Sodate 212号 H2210 25 〒947-0031 小千谷市土川1丁目5番53号 小千谷市 青少年育成センター 第 212号 ℡ 0258-82-6750 相談専用電話 Fax 0258-82-6750 82-6771 e-mail: [email protected] URL http://www.city.ojiya.niigata.jp/s-center/ 震災体験を振り返る さがわとおる いま、小千谷市の楽集館で、10 月22日―11 月21日まで、小千谷市震災 6 周年企画展―中越大 震災あの日あの時―が開かれています。震災時の体験記録を読むと本当に胸がつまります。当時、全 国から小千谷市の支援にかけつけてくれた人は、小千谷市ボランティアセンターの窓口だけで 3 万人 を越えました。最近になって、震災の残した光と影はとても大きいものがあ ることに気づきました。その例を 2 つ紹介しましょう。 〇 ‘いのち’乞い 市内で最も被災の激しかった東山地域のAさんが、M畜産の経営者Bさん を訪れて、牛の一時避難をお願いしたときの事です。 A:助けてください! 牛です。私たちの牛です。 B:ここは牛の「と殺場」ですよ。牛を助けるところでは、ありません。 A:地震で家が類焼し牛小屋も焼けてしまいました。生き残った牛を何とか助けあげたいのです。 牛小屋ができるまで、しばらく預かってください。お願いします。 そう言って、Aさんは火事で黒くなった 500 円玉を並べて、必死にお願いしました。Bさんは、心 が動かされました。困惑の表情が消えて言葉にならない熱い感情がこみあげてきて、男泣きしてしま いました。それまで、牛をと殺し解体する仕事をしてきたBさんにとって、牛は商品価値としてしか 見えませんでした。自分の財産のすべてを失ったAさんが、牛の「いのち」を助けようと必死になっ ている姿を見て、牛の「いのち」と固く結ばれた絆を感じました。その「曇りもない真実」に触れた 瞬間、Bさんは腹を決めました。 「わかりました。次の場所が見つかるまで預かりましょう」。 〇 「見守り岩」 小栗山の闘牛場のそばに、地震で真二つに割れた巨岩があります。長岡造形大学学長鎌田豊成教授 (当時)はその岩が牛に似ているところから、震災復興のシンボルにしようと全国に呼びかけてネー ミングを募集しました。そして選ばれた名前が「見守り岩」でした。地域の人たちは、その話を聞く と、早速年寄りと若い衆が協力して、 「見守り岩」に大面綱をつけました。 ひら ‘小千谷の人達は強い。先人達がきびしい自然と向かいあって、たゆまぬ努力で拓いてきた生活や 文化を守るために、地域をあげて自然の脅威に立ち向かっています。感動しました。この精神を後の 世に伝えていかなければなりません’。教授はそう思ったに違いありません。 ‘人間万事塞翁が馬’ と言います。この「見守り岩」が出来てから、いい方へ復興の道が開かれたと聞いています。 かけはたみのるれいたくだいがく 欠端 實 麗澤大学名誉教授は、ノーベル賞を授賞したマザーテレサの献身的な姿は、 「悲愛」だと言 われます。 「悲愛とは いのちの弱さに涙をそそぐこと」 「悲愛とは 祈りながら 希望 勇気 自信 をあたえること」 「からだから愛が ふーっとでてくる愛」だと言われます。 あなたは、 「見守り岩」から、どんな声が聞こえますか。 Sodate 212号 H2210 25 <小千谷市青少年育成センター研修会「内的環境をつくる」ワークショップ> “自分”から“他者” “場”へつながる ~「あるがまま」が生み出すダイナミズム*1とその試み~ 柏崎市‘夢の森公園’インストラクター 堀井芙季子 “相手を感じる”ことから開かれるコミュニケーション 教育現場やビジネスの場、職場などで何か意図を持って「伝えよう」とす る時には、こちら側の言い分・論理を強化していく方向がある。そのためのスキル研修やパッケージ化された 教材などがそうだが、私たちの日常会話を考えてみても、「いかに相手に自分が伝えたいことを分かってもら うか」という点に意識が向いていることが多い。 「学びの質は学び手による」。いくら上手に教えたり伝えたりできたとしても、それをどのように受け取る かは相手が決めることだ。もっと言えば、相手の心の状態によって、学びや気づきのレベルは全く変わってくる。 臨床心理学者のカール・ロジャースは、主体が力をもって成長するカウンセリングの原則として次の3つを 挙げている。(括弧内は筆者追記) ① 受容(相手に対し、温かい関心を注ぎ続ける) ② 共感的理解(相手を裁いたり批難したりするのではなく、相手の気持ちに寄り添って聴く) ③ 自己一致(聴く側として、自分の思いと言動が一致している。 “正直”である) 相手を変えようとするのではなく、相手が生来持っている“健やかさ”(=成長へドライブする力。自己実 現する力)が機能するように関係を作っていく。「違う、ダメ」と“切っていく”関係ではなく、「寄り添い、 共感する」と“つながっていく”関係へ。その中で相手はのびのびと自分を表現し、そこから学びが“主体的 に”始まっていく。私たちが開いていきたいのは、このような形のコミュニケーションではないだろうか。 ≪ワークの例≫ ○カウンセリング・マッサージ 二人一組になってお互いに言葉をかけ合いながら、頭・首・肩・背 中・足の裏などをマッサージする。マッサージされる側は心地よいと 感じる部分や強度、感想などを適宜相手に伝える。する側は相手が最 も心地よいと感じられるよう努めながらマッサージをする。 ○バックトーク 二人一組で「互いに楽に」なるように背中でもたれ合って座る。相 手の気持ちを背中を通じて感じ合う。一時的に「心を閉ざす」時間を とり、その時の変化も感じる。 ○傾聴トレーニング ①二人一組で、一方が話し手、一方が聴き手になる。話し手はその場で何を話してもよい。聴き手は全身で 相手の気持ちを受け止めることに集中し、相手が話している間は「フンフン」「ハイ」などのうなずきだ けをする。 ②①と基本的には同じだが、聴き手は相手の気持ちへの「理解メッセージ」を送る。 (例: 「○○さんは~で 悲しかったんだね」「~がしたいんだね」 ) 1 ダイナミズム 迫力、力強さ Sodate 212号 H2210 25 “場”を感じる~「感謝」の力 “場”には力が宿る。人が集まる場では、そこへ人がどのような思いを注いでいるかで持つ力が変わってく る。ネガティブな思い―つまらない、あの人はダメだ、失敗すればいいのに、など―が渦巻く場では、そこに いる人たちは自分の“健やかさ”を信じ、表現することができない。このことを、ある実験で周りにいる人が 「エールを送った」場合と「憎しみを送った」場合で、腕に込められる力に違いがあることで確認した。 自分も他者も健やかさの中にあり、喜びに溢れる“場”とはどんなものだろうか。場の力を高めるのに有効 な手段の一つが、 「感謝」をそこへ注ぎ、表現することである。 「感謝」とは、その物・人と自分とのつながり に思いを馳せ、相手が示してくれた真実や美、生命力に敬意を表する行為である。内側にとどまっている「感 謝」の原型は、表現する(express=外へ、押し出す)ことを経て、場のムードを、そのベースにある気質を 変化させる。 ≪ワークの例≫ ○「感謝」の表現 身につけている物、持ち物を一つ取り上げて、それを漫然と眺めている時 と、 「感謝」を表現しながら(実際に「ありがとう」と口に出す、褒めるなど) 接している時で、自分の内部やその物との“場”に違いがあるかを感じる。 ○「感謝」の散歩 自然の中で「感謝」の意を示す対象物を見つけ、じっくりと見てから「感 謝」を表現する。その時の“場”の違いを感じる。これを繰り返しながらし ばらく気の向く方へ歩いていく。 自分も相手も“あるがまま”でいられる場へ 研修の最後に、 “グレイテスト・ビューティコ*2を感じた瞬間”について話し、分かち合うワークを行った。 「人生の中で何らかの大いなる美を経験した時のこと」をテーマに、一人が3分間語り、その後で分かち合っ てくれた人に感謝の意を表すというものである。 話す人にとって心の宝物のような大切なその物語に、聴き手はそっと耳を傾け、共感し、自分の内部に滲み 込ませていく。善悪の判断のない、ただ心と心を通わせるようなコミュニケーションとその安心感。 普段外へ向かっていく意識を、自分の内側へ向け変え、微かに響いた音に耳を傾けること。「今・ここ」に しっかりと結びついていることで、初めて聴こえてくる他者の本当の声。私たち現代人が深刻に失っているの は、そのような音を聴く「静けさ」なのではないかと思う。 最後に、第三回の研修を山本山の頂の素晴らしい自然環境の中でできたことに 深い縁を感じている。自然は私たちが願ってやまない“あるがまま”を体現して いるものだからだ。疲れた時、自分がわからなくなった時、自然の中で静かに坐 って息をしてみてください。そして周りにある命に目を向けてみてください。 全ての生命へ、健やかさへの祈りと「感謝」を込めて。 参考: 伊勢達郎『ヒーリングレクリエーションのすすめ』 、日本レクリエーション協会、1998 年 「Art of Living seminar」女神山ライフセンター、2009 年 6 月 *2 グレイテスト・ビューティ 大いなる美・感動 Sodate 212号 H2210 25 = 「愛の一声」頑張っています = 青少年育成センター補導委員 9 月 4 日(水) 16:30-18:30 1班 [ 小千谷小学校区 ] 土川→若葉→両新田→白山公園→山谷→総合体育館→ジャスコ→信濃川河川敷 ◆猛暑が続くので、水難事故防止の観点から、河川敷付近中心に巡回したが、子ど もの姿は見られなかった。旭橋の落書きも補修されていた。信濃川は水量も多く危 険な場所も多いと改めて感じた。 9 月 15 日(水) 19:00-20:00 8班 [ 千田中学校区 ] 千田中学校→小粟田→千谷→ベイシア→セブンイレブン→三仏生→妙見大橋 →五辺 ◆小粟田センターに部活動で親を待つ中学生 3 名がいた。すぐに迎えが来た。 8 月 30 日(木) 18:20-20:00 11 班 [ 市街区 ] カラオケ歌蔵→ジャスコ→小千谷駅→マルイ→セブンイレブン→原信桜町店 ◆ジャスコの化粧品売り場と小千谷駅に4~5 人電車待ちの学生がいたが、早く帰 宅する様子だった。 セブンイレブンの駐車場で、部活動帰りらしい 6 人の学生が飲食していた。 小千谷地区少年警察ボランティア連絡会から 10 月 12 日(火)、 「小千谷地区安全・安心まちづくりキャンペーン」に参加しま した。 小千谷市・長岡市川口支所・防犯関係機関・協力団体との連携の下、「みんなで つくろう安心の街」をスローガンに、子どもと女性の犯罪被害防止、住宅を対象 とした侵入犯罪の防止、万引き・自転車盗の防止、振り込め詐欺の被害防止を重 点にしています。晴天に恵まれた中、小千谷警察署駐車場で出発式を行い、原信 西小千谷店と原信桜町店に移動して、クリアファイル防犯ちらしやティッシュを 配付して注意を呼びかけました。また、県警から、マスコットのひかるくんとひ かるちゃんが応援に駆けつけ、子ども達の人気を集めていました。 岩沢小学校3年生の児童たち
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