在宅における難治性褥瘡へのチームアプローチ~多職種連携により改善

【ポスターセッション】
15:30~16:00
(第 4 会場・展示場)
在宅・介護
看護部門
在宅における難治性褥瘡へのチームアプローチ
~多職種連携により改善された事例~
《演者》
戸塚共立訪問看護ステーション
加藤 晶子
1.研究目的
事例を通して得た、多職種との連携強化の取り組み
を今後の地域での看護活動に繋げる。
2.研究方法
1)DESIGN-R ツールの使用や写真撮影により、褥瘡
の経過観察や評価をして情報を共有する。
2)多職種の協力を得てポジショニングの徹底を図り、圧
力・ズレ力の排除に努める。なお期間は、褥瘡発生
後から半年間とした。倫理的な配慮として、利用者と
家族に本研究の目的と意義を説明し同意を得た。
3.研究結果
5 月 20 日臀部に DESIN-R:9 点の褥瘡が発生。起
床後から就寝時まで、一日中車椅子乗車にてリビング
で過ごしている。体幹の捻じれによるズレと同一体位に
よる圧迫で、5 月 30 日には DESIN-R:46 点まで悪化
した。圧迫とズレの解消の為、臥床時間を確保するよう
に提案するが、リビングで夫と一緒に過ごしたいという
希望が強く拒否される。褥瘡治癒の為の条件として、圧
迫とズレの解消が必要である事を説明し、理解を求める
のと同時にリビングに隣接する和室へベッドを移動し
た。わずか 10 日間で褥瘡が悪化した為、訪問看護師
やヘルパー、訪問入浴のスタッフへも体位変換やポジ
ショニングが確実にできるよう写真を撮り、ケア方法の可
視化をはかった。また病院の連携看護師とも頻回に連
絡をとり、医師からの処置内容の確認を行った。褥瘡の
治療においては、本人と家族の協力なしでは治癒には
至らない旨を伝え、チームの一員として治療に参加して
もらうよう伝えた。当初褥瘡処置に対し否定的であった
が、創の縮小に伴い体位変換などに気を遣うようにな
り、DESIN-R:19 点まで創状態の改善がみられた。
4.考察
本症例の難治性褥瘡の軽快を促進した要因として、
①多職種との連携・協働が図れた事、②介護者の理解
を得られたこと、③写真と評価ツールの使用で情報の
共有ができたこと、④主治医による適切な治療とケアの
実施があげられる。この事例を通し、安心して在宅生活
を続けていく為には多職種との連携強化、地域との連
携が重要である。
第 53 回TMG学会