「商社との『次世代EDI標準化』 検討結果報告(with 9商社)」

第21回 CEDIフォーラム資料
「商社との『次世代EDI標準化』
検討結果報告(with 9商社)」
2013年5月28日(火)
CEDI小委員会
促進WG対商社TM
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目次
1.対商社TM紹介
2.商社とのEDI化の歴史
3.JPCA-BPとCeSの違いについて
4.合同検討会開催までの歩み
5.合同検討会の目的と開催内容
6.今回の検討結果
7.課題として残ったこと
8.合同検討会を終えての感想
9.今後の予定
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1.対商社TMの紹介
参加メンバー
(2012年度)
☆化学企業 (10社)
旭化成ケミカルズ㈱、宇部興産㈱、KHネオケム㈱、
JSR㈱、昭和電工㈱、住友化学㈱、日本触媒㈱、
日本ゼオン㈱、三井化学㈱、三菱化学㈱
☆パートナー企業 (2社)
㈱オージス総研、日本電気㈱
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2.商社とのEDI化の歴史
(1984-1996)
最初のBP(ビジネス・プロトコル)開発・普及活動
日本貿易会(商社業界団体)との連携による受発注EDIシステム
を開発 ※受発注JPCA-BP(CII標準を日本で最初に実用)
1992年から商社・化学会社間での実運用が始まった
(2002/7)
CEDI小委員会発足
Chem eStandards(CeS)の国内適用を目的に、CEDI小委員会
を発足し、実用化準備に入った。
(2009/9-)
商社とのEDI推進を目指して対商社チームを発足
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3.JPCA-BPとCeSの違いについて
Chem eStandards
JPCA-BP
管理団体
OAGi
石化協
利用開始時期
2004年
1992年
適用業務
受発注だけでなく
受発注・決済(契約~支払)
商談から決済までの広範囲
の業務をカバー
利用地域
グローバル
日本
使用可能メッセージ
72メッセージ
9メッセージ
データ構造
XML
CIIシンタックスルール
(JIS X7012)
通信方式
RNIF
全銀標準プロトコル
伝送単位
メッセージ転送
ファイル転送
適用回線
インターネット
公衆回線網、専用回線
特徴
化学品取引全般に利用でき 化学(売)、商社(買)の取引を
るように開発された
ターゲットに開発された
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4.合同検討会開催までの歩み
(2009)
商社との意見交換
現行JPCA-BPにおける化学会社の運用に差異がある。
(具体的に提示いただいた)
差異の実態調査(化学会社へのアンケート調査)
(2010-2011)
商社取引におけるCeS標準の策定を検討する活動
狙い)統一した運用ルールにすることで、横展開を容易にする。
「現状EDIにおける各社差異の検討を通じ、
CeS Usage Guidelines(UG)の変更要求を仕様書としてまとめる」
※UG: CeSを日本国内で利用する際の指針
化学メンバー中心に『運用ルール(案)』としてまとめた。
『運用ルール(案)』の完成度をあげるために商社へ合同検討を打診
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当初のUsage Guidelines見直しの方向性
(1)化学各社間の運用における差異を最小限にする。
(2)極力、対商社に限定した標準としない。
対需要家にも適用可能にする。
(3)極力、日本独自の標準としない。グローバル対応を可能に。
「現業が非効率にならない」運用ルールであること。
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5.合同検討会の目的と開催内容
1.目的
「利用各社間で差異のないCeS Usage Guidelinesの作成
(既存UGの改訂案の作成)」
2.開催内容
(1)参加メンバー
商社
:9社【伊藤忠商事㈱、稲畑産業㈱、住友商事㈱、
双日㈱、豊田通商㈱、長瀬産業㈱、丸紅㈱、
三井物産㈱、三菱商事㈱】
化学
:12社(対商社TMメンバー会社+2社)
パートナー :2社(対商社TMメンバー会社)
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5.合同検討会の目的と開催内容
(2)開催期間と検討テーマ
2012年7月~2013年4月の期間で9回開催
(検討テーマ)
・契約に関するルール(取引条件を交換しない)
・受発注に関するルール
・請求・支払に関するルール
・取引条件に関するルール
・各メッセージの項目に関するルール
・全般的課題「組織変更への対応策、運用ルール維持・管理策」
(3)実施内容
・「運用ルール(案)」をもとに各業務の取り決め事項を確定させた
・データセットする項目の必要有無を確認し、必要項目を追加した
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6.今回の検討結果(運用ルール)
できあがったルール
当初のCEDI想定では業務が回らない点もあり
商社の意見も聞きながら以下 商社・化学間EDIに向けた18個のルールができあがった
以下運用ルール抜粋
<契約> 5ルール
①取引条件の交換を必須とし、受注者側から送付する。受注者側のコードを利用する。
②納入先情報、単価情報を取引条件メッセージと分離し、納入先情報のみ、単価情報のみでの交換も認める
・
<受発注>7ルール
⑥新規注文にはOrderCreate、注文変更と注文取消にはOrderChangeを用いる。
⑦注文の変更や取消の処理は、注文番号をキーに行い、注文番号は1年間は重複させない。
⑧注文の変更や取り消しは、原則買い手からOrderChangeで行うが 受注者側修正も可能とする。修正ルールは各社担当者間で定める。
⑨買い手は注文単位毎に1件の注文データを売り手に送信する。
・
<請求・支払>4ルール
⑬出荷の単位で請求データを作成し、日次で送信する。
⑭訂正、価格遡及を行う場合は、赤黒方式にて行う。
・
<その他全般>2ルール
・
さらに
商習慣にあわせた必要項目を実装した。
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6.今回の検討結果(交換するメッセージ)
メッセージ・フロー
発注者
契約
発注
取引条件
CustomerSpecificCatalogUpdate
契約
注文(新規/変更)
OrderCreate/OrderChange
受注
注文確認
OrderResponse
検収、購買計上
出荷、売上計上
請求
Invoice
請求照合
支払
受注者
請求
請求確認
InvoiceResponse
支払明細
PaymentDetail
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回収・消し込み
6.今回の検討結果(基本業務フロー)
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6.今回の検討結果(新たに取り決めた「運用ルール」)
現行のCeS-UG(運用ルール)をもとに新たに取り決めた「運用ルール」
現行「運用ルール」
新「運用ルール」
①取引条件
取引条件は交換しない
(発注者のコードを使用)
取引条件の交換を必須とする
(受注者のコードを使用)
②注文変更
注文変更は発注者から行なう
注文変更は原則発注者だが、
状況により受注者からも行なうこ
とを可能とする
③オフライン運用
(EDIで注文を流すことができな
い状態でのオフライン運用)
ルール記載なし
(EDIで注文を流すことができな
い状態でのオフライン運用)
最低限守るべきルールを明確に
した
④項目追加
CeS UGの項目で実現
JPCA-BPベースで商習慣上必
要な項目をCeS UGに追加
「『現業が非効率にならない運用ルール』であること」が、変更の決め手となった。
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①取引条件(現行のCeS UG)
受注者
発注者
発注入力
発注
DB
Order Create/Change
(注文(変更・取消)データ)
注文確
認デー
タ取込
Order Response
(注文確認データ)
注文
チェッ
ク
EDI
注文
DB
受注入力
☆当初、CeS標準である発注からのEDIを構想
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①取引条件(何故必要としたか)
合同検討会での意見
発注者のコード体系ではエラーが頻発しそう。契約番号での
EDIの方が間違いが少ないのでは?
現場では契約番号をベースに業務を行っている。
取引条件が事前契約の位置づけであり、内部統制上、不可欠
になっている。
一括遡及など注文に紐つかない取引が、EDI対象外となるの
は困る。
☆20年間システムのみならず業務もJPCA-BPに則して運用
されていることを確認
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①取引条件(新「運用ルール」)
受注者
発注者
CustomerSpecific・・・
購買
契約
DB
(取引条件データ)
発注入力
注文確
認デー
タ取込
契約入力
☆取引条件をデータ交換し、受注者の
コードを使用する。
変換
マスタ
発注
DB
販売
契約
DB
Order Create/Change
(注文(変更・取消)データ)
注文
チェッ
ク
EDI
注文
DB
Order Response
(注文確認データ)
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受注入力
②注文変更(新「運用ルール」)
(ルール)
注文の変更や取消しは、原則発注者からOrderChangeで行うが
受注者側修正も可能とする。修正ルールは各社担当者間で定める。
(このルールになった理由)
受注者理由・出荷までの時間がない場合や、分納(数量、納入日が変更)と
なる場合などで、受注者からの変更が必要となるケースがあること。
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②注文変更(化学から注文変更するケース1)
<受注者理由・出荷までの時間がない場合>
発注者(商社)
受注者(化学会社)
発注伝票
受注伝票
品名ABC 数量10
納期 4/20
品名ABC 数量10
納期 4/20
注文
修正
修正発注伝票
修正受注伝票
元発注伝票
品名ABC 数量10
納期 4/23
修正
品名ABC 数量10納期
4/23
品名ABC 数量10
納期 4/20
発注者システム
取り込み
注文変更
送信
送信
しない!
修正発注伝票
さらに修正
があった場合
品名ABC 数量10
納期 5/1
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注文変更送信
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②注文変更(化学から注文変更するケース2)
<分納(数量、納入日が変更)となる場合>
分納(数量、納入日が変更)となる場合は、下記のいずれかの方法でデータ交換を行なう。
ケース
ケース1
発注者側で修正
ケース2
受注者側で分割し注文確認送信
*注:発注者側で分割受信機能がある前提
*発注者側の再修正不可
ケース3
受注者側で1件は修正
分納される分は発注者が新規
発注者
方向
①新規 4/20 10kg
②修正 4/20 8㎏
③新規 4/22 2㎏
⇒
⇒
⇒
①新規 4/20 10kg
⇒
①新規 4/20 10kg
③新規 4/22 2㎏
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受注者
←
←
②-1 4/20 8kg
②-2 4/22 2kg
←
②4/20 8kg
⇒
⇒
②注文変更(化学から注文変更するケース2)
<分納(数量、納入日が変更)となる場合>(続き)
ケース2:受注者側で分割し注文確認送信
発注者(商社)
受注者(化学会社)
発注伝票
元受注伝票
品名ABC 数量10
納期 4/20
品名ABC 数量10
納期 4/20
注文
修正受注伝票
発注者側では分納された
データをそれぞれ別注文(明細)
として取り込みをしておくこと
*なお発注者側では
その後の修正送信はできない
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品名ABC 数量8
納期 4/20
注文確認
送信①
修正受注伝票
品名ABC 数量2
納期 4/22
注文確認
送信②
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③オフライン運用(新「運用ルール」)
(ルール)受発注の情報授受から、出荷まで時間的余裕がない場合は、オフライン
の運用を認めることとする。
短納期・受注側出荷締切・ネットワークやサーバー障害時にオフライン運用を行う場合、
受注者側では、直接システムへ入力する。 発注者側では、注文入力した後に
発注データを受注者側に送信しないことを原則とする。
発注者(商社)
手順① 電話・FAXなどで連絡
受注者(化学会社)
*契約成立を考えると従来のFAXやりとりが望ましい
受注伝票
手順③
オフラインで調整済のため
該当注文データをEDI送信しない
品名ABC 数量10
納期 4/20
手順②
EDIでなく直接システム
入力し出荷手配に
発注伝票
品名ABC 数量10
納期 4/20
*出荷後
出荷請求としては
データ接続される
発注者:後で発注伝票入力しても注文送信しない(2重発注となってしまう)
受注者:注文確認の返送はできない(紐づきがない)。出荷請求では反映される
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④項目追加
CeS UGをベースにメッセージ毎の項目を検討したが、
日本流商習慣では不足するものがあり、
それらをJPCA-BPベースで 必要有無をあわせ確認した結果、
現状のCeS UGに 36項目を追加した
<具体例としては・・・>
・口銭
・単価区分(仕切単価/末端単価)
・数量確定区分(メーカー出荷数量/先方検収数量)
・分納区分
・バックオーダー区分
・エラー理由、エラーコメント
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7.課題として残ったこと(1)
(1)契約成立については 各社合意と注意がいる
各社、EDI実施時の課題
①双方で合意したことを覚書などで定義をしておくことが必要
・検討会においては、受注者からの注文確認は、発注者側へのデータ到着をもって契約成立
ということで認識をあわせた。(電子契約法を意識)
・具体的には データと状況を明確にすること、合意の文書(覚書)にも記載をしておく
(例)
・受注者側で、社内システムに受注伝票を登録したら
・受注者側から注文確認データを送信したら
・発注者側で注文確認データを受信したら
・発注者側のユーザが注文確認データを確認したら
②ユーザ部門への周知徹底も必要
・大型連休などでシステム停止がある場合には、自社だけでなく取引先のシステム停止日を
ユーザに認識してもらうこと。
参考:電子契約法(平成13 年12 月施行)
インターネットなどの電子的な方法を用いて契約承諾の通知を発する場合には、契約の成立時期をそ
れまで民法において規定していた発信主義(契約承諾の通知が発信された時点を契約の成立時点
とする考え方)から到達主義(承諾の通知が到達した時点を契約の成立時点とする考え方)に変更
された。
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7.課題として残ったこと(2)
(2)システム障害時の対応についても、障害が想定される箇所別に
ガイドラインを作成する
CeS UG 改訂に向けた検討課題
障害が想定される箇所
<
発注者
<
障
害
障
害
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障
害
>
基幹システム
障
害
受注者
B2Bシステム
B2Bシステム
基幹システム
障
害
障
害
>
障
害
8.合同検討会を終えての感想
協力頂いた商社メンバーの感想
(良かったこと)
・他商社や化学会社の仕組み、運用方法、考え方を知ることができた
・他商社や化学会社のIT担当者と面識を持つことができた
(意見)
・中小の化学会社や商社の意見を取り上げる機会を設けては・・・
・CeSの利用状況に関する情報をもっと発信して欲しい
世界的な動向を見て今後の取り組み方針を決定するために、
海外の状況についての具体的な情報の発信をお願いしたい
・さまざまな運用状況の商社、化学会社が使用する運用ルール、
決定に関しては曖昧さを取り除かなければいけないと感じた
・今までのEDIでは立ち行かなくなるポイントを明確にし、
その部分をどのようにするか議論した方が良いのでは・・・
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9.今後の予定
<2013年度テーマ>
1.合同検討会の検討結果のCeS UGへの反映
2.切り替えるための情報整理
(1)CeSに切り替える場合のEDIインフラ情報を整理する
(2)ASPを活用した場合の情報を整理する
(3)CeSへの移行の理由(メリット、避けられない理由 など)
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ご清聴ありがとうございました。
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