族が強く望
んだのが、緩和ケアの充実でした。がん医療のなか
で緩和ケアが整備され、提供されることは患者・家
族のニーズそのものと言えます。また、基本法の中
では医師など医療従事者の責務も明記されていま
す。つまり、患者・家族の要望としても、また法的
にも緩和ケアをきちんと提供していかなければいけ
ない状況になっています。
このような風(おそらく追い風)を受けて、われ
われ旭川医大病院緩和ケア部門としても、実際のケ
ア提供から教育・啓蒙事業まで体制を整えていると
ころです。本年5月からは、面談室を備えた「緩和
ケア診療室」が外来棟3階に開設され、専従看護師
も配属されました。これからも「風」をとらえ、ニ
ーズに沿いながらも軸のぶれない活動を目指してい
きます。
緩和ケア診療室 緩和ケア専従看護師
厚生労働省もがん拠点病院にはがん治療とともに
緩和ケアの整備の必要性を提示しており、わが国で
も緩和ケアの重要性が認識されつつあります。
5月から緩和ケア専従看護師としての活動を開始
する中で、たくさんの患者さまとそのご家族、そし
て患者さまを取り巻く医療スタッフ(医師・看護師
MSW)との出会いがありました。そこから多くのこ
とを学ぶ機会に恵まれ、多職種との協働によって成
立つ緩和ケアチーム員として活動出来ることに感謝
しています。
ここで、私が実際に行っている3つの活動内容を
ご紹介させて頂きます。1つは、緩和ケア外来での
活動です。月・水・金の緩和ケア外来診察に同席を
し、患者さまやご家族の方への対応を行っていま
す。リンパ浮腫の患者さまには、アロマオイルによ
るマッサージなど直接的なケアも行っています。2
つめは、病棟医師からの依頼によるチームとしての
コンサルテーション活動です。内容は院内に掲示し
ているポスターにも示している通り、①疼痛コント
ロール②身体症状に対するケア③精神面へのサポー
ト④社会資源の活用・在宅コーディネート⑤看取り
⑥告知・ギアチェンジコーディネート⑦家族ケア⑧
緩和ケア院内啓発⑨緩和ケアに携わる看護師の相談
窓口となっています。最後の3つめの関わりは、緩
和ケア専従看護師としての単独活動です。これは、
医師からの依頼ではなく看護師からの依頼により、
介入内容を相談させて頂いています。具体例として
は、口腔ケアやマッサージ、定期的な面談などがあ
げられます。
今後とも、多職種の皆様との協働により、患者さ
まやご家族へより良いケアが提供出来るよう努力し
ていきたいと存じます。ご指導のほどよろしくお願
い致します。
診療…………… 診療行為に関する満足度
説明…………… 治療方針に関する説明度
退院指導……… 退院後の注意点に対する説明度
質問…………… 症状や治療の疑問点に対する見聞度
応対…………… 応対(言葉遣い、態度等)に対する満足度
看護…………… 看護等に対する満足度
説明…………… 入院生活・計画等に対する説明度
退院指導……… 退院後の注意点に対する説明度
質問…………… 医師の治療説明時の疑問点に対する見聞度
確認…………… 名前確認に対する安全度
応対…………… 応対(言葉遣い、態度等)に対する満足度
非常に満足
満足
どちらともいえない
不満
非常に不満
満足として集計
非常に満足
満足
どちらともいえない
不満
非常に不満
平成17年度
平成18年度
平成18年度
回答数 医 師 回答数 医 師
満足度
満足度 診 療 説 明 退院指導 質 問 応 対
第一内科
49
9
79
.
30
993
.
10
00
.
10
00
.
966
.
10
00
.
1
0
00
.
第二内科
17 10
00
.
19 10
00
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
1
0
00
.
第三内科
32
9
94
.
44
980
.
10
00
.
10
00
.
975
.
9
76
.
9
50
.
精神科神経科
3 10
00
.
46
973
.
956
.
955
.
977
.
10
00
.
9
77
.
小 児 科
19
9
79
.
20
990
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
9
50
.
1
0
00
.
第一外科
47
9
79
.
46
991
.
978
.
10
00
.
10
00
.
9
78
.
1
0
00
.
第二外科
13 10
00
.
23
990
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
9
52
.
整形外科
19 10
00
.
23
982
.
957
.
10
00
.
952
.
10
00
.
1
0
00
.
皮 膚 科
24
9
90
.
18
988
.
10
00
.
10
00
.
941
.
10
00
.
1
0
00
.
泌尿器科
25 10
00
.
35
987
.
10
00
.
10
00
.
935
.
10
00
.
1
0
00
.
眼
科
93
9
95
.
57
992
.
10
00
.
10
00
.
981
.
10
00
.
9
81
.
耳鼻咽喉科
28
9
84
.
30
965
.
10
00
.
10
00
.
929
.
9
67
.
9
31
.
産科婦人科
55
9
62
.
70
971
.
971
.
971
.
956
.
9
86
.
9
71
.
放射線科
6 10
00
.
11 10
00
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
1
0
00
.
麻酔科蘇生科
0
00
.
0
00
.
00
.
00
.
00
.
00
.
00
.
脳神経外科
15 10
00
.
18 10
00
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
1
0
00
.
歯科口腔外科
19
9
89
.
9
911
.
10
00
.
889
.
889
.
8
89
.
8
89
.
計
46
4
9
87
.
49
9
983
.
988
.
990
.
970
.
9
88
.
9
79
.
※回答数は、診療科が確認できた件数です。
診 療 科
平成1
7年度
看護師
看護師
回答数 満足度 回答数 満足度
4階西病棟
2
8 9
35
.
2
7 9
26
.
4階東病棟
1
8 9
63
.
3
2 9
46
.
5階西病棟
2
4 9
54
.
2
3 9
85
.
5階東病棟
5
4 9
84
.
6
8 9
69
.
6階西病棟
2
1 9
71
.
2
8 9
85
.
6階東病棟
1
3 1
0
00
.
2
5 9
83
.
7階西病棟
3
5 9
59
.
3
5 9
94
.
7階東病棟
1
8 1
0
00
.
2
3 9
91
.
8階西病棟
1
8 9
58
.
1
8 9
80
.
8階東病棟
8
0 9
85
.
4
7 9
86
.
9階西病棟
4
0 9
91
.
1
8 1
0
00
.
9階東病棟
4
2 9
67
.
3
0 1
0
00
.
10階西病棟
5 1
0
00
.
4
3 9
59
.
10階東病棟
2
8 1
0
00
.
3
3 9
73
.
計
4
2
4 9
75
.
4
5
0 9
74
.
※回答数は、病棟が確認できた件数です。
病 棟
看 護
8
89
.
9
68
.
1
0
00
.
9
70
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
44
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
68
.
9
80
.
平成1
8年度
内 訳
説 明 退院指導 質 問
8
52
.
8
89
.
9
63
.
9
03
.
9
35
.
9
68
.
1
0
00
.
9
52
.
9
57
.
9
54
.
9
52
.
9
69
.
9
57
.
9
55
. 1
0
00
.
1
0
00
. 1
0
00
. 1
0
00
.
1
0
00
. 1
0
00
. 1
0
00
.
1
0
00
.
9
44
. 1
0
00
.
1
0
00
.
9
38
. 1
0
00
.
1
0
00
. 1
0
00
.
9
73
.
1
0
00
. 1
0
00
. 1
0
00
.
1
0
00
. 1
0
00
. 1
0
00
.
9
47
.
9
44
.
9
19
.
1
0
00
.
9
66
.
9
67
.
9
68
.
9
61
.
9
75
.
入院時期……… 入院時期の希望受入れ
入院決定……… 入院決定における準備期間の確保
入院時間……… 入院時間帯の希望受入れ
退院時期……… 退院時期の満足度
入院生活……… 入院生活の快適性
プライバシー… プライバシーの配慮
非常に満足
満足
どちらともいえない
不満
非常に不満
平成17年度
診 療 科
回答数
満足度
回答数
満足度
第一内科
49
945
.
30
990
.
第二内科
17
926
.
19
967
.
第三内科
32
961
.
44
914
.
精神科神経科
3 10
00
.
46
943
.
小 児 科
19
960
.
20
886
.
第一外科
47
966
.
46
960
.
第二外科
13
975
.
23
985
.
整形外科
19 10
00
.
23
987
.
皮 膚 科
24
975
.
18
985
.
泌尿器科
25
964
.
35
973
.
眼
科
93
977
.
57
977
.
耳鼻咽喉科
28
944
.
30
962
.
産科婦人科
55
957
.
70
960
.
放射線科
6 10
00
.
11 10
00
.
麻酔科蘇生科
0
00
.
2
750
.
脳神経外科
15 10
00
.
18
950
.
歯科口腔外科
19
974
.
9
972
.
計
4
64
964
.
50
1
960
.
※回答数は、診療科が確認できた件数です。
非常に満足
満足
どちらともいえない
不満
非常に不満
満足として集計
平成18年度
内 訳
入院時期 入院決定 入院時間 退院時期
10
00
.
10
00
.
10
00
.
9
62
.
10
00
.
933
.
10
00
.
9
33
.
912
.
912
.
914
.
9
19
.
972
.
941
.
943
.
9
17
.
833
.
824
.
944
.
9
44
.
921
.
973
.
974
.
9
73
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
9
41
.
947
.
10
00
.
10
00
.
1
0
00
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
9
41
.
929
.
963
.
10
00
.
1
0
00
.
955
.
10
00
.
10
00
.
9
53
.
10
00
.
923
.
926
.
1
0
00
.
984
.
966
.
935
.
9
54
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
1
0
00
.
10
00
.
10
00
.
10
00
.
00
.
10
00
.
933
.
10
00
.
8
67
.
10
00
.
10
00
.
889
.
1
0
00
.
961
.
960
.
966
.
9
55
.
平成1
7年度
病 棟
回答数
満足度
4 階 西 病 棟
2
8
9
29
.
4 階 東 病 棟
1
8
8
56
.
5 階 西 病 棟
2
4
9
57
.
5 階 東 病 棟
5
4
9
91
.
6 階 西 病 棟
2
1
1
0
00
.
6 階 東 病 棟
1
3
9
50
.
7 階 西 病 棟
3
5
1
0
00
.
7 階 東 病 棟
1
8
9
72
.
8 階 西 病 棟
1
8
1
0
00
.
8 階 東 病 棟
8
0
9
92
.
9 階 西 病 棟
4
0
9
61
.
9 階 東 病 棟
4
2
1
0
00
.
10 階 西 病 棟
5
1
0
00
.
10 階 東 病 棟
2
8
1
0
00
.
計
4
2
4
9
76
.
※回答数は、病棟が確認できた件数です。
満足として集計
確 認
1
0
00
.
9
68
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
47
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
68
.
9
93
.
応 対
9
63
.
9
33
.
1
0
00
.
9
70
.
1
0
00
.
9
50
.
9
66
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
46
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
44
.
9
68
.
9
70
.
満足として集計
平成1
8年度
回答数
2
7
3
2
2
3
6
8
2
8
2
5
3
5
2
3
1
8
4
7
1
8
3
0
4
3
3
3
4
5
0
満足度
8
89
.
9
68
.
1
0
00
.
9
62
.
9
78
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
72
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
80
.
8
82
.
9
67
.
9
66
.
内 訳
入院生活 プライバシー
8
89
.
8
89
.
9
35
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
55
.
9
70
.
1
0
00
.
9
57
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
44
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
1
0
00
.
9
60
.
8
68
.
8
95
.
9
33
.
1
0
00
.
9
60
.
9
73
.
[ 診療内容から見た入院期間 ]
H1
7 H18
項 目
満足度 満足度
非 常 に 短 い
33
.
35
.
や や 短 い
85
.
98
.
ちょうどよい
725
.
701
.
や や 長 い
109
.
110
.
非 常 に 長 い
47
.
55
.
[ 診療内容から見た診療料金 ]
H17 H18
項 目
満足度 満足度
高
い
52
.
42
.
や や 高 い
95
.
97
.
どちらともいえない
714
.
707
.
や や 安 い
76
.
106
.
安
い
62
.
48
.
[ 本院への再入院 ]
H1
7 H1
8
満足度 満足度
ぜひ入院したい
3
72
.
3
95
.
入 院 し た い
4
92
.
4
50
.
どちらともいえない
1
20
.
1
30
.
入院したくない
11
.
20
.
絶対入院しない
04
.
06
.
[ 入院費の支払方法 ]
H1
7 H18
満足度 満足度
現状のままでよい
768
.
758
.
クレジットカード利用
179
.
187
.
自動支払機利用
53
.
55
.
[ 入院費の支払い時期 ]
H17 H18
満足度 満足度
現状のままでよい
891
.
931
.
後日、郵送による支払い
109
.
69
.
[ 入院の時期 ]
[ 入院の時間帯 ]
H1
7 H1
8
H1
7 H1
8
項 目
満足度 満足度
満足度 満足度
現状のままでよい
5
79
.
5
34
.
現状のままでよい
5
30
.
5
34
.
土・日曜日も実施
4
21
.
4
66
.
午 後 も 実 施
4
70
.
4
66
.
※入院の時期及び時間帯については、改善が必要と思われる。
項 目
項 目
項 目
項 目
[ 本院への推薦 ]
H1
7 H1
8
満足度 満足度
ぜひ勧めたい
3
36
.
3
31
.
勧 め た い
4
73
.
4
67
.
どちらともいえない
1
78
.
1
82
.
勧めたくない
09
.
12
.
絶対勧めない
04
.
08
.
項 目
[ 入院生活に関する評価 ]
H1
7
H1
8
満足度 満足度
病 棟 の 設 備
9
77
.
9
78
.
病室内の設備
9
60
.
9
57
.
寝具及び病衣
9
54
.
9
36
.
食 事 の 内 容
9
49
.
9
33
.
病院内の掃除
9
61
.
9
70
.
病院内の売店等
9
38
.
9
34
.
項 目
4 階西ナースステーション 看護師長
小児総合診療センター・4階西病棟には、約30人
前後の子供たちが病気と闘いながら毎日を過ごして
います。そして、その子供たちを「支え・励ます、暖
かく頼もしい」9人のボランティアの方々が、一緒
に歌ったり、本を読んだり、遊んだり、一人一人に
合わせ創意工夫を凝らしながら、辛く退屈な毎日を
楽しい時に変えています。
今日はそんな毎日から創られる子供たちの作品
と、ボランティアさんの活躍を紹介します。
子供たちは、才能溢れる芸術家です。
お外に出られなくても、海に行けなくても、キラ
え、そして、一緒に楽しんでいます。
キラ光る太陽や雨に遊ぶカエル、そして大きなお魚
小児病棟には、ただ体の小さい患者がいるので
を海に泳がせながら共に遊ぶ自分達を病棟の壁一面
はなく、どんな環境にいても、日々成長発達する
に描きます。その色使いや構図、創造力と発想はピ
「未来」を持った子供たちがいます。治療がメイン
カソも顔負けです。ボランティアさんの笑顔と魔法
の病院生活においても、子供たちには、学び身につ
の言葉で子供たちは、遊び楽しみながら大作を作り
けなければならない約束事や社会性、規律がたく
上げます。そして、その作品の一部は2階受付の壁
さんあります。我慢だらけの毎日の中で子供たちは
に貼られ、病に向かい合う人々に力と安らぎを与え
「一人じゃないこと」「友達と協力すること」「やり遂
ています。
げること」「人を喜ばせること」から、多くの事を感
じ学びます。その経験は、入院という辛い思い出だ
けではなく、楽しい思い出として心に残ることで
しょう。ボランティアさんたちは、毎日日常の景色
や季節の風、そして笑顔を運んでくれます。そん
なボランティアさんに感謝しながら、私達小児科
病棟の看護師は、「命」の重みを感じ、守るべきも
の、やるべきことを考えながら、今日も元気に「笑
顔」で子供たちと向かい合います。
医大病院の職員の皆様、一度4階西病棟に来て、
さらに、従来「子供たちのために」と看護師が中心
見てください。
となって行ってきた「病棟行事」も、子供たちが自分
子供たちの笑顔と命あふれる作品は、きっとあな
たちのために、自分で作り、楽しむ「子供行事」へ
たに微笑を与えることでしょう。
と変わりつつあります。ボランティアさんと子供た
ちが中心となって、お母さん達と医療スタッフがサ
ポートする、アイディア満載の季節行事。
子供たちは一人一人が自分にできる事を、ベッド
の上やプレイルームで、自分達の感覚で「お雛様」や
「節分の鬼や豆」「こいのぼり」だって作ります。そし
て子供たちは、「私が」「僕が作ったんだよ」と胸を
張ります。そんな子供たちを私達医療者は、医療の
側面から、ボランティアは年の離れたお友達とし
て、御家族は教育や躾を含め相談し協力しながら支
り、血中コレステロールを低下させる薬剤であり、
従来の治療剤とは異なる作用機序を有する。小腸か
ら肝臓へのコレステロール取り込みの減少により、
肝臓中のコレステロール含量が低下する。それに伴
い、肝臓からの超低比重リポタンパク(VLDL)分
泌の低下や、血中 LDL コレステロール取り込みの増
脂質異常症とは、低比重リポタンパク(LDL)
、ト
加により、血中のコレステロールが低下する。ま
リグリセリド(TG)のうちいずれかが高値を示す、
た、陰イオン交換樹脂のような胆汁酸を吸着する薬
または、高比重リポタンパク(HDL)が低値を示す
剤とは異なり、胆汁酸の排出には影響を与えないた
疾患である。生体内のコレステロールには、肝臓で
め、胆汁酸中に含まれる脂溶性ビタミンや併用薬剤
合成される内因性コレステロールと、小腸から吸収
の吸収を阻害せず、グルクロン酸抱合で代謝され、
される外因性コレステロールとがある。また、外因
チトクローム P450の関与する代謝を受けない。
性として吸収されるコレステロールには、食事由来
本剤は腸管循環を繰り返し、長時間にわたり効果
のコレステロールと肝臓で作られ胆汁酸として腸管
を発揮するため1日1回投与であり、陰イオン交換
に排泄される胆汁性コレステロールに分けられる。
樹脂に比べ、服用量も少なく小さな錠剤である。重
従来の治療剤の多くは肝臓でのコレステロールの
大な副作用として過敏症や横紋筋融解症、その他の
生合成及び分泌の過程に作用するものである。本剤
副作用としては、便秘や下痢、腹痛等の消化器系の
は、小腸壁細胞に存在するコレステロールトランス
症状等が報告されている。また、新たな機序の薬剤
ポーターに作用し、小腸における胆汁性及び食事性
ということもあり、未知の副作用発現にも十分注意
コレステロールの吸収を選択的に阻害することによ
が必要である。
(薬品情報室 梅津 典子)
筆者は平成14年7月に輸血部門に異動し、本稿執
筆を始めて丸5年になります。最近、松野病院長が
3)再生医療・細胞治療の援助として輸血部門内で
新任されたことに伴い病院長ヒアリングが行われま
幹細胞を採取するようになったこと、4)血液製剤
した。丁度4年前に石川前病院長就任の際にもヒア
の適正使用が推進されたこと、などがあげられま
リングが行われており、これまでの輸血部門の歩み
す。
を振り返るのに良い機会となりました。
グラフに血液製剤の使用量推移を示します。赤血
この5年間で変化のあった点は、1)輸血検査の
球製剤の使用量は救急部の活動が本格化してから増
安全確保の面からパートの臨床検査技師が増員され
加し続けています。ところが、血漿製剤は赤血球製
たこと、2)病院再開発に伴う自己血採血室の設置
剤の使用量増加に引きずられることなしに、数年前
に対して看護職員1名が専属で配置されたこと、
に年間約7000∼8000単位使用していたものが現在
では5000単位程度に減ってきました。アルブミン
に関しても年々使用量は減少しつつあります。これ
らの推移は血液製剤が適切に使われるようになった
証拠です。適切に使うことで血液製剤国内需給体制
の維持や病院収支の改善が計れます。今後もより一
層の適正使用をお願いします。
(臨床検査・輸血部副部長 輸血・細胞療法部門 紀野修一)
採血室での患者さんの案内、小児科病棟での患児と
のふれあい、精神科神経科病棟での陶芸教室、病院
活動する際には本院所定のユニフォームを着用し
ライブラリーでの案内等となっております。
ていただいております。平成11年のスタート時から
エプロンでしたが、本年6月から、どこからでも、
本院では平成11年度からボランティア活動員の受
誰でもわかるように、ベストタイプ(写真:色は赤、
け入れを開始し、当初8名でスタートしました。
青、ラベンダーの三色)に変更しました。
“より洗練
平成18年5月18日付けの北海道新聞『ライフ』欄
され”
“よりアクティブ”になったかなと自己満足し
において、
“旭川市内の病院ボランティア”の特集が
ております。
組まれ、記事の中に、
“減る新規希望者”
「応募も年
最後に、ボランティア活動員の皆様には“感謝”
間2−3件のところが多く、旭川赤十字病院は登録
“感謝”です。
(医療支援課 阪井)
者がピークの約3分の1に減少。旭川厚生病院も最
盛期の十人から三年前にはゼロに。道北病院も活動
しているのは一人というのが実情、ボランティア活
動員と病院との間で希望する内容にズレがありボラ
ンティアの希望者が減っている。
」と課題が提起され
ていました。
本院においては、お蔭様にてボランティア活動員
に登録される方が年々増えており、平成19年4月現
在で49名のボランティアの皆様に活動していただい
ております。
活動内容も多岐に渡っており、玄関ホールや中央
Fresh
Voice
早くも医師になって4か月が過ぎました。何もで
患者さんと出会っていくことと思いますが、いつま
きず、どう動いたらいいのかもわからないまま内科
でもこの気持ちは忘れずにいようと誓っています。
の研修が始まり、1か月ごとに研修先が変わって仕
現在大学病院の1年目の研修医は自分を含め2人
事に慣れるのに精一杯な毎日が続きましたが、振り
しかいないのですが、後輩たちに1人でも多く大学
返ってみると周りの先生方やスタッフの皆さんの優
に残ってもらえるようにアピールしていくことも自
しさに助けられながら日々何とかがんばれてきたよ
分たちの役割だと考えています。生き生きと働いて
うな気がします。8月からは消化器内科の研修が始
いる姿を臨床実習の学生にアピールできればと思っ
まり、たくさんの患者さんの把握と日々の業務に慣
ていますが…学生の目にはどう映っているんでしょ
れるのに追われていますが、内視鏡などの手技も身
うか。
に付けられればと意気込んでいます。
今後も各科をローテーションしていく中で、実り
これまで主治医として接してきた患者さんが笑顔
のある研修になるかどうかはやはり自分の努力次第
で退院していく姿を見ることができたときは医師に
だと思っています。まだまだ何もできない研修医で
なってよかったと感じる一方で、患者さんの死に立
すが、院内で出会ったときはよろしくご指導お願い
ち会ったときは自分に何ができたのだろうと無力さ
します。
を感じることもありました。これからもさまざまな
定員38名
8月27日現在
保育 0歳 1歳 2歳 3歳 4歳 5歳 6歳
形態 児
児
児
児
児
児
児
計
月極 0名 6名 5名 1名 2名 0名 0名 14名
一時 0名 0名 0名 0名 1名 1名 1名 3名
担当:総務課労務管理係
区 分
紹介率
初 診 再 診 外 来 患 者 数
人
人
人
人
%
%
入院患
前年度
稼働率
者延数
稼働率
人
人
%
%
日
4
月
15
, 60 256
, 48 272
, 08 13
, 604
.
701
.7
564
. 1 153
, 10
5103
.
847
.7
895
.4
168
.9
5
月
16
, 14 269
, 00 285
, 14 13
, 578
.
702
.4
542
. 8 157
, 73
5088
.
845
.2
856
.9
177
.8
6
月
16
, 22 260
, 86 277
, 08 13
, 194
.
703
.0
579
. 5 161
, 80
5393
.
895
.9
884
.2
168
.5
47
, 96 786
, 34 834
, 30 13
, 457
.
702
.4
562
. 1 472
, 63
5194
.
862
.7
878
.8
171
.6
47
, 96 786
, 34 834
, 30 13
, 457
.
702
.4
562
. 1 472
, 63
5194
.
862
.7
878
.8
171
.6
47
, 82 576
, 56 624
, 38 10
, 071
.
848
.6
516
. 8 468
, 29
5146
.
846
.8
851
.7
190
.9
計
累
計
同規模医科
大学平均
※ 稼働率は、承認病床数(602床)により算定している。
( 経営企画課 )
27 院内感染対策委員会による講演会開催
6/
「抗菌薬の適正使用について、MDRP感染症予防を考慮して」
(慶應義塾大学)
6/29 石川病院長 退任挨拶
7/26 参議院議員選挙 不在者投票
7/26 全国国立大学病院事務部長会議(東北・北海道地区)会議
揺れを感じたときは、生きた心地がしませんでし
編集会議のあった7月は、マグニチュード68
. 、震
じ、大学では薬品の倒れた実験室が火事になりまし
度6の新潟中越沖地震がありました。新潟では、3
た。下宿に帰ると物は倒れ放題です。私の友人のア
年前の震災に続いて甚大な被害が出ました。思え
パートはドアが閉まらなくなり、一晩中開けっ放し
ば、私も30年前にマグニチュード72
. 、震度5の宮城
でした。灯りの消えた夜が、こんなにも暗いものか
県沖地震を経験しています。大学時代を過した仙台
とつくづく感じました。3年前にも同規模の震災に
は、普段から震度3程度の地震はしょっちゅうあ
遭った新潟の復興を強く願うとともに、天災の少な
り、地震の少ない旭川育ちの私も完全に地震なれし
い旭川に住んでいることに感謝したいと思います。
た。アスファルト道路は波打ち、地割れや陥没が生
ていました。それが、今まで経験したことのない縦
(編集委員 薬剤部 小川 聡)