見て、聞いて、発言できる子どもに ~申(さる)年に思う~ 学校長 細田 正央 新しい年がやってきました。皆様、あけましておめでとうご ざ い ま す 。旧 年 中 は 本 校 教 育 活 動 に ご 支 援 、ご 協 力 を い た だ き 、 誠にありがとうございました。 さて、今年、平成28年(2016年)の干支は申(さる) で す 。十 二 支 の 中 で も と く に 私 た ち 人 間 に 近 い イ メ ー ジ が あ り 、 猿が登場するお話やことわざなどもたくさんあります。その中 でも三猿(見ざる、聞かざる、言わざる)は有名です。今年は 申年ということで新聞にも日光東照宮の彫刻などが取り上げら れていました。意外ですが国内だけではなく海外にも同じよう な彫刻や像が数多くあるそうです。 三 猿 の 由 来 や 意 味 は 諸 説 あ り 、「 子 ど も の と き は 、 世 の 中 の 悪 い こ と を 見 た り 、 聞 い た り 、 言 っ た り し な い で 素 直 な ま ま 育 ち な さ い 。」 という教育論的なものや「厄介なことは見て見ぬふり、聞かぬふりをして 余 計 な こ と は 言 わ な い 方 が い い 。」 と い う 処 世 術 的 な も の ま で あ り ま す 。 しかし、子どもたちにはしっかりとあるがままを見つめ、大切なことを 聞 き 漏 ら さ ず 、( し っ か り と 考 え た 上 で ) 自 分 の 考 え や 思 い を き ち ん と 発 言できる人に育ってほしいと願っています。今年も子どもたちと一緒に見 て 、 聞 い て 、( 考 え て ) 話 し て 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 大 切 に し な が ら 教 育活動を進めていきたいと考えています。本年も昨年同様ご支援、ご協力 をよろしくお願いいたします。 震災21年 記憶を風化させないために ~震災を考える給食~ 昨年は阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)発生から20年の節目にあ たりいろいろと追悼行事があったり、マスコミにも取り上げられたりして いました。今年は21年目になりますが、教師の中にも自身の経験として 震災の記憶がない者が増えてきた中、震災当時の厳しい状況の中で、協力 しながら苦難を乗り越えていった体験を語り継いでいかなければいけない と感じています。 震災当時の明石市では、明石川以東の給食施設でガス・水道が長く復旧 しなかったため、1月26日から再開した学校給食は、パン、ジャム、チ キンソーセージ、みかん、ヤクルト、チーズ、小魚、ヨーグルト、ゼリー など給食室で調理しない簡易給食が提供されました。ガス・水道の復旧に より2月6日から再開された給食も、温かいものは汁物だけという日が2 月下旬まで続きました。明石市の避難所があった学校では、子どもたちの 給食調理が終わったあと、調理員が夕食用に汁物を調理し保温食缶に入れ て届けたそうです。 そこで、本年は「食べられる」ことのありがたさに気づき、感謝して食 べることの意味を考える機会として明石市一斉に1月15日(金)の給食 を「震災を考える給食」とし、震災時の給食や避難所での食事に近い献立 を 提 供 し ま す 。( 詳 し く は 1 月 の 献 立 表 や 食 育 だ よ り を ご 覧 く だ さ い 。) ぜ ひ 、 ご 家 庭 で も 、「 食 べ ら れ る 」 こ と の あ り が た さ や 可 能 な 方 は 震 災 当時の様子などを子どもたちにお伝えいただければ幸いです。よろしくお 願いいたします。 -1-
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