業務用卸レポート家賃について１）家賃の目安飲食店にとっての家賃は食材の原価、人件費についで大きい経費であり、お店の状況に関わらず払い続けなければならないものである。また、開店前の工事期間にも家賃は発生する。飲食店の家賃は月間売上の 10％以内が理想だと言われている。例えば１ヶ月に 30 日間営業するならば３日分の売上が 10％となるので、３日分の売上で払える範囲を目安にする必要がある。適正な家賃の計算方法１ヶ月の売上を予想して適正な家賃を計算する。条件：１日の客数 100 人。客単価 1000 円。月間営業日数 20 日。 100 人（１日の客数） ×1000 円（客単価）＝ 10 万円（１日の売上） 10 万円（１日の売上） ×20（営業日数）＝ 200 万円（１ヶ月の売上） 200 万円（１ヶ月の売上） ×10％（理想）＝ 20 万円 ← 適正な家賃。２）家賃の相場家賃の金額は、その地域の１坪（ 3.3 平方メートル）当たりの相場に契約面積をかけたものを基準にして考える。ただし、家賃は立地や使い勝手などの物理的条件や、その地域の物件に対する需要と供給の関係によっても変動する。また、家賃のほかに共同スペースの管理費である共益費や看板を使用する場合の看板使用料がかかる場合もある。ショッピングセンターに出店した場合、歩合家賃の契約になる場合がある。歩合家賃とはお店の売上に契約した歩率を乗じて賃料を算定するものである。例えばショッピングセンターに 10 坪の惣菜店を出店した場合、歩率 15％で売上が月額 400 万円だとすると歩率賃料は 400 万 ×15％＝ 60 万円となる。この家賃を１坪当たりに換算すると６万円となる。少し高めだが交渉次第では厨房機器などを用意してもらえる場合も多く一概に高いとは言い切れない。３）保証金の償却物件契約時に支払う保証金に「償却 30％」と書いてある場合がある。「償却」とは貸店舗などの保証金のうち家主に返還されない部分のことを言う。保証金は基本的に期間満了と共に全額返却されるものだが、この文言があるとそのうちの 30％分は返却されない。よって、この返却されない金額も家賃と考えるべきである。例えば「保証金 1000 万円、償却 30％」という条件で５年契約を結んだとすると、 1000 万円の 30％である 300 万円は返却されない。これを５年間で支払う家賃の一部として考える。よって年間 60 万円、月５万円が家賃に加算される。４）物件関連にかかる主なお金・保証金債務の担保としてあらかじめ債権者に預けておく金銭。消費税はかからない。保証金は支払い時の金額は同じでも返却時は様々。退店した 10 年後から分割で返却という条件の場合もあるので注意が必要。・敷金不動産の貸借人（たいしゃくにん）が賃料の保障のために賃貸者（ちんたいしゃ）に預けておく金銭。例えば契約書に 10 ヶ月分の敷金を納めて、うち２ヶ月の減価償却とあった場合は、返却されるのは８ヶ月分。敷金はお店を閉めた後３～６ヶ月ほどで戻ってくる。・権利金借地、借家の場合に必要な場合がある。賃料とは別に賃料の何ヶ月分という計算で求められ、金額には幅がある。・仲介手数料不動産屋に払う手間賃。賃貸の場合、賃料の１ヶ月以内。消費税込みが基本となる。坪２万円の賃料で 20 坪の店舗ならば 40 万円が上限。１ヶ月以上は違法となる。複数の不動産屋が入っている場合でも同様。契約の際に入念なチェックが必要。・礼金家主に支払う金銭。値切りやすいもののひとつ。賃料の１ヶ月分が一般的。・共益金建物のメンテナンス料。商店街であれば商店街会費などが含まれる場合もある。・更新料契約更新時にかかる費用のこと。法律で定められているものではない。通常、賃料の１ヶ月～ 15 ヵ月分。５）物件取得の例「坪単価２万円（税別）で 20 坪の物件の場合」・保証金は 10 ヶ月分・礼金は家賃の１ヶ月分・日割り家賃が 10 日分発生（月の途中で入居した場合）・家賃は１ヶ月分前払いの場合 → ・保証金 400 万円・礼金 42 万円・日割り家賃＝ 42 万／ 31 日 ×10 日＝ 13 万 5483 円・前家賃 42 万円・仲介手数料 40 万円合計 537 万 5483 円となる。