省資源・省エネルギー/汚染拡散防止

2 環境保全の取組み
2−2
環境保全活動
省資源・省エネルギー
汚染拡散防止
大気汚染防止
◆ エネルギー使用量およびCO2排出量の推移
建設業で主に使用されるエネルギーは、建設機械や車両
2005年2月に京都議定書が締結され、CO 2 排出量削減な
の燃料である軽油などの石油類と電力です。この2つがCO 2
どの地球温暖化対策が世界各国で実行されています。当社
の主な排出原因でもあります。
では、地球温暖化対策の一環として、2004年7月に「地球温
左下図に最近5年間の当社における電力消費量と石油消
暖化防止対策要領書」を作成しました。各施工現場において、
費量の推移を示します。これらの値は、施工高や工事内容の
CO 2 発生量に関して適切な運用・管理を行うことで、環境保
変動、集計の精度などの影響を受けるため、年ごとに変動し
全および環境負荷の低減につなげていきます。またCO 2以外
ています。今年度は、昨年度と比較すると電力および石油類
の温室効果ガスの排出に関しても調査を行い、排出抑制等
の消費量が増加しています。しかしながら長期的には、電力
について検討していきます。
消費量は減少傾向であることが分かります。
当社におけるエネルギー使用量やCO 2排出量が近年増加
また、右下図にはエネルギー消費によるCO 2排出量の最近
傾向にあることから、2005年度は前述の「地球温暖化防止
5年間の推移を示します。2002年度までは総排出量、単位施
対策要領書」や建設3団体発行の「地球温暖化対策事例集」
工高あたりの排出量とも年々減少する傾向にありましたが、
を基にして、更なる省エネルギーを目指して努力していきます。
◆ 排出ガス対策型建設機械使用状況
我が国における二酸化窒素及び浮遊粒子状物質につい
ては依然として環境基準を達成していない状況がみられ、今
に使用して建設機械の排出ガスの低減が図られています。
当社の使用建設機械による排出ガス対策型建設機械の割
合も、2002年度が80.5%、2003度が87.6%、2004年度が80.9
後さらなる排出ガスの低減が求められています。
国土交通省では、
ディーゼルエンジンの排出ガス基準値を
定め、基準に適合した建設機械については「排出ガス対策型
建設機械」として型式指定を行っています。国土交通省直轄
%と毎年80%を維持しています。
今後も、地球温暖化防止対策とあわせ、大気汚染防止の
ために排出ガス対策型建設機械を活用していきます。
事業やその他の公共工事ではこれらの対策型機械を積極的
排気ガス対策 ∼五条川左岸流域下水道事業水処理施設築造工事(愛知県)∼
当現場においては振動、騒音に対して国の基準よりも厳しい
取決めがあるため、低騒音の重機を用いるとともに、排気ガスも
今年度は2003年度に引き続き増加傾向にあります。
抑えた施工が必要でした。通常の荷役作業においては、主にディ
120,000
(千kWh)
(kリットル)
12,000
(千トン)
(t / 億円)
60
CO2排出量
施工高1億円あたりのCO2排出量
電力消費量
石油類消費量
9,100
100,000
電
力
消 80,000
費
量
98,670
10,000
97,910
81,130
79,046
82,760
5,400
60,000
0
55
8,472
7,127
2001年
2002年
8,000 石
油
類
6,000 消
費
量
9.4
CO2
排
出
量 50
52.9
51.7
49.2
47.1
45
2003年
2004年
0
エネルギー使用量の推移
施
工
高
1
10 億
円
あ
た
り
の
CO2
5 排
出
量
10.8
10.4
4,000
4,018
2000年
11.5
11.0
45.4
40
2000年
2001年
2002年
2003年
15
13.3
ーゼルエンジン式のクレーンを使用していますが、電気式の門型
クレーンを採用することにより、騒音、排気ガスの抑制ができました。
また全天候型移動式屋根を現場内の50%に設置し、騒音対
策と良好な作業環境の維持に努めました。
現場全景図
水質汚濁防止
0
2004年
∼一般国道229号余市町ワッカケトンネル工事(北海道)∼
エネルギー使用量およびCO2排出量の推移
当現場は漁場に面しており、
現場からの排水については基準(SS:
25mg/R)
を順守するため、通常の濁水処理設備に加え写真の
地球温暖化対策施工事例
フィルターを設置し、
フィルターでろ過後に放流しています。
◆ OA用紙使用量の削減
このフィルターはポリプロピレン製で、半導体およびエレクトロ
三坂第 1トンネル工事(愛媛県)
2004年度のOA用紙購入枚数は65,726,000枚(A4換算)
CO2排出量の削減による地球温暖化防止や騒音・振動・粉
塵・排ガスの発生抑制のため切羽後方から土捨場までのずり
(※)
の運搬をダンプトラックからベルトコンベアに変更しました。
この変更により、
ずり運搬によるCO2排出量が25%以上低
減されます。
※ずり:トンネル掘削により発生する岩塊・土砂をいう
で、2003年度と比べると6.8%増加したことになります。また
トンネル坑口
カートリッジ式フィルターハウジング
11.8%増加しました。
74,000
(千枚)
(%)
100
87.4
72,000
80
70,000
68,000
O
A 66,000
用
紙 64,000
使
用 62,000
量
60,000
75.6
66,646
72
65,726
64,370
61,513
58,000
OA用紙使用量
再生紙使用率
56,000
54,000
13
います。
2004年度の再生紙使用率は87.4%で、2003年度と比べると
72,960
ベルトコンベア稼動状況
ニクス関連水のろ過や上水道、工業用水のろ過にも使用されて
2000年
2001年
2002年
OA用紙使用量の推移
2003年
2004年
∼三坂第1トンネル工事(愛媛県)∼
90
当現場の傍を流れる久万川は全国でも屈指の清流で、水質に
80
関する環境基準はAA型で最高位に分類され、下流の仁淀川は
70
全国河川ランキング7位(平成14年度)
となっています。当工事
再
60 生
紙
50 使
用
40 率
では清流の環境保全のため、SS:15mg/R(通常25mg/R)、pH:
30
れに見合った設備を設けて処理し、基準を満足した処理水のみ
20
放流しています。
10
0
6.5∼8.5(通常5.8∼8.6)
と通常より厳しい排出基準を設け、
そ
SS処理としては砂ろ過装置で、pH処理としては原水と処理水
の2段階処理で対応しています。
高度処理に用いた砂ろ過装置
14