円すいの切断面、だ円・放物線・双曲線となることの証明 直円すいを平面で切断したときの切り口は 円すいの中心線と側線のなす角をa、 平面と中心線のなす角をbとすると i)a < b のとき、だ円 α β ii)a = b のとき、放物線 iii)a > b のとき、双曲線 となる。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 切断面の観察 α<βのとき α=βのとき α>βのとき これらの円すいと切断面の交差線が、だ円・放物線・双曲線であることを証明します。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 証明で利用する性質 ①「空間の 1 点Aから球へ接線を引いたとき 点Aから接点までの距離は接点の位置に かかわりなく同じである」 ②二次曲線の幾何的性質 Pを曲線上の任意の点、F,F’を焦点とすると 「だ円: PF+PF’が一定値」 「双曲線: PF-PF’が一定値」 「放物線: PF=PH(PHは準線への距離) 」 ①を利用して②を証明します。 Type-XH 3050527 1. α<βのとき、だ円であることの証明 円すいに内接し、切断面に接する2つの球C,C’を考えて、切断面と球の接点を それぞれF,F’とする。切断面と円すいの交差線上の任意の点をPとする。 「PF+PF’=(一定) 」を証明したら、交差線はだ円であるといえる。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 1)切断面と円すいに接する2つの球 C,C’を描く。球と切断面との交点を 2)線分PFおよびPF’を引く(図2) それぞれF,F’とする。 (図1) 図1 図2 3)円すいの頂点と点Pを通る直線が球C,球C’に接する接点をそれぞれA,Bとする。 PFおよびPAは点Pから球Cへの接点までの距離であるから、PF=PA 同様に PF’とPBは球C’への接点の距離であるから PF’=PB (図3、図4) よってPF+PF’=AP+PB=AB(一定)となり、点Pの描く曲線はだ円である。 図3 図4 Type-XH 3050527 2. α=βのとき、放物線となることの証明 1)円すいに内接し切断面に接する球を考え、切断面との 交点をFとする。交差線上の任意の位置に点Pをとり Pから球へ円すいの頂点を通るような接線PAを引く。 PAもPFも球への接線であるから、 PA=PF…① 2)球と円すいが接してできる図形(円)を通る平面を πとし、πと切断面の交差直線Lへ点Pから 垂線PBを引く。また点Pから平面πへ垂線PHを引く。 α=βであるから∠APH=∠BPH これらから △PAH≡△PBH よって PA=PB…② 3)①②からPF=PB が成り立つので 点Pは切断面上においてFを焦点、 直線Lを準線とする放物線上の点である。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * 3. α>βのとき、双曲線となることの証明 1)上方の円すいに内接しかつ切断面に接する球C1を考え、 切断面との接点をFとする。また下方の円すいに内接し 切断面に接する球C2を考えて接点をF’とする。 交差線上の任意の位置に点Pをとる。 2)円すいの頂点OとPを結ぶ直線を引く。この直線は 2つの球に接しており接点をA、Bとする。 PAもPFも球C1への接線であるから、 PA=PF…① また同様にPBもPF’も球C2への接線であるから PB=PF’…② 3)①②から|PF’-PF|=|PB-PA|=AB(一定) ゆえに点Pは切断面上において F、F’を焦点とする双曲線上の点である Type-XH 3050527 4.参考 円柱の平面による切断面はだ円となることの証明 図のように切断面に接し円柱に内接する2つの球を 考え、球と切断面の接点をF,F’とする。 切り口の曲線上の任意の点をPとすると PF+PF’=PA+PB=AB(一定) となる。点Pの描く曲線はだ円である。 以上 Type-XH 3050527
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