二項定理 二項定理 (a + b)n = n C0 an +n C1 an−1 b +n C2 an−2 b2 + · · · +n Cr an−r br + · · · +n Cn bn n−r br を一般項, C を二項係数という. n Cr a n r 証明 (a + b)n = (a + b)(a + b)(a + b) · · · (a + b) (n 個の (a+b) の積) (a + b)n の展開式は,n 個のそれぞれのかっこから,a か b のどちらかを取って掛け合わせた積の 総和になる.展開式の一般項 an−r br の係数は,n 個の (a + b) から b を取る r 個を選ぶ組み合わせ の総数 n Cr である.したがって,展開式は一般項の r を 0 から n まで変えた積の総和である. Q.E.D. 多項定理 (a + b + c + · · · )n の展開式の一般項は, n! ap bq cr · · · · p!q!r! · · · · (p + q + r + · · · = n ; p, q, r, · · · = 0) 証明 (a + b + c + · · · )n の項は n 個のかっこのなかの p 個から a を,q 個から b を,r 個から c をとって 掛け合わせたものの和であるから,その係数は, n Cp · n−p Cq · n−p−q Cr ··· = n! (n − p)! n! · ··· = p!(n − p)! q!r! p!q!r! · · · (p + q + r + · · · = n) Q.E.D. 例題 1 8 (1) (2x2 + 3x ) の展開式における x7 の係数を求めよ. (2) (x − 2y + z)6 における x2 y 3 z の係数を求めよ. 解答 (1) 展開の一般式は 8 Cr (2x2 )8−r ( r = 3 のときだから (2) x2 y 3 z の項は 28−3 C 33 8 3 6! 2 2!3!1! = 1 r 28−r ) = r 8 Cr x16−3r ,ここで x7 の項は 16 − 3r = 7 すなわち 3x 3 1792 27 3 x (−2y) z = −480x2 y 3 z であるから求める係数は −480 である. 問題 1 8 ) の展開式における x4 の係数を求めよ. x (2) (x2 − 2x + 3)4 の展開式における x5 の係数を求めよ. (1) (x + 解答 (1) 展開における一般項は 8−r 1 r ( ) 8 Cr x x http://kiyosihp.web.fc2.com http://kiyosi38.blog.fc2.com. 1 =8 Cr x8−2r 2 二項定理 ゆえに,x4 の項は 8 − 2r = 4 より r = 2 で,その係数は 8×7 = 28 8 C2 = 1×2 ¤ (2) 展開における一般項は 4! 4! (x2 )p (−2x)q · 3r = (−2)q · 3r · x2p+q p!q!r! p!q!r! 2p + q = 5 , p + q + r = 4 , (p , q , r = 0) を満たす p,q ,r の組は (2, 1, 1),(1, 3, 0) の2組である から,x5 の係数は 4! 4! (−2) · 3 + (−2)3 = −104 2!1!1! 1!3! 注意 最後で係数を足しているのは同類項をまとめているから. つまり,(x2 )2 と (−2x)1 の積と (x2 )1 と (−2x)3 の積から x5 が出てくるので x5 の係数はそれらの 和になる. ¤
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