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2 衛生通信
月
月
調理器具類の衛生管理について
調理器具類は、原材料の下処理から調理済み食品の盛り付けまで様々な用途で使用されます。そ
のため、調理器具類の使用区分の徹底や洗浄が不十分だと、取り扱う食品を汚染してしまう恐れ
があります。そこで今回は、食品の調理器具類からの二次汚染防止策として調理器具類の使用区
分および適切な洗浄方法・保管場所をご紹介します。
1.調理器具類の使用区分
次
の①~④は調理器具類から食品への二次汚染の例です。生魚を調理した包丁とまな板には、
生魚から汚れと微生物が付着します。この包丁・まな板を使用してサラダに用いる生野菜
を調理してしまうと、生野菜は魚由来の微生物等で汚染されてしまい、食中毒につながる確率が
高くなります。
①
②
生魚を調理する
③
魚で汚染された調理器具
こ
④
生野菜を調理
汚染されたサラダ
のような調理器具類からの二次汚染を防止するために、調理器具類は食品別および用途別
に使用区分を定めることが重要です。区分けにはカラーや保管する場所で分ける方法があ
ります ( 表1)。
表1.使用区分の設定例 ( カラーで区分け )
下処理用
用途別・
食品別
魚介類
食肉
調理用
野菜
加熱済食品 生食用野菜 生食用魚介類
包丁
まな板
一息
と
ほっ
具類
器
調 理
イズ
ク
○×
Q1:包丁・まな板の使用区分は、食肉用と野菜・魚介類用の2種類に分け
ることが望ましい
Q2:木製のまな板やザルは、キズがつきやすく細菌や黒カビが増殖しやす
いので、極力使用を控えることが望ましい
Q3:ザル・ボール等を床に直置きするのは不衛生なので、床に清潔なダス
ター等を敷くなどして衛生的に保管する
答えは次ページ
2.調理器具類の適切な洗浄方法・保管場所
二
次汚染を防止するために、調理器具類は作業の合い間及び作業終了時に洗浄・除菌する必
要があります。次の洗浄・除菌手順は大量調理施設衛生管理マニュアルを参考にしたもの
です。⑤の除菌では、利便性の高いアルコールの使用をオススメします。
乾
燥
①飲用適の水 (40℃程
度のお湯が望ましい )
で十分に水洗いする
②スポンジタワシに中性
洗剤又は弱アルカリ性洗
剤をつけてよく洗浄する
③飲用適の水 (40℃程度 ④しっかりと
のお湯が望ましい ) で十 乾燥させる
分に洗剤を洗い流す
⑤アルコール製剤を
噴霧して、除菌する
◎洗浄不足になりやすい箇所の洗浄のポイント
調理器具類ごとに、洗浄不足になりやすい箇所があります ( 表 2)。洗浄のポイントを確認し、洗
浄不足による二次汚染を防ぎましょう。
表 2.洗浄不足になりやすい箇所
器具等
洗浄不足に
なりやすい
箇所
洗浄の
ポイント
洗
まな板
包丁
傷目
刃と柄の
つなぎ目
泡立て器、スパテラ、
ひしゃく
柄の付根
ザル、ボール、かご
網目の部分、
縁の裏側
柄
傷目に沿って円を
描くように洗う
歯ブラシのような小さいブラシを使用し
て洗う ( 細菌がたまりにくい刃と柄のつ
なぎ目なしの一体型がオススメ )
スポンジやタワシ・歯ブ
ラシなど適切な大きさの
洗浄器具を使って洗う
浄・除菌した調理器具類は、床からの跳ね水による汚染がない床上 60cm以上の高さの場
所か専用保管庫、あるいは戸棚に保管しましょう ( 表3)。また、保管場所は実施するタイ
ミングを決めて、定期的に清掃して下さい。
表 3.保管庫の例と留意点
包丁などを衛生的に保管す
るには、紫外線殺菌保管庫
や熱風保管庫での保管がオ
ススメ
保管庫
留意点
紫外線殺菌
保管庫
水気はきれいに拭き取り、
間隔をあけて保管する
殺菌灯が点灯しているか
を毎日確認する
熱風保管庫
設定した殺菌温度が保た
れていることを確認する
調理器具本体だけでなく、 保管場所もこまめに洗浄 ・ 殺菌しましょう!
出典・参考:厚生労働省 大量調理施設衛生管理マニュアル , 公益社団法人日本食品衛生協会 食と健康 2013. 9
クイズの答え:A1.×( 野菜と魚介類も分ける )、A2.○、A3.×( 床上 60cm 以上の高さで保管)