x - 先端エネルギー理工学専攻

平成20年度 九州大学大学院総合理工学府
先端エネルギー理工学専攻 入学試験問題
専
門
科
目
注意
1.各解答用紙右上部の受験番号欄に受験番号を記入すること。
2.問題1~問題24のうち3問を選んで解答すること。
3.3問の解答を問題ごとに、それぞれ別の解答用紙に書くこと。
その際、各解答用紙左上部に選択した問題番号を記入すること。
また、選択した問題番号を、解答用紙と別に配られる「専門科目選択番号
票」に記入すること。
4.採点は解答用紙の表のみで行うので、紙面が足りない場合は追加解答
用紙を請求すること。
5.途中までしか解答できなくても、中間段階までの結果を解答用紙に書
いておくこと。
6.配点は各問題共50点とする。
物
理
学
(問題1~問題6)
問題 1
質量 m の2つの質点が下図のように異なるバネ定数 c 、 k を持つバネによって静
止した状態で壁に固定されている。質点はバネの伸縮方向にのみ運動し、重力の影響は無
視できるとして以下の問に答えよ。
(1)1つの質点が x1 だけ変位し、もう一方の質点が x2 だけ変位したとして、2つの質点
に対する運動方程式を求めよ。
(2)2つの質点が同じ周波数ν で振動するとして、ν が満たすべき条件を導け。
(3)(2)の条件からν を求めよ。
バネ定数 c
バネ定数 k
x1
バネ定数c
x2
問題 2 下図に示されるように、w の幅を持つように置かれた2本の導体レール、導体棒、
電源からなる閉回路が、一様磁場 B に垂直な面に置かれている。導体棒の質量を m とし、
導体棒は導体レール上を摩擦なく滑るとする。電流が流れる経路での導体棒の電気抵抗を
R とし、導体レールの電気抵抗を無視する。以下の問に答えよ。
(1) 導体棒に電流 I が流れた場合、導体棒が受ける力の大きさと方向を示せ。
(2) 回路に一定電流 I を流した場合、導体棒が動く速さ u を時間 t の関数として表せ。
ここで導体棒は時刻 t = 0 で静止していたとし、回路に流れる電流による磁場は無視
できるものとする。また、導体棒はいつも導体レール上にあるものとする。
(3) 回路に一定電圧 V をかけた場合、導体棒の速さは一定値に近づく。一定となる速さ
を求めよ。回路に流れる電流による磁場は無視できるものとし、導体棒はいつも導
体レール上にあるものとする。
(4) (3)の時に回路に流れる電流はいくらか。
一様磁場 B
導体レール
+
幅w
ー
導体レール
導体棒
電源
問題 3 質量 m の単原子分子が以下の確率密度分布に従うとして、次の問に答えよ。
(1)温度 T の熱平衡状態にある理想気体において、分子がエネルギー ε を持つ状態にあ
る確率密度は、比例定数 A 、定数 κ を用いて、 A exp(− ε κ T ) であらわされる。この
確率分布則は何と呼ばれているか。
(
) (
)
(2)分子が v x , v y , v z と v x + dv x , v y + dv y , v z + dvz の間の速度を持つ確率を書け。
(3)この系の単位体積あたりの分子数を n として、比例定数 A を計算し、速度分布関数
を求めよ。なお、必要であれば公式
∞
∫ exp(− ax
−∞
2
) dx = (π a )1 2
を用いても良い。
(4)上記の結果を利用すると、速度の絶対値が、v から v + dv の間にある速度分布関数は
どう表わされるか。
(5)(4)の結果を用いて、速度の絶対値 v の平均値を計算せよ。
問題 4
水素原子の波動関数が、動径部の波動関数と球面調和関数の積として、次式のよ
うに与えられるとする。
unlm (r ,θ ,φ ) = Rnl (r )Ylm (θ ,φ )
以下の問に答えよ。
(1)各量子数 n 、 l 、 m の名称ならびに関連する物理量について簡潔に説明せよ。
(2) n を与えたとき、 l と m のとりうる範囲を示し、縮退度を求めよ。
(3)半径 r と r + dr 間の球殻に電子を見出す確率を P(r )dr とすると、 P(r ) を Rnl (r ) で
表せ。
(4)1s 軌道( n = 1 、 l = 0 )の動径部の波動関数は次式で与えられる。
3/ 2
R10 (r ) = (2 / aB
) exp(−r / aB )
ここで、aB はボーア半径である。このとき、P(r ) が最大となる半径 rmax を計算し、
ボーア半径と比較せよ。
問題 5
ガンマ線のコンプトン散乱について、以下の問に答えよ。ただし、静止質量 me 、
運動量 p を持った電子の全エネルギーは、 E = (cp) 2 + (mec 2 ) 2 ( c :光速)で与えられる
とする。
(1)入射ガンマ線のエネルギーを Eγ とする。入射ガンマ線の入射方向に電子が反跳を受
けた場合、その運動エネルギーを求めよ。
(2)(1)の場合、反跳電子の相対論的ド・ブロイ波長を求めよ。
(3)ガンマ線と物質との相互作用のうち、コンプトン散乱以外に起こりうる相互作用を
2つ列挙して、簡潔に説明せよ。
問題 6
ブラッグ反射に関する以下の問に答えよ。
(1)1次のブラッグ反射の条件をX線の波長 λ 、ブラッグ角 θ 、格子面の面間隔 d を用
いて表せ。
(2)アルミニウム結晶の(1 1 1)面に波長 1.5 × 10−10 m のX線を照射し、ブラッグ角を測
定したところ 19.2° であった。アルミニウム結晶が fcc であることを用いて格子定数
を求めよ。このとき sin 19.2° = 0.33 を用いよ。
(3)アルミニウムの原子量が 27 であることを用いて、単位格子の質量をアボガドロ数
N A で表せ。
(4)アルミニウム結晶の密度が 2.7 × 103 kg/m3 であることを用いて、アボガドロ数 N A を
求めよ。
化学・化学工学
(問題7~問題10)
問題 7
下図に示すように、液体 B に溶解するガス成分 A が、液体 B に接触してい
る。A は B に溶解した後、B 中を拡散しながら、A+B→AB の不可逆擬一次反応で
AB が生成する。B 中の A の濃度は十分に希薄であるとする。また、生成した AB の
B 中での濃度もきわめて小さく、A の拡散に対する影響は無視できるものとし、1次
元の定常問題として取り扱えるものとする。以下の問に答えよ。
(1)図に示すような微小区間 x ~ (x + Δx) における物質収支から、次式が得られる
ことを示せ。
d 2C A
D 2 − kC A = 0
d x
ただし、D [m2/s]は B に溶解した A の B 中での拡散係数、CA [mol/m3]は B 中の
A の濃度、k [s-1]は不可逆擬一次反応の反応速度定数である。
(2)上に示した微分方程式を以下の境界条件で解き、B 中の A の濃度分布を表す式
を導け。
x = 0 では、CA = C0
x = l では、 D
dC A
=0
dx
ここで、C0 は A の B 中での飽和溶解濃度である。
(3)A の液体 B への単位面積当たりの吸収速度を求めよ。
気体 A
x=0
液体 B
x
x + Δx
A+B→AB
x=l
x
問題 8
放射性同位元素 3H で標識された C、H、O の元素から成る有機化合物があ
る。この化合物 5.22×10-7 kg を完全に酸化燃焼し、生成した H2O と CO2 を分離後、
それぞれ 2×10-4 m3 の容器に捕集した。その圧力を 300 K にて測定したところ H2O は
2×102 Pa、CO2 は 4×102 Pa であった。次に、生成した H2O を取り出し、計数効率が
30%の測定器でその放射能を測定したところ、計数値は 9×103 cpm であった。以下の
問に答えよ。
(1)3H から放出される放射線は何か。
(2)この有機化合物の比放射能 [Bq/kg] の値を有効数字1桁で答えよ。結果だけで
なく計算の過程も解答用紙に記入せよ。
(3)この有機化合物を酸化させないで 6 年間密閉保管すると比放射能の値はいくら
になるか有効数字1桁で答えよ。ただし、3H の半減期を 12 年とする。結果だ
けでなく計算の過程も解答用紙に記入せよ。
(4)有機化合物中の C、H、O の割合(元素比)を求めよ。結果だけでなく計算の
過程も解答用紙に記入せよ。ただし、ガス定数を R = 8 J/(mol・K)とする。
(5)この有機化合物は次のうちどれか。
(a) メタノール
(b) アセトン
(c) 酢酸
(d) フェノール
問題 9
物質の状態変化に関する以下の問に答えよ。
(1)次の文章中の(A)~(D)に適切な語句を、(a)~(d)に適切な不等号
(<または>)を入れよ。
液体がその蒸気と平衡状態で共存する時、圧力 P の温度 T に対する変化は、
Lv
dP
=
dT T (V g − Vl )
と表される。ここで、 V g と Vl はそれぞれ1モルの蒸気および液体が温度 T
において占める体積である。また、 Lv は(A)と呼ばれる熱量であり、この
式は(B)の式と呼ばれている。上式は、Vl を 1 モルの固体が温度 T におい
て占める体積 Vs で置き換えれば、固体と蒸気間でも成立する。この際、Lv は
(C)と呼ばれる熱量となる。同様に、固体と液体とがある一定圧力 P の下で
平衡にある場合の融点 T の変化も、
Lf
dT T (Vl − Vs )
dP
=
あるいは
=
dT T (Vl − Vs )
dP
Lf
と表すことができる。ただし、 L f は(D)である。
一般に、固体から液体への相変態に伴う体積変化は、液体から気体あるいは
固体から気体への相変態に伴う体積変化に比べ小さいため、融点の圧力に対す
る変化
dT / dP は、沸点や昇華点の圧力に対する変化より小さい。 また、多
くの物質で Vl (a)Vs であるため dT / dP (b)0 である。ところが水やビス
マスでは Vl (c) Vs で dT / dP (d)0 である。
(2)水の三重点の温度と圧力はそれぞれ 273.16 K、611.66 Pa である。水の三重点付
近の状態図を、縦軸に圧力 P、横軸に温度 T をとり図示せよ。ただし、液相、
固相および気相の各相とそれらの境界を明確に描け。
(3)
( B )の式は固体の相転移でも成り立つ。斜方イオウが単斜イオウに転移する
温度は、1×105 Pa の圧力のもとで 368.8 K である。圧力を 1.1×106 Pa にする
と転移温度は何度変化するか有効数字1桁で答えよ。結果だけでなく計算の過
程も解答用紙に記せ。なお、イオウの原子量は 32、斜方イオウと単斜イオウ
の密度はそれぞれ 2030 kg/m3、1980 kg/m3 で、転移の際に吸収される熱量は 320
J/mol とする。
問題 10 理想気体の比熱に関して以下の問に答えよ。
(1)理想気体の定圧モル熱容量 CP と定容モル熱容量 CV との間には気体定数を R と
して
CP-CV = R
の関係があることを示せ。
(2)気体分子運動論によると単原子分子からなる理想気体が温度 T の状態にある時
の 1 mol 当たりの並進の運動エネルギー E は
E =(イ)
である。温度上昇による内部エネルギーの増加はこの並進運動エネルギーの増
加であるから、定容モル熱容量 CV は
CV =(ロ)
となる。従って CP と CV との比 γ=CP /CV は
γ =(ハ)
で与えられる。
(イ)、
(ロ)、
(ハ) それぞれに相当する数式または数値を書け。
(3)2原子分子では分子のエネルギーは並進運動に加えて(a)と(b)とを考慮
しなければならない。(a)と(b)の自由度はそれぞれ(c)と(d)であ
るから、
(e)則により、温度T における、2原子分子気体の 1 mol 当たりの
全内部エネルギーは(f)である。
(a)~(f)それぞれに相当する語句、数式あるいは数値を書け。
(4)
(3)の議論は、高温での運動、あるいは(e) 則を念頭においたものである。
実際には並進運動と上記(a)および(b)の運動の全内部エネルギーへ寄与
の大きさは温度によって異なる。2原子分子気体の定容モル熱容量 CV の温度
依存性の概略を図示せよ。
電気・電子工学
(問題11~問題15)
問題 11
相互インダクタンス M で結合された下図の回路について、以下の問に答えよ。
(1)1次電流 I1 および2次電流 I2 を求めよ。
(2)結合の有る場合と無い場合で、電源から見た負荷側の抵抗分はどちらが大きいか。
同様に、リアクタンス分はどちらが大きいか。
(3)1次抵抗 R1 および2次抵抗 R2 で消費される電力を求めよ。
(4)電源から供給される有効電力を求めよ。
R1
L1
L2
R2
E
I1
I2
問題 12
えよ。
下図に示すように無限長同軸導線 A、B に電流 I が流れている。以下の問に答
(1) xy 平面上の同軸導体間の電界強度 E (Er , Eθ , 0) を求めよ。但し、中心導体の半径を a 、
外側導体の半径を b とし、同軸導体間のスカラーポテンシャル差を V とする。
(2) xy 平面上の同軸導体間の磁界強度 H (H r , H θ , 0) を求めよ。
(3) xy 平面上の同軸導体間のポインティングベクトル S = E × H を求めよ。
(4)ポインティングベクトル S を xy 平面上の同軸導体間で積分することにより、導線に
垂直な平面を通過する電力 P を電流 I とスカラーポテンシャル差 V で表せ。
z
I
I
y
x
A
問題 13
下図に示す遅相回路について、以下の問に答えよ。
(1)遅相回路において、電源電圧 E、小ループ電流 I1、I2、I3、最右端のコンデンサー
の電圧 V の間に成立する関係式を求めよ。
(2)(1)で求めた関係式より小ループ電流 I1、I2、I3 を消去して、電圧 V と電圧 E の
比を求めよ。
(3)電圧 V の位相が電圧 E の位相より 180 度遅れるための条件を求めよ。
R
E
I1
R
C
I2
R
C
I3
C
V
問題 14 単位長さ当りの抵抗が R 、単位長さ当りの漏洩コンダクタンスが G で、長さが
L の電線に直流電源を接続する場合について、以下の問に答えよ。
(1)送端 A からの距離 x における電圧 V ( x ) および電流 I (x ) の間に成立する関係式(分布
定数回路の基礎方程式)を求めよ。但し、線路のインダクタンスおよびキャパシタ
ンスは考慮しなくてよい。
(2)分布定数回路の基礎方程式の一般解を求めよ。
(3)受端 B が開放されている( I (L ) = 0 )ときの解を求めよ。
(4)送端 A に電圧 E の直流電源を接続したとき、定常状態において電源より出る電流
I (0 ) を求めよ。
L
A
E
B
問題 15
下図に示す回路の過渡現象について、以下の問に答えよ。
(1)電源電圧の値が 0 の時刻でスイッチを閉じた場合、過渡電流 I を求めよ。但し、コ
ンデンサーの初期電荷は 0 とする。
(2)電源電圧 E および(1)で求めた過渡電流 I の波形を図示せよ。
(3)時定数より十分時間が経過した状態における電源電圧 E、電流 I およびコンデンサ
ー電圧 VC の波形を図示せよ。
(4)時定数より十分時間が経過した状態において、電流 I が 0 の時刻でスイッチを開い
た場合、スイッチの両端に発生する電圧 VSW の波形を図示せよ。
VSW
E
I
R
C
VR
VC
材
料
科
学
(問題16~問題20)
問題 16
ステンレス鋼の組織と特徴に関して以下の問に答えよ。
(1) ステンレス鋼の主要な合金元素を挙げて、以下の特性を説明せよ。
(a) 耐食性
(b) 相安定性
(2)オーステナイト系ステンレス鋼の一つの大きな弱点として、応力腐食割れがある。
(a) この割れの発生条件について説明せよ。
(b) 防止方法の例を挙げ、これを説明せよ。
(3) 腐食試験法の例を1つ挙げ、これを説明せよ。
問題 17
金属の機械的強度を上げる方法について以下の問に答えよ。
(1)金属を完全無欠な結晶にすると、その結晶を塑性変形させるのに大きな力を必要と
する。この理由について説明せよ。
(2)実際には、上記の材料を作ることは難しく、下記の様な方法により材料の強度を上
げる。以下の 4 つの方法について説明せよ。
(a) 転位による方法
(b) 結晶粒径の調整による方法
(c) 合金元素による方法
(d) 析出物による方法
問題 18
金属の性質として次のような点があげられる。
(a) 金属光沢がある。
(b) 電気の良導体である。
(c) 熱の良導体である。
(d) 展性、延性に富む。
これらに関して、以下の問に答えよ。
(1)金属光沢を示す理由を説明せよ。
(2)電気の良導体であることをバンド構造を基に説明せよ。
(3)熱伝導のキャリアとなるものは何か。さらに、熱伝導率の温度依存性を説明せよ。
(4)延性に富む理由を説明せよ。
問題 19
次に挙げた分析手法の中から4つを選び、それらを固体材料に適用したときに
どのようなことが判るかをその原理を踏まえてそれぞれ数行程度で説明せよ。
(1)オージェ電子分光法(AES)
(2)X 線光電子分光法(XPS)
(3)エネルギー分散型 X 線分光法(EDS)
(4)メスバウアー分光法
(5)X 線回折法(XRD)
(6)ラマン分光法
(7)透過電子顕微鏡法(TEM)
(8)走査電子顕微鏡法(SEM)
(9)原子間力顕微鏡法(AFM)
(10)二次イオン質量分析法(SIMS)
問題 20
p 型半導体の電気伝導度の温度依存性について以下の問に答えよ。ただし電気
伝導度は正孔数密度に比例すると仮定する。
図(a)は、バンドギャップエネルギー εg
不純物準位 εA の p 型半導体の正孔数密度の温
、
度依存性の概略、また図(b)は、半導体のフェルミエネルギー εF の温度依存性の概略である。
(1)両図を結ぶ波線を考慮して、正孔数密度の温度依存性がなぜ図(a)のように表される
かを説明せよ。
(2)A、B、C
それぞれの領域をなんと呼ぶか。
(3)A 領域、C 領域のそれぞれの直線の傾きXおよびYを式で表せ。
A
B
C
領
領
領
域
域
域
X
Y
機械・エネルギー工学
(問題21~問題24)
問題 21
以下の問に答えよ。
(1)密度 ρ の完全流体が流れる直径 D1 の円管流路中に直径 D2 の絞り部を設けて、ベンチ
ュリを構成した。差圧測定のためのマノメータは密度 ρ S の液体を用いており、液位
差は h である。重力加速度を g とし、体積流量 Q の h への依存性を Q = Kh n とすると
き、指数 n を求めよ。また、 K を、与えられた量のみで表せ。
①
②
ρ
D2
D1
ρS
D1
h
(2)錐(きり)による静圧孔の穴開け加工に際して注意すべきことを、理由とともに説
明せよ。
(3)図の円管は水平に配置してある。管を水平に対して π 4 傾けたときに、同じ流量に
対する液位差 h はどうなるか。その理由を述べよ。
(4)実在の非圧縮性流体で同じ体積流量 Q が流れているとき、液位差 h は完全流体の場
合に較べて大きいか、それとも小さいか。
問題22
小さい間隔 2h[m]だけ離して、それぞれ速度 U1[m/s]、U2[m/s]で移動する2枚
の平行平板間の二次元非圧縮性定常流れを考える。図のように、2枚の平板の中央に、平
板と平行に x 軸、垂直方向に y 軸をとる。流れは層流で速度の y 方向成分は無視できる。
平板は十分に大きく、任意の x において速度分布は同一であるとする。また、壁面 1、2
の温度をそれぞれ T1 [K]、T2 [K]とする。以下の問に答えよ。
(1) 連続の式および Navier-Stokes の式は以下となる。
∂u
= 0,
∂x
∂p
∂ 2u
=μ 2,
∂x
∂y
∂p
=0
∂y
y
壁2
u=U2, T=T2
h
u
ここで、u [m/s]は速度の x 方向成分、p [Pa]は圧力、
μ [Pa・s]は粘性係数である。これより、平行平板
間の速度分布が以下の式で書けることを示せ。
u=
U 1 + U 2 U 2 − U 1 y h dp ⎪⎧ ⎛ y ⎞
+
−
⎨1 − ⎜ ⎟
2
2
h 2μ dx ⎪⎩ ⎝ h ⎠
2
2
x
O
-h
⎫⎪
⎬
⎪⎭
壁1
u=U1, T=T1
(2) 壁面 1、2 におけるせん断応力τ1 [Pa]、τ2 [Pa]を求めよ。
(3) 粘性による摩擦熱の発生を考える。この場合、エネルギー方程式は以下のようにな
る。ただし、T [K]は流体温度、k [W/mK]は流体の熱伝導率であり、温度分布も速度
分布同様十分発達しているものとする。
2
⎛ ∂u ⎞
∂ 2T
k 2 + μ ⎜⎜ ⎟⎟ = 0
∂y
⎝ ∂y ⎠
(A) 壁面 1 における熱流束を求めよ。
(B) 壁面 2 だけが移動し(U1=0、U2=U )、さらに dp dx = 0 の場合を考える。
静止する壁面 1 が断熱壁であるとすると、壁温 T1、T2 はどちらがどれだけ高
くなるか。
問題 23
温度 T0 の半無限長・一様断面の棒の端(x=0)
0
x
T0
T1
に、時間 t=0 で温度 T1(>T0) の定温熱源を完全密着させて、
T ( x, t )
棒の温度を端から上昇させる。断面内温度分布が無視でき
T1
るとき、棒の温度 T は長さ方向位置と時間の関数、すなわ
T ( x, t )
ち T = T(x,t) である。棒の熱伝導率λ、密度ρ、比熱 c はす
T1
べて一定とする。以下の問に答えよ。
(t の増加)
T0
x
0
(1) 物性値 a =λ/(ρc) は何と呼ばれ、どのような物理的
意味を持つか。また、a と同じ次元(単位)を持つ物性値を一つ挙げよ。
(2) T(x,t) を支配する偏微分方程式を書け。
(3) 関数連鎖を示す右図のように、 T を、
X = t ( x,t ) で作る中間変数 u = x (2 at ) の
u ( X ) = x /(2 at )
t
関数、すなわち、
(
)
T ( x, t ) = T x (2 at ) = T ( u )
()
x
X =
t
T = T (u )
1次元 u 空間
T
x
とみなせば、(2)の偏微分方程式は、
T = T ( u ) に関する常微分方程式に変換で
u
2次元 X 空間
1次元T 空間
きることが知られている。以下の手順でこれを行え。
(A) 微小変化 Δ X = t ( Δ x, Δt ) 、 Δu 、 ΔT の間に、
ΔT =
∂T
∂T
dT
∂u
∂u
Δx +
Δt (全微分)、 ΔT =
Δu 、 Δu = Δ x + Δt (全微分)、
∂x
∂t
du
∂x
∂t
の関係があることを用いて、次の式①、②を示せ。
1 dT
∂T
・・・①
=
∂x 2 at du
、
∂T
u dT
・・・②
=−
2t du
∂t
(B) ∂ 2T ∂x 2 を作って T = T ( u ) に対する常微分方程式を完成させよ。
※ヒント:式①は、u の関数であれば何に対しても、従って T を dT du としても
成立する。
(4) (3)の常微分方程式を解き、T ( x,t ) を求めよ。但し、以下の関数表記と値を使え。
2 u −u2
erf ( u ) =
∫ e du , erf ( ∞ ) = 1
π
0
問題 24
下図のような構成のガスタービンにおけるサイクル(ブレイトンサイクル)は、
断熱圧縮(1→2)、定圧燃焼(2→3)、断熱膨張(3→4)および定圧排気(4→1)の過程か
らなる。サイクルで示す状態 1~4 における温度、圧力をそれぞれ T1~T4、p1~p4 とする。
以下の問に答えよ。
(1) このサイクルの p-v 線図および T-s 線図を描け。
(2) 圧力比 r および断熱温度比ϕ をそれぞれ
p
T
p
T
r= 2 = 3, ϕ= 2 = 3 =r
p1
p4
T1 T4
γ −1
γ
で定義するとき、熱効率を断熱温度比の関数で求めよ。ただし、γ は比熱比である。
(3) ブレイトンサイクルの熱効率の向上を図るための方法を1つあげ説明せよ。必要な
らば図等を用いてもよい。
2
燃焼器
3
負荷
圧縮機
1
タービン
4