少年団日本連盟初代総裁 後藤新平の 少年団関係資料

中村学園大学短期大学部
ニュースリリース
2016 年 3 月 15 日
少年団日本連盟初代総裁 後藤新平の
少年団関係資料を発見
~ボーイスカウトの歴史研究に寄与~
中村学園大学短期大学部幼児保育学科の圓入智仁准教授(社会教育学)は、少年団
(現在のボーイスカウト)の初代総裁(後に総長)を務めた後藤新平(1857-1929)文
書のうち、所在不明となっていた少年団関係資料を発見しました。
後藤新平は、南満州鉄道総裁、内務大臣、東京市長、関東大震災後の帝都復興院総裁などを
歴任した人物です。1922年の少年団日本連盟発足時には総裁(後に総長)に就任し、これ
以降、少年団に関する全国講演や少年団員とのキャンプなど、この活動に積極的に関わって
いました。
後藤新平の死後、後藤家に残された資料は「後藤新平伯伝記編纂会」(1930年発足)に
集められました。同会の解散後は、文書処理委員会が設立され、1939年まで整理と分類が
進められてきました。その資料は、1978年に「後藤新平記念会」の創設にあたって寄贈さ
れ、現在では、岩手県奥州市にある後藤新平記念館が保管しています。
ところが、後藤氏が晩年に深く関わった少年団に関する資料については、後藤新平文書の
目録に記載されているものの後藤新平記念館に伝わっておらず、これまで記念館が探し続け
てきました。近年、ボーイスカウト日本連盟が所蔵する資料の整理を進めており、その中に、
後藤新平文書の少年団関係資料が含まれていることを、本学の圓入准教授が発見しました。
後藤新平文書の目録に対応する、50点以上の資料が保管されていたのです。
圓入准教授は15年以上にわたって、戦前の
少年団の組織や活動の解明に取り組んでおり、
最近では、後藤新平の少年団教育思想に関する
研究に取り組んでいました。この発見により、
晩年の後藤新平がなぜ少年団に傾倒していっ
たのか、あるいは、後藤が少年団など子どもの
学校外活動に何を期待したのかなど、後藤と少
年団との関係や、後藤の少年団教育論を読み解
くことができます。少年団(ボーイスカウト)
を含めた、子どもの社会教育に関する歴史研究にとって大変貴重な資料だと言えます。
現在、資料は後藤新平記念館で整理と内容の確認を始めたところです。
今後、4 月 26 日(火)から5月15日(日)の間に、同記念館で展示する予定です。
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