FUTURES 24 REPORT

FUTURES
24
REPORT
DAIICHI COMMODITIES CO.,LTD.
2016/11/05
10月の米雇用統計=雇用情勢の堅調な改善を示す
米労働省が11月4日発表した10月の雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門の就業者数は、季節調整
済みで前月比16万1000人増加と、前月(19万1000人増)から鈍化し、市場予想(17万5000人増)も
下回った。失業率は4.9%と前月から0.1ポイント改善、市場予想は4.9%。
10月の民間部門の就業者数は14万2000人増(前月18万8000人増)
。このうち物品生産部門は横ばい(同
1万4000人増)
。内訳は鉱業・林業が2000人減(同1000人減)
、建設業は1万1000人増(同2万300
0人増)
。製造業は9000人減(同8000人減)と3カ月連続でマイナスとなった。一方、サービス部門は14万
2000人増(同17万4000人増)
。
政府部門は1万9000人増(同3000人増)だった。
平均時給は25.92ドルと前月比0.4%増加し、市場予想の0.3%増加を上回った。前年同月比では2.8%
増加と、2009年6月(2.9%増)以来の伸び率。週平均時間は34.4時間と横ばいだった。
労働参加率は0.1ポイント低下し62.8%。半年以上の長期失業者は増加し、フルタイム勤務を望みながらパー
トしか職が見つからない人は減少した。
●12月利上げを後押しする内容
10月の米雇用統計は、非農業部門就業者数の増加幅が前月と市場予想を下回ったが、8月と9月が上方修正されて
おり堅調さは維持。また、米連邦準備制度理事会(FRB)か注目している平均時給も上昇しており、利上げを支える
内容。
米FRB内では、12月の利上げに向けた環境が整いつつあるとみられ、8日の米大統領選で共和党のドナルド・ト
ランプ候補が勝利し世界の金融市場が混乱する事態となるか、今後の経済指標が想定外の悪化を示すことがない限り、
利上げ実施の見方が強まりそうだ。
第一商品株式会社 〒150-0045 東京都渋谷区神泉町 9 番 1 号 神泉プレイスビル フューチャーズ・24
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○NY金は小反発=米雇用統計で売られる場面も
週末11月4日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場は、為替のドル安・ユーロ高に伴う割安感な
どから小反発。中心限月期近12月限の清算値は前日比1.20ドル高の1オンス=1304.50ドルとなった。
この日朝方に発表された10月の米雇用統計は、景気動向を反映する非農業部門の就業者数が前月比16万1000
人増と、前月の19万1000人増から伸びが鈍化し、市場予想の17万5000人増も下回った。ただ、8、9両月
の就業者数がともに上方修正されたほか、賃金も上昇したため、12月の利上げ実施には十分な内容と受け止められた
め、期近12月限は発表前の1308ドル台から、1296.10ドル(前日比7.20ドル安)まで下落した。
しかし、その後は外国為替市場で米大統領選の行方に対する警戒感から、ドルが対ユーロで下落したことから、ドル
建てで取引される金に割安感が生じ反発、1300ドルを回復した。
RJOフューチャーズ(シカゴ)のシニア市場ストラテジスト、ボブ・ハバーコーン氏は「
(米大統領選の共和党候
補)トランプ氏が勝利すれば、最初の反応は金相場の上昇だろうが、英国の欧州連合(EU)離脱ほど大きくないと思
う」と述べた。INGのコモディティー(商品)戦略責任者のハムザ・カーン氏は「トランプ氏の勝利は金相場にとっ
てプラスの方向を示す」と語った。
11月4日に公表された米メディアの世論調査では、民主党のヒラリー・クリントン候補が共和党のドナルド・トラ
ンプ候補をリードしているが、ポイント差は2-4にとどまっている。
○東京金は反発=米大統領選への警戒感で
東京商品取引所の金先物相場は11月7日付の夜間取引で、NY金が10月の米雇用統計が堅調な内容となったのを
受けて下落したことが嫌気され、一時は小幅安となった。しかし、NY金が米大統領選への警戒感を背景にドル安・株
安となったことで上昇したのを受けて反発した。
中心限月の2017年10月限は、日本時間11月5日午前5時30分現在、4日終値比14円高の4301円。
○円相場は底堅い動き=リスク警戒で
週末11月4日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、堅調な米雇用統計の発表を受けて一時、円売り・ドル買い
が優勢となったものの、米大統領選の行方に対する警戒感から、安全資産とされる円にあと買い戻しが入り、1ドル=
103円付近での取引となった。
米労働省が朝方発表した10月の雇用統計は、景気動向を反映する非農業部門就業者数の増加幅が前月実績および市
場予想を若干下回ったが、8、9両月の就業者数の上方修正や賃金の上昇など、全体的には「12月利上げに沿う内容」
と受け止められた。このため、発表直後は円売り・ドル買いの動きが見られ、円は一時103円34銭に下落した。
しかし、米大統領選の投開票を8日に控え、この日の市場はリスク警戒ムード一色。民主党候補ヒラリー・クリント
ン前国務長官の私用メール問題が再浮上したことで、各種世論調査では支持率が共和党候補ドナルド・トランプ氏とき
っ抗する大接戦となっており、相対的に安全資産とされる円は終盤まで底堅く推移した。
○NYダウ=7営業日続落
週末11月4日のニューヨーク株式市場は、8日に投開票を迎える米大統領選への警戒感が重しとなり、優良株で構
成するダウ工業株30種平均は前日終値比42.39ドル安の1万7888.28ドルと7営業日続落。ダウの7営業
日続落は約3カ月ぶり。ハイテク株中心のナスダック総合指数は同12.04ポイント安の5046.37だった。
朝方発表された10月の米雇用統計は、労働市場の底堅さを確認できる内容と受け止められた。また、4.9%に0.
1ポイント低下した失業率は、
「労働参加率の低下による『悪い失業率の低下』で、来年以降の利上げペースはゆっく
りになるだろう」との安心感につながった。
しかし、米連邦捜査局(FBI)が前週末、民主党のヒラリー・クリントン候補の私用メール問題をめぐり捜査を再
開したと公表したことをきっかけに、優位とみられていたクリントン氏が劣勢との世論調査も出始め、市場はリスク回
避ムードとなっている。この日も買いは続かず、ダウは終盤にかけてマイナス圏に沈んだ。
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