報告会発表資料 - 大学コンソーシアムせと

大学コンソーシアムせと
まちづくり施策協働成果報告会2015
瀬戸市における夜間景観の形成と評価に関する研究(2)
VR パノラマを用いた
合意形成ツールの提案と有効性の評価
名古屋産業大学 環境情報ビジネス学部
宇田ゼミナール
瀬戸市役所 都市計画課
発表 宇田 紀之
ポスター 月山 慎也
はじめに

私たちの研究室は、CG/VRの技術を応用した空間情報表
現方法の開発とその応用について研究しています。 1昨
年度より、瀬戸市の施策協働プロジェクトに参加する。
 (本年度の成果)
瀬戸市における「まちづくり」イメージをVRパノラマに表現して、
合意形成ツールとしての可能性を検証した。
名古屋産業大学
調査・検証
まちづくりのイメージング技術
合意形成支援ツール
都市計画課
まちづくりの企画・施行
技術提案
本プロジェクトの施策協働体制
住民の合意形成
まちづくりと合意形成

「まちづくり」とは、地域住民・行政・大学等さまざまな主体が
連携し、合意形成をはかりつつ、まちなみの整備計画を立案
する合意形成のパラダイムである。

まちづくりは、専門性の高いコンセプトやイメージを地域住民
や関係者がどのように共有し、議論に参加できるかが重要で
ある。
〇まちづくり情報の共有
◎空間イメージの共有 ← VRパノラマ技術
空間イメージ表現ツールとしてのCG/VR
従来方法
CG(コンピュータグラフィックス)
VR
バーチャルリアリティ
特徴
3次元モデリング
完成予想図の簡単表示
ネットを利用したイメージ共有
インタラクティブ性
臨場感・没入感
問題点
現実味が薄い/きれいすぎる
情報不足(視点・時間の固定)
モデリングに時間と労力がかかる。
3次元計測データ
パノラマ写真を利用する。
VRは、従来方法の問題を解決して、
イメージ共有の有効なツールとなりうるか。
パノラマ景観画像
カメラ位置を中心とする360度の球形画像。円筒
座標系や正方座標系を用いて平面表示する。
視距離や条件によって使い分ける。
パノラマ写真が簡単でいろいろな使
い方ができる。
VRパノラマ画像の表現方法
 3Dマッピング
(CAVE)
 ホログラフィー
 HMD(ヘッドマウントディスプレイ)
仮想空間の眺望体験を再現し、高い臨場感・没入感
を創出できる点でHMDが最適であると考えた。
事例研究
「パルティせと」を中心する夜間景観改善の提案

愛知県瀬戸市にある複合施設で、2005年愛知万博開催時に建設
された6階建の建物である。外壁は全面ガラス張りで、設計は、黒
川紀章建築事務所が担当した。建物は、「提灯」をイメージしてデ
ザインされたとされる。
2014年度 昼夜景比較による評価実験


周辺住宅への照明影響を配慮して、東側のガラス面を遮蔽材で
シールドしている。入居テナントは夜間消灯している場合が多いた
め、外景にマダラ模様が現れる。
夜間景観の評価は、昼間景観よりも低い。
全面透過型ライトアップのイメージ
。照明シミュレーションを用いて、全壁面の透過にした場合の夜景イ
メージを作成し、夜景写真に合成して、全面透過型ライトアップのイ
メージを作成した。
評価実験(SD法) 従来方法
結果(全体平均)
仮想夜景0.96、
夜景0.52
昼景0.76
(疑問)
提案夜景は
ホントに
こんなに
きれいなのか?
提案方法
VRパノラマの作成方法
繋ぎ合わせ(ステッチング)
 座標変換
球面座標→正方形座標
 画像合成
テキスチャーマッピング

球面座標
ステッチング→球面座標
(Pano Weaver (Easypano))
現実感のあるVRパノラマの作成
Modeling of Building was done
using AutoCAD
Outwall Modeling considering
glass property
Lighting simulation
setting indoor lumps
VRパノラマによる夜景評価
VRパノラマ夜景の印象評価では、
「周辺が見渡せるので画像の違和感がない」
「臨場感があってよい」
「全面透過型ライトアップの意味が良くわかる」
「パルティせとを見直した」など
まとめ
VRパノラマがつくる仮想空間は、まちづくり計画のイ
メージをより現実的に表現し、仮想空間の眺望を疑似
体験できる点は、まちづくりのコンセプトを理解し、共有
するうえで有効なツールでとなりうることが確認できた。
成果
①国際会議で2件のポスタとペーパーの採録
②学会誌(査読付き)に採録