◎札幌市交通局 さよなら地下鉄東西線 6000 形 地下鉄東西線が開業した昭和 51 年から運行してきた 6000 形車両は、老朽化に伴い、平成 14 年から順次、新しい車両へ世代交代してきましたが、残る最後の 1 編成が平成 20 年 8 月 30 日の 運行をもって引退しました。 札幌市交通局では、多くの皆様に愛されてきた 6000 形車両の引退にあわせ、「キャンバストレ イン」及び「さよならセレモニー」を実施しました。 1 地下鉄東西線 6000 形車両 6000 形車両は、東西線の開通にあわせて製造された車両で、昭和 51 年 6 月の東西線開業当初 から運行を続け、現在の札幌市営地下鉄の中では、最も古い車両です。 車体前面上部に飾られた北海道の形を模したエンブレムや札幌市の名所である大通公園、旧赤 レンガ道庁、 時計台が描かれた内装など、地域色を強く意識したデザインがその特徴と言えます。 開業翌年の昭和 52 年には、こうした優れたデザインや先進的な性能が高く評価され、全国鉄道 友の会からローレル賞をいただいています。 東西線開業当初からの 32 年間の走行距離は約 275 万km、実に地球と月を 3 往復半した距離に 相当します。 【6000 形車両】 ● 車体構造/全溶接軽合金車体 ● 台車形式/案内軌条式 4 輪独立懸架方式 2 軸ボギー台車 ● タイヤ/14.00R16 ● 電気方式/直流 1,500V 架空単線式 ● 最高速度/70km/h ● 加速度/3.5km/h/s ● 減速度/4.0km/h/s(常用)4.8km/h/s(非常) ● 制御装置/回生ブレーキ付サイリスターチョッ パー制御装置(M2’車は回生ブレーキ付 VVVF イン バータ制御装置) ● ブレーキ装置/電磁直通液圧変換式(回生ブレー キ連動電気指令) ● 保安装置/ATC3 重系 ● 列車無線装置/直接結合式誘導無線装置 <諸元表> 2 車種 MC Tch2 T M M2’ Tch1 MC’ 定員(人) 116 126 126 126 134 126 116 (座席定員) (44) (50) (52) (52) (52) (52) (44) 自重(t) 25.5 23.2 23.5 23.5 27.3 23.5 25.3 高さ(mm) 4,055 3,915 4,065 3,915 4,065 4,065 3,915 長さ(mm) 18,000 18,000 18,000 18,000 18,000 18,000 18,000 車体幅(mm) 3,080 3,080 3,080 3,080 3,080 3,080 3,080 床面高さ(mm) 1,330 1,330 1,330 1,330 1,330 1,330 1,330 キャンバストレイン これまで 6000 形車両をご利用いただいた多く の皆様に感謝の意を込め、地下鉄東西線沿線の 子どもたちに、車両側面をキャンバスに見立て、 絵やイラストを書いていただきました。 子どもたちには、事前に、地域の特色や魅力 を紹介する図案を提出してもらい、これを基に、 札幌市立大学の学生たちがデザインし、子ども たちと学生たちが協同で色付け作業を行ってい ます。 「キャンバストレイン」の制作は、札幌市交 通局東車両基地において、子どもたちと学生 100 人あまりが参加し、平成 20 年 7 月 19 日から 7 月 21 日までの3日間にかけて行われました。 完成した「キャンバストレイン」は、7 月 23 日から引退日である 8 月 30 日まで営業運行し、 いよいよ運行最終日の「さよならセレモニー」 を迎えることとなります。 【キャンバストレイン制作の様子】 3 さよならセレモニー 平成 20 年 8 月 30 日、地下鉄東西線宮の沢駅におきまして、6000 形車両の「さよならセレモ ニー」を行いました。 「さよならセレモニー」には、6000 形車両の最後の勇姿を見ようと、約 500 人のお客様が宮 の沢駅に駆けつけまし た。 同日 10 時 51 分に、 6000 形車両が宮の沢 駅に入線すると、ホー ムは拍手に包まれ、鉄 道ファンが写真撮影を 行いました。 【6000 形車両のラストラン】 この日、最後の営業運行を担当した運転手と車掌に、「キャンバストレイン」に参加した地 元の小学生姉妹から花束が贈呈された後、10 時 58 分、ラストランに向け宮の沢駅を出発しま した。 32 年間にわたり“市民 の足”として走り続けた 6000 形車両は、多くの 人々に見送られながらそ の役目を終えました。 【運転手と車掌に花束を贈呈】
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