あもんノート ユークリッド幾何学、ニュートン力学から、相対論、宇宙論、量子論、 場の量子論、素粒子論、そして超ひも理論まで、理論物理学を簡潔にか つ幅広く網羅したノートです。TOP へは下の URL をクリックして行け ます。専用の画像掲示板で、ご意見、ご質問等も受け付けております。 http://amonphys.web.fc2.com/ 1 目次 第9章 一般相対論 3 9.1 アインシュタイン方程式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 9.2 宇宙項 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5 9.3 弱い重力場 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6 9.4 ニュートン近似 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7 9.5 弱い重力場のローレンツ変換 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 8 9.6 重力赤方偏移 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 9 9.7 重力波 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10 9.8 シュヴァルツシルト解とブラックホール . . . . . . . . . . . . . . . 11 9.9 等方座標と重力質量 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13 9.10 シュヴァルツシルト時空における粒子の軌道 . . . . . . . . . . . . 14 9.11 惑星の近日点移動 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15 9.12 光の湾曲 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16 9.13 エネルギー運動量テンソルの巨視的表示 . . . . . . . . . . . . . . . 17 9.14 トルマン方程式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 18 9.15 シュヴァルツシルト内部解 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20 9.16 ヒルベルト作用の 1 階微分表現 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 21 9.17 重力場のエネルギー擬テンソル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 23 9.18 エネルギー運動量密度の全微分表示 . . . . . . . . . . . . . . . . . 23 9.19 星のエネルギー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 25 9.20 慣性系のひきずりとカー解 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 27 2 第9章 一般相対論 特殊相対論を拡張し重力を含むようにした理論はいくつかありますが、その中 で観測と矛盾がなく、もっとも簡単な理論が、特殊相対論の創始者アインシュタ イン本人による一般相対論です。ここでは一般相対論の基礎事項について解説し ます。また、後半では少し難しいかもしれませんが重力場のエネルギーについて 詳しく触れます。 9.1 アインシュタイン方程式 一般相対論は、特殊相対論における計量テンソル gµν を力学変数とみなし、作 用に、 Z 1 √ Sg = − d4 x R 16πG を追加することで得られます。ここで G は万有引力定数、R は時空のスカラー曲 率です。この作用 Sg をアインシュタイン・ヒルベルト作用、あるいは単にヒル ベルト作用といいます。スカラー曲率はスカラーなので、Sg は座標に依存しませ ん。よって基礎方程式の共変性、すなわち一般相対性原理が保持されるわけです。 計量による変分をとれば、R = g µν Rµν に注意して、 Z 1 √ √ √ δSg = − d4 x (Rδ + Rµν δg µν + g µν δRµν ). 16πG δRµν を含む項は実のところ消えます。なぜならリッチテンソルと曲率テンソルの 定義から δRµν = ∂λ δΓλ µν − ∂ν δΓλ λµ + ( Γ をあらわに含む項 ) ですが、接続係数の 変分 δΓλ µν がテンソルであることに注意すると、共変微分を用いて δRµν = ∇λ δΓλ µν − ∇ν δΓλ λµ + ( Γ をあらわに含む項 ) と書けます。テンソル定理によれば ( Γ をあらわに含む項) は 0 であり、計量が共 √ √ 変微分に対し定数並みであること、および ∇µ Aµ = ∂µ ( Aµ ) に注意すれば、 √ g µν δRµν = √ ∇λ δΓλν ν − √ √ √ ∇ν δΓλ λ ν = ∂λ ( δΓλν ν ) − ∂ν ( δΓλ λ ν ) となり、これは座標の全微分なので積分をとることで消えます。 3 δSg の残りの 2 つの項の計算は、計量の微分公式 : √ 1 √ µν δg µν = −g µρ g νσ δgρσ , δ = g δgµν 2 を用いれば簡単で、結果、 Z 1 √ δSg = d4 x Gµν δgµν 16πG µν µν を得ます。ここで G = R − (1/2)g µν R はアインシュタインテンソルです (リー マン幾何学の章を参照)。 また、特殊相対論の作用、 ³ ´ 1Z XZ √ Ssr = − dτn mn + qn uµn Aµ (xn ) − d4 x Fµν F µν 4 n の計量に関する変分は、エネルギー運動量テンソルを T µν として、 Z 1 √ δSsr = − d4 x T µν δgµν 2 でした (特殊相対論の章参照)。よって、計量に関する作用原理から、 Gµν = 8πGT µν を得ます。これをアインシュタイン方程式といいます。時空にエネルギー運動量 テンソルが存在すれば、それに応じて時空が曲がり、ローレンツ座標はとれなく なります。この時空の曲がりが重力の正体であると考えるわけです。アインシュ タインテンソルに関するビアンキ恒等式 : ∇µ Gµν = 0 から、 ∇µ T µν = 0 がわかります。 一方、アインシュタイン・ヒルベルト作用は粒子の座標や 4 元ポテンシャルを含 まないため、粒子の運動方程式とマックスウェル方程式に変更はありません : ³ duλ ´ n λ µ ν + Γ µν un un = qn F λ µ uµn , ∇µ F µν = j ν . mn dτn 粒子の運動方程式の Γλ µν を含む項は、ここでは一般に慣性力を含む重力を意味す ることになります。時空はリーマン空間であると考えているため、この項は座標 を上手く選ぶことで局所的に 0 にできることに注意して下さい。その座標とは、す なわち自由落下系のことで、要するに、重力は加速系において生じる慣性力とい つでも相殺できるということです。重力が持つこの性質は等価原理と呼ばれます。 (余談) ニュートン理論においては、運動方程式に現れる質量と万有引力の法則に現れる質量が 等価 (常に同じ) であることが等価原理に対応し、これは等価原理の名前の由来でもあります。ラ P P グランジュ形式においては、運動項 (1/2) mn |ẋn |2 と相互作用項 − mn φ(xn ) の mn が同じで あることに対応します。このようにニュートン理論においては等価原理は人為的に仮定されてい るわけですが、一般相対論では自動的に成り立つというわけです。 4 9.2 宇宙項 一般相対論の作用に、さらに、 λ Sc = − 8πG Z d4 x √ を加えても、作用全体の座標不変性は保たれ、共変性は保持されます。λ は定数 で、宇宙定数と呼ばれます。一般相対論において宇宙全体を考えるときは、一般 にこの作用があるものとします。Sc は計量だけの汎関数であるため、変更される 方程式はアインシュタイン方程式だけであり、それは、 Gµν − λg µν = 8πGT µν となります。−λg µν は宇宙項と呼ばれます。計量条件 : ∇µ g µν = 0 に注意すると、 いぜんとして ∇µ T µν = 0 が成り立つことがわかります。 しかし少なくとも太陽系のスケールにおいては宇宙項なしで一般相対論がよく 成り立っていることがわかっているため、宇宙定数 λ はそのようなスケールに おいては無視できる程度と考えられます。実際、宇宙論における考察によれば、 λ ∼ (100 億光年)−2 です。 結局、一般相対論の作用は、 Sgr = Ssr + Sg + Sc ³ ´ XZ µ =− dτn mn + qn un Aµ (xn ) n 1 − 4 Z 4 dx √ Fµν F µν 1 − 16πG Z d4 x √¡ R + 2λ ¢ ということになります。これだけで古典論の全てを記述しています。よくできた 理論は葉書一枚に書けると言われます。特に電磁場を無視できる場合は、 Z Z X 1 √ Sgr = − mn dτn − d4 x (R + 2λ) 16πG n です。一般相対論の美しさがよくわかるでしょう (∗) 。 以下しばらくは宇宙項は小さいとして無視することにします。 (*注) 16πG はただの定数です。作用汎関数や場の方程式に π が現れることを嫌う有理系の立 場を重視し、κ = 8πG ∼ 1.686 × 10−55 eV−2 でアインシュタインの重力定数を定義することも多 いです。ちなみに自然単位系においてさらに κ = 1 とすれば全ての物理量は無次元になりますが、 これは普通しません。重力が電磁力などの他の相互作用と比べて少し異質であり、量子論的にき ちんと解明されていないことが理由の一つとして考えられます。 5 9.3 弱い重力場 アインシュタイン方程式は非線形であるため解くことが困難です。ここでは物 質が十分希薄であると仮定し、線形近似を行うことにします。このとき、計量 gµν の、ローレンツ計量 ηµν からのずれはわずかであると考えられるので、 gµν = ηµν + φµν で摂動 φµν (¿ 1) を定義します。計量が 2 つの添字について対称だから、φµν も 2 つの添字について対称です。また、φµν の 2 次の項は無視されるので、その添字 の上げ下げはローレンツ計量で行ってよいことになります。さらに便宜上、 1 ψµν = φµν − ηµν φλλ 2 で ψµν を定義します。両辺に η µν をかければ ψλλ = −φλλ が得られることに注意し て、逆に解いた式は、 1 φµν = ψµν − ηµν ψλλ 2 となります。 曲率テンソルを考えると、Γ の 2 次の項は無視できることになり、 1 1 Rρσµν = − ∂µ ∂ρ φσν + ∂µ ∂σ φρν − (µν 交換). 2 2 ここから丁寧に計算し、アインシュタイン方程式 Gµν = 8πGT µν は、 □ψ µν − ∂ µ ∂λ ψ λν − ∂ ν ∂λ ψ λµ + η µν ∂ρ ∂σ ψ ρσ = −16πGT µν となります。これをアインシュタインの線形近似式といいます。 アインシュタイン方程式は座標変換に対し不変だから、我々は座標を適当に選 ぶ任意性を持っています。いま、 x0µ = xµ + ξ µ (x) という座標変換を考え、ξ µ は φµν 程度の小さい量とし、その 2 次以上は無視でき るとします。この座標変換により計量は、 0 gµν = gµν − ∂µ ξ λ gλν − ∂ν ξ λ gλµ − ξ λ ∂λ gµν と変換されます。よって φµν , ψµν の変換式は、順に、 φ0µν = φµν − ∂µ ξν − ∂ν ξµ , 0 ψµν = ψµν − ∂µ ξν − ∂ν ξµ + ηµν ∂ ·ξ となることがわかります。このとき、∂µ ψ 0µν = ∂µ ψ µν − □ξ ν ですから、これが 0 になるように ξ ν を選ぶことで ∂µ ψ 0µν = 0 を実現できます。つまり適当に座標を 選ぶことで、 ∂µ ψ µν = 0 6 を実現できるわけです。この座標条件のもとでは、いまだ □ξ µ = 0 を満たす ξ µ を用いた変換が許されることに注意して下さい。 この座標条件により、アインシュタインの線形近似式は、 □ψ µν = −16πGT µν と極めて簡単になります。マックスウェル方程式の場合と同様、ダランベルシア ンの逆を用いれば、解は、 Z µν 0 0 µν 3 0 T (t−|r−r |, r ) ψ (t, r) = −4G d r |r−r 0 | であり、これが重力の遅延ポテンシャルです。この解が座標条件を満たすことは、 今の近似では ∂µ T µν = ∇µ T µν = 0 がいえることに注意すれば、マックスウェル方 程式のときと同様な方法でわかります。 9.4 ニュートン近似 上の近似で、さらに電磁場は十分弱いものとし (あるいは粒子にくりこまれてい るものとし)、粒子の速さが光速 1 より十分小さい場合を考えます。この近似を ニュートン近似といいます。太陽系の惑星の運動においては、およそこの近似が 当てはまります。 このときエネルギー運動量テンソル、 ¯ √ −1 X µν T (t, r) = mn vnµ uνn δ 3 (r−r n )¯t n =t n は、00 成分 : 00 T (t, r) = X n ¯ mn δ 3 (r−r n )¯tn =t が質量密度を意味し、これ以外の成分は全て 0 と近似できるので、重力の遅延ポ テンシャルの式から、 ¯ X mn ¯ ¯ ψ 00 = 4φ, φ(t, r) = −G ¯ |r − r | n tn =t n で、他の成分は 0 です。φ はニュートンの重力ポテンシャルを意味しています (解 析力学の章参照)。またこのとき φµν = ψµν − (1/2)ηµν ψλλ は対角成分が全て 2φ で、 非対角成分は 0 になります。すなわち、 φµν = 2φ δνµ ∴ gµν = ηµν + 2φ δνµ . 7 一方、粒子の運動方程式は、いまの近似のもとで、 ẍin + Γi 00 = 0 となりますが、 Γi 00 = g ij −1 1 ∂j g00 = − η ij ∂j (2φ) = ∂i φ 2 2 ですから、 ẍin + ∂i φ = 0. これはニュートンの運動方程式に他なりません。 すなわち一般相対論は、ニュートン近似のもとでニュートンの重力理論に帰着 するわけです。これによりニュートン理論の成功は、そのまま一般相対論の成功 と考えることができます。 (余談) 太陽の表面における重力ポテンシャルは、G ∼ 6.67×10−11 m3 /kgs2 , M ∼ 2.0×1030 kg, R ∼ 70 万 km より、|φ| = GM/R ∼ 1.9×1011 m2 /s2 ∼ 2.1×10−6 ¿ 1 です。当然、惑星や衛星の 太陽に対する相対速度は光速よりずっと小さいので、太陽系においてはニュートン理論で十分な わけです。 9.5 弱い重力場のローレンツ変換 定常的な弱い重力場があったとき、これに対し運動する系において重力場がど のようになるか考えてみましょう。 重力場が定常的になる系を xµ とし、これに対し x1 の方向に速さ v で運動する 系を x0µ とします。このとき、 γ γv 0 0 µ ∂x 1 γv γ 0 0 µ Λν := 0ν = γ=√ ∂x 0 0 1 0 1 − v2 0 0 0 1 µν, ですが、接続係数 Γλµν が線形変換に対してはテンソルと振舞うこと、および対 称性 Γλµν = Γλνµ に注意すると、 Γ0100 = Λ01 Λ00 Λ00 Γ000 + 2Λ01 Λ00 Λ10 Γ001 + Λ01 Λ10 Λ10 Γ011 + Λ11 Λ00 Λ00 Γ100 + 2Λ11 Λ00 Λ10 Γ101 + Λ11 Λ10 Λ10 Γ111 . ここでさらに、Γλµν = (1/2) (−∂λ gµν + ∂ν gλµ + ∂µ gνλ ), gµν = ηµν + 2φ δνµ に注意 すると、 Γ000 = Γ011 = Γ101 = 0, Γ100 = −Γ001 = −Γ111 (= −∂1 φ) 8 がわかるので、 ¡ ¢ Γ0100 = −2Λ01 Λ00 Λ10 + Λ11 Λ00 Λ00 − Λ11 Λ10 Λ10 Γ100 = γ 3 (1 − 3v 2 )Γ100 . 同様に考えて、 Γ0200 = Λ22 Λ00 Λ00 Γ200 + 2Λ22 Λ00 Λ10 Γ201 + Λ22 Λ10 Λ10 Γ211 ¡ ¢ = Λ22 Λ00 Λ00 + Λ22 Λ10 Λ10 Γ200 = γ 2 (1 + v 2 )Γ200 , Γ0300 = γ 2 (1 + v 2 )Γ300 です。すなわち運動する系において重力場は、運動の水平方向の成分が γ 3 (1−3v 2 ) 倍、垂直方向の成分が γ 2 (1 + v 2 ) 倍されるわけです。 √ 例えばある物体が 1/ 3 より大きな速度で我々に接近あるいは遠ざかっている 場合、我々はその物体から斥力の重力を受けることになります (図 9.1)。万有が引 力を生じるというのは、相対速度が光速に比べて十分に小さい場合の常識であり、 一般相対論ではこれは成り立たないわけです。 図 9.1: 運動する物体が作る重力場の向き 9.6 重力赤方偏移 次に、定常的な時空における光の通信を考えてみましょう。 送信者を A, 受信者を B とします。ある瞬間に A を出発した光の世界線と、そ の 1 周期後に出発した光の世界線は、計量が定常的であることから時間方向に並 進することで重なるはずです。そうすると光の周期は、時間座標 x0 においては場 所に依らず一定と考えられます。このことは取りも直さず、光の周期は、固有時 間においては一般に場所に依るということを意味します。 いま、A における光の周期を TA , B における周期を TB , 時間座標における周 期を T とすると、A, B は座標に静止しているとして、 TA2 = g00 (r A )T 2 , TB2 = g00 (r B )T 2 . 9 r A , r B はそれぞれ A, B の空間座標です。よって、 s TA g00 (r A ) = TB g00 (r B ). あるいは光の振動数をそれぞれ νA , νB として、 s νB g00 (r A ) = ∼ 1 + φ(r A ) − φ(r B ) νA g00 (r B ) と近似されます。φ はニュートンの重力ポテンシャルです。 重力ポテンシャルの違いにより、光の振動数が変化するこの現象は、重力赤方 偏移と呼ばれます。例えば送信者 A の方が低い位置にあり、φ(r A ) < φ(r B ) とす ると、νB /νA < 1 がわかるので、光は低振動数側、すなわち赤方側にずれるわけ です。これはメスバウアー効果を利用した塔における精密実験や人工衛星におけ る実験ですでに確認されている現象で、カーナビ等で利用されている GPS もこ の効果を補正として取り入れています。 (余談) 重力赤方偏移は計量型の相対論的重力理論でないと説明ができないもので、重力の正体 を時空の曲がりとしない非計量型の重力理論はこれにより全て排除されます。例えば時空をミン コフスキー空間とし、重力場をスカラー場やテンソル場として導入しても駄目なわけです。重力 は時空の構造と密接なわけで、このことを等価原理の視点から早々と見抜いたアインシュタイン の洞察力は類い稀と言えるでしょう。特殊相対論はアインシュタインがいなくても 10 年と遅れる ことなく誰かが発見していただろうと考えられますが、一般相対論の発見は、リーマン幾何学を 用いていることからも想像されるように、アインシュタインの天才 (およびグロスマンの助言) に 依るところが大きいわけです。 9.7 重力波 真空、すなわちエネルギー運動量テンソル T µν が 0 の場合、アインシュタイン の線形近似式、および座標条件は、 □ψ µν = 0, ∂µ ψ µν = 0. これは波動解、 ψ µν = aµν e−ik·x + c.c. k 0 = |k|, kµ aµν = 0 を持ち、重力波と呼ばれます。振幅 aµν は 2 つの添字について対称だからその独 立な成分は本来 10 個ですが、kµ aµν = 0 により 4 個減り、6 個になります。しか しさらに □ξ µ = 0 を満たす ξ µ = cµ e−ik·x + c.c. という座標変換が許されます。こ のとき aµν は、 a0µν = aµν + i(k µ cν + k ν cµ − η µν k·c) 10 と変換され、その独立な成分は cµ の自由度である 4 個分減り、結果、2 個になる はずです。 このことを具体的に見るために、x3 の正の方向に進む重力波を考え、 k µ = (κ, 0, 0, κ)µ としてみましょう。このとき条件式 kµ aµν = 0 から、a0ν = a3ν を得るので、 aµν の添字の 3 は 0 に取り替えることができます。よって aµν の独立な成分は、 a00 , a01 , a02 , a11 , a12 , a22 の 6 個ですが、座標変換により、 a000 = a00 + iκ(c0 + c3 ), a001 = a01 + iκc1 , a002 = a02 + iκc2 , a012 = a12 , a011 = a11 + iκ(c0 − c3 ), a022 = a22 + iκ(c0 − c3 ) となるので、cµ を適当に選ぶことで a00 = a01 = a02 = a22 = 0 とできます。この とき 0 でない独立な成分は a11 と a12 の 2 個になるわけです。重力波は、電磁波 同様、自由度 2 の波動であることがわかりました。 9.8 シュヴァルツシルト解とブラックホール 次に、真空におけるアインシュタイン方程式の厳密解を求めてみましょう。 真空 (T µν = 0) において、アインシュタイン方程式は、 1 gµν R = 0 2 をかけると R − 2R = 0 ∴ R = 0 を得るので、 Rµν − ですが、この式に g µν Rµν = 0 となります。いま、静的であることと空間の等方性を仮定し、 x0 = t, x1 = r, x2 = θ, x3 = φ dτ 2 = f (r)dt2 − g(r)dr2 − r2 dθ2 − r2 sin2 θdφ2 という座標および計量を考えます。f (r) と g(r) は未定関数です。このとき接続係 数は、 Γ 0 01 Γ1 33 Γ3 13 f0 g0 r f0 1 1 Γ 00 = Γ 11 = Γ1 22 = − = Γ 10 = 2f, 2g, 2g, g, 2 r sin θ 1 Γ2 12 = Γ2 21 = Γ2 33 = − sin θ cos θ, =− g, r, cos θ 1 Γ3 23 = Γ3 32 = (他の成分は 0). = Γ3 31 = r, sin θ 0 11 また、Γµ = Γρ ρµ を定義すると、 g0 2 f0 Γ1 = + + 2f 2g r, Γ2 = cos θ sin θ, Γ0 = Γ3 = 0. ここからリッチテンソル : Rµν = Rρ µρν = ∂ρ Γρ µν − ∂ν Γµ + Γρ Γρ µν − Γρ µσ Γσ νρ は、 R00 R22 f 00 f 02 f 0g0 f0 = − − 2 + 2g 4f g 4g rg, 0 0 rf rg 1 =− + 2 − + 1, 2f g 2g g R11 f 00 f 02 f 0g0 g0 =− + 2+ + 2f 4f 4f g rg, R33 = sin2 θ R22 (非対角成分は 0) と計算されます (∗) 。 真空のアインシュタイン方程式は Rµν = 0 でしたが、特に R00 = R11 = 0 から f 0 g + f g 0 = 0 が導かれます。すなわち f g = 一定. 空間の遠方でミンコフスキー 空間に漸近していると仮定し、f (∞) = g(∞) = 1 とすれば、 fg = 1 です。そうすると R22 = 0 から rf 0 + f = 1 が得られ、これは、 a f (r) = 1 − r と解けます。ここで a は積分定数。 よって結局、 ³ a´ 2 ³ a ´−1 2 dτ = 1 − dr − r2 dθ2 − r2 sin2 θdφ2 dt − 1 − r r 2 が真空のアインシュタイン方程式の厳密解で、シュヴァルツシルト解と呼ばれま す。この解は r = a の球面に特異性を持ち、そこでは g00 = 0 です。これは固有 時間の凍結を意味します。a をシュヴァルツシルト半径といいます。 粒子や光がシュヴァルツシルト半径より内部に入ったら、もはや外部に戻るこ とはできません。なぜなら粒子や光の世界線においては dτ 2 ≥ 0 ですが、これが 回帰するならば dr = 0 となる点が存在し、その点において、 µ ¶2 µ ¶2 a dφ 2 dθ 2 2 1− ≥r + r sin θ r dt dt です。r < a においては左辺が負になるため、そのような解はあり得ません。いっ たん中に入ったら光さえ外に出られないため、シュヴァルツシルト半径より内部 の領域はブラックホールと呼ばれ、境界面 r = a は事象の地平面と呼ばれます。 ただし地平面の時間凍結性のため、ブラックホールに近づく物質の運動は緩慢に なり、外部の時間においては地平面に到達するまでに無限の時間を要します。 12 (*注) µ 6= ν のとき、Γ1 µν = 0, ∂ρ Γρ µν = 0, ∂ν Γµ = 0 が簡単にわかるので、このときは特に、 Rµν = Γ2 Γ2 µν − Γρ µσ Γσ νρ ですが、µ, ν の一方だけが 0, もしくは 3 のときはこの式の 2 項は共に 0 とわかります。よって Rµν の非対角項で 0 でない可能性があるのは R12 = R21 だけですが、 R12 = R21 = Γ2 Γ2 12 − Γρ 1σ Γσ 2ρ = Γ2 Γ2 12 − Γ3 13 Γ3 23 = cos θ 1 1 cos θ − = 0. sin θ r r sin θ よって非対角成分は全て 0 です。 9.9 等方座標と重力質量 シュヴァルツシルト解の動径座標を r = f (r̄) とおくと、シュヴァルツシルト解 の空間的線素の式は、 f 0 (r̄)2 dr̄2 dr2 2 2 2 2 dl = + r (dθ + sin θdφ ) = + f (r̄)2 (dθ2 + sin2 θdφ2 ) 1 − a/r 1 − a/f (r̄) 2 ですが、これが (dr̄2 + r̄2 dθ2 + r̄2 sin2 θdφ2 ) でくくられるとすると、 p f (f − a) f 0 (r̄)2 f (r̄)2 df = ∴ = 1 − a/f (r̄) r̄2 dr̄ r̄. この微分方程式は変数分離形で、積分公式 : µ ¶ Z dx 2x p = arccosh −1 + C a x(x − a) に注意すれば、 Car̄ f (r̄) = 4 µ ¶2 1 1+ C r̄ と解けます。C は積分定数ですが、C = 4/a と選ぶと、 ³ a ´2 r = f (r̄) = r̄ 1 + . 4r̄ そうすると、シュヴァルツシルト解は、 µ ¶2 ³ r̄ − a/4 a ´4 2 2 dτ = (dr̄2 + r̄2 dθ2 + r̄2 sin2 θdφ2 ) dt − 1 + r̄ + a/4 4r̄ となりますが、ここでさらに、 x1 = r̄ sin θ cos φ, x2 = r̄ sin θ sin φ, x3 = r̄ cos θ を定義すれば、 µ 2 dτ = r̄ − a/4 r̄ + a/4 ¶2 ³ a ´4 i i dx dx , dt − 1 + 4r̄ 2 13 r̄ = √ xi xi となります。(t, x1 , x2 , x3 ) は等方座標と呼ばれます。 等方座標は遠方でローレンツ座標に漸近し、その摂動は、 φµν = − a µ δ r̄ ν です。これをニュートン近似における質量 M の球対称物体周囲の重力ポテンシャ ル : φµν = 2φ δνµ = −(2GM/r̄) δνµ と比較すると、 a = 2GM を得ます。遠方の重力ポテンシャルで推察される質量 M を、一般に系の重力質 量といいます。シュヴァルツシルト解の重力質量は M = a/2G ということになり ます。 9.10 シュヴァルツシルト時空における粒子の軌道 ここで、シュヴァルツシルト時空における粒子の軌道を考えてみましょう。 シュヴァルツシルト解の計量 gµν (x) は x0 = t と x3 = φ を含まず、すなわちこ 1/2 れらは循環座標なので、粒子のラグランジアン L = −m (gµν (x)ẋµ ẋν ) に対し、 ∂L dφ = mr2 sin2 θ 3 ∂ ẋ dτ dt ∂L = −mf (r) 0 ∂ ẋ dτ, が保存量になります (特殊相対論の章参照)。よって、粒子の軌道が平面 θ = π/2 にあると仮定すると、 dt dφ A = f (r) , B = r2 dτ dτ は共に運動の定数です。一方、シュヴァルツシルト時空の線素の式を (dφ)2 で割 れば、 µ ¶2 µ ¶2 µ ¶2 dτ dt 1 dr = f (r) − − r2 dφ dφ f (r) dφ ですから、これらより、 µ dr dφ ¶2 ¡ 2 ¢ A − f (r) r4 − f (r)r2 . = 2 B f (r) = 1 − a/r だったので、 µ ¶2 dr = Cr4 + Dr3 − r2 + ar dφ 14 となります。ここで、C = (A2 − 1)/B 2 , D = a/B 2 はやはり運動の定数です。 u = 1/r で変数変換すれば、 µ ¶2 du = C + Du − u2 + au3 . dφ あるいは両辺を φ で微分して、 d2 u D 3a 2 = − u + u dφ2 2 2 を得ます。これが粒子の軌道を与える微分方程式です。 右辺の u2 の項 (非線形項) が、いわば一般相対論的な効果であり、もしこの項が なければ、ニュートン理論同様、解は 2 次曲線 u = (1 + ² sin φ)/l で与えられま す。しかし実際にはこの項があるので軌道はより複雑になります。 9.11 惑星の近日点移動 粒子の軌道の近似解として、離心率 ², 半直弦 l の近日点移動する楕円軌道、 1 + ² sin(ηφ) ( ², l, η は定数 ) l を考え (図 9.2)、これを軌道の微分方程式に代入します。ただし離心率 ² は十分小 さいものとし、その 2 次を無視するものとします。 u= 図 9.2: 近日点移動する楕円軌道 そうすると、sin(ηφ) に関する係数比較から、 r 3a η = 1− l を得るでしょう。よって、一周における近日点移動は、その角度において、 à ! 2π 1 ∆φ = − 2π = 2π p −1 η 1 − 3a/l 15 です。特に太陽系のように重力が弱く、a/l ¿ 1 のときは、 ∆φ ∼ 3πa 6πGM = l l と評価されます。この効果は太陽系第一惑星である水星の近日点移動の誤差を上 手く説明することが知られています (∗) 。 (*注) 水星の近日点移動の主原因は他の惑星の存在ですが、これら他の惑星の効果を丁寧に取 り入れても観測値と一致せず、一般相対論以前、その原因は謎とされていました。水星の内側に未 知の天体があるのではないか等という説も真面目に検討されていたくらいです。しかしここで述 べた一般相対論的効果を取り入れるとよく合うというわけです。 9.12 光の湾曲 光は高エネルギー極限の粒子 (ほぼ光の速さで進む粒子) と等価のはずですから、 シュヴァルツシルト時空内における光の軌道は、同時空内の粒子の軌道において dτ /dt → 0 という極限により与えられます。このとき A, B は共に無限大になり、 D = a/B 2 → 0 です。よって光の軌道を与える微分方程式は、 d2 u 3a 2 = −u + u 2 dφ 2 となります。 u = 2/(3a) すなわち r = 3a/2 が解になっていることに注意。ブラックホール の近傍では強力な重力場により光の軌道が曲げられ、シュヴァルツシルト半径の ちょうど 1.5 倍の座標半径の円周上を光が周回できるというわけです。また、重力 がなく a = 0 のときは、直線 u = sin φ/l が解になることに注意。このとき l は 原点と直線の距離を意味します。 いま、重力が非常に弱い場合を考え、a を小さな摂動とみなします。このとき、 u= sin φ + α + β sin2 φ l という軌道を考え、上の微分方程式に代入します。ただし a, α, β の 2 次以上は無 視します。そうすると、 sin φ に関する係数比較から、α = a/l2 , β = −a/(2l2 ) を 得るので、近似解として、 ¶ µ 1 sin φ a 2 + 2 1 − sin φ u= l l 2 を得ます。これは原点付近でわずかに湾曲し、遠方で直線に漸近する軌道を意味 しています (図 9.3)。 16 図 9.3: 光の湾曲 u = 0 (r → ∞) とおくと、−1 ≤ sin φ ≤ 1 に注意し、 sin φ = −a/l ∴ φ ∼ −a/l, π + a/l と解かれるので、これは弱い重力場の影響で、光の進む方向が、 ∆φ ∼ 2a 4GM = l l だけ曲がることを意味しています。この現象は重力レンズ効果と呼ばれ、観測的 にも正しいことが確かめられています。 (余談) アインシュタインによる一般相対論の定式化は 1916 年ですが、1919 年に早くも皆既日 食を利用した重力レンズ効果の検証が行われ、一般相対論の正しさが確認されました。「もし理論 が間違いだと判明したらどうされましたか」という質問に、アインシュタインは「その時は神様の ことを気の毒に思ったでしょう」と答えたそうです。一般相対論はとても美しいので、もし間違っ ていたなら、この理論を採用しなかった神様の美的センスのなさを哀れに思っただろう、というこ とです。 9.13 エネルギー運動量テンソルの巨視的表示 ここでエネルギー運動量テンソル T µν について少し整備しておきます。 いま、時空上のある 1 点 A と、その近傍の領域 V を考えます。そして、V に おける T µν の平均値を A における T µν の値として採用するという、一種の巨視 化を行います。このとき、T 0i = 0 となるような A における局所ローレンツ座標 xµ があるはずで、これを A の重心系と呼びます。A の重心系においては V 内の 物質の運動が平均として等方的になっているから、 T 00 = ρ, T ij = P δji とおけます。このとき ρ は物質のエネルギー密度、P は圧力を意味します。 17 一般座標 x0µ に移ると、 T 0µν ∂x0µ ∂x0ν i ∂x0µ ∂x0ν = ρ+ Pδ . ∂x0 ∂x0 ∂xi ∂xj j 一方、計量に関しては、 g 0µν ∂x0µ ∂x0ν ∂x0µ ∂x0ν i = − δ. ∂x0 ∂x0 ∂xi ∂xj j これらから、 ∂x0µ ∂x0ν T = (ρ + P ) − g 0µν P. 0 0 ∂x ∂x さらに uµ := ∂x0µ /∂x0 は一般座標系における重心系の固有速度とみなせます。プ ライムをはずして書けば、 0µν T µν = (ρ + P )uµ uν − g µν P となります。これがエネルギー運動量テンソルの巨視的表示です。 9.14 トルマン方程式 シュヴァルツシルト解は真空におけるアインシュタイン方程式の解で、その中 心付近には事象の地平面と呼ばれる特異面があります。すなわちブラックホール を表す解になっています。ここではその中心付近に有限の大きさの球体 (星) があ るとして、その内部においてアインシュタイン方程式を考えましょう。ただしい ぜんとして静的であることと等方性を仮定します : dτ 2 = f (r)dt2 − g(r)dr2 − r2 dθ2 − r2 sin2 θdφ2 . リッチテンソルはシュヴァルツシルト解のところですでに求めました。添字を 上げると、 f 02 f 0g0 f0 f 02 f 0g0 g0 f 00 f 00 1 − − + R1 = − − − = 2f g 4f 2 g 4f g 2 rf g, 2f g 4f 2 g 4f g 2 rg 2 , g0 1 1 f0 2 3 R2 = R3 = − + 2 − 2 (非対角成分は 0). 2 2rf g 2rg r g r R00 よってスカラー曲率は、 R = Rµµ = f 02 f 0g0 2f 0 2g 0 2 2 f 00 − 2 − + − + − f g 2f g 2f g 2 rf g rg 2 r2 g r2 18 となり、アインシュタインテンソル : Gµν = Rνµ − (1/2) δνµ R は、 g0 1 1 f0 1 1 1 − + G = − − + 1 rg 2 r2 g r2 , rf g r2 g r2 , f 00 f 02 f 0g0 f0 g0 3 2 G2 = G3 = − + + − + 2f g 4f 2 g 4f g 2 2rf g 2rg 2 G00 = (非対角成分は 0) となります。一方、エネルギー運動量テンソルは、物質は巨視的には静止してい ると考えると、 Tνµ = (ρ + P )uµ uν − δνµ P = diag(ρ, −P, −P, −P )µν . これらからアインシュタイン方程式 : Gµν = 8πGTνµ の µ = ν = 0, µ = ν = 1 の 成分は、それぞれ、 1 g0 1 − + = 8πGρ (1) rg 2 r2 g r2 f0 1 1 − − 2 + 2 = −8πGP (2) rf g r g r となります。µ = ν = 2 と µ = ν = 3 の成分は同じ方程式を与えますが、こ れは若干複雑なので、代わりに ∇µ Tνµ = 0 の ν = 1 成分を用います。それは、 Γ0 01 = f 0 /(2f ) に注意して、 P0 + f0 (ρ + P ) = 0 2f (3) となります。結局、アインシュタイン方程式は (1)(2)(3) が満たされれば満たされ ます。これら方程式をもう少し解きやすい形にしましょう。 (1) は、 ³ α ´−1 g = 1− r で新しい変数 α = α(r) を定義すれば、 α0 = 8πGr2 ρ (4) (5) という簡単な微分方程式になります。ただし (4) が特異点を持たないためには、 α(0) = 0 という境界条件が必要です。また、(3) は、 f0 2P 0 =− f ρ+P (6) と変形できますが、これを (2) に代入し、P 0 について解けば、 (ρ + P )(α + 8πGr3 P ) P =− 2r2 (1 − α/r) 0 19 (7) となります。これをトルマン方程式 (あるいはトルマン・オッペンハイマー・ヴォ ルコフ方程式、TOV 方程式) といいます。 (5)(7) および物質の状態方程式から α(r), ρ(r), P (r) が定まり、このとき (4)(6) から関数 f (r), g(r) が定まります。すなわち、(4) ∼ (7) が球対称な星が作る重力 場 (計量場) についての基礎方程式になります。 9.15 シュヴァルツシルト内部解 星が作る重力場の簡単な例として、状態方程式が ρ = 一定 の場合を紹介しま す。星の半径を R とします。 このとき (5) は、α(0) = 0 に注意して、 α(r) = 8 πGρr3 3 と解けます。トルマン方程式 (7) に代入すると、 (P + ρ)(3P + ρ) A0 (r) P = 4ρ A(r), 0 A(r) = 1 − 8 πGρr2 3 となり、これは変数分離形で、境界条件 P (R) = 0 に注意して、 p p A(r) − A(R) p ρ P = p 3 A(R) − A(r) p p と解かれます。圧力に特異性が生じないためには、3 A(R) − A(0) > 0, すな わち、 3πGρR2 < 1 が満たされる必要があります。このとき (4)(6) は、 ³ p ´2 p f (r) = C 3 A(R) − A(r) , g(r) = 1 A(r) となり、これをシュヴァルツシルト内部解と呼びます。C は積分定数です。 一方、シュヴァルツシルト (外部) 解は、f (r) = 1 − a/r, g(r) = (1 − a/r)−1 で したが、これらが r = R で連結することから、 C= 1 4, a= 8 πGρR3 3 です。a = 2GM でしたから、この星の重力質量は、 M= 4 πρR3 3 20 図 9.4: シュヴァルツシルト内部解と外部解 です。例として R = 2a (GM/R = 1/4) の場合の f (r) および g(r) のグラフを図 9.4 に示します。 M = (4/3)πρR3 という結果は、エネルギー密度が ρ である半径 R の星がある ので当たり前と思われるかもしれませんが、実はそう単純ではありません。ρ はあ くまで局所ローレンツ系におけるエネルギー密度であり、いまの座標におけるそ れとは違います。また、時空は曲がっているで星の体積は (4/3)πR3 ではありませ ん。しかし一方で、重力場のエネルギーまで考えると、実はこの星のエネルギー は M = (4/3)πρR3 であるといえます。 以下では重力場のエネルギー運動量の定義を与え、この辺りの事情を一般的に 見ていくことにします。 9.16 ヒルベルト作用の 1 階微分表現 ヒルベルト作用は、 Z 1 √ Sg = − d4 x R 16πG でした。ここで R はスカラー曲率で、それは計量の 2 階微分まで含みます。しか し 2 階微分の項は 1 次であるため、積分の中では部分積分により 1 階微分になおす ことができます。これをやってみましょう。 21 まずスカラー曲率 R は、 R = A + B, A = g µν ∂λ Γλ µν − g µν ∂µ Γν , B = Γµ Γ̃µ − Γλ µν Γµν λ のように、計量の 2 階微分を含む部分 A と、含まない部分 B に分けることがで きます。ここで、 Γµ = Γν νµ , Γ̃µ = Γµν ν です。そうすると、 √ √ √ A = −∂λ ( g µν )Γλ µν + ∂µ ( g µν )Γν + (全微分項) ですが、計量の微分公式や計量条件を用いると、 √ √ √ √ ∂λ ( g µν ) = (g µν Γλ − Γµν λ − Γνµ λ ), ∂µ ( g µν ) = − Γ̃ν と計算されるため、これらから、 √ √ A = −2 B + (全微分項) を得ます。よってヒルベルト作用は、 Z 1 √ Sg = d4 x B 16πG √ と、計量の 1 階微分までの式 B の積分で表すことができるわけです。 上式の変分を考えると、 1 δSg = 16πG 1 = 16πG Z d4 x Z d4 x µ √ ∂ B ∂gµν µ √ ∂ B ∂gµν δgµν + − ∂λ ∂ √ B ∂∂λ gµν √ ¶ ∂ B ∂∂λ gµν ¶ δ∂λ gµν δgµν ですが、一方、アインシュタイン方程式の導出で見たように、 Z 1 √ d4 x Gµν δgµν δSg = 16πG ですから ( Gµν はアインシュタインテンソル )、これらを比較して、 · √ ¸ · √ ¸ ∂ B ∂ B √ − ∂λ = Gµν ∂gµν µν ∂∂λ gµν µν という恒等式を得ます。これを B に関する恒等式と呼びましょう。[· · · ]µν は添字 µ, ν についての対称化を意味し、 [Φµν ]µν = 1 (Φµν + Φνµ ) 2 で定義されます。 22 9.17 重力場のエネルギー擬テンソル エネルギー運動量テンソル T µν に対して、∇µ T µν = 0, あるいはこれと等価で すが、 1√ √ ∂ν gρσ T ρσ ∂µ ( Tνµ ) = 2 でした。右辺が 0 でないため、これは保存則を意味しません。しかしながら一方で、 µ ¶ 1 ∂B µ µ µ t ν= ∂ν gρσ − Bδν + 2λδν 16πG ∂∂µ gρσ という量を定義すると (λ は宇宙定数)、B に関する恒等式を用いて、 √ ∂µ ( tµ ν ) = 1 √ ∂ν gρσ (−Gρσ + λg ρσ ) 16πG が得られるので、アインシュタイン方程式 : Gµν − λg µν = 8πGT µν に注意すると、 ∂µ ( √ Tνµ + √ tµ ν ) = 0 √ √ という保存則を得ます。すなわち空間の十分遠方で Tνi + ti ν = 0 (i = 1, 2, 3) ならば、 Z √ √ Pν = d3 x ( Tν0 + t0 ν ) √ で与えられる 4 元運動量 Pν が保存するということです。その密度のうち Tν0 は √ 明らかに物質の寄与ですから、 t0 ν はそれ以外の寄与で、重力場の寄与と考える ことができます。tµ ν は重力場のエネルギー擬テンソルと呼ばれます。テンソルで はないため擬テンソルと称されます。 √ √ (余談) エネルギー運動量密度 Tν0 + t0 ν は座標に依存する量で、それゆえある 3 次元領域 V にどれだけのエネルギー運動量があるかは一般に座標に依存します。しかし空間遠方で計量が 定数的になるという条件のもとで、系全体のエネルギー運動量 Pν は座標に依存しない概念になり ます。なぜなら遠方で計量が定数的であることを保持しながら、ある時刻では座標 A, 別の時刻で は座標 B となるようにできますが、このとき Pν は保存するので、どちらの座標においても同じ 値を与えるからです。 9.18 エネルギー運動量密度の全微分表示 ここではエネルギー運動量密度 ことを証明します。 √ Tνµ + √ tµ ν が時空座標の全微分で与えられる まず線形座標変換 x0µ = xµ + aµ ν xν を考えます。ただし係数 aµ ν は無限小量と し、その高次項は無視します。このとき計量の変分は、 0 δgµν = gµν (x0 ) − gµν (x) = −aρ µ gρν − aρ ν gρµ . 23 ここでの変分は同じ時空点において差を取るもので、同じ座標値において差を取 るリー微分とは異なります。同様に、計量の座標微分 ∂λ gµν の変分は、これが線 形変換に関してはテンソルとして振舞うことに注意して、 δ∂λ gµν = −aρ µ ∂λ gρν − aρ ν ∂λ gµρ − aρ λ ∂ρ gµν . また、 1 √ µν √ g δgµν = −aρ ρ . 2 √ そうすると B の変分は、線形変換に関して B がスカラーとして振舞うので、 δ √ = δ( √ B) = −aρ ρ √ B. √ 一方、 B は計量とその 1 階微分の関数ですから、 δ( √ √ ∂ √ B δgµν + δ∂λ gµν ∂gµν ∂∂λ gµν · √ ¸ · √ ¸ √ ∂ B ∂ B ∂ B ρ ρ ρ = −2 a µ gρν − 2 a µ ∂λ gρν − a λ ∂ρ gµν . ∂gµν µν ∂∂λ gµν µν ∂∂λ gµν B) = ∂ B 上 2 式を比較して、aρ µ が任意であることに注意すれば、 · √ ¸ · √ ¸ √ ∂ B ∂ B ∂ B √ gρν + 2 ∂λ gρν + ∂ρ gλν − δρµ B = 0 2 ∂gµν µν ∂∂λ gµν µν ∂∂µ gλν という恒等式を得ます。最初の 2 項は、部分積分して B に関する恒等式を用いる √ と、2 Gµρ + 2∂λ F λµ ρ となります。ここで、 F λµ ρ = · √ ¸ ∂ B ∂∂λ gµν gρν . µν √ √ 一方、後ろの 2 項は tµ ν の定義から 16πG tµ ρ − 2λ δρµ であるとわかり、結果、 アインシュタイン方程式 : Gµρ − λδρµ = 8πGTρµ に注意して、 √ Tρµ + √ tµ ρ = − 1 ∂λ F λµ ρ 8πG を得ます。これが証明したかった式です。 F λµ ρ のあらわな式は、B の定義式から丁寧に計算すれば、 ´ 1 √³ µ λ λµ µ λ λµ λ µ λµ F ρ= δρ Γ̃ − δρ Γ + g Γρ + δρ Γ − 2Γ ρ 2 となるでしょう。 24 9.19 星のエネルギー 一般に定常的で球対称な系を考えます。等方座標を採用し、計量を、 √ g00 = f (r), gij = −g(r) δji , g0i = gi0 = 0 ( r = xi xi ) とします。このとき接続係数は、 ´ g 0 (r) ³ i j k i j k Γijk = x δk − x δj − x δi Γ00i = Γ0i0 = −Γi00 2r √ p で、他の成分は 0 になります。また、 = f (r)g(r)3 . これらから、 s f (r) g 0 (r)xi 00 i0 F 0 = 0, F 0 = g(r) r f 0 (r)xi = 2r, を得るでしょう。 シュヴァルツシルト解 : µ ¶2 r−b f (r) = , r+b µ g(r) = r+b r ¶4 , b= a GM = 4 2 においては、 4b(b−r)xi F 0= r4 となります。よって、原点を中心とし、座標半径 r0 の球内部の領域が持つエネル ギーは、 Z Z ¡ ¢ −1 √ √ E(r0 ) = d3 x T00 + t0 0 = d3 x ∂i F i0 0 8πG r<r0 r<r0 µ ¶ Z −1 GM 2b(r0 −b) 2 i0 = d xi F 0 = =M 1− 8πG r=r0 Gr0 2r0 i0 と評価されます。ガウスの定理により、空間積分が r = r0 の球面上の積分に帰着 したことに注意してください。このためこの結果は、r = r0 でシュヴァルツシル ト解になっている全ての系において正しいことになります。 特に系全体のエネルギーは、 P0 = E(∞) = M です。すなわち、遠方の重力ポテンシャルから推察される星の重力質量 M と、系 全体のエネルギー P0 は、正確に一致するわけです。また、E(GM/2) = 0 がわか りますが、これはブラックホールの内部 (事象の地平面の内部) のエネルギーが正 25 確に 0 であることを意味しています (∗) 。シュヴァルツシルト解のエネルギー M は、地平面外部の重力場が全て担っているわけです。 一方、座標の中心に密度 ρ が一定の星がある場合を考えると、シュヴァルツシ ルト内部解 : p ¢2 1 1¡ p dr2 − r2 dθ2 − r2 sin2 θdφ2 , dτ 2 = 3 A(R) − A(r) dt2 − 4 A(r) 8 4 A(r) = 1 − πGρr2 , M = πρR3 3 3 を用いて、物質のエネルギーは、 Z Z R Z 物質 3 √ 0 P0 = d x T0 = dr p p 3 A(R) − A(r) 2 p dθ dφ r sin θ ρ 2 A(r) 0 0 0 à s ! µ ¶ Z R 3M 1 − 2GM/R 2GM = dr 3r2 − r2 = M h 3 2 3 2R 0 1 − 2GM r /R R Z π 2π と見積もられ、ここで、 √ √ 7 9 9 1 − x arcsin x √ h(x) = − + 4 4x 4x x です。R は星の座標半径ですが、計量の式からわかるように、これは球面の面積 が 4πR2 になるように定められた座標半径で、等方座標における半径や実際の動 径距離とは異なることに注意してください。 関数 h(x) を x = 0 の周りで展開すると、 h(x) = 1 − 3x + O(x2 ) 10 となることが確かめられるので、特に非相対論的な星 (GM/R ¿ 1) においては、 P0物質 ∼ M − 3GM 2 5R と近似され、また、重力場のエネルギーは、 P0重力場 =M− P0物質 3GM 2 ∼ 5R と近似されます。これはニュートン理論の結果と一致しています。 (*注) 星が重力崩壊してできるブラックホールは、ここで扱っているような物質のないものとは 内部構造が異なり、地平面の球殻周囲に物質が寄り集まり、地平面の時間凍結効果により準定常的 とみなされる矮小天体です。このようなブラックホールはその内部がフラットな真空となり、やは り内部のエネルギーは 0 になります。外部の世界から観測する限り、物質が降着するブラックホー ルも、そうでない真性のブラックホールも、まったく区別はつかないことに注意してください。 26 9.20 慣性系のひきずりとカー解 ここでは回転する天体が作る弱い重力場について考えてみましょう。 座標の中心に定常的に回転する軸対称な天体があるものとし、回転の方向を x3 方向とします。天体のエネルギー運動量テンソルを T µν とすると、重力場の遅延 ポテンシャルの式は、系の定常性から、 Z µν 0 µν 3 0 T (r ) ψ (r) = −4G d r |r−r 0 | ですが、1/|r−r 0 | が、 1 1 r·r 0 = + + ··· |r−r 0 | |r| |r|3 のように展開されることに注意すると、|r| À 天体の大きさ という近似のもとで、 Z Z 4G 4G µν 3 0 µν 0 ψ (r) = − d r T (r ) − 3 d3 r 0 r·r 0 T µν (r 0 ). r r √ ここで r = |r| = xi xi です。系の軸対称性に注意すると、特に 00 成分は、 Z 4GM ψ 00 = − M = d3 r 0 T 00 (r 0 ). r, M は天体の質量を意味します。また、同じく軸対称性から、 Z 4Gx2 01 10 d3 r 0 x02 T 01 (r 0 ), ψ =ψ =− 3 r Z 4Gx1 02 20 ψ =ψ =− 3 d3 r 0 x01 T 02 (r 0 ) r ¡ ¢ R がわかるでしょうが、天体の角運動量第 3 成分が J = d3 r x1 T 02 (r)−x2 T 01 (r) R R であり、軸対称性から d3 r x1 T 02 (r) = − d3 r x2 T 01 (r) がいえるので、この式 の両辺は J/2 と評価されます。よって、 ψ 01 =ψ 10 2GJx2 = r3, ψ 02 =ψ 20 2GJx1 =− r3. さらに、T 03 = 0 および天体の回転が非相対論的であるとすれば、最低次の近似 では T ij = 0 と評価できるので、ψ 03 = ψ 30 = 0, ψ ij = 0 です。 そうすると、計量の摂動 φµν = ψµν −(1/2)ηµν ψ は、 φ00 = φ11 = φ22 = φ33 = − φ01 = φ10 2GJx2 =− r3, 27 2GM r, φ02 = φ20 2GJx1 = r3 で、他の成分は 0 です。線素の式は、 µ ¶ µ ¶ 2GM 2GM 4GJ dτ 2 = 1 − dt2 − 1 + dxi dxi + 3 dt(x1 dx2 − x2 dx1 ) r r r µ ¶ µ ¶ 2GM 2GM = 1− dt2 − 1 + (dr2 + r2 dθ2 + r2 sin2 θ dφ2 ) r r 4GJ sin2 θ + dtdφ. r ここで x1 = r sin θ cos φ, x2 = r sin θ sin φ, x3 = r cos θ で極座標を導入しました。 dtdφ の項があり、系が静的でないことがわかるでしょう。すなわちこの系は大域 的に時計を同期できない系になっているのです。φ0 = φ − ωt により角速度 ω で 回転する系に移れば、J, ω の高次を無視して、 µ ¶ µ ¶ 2GM 2GM dτ 2 = 1 − dt2 − 1 + (dr2 + r2 dθ2 + r2 sin2 θ dφ02 ) r r µ ¶ 2GJ − ω r2 sin2 θ dtdφ0 +2 3 r となります。天体からの座標距離が r の円周においては、角速度 ω = 2GJ/r3 で 回転する系が、むしろ一周にわたって時計を同期できる系になっていることがわ かります。天体の回転により、その周囲において静的な基準系がひきずられるこ の一般相対論的効果は、慣性系のひきずりなどと呼ばれます。 ちなみに、真空において軸対称性を仮定した場合、アインシュタイン方程式は、 µ ¶ ¢ 2 ar r2 + b2 cos2 θ 2 ¡ 2 2 2 2 dτ 2 = 1 − 2 dt − dr − r + b cos θ dθ r + b2 cos2 θ r2 − ar + b2 µ ¶ 2 2 ab r sin θ 2ab r sin2 θ 2 2 2 2 − r +b + 2 sin θ dφ + 2 dtdφ r + b2 cos2 θ r + b2 cos2 θ のように厳密に解かれますが、これをカー解といいます。a, b は定数ですが、遠 方における重力場から、 a = 2GM, b = J/M. ここで M は系のエネルギー (有効質量)、J は角運動量です。すなわちこの解は、 回転するブラックホール、あるいは回転する星の外部解になっていると考えられ ます。特に b = 0 でシュヴァルツシルト解になります。 28 索引 ヒルベルト作用の 1 階微分表現 . . . . . . . . . . . 21 ブラックホール . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .12 星のエネルギー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .25 あ アインシュタインの重力定数 . . . . . . . . . . . . . . 5 アインシュタインの線形近似式 . . . . . . . . . . . . 6 アインシュタイン・ヒルベルト作用 . . . . . . . . 3 アインシュタイン方程式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 一般相対論 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 一般相対論の作用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5 宇宙項 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5 宇宙定数 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5 エネルギー運動量テンソルの巨視的表示 . . 18 や 弱い重力場 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6 か カー解 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 28 慣性系のひきずり . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 28 巨視化 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17 近日点移動 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15 さ 事象の地平面 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12 重心系 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17 自由落下系 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 重力質量 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14 重力赤方偏移 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10 重力の遅延ポテンシャル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7 重力波 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 10 重力場のエネルギー擬テンソル . . . . . . . . . . . 23 重力レンズ効果 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .17 シュヴァルツシルト解 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12 シュヴァルツシルト内部解 . . . . . . . . . . . . . . . 20 シュヴァルツシルト半径 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12 た TOV 方程式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 20 等価原理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4 等方座標 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 14 トルマン方程式 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .20 な ニュートン近似 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7 は 光の湾曲 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 16 ヒルベルト作用 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3 29
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