ラテン批評2 100円からのCD批評 マークポイ ント ● ●● ●●● ●●●● ●●●●● <6>キューバ ・Omara Portuondo [PENSAMIENTO] 480円 {TakeOff/1992年 発売 国内盤} 松 戸にて <7>アメリカ VOL.2 <評価> 安くても買って損した どうでも良い まあ、いいんじゃな∼い かなり満足できた 非常に満足、してやったり! いまや有名になったブエナビスタブームの立役者/ オマーラ・ポルトオンドが91年から92年にかけて吹 きこんだCD。丁度その前年、日本で開催された三菱 プレゼンツ『ノーチェ・トロピカーナ』という キューバ音楽レビューショーで、小生初めてこの人 を知った。その頃、ち∼とも話題にならなかったシ ンガーが今日あちこちで引っ張り廻されている。で あるから、今日のスター化、カリスマ的扱いには時 代の変化を感じて、何か奇妙で胡散臭いファッショ ン化現象を感じてしまう。 ……で、このCDは今のオマーラのCDとは180度違 うコンセプトの録音であって、たかだか10年も違わ ないのにあの変わり様は嫌味である。7曲目に入って いるブエナビスタでも評判になった曲[DOS GARDENIAS]のアレンジの違う事、驚くほどであ る。つまり、近作を聴いてみて感じたのだが、わざ と古臭く、センチメントを思いっきり込め、アレン ジも渋みばかり強調しているが、本当のオマーラは このCDで見せるようなリズムに乗って、情感をあま り表立って出さずとも素晴らしい歌い方が出来る人 なのだと考える(という事は、今のオマーラのスタ イルが好きな方はこのCDは外れでアル!)。 こ のCDでは表題曲や、名曲「黒い涙」「アレリのつぼ み」などのオマーラが本当なのだと思いたい! 満足 度/●●● (購入日 1999.5.30) 日本でも郷ひろみ;『ア∼チーチ、ア∼チチ』のお 陰もあって、一躍有名になったリッキー・マルティ ン。ジャケがチョイト傷ありとかで<踏んだり蹴っ たり値段>。他の中古盤コーナーでは、平気に1000 円以上の値札が付いてたよ∼。盤自体は、少し汚れ ててもサウンドへの影響なし。 TVでビデオクリップ観たけど、やっぱし郷君の数 倍カッコいいシンガーである。…で、中味はラジオ ミックスやスペイン語別バージョンとかで、数曲ダ ブって入ってるのよね∼最近のヒットCDのセコイと ころ(ところがファンには2度嬉しいという仕組み ラテン批評2 ・Ricky Martin [Ricky Martin] 100円 {1999年発売 輸 入盤} 柏にて <8>アメリカ ・Jon Secada [AMOR] 100円 {EMI/1999年発売 輸 入盤} 国立にて <9>ブラジル ・Jorge Mautner [BOMBA DE ESTRELAS] 480円 {1982年発売 再発 もの/日本盤} 柏 にて か?)。マドンナやメイヤとのデュエットはまあ可 も無く不可も無く、曲自体も素晴らしいっての少な い。結局、ルックスのカッコ良さと男前の勢いでブ レイクしたってのが判るラテン色男。 CD全体で やっぱり[LIVIN` LA VIDA LOCA]が一番。フリオ・ イグレシアスの昔からラテン男は、助平そうで男の フェロモンむんむんだから、こんなにまでヒットし てもどこかインチキ臭いシンガーなんだなーと良く 認識できる1枚。 満足度/●●● (購入日 2000.12.20) 少し前までかなり人気者だった(もし、今でもそ うだったらゴメン!)、マイアミ出身のジョン・セ カダ。ラテン歌手ならやっぱり「愛のバラード集」 が十八番という事で出したCD。『全篇甘∼い、甘∼ いラブバラードオンパレード、華麗なるストリング スをバックに切々と歌い上げます。バックもアメリ カの有名なミュージシャンを揃えてお届けします、 今宵貴方を愛と夢の世界へ…』。こういうのが判ら ないとラテンの世界には入門出来ない。実を言う小 生も、10代終わりにはNHK/FMのラテン番組にて、ホ セホセだのラファエルといったラテン歌手の曲目紹 介には辟易してフォルクローレ中心に聞いていた。 昔は爺イ趣味だな∼と感じていたが、オヤジになる と意外と好きになっちゃうのよ、この世界は…!? ファン・マルケスが全面的にサポートしていて、有 名な[ALMA CON ALMA]が出色 。 この人、ヒゲ跡が濃いのと顔が神経質っぽいから 我ら東洋人には、気色悪い青二才的に見えてしまう が、きっとセクシー度はラテンガールにアピールす るんだろう。 満足度/●●●● (購入日 2001.1.4) 原盤がリリースされた時点では日本では全く相手 にされなかった、ブラジル音楽のヘンチョコリン& トリッキーパンク&アバンギャルドコメディ(何 言ってるか判らないが、要は奇妙な音楽世界)アー ティスト;ジョルジ・マウチネルのCD。タイトルか らして変わってる。例えば、「成層圏の恋」「自転 車の恋」、アルバムタイトルである「星の爆弾」 「日本人のサンバ」ときたもんだ。この人は、小説 家でもあるらしく、レトリックの妙はかなりのもの だろう。 閑話休題∼ブラジルのポップスではよく日 本の事柄が歌詞に盛り込まれる事がある。よく出て くるのがジルベルト・ジルの曲やフェルナンダな ど、どういったポイントからこうなるのか何故か不 思議である。 共演者もカエターノ、モラレス・モ レイラ、ジルベルト・ジル、ペペウ・ゴメスって一 流どころがこぞって参加するなど、ミュージシャン 仲間でも一目置かれている特異な存在の様子が伺え る。しかし、サウンドはトリッキーな部分も多い が、一本バックボーンが通っていてブラジルポップ スらしくメロディラインもキレイである。 満足度/ ●● (購入日 2000.1.25) ラテン批評2 <10>ドミニカ ・Juan Luis Guerra [FOGARATE] 100 円 {BMG/1994年発 売 輸入盤} 国立 にて 91年「薔薇のバチャータ」のヒットで、日本でも 少しは注目されたファン・ルイス・ゲーラ。その後 は、あまり一般受けするようなヒットがなかったせ いか、我が国ではほとんど話題にならなくなってし まった。まあ、欧米中心の日本ヒットポップス界で は致し方ないが、ファッションとしてのラテン ミュージック&エスニック音楽紹介が音楽メディア の限界、せいぜいこんなもんだろう。だからこそ、 バッタ売りで面白い音楽と出会える機会もあるとポ ジティブに考えるのであった、チャンチャン! 彼のグループ440(クアトロ・クアレンタ)自体、 メレンゲ主体で攻める人かと思いきや結構多彩な音 楽性を持っており、このCDでもメレンゲから始まり バチャータ、サルサ、クンビア(というかズークか な?)、ボレロ、色んな引出しを持っている。これ を節操無いなどと批判をしているとこのミュージ シャンの面白さが味わえない。ひとつのスタイルの 追求よりも混在したルーツをうまく融合させ、新た な世界を作り上げる。それこそアーティストの腕の 見せ所というのがラテンアメリカ文化の大きさ。 それと個人的にこの人の声質が好きです。 満足度/ ●●● (購入日 2001.1.4)
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