首の痛みと肩こりについて 埼玉県立大学保健医療福祉学部理学療法学科 教授 藤縄 理 首の痛みや首からくる頭痛、ひどい肩こりなどに悩んでいる方が多いと思います。お医者さんにかか り、レントゲンでは問題ないにもかかわらず首や肩の痛みやこりがずっと続いている方はいらっしゃい ませんか。 それらの多くは悪い姿勢からきていることが多いのです。ましてや、現代社会ではパソコンを使う作 業がたくさんあります。パソコンは使わなくても、事務仕事にしろ 、家事にしろ、前屈みの姿勢で長時 間仕事や作業をしていませんか。また、立ったり歩いたりする姿勢も背中が丸くなって頭が前に出てい る、いわゆる猫背の姿勢になっていませんか。背筋を伸ばし、胸を張り、頭を正しい位置に戻した正し い姿勢をとるだけで予防になります。でも、痛みやこりがひどくて正しい姿勢をとることもつらい場合 があります。それでは、その原因を理解し、自分自身で 症状を改善させる方法をご紹介しましょう。 原因は①姿勢が悪い、②筋肉の力がない、③筋肉が固くなっている、ということにつきます。対策と しては、①固くなっている筋肉をほぐし柔らかくする、②良い姿勢を保つための筋力をつける、 ③正し い姿勢を保つということになります。次に示す図と解説を参考に自分自身で 対処していきましょう。も しこの方法で症状が改善しない場合、運動中の姿勢が悪かったり、力の入れ方が強すぎたり 方向が違っ ていることがあります。正しい方法で行っても改善しないときは、頸の変形や損傷の可能性もあります ので、専門医(整形外科など)を受診してください。 出典 ・藤縄 理・鈴木 た治しかた(菅谷 ・藤縄 陽介・荒木 啓之 智子:肩こり・痛みに対する徒手療法.実践 編).全日本病院出版会, 2008, pp.105-113 理:徒手的理学療法 Manual Physical Therapy.三輪書店, 2009. 肩こり・痛みの診か
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