台形枕カバーの工夫

【ポスターセッション】
13:30~14:00 (第 3 会場・国際会議室)
医療の質及び安全(患者安全推進)
-看護部門-
術後の大腿骨頭脱臼予防のために用いる台形枕固定の検討
~車椅子移乗時、台形枕のずり落ち予防、台形枕カバーの工夫~
《演者》
朝霞台中央総合病院
田中 恵美
【目的(はじめに)】
A 病院の整形外科病棟で人工骨頭置換術(以後 BHA とする)・人工股関節全置換術(以後 THA とする)の
手術件数は年間約 70 件である。手術後は股間に股関節を外転位で固定する枕を挟み、外転位を保持する。離
床の際には車椅子を使用するが、台形枕の固定バンドにゆるみが生じ車椅子移乗時における台形枕のずり落
ちが生じ、片手で固定バンドを押さえたり、何度も固定バンドを巻き直す等、移乗動作の不安定さにつながって
おり、脱臼のリスクが高いのではないかと考えた。
そこで、今回、車椅子移乗時のずり落ち予防に重点をおいた台形枕のカバーを工夫し、市販の台形枕カバー
と作製した台形枕カバー、それぞれを使用した車椅子移乗でのずり落ち状況の比較を行った。改良した結果、
効果があったのでここに報告する。
【方法(内容)】
研究期間:平成 24 年 8 月 1 日から 10 月 31 日
研究対象:BHA または THA の手術後 3 日以上経過し、車椅子移乗時台形枕使用の指示のある患者。指示が
理解でき、車椅子移乗に伴う動作を自力または腰を支える程度の軽介助で行うことのできる患者を対
象とした。
研究方法:1)台形枕カバーの作製
2)指標として用いる観察用チェックリストの作成
【結果(結論)】
台形枕カバーを改良することで、台形枕のずり落ちを予防することができた。
作製した台形枕カバーは今回の研究では短期間の使用であり、観察・改良していく必要がある。
【考察】
改良後台形枕は固定バンドにゴムを使用することで、伸縮性があり、太さの変化する下肢に対応でき固定バン
ドの緩み・台形枕のずり落ちが軽減するという結果が得られたと推測される。固定バンドを太くしたことでは、台形
枕と下肢との接触面積が広くなることや滑り止めシートを生地に付けたことで、固定バンドと下肢に摩擦力が強く
生じ、台形枕がよりずり落ちにくくなる状態を作ったと考えられる。
第 51 回TMG学会