認定看護師教育基準カリキュラム(緩和ケア分野)改正 新旧対照表

認定看護師教育基準カリキュラム(緩和ケア分野)改正
新旧対照表
下線部は改正箇所、ゴシック体表記はがん化学療法看護またはがん性疼痛看護との合同講義が可能な単元
【目的・期待される能力】
旧
(目的)
1.
新
改正理由
(目的)
緩和ケアを受ける患者と家族の支援に関する最新の知識と技術を習得し、水準の高い看護実践がで 1.
きる能力を育成する。
緩和ケアの領域における役割モデルとして看護者の指導や相談に対応できる能力を養い、看護の質
2.
の向上を図る。
緩和ケアを受ける患者とその家族の QOL 向上に向けて、水準の高い看護を実践する能力を育成す
る。
2.
緩和ケアの領域において、看護実践を通して他の看護職者に対して指導・相談ができる能力を育成
する。
(期待される能力)
(期待される能力)
1.について
「全人的理解」は身体、心理、社会、
1. 患者を全人的に理解し、専門技術を用いて苦痛の軽減を図り、患者と家族の QOL を考慮し、療養の 1. 患者を全人的に理解し、QOL を維持・向上するために、専門性の高い看護を実践できる。
スピリチュアルを含めた用語として
場に応じた日常生活の充実に貢献することができる。
2. コミュニケーションスキルを用いて緩和ケアを受ける患者・家族の価値観を理解し、患者・家族の 記述した。
2. 患者と家族が体験する喪失と悲嘆のプロセスを理解し、グリーフケアなどの適切な支援を行うこと
「専門技術」と表記すると限定的にな
価値観を尊重したケアを実践できる。
ができる。
るため「専門性の高い看護実践」に修
3. 患者と家族の喪失・悲嘆に伴う適切な支援を行うことができる。
3. 苦痛を軽減する専門技術を生かし、チームメンバーへの適切な指導や相談を担うことができる。
正。
4. 緩和ケアを受ける患者・家族の権利を擁護し、自己決定を尊重した看護を実践できる。
4. 緩和ケアにおける看護の役割を理解し、施設内および地域におけるチーム医療を効果的に促進でき
2.について
5. より質の高い医療を推進するため、他職種と共働し、チームの一員として役割を果たすことができ
るような役割を果たすことができる。
本分野では患者家族の理解にコミュ
る。
緩和ケアを受ける患者と家族の人権を擁護するために、適切な倫理的判断を行うことができる。
ニケーションが重要であるため明記
6. 緩和ケアを受ける患者・家族への看護実践を通して、役割モデルを示し、看護職者への指導・相談 した。
を行うことができる。
3.について
患者、家族の喪失・悲嘆は全病期に関
わることであり、重要であるため表記
した。
1
認定看護師教育基準カリキュラム(緩和ケア分野)改正
新旧対照表
下線部は改正箇所、ゴシック体表記はがん化学療法看護またはがん性疼痛看護との合同講義が可能な単元
【専門基礎科目】
旧
新
時
教科目
間
数
1. 緩和ケア 30
総論
2. がんのプ 15
ロセスと
その治療
3. 臨床倫理
15
4. 緩和ケア 15
における
ストレス
マネジメ
ント
単元
1)ホスピス・緩和ケアの歴史と理念、
現状と展望
2)トータルペインの概念
3)QOL の概念と QOL を高めるための
ケア
4)ホスピス・緩和ケア対象者のセル
フケアの理解
5)ホスピス・緩和ケアにおける看護
の役割
6)スピリチュアルケア
7)看取りのケア
1)がんの疫学、がんの基礎的知識
2)がんの診断と集学的治療
3)緩和医療
1)意思決定のプロセスへの支援(自
己決定権・リビングウィルなど)
2)インフォームド・コンセントの本
質と看護者の役割
3)緩和ケアにおける倫理的諸問題
4)問題解決と資源の活用(臨床倫理
委員会の活動など)
1)自己への気づき
2)緩和ケアに携わる看護師のストレ
スマネジメント
3)スタッフのメンタルサポート
4)ストレス軽減方法(マッサージ・
リラクゼーションなど)
時
教科目の
ねらい
教科目
間
単元
改正理由
数
ホスピス・緩和ケアとそれに関係する概念を理解 1. 緩和ケア総論
した上で、緩和ケアの専門性と緩和ケアに従事す
る看護師の役割を理解する。
さらに,緩和ケアの対象が認知症患者や高齢者に
拡大していくことを念頭に置き,緩和ケアにおけ
る看護師の専門性の広がりをも理解する。
15
1)ホスピス・緩和ケアの歴史と理念、現状と展望
2)ホスピス・緩和ケアの専門性とは
3)ホスピス・緩和ケアの対象者の理解と看護師の役割
4)トータルペインの概念と全人的な理解
5)QOL の概念と QOL を高めるためのケア
6)緩和ケアにおけるリハビリテーションの考え方
7)がん患者を理解するために必要な概念
(自己効力感・危機理論・ストレスコーピング・不確かさなど)
・専門的ホスピス緩和ケアに求められ
る内容を明確化するため、教科目とし
た。
・スピリチュアルケアと看取りのケア
は専門科目で具体的に学ぶため削除
した。
がんの疫学と病態生理を理解し、がんの診断と集 2. がんとがんの
学的治療の必要性、主要な治療の基礎を理解する。
集学的治療
15
1)がん細胞の特徴
2)がんの疫学
3)がんの診断
4)がんの予防と検診
5)がんの集学的治療
手術療法・化学療法・放射線療法
・【合同講義について】
他分野との合同講義を実施可能とす
る。
→専門科目へ移動
共通科目で「看護倫理」が位置づけら
れているため、専門科目で緩和ケアに
特有の看護倫理を扱うこととした。
→削除
患者のストレスマネジメント、スタッ
フのストレスマネジメントは別の教
科目に含めた。
2
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下線部は改正箇所、ゴシック体表記はがん化学療法看護またはがん性疼痛看護との合同講義が可能な単元
旧
新
時
教科目
間
教科目の
ねらい
単元
数
患者主体の症状マネジメントの必要性と症状マ 3.
ネジメントにおける看護師の役割を理解する。
時
教科目
間
改正理由
単元
数
症状マネジメン 15
ト総論
1) 喪失・悲嘆・死別について理解し、患者・家 4. 喪失・悲嘆・死別
族に対して必要なケアを考える。
2) 看護師自身の喪失・悲嘆について理解する。
15
がん患者の療養の場の特性や在宅療養のために 5. がんの医療サービ 15
必要な基礎知識について理解し、看護師の役割を
スと社会的資源
明確にする。
1)セルフケア理論
2)患者主体の症状マネジメントの必要性
3)症状マネジメントモデルの理解
4)症状マネジメントの統合的アプローチ
5)症状マネジメントの統合的アプローチ:事例展開による理解
6)フィジカルアセスメント
(呼吸機能、循環機能、脳/神経機能、栄養代謝状態、
感覚・運動機能 等)
・現行カリキュラムでは、専門科目に
105 時間で設定されていたが、成績評
価等で運用が困難であることから、項
目を分割した。
・患者主体の症状マネジメントの必要
性をセルフケア理論と症状マネジメ
ントモデルに沿って学び、患者主体の
症状緩和の考え方を理解することを
目的として新設。
【合同講義について】
・「1)セルフケア理論」は「がん看
護学総論 4)がん看護における主要
概念」との合同講義を可能とする。
・「6)フィジカルアセスメント」は、
「ヘルスアセスメント 2)フィジカ
ルアセスメント」との合同講義を可能
とする。
1)死と死にゆくプロセス
・死と死にゆくことの考察や看護師自
2)喪失・悲嘆・死別・服喪の理解
身の死生観を知らずに緩和ケアには
3)悲嘆のアセスメント
臨めないため新設した。
(1)予期悲嘆
・喪失・悲嘆・死別・服喪は進行・終
(2)通常の悲嘆
末期がん患者と家族、ケア提供者にと
(3)複雑性悲嘆
っても理解すべき概念である。現行カ
4)悲嘆や死別に対するケア
リキュラムでは、家族ケアの中で遺族
(1)患者の悲嘆に対するケア
ケアとして悲嘆を取り上げていたが、
(2)家族の悲嘆・死別に対するケア
専門基礎科目で学ぶべき内容である
(3)ケア提供者の悲嘆・死別に対するケア
ため新設した。
1) がんに関する医療政策
・現行カリキュラム「地域における緩
(診療報酬、がん診療連携拠点病院、相談支援センターなど) 和ケア」の内容を整理して専門基礎科
2) 在宅医療の仕組みと法的枠組み
目に移動した。
3) 在宅医療を支える職種間の連携
【合同講義について】
4) がん患者とその家族が活用できる社会資源
本教科目は合同講義実施可能。
(高額療養費制度、在宅悪性腫瘍指導管理料、在宅酸素療法な
ど)
5) がんと医療経済
(治療費、就労問題等)
6) 在宅で療養するがん患者と家族を支援する看護師の役割
75時間
75 時間
3
認定看護師教育基準カリキュラム(緩和ケア分野)改正
新旧対照表
下線部は改正箇所、ゴシック体表記はがん化学療法看護またはがん性疼痛看護との合同講義が可能な単元
【専門科目】
新
旧
教
科
目
時
間
数
1. 症状緩和 105
と援助技
術
単元
ねらい
1)フィジカルアセスメント
2)症状緩和と援助技術(演習を
含む)
がん性疼痛を理解し、苦痛を最小限にするための援
(1)がん性疼痛の緩和
助技術を習得する。
(2)呼吸困難の緩和
(3)消化器症状の緩和
(4)全身倦怠感・悪液質などの
症状緩和
(5)精神症状の緩和(不安・抑
うつ、せん妄など)
(6)リンパ浮腫のケア
(7)口腔トラブルのケア
がんに伴う消化器症状を理解し、苦痛を最小限に
(8)終末期のスキンケア
し、QOL を高めるための援助技術を習得する。
3)補完療法(コンプリメンタリ
ーセラピー)
教科目
時
間
数
1. 症状マネジメント 15
と援助技術Ⅰ
2. 症状マネジメント 15
と援助技術Ⅱ
(消化器症状のマネ
ジメント)
がんに伴う呼吸器症状を理解し、苦痛を最小限に 3. 症状マネジメント 15
と援助技術Ⅲ
し、QOL を高めるための援助技術を習得する。
(呼吸器症状のマネ
ジメント)
リンパ浮腫について理解し、苦痛を最小限にし、QOL 4. 症状マネジメント 15
と援助技術Ⅳ
を高めるための援助技術を習得する。
(リンパ浮腫のマネ
ジメント)
がんに伴う粘膜トラブルについて理解し、苦痛を最 5. 症状マネジメント 15
と援助技術Ⅴ
小限にし、QOL を高めるための援助技術を習得する。
(皮膚・粘膜・口腔ト
ラブルのマネジメン
ト)
がんに伴う精神症状について理解し、苦痛を最小限 6. 症状マネジメント 15
と援助技術Ⅵ
にし、QOL を高めるための援助技術を習得する。
(精神症状(不安・せ
ん妄・抑うつ)、睡眠
障害)のマネジメン
ト)
4
単元
改正理由
→単元「フィジカルアセスメント」は専門基礎科目「症状マネジ
メント概論」に移動
1)がん疼痛の分類・機序
2)がん疼痛の薬物療法
(WHO 方式がん疼痛治療法など)
3)痛みの包括的評価
(QOL に与える影響を含む)
4)薬物療法以外の疼痛治療法
5)がん疼痛マネジメントのための患者・家族教育
6)疼痛閾値を高めるためのケア
症状マネジメント総論は基礎的な内
容であるため、専門基礎科目に移動。
・現行カリキュラムでは、専門科目に
105 時間で設定されていたが、成績評
価等で運用が困難であることから、項
目を分割した。
・がん性疼痛のマネジメントとケアに
ついて学ぶ教科目として設置。
1)主な消化器症状のメカニズム
(悪心・嘔吐、食欲不振、消化管閉塞、腹部膨満、便秘など)
2)主な消化器症状に対する治療
3)消化器症状のアセスメントとケア
4)事例検討
・現行カリキュラムでは、専門科目に
105 時間で設定されていたが、成績評
価等で運用が困難であることから、項
目を分割し症状別とした。
各症状においては、QOL の維持・向上
を目指すことまでをねらいとする。
・消化器症状のマネジメントには主な
症状、薬物療法、非薬物療法、セルフ
ケア支援、日常生活援助(理学療法含
む)を含める
現行で学んでいた呼吸理学療法は、こ
の科目内で知識として習得すること
とする。
1)呼吸困難のメカニズム
2)呼吸困難の治療
3)呼吸困難感のある患者への援助
(呼吸困難感を増強させないような日常生活援助を含む)
4)事例検討
1)リンパ浮腫のメカニズム
2)リンパ浮腫の治療
3)リンパ浮腫に対するケアの原則
4)リンパドレナージの目的とケアの実際
(セルフケア指導を含む)
5)演習
1)皮膚・粘膜・口腔トラブルのメカニズム
2)皮膚・粘膜・口腔トラブルに対する治療
3)皮膚・粘膜・口腔トラブルのアセスメントとケア
4)演習(口腔ケアなど)
1)精神症状のメカニズム
(不安・せん妄・抑うつなど)
2)精神症状に対する治療
3)精神症状のアセスメントとケアの基本的な考え方
4)事例検討
現行では、演習で含んでいた内容を移
行。ここでは、リンパ浮腫のメカニズ
ム、アセスメント、治療の原則を理解
するまでを目標とする。
現行では、演習で含んでいた内容を移
行。ここでは、粘膜トラブルのメカニ
ズム、アセスメント、治療の原則を理
解するまでを目標とする。
現行では、演習で含んでいた内容を移
行。ここでは、精神症状のメカニズム、
アセスメント、治療の原則を理解する
までを目標とする。
認定看護師教育基準カリキュラム(緩和ケア分野)改正
新旧対照表
下線部は改正箇所、ゴシック体表記はがん化学療法看護またはがん性疼痛看護との合同講義が可能な単元
新
旧
教
科
目
時
間
数
単元
ねらい
教科目
時
間
数
がんに伴う倦怠感、悪液質について理解し、苦痛を 7. 症状マネジメント 15
と援助技術Ⅶ
最小限にし、QOL を高めるための援助技術を習得する。
(倦怠感・悪液質のマ
ネジメント(マッサー
ジ、リラクゼーション
など))
2. 緩和ケア 30
を受ける
患者の心
理過程と
その支援
技術
4. 緩和ケア 15
における
チームア
プローチ
1)危機理論とコーピング
2)病気の過程に伴う心理過程と
その支援
3)コミュニケーションスキル
1)専門多職種による患者とその
家族への支援
2)有機的なチームアプローチと
看護師の役割
3)チームアプローチとコミュニ
ケーション
4)緩和ケアチームにおける緩和
ケア認定看護師の役割
がんのプロセスを通して患者が主体的に生活でき 8. 緩和ケアを受ける 15
患者の心理社会的
るよう、特に進行期のがん治療に伴う生活への影響と
ニーズとケア
心理・社会面のニーズを理解し適切なケアを提供する
ための看護師の役割を理解する。
単元
1)倦怠感、悪液質のメカニズム
2)倦怠感、悪液質に対する治療
3)苦痛緩和のためのセデーション
4)倦怠感、悪液質のアセスメントとケア
(気分転換、マッサージ、リラクゼーション)
5)事例検討
1)がんサバイバーシップの理解と各プロセスに特徴的な心理
2)移行期のケア
(情報提供、意思決定の支援、心理社会面へのケア)
3)進行がん患者の心理社会的ニーズとケア
4)補完代替療法を選択する患者へのケア
緩和ケアを受けるがん患者のスピリチュアルケア 9. スピリチュアルケ 15
の必要性について理解し、スピリチュアルペインのア
ア
セスメントおよび必要なケアを理解する。
1)緩和ケアにおけるスピリチュアルケアの必要性
2)スピリチュアリティ・スピリチュアルペインの概念理解
3)スピリチュアルペインのアセスメント
4)スピリチュアルペインに対するケア
5)スピリチュアルケアに臨む看護師の姿勢
緩和ケアにおいて協同する多職種の専門性と役割 10. 緩 和 ケ ア に おけ 15
を理解し、チームアプローチにおける看護師の役割と
る チ ー ム ア プロ
専門性を明確にする。
ーチ
1)チームアプローチとは
2)緩和ケアにおけるチームアプローチの必要性
3)チームにおける看護師の役割と専門性
4)チームビルディングの方法
5)ケアカンファレンス・デスカンファレンスにおける
看護師の役割
6)ケアするスタッフの支援
(ピアサポート・組織とチームによるケア)
5
改正理由
現行では、演習で含んでいた内容を移
行。ここでは、倦怠感、悪液質のメカ
ニズム、アセスメント、治療の原則を
理解するまでを目標とする。
・現行カリキュラムの「心理過程」は
「心理社会的ニーズ」とし、30 時間
中に含まれていたコミュニケーショ
ンスキルは演習に移行した。
・病気の過程に伴う心理過程はがんサ
バイバーシップの概念の中で理解し、
進行がん患者の心理社会的ニーズに
焦点を当てる内容とした。
・療養先の選択や、意思決定を含む移
行期のケア(治療から狭義の緩和ケア
への移行)における情報提供や価値観
の尊重は重要なケアであるため、追加
した。
現行カリキュラムではホスピス緩和
ケア総論の中でスピリチュアルケア
が位置づけられていたが、概念の理解
からアセスメントや具体的なケアに
結び付けるまでには時間数が不足し
ていたため新設した。
・様々な医療提供体制においてチーム
アプローチが必要となるため特定の
形態に特化した「緩和ケアチームにお
ける看護師の役割」を削除し、「チー
ムビルディングの方法」と「ケアカン
ファレンス・デスカンファレンスでの
役割」を追加した。
【合同講義について】
・緩和ケアの専門的内容を含むため、
「がん看護学総論」の中で他分野と合
同で講義するのは不可能。
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旧
教
科
目
時
間
数
新
ねらい
単元
教科目
時
間
数
改正理由
単元
3. 緩和ケア 15
を受ける
患者の家
族への支
援
1)家族の理解
2)緩和ケアを受ける患者の家族
の心理・社会的な問題とその支
援
3)悲嘆のプロセスと病的悲嘆
4)遺族のケア(グリーフケアな
ど)
緩和ケアを受けるがん患者の家族の全体像をアセ 11. 緩和ケアを受け 15
スメントし、遺族ケアを含めた必要なケアについて理
る患者の家族・遺
解する。
族ケア
5. 地域にお 30
ける緩和
ケア
1)地域における緩和ケアとは
2)地域や在宅で過ごすがん患者
と家族を支援する看護師の役
割
3)在宅移行の準備と調整
4)社会資源の活用(デイホスピ
スなど)
5)在宅医療の仕組みと法的枠組
み
6)地域連携とその支援
15
専門基礎科目に移動
臨死期の特徴を理解し、患者・家族の尊厳を守りな 12. 臨死期のケア
がら、その人らしい看取りを提供するためのケアを理
解する
15
1)がんの Dying Process の特徴とプロセスにおける Oncology
Emergency(上大静脈症候群、脊髄圧迫、出血)
2)臨死期の身体徴候・症状とケア(鎮静)
3)臨死期における看護師の役割
4)臨死期における患者・家族の価値観を尊重するためのケア
5)時期に応じた患者・家族のアセスメントとケアのポイント
(予後予測:PPI)
6)看取りにおける家族へのケア、エンゼルケア
7)安楽のケア(comfort care)
(日常生活支援含む)
8)様々な場での看取り
患者・家族の尊厳を守りその人らしい
人生を完結できるよう、臨死期には、
患者の身体的、精神的、社会的、スピ
リチュアルなニーズと、家族の特別な
ニーズに配慮する必要がある。臨死期
のケアのあり方は、その後の遺族の悲
嘆や健康状態にも影響するため、この
時期に必要な患者・家族のアセスメン
トとケアを実施できるよう科目を独
立させた。
緩和ケアにおける倫理的課題を理解したうえで、患 13. 緩和ケアにおけ
者の価値観を尊重し、最善のケアを提供するための看
る倫理的課題
護師の役割を理解する。
15
1)インフォームドコンセントと看護師の役割
2)緩和ケアにおける倫理的諸問題の理解
(鎮静・安楽死/尊厳死、治療の不開始/中止)
3)アドバンス・ケア・プランニング
(患者の価値観を理解し尊重するための話し合いと援助)
4)倫理的な問題の解決へのアプローチ方法の理解と実際
共通科目の中で看護倫理に基づく看
護実践を概念的に理解しているため、
こ こ で は そ の 前 提 の 基 で End of
Life(EOL)における倫理的課題に特化
し、EOL に起きる倫理的課題に対し実
際に取り組みケアを提供できるため
のアプローチ方法を身につけること
が必要であるため専門科目に位置づ
けた。
・倫理的問題を事前に予防するアプロ
ーチ(アドバンス・ケア・プランニン
グ)も加えた。
195 時間
1)家族の理解
自己の家族を知る
家族の定義・家族ケアの目的
2)進行がん患者の家族のニーズ
3)家族の全体像のアセスメント
4)家族の力を高めるケア
5)遺族のケア
遺族ケアは緩和ケアの中でも主要な
要素であるため追加した。家族の全体
像をアセスメントし、家族の持つ力を
高めるという視点を加えた。特に進行
がん患者の家族のニーズとケアに焦
点を当てながら学びを深める内容と
した。
195 時間
6
認定看護師教育基準カリキュラム(緩和ケア分野)改正
新旧対照表
下線部は改正箇所、ゴシック体表記はがん化学療法看護またはがん性疼痛看護との合同講義が可能な単元
【演習・実習】
新
旧
時
間
数
教科目
総合演習
臨地実習
単元
ねらい
教科目
30
対象の安楽を維持するために必
要な技術の基本を学ぶ
1)実技演習
(1)マウスケア
(2)リンパドレナージ
(3)緩和ケアにおける呼吸理学
療法
(4)エンジェルメイク
緩和ケアを受ける患者・家族の価値観を尊重したケ 1.総合演習 1
アのためのコミュニケーションスキルを習得する。
30
2)ケースセミナー
(1)直接ケア1事例
(2)相談 1 事例
事例を通して自身の実践した看護を考察し、専門的 2.総合演習Ⅱ
緩和ケアにおける看護の役割を明確にする。
180
60 時間
緩 和 ケ アの 対 象を 的 確に 判 断
し、患者の苦痛の緩和と共に QOL
の向上を目指した質の高い看護
を提供するためのケアの実践能
力を身につける。習得した技術
を実習の場で活用し、指導・相
談ができる。
緩和ケアの対象を包括的にアセスメントしたうえ 3.臨地実習
で、患者の苦痛の緩和を図ると共に QOL の向上を目指
した質の高い看護を提供することができる。
看護実践では役割モデルを示すことができ、さらに、
習得した技術を活用し、指導・相談を行うことができ
る。
また、専門的緩和ケアを提供する援助者としての自
己の課題についても明らかにする。
時
間
数
30
30
180
1)コミュニケーション技術の基本
2)患者・家族の価値観を尊重するためのコミュニケーション
3)全人的苦悩に向き合う力
(プレゼンス・真の共感)
4)場面別コミュニケーション
・意思決定支援におけるコミュニケーション
・悪い知らせを伝える際のコミュニケーション
等
ケースセミナー
(直接ケア 1 事例以上)
・進行・終末期患者および家族の価値
観を尊重したケアを提供するコミュ
ニケーション力(知識・態度・技術)
を緩和ケア認定看護師の専門的な力
と位置付ける。
・コミュニケーション場面を 4 場面設
定し、具体的な場面におけるコミュニ
ケーション技術を習得することを目
指す。
・従来、特化技術と位置付けられてい
た4つの技術は、専門科目内(症状緩
和と援助技術)と(臨死期のケア)内
で実施する。
現行カリキュラムにおいて、相談事例
までを 30 時間で実施することは困
難。ここでは自身の実践能力を向上さ
せるために直接ケア①事例のケース
セミナーとする。
60 時間
実践事例 1 例以上・相談事例 1 例以上・緩和ケア実践に関わる ・がん診療連携拠点病院にチームがあ
研修会もしくは技術指導案を立案し実施する。
る状況なので、1 日程度見学にいくこ
原則として,専門的緩和ケアを提供している以下のような施設 とが望ましい
において実践を行う。
1)緩和ケア病棟
2)訪問看護ステーション
1)緩和ケア病棟
2)訪問看護ステーション
180 時間
共通科目
専門基礎科目
専門科目
演習/実習
総時間
改正理由
単元
180 時間
105 時間(+45 時間)
75 時間
195 時間
240 時間
615 時間(+45 時間)
共通科目
専門基礎科目
専門科目
演習/実習
総時間
7
120 時間(+30 時間)
75 時間
195 時間
240 時間
630 時間(+30 時間)