【血小板製剤の適正な保存について】

NO.
NO.7
2009.
2009.3
【血小板製剤
血小板製剤の
製剤の適正な
適正な保存について
保存について】
について】
Q 血小板製剤(PC)は、なぜ振盪保存しなければならないのか?
また、なぜ低温保存してはいけないのか?
いずれも血小板機能
いずれも血小板機能を
血小板機能を保持するためです
保持するためです。
するためです。保存状態に
保存状態に大きな影響
きな影響をあ
影響をあ
たえる因子
たえる因子は
因子は保存温度と
保存温度とpHです
pHです。
です。
血小板を振盪する理由
血小板振盪の目的は、①バッグ内の乳酸の拡散、②バッグ内の酸素交換の促進です。
血小板機能は
血小板機能は、細胞外p
細胞外pHに左右され
左右され、
され、酸性になると
酸性になると血小板機能
になると血小板機能が
血小板機能が低下します
低下します。
します。つまり、
つまり、血小板製剤を
血小板製剤を振盪しないと
振盪しないと、
しないと、バッグ内外
バッグ内外
のガス交換
ガス交換が
交換が有効に
有効に働かず、
かず、乳酸を
乳酸を産生させる
産生させる原因
させる原因である
原因である嫌気性解糖系
である嫌気性解糖系が
嫌気性解糖系が作動します
作動します。
します。その結果
その結果、
結果、血小板周囲の
血小板周囲の局所において
局所において
乳酸濃度が
乳酸濃度が高まり、
まり、局所的に
局所的にpHが
pHが低くなります。
なります。特にpH6.5
pH6.5―
6.5―6.8 以下になると
以下になると血小板
になると血小板の
血小板の円盤状から
円盤状から球体
から球体への
球体への形態変化
への形態変化が
形態変化が始まり、
まり、
6.5 以下になると
以下になると血小板中
になると血小板中の
血小板中のATP含有量
ATP含有量が
含有量が明らかに減少
らかに減少し
減少し viability も非常に
非常に低下するといわれています
低下するといわれています。
するといわれています。
血小板製剤の
血小板製剤のバックに
バックには、適当な
適当なガス透過性
ガス透過性があるので
振盪保存すること
炭酸との平衡反応
じた二
透過性があるので、
があるので、振盪保存
保存することにより
することにより乳酸
により乳酸と
乳酸と重炭酸との
との平衡反応により
平衡反応により生
により生じた二
酸化炭素が
酸化炭素がバッグ外
バッグ外に放出されやすくなり
放出されやすくなり、
されやすくなり、適切な
適切なpHを保つことができます
つことができます。
ます。よって、
よって、専用振盪
専用振盪器
振盪器にて 20~
20~24℃
24℃で保管することに
保管することに
より良好
より良好に
良好に血小板機能が
血小板機能が保たれます。
たれます。また、
また、血小板製剤には
血小板製剤には、
には、トランスフェリン(
トランスフェリン(血漿蛋白質)
血漿蛋白質)に結合していない
結合していない鉄
していない鉄があり、
があり、その鉄
その鉄
は表皮ブドウ
表皮ブドウ球菌
ブドウ球菌の
球菌の発育を
発育を促進させてしまうとの
促進させてしまうとの報告
させてしまうとの報告があります
報告があります。
があります。その鉄
その鉄を促進させる
促進させる要因
させる要因の
要因の1つがpH
つがpHで
pHで、酸性に
酸性に傾くと遊離鉄
くと遊離鉄が
遊離鉄が
増え、細菌増殖の
細菌増殖のリスクを
リスクを高めてしまいます。
めてしまいます。
したがって、
したがって、血小板製剤を
血小板製剤を振盪して
振盪して、pH
して、pHを
、pHを 6.5~
6.5~7.5 の至適範囲に
至適範囲に維持することが
維持することが重要
することが重要で
重要で、血小板製剤の
血小板製剤の質の保持だけではなく
保持だけではなく
感染防御にもつながると
感染防御にもつながると考
にもつながると考えられています。
えられています。
低温保存を避ける理由
血小板は
血小板は低温保存では
低温保存では凝集能
では凝集能は
凝集能は良好に
良好に保たれますが、
たれますが、血小板の
血小板の重要な
重要な構造体
構造体の一つである microtubules が解離し
解離し、そのため
正常な
正常な形態が
形態が保てなくなり、
なくなり、輸血後の
輸血後の血小板寿命や
血小板寿命や回収率の
回収率の低下が
低下が大きくなります。
きくなります。このような変化
このような変化が
変化が起こり始
こり始める温度域
める温度域は
温度域は、15
~18℃
18℃近辺であることが
近辺であることが示唆
であることが示唆されています
示唆されています。
されています。
血小板寿命は
血小板寿命は 22℃
22℃保存で
保存で 7.9 日、4℃保存では
保存では 1.0 日との報告
との報告があ
報告があります
があります。
ります。
文献 1)藤田浩:
藤田浩:最新輸血の
最新輸血のケアQ&A
ケアQ&A,
Q&A,照林社,
照林社,66,
66,2006
2)輸血情報NO
輸血情報NO.
NO.4「PCの
「PCの適正な
適正な保存法について
保存法について」
について」
3)輸血用血液製剤取り
輸血用血液製剤取り扱いマニュアル.
マニュアル.2008 年 9 月改訂版