pdfのダウンロードはこちらから - 日仏経済交流会(パリクラブ)Paris Club

『 詐欺師の歳時記 』
薄荷粋
Vol .4:
ブンセキ 鷺東 うさぎ(Ussagui Çaguishino)
メイン二皿めの後半突入前の箸休め:≪似輝人≫鑑賞
さて、暫し現実の世界へ。パリクラブ HP の 4/9 公式イヴェントレポートをお読みに
なり《おさしみにしたつづみはタブ~にしよ~う♪》、と、お聴きになった方々、同慶の至
りである。かの鼻唄は、宮原兄に知的横恋慕するパリ通信の筆者碩学が誰に送るともなく
放ったものだ。このようなお茶目な真似をするとは憎らしい奴 !!目から鱗はいわずもがな、
耳から鱗の青鞜派エリート・Frère Kenji WATANUKI に敬意を表して、近接未来のパリク
ラブ会員の皆様に《日仏経済稿流会のマドンナ》のイメージ画像をご紹介しよう。
イジワルしないでねβ熊ちゃん
往年の大女優のご尊顔を拝しながら、綿貫研二碩学のパリ通信(11)の余韻を味わいたい。
う~ん、好い。これ程、日本髪の似合いそうな白人女性はそうはいまい。山本富士子さん
がグレイのカラーコンタクト入れると殆ど同一人物である。
さて、前述の《タブー》であるが、仮に規則と同様に抵触する、破る為にあると解釈し、
いざタブーをおかさんとするゴウノモノもいる。我本陣自由が丘でタブーヲ丘さんとほっ
すれば、、、岡さん?丘さん?はいっ!あさおかさん?はいっ!ゆめじさん?はいっ!とみ
じさまではなく?いえ、、、嫌ですよ、いやよいや四方堅めのとみじさま?はいっ、若様方、
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わか和歌しい山本富士子さん似の麗人の我らがマドンナ像、こちらは各自で想像力を活用
して鑑賞するのはタブーではないのだが、この際、
《堪能》を試みて当会の名誉を傷つけぬ
ようくれぐれもお気をつけ頂きたい。
また、ザラバ中(9h~15h30)の会話は常にうさぎ嬢が降誕する際、とみじ様から授かっ
た第三の超覚《ト鼻耳》によってチェックが掛けられるよう総て録音されているのだ。下
手なことは言えないのに、ある日、横浜の邦楽舞台辺りから妙な会話が行われている風景
をト鼻耳がキャッチ、背景は箱詰めを待つ輸出用のやや極彩色過ぎる鯉幟の散らばる倉庫
である。課長がお茶くみの OL・文子を急き立てる。
《一緒に来て。今から俺と一緒に此処で幟、詰めてくれ》などというフレーズを溜め息
交じりに妙な処で区切って語ると我こころざしの師、芥川賞作家の宇能鴻一郎碩文風であ
る。師の芥川賞受賞作は知らぬ者の無い純文学のめいさく《鯨神》、が、実際はなんと読む
のだろう?鯨波、と書いて《とき》と読むので、鯨=ト、神=シン、だろうか?師は 1955
年(昭和 30 年)福岡県立修猷館高等学校から東京大学文科 II 類に進学。1959 年(昭和 34
年)同学文学部国文学卒、同学大学院に進学。1961 年(昭和 36 年)学位論文『原始古代
日本文化の研究』で文学修士。1968 年(昭和 43 年)同学大学院博士課程満期退学と云う
から、我盲愛するかのワタナベ守章先生と同い年且つ校友であり、交遊があったとしても
全く不思議はない。難解の極みの偏愛が文体の骨子をなしているのも頷ける。
ト鼻耳に流れ込む会話は、益々椿妙な展開を・・・
《ベイコクの自由の女神の右手のしろもんだが…》
《赤々と燃えるトーチか…キャンドル》
《ふう、よくみて。ともしびじゃないか?》
《と、も、CB?》
《そのとおり、つめたくはないか》
《ええ》
《これ、かわじゃん…///おいていってしまわれた》
うさぎ嬢は、本陣自由が丘駅近くのエクセルシオールの喫煙室で超覚に身を委ねている。
そこへ、知る人ぞ知る美声のトシン研究家・酒田基氏(サカタモトイ)の声が。
酒田は瀟洒な執務館を自由が丘の一等地に構えている。執務勘弟のサロンは東屋風の設
えの別棟で、通りを隔てた児童公園の老桜の枝ぶりを額縁に見立てた窓越しに眺める位置
取りだ。
この館で昨年の盛夏、速水御舟画伯の『炎舞』の具象の宴が営まれた。表向きは外交官
を招いての暑気払いの夕べである。余興として『うだるか如くのトシンの構図の三次元化』
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が仕掛けてあったのである。
天性の美質を複数授かり、美声であるばかりか欧風の美男の酒田は所謂、中年女性ファ
ンの追い掛けやジェラシーや束縛、パパラッチの猛追を振り切る為、容易には動向を第三
者に明かさない。うさぎ嬢との会話も殆どテレパシーである。けれども、決して人間嫌い
と云う訳ではない。酒田邸のサロンに人寄せを行う際には、一席数兆の家訓に恥じぬ十年
単位の準備時間や天文学的予算を投入し、まろうど方を饗応するのだ。
実際、その夜の暑気払いの余興のネタ仕込みのオペレーションも、絵の様な訳文を書く
うさぎ嬢とタッグを組んで十年前には大方の手配が済んでいた。
まず、うさぎ嬢が、それをハードカバーの恋愛小説の中に綴り込んで 2006 年初夏、有名
出版社から上梓する。その秋、当該書籍を全国版の日仏経済稿流日報紙上で有名文芸評論
家の書評欄にお取り上げ頂いてさりげなく PR。
オペレーションは粛々と遂行され、2006 年錦秋には次なる展開への待機&熟成期間が幕
を開けていた。
待つこと、数年。理想的な『標的』がうさぎ嬢の周辺に現れた。花札賭博師から身を興
し今では押しも押されぬ大富豪、世界の富裕層に無料で配布する超有力プライベート・マ
ーケットメディアの社主、シンガポールに本拠を構える性差別撤廃運動家Κ氏と同棲中の
‘愛妾’である。
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