その2 - 小山清二による新しい国家社会の建設を目指して

18.大東亜戦争(太平洋戦争)
追記1.大東亜戦争はアメリカが半分悪く、後半分は日本人の国民性が悪い
追記1.大東亜戦争はアメリカが半分悪く、後半分は日本人の国民性が悪い(2004
.大東亜戦争はアメリカが半分悪く、後半分は日本人の国民性が悪い(2004 年 11 月 4 日)
追記2.アメリカは真珠湾攻撃を如何に知り、または誰がアメリカに漏洩したのか
追記2.アメリカは真珠湾攻撃を如何に知り、または誰がアメリカに漏洩したのか(200
.アメリカは真珠湾攻撃を如何に知り、または誰がアメリカに漏洩したのか(2004
(2004 年 11 月 4 日)
追記3.聖心先生との対話を通じた「大東亜戦争に関する様々な事件への見解や論評」
追記3
.聖心先生との対話を通じた「大東亜戦争に関する様々な事件への見解や論評」 (2005 年 1
月 14 日)
追記4.ご無沙汰しておりました
追記4
.ご無沙汰しておりました 某投稿者 (2005 年 1 月 17 日)
追記5.
追記5. 聖心先生が言われた大東亜戦争に関するコメントに対する補足 (2005 年 1 月 19 日)
戦後50有余年を経過しても、今なお、某近隣諸国からの非難や攻撃が後を絶たない。実に戦後の
総決算に向けて大きな障害にすらなりつつあると言えるだろう。もうここら当たりで、謝罪外交や土下
座外交に終止符を打ち、新しい関係の下に再出発を図って行かねばならない時機に来たと言えるだ
ろう。太平洋戦争は、何も日本だけが一方的に侵略国というものではない。侵略の定義ですら未だに
国際法学者の間でも一向に定まらず殆ど不可能であるのが実状である。
こうした一般化している現在の押し付けられた歴史観から大きく脱皮して行かねば、新しい日本の2
1世紀を生き抜く活力も期待できないであろう。幾ら技術的な進展があっても、国民精神が大きく萎縮
してしまい、不健全な国民性に益々拍車を掛けることになり、結果的には亡国への運命を一直線に
辿ることになるだろうと危惧される。ここらで戦後の総決算を目指すべく、毅然とした強い姿勢が求め
られていると言えるであろう。
太平洋戦争で、日本がアジアに進出する以前に、既に、欧米諸国が帝国主義的にアジアやアフリカ
に進出してきており、インドやインドネシア等の諸国は、三百数十年の長きに亘り、被植民地化されて
いたという厳然たる事実があったのである。日本も当時の激動の国際情勢下で欧米列強に植民地化
される危険性もあり、危機一髪で国難を切り抜けてきたと言えるであろう。籠城していれば、その後の
歴史は、日本が植民地化されていく危険性もあり、また、日本が分割される危険性も生じていたかも
知れないほどの、凄まじい狂気の国際状勢だったと言えるであろう。欧米を中心とする、日本に対す
る圧力や包囲網を目の当たりにすれば、当時の我が国としては、おとなしく軍門に下って植民地化さ
れるか、戦うしかなかったと言えるであろう。
現在の似非平和主義者のように、戦争は残酷だからといった単純な理由で解決するものでもないで
あろう。アジアやアフリカの植民地諸国の歴史や状況を見れば、その悲惨さは歴然としていることで
あろう。真の国を想う愛国者ならば、当然に戦って行ったであろう。戦いとなれば、籠城するか野戦に
打って出るしかないのであり、やむを得なかった行動であろう。英霊の御霊に対して、心からの慰謝と
供養を、天皇陛下や総理大臣を中心として、諸外国の理不尽な圧力を排除して、国民的レベルや国
家的レベルで捧げていくことであろう。実に、国家総動員をかけての壮絶な戦いであったからこそ、戦
後も目覚ましい成長があったと言えるであろう。
ところで、太平洋戦争は、朝鮮や中国から見ると進出乃至侵略されたという思いが根強く残っている
ことであろうが、既に他国に侵略されていたか、その危険性が迫っていたと言えるだろう。それに直接
的には、朝鮮や共産中国軍とは日本は戦争状態ではなかったのである。戦ったのは欧米列強であり、
蒋介石軍であったと言えよう。従って、戦争における敗者が勝者に対して支払う国際協定に基づく損
害賠償などとんでもない話であろう。一応、外交的には既に決着済みの問題であろう。それに日本は
ナチスドイツのような残酷なことをしたわけでもない。
30万人の南京大虐殺があったと喧伝されているが、当時の南京市の人口や、市民の表情、報道発
表を見ても、それほどの膨大な虐殺があったようには思えないし、仮にあったとしてももっと低い数字
で、正当な戦いの結果で生じたものだろう。それも必ずしも日本軍が故意に一方的にやったという証
現下の諸問題と展望:86
明すら明確ではない。思うに、中国軍の謀略に挑発されて日本軍が反撃した正当な日中間の戦いを
大虐殺としているようだ。今更そのようなことを持ち出すことすら陰謀的に感じられるであろう。東京裁
判ですら大きく指摘されたり、話題にもならなかったのである。当時の南京には外国人報道関係者も
大勢いたが、新聞等でも何も大虐殺が報道されることはなく、とても日本による報道管制があったとは
思えない。
南京事件は、先述したように、中国共産軍の謀略により、油断した日本軍が不意打ちを食らった結
果、日本軍が一斉に反撃をしたことをもって大虐殺と言っているようだ。それに死亡した人数もどうや
ら10万人足らずであるらしい。蘆溝橋事件にしても、共産軍が、蒋介石軍と日本軍の両方に銃弾を
放ったことで誤解の下に勃発したようだ。戦争中は様々な謀略があり、今更その真実を暴き出しても
何も得にはならないであろう。新たな出発には大きな害毒、障害にすらなるであろう。魂胆があるとす
れば、それは無理難題を押し付けて金銭的損害賠償を引き出すためのものとしか思えない。そうした
要求は断固として排除していく時機に来たようである。
従軍慰安婦に対しても、日本軍が直接関与していたかどうか解らないが、何処の国でも極めて普通
にやっていたことであり、何も日本だけの仕業でもない。事実、戦後の米軍の日本進駐下に於いては、
日本人婦女子が100万人と言われるほど、半強制的に駆り出され、売春を金銭的対価と言う名目の
下に強要されていたのである。日本が経済的に成功して経済大国になった結果故の要求であろう。
根底には嫉妬や妬み、恨みの構造が横たわっていると言えるであろうか。時間の経過と共に次第に
風化していくのを気長に待つしかないであろう。
太平洋戦争は、欧米帝国主義的侵略諸国に対しては、アジア各国の植民地解放のためと言った面
を有した戦争であったことは事実であろう。太平洋戦争後において、アジアやアフリカの植民地諸国
が大勢独立を果たすことが出来たのは厳然とした事実であろう。日本が侵略したと言われるが、先述
したように、国際法的にも未だに侵略の定義すら確立されてはいないのである。それに戦争は国家の
自衛権として国際的にも合法化されているものである。自衛のための戦争を侵略と決め付けたことは、
歴史的にも世界の非常識であり、誠に勝手な論理であると言えよう。
ましてや、捕虜虐待等のBC級戦犯というものはあっても、平和に対する罪とか戦争犯罪とか言う事
後法的にでっち上げたA級戦犯や、侵略の罪などは国際法的にも常識として有り得ないのである。実
に当時の国家的な指導者を戦争犯罪人とした A 級戦犯の設定や、日本だけを侵略国と決めつけたこ
とと言い、そうした東京裁判史観を打破して否定していくことが必要であろう。個人的にも未だに決闘
が合法化されており、国家間における戦争も、実に個人間での決闘の延長であり、自衛のための侵
略は自衛権の行使であり、むしろ侵攻とも言えるもので国際的にも従来の歴史においても認められて
来たものである。
もしも日本が朝鮮や中国を植民地にしたというならば、欧米諸国が行ってきた植民地支配における
賠償と同様に解決していくことであろう。日本だけが突出して謝罪し土下座し損害賠償をすることが実
に可笑しいことに早急に目覚めるべきであろう。既に国家間の外交的には決着したことであり、何時
までも国民レベルにおいてまでも謝罪し続けることは、国民性を卑屈に貶めるだけであり、中国や韓
国の狙いもそこにあるようだ。勿論、そうした外国への進出行為が正当化されるとは言ってはいない
し、また言うつもりも無い。ここは経済協力などの形で共に友好関係を築いていくしかないであろう。そ
れも程度問題であり、今なお、謝罪を強要するような諸国とは思い切って精神的にも断交するような
ことぐらいの毅然とした外交姿勢が求められていると言えるであろう。
先述したように、東京裁判にしても、戦勝国が一方的に、事後法的に日本だけを侵略国、残虐非道
の国として悪者にし、でっち上げて罪悪感を押し付けた面があることを、国民はそろそろ目覚めるべき
であろう。要するに、国内勢力や一部外国から執拗に追求されている戦争に対する歴史観なるもの
は、勝利した側と敗戦した側、また進出していった側と進出された側とでは見解が相異するのは当然
現下の諸問題と展望:87
である。それを一つに統一すること自体が極めてナンセンスであると言うことに気が付くべきであろう。
これは個人の喧嘩でも国家間の対立でも同じであり、様々な社会の現象に対しても見解の相違という
ものがあるのは常識である。それ故に、占領軍側から与えられた憲法の一部の民主的側面にのみ目
を奪われてはいけないだろう。背後に隠された日本の占領、再軍備防止、弱体化等を狙ったもの面も
あると言えるだろう。
しかしながら、そうした歴史観なる陰謀も次第に破綻してきていると言えるであろう。日本を守護する
真の神仏の波動が次第に邪悪な想念を駆逐しだして来たと感じられるからである。そのうち、歴史的
にも劇的な展開が真の神仏によってもたらされるであろうと予想されるものである。世界も日本も真の
神仏の存在を知って共に早急に目覚めることであろう。日本を潰せば世界も崩壊するという関連の神
仕組みを根底から知って、真実を見る眼を開いていき、日本が世界の中心であることに気付くことで
あろう。新しい世界を構築する鍵は、地政学的にも波動的にも日本が担っていることに気が付くことで
あろう。日本から日本人の国民性の変革と共に戦後史観を根本から是正し、世界に向けて自信を持
って発信していく時機に来たようである。これなくしては、新たな世界の平和や国際的調和も来ないも
のと思われる。
世界の動向は今、日本の命運と共に一蓮托生の関係になってきたようだ。世界的経済恐慌の発生
も日本が震源地になろうとしているし、日本の資金が国連機関の運営や発展途上国を支えつつある
とも言えるし、何よりも世界の超大国である米国経済をも今や日本が米国国債の購入等で支えてい
る現状を世界はよく理解する必要があるだろう。日本への北方領土返還を渋り、自国のみならず東欧
経緯圏を解体し崩壊させて行ったように、今度は、世界経済をも崩壊させて道連れにしていくことにな
るものと思われる。逆に言えば、それしか戦後の歴史の総決算を図って、全ての連関(リンク)を解除
して新たな道を切り開いていく方策はなくなってきたようである。
追記1.大東亜戦争はアメリカが半分悪く、後半分は日本人の国民性が悪い (2004年11月4日)
全く無名のサラリーマンの鈴木氏が外資系企業を幾つか渡り歩いた定年退職後に「大東亜戦争は
アメリカが悪い」を出版した。有識者の見解に満足せずに、共同出版の形式を取って出版したものだ。
膨大な公開資料を駆使して、5年の年月を掛けて調査検討し、大東亜戦争に至る背景や原因を分析
した結果、大東亜戦争はアメリカの巧妙な誘導に乗せられていったもので、その米国の謀略性と騙さ
れた日本の両方を糾弾し、アメリカが悪いという反面、それを見抜けなかった日本も半分悪かったと
いうものだ。
タイトルでは、日本の国民性が悪かったとは表現されてはいないが、本の内容では、アメリカの責任
と日本の責任とが半分であるという指摘だし、講演会でもそのように言及しているようだ。左翼の東京
裁判史観に洗脳された連中は、アメリカは何も悪くなくて、ただ一方的に日本が侵略行為を働いて悪
かったという自虐的、土下座的な思考に凝り固まっており、中国や韓国の言いなりになっていることが
多いようだ。また右寄りの愛国的、民族的連中にしても、日本は何も悪くはない、アメリカが悪いという
発想だ。両者とも極端であり、これでは過去を総括して新たな飛躍や挑戦へと結び付いて行くことが
ないし、同じ失敗や誤りを繰り返すことになろうというものだ。
然るに鈴木氏は日米のどちらも悪かったという結論に達しているものだが、矢張り、外資系という環
境から日本の国民性を奥深く洞察し観察できて、国民性の欠陥を謙虚に自己反省を込めて指摘して
いるものだろう。そう言う客観的な分析をしている者は余りいないように思われる。その意味では極め
て画期的な分析に基づいたもので、高く評価できるものだ。然るに惜しむらくは、日本人の国民性の
欠点を指摘されて、果たしてどれ程多くの日本人が自己反省を出来るであろうか。この国民性は何も
大東亜戦争当時のものではなく、現在でも引きずっているものである。当方が目指す改革も正に、こ
の日本人の国民性の変革に他ならないものだ。
現下の諸問題と展望:88
なお、今後はこうした鈴木氏のように、全く無名の者が著作や行動を通して、既成概念の通説を打
破して登場して来るであろうと思われる。実に幕末時の脱藩浪人や下級侍の登場と酷似した状況が
到来して来るであろうと期待されるものだ。既成の知識人達の役割は次第に後退を遂げて行かざる
を得ないように思われる。何故なら彼等の殆どは単なる現象面だけの分析に終始しやすく、鈴木氏の
ように、自己反省を込めた国民性の欠点を指摘するものではないようだ。仮にそのような点を指摘し
ても、そこには何処となく、大上段に立って国民を扱き下ろすものであり、自己反省の意気込みが感じ
られないし、その情熱も伝わって来ず、正に無責任で無節操な国民性の代表者に他ならないからだ。
さて、この著書の中で、鈴木氏は、日本人の国民性の欠点を二点挙げている。第一は現実を直視
できない思考構造だという。これは木を見て森を見ない近視眼的な思考のことを言っているものと思
われるが、今では多くの有識者が指摘しているところだ。実に総合的で大局的で相対的な判断や思
考能力が著しく欠如している点だ。その近視眼的な島国根性や役人根性とさえ揶揄される日本人の
思考や国民性の欠点の原因や背景に関しては、殆ど誰も正確に指摘し分析していないが、実に当方
は日本語の思考構造に由来していると指摘するものだ。
即ち、漢語と和語の二重言語構造の日本語が両極端をふらふらと行き来して、漢語を主体とした男
性的厳格な思考構造と、平仮名和語を主体とした女性的穏和な思考構造とを有し、実に中心部分の
芯がない曖昧さを呈して、決断を出来にくい曖昧な思考構造を生み、それが無責任で問題先送りの
優柔不断な国民性を形成して、更には国家の迷走を招来しているとする結論だ。またこの言語構造
が、書き言葉と話し言葉の乖離、建て前と本音の乖離を生んでいるとするものだ。因みに、往々にし
て書き言葉には建前が現れて、話し言葉にこそ本音が現れている場合が多いように思われる。こん
な風に真偽が乖離した複雑な言語は世界中探しても何処にもないようだ。
また第二の欠点として、鈴木氏は変わり身の速さを掲げている。これも当方や一部の有識者が指摘
しているもので、無節操や無思想や無定見に繋がるもので、裏切り、密告を平気でやるような正義感
にも欠如した国民性を形成しているものだ。この点に関しては、歴史上の事件を列挙していけば切り
がないが、幕末時の無節操な尊皇攘夷から公武合体へ、そして西洋崇拝へと一気に突き進んでいっ
た経緯が物語っている。また大東亜戦争後においても、鬼畜米英から親米へと流れが急転換し、挙
げ句の果ては日米英会話集が爆発的に売れたり、マッカーサーを天皇陛下以上に崇拝してみたりす
る国民性の極端から極端に流れる変わり身の早い性格である。
また、忠臣蔵が大多数の国民に熱狂的荷受け入れられていくのは、実に逆説的ながら、日本民族
には忠義や正義の念が大きく欠如しているからに他ならないものだ。大石蔵之助はその点を熟知し
ていたからこそ、仇討ちの熱狂が冷めるまで、真剣に参加する真の忠義者の情熱や真意などの心魂
を長い時間を掛けて試したものだ。その結果、300人程いた赤尾藩士の内で、仇討ちに加わった者
は僅かに47人であったというわけだ。それほど変わり身が早いと言うことで、正義感にも乏しいと言う
面を示唆していると言えよう。なお、武士道とか喧伝されているが、これも儚い願望であり、多くの日
本人は忠義や正義感に富んだ武士道精神が希薄ではなかったかとさえ思われるものだ。
だが、この変わり身の速さは、ある面では極めて柔軟性に富んでいると言うことでもある。当方は、
歴史的な新しい国家社会の建設に際しては、実にこの日本人の無節操な柔軟性の国民性に大いに
期待するものだ。遠くない将来に向けて、次第に西洋文明が大きく破綻して行き詰まって来るに連れ
て、日本が世界に冠たる指導理念を提示して立ち上がっていく際に、日本人の覚醒や自覚を期待す
るのに、この柔軟性が大いに発揮されるのではないかと期待するものだ。要するに何でもありのあっ
と驚く発想や行動に流れていくのが日本人であり、正にこのメダカや彷徨える羊の群のような、その
場の空気に流されやすい群集心理にもよる行動態様に期待するものだ。即ち、優れた指導者が先頭
に立って、舵取りをしていけば、案外、国家社会が危急存亡の時に至れば、国民全体が付き従って来
るという傾向を痛感し、影ながらそれに大いに期待するものだ。
現下の諸問題と展望:89
追記2.アメリカは真珠湾攻撃を如何に知り、または誰がアメリカに漏洩したのか (2004年11月4
日)
ところで、アメリカは日本軍の真珠湾攻撃を如何に知ったのか、または日本側の誰がアメリカに国家
機密情報を漏洩したのかについて考察してみる。むしろアメリカが独自の調査で知った可能性は低い
と思われ、何処かで日本側の売国的行為があったと考えられるからだ。アメリカはその極秘情報を知
って、逆にその信憑性を検証していった可能性の方が高いと言えよう。また知らないことにして、悟ら
れないようにして、日本側に悪役を演じさせて、アメリカ国民を鼓舞させて、正義の戦いに立ち上がら
せて行った面が濃厚だ。その謀略性にまんまと填ったのが日本というわけだ。
それでも大東亜戦争の開戦は、当時の国内外の情勢や米国の外交姿勢を考慮すると仕方ないと
思っている。愛国的、民族的政治家であれば、アメリカの挑発や挑戦を誰でも受けて立ったであろうと
思われる。個人でもしつこい相手には、身命を賭けて受けて立つということもあるが、それと同じこと
である。窮鼠猫を咬むという心理であり、当然の対応だ。これがなかったら、単なる腰抜けであり、臆
病者でしかないものだ。開戦に至るアメリカの謀略性に気付かない者は、やはり、邪悪性に鈍感であ
り、最後の決断・決心が出来ない優柔不断の腰抜けであり、相手の悪意を読めないで、現実を直視で
きない夢想家でしかないと言えよう。この心理が通常の日本人の国民性であろう。偶々、開戦に至っ
た心理は、眠っていた日本人の心理が呼び起こされたものであろう。
さて、「大東亜戦争はアメリカが悪い」を著作された鈴木氏は、近衛文麿氏の人格を批判しているが、
当方も彼は最大の売国奴ではなかったかと懐疑的である。著作では余り詳しく言及されていないし、
余り誰も気に留めてもいないが、大東亜戦争の発端となった真珠湾攻撃の情報をアメリカに流した張
本人は近衛氏ではなかったかという疑念を抱いている。今日、日本の真珠湾攻撃は、既にアメリカ政
府は開戦前から情報を把握していたと暴露されているが、一体如何にしてアメリカがその情報を入手
し把握したかは未だ明確には解明されてはいないようだ。日本を追い詰めて暴発を誘導したことは確
かだが、日本が何処に奇襲を掛けるかは国家的機密事項であったと言えよう。
通説では、アメリカが独自に日本側の暗号を解読したとか言うが、むしろ暗号解読技術は日本が先
行しており、日本側の方がアメリカ側の情報の暗号を解読していたことも分かっている。アメリカは戦
争が始まって以降、日本の艦船や航空機から収集した文書などで暗号を解読できたというのが真相
ではないか。またオランダ植民地支配のインドネシアに原油積み出しで日本の石油運搬船が立ち寄
った際に、当該運搬船に発信器を取り付けて、運搬船の動きを探って知ったからだとも言われている。
即ち、運搬船の行方を追えば、原油補給の空母機動部隊の動きと連動しているから分かるというもの
だ。当時は、原油積み出しのタンカーは使用されていずに、精製された石油をそのまま補給艦として
旋回に補給していたものであろう。現在のようにタンカーで運搬し国内で精製していたものでは無かっ
たもので、簡単に空母機動部隊の動向を把握できたというものだ。それでも空母機動部隊の動向は
解っても、何時、何処を攻撃するかまでは解らないものだ。
そこで、当時の駐日米国大使のグルー氏と近衛文麿氏とが頻繁に秘密会談を持っていたことが暴
露されているが、一体彼等が何を話し合ったのかは歴史の謎である。そしてグルー氏はアメリカ本国
に対して、「近々、日本軍の真珠湾攻撃がある」との報告を行っていることも暴露されている。この情
報は一体誰によって知ったのであろうか。勘ぐるに秘密会談で、近衛氏がアメリカ側に漏らしたので
はないのだろうか。開戦3カ月前の突然の近衛氏の辞任も、何となく軍部との対立に嫌気を差して政
権離脱ないし逃避から、大きく売国的行為に走っていく背景と関係しているのではないだろうか。
アメリカ政府はグルー氏の「日本は追い詰められると何をするか分からないと言う」警告的情報を握
り潰したことになってはいるが、案外、知らない振りをして日本の暴発を故意に誘導していった面が濃
厚だ。それ故に、一介に日本指導者が情報を漏洩したところで、それによって慌ててアメリカが対策を
現下の諸問題と展望:90
講じたわけでもないだろう。既にアメリカとしては、日本の暴発は既定路線であったと言えるが、万一、
敢えて日本側指導者が国家機密情報を敵国米国にその正確な真珠湾攻撃日を漏洩したとしたなら
ば、その国家に対する背信行為の責任は大きいだろう。
大東亜戦争終了直後に、東条英機総理は自決しようとしたが、これは大東亜戦争開戦の米国側か
らの責任追及を恐れて、また敗戦したことに対する日本国民に対する懺悔と反省を込めて自決を図
ったものであり、それなりに背景や動機、原因が理解できるというものだ。然るに、近衛文麿氏も自殺
をしたが、こちらの方は全く歴史の大いなる謎である。近衛氏は日米開戦の決断には関わっていない
し、彼は対米戦争を極力回避していたものだ。それなのに何故自殺したのであろうか。単なる開戦に
至るまで、軍部を押さえられなかった自らの優柔不断が招いた責任を取ったとでも言うのだろうか。そ
れならば、開戦直後に自殺すれば良かったのではないか。
思うに近衛氏の自殺は東条氏と大きく背景や理由が異なり、むしろ近衛氏は、アメリカに、日本の真
珠湾攻撃が近いという国家機密情報を漏洩したことの暴露を恐れて、国民に対する良心の呵責とま
では行かないだろうが、米国からの暴露も有り得る中で、日本国家や日本国民への背信的行為に対
する責任追及を恐れて、自ら口を封じて自殺していったのでは無かろうか。誠に死人に口なしである。
彼の残した日記も遺言もなく、今となっては何も分からないが、何となく推察、洞察するとそんな感想
が沸いてくるものだ。これは単なる邪険の悪意の妄想であろうか。
追記3. 聖心先生との対話を通じた「大東亜戦争に関する様々な事件への見解や論評」 (2005
(2005
年1月14日)
かつて聖心先生との対話の中で、大東亜戦争に関して、先生御自身の批評や見解を示された事項
が幾つかあったのを想い出した。この中には、現在でも多くの有識者の間で、見解が分かれ対立して
いるものも多い。事件の存否や真偽は勿論、評価などを巡って実に左右両極端に揺れている事例も
多い。普通の者には信じられない因果関係もあるが、仏身顛化の歴史的大偉業を達成され、広大無
辺の仏知恵を会得し解明された聖心先生の指摘される因果関係は、当方自身は真実と確信している
し、それでなくても、現在は確信が持てなくても、後日、解明される日が到来するものと思っているもの
だ。差し支えない事例について幾つか紹介しておこう。
まず聖心先生に、「大東亜戦争は回避できたのでしょうか」との問い掛けに対しては、「これは米国と
の覇権争いで何れかが倒れる必要があったもので防げなかったものだ。真の愛国的・民族派の政治
家ならば当然に勝負し開戦に踏み切ったであろうし、そうすべきだった。開戦は日本にとって勝ち負け
の判断を超えて正解であった。(読みが正解で外交手腕が定評であった)田中角栄でも(外交努力の
限界を感じて)開戦をやったであろう。」と言われた。現在、負ける戦争をどうしてしたのかなどの批判
や分析も出回っているが、これが間違った認識であり見解であるもので、大いに参考になるだろう。
また、「日本は大東亜戦争に負けて、日本にとっても世界的にも良かったのでしょうか、それとも悪
かったのでしょうか」と聴いたら、「むしろ負けて良かったのだ」と言われた。何故と再度聴くと「万一勝
利していたら、驕り昂ぶってとんでもない国民性になっていたからだ。」と言われた。「それに負けたこ
とによって、経済的成長もあったと言える。万一、勝利していたら、経済的発展はなかったであろう。ま
た日本的理念ややり方では米国民を指導し支配することなどできなかったであろうし、猛反発を食ら
って、国家が立ち行かなくなるのは明らかだった。」とも言われた。
「では、日清、日露の戦争の時と異なって、どうして日本は負けたのでしょうか。万が一つにも勝てる
機会がなかったのでしょうか」と聴いたら、「勝てないことはなかった。しかし敗退したことは、弘法大師
を守護していた眷属のタヌキが日清、日露戦争までは日本に留まっていて、日本を守っていたが、大
東亜戦争前には既に昇天して行ったようだ。」と言われた。「何故、昇天して日本から消滅して行った
のでしょうか」と聴いたら、「守護霊と言うのも寿命があり、十分に霊的寿命を全うしたからだ。」と言わ
現下の諸問題と展望:91
れた。「国民性が関係していなかったのでしょうか」の問いに関しては、「ある程度は関係するものだ
が、やはり、寿命で終了したと言うことだ。」と言われた。
また「南京虐殺事件が問題になっているが、この事件は本当にあったのでしょうか」を尋ねたら、「中
国の言う30万人もの規模ではないが、一応あったことは間違いない。日本人は我を忘れると残酷に
なるものだ。」と言われた。これは右翼・民族派や新米愛国派の連中が言うような「南京大虐殺はなか
った」の見解は論外であり、また左翼の言うような中国べったりの賛成意見も論外だが、極めて常識
的な見解では、田原総一郎氏も「日本の戦争」で紹介し同意しているものだし、副島隆彦氏も同じ見
解だが、千葉大教授の秦郁彦氏の指摘が正解ではないかと思われる。それでも聖心先生は、「起き
てしまったものは仕方ないので、過去は忘れることだ。何時までも過去に囚われるのは良くない。中
国自身も残酷なことをやっている。互いに過去は水に流すことだ。」とも言われた。また中国とは仲良
くして行かねばならず、決して米国に付き従って中国と戦争をしてはならないとも言われた。
http://www.101do.net/shosai/3i02020.html
http://www.geocities.jp/yu77799/giseisha.html
さらに従軍慰安婦に関しては、「殆どの国がやっていることであり、何も日本だけがやったことではな
い。これは時間を引き延ばして自然消滅を図るしかないだろう。下手に刺激したり、誤ったりすべきで
もない。」と言われた。従軍慰安婦がなければ、掠奪、強姦がたくさん起きて、却って問題化したであ
ろう。」とも言われた。これは一部の有識者も指摘するところだが、軍が直接関与したのかどうかだが、
それは大した相違でもないだろうと言うことだ。なおロシアが満州において日本人婦女子にやった残
虐行為こそ非難されるべきであろう。またアヘン戦争やオーストラリアのアポリジニ大虐殺や、西洋の
植民地支配における残酷行為も、従軍慰安婦の問題以上に非難されるべきだろう。
また「アメリカが投下した原爆の正当性は如何でしょうか。」を問うと、「あれは仕方なかった。アメリ
カが言うように、原爆で戦争終了を早めたことは確かで正解だ。原爆がなかったら、いつまでも降参
する機会を失って、そのうちにソ連にも北海道に進出されて、日本は分断され国土を蹂躙されていた
であろう。」と言われた。「それでは、もしも日本が原爆を保有していたら、牽制となって原爆投下が免
れたでしょうか。」との問いには、「全く逆だ。原爆が無かったからこそ、あの程度の穏健な占領支配で
終わったのだ。もし原爆を保有していたら、製造設備や研究施設などの解体破壊、そして科学者など
の強制連行があって、日本は二度と立ち上がることは無いような報復を受けたであろう。ドイツが科学
者の強制連行があったのは、ロケットなどを研究していたからだ。」と言われた。その意味では天皇陛
下の原爆製造反対は正解だったと言えよう。
「それでは、米国による占領政策はどうですか。」に対しては、「米国の占領支配で良かった。それで
こそ戦後の著しい経済の高度成長があったとも言える。もしも、ソ連に占領されたら、経済の発展もな
く後退もなく、何時までも戦後の荒廃した風景のままであったであろう。また中国に占領支配されたら、
大虐殺の怨念の復讐をやられたであろう。」とも言われた。なお、「中国や韓国の怨念は、彼らが同じ
仕返しを日本にやるまでは気が済まないであろう。しかし、中国とは敵対することなく、仲良くやってい
くしかない。その意味では、石原慎太郎のような過激で刺激する政治家では、国家が分裂し危機に陥
れるであろう。」とも言われた。
ところで、「日本は大東亜戦争で、一体誰と戦ったと言えるでしょうか。」に対し、「ユダヤ・フリーメー
ソンと戦ったのだ。周恩来も蒋介石もマッカーサーもルーズベルトもフリーメーソンだった。」と言われ
た。確かに米国民主党政権はユダヤ系であり、似非平和憲法を推し付けられたが、これなどはフリー
メーソン臭いものだった。良く日本は共産主義と戦ったのに、どうして米国は理解できないのかと言う
有識者もいるが、米国には民主党と共和党の二つの顔があり、特にフリーメーソンが支配する米国の
真の姿が理解できない者が多いのが現実だ。
現下の諸問題と展望:92
また「ロシアのロマノフ王朝時代の金塊が第二次世界大戦で紛失し、関東軍によりシベリアから日
本に運ばれたと言う指摘が、平成2年頃に、米国在住のロシア貴族出身の者が、日本政府に探索を
依頼し、政府は知らないと返答したが、その真相は如何でしょうか。」との問いには、「それは本当だ
が、これは忘れた方が良い。ボクには何処にあるのか判っているが、ボクが真剣に探査して、在り処
を知ったら、やはり、隠蔽できずに掘り当ててしまうだろう、万一、存在したとしても、表面化して使えな
いものであり、歴史の闇に隠蔽して行くしかないだろう。もっとも、日本が国家破産し、外国にも救済し
てもらえなくなったら、その際には国家社会のために活用することなら構わないであろう。これは陸軍
内のフリーメーソンがやったことで、彼らも表面化することは出来ないだろう。永久に歴史の闇に消え
ていくだろう。」と言われたが、それでは一体何処にあるのかは教えてくれなかった。
「現在の社会の混乱や学校の荒廃等の原因は何処にあるのでしょうか。」に対しては、「過去の幾多
の戦争犠牲者の御霊が浮遊し彷徨って成仏していないのが原因であり、それらが畜生死霊魂の餌食
となって人間の心に付着した結果が、狂気に走らせているのだ。子供たちの虐めは、実に軍隊の中
における古参兵の初年兵虐めとそっくりだろう。この怨霊化した霊魂を救済できるのはボクしかいない。
その内に、精神異状によるもっと大変な混乱が発生してくるであろう。政府がボクを無視するのは、国
家社会にとって大損失だ。」と言われた。
他にも随分多くの事件があるが、ここに紹介できない歴史的秘話もあり、決して誰にも言ってはいけ
ないと厳命されたものもあった。多くの事件の背景や因果などを問い質していったが、大変参考にな
ることが多かった。当方は大して歴史の造詣が深いわけでもないが、それでも大変な収穫であったと
思う。もしも有名な歴史研究者ならば、もっと深く質問して、学術的にも大いに役立って行ったのでは
ないかと惜しまれる。ここでは偶々、大東亜戦争だけに限って紹介したが、他の時代の事件に関して
も、多くの疑問をぶつけて真実の見解を拝聴したものだ。また、歴史に限らず、様々な事象や事例の
因果関係に対しても、真理や真実を尋ねていったものだ。実に日本にとって、聖心先生を無視したこ
とは大きな損失であったと言えよう。
追記4.ご無沙汰しておりました 某投稿者 (2005年1月17日)
遅くなりましたが、新年お目出とうございます。今年もご指導頂きますよう、宜しくお願い申し上げます。
この度の大東亜戦争に関する御記事、とても勉強になりました。
「むしろ負けて良かったので」との聖心先生のご見解、また「南京虐殺事件」や「従軍慰安婦問題」、ア
メリカに占領されたことの是非、石原慎太郎氏のことなど、とても勉強になりました。
日本の原爆製造に関しましては、中丸薫氏の本によりますと、日本の方がアメリカよりも先に原爆を
完成させていたものの、側近が昭和天皇にその使用に関してお伺いしたところ、天皇が「そんな非道
な物を使ってまで戦争に勝つ必要は無い」という旨のことを述べられた為に、日本は原爆を使わなか
ったそうですが、その真偽は私には判りませんが、地球を核大戦に突入させずに済んだという観点か
らしますと、日本はやられっ放しになって正解だったのかも知れません。
それから、ロマノフ王朝時代の金塊に関するお話、とても興味深く読ませて頂きました。陸軍内のフリ
ーメーソンがやったとの事ですが、海軍の山本五十六もフリーメーソンだったという説も有るくらいです
ので、歴史の裏は本当に不可解ですね。
これからもこのホームページを覗き見?させて頂きます。宜しくお願い申し上げます。
追記5. 聖心先生が言われた大東亜戦争に関するコメントに対する補足 (2005年1月19日)
再度の御訪問と御投稿をいただきましてありがとうございます。ご興味とご関心を抱かれたことに対
し、大変光栄に感じ感謝するものであります。当HPは、普段は大した情報でもないのですが、もっとも
制限したり抑制していることが多いのですが、時折、ユニークな情報と受け止められる方もおられるよ
現下の諸問題と展望:93
うです。当方も故意に沢山掲示板を設置して、話題が錯綜しないように長時間掲載出来るように配慮
し、単なる当方の知識や記憶の整理というもので、それとなく解らないように掲示しているものです。
従って、当情報を発見し関心を有されたことに敬意と感謝の意を表するものです。
なお大東亜戦争に関しては、またその後の戦後処理、戦後の発展などに関しては、多くの専門家の
間でも様々な見解や評価が対立し錯綜しており、その歴史的意義や価値観などで評価や意義を巡っ
て大混乱を来しているようです。そこでかつて聖心先生の言われたことを想い出しながら、少し抵抗
や躊躇もあったのですが、今となってはある程度紹介していくのも良いかなと思って掲載したものです。
これこそ聖心先生が実に客観的、総合的に、大局的に判断され評価されたものであり、真理に迫るも
のと確信しているものです。物事は一面だけででは、全体としての真正な評価には成り得ないものか
と思います。
ところで、大東亜戦争は、実に日本は追い詰められてやむを得ず戦ったわけですが、これは、マッカ
ーサーも戦後の米国議会で、「日本は資源もなく自衛のためにやむを得ず戦争に駆り立てられていっ
たものだ。東京裁判は間違っていた」と証言しておりますが、日本のマスコミは殆ど無視しているよう
です。米国にも良心の呵責があったと言うことです。米国と正々堂々と戦ったことに歴史的な意義が
あるというもので、戦いの勝敗は第二義的であると言うことです。その点は日本人は、決して敗退して
自虐的になる必要はなく、むしろ米国の最大の驚異になったことを自覚し、誇りに思って良いでしょう。
なお、大東亜戦争は、結果的には敗けて勝つということになって、良かったと言うことでしょう。万一、
勝利していたら、古いシステムが温存され、戦後の高度経済成長もなかったというのが、正しい歴史
的評価であると言うことです。また巨大な米国の戦後処理にも困ったと言うことで、逆襲されていく可
能性が高く、それにより、逆に日本が行き詰まることもあったと言うことです。それほど、国民心理は
異常なほどに高ぶっており、中庸・中道から大きく逸脱し掛けていたと言うことでした。それ故に、戦争
が終わって皆が解放された心理に浸ったというのも真実でありましょう。
そして、国家の命運を賭けて、思い切って国民総決起で一丸となって戦ったからこそ、その勢いで戦
後の大発展があったというものです。よく、1940年の戦時体制が戦後の大発展に繋がったという有
識者もおりますが、決して単に社会の組織が戦時体制で堅固であっただけではありません。国民意
識が大きく作用したと言うことでしょう。逆に、もしも最後通牒の宣戦布告でもあるハルノートに屈従し
て、ずるずると撤退していたら、その後は卑屈な国民性に成り下がって、怠惰で堕落し自暴自棄の後
悔に満ちた国民社会に転落していったであろうと言うことです。
勿論、戦うことを放棄してダラダラと後退して行ったならば、心機一転の大飛躍もなかったし、むしろ
潔く身命を賭して国民が一致団結して戦ったからこそ、戦後の大発展があったと言うことであり、中国
や韓国を除いて、西洋列強の植民地支配で苦しめられてきたアジア・アフリカ諸国などを始め、全世
界が日本を尊敬と崇敬の目で見たというものでしょう。もっとも、反日的言動をする中国や韓国も、内
心では、反日の建前に反し本音の部分では、日本の戦争突入と戦後の発展を驚異と驚愕の目で見
ているのも確かです。この当たりの戦争突入と戦後の大発展との、そして米国の占領とも関係して、
これらの因果関係を理解出来る者は極めて少ないのではないでしょうか。
即ち、空襲で木っ端微塵に破壊されたからこそ、丸裸で出直す意識変革が成されて、新たに心機一
転で再出発し再生出来たと言うことでしょう。新しい機械や技術を導入して、フロンチア精神に燃えて
邁進出来たと言うことでしょう。因みに戦勝した米国は、その後、機械や設備を更新する適切な機会
をも見出せずに、ずるずると製鉄や家電などの様々な製造業が敗退していったと言うことでも理解で
きるかと思います。物事は、正に「禍福は糾える縄の如し」「苦有れば楽有り」と言う無常な世界なの
でしょうか。
なお、大東亜戦争時における原爆製造や保持に関しては、「無かった方が良かった」とは申されまし
たが、これは、「原爆を米国に落とすことなど不可能であり、結局は現実的には使えないものであり、
現下の諸問題と展望:94
逆に、原爆保有で占領軍に対する攻撃の意図ありなどで、大変な報復を受けたであろう」と言うことで
した。これはナイフを隠し持っていることがばれた時の相手の反応や対応を考えてみれば、それとなく
解るかと思います。また戦後の国際社会においては、「ソ連や中国の姿勢をみて、日本は原爆は保
有すべきだ。原爆があるからこそ、戦争への抑止力になり、頑迷、狡猾な外国への対抗力になるの
だ」と申されておりました。
即ち、左翼関係者が言うような、単なる平和愛好的観点から、原爆は危険で残酷な兵器だから保有
するな、廃棄せよと言うものではなく、その折りの国内外の諸情勢により、その是非が決定されると言
うことでしょう。軍事力で圧倒するソ連や中国に向けて、絶対不可欠であると言うことでした。例え、米
国の核の傘に入っていても、それでは自力の防衛心も生まれずに他力本願に成り下がっていき、好
ましいものではなく、また米国が必ずしも日本の国益に従って行動するとは限らないからだと言ってお
りました。当然に、平和憲法の第9条の改正は必須で、軍事力の整備は、経済の活性化と並んで国
家の基本であり、必要であると言うことです。
また、聖心先生に、「何故に、長崎や広島に原爆が投下されたのでしょうか。何か因果があるのでし
ょうか。」に対しては、「そこが造船所や呉などの軍港が近く、軍事的要所であったからである。結果的
には住宅地や一般大衆への攻撃や殺傷であったが、決して軍事関連の目標と無縁ではなかった。」
と言うことでした。決して無差別な爆撃や原爆投下ではなくて、詳細に緻密に検討していった結果だと
言うことでしょう。また空襲にしても仕方がなかったと言うことでした。それが国家を挙げた総力戦の戦
争であり、回避も妥協も出来ずに突き進むしかなかったし、これで精算して良かったのだと言っておら
れました。
話のついでに言えば、原爆と並んで、左翼系の方々や平和愛好者らは、原子力全てを危険視し、原
子力発電所にも猛反対しておりますが、聖心先生は、原子力発電所は、ソ連(現ロシア)のような黒鉛
炉の場合には構造的欠陥で問題があったが、日本の原子炉の設計は何ら危険ではない。勿論、戦
争になれば危険だが、これは全てに言えるもので、何も原子力発電所ばかりではないと言っておられ
ました。むしろ食品添加物の方が危険であると言っておりました。当方も原子力関係の事故を調査し
てみると、確かに、米国のスリーマイル島や日本での事故でも、バブルの閉め忘れや、配管のチェッ
ク漏れからくる減損などの人為的ミスばかりのようです。また日本にはウラン資源は豊富にあるのだ
とも言っておりましたし、高レベル放射性廃棄物の処理も可能だとも教えてくれました。
聖心先生は、あらゆる事件や事象の因果関係を正しく把握されて判断を下されるもので、仏身に顛化
された以上は、仏と言う一般常識からして極めて穏健で温厚な解釈や評価を下すのかと思いきや、
中には常識を越えた可成り過激なものがあったり、通説や常識とは全く逆であったりして、時にはな
かなか真意が把握出来なかったり、背景を理解するのに時間が掛かったりしましたが、今では殆ど納
得がいくことばかりです。矢張り、中庸・中道に従って判断されておられ、それこそ真の仏の解釈とい
う言うものかと思いました。現在の多くの宗教家が言うような、戦争反対、原爆反対、原子力反対と言
う何でも残酷なものは反対ということが、仏の真意ではありませんでした。
ところで、今となっては昭和天皇と軍部とは決して一枚岩ではなく、むしろ昭和天皇は軍部の独走に
対し嫌悪されておられ、大東亜戦争は負けて良かったと思っていた節が一部の有識者からも指摘さ
れております。これは2.26事件における昭和天皇の対応にもその心理が現れていると言えるでしょ
う。即ち、天皇派と軍部派とが並行して進んでいったと言うことでしょう。この縦割りの体質は今でも何
ら変わってはおりません。日本は国民レベルでの表面上の和の精神とは相違して、指導者階層の内
部では何処までも深刻な亀裂を抱えていくようです。その点をマッカーサー米国占領軍司令部も理解
しており、天皇は利用されたものであり、戦争責任はないと判断されたのであり、国民を統合する意
味でも天皇制を温存させ利用したものであり、これは正解であると言うことでした。
戦後に掛かる点に関しては別途、紹介していくことになるかと思いますが、少しばかり言及すると、
現下の諸問題と展望:95
「天皇の戦争責任は如何でしょうか」との問い掛けに対しては、「昭和天皇には明治憲法下における
建前上の責任はともあれ、実質的には昭和天皇に戦争責任はなかった。軍部に利用されたのが正
解だ。しかし、そうは言うものの、これでは国民感情や中国や韓国に対しては、収まりが付かない故
に、昭和天皇は自発的に退位して、皇太子に譲位すべきであった」と申されておりました。そして「これ
により、国民の意識変革も、また対外的な戦後処理も一線を画して明瞭になったであろう」と言ってお
られました。この点も一部の有識者からも、ドイツと比べて日本の不完全な戦後処理として指摘される
ところです。
なお、昭和という大激動を無事に乗り越えられたのも、昭和天皇の運気もさることながら、「昭和」と
いう元号も実に良い元号であったと言うことでした。個人でも名は体を表すと言いますが、名前負けや、
性格と合致しない名前の時には、運勢にも関係するようです。そこで国家の名は元号であり、元号と
は個人の名前と同じように、その名前如何によっては国家の命運に大きく影響を及ぼすことがあると
言うものでした。その意味では、明治も大変良い元号であったというものでした。大激動を乗り切って
行くに相応しい力強い元号であったと言うものです。
それに引き替え、平成という元号では、世紀末の大激動や新しい世紀を乗り切るには、極めて弱い
運気であり、薄っぺら、ぺっしゃんこ、へなへな、などの語感さえ連想される有様です。もっとも大激動
が終焉し、平和が到来した後ならば大変結構なのですが、これから大激動に向かって行くには、余り
にも時代錯誤、時代感覚無しの浮世離れした元号であるというものでしょうか。平成天皇のご性格も
反映して、大東亜戦争のような国難には刀打ち出来ずに沈没し、今時の歴史的激動に際しては、大
東亜戦争時と比べても、早急に立ち上がることは極めて困難になるだろうと言っておりました。
平成という元号名も、漢学者が大激動の時代背景も解らずに、ただ古典から適当に幾つか選択し、
更に国際情勢音痴の当時の官房長官が、耳当たりの良いものを選んだと言うことでしょう。もっともこ
うした点を打開するには、性格的に積極的な皇太子に譲位しすべく、自ら退位されることが好ましいと
も言っておられましたが、現行の皇室典範から言っても、また周囲がそれをさせないから無理であろう
と言うことでした。なお聖心先生ならば、「世紀を乗り越えるという意味で、『紀延』と言う元号を付けた
であろう」と言っておられました。
さて、外国のことも少しばかり拝聴したのですが、ヒットラーに関しては、「替え玉を使って死んだよう
に見せかけて、戦後も生き延びた」と指摘されておられました。余りの驚きで、それでは何処で如何な
る生活をしたのかは聴く余裕もありませんでした。一部の有識者からも、ヒットラーはスペインにいたと
か、南米に逃亡したとか言われておりますが、霊感者のゲリー・ボーネル氏が書いた「人類アカシャ
全史アカシックレコードから読み解く人類の起源と歴史、そして驚愕の近未来」の本を読んでみると、
そこにもヒットラーが米国に捕捉されて、戦後のドイツ科学者がロケット技術開発で米国に協力させる
ように、ヒットラーの権威乃至命令を利用したと指摘しておりますが、案外真実でありましょう。
なお死んだように見せかけるのは、日本でも、源義経の衣川の決戦で死んだことにしての北海道へ
の逃避行、上洛途中での武田信玄死亡事実を3年間にわたって隠蔽したこと、また大阪城の落城の
際に、豊臣秀頼の鹿児島落ち、徳川家康の大坂夏の陣で真田幸村により死亡した可能性、明智光秀
の天海僧正などでも見られたように、頻繁に起こっていることでしょう。昭和の激動期や大東亜戦争
時でも、例えば、2.26事件関係者の中には、死んだことにして、大陸に逃亡させて、暗躍させていた
ようです。これなども充分に検証して見たいと思っております。
ところで、ロシア・ロマノフ王朝の金塊は、第二次世界大戦初めまでは国内で厳重に保管されていた
ものですが、大戦中にシベリア鉄道でイルクーツクまで持ち出され、その後、紛失したようで、一部で
関東軍が関与し日本に持ち込まれたのではないかと疑惑の中心であったものです。確かに、ロマノフ
王朝の絵画や宝石の類は発見されておりますが、大量の金塊は行方不明のようで、一部ではスイス
銀行に保管されているとかの指摘もあるようです。
現下の諸問題と展望:96
これは今では色んなサイトで指摘し詮索しておりますが、隠匿した側も表面化出来ずに永久に歴史
の闇の中に埋没していくことでしょう。霊的顕証された聖心先生も「これは確かに容易には発見されな
い場所で、人の心の隙を突いた死角だな。」と言っておられましたが、永遠に隠蔽されていくことは、こ
れで良いのです。表面化すれば、窃盗、強奪の犯罪であり、国際的刑事事件に発展するものであり、
こんなものは闇に消えていった方がよいものでしょう。隠匿した連中も、戦後に発掘出きるとでも思っ
たのでしょうが、そう簡単には表面化できなかったと言うことでしょう。戦後暫くは右翼の大物も知って
いたようですが、今となっては知る者は皆無であろうかと思います。なお中国大陸からも色んな宝物
が略奪にあって紛失して行方不明になっているように思います。北京原人の骨もそうでしょう。
ヤフーでも「ロマノフ 金塊」と入力すれば以下のようなサイトが紹介されております。
http://www.kokusai-tokyo.co.jp/nonfic/romanofu/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150406731/250-1709223-4206613
http://members.jcom.home.ne.jp/thrillerjam/KolchakGold.htm
http://ww1.m78.com/sib/bullion.html
http://members.jcom.home.ne.jp/thrillerjam2/essay0310.htm
http://www2e.biglobe.ne.jp/~tis-russ/sep2000.htm
また、ロマノフ王朝の秘宝(上)(下)(著者 典厩 五郎 出版社 新人物往来社 出版年 1989.1
0)でも取り上げられております。
なお、聖心先生に、「山本五十六氏がフリーメーソンであったとか、彼がたった一機で南方戦線に飛
び立って、故意に米軍に撃墜されて捕獲され戦後も生き延びて行ったこととか、戦後彼の姿を見た者
がいるとかが、一部で指摘されておりますが、その可能性はどうですか」との問い掛けには、「さあ、ど
うかな」と言ってただ笑っておられるだけであり、真相は語ってはくれませんでした。矢張り、フリーメー
ソンとして個人名を上げるのは、遺族の方々に対しても売国奴として差し障りがあると感じたものでし
ょうか。
なお、聖心先生は、フリーメーソンに対しては、警戒や用心することが大切だとは言っても、決して悪
の権化であるとは決め付けてはおりませんでした。国際協調も世界平和も、ある意味では通常の世
界では正解でもあり、それだけでは決して間違った思想ではありませんが、矢張り、自国の利益を最
優先し、愛国的、民族的精神があってこそ、国際貢献が出来るものであり、最初からこれを放棄して
行くのは、売国奴、亡国奴でしかないと言うことでした。特に国家危急存亡に際しての行動にこそ、如
何なる対応をするかで大問題に発展していくものでしょう。結果的には民族解体、国家解体思想に繋
がるものであり、目下、懸案の道州制もフリーメーソン的な思考であって行き過ぎであり、外国人参政
権も、ある面では国家の中に国家を形成するものであり、決して推進したり許可してはならないと言っ
ておりました。
政治家でも、反フリーメーソン的な愛国民族的な行動をしたのは田中角栄氏でありますが、現在で
も多くのフリーメーソンが政財官界や学界、マスコミ界などで活躍、暗躍しております。特に国際主義
とか国際協調、国際貢献などを唱ったり、理念として掲げる連中は要注意でしょう。自虐史観を吹聴し
喧伝している連中も、フリーメーソン的思考に洗脳されていると言って良いでしょう。彼らは結果的に
は、外国に民族の魂や利権を売り渡すような結果に至るものであり、高級な役職や社会的地位と引
き替えに、国家社会を売り渡す売国奴に成り下がっていくものです。特に官界や学界でも、外国留学
組などは、まんまとフリーメーソンの秘密結社に取り込まれていると言って良いでしょう。この本部はメ
ーソンビルとして堂々と東京タワー付近にあるようです。そしてロータリークラブやライオンズクラブな
ども、奉仕や協調、国際貢献などを強調するものの、フリーメーソンを選別する機関と言って良いでし
現下の諸問題と展望:97
ょう。なお、愛国的・民族的言動を吐くからと言っても油断は出来ず、そうしたところにもフリーメーソン
の手が伸びているようです。要は対立、混乱を煽って国家解体するカバラの呪法による秘密結社の
悪魔崇拝の思想なのです。
19.グローバル化について(2002年2月21日更新)
対イラク戦争の拡大や米国経済の破綻と共に早ければ2003年頃にも急迫化して来た米国崩壊、
そして2004,5年頃の日本の国家破産に連動しても、遅くとも2005,6年頃にも到来する米国政府
の崩壊と共に、2005,6年頃にも、グローバル化の終焉、資本主義の崩壊に向けた始まりが近いと
の崩壊と共に、2005,6年頃にも、グローバル化の終焉、資本主義の崩壊に向けた始まりが近いと
言えよう。
グローバリゼーションは、2010年頃の資本主義の崩壊と共に終焉し、最終的には、グローバル化
グローバリゼーションは、2010年頃の資本主義の崩壊と共に終焉し、最終的には、グローバル化
は世界的なものから後退して、欧州や南北アメリカ、そしてアジア地域へと、即ち、ユーロの欧州経済
圏、ドルの南北アメリカ経済圏、中国元と日本円の交錯するアジア経済圏へと、地域的な広域化へと
変質して行くであろう。(29項
29項、
34項参照)
変質して行くであろう。(
29項
、34項
参照)
現在世界を覆っているものにグローバル化やボーダレス化の大波があり、日本も否応なく巻き込ま
れて行かざるを得ない状況である。世界という空間や市場が狭くなりつつあり、これまでの日本独自
という様々な経済慣行や社会規範や国民意識が大きく整合性を有するように変革を余儀なくされてい
るようだ。経済の市場化でも、これまでの国内だけを対象にしていた戦略も、今では世界をターゲット
にしていく必要性に迫られてきたと言えるであろう。言うなれば、狭い農村社会から都市型社会への
転換が、更に換言すれば、町内会型の運動会から世界的オリンピックの舞台へと、競争の対象が拡
大していき、その競争原理も官主導とかいった甘えも許されない、自主性や独自性を要求されるよう
に大きく変貌してきたと言えるであろう。
なお、始めに断っておかねばならないが、従来から言われて来た狭義の国際化(Internationalizat
ion)と現在のグローバル化(Grobalization)の概念の相違は一体何処にあるのかと言えば、従来の
国際化とは国家間の関係であるのに対し、今時のグローバル化とは、実に国家間を越えて社会間の
関係であると言えよう。それ故に、国境の消滅とか、国家の解体とか、政治の空洞化とかが危惧され
て語られるのである。実に、今までの歴史にも無い、予想を遙かに超えた変革の波が押し寄せている
と言っても過言ではない。従来の国際化は国民国家(Nation State)の概念が存在したが、グロー
バル化においては、実に国家の解体が進行しているものだ。ここでは厳密には両者を差ほど区別し
ないで、国際化の延長で現在のグローバル化について述べよう。
ところで、このグローバル化の言葉は1980年代頃から使われてきたようだ。大方の良識有る研究
者は、自然発生的、偶発的にグローバル化の波が押し寄せてきた歴史の必然的な流れと言った印象
しか持っていないようだ。しかしながら、国境消滅、国家解体、政治の空洞化等が進展して利益を最
大限に被る某組織やグループが背後で推進している構図が浮かび上がってくるようだ。それは経済
の市場原理主義者であり、具体的には多国籍企業グループであり、国際金融資本であり、更には世
界統一政府を樹立しようとしている闇の結社であろう。そして、このグローバル化の中心はやはり大
方が認めるように経済であることは明白であるが、その中でも案外気付いていない課題が実は特許
を中心とする知的所有権問題であろう。正に経済戦争の最前線に位置するものが特許戦争であると
言える。特許に関する展開は別章で論じることにしよう。
さて、目下、国内の諸制度の在り方にも世界の基準、標準に適合させられるように、様々な変革を
迫られてきている。会計基準の導入とか、特許重視のプロパテント化とか、金融や保険、証券の相互
の垣根や境界の撤廃に見られる金融ビッグバンとか、英語公有化問題とか、WTO 加盟に伴う経済の
自由化とか、その外にも様々な国際協定や条約の規制による順守義務も数多く発生してきている。国
内には根強い反対や抵抗運動もあるようで、容易に改革が進展していかない分野もあるようだ。
現下の諸問題と展望:98
確かに日本独自の文化や伝統、慣習を重視して行かねばならない分野やテーマも多く、一概に世
界の基準に合わせるということが最善という訳にもいかないことも事実であろう。日本の従来の慣習
がむしろ世界的な基準に相応しいこともあるであろう。しかしながら、多くは矢張り世界的な基準にて
起動、連動させて行かねばならないことも多いのは事実であろう。最早、こうした各国の伝統や文化
を破壊するグローバル化の波はある程度不可避なようだ。これを前提に国内的な改革を進めて行か
ざるを得ないようだ。
グローバル化とは世界標準化とでも言えるが、例えば、服装でも、従来の日本のような高温多湿の
国柄では、通気性や湿気防止に極めて効果的な和服や高下駄等が健康的だとは言っても、そのよう
な服装は町内会程度の付き合いや、一部の社交的な雰囲気の会合程度であれば通用することもあ
るだろうが、グローバル化といった世界的な行動基準に照らしていけば、とても、ビジネスや政治、教
育等の世界では通用することは不可能にもなってきたと言えるであろう。
つまりは、文化や伝統とは言っても、それが政治や経済の様々な分野におけるまで一般性を持って
受け入れられていくことは無理になってきたと言える状況であろう。むしろ、そうした外圧のようなもの
を前向きに受け入れていき、逆風を逆手に取って率先して自己変革をし、日本独自の主体性をも発
揮しながら、世界に通じる創造性豊かな諸制度に変革していくことが必要であろう。即ち、皮を切らせ
て肉を切る、肉を切らせて骨を断つといったような改革を断行していくことが必要であろう。
経済面や軍事面、教育面、政治面では諸外国に学ぶべき面が多いのではないかと思われるが、家
庭面に於いては、日本の従来からの在り方や考え方の方が、むしろ、自然の摂理や掟に叶ったもの
であり、世界の無秩序的な個性尊重や男女平等や共稼ぎ風潮などには与して行かない方が、社会の
安定には将来的展望に於いて大きく様相を異ならしめて行くものと思われる。
事実、米国などでは、家庭崩壊や、子供の虐待、家庭内暴力、子供の奪い合い、子供や大人の凶
悪犯罪化、訴訟合戦等が横行して、由々しき社会問題化しているとも言えるであろう。むしろこうした
家庭面や宗教面では、また一部の教育面では、そして雇用の在り方の経済面でも、日本独自の在り
方を維持するべきものは維持し、改良するものは改良していく時期に来たようだ。
ところで、日本語に関して言うと、日本語は世界的に見ても、漢字、カタカナ、ひらがな等と実に様々
な表現形式を有し、また語彙も実に豊富であり、豊かな感情の表現や状況の描写に当たっては、これ
ほど多様な言語は世界的にも珍しく、貴重な存在でもあると言えるであろう。ところが現在では、そうし
た文学的な表現や、状況や表情の豊かで多様な描写、表現形式の日本語が、国際的な交渉の場や、
意志伝達の現場に於いては、極めて曖昧で如何ようにも解釈できる事態も発生してきており、日本人
の二枚舌やずるがしこさという悪名高い評価にも繋がってきていることも事実である。
俗にいう、官僚用語とか、国会答弁とか言われているのもそうした欠点からであろう。国内的には日
本語でも十分に通用し、生活にも何ら不自由しなくて、日本人同士でまあまあ、なあなあで通じること
が極めて多いとも言えるであろう。ところが、政治や経済面、国際社会での交渉や付き合いの観点か
らは、極めて誤解を生じる点の方が大きな弊害にもなってきたようだ。一般の国民が無理をして日常
生活において英語を話すことは必要はないが、少なくとも外交や交渉に関係する責任者は、国際感
覚を身に付けて英語を征服していく必要が出てきたようだ。
ところで、この日本語の有する特徴は、よく言えば語彙の多様性、豊富性、柔軟性であるが、悪く言
えば、意味や解釈の曖昧性、狡猾性、二枚舌等であるだろうか。今や、この悪い面が国内的には長
年の慣行でさほど問題にはならなくても、国際的には国益に関わるほどの極めて重大な問題とされる
ようになってきたものと危惧されるのである。これの解決無くしては、日本の国家社会の国際化、即ち、
日本人の国際化、換言すれば、日本人の国民性の根本的変革化を達成していくことが不可能になっ
てきたようであると思われる。
吾々は、新しい国家社会の在り方を展望していくに際しては、仕掛けられたグローバル化現象に対
現下の諸問題と展望:99
して、一方的に排除するのではなく、むしろ積極的に受け入れる方向で、改革を断行していきながら、
その上で日本独自のスタンダードを創造し世界に発信して対処していく方が賢明と考えている。この
危機を国内のあらゆる改革に繋げていくことの方が大切であると言った感想だ。
そうした点を考慮して、日本の国家社会の防衛といった観点、視点に立てば、国土の防衛は当然で
はあるが、その国土の上で一体何を守るのかと言えば、何も日本語や日本人の生命財産だけを守っ
ていくことではないと言う考えである。むしろ真に生命を賭して守るべきものは、数千年の歴史を総括
して新たな1千年を展望して改革され確立された真正なる諸法制度であろうと確信するものである。こ
れを遵守し守護していくことに対して、多大な共鳴や賛同、感動を覚える人であれば、何も日本人で
ある必要はなく、極端な話、外国人でも良いのである。
要は、世界的にも充分に誇れる、真の「法」に乗っ取った法制度により構築された国家社会の建設
であるからだ。これを受容し実践し、擁護していくものであれば、構成人種や民族は、そして採用され
る言語も正直に言って誰でも何でも良いのではと思われる。さてそうした観点からも、世界的な交渉
言語である英語を公用語化し、日本語との併用を図っていくことが極めて重要であることを提言して
おきたい。吾々は、生粋の日本の伝統や文化を愛好するものでもあり、英語に極めて堪能なわけでも
ないが、極めて高次元での視野に立っての結論である。
なお、今や、日本独自の創造性ある世界標準を構築して、日本から世界に向けて発信して行くこと
も必要であり、今回の様々な提言の中には、こうした観点からのものが数多く含まれているように確
信するものである。要するに真の国際化とは、日本人の内なる国際化であり、日本人の国民性の変
革に外ならないのである。よく、日本の非常識は世界に常識、世界の常識は日本の非常識と言われ
る現実を根本から変革していくことであろう。それで言うと、何も英語を話したから、国際人として通用
するものでもないだろう。
英語に堪能な政治家や官僚、学者や経済人の間でも、何も世界の意識や感情を理解できない方々
も数多く存在している。国際状勢も知ったかぶりで何も解っていない連中も多くおり、何も英語を話せ
るからといって世界の常識や奥深い真理や感情を理解できると思ったら大間違いであろう。先述した
ように国際化とは内なる面での国際化であり、英語を解すると言った外見的な面もその達成手段とし
ては必要であろうが、あくまでも外なる国際化で終始して自己満足化して行ってはならないのであろう
と確信する。ここまでは極めて普通の見解とも言えよう。
ところで、このグローバル化現象は一体何時まで継続するのであろうか。現在の危機は正にこのグ
ローバル化のことであり、先述したように、国境の消滅であり、国内政治の空洞化であり、国家の解
体に他ならない。換言すればグローバル化とは帝国主義にも似た面もあることは確かだ。そして世界
的な軍事覇権を握っている超大国の米国を中心とするアメリカ標準化に他ならないとも言える。即ち、
現在のグローバル化はアメリカ化とも言える。従って、グローバル化の破綻乃至終焉は、米国の経済
的乃至軍事的な運命によって決定すると言えよう。経済と軍事は車の両輪である故に、どちらかが破
綻しても他方に影響を及ぼしていくことであろう。
米国経済は既に貿易赤字にも見られるように破綻状況である。それが破綻しないのは日本からの
大量の米国債購入という形で還流して米国経済を支えているからである。従って日本が破綻して米
国経済の支えが取れたときこそ米国が崩壊しグローバル化も終焉を迎えることになりそうだ。その日
本の国家破産は実に2,3年後の2004,5年頃に迫ってきたようだ。その背景は国債の暴落、金利
の上昇、失業者の増大、国内産業の空洞化による税収の悪化、貿易上の破綻、金融の破綻、産業
の破綻等に招来されると思われるからだ。その結果、日本の崩壊が米国を巻き込んで、アメリカ連邦
崩壊が2005,6年頃に迫ってきたようだ。
それに米国のアフガン戦争からイラク攻撃に向かえば、日本の戦争資金への大幅な負担増から国
家破産が明確になって行きそうだ。多くの経済専門家が懸念するところでもあるが、当方は、これこそ
現下の諸問題と展望:100
神仕組みであろうと考えている。即ち、このまま進めば日本発の国家破産から政界大恐慌に繋がっ
て、日本が世界中から攻撃されて責任追及されていくことになるが、米国がイラク攻撃に踏み切って、
日本に多額の財政支援を強要してくることになれば、日本発の世界恐慌を米国の中東戦争に責任転
嫁できるからである。この時にこそ、グローバル化の波も終了して行くことになるであろうと思われる。
即ち、2005,6年頃の米国の崩壊に伴って、グローバル化の終焉への始まりは、実に2006年頃と
言えるであろう。
このグローバル化による国家解体に見られる現象は実に、多国籍企業や国際金融資本を中核とす
る闇の世界統一政府が仕掛けたものであり、そのように世界は展開していくものであるのは動かしが
たいことである。即ち、日本の国家破産、アメリカ連邦政府の崩壊、欧州連合の破綻、更にはロシア
の再分裂化、中国の分裂化である。従ってグローバル化とは世界統一化とでも言えるのは明らかだ。
しかしながら、一見すれば表面上は悪の陰謀勢力の思惑通りに進展するように見えるが、最後は真
の神仏の波動により、このグローバル化を仕掛けた闇の勢力、組織をも解体せしめていくことになる
であろう。
そして、グローバリゼーションは、2005,6年頃からの世界経済大恐慌の苦難の時代を経て、換言
すれば、それ以降の5年間ほどが正に地獄の苦しみとも言えるものだが、2010年頃の資本主義の
崩壊と共に終焉し、最終的には、グローバル化は世界的なものから後退して、欧州や南北アメリカ、
そしてアジア地域へと、即ち、地域的な広域化へと変質して行くであろうと思われる。
20.国際協力について(2002年7月30日更新)
現在の日本が拠出するODA予算は今や世界一である。こうしたおかしな状況は、実に防衛費との
関係で、防衛予算を上回って ODA 予算を増額してきて、日本は軍事国家ではなくて平和国家である
というイメージ作りに利用してきた経緯があったようだ。中国にも毎年6千億円余りも提供している状
況だ。累積で実に3兆円にもなっているようだ。それも為替換算すると既に200兆円から300兆円に
も達しているらしい。
その中国は核兵器を開発保有したり、日本の24都市に照準を合わせてミサイルを配備したり、軍
事兵器を増加させたりしていることは、実に由々しき状況である。日本国内でも中国援助を大幅に見
直すべきだという声も挙がってきているようだ。それでも僅か3%のODA予算が削減されたようだ。当
初の30%カットよりも大幅に後退して行ったようだ。ODA 予算に群がる関係者も多くいるからであろう
か。
ところで、このODAには、途上国を直接助ける二国間援助と国連開発計画へのお金の拠出を通じ
た多国間援助がある。二国間援助には、返す義務のない「無償資金協力」、専門の技術者を育てる
為に人を派遣する「技術協力」、円を貸し出す「有償資金協力」の三つがある。これは「円借款」と呼ば
れているものだ。日本は敗戦後、ずっとODAの受け手だったが、復興が進んだ1954年に初めてOD
Aを提供した。この時、アジア太平洋地域の開発のための国際機関に加盟、技術協力を始めた。日
本の援助は当初、技術協力が中心だった。
高度経済成長後の70年代には、国の財政に余裕が出てきたことや、非軍事面での国際的な貢献
を果たそうという機運が出てきて、資金協力が援助の中心になった。そして、80年代は、批判を浴び
た巨額の貿易黒字を活用する狙いもあって、援助を拡大した。89年には、ODAの額で米国を抜いて
世界一になった。ところが、90年代にはいると、不況が続き、財政が危機的状況となりODA予算は
減り、今年度予算では3年連続の前年度比減少となった。苦しい財政の中で援助を続ける以上、より
効率的な援助を求める声が強まっている。
また、鈴木宗男衆院議員を巡り、ODAの使い方についての疑惑が浮かび透明性を高める必要も出
てきた。各省がばらばらに同じような援助をしており、ODAは制度疲労を起こしている。統合、一元化
現下の諸問題と展望:101
する機関をつくるなどの効率的な方法を考えるべきであろう。因みに、日本の政府開発援助(ODA)
の種類と2002年度の予算額を見てみると、二国間援助のうち、無償資金協力が2321億円、技術
協力が3415億円、有償資金協力(円借款)が2191億円であり、そして、多国間援助の国際機関へ
の出資や拠出が1180億円で、合計、9106億円となっているようだ。(日経20年7月28日)
今や日本も大幅な財政赤字を抱えて、外国に対して大きく経済援助をしていく余裕などはなくなって
きているはずである。ところが今でも経済援助を通した外交しかできなくなってしまったようだ。今回の
総理のアフリカ訪問では、従来のような金のばらまき的外交にも転換が迫られて来たほどに何も資金
提供の話が出なかったようだ。また、国連に対する拠出金を見ても、日本は極めて多額の資金を提
供しているにも拘わらず、未だに第二次世界大戦後の時のような敵国条項も現に存在している有様
だ。
ODAに関して、7月30日付けの産経新聞は、次のような内容の記事を掲載した。
「中国は我が国の援助で浮かした金で民生費を使い、軍事増強を行ってきた。アジア、アフリカへの
援助供与国にも成り、今年度は約5億5700万ドルの対外援助予算を計上している。こんな国に経済
援助をする必要があるのか。」今年7月9日の衆院安全保障委員会で、自民党国防族の米田建三氏
は、川口順子外相に激しく迫った。
これに対し川口外相は、2001年度の対中円借款が前年度比25%減になっていることを指摘した。
対中ODA開始から21年間、中国は実質年平均9.6%の成長を続け、80年代の一人当たり国内総
生産(GDP)を2000年に4倍増にする鄧小平氏の目標を5年繰り上げて達成、今やGDPは世界第
7位になった。(外務省の「対中経済協力計画」)中国の対外貿易額は世界6位、外貨準備高は日本
に次ぎ世界二位である。
「世界の工場」と呼ばれ、世界の市場を席巻、国防力を増強し続け、近年は援助外交を強化してい
る。中国が依然、ODAの対象になっていること自体不思議だ。対中ODAは、中国の発展と安定の促
進だけでなく、日中の友好協力にも有利として始まり、今もその主張を外務省は維持している。しかし、
歴史問題はじめ日中間の摩擦が起こる度、国民はODAが中国の日本への理解や友好の促進には
無益だったとの思いに駆られる。長引く不況と財政難の中、血税を中国に当時続けることへの疑問
だ。」
実にここにも、日本の外務省の腰抜け外交、土下座外交、争い回避外交、従属・屈辱外交、恫喝屈
服外交の片鱗を見る思いだ。最早、そういう状況ならば、思い切って支出を減額化してその地位に応
じた応分の負担に転換していくべきであろう。安保理事国の五大国以下にするべきであろう。目下、
常任理事国入りを模索しているが、そうした姿勢が資金のみ提供させられて、何ら進展しない状況下
では、単なる幻想と言うことを思い知るべきであろう。世界は日本に期待しているのは、単なる金銭的
なものであることを知る必要があるだろう。
かつて昭和天皇崩御の際に世界中から元首クラスが日本に集まってきたが、何も日本を敬意を払
ってきたのではないだろう。実に、日本の経済的援助を当てにしてのことであろうと思われる。好い加
減に、こうしたお人好し外交や援助外交という事態を大きく打開していく必要があるだろう。また、かつ
て天皇陛下の訪中に際しても、卑屈なまでに謝罪的側面を有していたことに関しても、多くの政治家
も気付いてやっているものではあるが、今後は堂々と議論し説得し、自己主張する姿勢を示していく
必要があるだろう。英国訪問の時も、天皇陛下が犯罪者と同一紙面で紹介されたが、思い切って訪
英を取り止めるなどの毅然とした態度で対処することが求められるべきであっただろう。
また、最近は、日本の経済援助に対して、紐付きでないアンタイドにせよと言う圧力もかかってきて
いるようだ。経済援助をするのに国益上の観点は当然のことであり、何も競争相手に有利なように、
慈善事業からでもないことは世界の常識であるはずだ。今やすっかり舐められてしまったようだ。日本
も単に木材等の資源を相手国の環境破壊を無視してまで、多量に購入していくことも次第に減少し後
現下の諸問題と展望:102
退させていくべきであり、地球的規模で地域社会に貢献できるような技術援助、経済援助を心掛けて
いくことが必要であるだろう。
更に、韓国や中国からは、何かと言えば、第二次世界大戦時の補償の話を持ち出して、謝罪や援
助を引き出していく有様は、もう好い加減に目覚めて行くべきであろう。日本の方から毅然とした態度
で、戦後の総決算を図るべく過去とは決別していくことであろう。ODAをはじめ、国連予算の分担金を
巡っても、また各種の経済援助にしても、大幅に見直し、今後は真に相手国の利益になり、感謝され
て後世に残るようなものを提供して行くことであろう。
中国では日本の資金で、地下鉄や高速道路等が建設されたということなども一切公表化されること
なく、幼児期から反日教育を施している有様だ。戦後の日本に関する教科書の記載は、田中首相に
よる日中国交回復ぐらいで、日本の現状に関しては他には何も記載されずに、専ら戦時中の日本軍
の残虐さばかりが圧倒的に多い反日的な教育内容である。それに北京市内に完成した地下鉄なども
大して利用されていない有様だ。そんな経済予測や調査もいい加減なところに、多額な国民の税金を
無原則的に提供していくことを考え直していく時期に来たと言えるだろう。
反対する政治家などを見ていると、案外、ODA海外経済援助予算を食い物にして、利権化している
のでは無いかとさえ勘ぐられてくる。事実、政権与党や外務省の関係団体等に,ODAの一部をキック
バック(還流)させていると言われているようだ。今後は全てを精算して真に友好的な国家社会を厳し
く選別していくことが必要であろうと思われる。余りにもお人好しで全方位外交とかの無原則的な外交
では、経済悪化で日本も三流国に転落になりつつある現在、外国からは何も尊敬されずに忘れ去ら
れていくような存在になって行くことであろう。
海外援助事態はそれなりに結構なことではあるが、余りにも卑屈で土下座外交や謝罪外交を展開
し、そして経済面では外国から資源の搾取や略奪的開発行為を繰り返している状況では、真の友好
関係を構築して行くことは不可能と言えるだろう。今や日本国家も、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれと
言われるほどに、思い切った主体性を持った外交を展開していくべきであろう。単に擦り寄るのではな
く、思い切ったショック療法としての一時的な離別か、さもなくば、相手の懐深く侵入して行くといった、
大胆な戦略的外交を展開していくことであろう。
そうでなくても、日本の多大な財政赤字により、次第にODA経済援助の額を減少して行かざるを得
ないであろう。国際信義の面からも急に全面カットというわけにも行かないであろう。正に、日本の財
政危機は、漸進的削減に向けて合理的理由を与えてくれたという意味で神風とも言えるであろう。そ
して最後は、2004,5年頃の日本の国家破産により、全面的廃止と繋がっていくことであろう。戦後
の多くの悪しき習慣を大幅に見直して全てのリンクを外していくためには、こうしたODAの全面的カッ
トも国家破産までじっくりと待つしか、相手国の理解と同意を得られないのも皮肉な話だが、仕方のな
いことであろう。腰抜け的外交、謝罪外交、土下座外交の付けをこうした形でしか清算できないのも確
かであろう。
21.亡国の危機が急迫
今や、膨大な公的債務や不良債権、景気の低迷、国内産業の空洞化、失業者の増大等により、財
政政策、金融政策、産業政策も八方塞がりに至った国家社会の打開には、国民総懺悔のような国民
意識の根本的な変革を伴う大激動の到来は不可避であり、また絶対的に必要であろうと思われる。
今正に、2004,5年頃の国債暴落、貿易上の破綻からの国家破産を前にして次第に現実味を帯び
つつあると言えよう。
しかし、これは極めて危険な事態に至る可能性もあって、国家存亡を掛けた危険な賭でもあり、一
歩誤れば、内乱の危機、亡国の運命に至るものであり、国民の必死の思いによる危機回避の努力
現下の諸問題と展望:103
如何に掛かっていると言えよう。ここにこそ、真の情熱、正義心、愛国心、身命を賭した精神、連帯感
などを発揮できるかによって、日本の再生が可能になるかの重大な鍵があると言えよう。
追記1.
追記1.聖心先生がかつて「大変な時代が来るから、そのための準備をしておくように」がいよいよ現
実化するか (2004年8月4日)
以上述べたような財政破綻、金融崩壊、経済低迷によるリストラ等から来る失業者の増大、学校や
家庭の崩壊現象、海外依存の強い脆弱な貿易構造等により、一旦、危急存亡の際には脆くも崩れ去
ってしまう体質を裏に潜めていることを危惧して行かねばならないであろう。余りにも平和惚けした国
民性には、こうした警鐘は馬に念仏であろうと危惧される。現在の日本に襲い来る危機は、南北朝鮮
の統合に向けた平和会談の実現で戦争の危機が遠のいたこともあり、差し迫った国際的紛争の懸念
も遠のき、大きく解放されたかの感がするのは事実であろう。
それでも、台湾海峡を巡っての中台間の衝突による危機は、中国の軍拡路線の増大や強硬な対外
姿勢により、以前よりも増して浮上してきたと言えるであろう。日本を取り巻く国際的緊張は対中国関
係では依然として強く、そう簡単には平和到来ということにはならないようだ。それに中近東を巡る原
油状勢も依然として不透明であり、日本の中近東依存率も今や過去の石油危機の時と同様な危機的
水準である。そうした国際状勢の外にも国内的にも懸念される事態が潜行しつつあると思われる。
余り言いたくはないが、ここらで警鐘を鳴らしておくことが必要と考えるもので敢えてシナリオとして
指摘しておきたい。それは、最悪のケースを考えた場合には内乱の危機であろうと言うことである。
様々な不安定要因から不満分子の暴発が考えられるというものだ。国内外の某勢力が現状の不満
から革命や内乱に走る危険性である。こうした危険性は国家破産や経済的危機に遭遇する際には、
避けては通れない事項であろう。革命分子とは何も共産党ではないだろう。思うに、確率的に言って、
その内乱を起こす可能性が最も高いのは、恐らく、未だ政府公安当局も全く把握していない団体であ
り、オーム真理教的な某狂信的宗教団体、乃至は政治団体ではなかろうかと思われる。もしかしたら、
既に、隠然と政府や企業、地方自治体内部の国家社会のあらゆる分野への勢力の浸透、潜入が行
われているかも知れないと推察される。
そうした危惧を増大させている背景には、国家社会の危機的経済情勢、財政情勢、社会情勢の不
安定化であろう。貿易上の破綻から2004,5年頃に国家破産に至ると思われることは先に指摘した。
それに遠くない将来には関東大地震の発生も予想される。もしも国内が何かの切っ掛けで内乱化し
ていけば、外国勢力の暗躍も加担して国内の混乱は想像を絶する事態になって行くことであろうと懸
念される。そうした混乱を収束するには、初期の程度ならば警察力や自衛隊でも十分に対処できるが、
外国勢力が加担してきた際には、最早、自衛隊の力だけでは不可能であり、在日米軍の出動を期待
するしかないと思われるのである。こうした状態に至る原因は、正に米国が仕組んだ日本の弱体化に
他ならないものであり、非武装の平和主義的憲法の押し付け、自衛隊の非軍隊化を押し付けて来た
米国自身に大きな責任があると言えよう。
さて、そうした内乱の勃発の場合に、米軍が取る対策としては、ベトナム戦争でも見られたように、
誰が敵か味方かが解らない状態である故に、言うなれば無差別破壊、爆撃でしかないであろう。そう
した完全な廃墟化により、外国勢力の侵略の意図をも初めて失せるものであり、国内の動乱をも収束
するものであると言えよう。外国による占領の意欲を喪失させるのは、実に破壊され廃墟と化した領
土でしかない。廃墟にすることによって占領意欲も国内争乱も収束させることが可能なのであるのは、
軍事的戦略上の常識であろう。
目下、米軍も日本の深刻な経済の分析と共に、そうした軍事的対応の可能性も一つのシナリオとし
て想定していることであろうと思われる。軍事戦略的にはあらゆる事態を想定し準備しておくことは必
現下の諸問題と展望:104
須の課題であると言えよう。日本におけるあらゆる工場の配置や都市の構造も既に調査済みであろ
うと思われるし、何時でも戦略的対応が可能な態勢に入ったのではないかと思われる。
米国にとっては、日本を侵略や内乱の危機から救済してやったという日本側からの多大なる感謝が
得られると同時に、一方では、悪魔的発想をするならば、日本経済をこの際にして解体して乗っ取る
といった思いも、一部ではあり得るかも知れない。言うなれば、米国にとっては、一石何鳥もの効果が
あると言えよう。更には、米国にすれば、目下一部で画策されていると噂されているような、日本の完
全な属州化への道を容易にしていくことであろう。
今次の米国のブッシュ新政権では、日本との関係を重視すると公言し、真の同盟関係を構築すると
明言している以上、こうした見解は案外に当たらなくなりつつあるのも確かであろう。しかし日本経済
が崩壊し、そして欧米をも巻き込んで一蓮托生にて共倒れになっていけば、内乱の収束も中国への
属国化を産み、非常に危険な方向に向かうこともあり得るものだ。ところで、こうした危険なシナリオに
見られる事態は、日本経済の世界に占める巨大さを考えると、一部の策謀者達の目論み通りには簡
単には行かずに、全世界の経済の崩壊にまで道ずれにして世界大恐慌へと突き進んでいくことは当
然であろう。
一昔、言われたように、日本の経済とロシアの軍事力とユダヤの排他独善的宗教がなければ世界
は平和で安泰だ等と暢気なことを言っている時代とは様相が異なってきたことも確かであろう。もしも
最悪の場合に、内乱が発生するようなことがあれば、恐らく、日本の人口は3分の1の4千万人が死
亡するほどの一大惨事になるであろう。中国残留孤児どころか、国内残留孤児が大量に発生して大
混乱に陥っていくことであろうと思われる。
そしてこうした内乱が勃発してきたときの対応には、海外に逃亡するとか言った対策も考えられるが、
逆に排斥などにより危険なことであろう。むしろ国内で山中に逃避した方が安全と言えるであろう。そ
の時には、都会からの略奪を防止するべく、各地方の村落は自給自足の経済圏を形成するために、
峠やトンネルや橋梁などにおいて関所やバリケードを設けて、排他的で閉鎖的な共同体を造って、政
府の疎開計画などは破綻していくことになるであろう。もっとも政府の疎開計画などは作成すら出来な
くて、国民各自が自力で実行して行かざるを得なくなるであろう。
そして内乱の収束には、色々なケースが考えられるだろう。まずは、米国の第51番目の属州化の
他には、国内某勢力の誘導による外国の侵略勢力による分割統治も充分にあり得るものであるだろ
う。また、辛うじて日本が独立国を維持して、再度、国家を混乱後の廃墟から再建していく可能性も残
されていることは言うまでもない。一体如何なる方向に進むのかは現段階では何とも言えない。
第二次世界大戦後と同様に、米国の属州化ならば、再起を期すことも可能であると言えるだろうが、
他のロシアや中国のような外国による占領を許すことになれば、実に悲惨な運命が待ち受けていると
言えよう。こうした憂慮が実に、近い将来に想定される亡国の危機と言える一つのシナリオであろう。
正にその際にこそ、日本国民自身の真の正義感、愛国心、再建への情熱等が試されることになるだ
ろう。
近い将来に予想される様々なシナリオを想定して万全の準備態勢を敷いておくことが、国家戦略上
において必要なのは言うまでもないであろう。余りにも平和惚けした現在の国民性にとっては、こうし
たシナリオですら現実離れした荒唐無稽の事態でしかないであろう。ところが国家的な軍事戦略とし
ては如何なる事態の発生をも視野に入れておかねばならないであろう。恐らく、世界最大の軍事戦略
を展開している米軍にとっては、充分に想定される事態であり、日本における危機発生に際しても緊
急に対応できるような態勢に入っていることであろうと思われる。
日本には国家的戦略があらゆる面で殆ど無きに等しく、危機を考えること自体がタブー視されてい
るような有様であろう。国民の意識が大きく変革して、国防意識に目覚めて危機感を高揚するために
は、こうした危機を一度経験してみる必要もあるのではないかとさえ思われる。もしかしたら、日本の
現下の諸問題と展望:105
大掃除、世界の大掃除には、ある程度は必要だと神仏が仕組んでいることなのかも知れない。先般、
表面化したオーム真理教の地下鉄サリン散布事件は、平和惚けした日本国民に、そうした危機の一
端を垣間見せてくれたと言えよう。
目下、日本が遭遇するとした場合の亡国の危機なるものは、実にこうした一つのシナリオが現実に
なった場合を想定するだけで充分と言えるだろう。そうした事態にならないことを心から祈念する次第
である。あくまでも考えられる最悪の一つのシナリオとして紹介し指摘させていただいた次第である。
予想される内乱化の時期は、貿易上の破綻に伴う国家破産の時期である2004,5年頃であろうと危
惧される。しかし、こうした予測も、国民の意識、心理、空気等によって、如何様にも変わり得るもので
ある。幕末の動乱にしても、内乱化の危機から回避できたのも、危機感に対する国民心理であったと
言えるだろう。如何なる経緯、結末に至るかは、国民自身が決定していくものであり、正に神仏のみぞ
知ることであろう。
そうしている内に、2001年5月段階で、折角の2000年6月の南北朝鮮首脳会談が実現したにも
拘わらず、情勢は逆戻りしつつあると言えるようになってきた。即ち、ロシアと北朝鮮との軍事協定の
締結である。そして中近東でのイスラエルとパレスチナとの和平に中断である。矢張り、世界は大動
乱に再度突入しつつあると言えるだろう。2001年の8月には中東大戦争が勃発するとの噂も流れて
きているようだ。また、それなくしては、日本の改革も不可能なことは確かである。
つまり、日本の改革は何も日本のみで達成されるものではない。世界との関係で全てが精算されて
解決されなければならないからだ。恰も明治の改革が、国内段階では終了せず、真に内実共に達成
されたのは、太平洋戦争において、世界的な帝国主義の動向、植民地支配の傾向を打破して初めて
実現したのと同様である。敗戦という憂き目を見たが、日本が果たした世界的な役割こそは人類史に
大きく特筆されるものであり、神の協力であったと言えるであろう。
その意味でも、今後の世界の激動化は、再度の神仕組みのものとも言えるであろう。再度、日本の
果たす役割が到来したと言えるであろう。それに対して日本自身が早急に目覚めていくことであろう。
当方の予感では、正に阿鼻叫喚の姿が目に映るようだ。国民意識の大変革を可能ならしめたり、また
救世主的な指導者を、真に多くの日本人が仰ぐような心境になるためにも避けては通れない運命とも
言えるであろう。(2001年1月現在)
(2001年1月現在)
追記1.聖心先生がかつて「大変な時代が来るから、そのための準備をしておくように」がいよいよ現
実化するか (2004年8月4日)
かつて聖心先生が、今から11年前の平成5年初頭の実に亡くなる数週間前に、電話口で、身体が
難渋してきており、最後の言葉だと言いながら「その内に大変な時代がやってくるから、そのための準
備をしておくように」と言われたが、そのための準備とは、住宅ローンを組んだりして多額の借金をし
ないようにとか、自給自足が出きるような環境に身を置くこととか、何処でも簡単に収入を得ることが
出きるようなこととか、等であった。多くの人々がホームレスになったり、自殺者が増えたり、住宅を差
し押さえられて追い出されて他人のものになったりしていく時代の到来を予言されておられた。
そのためには、無理して多額のローンを組んで住宅を購入して行かないことと、都市を遠く離れた山
野に土地を比較的早くから手当をして、その折りが来たら一挙に住居を構えること、また国家資格を
取得することだが、それも世間で言われているような難解な資格では、いざと成ったら高度すぎて使
い物にならないので、何処ででも使えてしかも比較的難関な国家資格を取得しておくようにとのことで
あった。例えば、特許等を扱う弁理士などは余りにも内容的には高度過ぎて、また地域も都会に偏り
すぎており、いざと成れば使い物にならない典型的なものだと言っておられた。さりとて、余りにも簡単
な資格では、有効に活用できないものであるのは間違いないだろう。
またその大変な時代とは、内乱化の兆候であり、今度は戦後の大混乱時における中国満州の残留
現下の諸問題と展望:106
孤児どころではなく、国内残留孤児が大量に発生するであろうと指摘された。この内乱を画策する連
中は、恐らく某宗教団体であろうと思われる。これ以上は言えないが、今や着々とその準備をし始め
たようだ。勿論、その背後には某外国勢力も暗躍しているようだ。全く能天気な国民では、こうした非
常事態が到来するまで目が覚めないのであろうか。これも新たな宗教改革に向けては、暴発を誘導
していくためには、必要な神仕組みが働くのではないかと思っている。
そしてこれと前後して国家破産が襲来するが、これは貿易の破綻により現れるであろうと言うことで
あった。目下、貿易黒字で推移しているが、原油価格の高騰化やインフレ突入で、何時、破綻するか
分からない状況だ。その結果、海外から食料の供給が遮断されて、且つ、国内でも地方から都会に
対する食料支援も途絶して行くであろうと言うことであった。貿易の破綻と言うからには、食料のみ成
らず、資源エネルギーも途絶すると言うことで、電気やガス、水道に恵まれた便利な都会生活、特に
マンションなどの生活は破綻すると言うことだ。
それで、自給自足の生活を出きるような体制を整えておくことが必要であると言うことだった。それも
何も自分で全てを実施すると言うことではなく、近くに食料を調達できる共同体組織を控えておればい
いと言うものであった。緊急の際には、戦時中や戦後に実施されたような、政府が主導する疎開政策
や田舎と都会の協力協調体制の確立などは見られずに、田舎も自衛策を採るようになるだろうと言っ
ておられた。
田舎とは言っても、都会に近いところでは都会からの通り道となって、混乱や略奪にあって何の価
値もないと言うことであった。また田舎でも軽井沢のような別荘地では、都会と同様で可成りの混乱が
予想され、田舎としての効果はないと言うものであった。また地方でも北海道の札幌のような都会で
は、幾ら周囲に田舎があっても、その規模の大きさから言っても、東京などの大都会と何ら変わりは
ないと言うことだろう。
既にHPでもそのような内乱化は指摘したが、今までは一体如何なる契機で、また果たしていつ頃に
現れるのかと観察し待機しながら、他方ではある程度準備を整えてきたが、今漸くその大変な時代が
到来する兆候が現れ始めたようだ。既に2004,5年頃に国家破産を予想したが、中国経済の好調
に助けられている面があるが、既にこれも限界に近付きつつあるようだ。即ち、今や800兆円にも迫
る公的債務の巨大さを前に、税収も歳出の半分しかない上に、毎年、40数兆円もの借金を繰り返し
ていく中で、国家破産も次第に現実化してきており、こんな巨額の債務を一体誰が解決できるという
のだ。全く危機感がない官僚や政治家が、既得権益擁護に収拾して権力権益を支配しているのが日
本の末期的症状だ。
国家財政に集ってきて、国益や国家観を忘却してきたどうしようもない自立心を喪失した甘えと集り
の国民性の前に、国家破産乃至崩壊の徴候が忍び寄ってきたようだ。現状の危機を考えようともしな
いで、何ら創造的解決策を考え出せずに、沈没しつつあるタイタニック号の甲板で末梢的な論議ばか
りが横行氾濫している有様だ。こんな国会議員の連中が、今年の夏も大挙して、5億円もの大金を費
消して海外豪遊を実施するつもりのようだ。こんな状況では財政再建どころでは有り得ず、寄生虫諸
共一掃するためにも国家破産するしかなくなってきたようだ。
また、いよいよ米国経済にも暗雲が垂れ込め始めたようだ。バブル化し始めた中国経済も中央の北
京政府が大幅な引き締めを行い始め、次第に日本にもその影響が波及してくることであろうと思われ
る。ユーロ登場と共に米国経済もドル崩壊が顕著化しており、何よりも原油情勢が価格の高騰化や
原油資源の枯渇化が喧伝されてきており、壮絶な資源エネルギーの争奪戦が始まったようだ。米国
も換言すれば、日本に集る寄生虫のような存在になり果てた。中国でも、日系企業に対する露骨な戦
時中の損害賠償を巡る裁判を仕掛けられつつあり、油断を許さない状況に陥りつつあるようだ。
こうした国内外の経済的大激動は、それ単独で襲来するものではなく、その背後には、経済的危機
を回避したり、資本主義経済の断末魔を解消し精算するために、軍事行動を伴ってくると言うことだ。
現下の諸問題と展望:107
現に、米軍が新たな軍事基地の再編を実施しており、朝鮮半島や台湾海峡、そしてイラク、イランを
始め、パレスチナを巡って益々緊張感が高まりつつあると言えよう。
聖心先生は、可成り以前の実に15年から20年近く前にも、「恐らく中近東が世界の3分の2を占め
る大規模紛争の中心と成るであろう」と申された。余りにも驚愕的な預言に対し、当方も一瞬、荒唐無
稽に思えたので、残りの地域は何処か、当方からは尋ねなかったが、今になって思うのは、朝鮮半島
や台湾海峡の北東アジア地域ではないかと思われる。勿論、印度やパキスタンも有り得るが、それら
は中近東の紛争に吸収されていくのではないかとも思われる。
他方で聖心先生は、国民が気付かない内に改革が進展して行くであろう」とも申されたが、一体これ
は何のことかと不思議に思っている。大動乱の襲来も、気付かない内にやってきて、気付かない内に、
邪悪な連中自身が自滅、自壊していくと言うことではないかと思っている。要するに、壮絶な戦いを演
じることなく、知らずの内に衰退、衰滅、崩壊が為されていくのではないだろうか、そんな予感がする
次第だ。
(2001年8月以降)
22.教科書問題(2001年9月17日)
歴史的事実は事実として記載していくべきであるのは当然であるが、その歴史的事実の背景や解
釈においては、周辺諸国と見解が異なるのは仕方ないし、そこまで見解を統一することは不可能で
あろうし、するべきでもないであろう。教科書問題はあくまでも国内問題であり、青少年の健全な育
成・発展に大きく関係するものであり、外国からの内政干渉は排除していくことだろう。
今回、扶桑社版の新しい教科書も殆ど採用されることなく、教科書問題も一旦は終了したようである。
もっとも、扶桑社の新しい教科書の採用もならなかったが、一方の極左的な日本書籍の教科書も大き
く採用を減らし、結果的には痛み分けの形に終わったようだ。新しい教科書は内容的にはそれ程偏っ
ているとは思えない。むしろ児童に健全な愛国心を植え付けて、国家社会を愛するように教育するこ
とは国家の責務であろうと考える。それ故に、頑強に反対する連中に対しては、自虐的な売国奴、亡
国の徒と言う印象を感じざるを得ない。何時まで、戦争を画一的に悪と決めつけ、日本だけが侵略国
家だと自虐していくつもりであろうか。好い加減に目を覚ませと言いたい。
さて中国や韓国からの反対に関しては、全くの内政干渉としか言いようがない。国内的にも、教科
書の検定がどうして必要かなどと言った暴論もあるようだ。高等教科書や一般の書籍や学術的な研
究書に至っては、当然の如く表現の自由により、自由に記載されて公表されてしかるべきであろう。と
ころが小中学校の教科書においては、国家社会の将来を担う健全な精神の児童を育成すると言った
国家的な目標や使命が存在するのである。子供の頃から自国の国家を呪ったり、自虐的な非愛国的
な思想に囚われていたのでは健全な愛国心や社会性も育たなくなるであろう。
勿論、教科書には事実は事実として記載していくことが大切なのは言うまでもない。何も事実を覆い
隠したり、曲げて記載することに賛成をするものでもない。ただ事実はあくまで客観的に日本の立場
で記載するべきものであり、妙に卑屈になったり、高慢になって記載するべきものでもないであろう。
どちらにも偏ることなく、児童の精神に与える影響も考慮しながら、中庸の精神で記載するべきであろ
う。そして、その事実の背景や解釈やその後の影響に関しては、様々な解釈があるのは当然であり、
国家の意思としてある程度統制していくことが必要であるし、各国、いずれも実行していることである。
外国とそこまで記載内容を巡って統一するのは殆ど不可能であるし、するべきものでもないであろう。
個人でも対立した場合は、両者の言い分に関しては、見解の相違があった当然であろうし、そこから
喧嘩両成敗の思想も生まれてくると言えるのである。国家においても同様であろう。事実の解釈に関
しては、見解の相違があって当然であるし、そうした見解までも統一するのは殆ど不可能であるし、統
一するとしたら、我が国のアイデンテイ、独自性を喪失することを意味するであろう。過去に思いを囚
現下の諸問題と展望:108
われるのではなくて、未来に向けて健全な精神を育成すると言った観点が大切であろう。真実を事実
として記載するのは当然だが、その記載においては濃淡があるのは自然でもあるし、やたらと自虐的
に相手国に合わせて協調して記載するものではない。教科書はあくまでも、日本の健全な将来を担う
日本の青少年のためのものである。
事実、各国でも対立してきた当事者の両国では、歴史の事実は共有しても解釈は異なってきたし、
別にそれを巡って対立し、内政干渉を許してはいない。例えば、英国と、そこから独立した米国とでは、
米国独立戦争の記載に関しては大きく異なるのは当然であり、現に統一されてはいないし、互いに異
議を主張しあってもいない。フランスとドイツでもそうだ。過去を遡れば、互いに対立の歴史であったと
言えよう。いづれかが一方的に犯罪者的立場に置かれるものでもないであろう。
世界中、それぞれの立場で自国の行動を正当化して記載されていることに対して誰も異議を唱えな
い。それが世界の常識であると言えよう。しかるに、我が国は、大東亜戦争以降の占領政策時代に、
厳しい検閲が施されて、思想統制下におかれ、東京裁判史観を徹底して植え付けられ、歴史の自由
な解釈を国家としては許されなくなり、占領が解けた後も、今でも暗に占領政策が尾を引き、自虐的
に、敗北的に国家を呪い、売国奴的で亡国的な思想を蔓延しているのはゆゆしき事態であると言えよ
う。
ここで再度、大東亜戦争に関して解釈をしておこう。日本は東京裁判で侵略国家であると断罪され
たが、国際法的にも戦争は自衛権の行使であり、決して悪ではないのである。戦争は個人間の決闘
の延長であり、宣戦を布告した以上は拒絶できないのである。なお、個人間でも決闘は今でも合法化
されているのであることを知るべきであろう。それに未だに侵略においても、その定義すら未だに国際
的にも確立されてはいないのである。平和に対する罪とかの事後法で裁判をして、日本を侵略国家
にした東京裁判とは、国際法的にも如何に誤ったものであるかを思い起こすべきであろう。今では国
際法学者の間では常識にすらなっているのである。
それに捕虜虐待等のBC級(実際にBC級という言葉があるわけではないが)の戦争犯罪人は存在
するが、国家の指導者をA級戦犯として平和に対する罪とか人道に対する罪とかの曖昧でこれまで
存在しなかった罪状で裁くことは国際法的にも許されないことが明らかになっている。これでは、戦後、
朝鮮戦争やベトナム戦争、湾岸戦争、コソボ戦争を遂行した米国の指導者は、理由の如何を問わず
殆どが平和に対する罪や人道に対する罪で、A級戦犯に値することになるであろう。
そして靖国神社問題であるが、国家が慰霊等の宗教的行為をしたり、その為に公費を支出したりす
ることは、米国でも、その違憲訴訟での最高裁の判例において、国家に取って長年の慣行であるとし
て合法化されているのである。何ら問題化されてはいないのであり、政教分離が日本では如何に杓
子定規に狭く姑息に解釈されているかは世界でも物笑いになっているようだ。日本では、判例で政教
分離を曲解して違憲判決が出ているようだ。外国の某勢力に迎合した国内の売国奴連中の意識の
変革が早急に求められよう。
ところで、教科書検定や採用に関する外国からの内政干渉に関しては、毅然としてはねつけ、執拗
に干渉する際には、我が国も相手国に対して、同様にしつこく内政干渉していくことであろう。目下の
日本人社会には国家も含めて、こうした執拗さが大きく欠けているようだ。執拗さとは、換言すれが毅
然とした態度であり、自己主張である。長いものに巻かれろとか、和の精神とかに翻弄されてきた日
本の付けが今ここに来て大きく国家の明暗を決する事態になってきたようだ。下手に出れば理解して
くれるとか言ったものは幻想にしか過ぎない。弱みを見せれば益々つけ上がって、無理難題を吹っ掛
けて付け込んでくることは世界の常識である。日本は今こそこうした国民性を根本から変革していく時
期に来たようである。
因みに、中国の国定教科書の日本に関する記載では、大東亜戦争時における日本軍の行動を如
何に残酷であるかの記載が圧倒的部分を占めており、戦後のことに関しては、田中角栄氏の日中国
現下の諸問題と展望:109
交回復の事件ぐらいである。こうした教科書で育った青少年が日本に抱くイメージは如何なるものか
は想像を絶するほどであろう。ODA 経済援助に関する記載もなく、国民にも知らしめず、日本の現状
に関する記載も殆ど無く、全ては戦争時の中国侵略の記載だけである。
日本もこうした国家に対しては、対抗手段として、言い訳をすることなく、同様の観点に立って相手
国の事情を記載していけば良いであろう。即ち、中国に関しては、例えば、戦後の大躍進時において
は内乱で約1千万人もの人が虐殺されたり、文化大革命においても、約2千万人から3千5百万人も
の人が殺されていった事実を指摘して、如何に残酷な国民性であるかを警鐘を鳴らしていったら良い
であろう。内政干渉をする相手国に併せて、日本も対等に相互主義を徹底して、対応したら良いと思
われる。
今回の不採択に当たっても、友好親善団体とかを通しての、また友好姉妹関係の都市を通して、中
国や韓国からの内政干渉があったし、更には、来年のワールドサッカーの日韓共同開催に向けた親
善ムードの醸成のために、政府中枢からも、無用な対立を敢えて避けると言った形式的な日韓友好
親善という大義名分により、各地の教科書採択委員会に当てて、新しい教科書の不採択という不当
な圧力があったようだ。その結果が、採択が全くゼロという画一的な右に倣えの統一された意思表示
に繋がっていったのである。
真の国家の利害が何であるかを理解する政治家が殆ど居なくなってしまったようである。外国に対
して、如何なる対応をすることが、真の国益かが全く根本的に解っていないようだ。土下座し、謝罪し
て事勿れ主義に徹すれば、問題解決と思っている政治家が余りにも多すぎると言えよう。そういうこと
は真の解決ではなく、大きな難題を背負ったまま、より解決を困難にして先送りするだけであることに
どうして気付かないのであろうか。
今後、当面、我が国がとるべき態度は、国内的には、国家が責任を持って教科書を検定し、地方自
治体の長が責任を持って採用していくことであろう。各党、各団体の相乗り的な検定委員会や採用委
員会では対立がそのまま持ち込まれてしまい、真の民主主義では無くなるであろう。誰も責任を取ら
ずに、暴力的な手段で排除し、国民の意思が何も反映されてはいないものになるであろう。選挙によ
って選ばれたのは各自治体の長である。委員会の委員ではない。
更に、現在の教科書採択委員会は、何々代表と言う形で、全く法的に無関係な者まで入ってきてい
るし、本来の委員会の構成の法的根拠から言っても全くおかしいし、制度の趣旨から大きく逸脱した
構成になっているし、混乱と無責任を助長していると言えよう。このことを今改めて思い起こすべきで
あろう。
ところで、教科書の選択に関しては、目下、政府は地方分権化の下に、市町村から各学校単位にま
で下ろそうとしているとの噂もあるがとんでも無い話であろう。国土、国民の生命や財産の防衛等は
国家の基本であり、そういうものを地方分権化と称して国家が責任を放棄する方向で分権化すべきで
はない。教科書についても、国家防衛の観点からも同様なことが言えるであろう。
むしろ最終的には、教科書は健全な青少年の意識を涵養し育成するものである故に、換言すれば、
反国家社会的で邪悪な思想からの防衛でもある故に、政府自らの権威と責任で検定し採択して行く
べきであろう。特に、低学年用の歴史や国語、公民のような教科書に関しては、政府による一括の採
択を推進して、国家的な意思統一に向けた健全な精神の育成が好ましいと言えよう。この点は、隣国
の中国や韓国の真似をすべきであろう。国家の意思、国民の意識を一つに纏めるためにも、是非とも
必要な方策と言えよう。
23.今後の政局への展望(2001年9月20日)
改革への情熱を持った小泉総理の後継者が自民党内では全くの不在という単純な理由により、案
外、任期いっぱい継続し、その後は2004,5年頃には国家破産の危機に突入して行くことだろう。そ
現下の諸問題と展望:110
の際には、誰が総理になっても解決不能な状況に陥っていき、新しい変革の大激動時代が到来して
いくことであろう。実に、2005,6年頃からの5年間ほどが、亡国の危機と抱き合わせの正に地獄の
苦しみに突入していくことであろう。
そして、最終的には、そうした苦難の過程で、国民全体の意識が変革が形成されていく中で、また、
そして、最終的には、そうした苦難の過程で、国民全体の意識が変革が形成されていく中で、また、
国際環境の大激変を通して、真の指導者が、これまでの成功体験による功成り名を遂げた者でない
中から、即ち、幕末の動乱時の無名の革命家達のように、またジャンヌダルク等の幾多の歴史的人
物の登場のように、「ひょんなところからひょんな人物がひょんな形で」登場して来ることであろうと思
われる。最早、最終的には、そうした救世主的な人物の登場によってしか打開できない状況が次第
に迫って来るものと思われる。
追記1:
追記1: 田中外相解任(2002年2月2日)
追記1ー1:
追記1ー1
: 田中氏は一旦失脚して再起を期すだろうが(2002年9月6日)
追記2:
鈴木宗男氏問題(2002年7月20日)
追記2
: 鈴木宗男氏問題
(2002年7月20日)
追記3:
追記3: 小泉政権が長期継続か(2002年7月16日)
追記4:
追記4
: 訪朝は暴走で墓穴を掘るか(2002年8月31日)
追記4-1:
追記4-1
: 小泉総理訪朝も某勢力が仕掛けたもの(2002年9月19日)
17項追記2を参照
日朝首脳会談の背景(2002年10月12日): 17項追記2
を参照
29項追記3を参照
世界支配権力が米国解体へ:
を参照
世界支配権力が米国解体へ: 29項追記3
追記5:
追記5
: 民主党の大分裂化(2002年9月12日)
追記6:
追記6
: 小泉政権後は政局大混乱へ(2002年9月15日)
追記6-1:
追記6-1
: 今や八方塞がりの膠着状態の果てに到来するものは(2002年11月8日)
追記7:
追記7
: 諸々の改革の展望
追記8:
追記8
: 自民党総裁選の混沌とした行方から戦国乱世が急迫か(2003年9月4日)
追記9:
追記9
: 民主党と自由党の合併の背後関係を洗う(2003年8月18日)
追記10:
追記10
: 保守党党首の小沢氏の言動の背後にあるものは・・(2003年9月11日)
追記11:
追記11
: 売国的政策に国民が目覚める兆候か(2003年10月28日)
追記12:
田中真紀子氏の復活登場の背景は如何に(2003年11月22日)
追記12
: 田中真紀子氏の復活登場の背景は如何に
(2003年11月22日)
目下、特殊法人の民営化や、不良債権の処理、新規国債発行枠の30兆円堅持とか、道路財源の
一般財政化などで議論が進展しつつあるが、大きく進展していく見込みは極めて困難のようだ。それ
に肝心のIT革命の破綻や、米国同時多発テロ事件の勃発は、政府の財政再建の目論見を根底から
打ち下してしまい、大きくシナリオを狂わせつつあると言えよう。米国支援に向けて軍事的にも経済復
興的にも、全面協力とか言って啖呵を切った以上、国内の財政再建どころではなくなってきたようだ。
米国のための財政支援が優先して行かざるを得なくなってきたようだ。全てが大きな破局に向かって
第一歩を歩みだしたと言えよう。
今は正に、かつての戦国時代のように、混乱と対立の下克上の時代に大きく突入したようである。こ
れまでの既得権益社会にメスを入れて解体し新しい時代を創出していく時期に来たようである。正に
大波乱の戦国時代への突入であろう。IT産業の破綻でもある程度予測していたが、今回の米国同時
多発テロ事件により、かなり破局への展望が明確になってきたと言えよう。こうした観点に立って、今
後の改革への国内的なシナリオを描いてみるのも、不謹慎かも知れないが、興味深くて解りやすい。
さて、現在の指導者である総理の小泉氏にしても、これから登場する多くの彼の後継者にしても、従
来の方式とは異なった破天荒な織田信長のように、既得権益や旧社会の破壊者でもあり解体者でも
あり、変革の先鞭を付ける役割を演じていくことになるであろう。逆に言えば、そうしたタイプでなけれ
現下の諸問題と展望:111
ば、改革は大きくは進展しないとも言えるであろう。既得権益に少しでも染まっていたら、生命を賭し
た真の改革などは出来ないであろう。
靖国神社参拝問題にしても、小泉総理は最後に中国の恫喝に屈して、15日から13日に変更したら
しい。どのような恫喝かと言えば、ODA海外経済援助に関して、自民党や外務省関係の機関にキッ
クバック(還流)をしていることを暴露すると恫喝されたらしい。その対中ODAにより、親中国派の国会
議員が接待されたりして洗脳されているのが実体である。総理の小泉氏が自民党総裁でもなければ、
「勝手にどうぞ」と突っぱねることが出来るのであるが、自民党総裁であれば、自分に国家的な責任、
売国的行為の責任が被さってくることになって、どうしようもなくなって屈服したと聞いている。これが
真実ならば、改革の展望にも限界が見えてきたとも言えよう。矢張り、既得権益の代表に自分も入っ
ていたのでは、思い切った改革などは不可能であろう。正に、銀行の支店長がやくざに融資して一部
をキックバックさせて私益を図り、何時までも集(たか)られている構図とそっくりと言えよう。
ところで、現下の状況を観察してみれば、まだまだ大混乱の戦国時代がやっと始まったと言ったとこ
ろであろうか。織田信長に忠誠を尽くして協力してきた知恵者の豊臣秀吉、即ち、木下藤吉郎も未だ
に現れていないようだ。現れていないと言うよりも、織田信長を演じる改革者が抜擢していないようだ。
せいぜい既存の勢力の中からの抜擢でしかないようだ。織田信長や、幕末の徳川幕府の筆頭の阿
部大老が実行したような身分を越えた抜擢には至ってはいないようだ。それでは新しい奇抜な発想な
どは出てこないようだ。
従って、現段階では、織田信長の家臣団すら形成されてはいないようだ。柴田勝家に相当するのは
前の総理の森氏と言ったところであろうか。他にも家臣団に官僚的な守旧派が余りにも多すぎる。桶
狭間のような合戦もまだまだ遠い先のことであろうし、今川氏に相当する橋本派を中心とした旧勢力
も未だに健在である。ましてや、旧勢力の今川氏から人質を解放されて、徳川家康が登場してくるの
もまだ先の話であろう。そもそも桶狭間を戦うだけの勇気がある者が出て来るであろうか。
ところで、武田信玄や上杉謙信、明智光秀、足利幕府、毛利元就、浅井長政、伊達正宗、豊臣秀吉、
徳川家康等に相当する人物が誰かは想像に委せることにしよう。少なくとも、最後に皆が付いて来て、
将来にわたって国家社会の基礎を建設できる程の広い視野に立って時代を展望できる人物が登場し、
天下を収める救世主が出るとするならば、それこそ徳川家康に相当するというものであろう。しかし、
未だ残念ながら、戦国乱世を収束し得るような偉大な徳川家康は何処にも見あたらないようだ。勿論、
小泉氏を始め、現在の政治家には居ないようだ。近い将来の政治家の中に担ぎ出されて出て来るよ
うな気がする。正に今川に囲われた人質のような境遇下に置かれているものと推察される。
さて今後、改革者、破壊者の織田信長の取るべき方向としては、歴史の教訓が教えているように、
木下藤吉郎のような人物を思い切って大抜擢し、織田の家臣団を纏めていくことであろう。現在は、
改革断行の内閣という割には、改革に消極的な閣僚や力量不足の閣僚が余りにも多すぎる。それに
教科書問題や靖国神社参拝問題でも、閣内に不調和、不協和音が余りにも多すぎる。これでは改革
などは不可能であろう。人選を大きく誤っていると言えるであろう。即ち、派閥論理や年功序列の論理
に従って、バランスを取ることに汲々とした人事であり、これでは改革は遅々として進まないであろう。
さて、織田信長が、木下藤吉郎という人物を大抜擢して、古い思考に凝り固まった家臣団を纏め上
げて、桶狭間の奇襲的な合戦により旧勢力の今川氏を滅亡させ、新しい次代を担う能力と展望を有し
た徳川家康を発見し、人質から解放して、共に同志として天下統一に向けて歩みだしても、前途には
多くの難問や障害が横たわっていると言えよう。恐らく、暗殺とまでは行かなくても、最後には多くの反
感を買って失脚する運命が待っていることであろう。しかし、ある程度は真の神仏が、彼以外に後継
者がいないために守り続けていくこともあり得よう。
ところで織田信長の後継者としては、小泉氏に代わって、次から次へと登場して来ることであろう。
恰も、幕末の多くの勤王の志士と同様のものであろう。巷間、噂されている石原慎太郎氏とか田中真
現下の諸問題と展望:112
紀子氏とか、小沢一郎氏とか鳩山氏とか管氏とかの、多くの有能な名前が挙がっており、今後、小泉
改革の後継者として登場してくるかも知れないが、確たる展望や人望、政策もないままにいずれも短
命に終わっていくことであろう。彼らは殆ど大した苦労もしていないお坊ちゃんであるし、国家観にも欠
如し、改革も偏ったものであると言えよう。頭が良くても生命を投げ出すほどの気迫や根性に大きく賭
けるものを痛感せざるを得ない。国家的な最高指導者と言うよりも、その良き協力者には成り得るで
あろう。要するに、彼らは失う財産や名声、経歴等のものが余りにも多すぎるとも言えよう。それが行
動や判断を鈍らせていくことに成るであろう。
何よりも多くの国家指導者の候補者達には、宙天に鎮座される真の神仏と波動が直結していないと
言うことだ。これまでの時代ならば、それでも良かったが、今や、大きく歴史の流れが変わったのであ
る。誰がやっても上手く行かないほどの歴史的一大事の大難局である。売名や利欲行為に満ちた単
なる野心や野望では、魔の波動に結び付いて政権が取れても長続きはせず、最後には墓穴を掘って
いくことであろう。今時の改革は、正に宙天に鎮座される真の神仏と一体になった心の持ち主でしか
切り抜けられないであろう。恐らくこのままでは、殆ど誰がやってもいい結果は生じないであろう。
結局、最終的な日本の改革は、何も経済的な再生ばかりではなく、未だに米国の軍事的占領下に
ある現状を打破し、丸裸にされて一切の抵抗力をもがれて何時でも国家的な死を受け入れさせられ
ている非武装の憲法を平和憲法と有り難がっている、卑屈で腰抜けで正義感を喪失し、従属心に満
ちた国民性を大変革することを目標にして行かねばならないからだ。実に、明治時代の指導者が試
みた関税自主権と裁判権の奪回の不平等条約の改正にも匹敵するほどの難事業であるからだ。一
体、どれほどの数の政治家がこうした国家的目標や改革意識を有しているのであろうか。
ところで、小泉総理が当方の提唱する改革の方向へ必死になって生命をなげうつのならば、案外、
真の神仏が彼を助けていくことであろう。恐らく、彼が改革を身命を賭して実践する限りは、天が彼を
守護し改革に引っ張っていくことであろう。全ては神の加護が働きだしたと言うことだ。小泉氏ほどの
情熱家は他には皆無であり、些か頑固で固いところが時には視野の狭さを引き起こして欠点でもある
が、後継者が彼の情熱を乗り越えていくことは殆ど考えられない現状では、案外、長く小泉政権は継
続していくことであろう。逆に言えば、抵抗勢力の連中のような邪悪な想念は、次第に真の神仏の波
動により一掃し排除されていくことであろう。恐らく小泉政権は、大した後継者がいないという理由で、
後2,3年の任期いっぱいは継続するかも知れない。その後は正に群雄割拠の短期政権の跋扈であ
り、戦国乱世に突入で政界大再編にも繋がっていくことであろう。
それに今時の日本の改革は、単に増税等の財政再建や特殊法人の民営化等の構造改革ぐらいで
は終わらない。それに安易な民営化では外資に売り渡すだけの結果になるだけであろう。1997年の
アジア危機を脱出したアジア諸国でも、結果的には外国資本が乗っ取ったことで終息しているようだ。
現在のような改革方向では、小泉政権が言う構造改革が外国資本に売り渡すような結果になるだけ
であろう。実に国家の命運を決する事項が余りにも複雑に絡み合って多く存在している。世界状況を
概観しても、宗教戦争にまで発展する気配が出てきたし、日本が指導力を発揮して数千年来の世界
的な宗教対立に終止符を打つことも現実的課題になってきたようだ。そうした宗教観を明確に打ち出
せる指導者こそが最後に期待されているのである。
ところが残念ながら、現下の多くの指導者連中は、利己的な国民や外国勢力に迎合するばかりで、
解体し破壊した後の新しい国家社会を、1千年も持たせるためには、如何なる国家社会の形態に構
築していくかの具体的で確固とした信念のある政策に乏しいと言えよう。国家観が欠如した政治家や
学者が如何に多いことか。これまでのように、人任せでは通用しない指導力が求められているのであ
る。それは、時代の要請として、正にスピードと正しい判断と決断力が要求されているからである。今
正に、「新日本列島大改造の実践」を始め、幾つかの改革を国家主導で実践するしかなくなってきた
ようである。それに併せて、古代からの各種宗教の根底からの大改訂の実践であろう。
現下の諸問題と展望:113
ところで、徳川家康の果たす役割は、歴史の教訓から学んで行けば、まだまだ前途は遠く、天下統
一は遙か彼方であろう。最後は天下分け目の関ヶ原を設定して、国民の大多数を関ヶ原に誘い込み、
誘き出し、引っ張り込んで、天下の大掃除をする必要があるであろう。当時の多くの戦国武将の中で
も、戦国の乱世を終了させることを考えて、新しい時代の構築に向けて雄大な構想を有していたのは、
唯一、徳川家康しかいなかったと言えよう。彼は個々の戦術よりも、大きな国家的な戦略を発想でき
た唯一の政治家だったと言えよう。それも彼の幼少の頃の人質生活から来る苦難の人生で大きく自
己変革できたと言えよう。
歴史は不思議と繰り返す局面もあるようだ。こうしたシナリオを考えるのは、多少、不謹慎かも知れ
ないが、どうしてもかつての戦国時代の歴史と時代が重なって見えてくるのは仕方ない。案外、そうし
たシナリオ通りに展開していくようになるかも知れない。正に、真実や結果は神のみぞ知るであろう。
実に、「信長が撞(つ)き、羽柴が捏(こ)ねし天下餅、それを食うは徳川家康」の歴史上のストーリー
が展開されるのであろうか。天下統一の前提としては、天下統一の思想や哲学がなければ、何時ま
でも戦国の世は終わらないのである。そしてそれを具体化できる人物こそが、正に徳川家康であった
と言えよう。今次、最終的に国家に求められているのはこうした徳川家康的な人物であろう。
思えば、織田信長が明智光秀によって殺されるような悲劇に出会うことになったのも、霊的に言えば、
比叡山の僧侶等を殺害したためである。いくらふしだらな生活を送っていたとしても、御仏に仕える僧
侶達を殺しては仏罰が当たろうというものである。そして、徳川家康においても、格別に戦の能力が
長けていたわけでもなく、じっと耐えて待つことにより、周囲が自滅していったことにより、天下が転が
り込んできたと言えよう。今次の改革への展開も、徳川家康的な人物の登場も、じっと待つことにより、
天が次第に表面に導いていくことであろうと思われる。もしかしたら、今次は、戦国時代と異なり、案
外、シナリオに若干の展開の変化が見られるかも知れない。即ち、信長が自滅して行った後は群雄
割拠になり、最後に一挙に徳川家康の単独による登場になるかも知れない。
正に今回の米国同時多発テロ事件によって、改革への過程に大きく狂いが生じてくるようだ。最早
改革どころではなくなってくるような状況の急激な変化である。いよいよ国際的の大激動の時代に突
入して行かざるを得なく、国内的にも大波乱の戦国乱世の幕開けに相応しい時代展開になって来た
と言えよう。即ち、ハイパーインフレ、世界大不況から大恐慌、世界大戦、内乱化の兆候が出てきたと
言うことである。これは、正に、国家社会の崩壊の危機であるであるが、別に言えば、新しい時代に向
けた改革の出発になるであろう。即ち、3,4年後の2004,5年頃の日本国家の破産に向けて、日本
が米国や欧州を巻き込んで、4,5年後の2005,6年頃には米国連邦政府崩壊、欧州合衆国破綻を
もたらして、文明先進諸国同士の共倒れとなり、新たな地球的再編が成されて行くことであろう。
正に、当方の提唱する「新日本列島大改造の実践」も、最後には多大なる後悔の念でもって迎え入
れられていくことに成るであろう。そうして悲劇的な結末こそが、皮肉なことながら、真に新たな思想や
概念が歓迎され受け入れられて行く結果を生み出すものであろう。吾々は何も売名や利欲で行動し
ているわけではなく、決して悲観や絶望も無く、じっくりと国民が気付き、鳴くまで待とうの心境であり、
大きな天下分け目の一網打尽の関ヶ原の戦いに向けて、全軍総攻撃の進軍を開始した次第である。
なお、後日、12月頃の週刊誌の「週刊朝日」で、某作家の意見を中心に、小泉総理の織田信長論
が掲載されて、その出所がどこかを詮索しているらしいが、他ならぬ当方がHPに掲載して国会議員
を始め多くの国民に紹介したためであろう。
追記1: 田中外相解任(2002年2月2日)
未だ数十年に一人と言われた天才的政治家の田中角栄氏に対する嫉妬や怨念が、一部の政治家
や国民の間に広範に且つ奥深く残っている限り、田中角栄氏の名前を汚さない為にも、政治の世界
や国民の間に広範に且つ奥深く残っ
ている限り、田中角栄氏の名前を汚さない為にも、政治の世界
に登場してくるべきでなかったろう。角栄氏とは政治手法、部下に対する思いやり、人生上の苦労体
現下の諸問題と展望:114
験などが天地の差ほどの相違がある以上、いずれは馬脚を現し、自らの失態により墓穴を掘って失
脚していくものと危惧される。
2002年1月29日の田中真紀子外務大臣の解任劇は小泉氏にとって明らかに誤算であった。嘘を
付いているのは国民の大多数が思っているとおり、鈴木宗男議員であり、それに加担している外務省
官僚である。何故に外務省官僚が鈴木議員に加担しているのかと言えば、彼に外務省や外務官僚
全体が弱みを握られているからである。国会審議の空転を回避するのを大義名分にした喧嘩両成敗
を取るべきでなかったと言えよう。そのようなことは日常的なことであろう。今大切なことは何かが解っ
ていなかったようだ。外務省の体質を改善し、抵抗勢力の介入を断ち切るべきであった。外務大臣に
楯突く官僚を切るべきだし、外務大臣の頭越しに外務省に口出しする鈴木議員を外務省から閉め出
して行く方針を明確に打ち出すべきだった。
確かに田中真紀子氏にしても勘違いのところもあったようだが、それは単なる勘違いであり、鈴木宗
男氏や外務官僚の嘘とは次元が異なるものだ。田中氏の勘違いとは、電話した内容を管氏から貰っ
た紙にメモ書きしたというものだが、実際に管氏から紙を貰った時間はその後であったと言うことであ
るが、恐らく、電話した内容をその後に貰った紙にメモ書きしたと言うことが真実であろうし、何も嘘を
付いているものではなく単なる勘違いで済ませるものであろう。
田中真紀子氏のこれまでの問題点を一挙に始末せんとするが為に、抵抗勢力の陰謀に乗って解任
したと言うことであろう。正しい人事上の対処方法を大きく誤った小泉氏には公平で公正な判断能力
を欠如しているといった評価に繋がっていくことであろう。今回の事件を理由に解任するべきものでは
なかった。解任のタイミングと判断理由を誤ったと言えよう。
田中真紀子氏にしても自らを「ザ・自民党」と称している限りは現在の自民党が解体しない限りは再
起はないであろう。自民党内でほされるだけであろう。しかしながら彼女にしても破壊力はあってもそ
の矛先の向け方が空振りに終わり勝ちであり、自ら資金を提供してまで新党結成に動き出すほどの
情熱や理念はないであろう。所詮は国家のために生命を投げ出すほどの政治家ではないであろう。
改革の前提として、現状を破壊するためにはその破壊力が大きく国家に貢献できるであろう。いっそ
のこと、女信長として総理大臣を目指し、官僚体質や利権体質を一掃して古い体質の大解体を実行
して貰いたいものだ。しかしながら総理大臣の重圧を感じて精神的にパニックを起こしていくことは明
白であろうと思われる。
やはりどうしても女性特有の余りにも近視眼的な見方であり、遠い展望を持った政策に欠けるのが
残念だ。また女性特有の変わり身の早さでは国民の人気はあっても国会議員としては付いていく者
はないであろうし、すぐ浮き上がってしまうであろう。外務省改革にしても、もう少し上手く官僚を絡め
取るほどの対処ができなかったかと悔やまれる。やはり、お嬢さん育ちが災いしたのであろう。苦労知
らずの人気取りが往々にして陥る過ちであろう。その場の人気に終始して大所高所からの判断に欠
如しがちと言えよう。それにしても改革の始めである段階では彼女の人気にあやかって切るべきでは
なかったであろう。
後任の川口女史にしても、英語が堪能で外交官の手腕は確かで、案外官僚独特の用心深さで長続
きするかも知れないが、発想は高級官僚の出身者らしく官僚的であり、仕事も優秀な行政マンであり、
対決勝負に出るべき決断力を要求される政治家とはとても言えないタイプであり、平時には向いてい
るかも知れないが、今時のような外務省の抜本的な改革などの成果は大して期待できないであろう。
出身の経済産業省の利害得失に囚われないで、それを大きく越えた政治力の発揮は無理であろう。
もっともこうした外務省改革は内閣全体で対処するべきものであるのも確かだ。そして彼女も民間経
験者とは言っても所詮は某飲料メーカーの空き瓶などのリサイクル事業を役員として担当しただけで
ある。人生の若い内での民間経験ではないし、何よりも官僚として出世した以上は役人体質にどっぷ
りと染まったと言うことである。今後、様々な外交上の難局に遭遇するに連れて次第に馬脚を現して
現下の諸問題と展望:115
いくことであろう。
田中真紀子氏フアンの女性票を取り込むために、後任の外務大臣に女性閣僚を選択したと言うこと
であろうが、これで小泉政権の改革にも暗雲が立ち込めだしたようだ。構造改革が不可能と国民が知
れば政権の崩壊は急速に早まるであろう。田中真紀子氏の行政手腕が稚拙であったとしても、外務
省改革を始め様々な改革を推進し旗印にする以上は、改革派の田中真紀子氏を切り捨てるべきでは
なかったと言えよう。
それほど、彼女の人気が政権の高支持率を支えていたという現実を思い起こすべきであった。支持
率低下では改革は不可能と知るべきであろう。国民的人気、そして国民の理解や支援無くして改革無
しなのである。恐らく、政権が維持できなくなって来るに連れて、再度、懺悔の気持ちで田中真紀子氏
を登用する可能性もでて来ることであろう。その折りには無難な文部科学大臣ぐらいが適当であろう
と思われる。
さて、この小泉政権は、早ければ予算を通った後の6月頃にも政変が起きるであろう。支持率が急
落した以上、普通ならば一年は持たないであろう。全ては改革にどれだけ真剣に取り組めるか、そし
てどれだけ成果を上げられるかであろう。小泉政権の最期も外見上は近づいたようだ。小泉氏はその
辺を敏感に感じ取って、解散を避け人気いっぱい政権を維持することであろうと思われる。万一、小
泉政権が崩壊すれば、後は後継者は殆どいないようだし、自民党の解体に繋がり、それに引きつら
れて野党の再編にもなって行くであろう。
現在は誰が成っても大した政治力が発揮できないであろう。最早、国家社会が崩壊しなければ、意
識の変革もなく、根本的な改革が不可能になってきたのは確かである。しかしながら、適当な後継者
がいないという理由により、真の救世主的人物が現れるまで、神仕組みにより、小泉氏が続投という
可能性も大きいものと感じられる。
しかし、小泉政権が人気いっぱい継続したところで、任期終了の時期は実に、2004,5年頃の国家
破産と重なり、誰が総理になっても上手く行かない程、追い込まれて二進(にっち)も三進(さっち)も行
かない状況に至るであろう。正に、内乱化の危険性に遭遇する国家危急存亡の時期であろう。2,3
年の混乱の時期を経て、場合によっては米軍による内乱鎮圧の非常事態の軍事力行使もあり得るで
あろう。正にその時にこそ、真の指導者を待望する国民意識が蔓延し、救世主的人物の登場する環
境が出来上がってくることであろう。
結局は、今や、多くの国民は、現在の利権体質や売名行為の政治家には飽き足りてきており、清潔
で国家社会のこと、国民のことを真剣に考える政治家を真底から期待していると言えよう。これこそが
巷間言われている救世主であり指導者と言えるであろう。いよいよ小泉政権の崩壊に伴って、戦国乱
世の始まりであり、群雄割拠の時代の開始となってきたようだ。後は、現在の多くの総理候補の強欲
の固まりの政治家連中の大バーゲンセールであり、大掃除の一掃が始まったようだ。所詮は、小泉
氏自身の判断ミスにより、彼を織田信長氏に例えたのも極めて短期的な見方に終わっていくようだ。
信長不在の戦国時代の幕開けとなるであろう。やはり歴史は似た面があるとは言うものの、そっくり
同じとは行かないようだ。
400年前の戦国時代に、もしも織田信長が現れなかったら、天下は順当に行けば、極めて公家に
近く勢力も大きかった今川氏のものであったであろう。今や、その最大派閥の領袖や政治家、そして
他の政界、官界、経済界の有名人などの現代の今川氏の出番もなくなったようだ。余りにも国民の期
待と懸け離れてしまったようだ。それだけ時代が急速に且つ複雑、高度に進展しつつあると言うことで
あろう。結果的には、どんな無名の者でも、また学歴や財産、社会的地位を問わず、志が高く、国家
社会に生命を捧げるような情熱が伴えば、誰でも天下が取れる時代の幕開けともなって行くであろう。
真剣に国家社会の将来を想う国民各位の出番が、大きく一歩前進したと言うことにもなるであろう。売
名行為の輩や、利得行為の売国奴連中の一掃が開始され、身分や境遇を越えた真の愛国者の登場
現下の諸問題と展望:116
に繋がっていくであろう。
全ての価値観が大きく変化しつつある現在、果たしてこの日本を救済できる人物は、一体いつ頃、
何処から現れるのであろうか。恐らく、エネルギー問題や環境問題等のあらゆる現下の諸難題を解
決し、国民経済を復興できる解決を提示し得るだけの霊的なまでに独創性や情熱性や先見性、洞察
力に富んだ者であり、その出現の時期は、国民の意識が大きく変化する頃、正に国家社会が崩壊し
た頃であり、更には米国の大覇権国の崩壊した4,5年先の2006,7年頃であろう。それもひょんな
ところからひょんな人物がひょんな形で現れるであろうと思われる。
恰もそれは、思想や行動内容の是非は兎も角、形式的には、大きく国家社会的に行き詰まった環境
下での歴史上のジャンヌダルクやナポレオンやヒットラー的な現れ方と同様なものであろうと思われる。
そして、それは実に織田信長と徳川家康を併せ持った人物と成るであろうと思われる。それまでには、
そのような人物を受け入れるような国民意識の大変革や環境作りを始め、ある程度の法制度の改革
が実現し、そして国際環境の大激変が展開していくことが必要であろう。そして日本人自身で気が付く
ことはなく、案外、外国から指摘されて始めて気が付くことであろうと思われる。
その折りには、多大な評価と多大な嫉妬妬みや怨念が渦巻く事態になっていくことであろう。案外、
国民が大いに後悔の念をもって意識変革に迫られるきっかけは、火山灰技術の外国により出し抜か
れると言ったことが関係するものと思われる。後悔し反省し悔い改める連中と、嫉妬や妬みで攻撃し
反発する連中、特に経済産業省を中心とする官僚共であろうと思われる。しかし、とんでも無い言い
掛かりであろう。何故なら、既に、火山灰技術に関しては、政府当局を始め、彼等にも送信して紹介し
ているからだ。その結果、明らかに無反応、無関心、無視の対応であったことが証明済みであるから
だ。最早、国民の意識を大きく変革させるものは、ハイパーインフレの経済破綻を並んで火山灰技術
の外国による先手を打った支配しかないであろうと思われる。
追記1-1: 田中氏は一旦失脚して再起を期すだろうが(2002年9月6日)
田中真紀子氏は、その後、自民党員としての活動を2年間停止され、また秘書疑惑が解明されてい
ないと言う中で、自ら責任を取る形で、また刑事訴追を回避する意味で、国会議員を辞職していった。
その内、解散総選挙があったら再度、国会議員に返り咲いてくることであろうと思われるが、大した働
きは最早出来なくあろうと思われる。一旦、人格的に破綻していった場合、それを簡単には修復でき
ないし、例え修復したとしても、周囲の多くの人の心までをも繋ぎ止めて回復することは不可能であろ
う。精々、大人しく国会議員としての地位を保つぐらいであろうし、とても大臣には、再度、なり得ない
ものと思われる。国会議員にカムバック可能になるのも、秘書給与が自由に采配できるようにする制
度改正が実を結んで行くからであろうと思われる。つまりは疑惑の秘書に関する根拠法制度が空文
化、死文化、形骸化すると言うことだ。これは辻本清美氏にも当て嵌まることだ。最早、用済みである
ほど、時代は急テンポで展開していくことであろう。
追記2: 鈴木宗男氏問題(2002年7月20日)
田中真紀子氏と衝突した鈴木宗男議員に関してもついでに一言述べておこう。彼もそのうち秘書絡
みから、墓穴を掘って失脚していくことであろうと思っていたが、既にそのようになった。永田町では彼
が資金集めのトップクラスであることから、総理総裁の候補だという噂であったが、金権体質や恫喝
政治家(ヤクザ)の性格から、とんでもないところで馬脚を現すであろうと思っていた。鈴木宗男氏に
対して怨念の復讐を果たすようになり、鈴木氏の失脚になるのも時間の問題と言えるであろう。最早、
次元の低い金儲け体質の政治家の出る幕ではなくなってきたようだ。自民党的古い体質の最後の政
治家となるようだ。
現下の諸問題と展望:117
追記3: 小泉政権が長期継続か(2002年7月16日)
小泉総理人気に一部で陰りが出てきたようだと思ったら、道路公団改革などの改革推進委員会の
人選で評価されたのか、再度上昇して来ているようだ。それでも改革のスピードが極めて遅すぎる嫌
いがあるようだ。改革も財務官僚の敷いたレールに乗った増税路線での財政改革でしかないようだ。
他にも官僚にべったりの姿勢が目立ち始めたようだ。1年経過した後の改革の実績の見ても、差ほど
の中身のないものに成り下がってきて、今や経済界からも見放されてきており、大きくスピードダウン
し、牽引力も次第に色褪せてきたようだ。
そして改革自体も、今や官僚主導の改革に成り下がってしまったようだ。「聖域無き構造改革」という
崇高な理念に反して、実際に実行されている改革は、とんでも小手先を弄したものばかりであり、基
本的な改革には至っていないものと言えよう。指導力を発揮したトップダウのように見えながら、実際
は、郵政民営化や道路公団改革ぐらいの一部の改革を除いて、公務員制度改革にしても、多くの点
で官僚に全てを委せ切りになっているようだ。
後見人と見なされていた某元総理も、支持率低下の時には、あからさまに見限りだして、公開の席
上で、「小泉氏の改革への情熱は買うが、残念ながらその能力はない」とか言って酷評していたのも、
次第に周囲から応援者が離れて行って孤立化している証とも言えた。もっとも彼は風見鶏の異名を持
ち、誉めたり貶したりだから本音は解らない。事実、支持率が上昇したら、再度誉めだしたようだ。ま
た小泉総理は、別の元総理に対しても、「何々ちゃん」などと言ったりして、相手から「からかわれた」
と言って反発を招き、最大派閥とも改革への見解の相違を越えて、個人的な感情的対立にまで到っ
てきており、郵政民営化や、道路公団改革に関して、実に犬猿の間になって、孤独、孤立に陥ってき
たようだ。事実、ほんの僅かな身内同士の食事をし、情報の収集にも熱心でないようだ。
某財界人も、色んなセミナーの公開の席上、ズケズケと、「改革のスピードが極めて遅い」などと酷
評している有様だ。確かに、反対勢力を前にして、次第に知恵が涸渇し元気が無くなりつつあるのも
確かだ。それでも支持率が4割前後から5割前後に急上昇したのは驚異的であり、改革を志向する情
熱的な後継者がいないということで案外だらだらと長続きしていくことであろう。麻生氏や平沼氏や高
村氏のような他の有力な総理候補の自民党政治家では、支持率が3割にも達していくことは不可能
であり、精々、2割程度か15%ぐらいであろうと思われる。それに鳩山氏や管氏や小沢氏も次第に色
褪せてきたようだ。もしかしたら、改革への情熱が大きく後退して経済政策優先という状況が到来す
れば、一番可能性があるのは、麻生氏であろうと期待される。その際には支持率3割も決して夢では
ないと思われる。
なお、有力総理候補と言われる某知事では、国民・世論が真っ二つに割れて、外交面で中国や韓
国などの外国の反発を食らって墓穴を掘り、総理待望論の高まりとは相違して現実は有り得ないもの
と思われ、例え現実にあっても極めて短期に終わっていくことであろう。そもそも経済の活性化に関し
ても何も改革案もなく、精々が増税やカジノ経済の復活でしかないものだ。急進的な改革志向のよう
に見えるが、実際は、差ほどの改革案を有しているわけでもなく、単なるイライラ・雑念の思い付きの
作家的発想でしかないようだ。
官僚の首切りぐらいしか発想が無く、真の公務員制度の改革には思い至らないようだ。また、教育
制度の改革に関しても、情け容赦のない落ちこぼれ切り捨ての単なるスパルタ教育の復活でしかな
いようだ。また、家庭の重視も眼中になく、共稼ぎも無原則的に容認した世論迎合の偏った男女共同
参画社会を推進するものであり、保育所と言った家畜小屋の増設に無条件的に賛成しているのもい
ただけない。肝心の健全な家庭観が、単純な軍国主義的な国家観ほどには全く感じられないものだ。
目下、副総理候補として名前が挙げられているが、国家破産を前にして一体何が出来ると言うのだろ
うか。
それでも、現状の腐敗しきった現状を破壊してくれる分には大いに効果あるかも知れない。しかしな
現下の諸問題と展望:118
がら、下手に破壊しただけでは、新たに再生すると言ったことよりも、惨憺たる廃墟に陥っていく危険
性も出てきたようだ。外資系による草刈り場になりつつある事態に対しては、何ら改革への展望もなく、
単に解体し破壊するだけでは危険でもあると言えよう。
正に神仕組みにより、即ち、人気取りや売名、虚栄に満ちたいかがわしい後継者が出てこないよう
に、神が仕組んで小泉総理を守護しているような感じさえ受ける想いだ。様々な後継者が取りざたさ
れているが、肝心の経済問題を一つ取っても、最早、誰にも何ら解決は出来ないのは明白であろう。
かくなる上は、一挙に、幕末の勤王の志士のように、身分や階級を越えてひょんな所からひょんな人
物がひょんな形で登場して来るしかないものと思われる。それまでの時間稼ぎの意味で、真の神仏が
小泉総理に政権を担当させているとしか思えない。
今や、改革の実現性や方向性にも多くの国民の間に失望感が漂いだしたようだが、彼に続く改革派
の後継者がいないというだけの理由で、小泉総理が改革を強力に実行する意志や情熱を保有し継続
する限り、小泉総理に神仏の御加護があるものと言えよう。いずれにしても、小泉氏ほどの改革への
情熱を有した政治家がいないのも事実である。
もっとも、小泉総理を真の神仏が守護すると言っても、何も彼の政策の中身を支持するものではな
いだろう。ただ、日本の国家の将来に関して、より危険な後継者の登場を阻止する意味での、単にだ
らだらと政策を担当させていると言ったものであろうと思われる。米軍への全面的従属化の有事法制
や国民生活圧殺の個人情報保護法案が流れたのも、その間違った政策に対して、真の神仏が介在
して葬ったものと言えよう。何も彼の政策を実現するための守護ではないと言えよう。
郵政民営化にしても、通信の秘密を外国企業に明け渡す危険もあり、また、国民の財産である郵便
貯金を外資に売り渡す危険があると言えよう。単なる経済原理に従った民営化が活性化に繋がると
言えるような単純なものではない。そうした背景を考えると、案外郵政民営化は、小泉総理の発案と
言うよりは、外国政府からの圧力乃至要請であるような感じがしないでもない。そうなれば実に売国
奴的な政策に成り下がっていく危険性もあると言えよう。
さて、ここに来て、加藤紘一氏、辻本清美氏、鈴木宗男氏、田中真紀子氏などのまるでジェットコー
スター式急降下の境遇の大変化を見るに付け、何か不思議な見えざる神の波動を痛感せざるを得な
い。彼等の失脚に関しては、一部で噂されているように、親中国派と親ロシア派の一掃のために、ア
メリカが仕組んだ結果でると言ったような単純なアメリカの陰謀とかでは全てを理解することは不可能
であろう。当方も、ある程度のアメリカからの想念波動が伝わって来ていることは想定できるが、また
歴史的にも陰謀一般は否定しないが、このような程度の人物の失脚に至るまで、全てを外国勢力の
陰謀にしてしまうのでは余りにもお粗末な見解であろう。
彼等の失脚は、正に単に「なんでやねん」の世界である。敢えて言えば、闇の陰謀勢力から発散さ
れたカバラの呪法による呪いを受けていったものであろう。そして一方で、真の神仏の波動を受けて
いったものであり、単なるパフォーマンス、売名、利欲行為、私利私欲から出た行為が馬脚を現して
行ったと言うことであろう。今後とも、益々、こうした混乱や暴露や失脚が演出されていくことであろう。
外務省始め既存の組織や次第にヒビが入ってくることであろう。一枚岩と言われた多くの官庁や企業、
政党などの既存システムや既存組織に亀裂が入っていくことであろう。差詰め、来年当たりにも一枚
岩の強固な某政党組織にも亀裂が入っていくことであろう。次第に真の神仏の波動が充満し蔓延し
浸透し始めていっているようだ。
実に、何事も無ければ、だらだらと小泉政権が継続し長期化していく気配が出てきたのは、国民に
飽き飽きムード、ダラダラムードの倦怠感を起こさせて、一気に最早誰でも良いという気持ちに高めて
いき、改革に突き進んでいくことを神が仕組んだようだ。改革を唱える小泉氏ですら出来ないし、まし
てや改革を主張しない者では尚更だ。その上、野党は結束力もなく、指導者すら出てこない状況であ
り、例え出てきてもこの段階に至っては、最早手遅れであり、経済改革も殆ど不可能であろう。
現下の諸問題と展望:119
後でも指摘するように、小泉氏の後は、一挙に戦国時代の群雄割拠に突入し、身分、経歴、財産、
学歴など、一切関係しない状況が生まれてくることであろう。その時こそ、真の従来の発想を超えた救
世主の登場となるであろう。そしてそれは、先に指摘したように、身分や階級を越えて、「ひょんな所か
らひょんな人物がひょんな形で」登場して来るであろうと期待される。恐らくその時期は国家社会の窮
状が窮まってきた時で、2005,6年頃から5年間ほどの地獄の苦しみを経験して行く中で実現してい
くことと思われる。
追記4: 小泉訪朝は暴走で墓穴を掘るか(2002年8月31日)
小泉氏の北朝鮮訪問(訪朝)が来月の9月17日に急遽、青天の霹靂のように決定したそうだ。これ
は北の金成日総書記からの誘いないし呼び掛けに応じて、外務省の某局長が個人的に水面下で画
策し小泉氏に吹き込んだものだ。政府の公式見解と異なり、米国に事前に相談することなく、また承
諾もなく、全くの事後報告であったようだし、米軍による北攻撃が目前に急迫してきた危険を察知した
北側からの誘いであったようだ。なお、韓国には事後報告をし、中国には即座には事後報告もしてい
ないようだったらしい。
日朝の首脳会談を前にしても、北側は日本人の拉致問題にしても何らこれまでの頑固・固陋の態度
を変化させてはいなく、従来通りの日本の戦争責任に対する謝罪と、損害賠償請求の頑なな姿勢を
貫いている次第だ。即ち、拉致事件にしても、何ら金日成総書記自ら認めていないし、拉致被害者の
捜査にも好意的で前向きな返答を提示していない有様だ。
日本側の小泉総理を始め、官邸の一部の政治家や一部の外務官僚の間には、拉致事件の国民的
な盛り上がりに対して、焦りや功名心があったのではないか、そして当の小泉総理にも、政権浮揚に
向けた人気取りの焦りがあったのではないかと思われる。事実、何ら勝算・成算がないままの日帰り
訪朝になることを総理自らが示唆しているようで、訪朝する前から仕切りと成果を期待する国民の声
を牽制している有様だ。正に、出たとこ勝負で行ってみなければ解らないと言っている有様だ。一発
大勝負に賭けた危険な賭であるのは確かだ。折角出掛けて行って、歴史的会見を行う以上、「金成日
総書記に会って感動した」だけのコメントでは笑い話にもならないし、何よりも多くの国民が納得しない
であろうと懸念されるものだ。
ロシア外交で功名心に焦って失敗し、相手側にその心の隙を突かれて付け込まれ、人道的援助に
名を借りて、莫大な資金だけむしり取られていったロシア外交の専門家を自称する鈴木宗男氏の問
題と同様な結果になるものと懸念される。当該外務官僚は、米国スクールで経済畑の京大出身のエ
リート官僚であるようだが、またその配下の某課長も京大出身と言うが、北京などで北朝鮮側と個人
的に接触し、交渉を重ねていたようだ。外務大臣や外務次官などの外務省幹部も知らなかったようだ。
官邸でも総理と官房長官などの二、三人の極めて少数しか察知していなかったようだ。その某局長個
人が最終的に官邸に吹き込んで小泉総理が自ら急遽決断したようだ。
目下、国際情勢は風雲急を告げる事態であり、2,3年じっと待っているべきであった。国際情勢を
何ら知覚しない、また理解し把握出来ない一外務官僚の個人プレーに乗せられたとしか思えない。外
交不得手の小泉氏に取り、まんまと北側からの誘いに引っ掛かったと言わざるを得ないものを痛感す
る。北側としては米軍の攻撃を前にしてどうしても回避したい意図が明白であったのだ。尤も、当の外
務官僚にしても、外務省の地盤沈下を挽回し、自分自身の売名や名誉欲も絡み、またそうでなくても、
北側と共に、体を張って米軍による北朝鮮攻撃を阻止する狙いもあったかも知れないが、米国に事前
に交渉し承諾を得ない以上、これは極めて危険な賭であり、米国の逆鱗に触れる意味で、亡国に至
る危険もあると言えよう。
今後、米国がどう出るかが問題だが、恐らく、北朝鮮攻撃を本格的に検討している米国にしたら、表
面的な好意ある期待感を寄せた外交儀礼上の対応と相違して、心の奥底は出しゃばった行動に対し
現下の諸問題と展望:120
て不快感、怒りに満ちているものと推察され、これが最大の懸念材料だ。政府当局は仕切りと米国と
事前折衝があったように示唆しているが、当方の観測では何ら事前承諾はなく、事後報告であり、全
くの日本側の独走で暴走であったようだ。従って、訪朝の前に訪米計画を急遽、決定したようだ。
目下、昨年末に日本近海で沈没した北の不審船の今回の引き上げに伴い、北朝鮮側に焦りがあり、
害虫発生の農業不振やインフレ前兆の経済的困窮もあり、正に国家破綻であり、むしろ北側に不利
な材料ばかりである。それに、米国からイラクやイランと並んで悪の枢軸国と名指しされて、米国のイ
ラク攻撃と併行して北朝鮮攻撃も本格化しそうな勢いである。米国の意図は明らかに北朝鮮の現政
権の崩壊であり、その後の民主的な政権の樹立である。それを現政権を延命させる行為に出たこと
にもなるであろうと言うことだ。
実に、前に米国の北朝鮮攻撃が具体化した98,99年の際に、事前に情報をキャッチして米国の北
攻撃を回避させた南北両朝鮮首脳による歴史的会談のように、即ち、急遽、2000年6月に南北朝鮮
首脳が歴史的会談を実施し、米国の北朝鮮攻撃を阻止し回避した時と同様な狙いや意図を感じるも
のであり、状況にしても極めて酷似するもので、北側からの巧妙で狡猾な工作の結果であると言えよ
う。
この小泉総理の急激な北訪問に関して、米国のイラク攻撃を側面支援して北側の暴走を食い止め
る日本側の好意的な積極外交だとして賞賛する評論家もいるが、少し、持ち上げ過ぎた見解であろう。
むしろ、米国にしてみれば、米国の北朝鮮攻撃を邪魔し阻止し回避させるものと映るであろう。実に、
米国の逆鱗に触れなければと期待するものだ。米国の心境は、極めて間接的に吐露される傾向もあ
ることは、ロッキード事件でも証明済みだ。米国の意図を察知されないような巧妙な仕掛けだ。それに
しても、日本側に有利な国際環境が展開し始めた兆候も全くないし、事実は全く逆の状況である。北
側に不利な材料ばかりであり、従来通りのお人好しの国際感覚が欠如した謝罪外交、土下座外交、
屈辱外交の延長でしかない。
当の北朝鮮は、日本に対して戦争中の謝罪や損害賠償を執拗に主張している状況は何ら変化して
いないし、そればかりか強硬姿勢は以前にも増して強まっているのである。また、不審船事件でも不
利なのは北側である。日本は交渉上、有利な立場に立てるものだが、不審船引き上げを前にして、折
角の好カードを捨て去ってまでノコノコと出て行って、莫大な資金を要求される危険性があると言えよ
う。一官僚の名誉欲と小泉氏の人気取り政策が合致したもので、危険な賭けに他ならないものであろ
う。
もし、ここで、北側に妥協して戦争犯罪を認めて侵略行為に対して土下座し、莫大な損害賠償を受
け入れれば、今度は中国が同様に要求してくることであろうし、また、膨大なODA経済援助をその戦
争の損害賠償と交換条件として返済無用とした強硬姿勢に出て来ることさえ予想される。何も北側だ
けの問題ではなく、中国や韓国にも波及する懸念があることが理解できないのであろうか。中国を刺
激し、一旦、放棄した日本からの戦争賠償責任を、中国側から再度持ち出してくる可能性も出てきて、
日本は追い詰められていくことも充分危惧されるものだ。何よりも、日本は北側とは戦争状態には無
かったものだし、戦争における謝罪とか賠償責任は無いはずだ。
せめて、戦争に対する損害賠償を回避して、経済援助にして謝罪と賠償を回避することを陰ながら
祈念するものだが、日帰りの慌ただしい交渉では、思い切った気迫ある政治生命を賭けた決断と実
行は期待できないであろう。最初に謝罪と賠償が既定路線としてあり、後は金銭の額だけと言ったも
のであろうかと懸念される。ここらで過去の大東亜戦争に対する日本の侵略行為と言った偏見と誤解
に終止符を打つ時期にも来たようだ。
早ければ2003年頃、遅くとも2005,6年頃の米国政府の崩壊と並んで、2005,6年頃から200
8,9年に掛けて、東京裁判史観に対して、全面的な見直しが始まる兆候さえ出てきた次第だが、こう
した国際環境の激変の展望が外務官僚を始め小泉氏にも見えて来ないようだ。当方が、訪朝を2,3
現下の諸問題と展望:121
年待てばと言ったのもそう言う国際環境の大変動を予想するからだ。
さて、1972年に当時の田中角栄総理が国交回復に向けて訪中した際に、中国側との大激論の末
に、中国もかつて元寇の役で日本を侵略し、対馬の住民を虐殺したではないかと言って、先の戦争に
対する損害賠償を放棄させたほどの迫力ある交渉が展開された。田中氏の歴史的訪中も、米国の覇
権に対抗する狙いもあったようで、日中共同声明に、外国の覇権を認めないと謳い挙げて、条約に覇
権条項を入れたことでも理解できるものであるが、明らかに米国に対抗し反旗を翻したものだ。その
結果がロッキード事件を仕掛けられていったと言えよう。それほどの大きな世界戦略的な狙いがあっ
たものだ。
正に、政権の運命を賭けて背水の陣を敷いた気迫ある角栄氏のように、小泉氏には狡猾な北側と
大議論を展開し政治生命を賭けた気迫ある交渉をする行動力や意気込みがあるだろうか。行ってみ
なければ解らないと言った単なる北側の感触を掴むだけの、ドタバタの日帰りの思い付きににも等し
い訪朝では、とても歴史的打開に向けた情熱に乏しいものを痛感せざるを得ない。むしろ北側の方に、
米軍の攻撃を回避させる時間稼ぎのために小泉総理を利用する意図があるように勘ぐられる思いだ。
米国が小泉氏をどう判断するかが心配だ。
なお、大東亜戦争中の損害賠償を言うのだったら、戦時中に日本が北側に提供した道路、ダム、学
校、建物などのハード面を始め、教育や土地制度の改革などの近代化に伴って投資したものを、現
在の金銭に換算して総清算して行くべきであろう。すなわち、日本からもしっかりと戦時中に北に残し
てきた財産の請求権を行使することだ。尤も、戦後は旧ソ連が殆ど解体撤去して持ち帰ったようだ。
それに、何も、日本が満州や朝鮮に対して行った行為は、英国やフランス、オランダの植民地支配の
ように、一方的に収奪ばかりをし、人民を苦しめた過酷な帝国主義的な植民地支配でもない。もしも
日本が満州や朝鮮に進出しなければ、それらの地域は旧ソ連の領土になっていた歴史的状況を再
認識すべきであろう。
日本の占領と言った形式ばかりに囚われて帝国主義的侵略行為であるという歴史観に全面的に終
止符を打つ必要があるのに、こうした誤った歴史の総決算をする外交力は期待できないだろう。中国
や韓国北朝鮮は、列強の帝国主義的侵略に関しては、実に巧妙に忘却し、回避し、すり替えているも
のだ。こうした邪悪な想念を一掃していく時期に来たようだが、小泉氏を始め殆どの政治家や官僚に
は期待できないであろう。今後、益々弱みを握られて日本は追い詰められていくことであろう。
目下、総理公邸の改築で、2年後に戻ってくるかどうかだが、今回の訪朝が無ければ、改革を志向
する情熱を持った後継者不在により、再度、総理公邸に戻ってくる可能性が大であったが、相手方の
態度に何ら変化無く、また、国際情勢が風雲急を告げる状況下で、出たとこ勝負の危険な賭の訪朝
を実行することにより、その成果次第によっては、政権の行方に暗雲が漂い始めたようだ。反政府運
動、倒閣運動に火が付き始める傾向が強まって来たようだ。
それに、先に示唆したように、米国当たりからも、米国の北朝鮮政策に水を差すものとして、引きず
り降ろされる懸念が出てきたようだ。小泉氏が外交が理解できないと言う事態がこういう形で出て来る
とは予想出来たこととは言え、一外務官僚の誤った国際情勢の認識の下に、危険な暴走に乗せられ
たとは意外であった。正に北朝鮮訪問(訪朝)は、今後の国際情勢を無視した焦り過ぎであり、独走を
通り越して、最早、暴走(オーバーラン)にも近いものと言えるであろう。先に、案外、小泉政権は長期
政権になるかもと予想したばかりだが、これにより、再度、大きく修正して行かざるを得なくなってきた。
即ち、訪朝を契機として小泉氏は失脚という墓穴を掘ることになっていく懸念が出てきたようだ。願わ
くば、経済支援という形でお茶を濁すことを期待するものだ。
ところで、某夕刊紙は、「小泉危険な賭け」と題して、「国交正常化の最大の障害の拉致問題で具体
的進度が見られないのも事実である」と指摘している。また、北朝鮮側は「拉致という言葉も存在しな
い」と言う立場を変えてはいないほか、日本には「植民地時代の清算」を最大の課題として指摘し、謝
現下の諸問題と展望:122
罪と補償を要求している始末であるとしている。これは金総書記自らの言葉であるようだ。
「日本側は、ミサイル発射実験の凍結や日本近海で起きている北朝鮮工作船による不法活動や麻
薬密輸問題についても対応を求めているが、北朝鮮側が前向きな対応をするとは考えにくい。」と言う
見解も紹介している。「平成7年から12年にかけて北朝鮮に約120トンのコメ支援を行ったが、結局
は拉致疑惑で何の成果も得られずに、北朝鮮側の食い逃げを許してきた。北朝鮮の食糧問題は深
刻さを極めているだけに、甘い言葉でまた食料だけを得ようという考えでは」と言う慎重論も根強いと
言う。
「拉致問題は外務省局長級協議だけでなく、過去11回にわたった正常化交渉でも具体的進度がな
いまま終了している。拉致被害者の解放を望む声が高まるなか、小泉首相が北朝鮮問題に積極的に
乗り出したのは、史上初の首脳会談を政権浮揚の強力な材料にしようとの思惑がある。」との見解も
指摘されている。当方の予想する懸念材料は、多くの評論家やマスコミも有しているものだ。
なお、「首相は6月のカナナスキ・サミット(主要国首脳会議)の場で拉致問題について敢えて言及、
各国に理解を求めた。日朝間の外務省局長級協議などについても、外交当局から逐一詳細な説明を
受けるなど、首相が日朝関係打開のタイミングを慎重に探ってきた節がある。9月下旬の内閣改造や
秋の臨時国会など、今後、政権にとって大きなヤマ場を迎えようとしているが、首相としては外交面で
の指導力発揮をアピールし支持率回復に繋げたいとしているようだ。」との見方もあるが、深く熟考し
た結果と言うよりも、単なる思い付きを出ない短絡的思考の延長であるものと思われる。
ただ、首脳会議で拉致問題が何処まで実質的に進展するかは不透明で、「単なる思い付きで行った
靖国参拝問題と同様に、首相は大きなしっぺ返しを食らう可能性も強い」(自民党幹部)と言う厳しい
声も紹介している。多くの一般的な大手マスコミの歓迎的なムードを煽る論調と異なって、こうした慎
重で厳しい見方が案外真実を突いているものと言えよう。しかし、誰も指摘していない小泉総理の真
の訪朝の意図は、アーミテージ国務副長官の8月27,28日の訪日により示唆された米軍による北朝
鮮攻撃に対する先手を打った干渉であり阻止であり回避であると言えよう。
他にも、某政治評論家の弁では、「やや政権が持ち直したものの、低迷する内閣支持率を挽回し、9
月末と見られる内閣改造・党役員人事の浮揚力にしたいのだろうが、極めて危険な賭けと言えそう」と
して、政局の流動化を示唆して政権も命運を決する事態の招来も有り得る厳しい解説をしているよう
だ。
また、某教授は、「拉致問題と国交正常化の包括的解決に向けた第一歩が動き出すということだ。
背景には米国がイラク攻撃を検討していることの北朝鮮への圧力、北朝鮮の経済状況、」年末の韓
国大統領の選がある。このタイミングを逃したらということで、両首脳が政治的決断をしたのだろう。日
本は事前に米国に根回しをしているはずで、国際情勢への影響も大きい。」と分析する。
「歓迎行事はやりたくないと言って日帰りでは、田中角栄氏のような大喧嘩、ないし大議論は期待で
きない。国際的には首脳会談の前の予備会談や特使派遣という方法が一般的だが、小泉総理の強
い意向だったらしい。」との分析もあり、周辺に相談した形跡はなく、全く小泉氏の単独行為であった
ようだ。
なお、「ブッシュ政権の意向が強く働いていると見られる。ズバリ、米国のイラク攻撃の側面支援で
ある。ブッシュ報告書を携えてきた27,28日のアーミテージ国務副長官の来日も北朝鮮と無関係で
はない。アーミテージの来日は、イラク攻撃に対する日本の支援要請であったようだ。その際に北朝
鮮攻撃も話題に出た可能性がある。それで先手を打ったというのが真相であろう。」との指摘もあるが、
北朝鮮訪問が米国からの指示であることは全くないであろう。
先日、訪日した米国国務副長官のアーミテージ氏に、小泉総理が面会していたことが暴露されてお
り、某評論家からは、北訪問は米国からの指示であったことが示唆されているが、これは、アーミテー
ジ訪日は、米国のイラク攻撃に対する日本側の協力要請であった可能性が大で、北訪問の要請など
現下の諸問題と展望:123
は全くなかったものと言えよう。敢えて勘ぐれば、98,99年当時と同様に、北朝鮮攻撃も有り得ること
を示唆されて、逆に米国の狙いを回避するべく、急遽、訪朝を思い立った可能性が高いものと思われ
る。
それに、「米国に事前に報告した」という官房長官談話はおかしいし、真実は「事後報告」であったよ
うだ。官房長官が言う「事前報告」では、米国の承諾があったと言うことか。報告では、承諾や交渉を
伴わない一方的な単なる通知と同じであり、事前でも事後でもどちらでも良く、全く結果的には同じも
ので、相手方の思惑には全く関係ないと言うことでもある。何を基準にした事前、事後の報告である
のか。米国へは単なる「事後報告」であったのが真相であるようだ。
なお、北朝鮮の経済は破綻同然で、韓国銀行の推計によると、2001年の国民総生産(GNP)は1
57億ドルで、89年の4分の3にまで縮小した。危機状態を打破するため、今年7月、食料配給制の
縮小と賃金の引き上げ、通貨ウォンの切り下げを柱とする経済改革に乗り出したが、悠長に構えてい
られない切羽詰まった事情があるようだ。
1965年の日韓国交正常化では、総額8億ドル払った。現在の貨幣価値に換算すると実に200億
ドル(2兆4000億円)もの金額に相当する。今回もそれだけでは済まないようだ。200億ドルプラス
アルファで5兆円で妥結かと言う予想もあるようだ。
事前に北側と会談内容をすり合わせているとは思えないし、これから詰め合わせると言ったもので、
些か急転直下に決まった粗雑さの印象は否めないものであり、正に行ってみなければ解らないと言う
出たとこ勝負の思い付きの危険な賭であることは確かだ。確実に成果を持ち帰る保証は全く無いよう
だ。北朝鮮側から「拉致問題なんて存在しない」と強弁されればそれで終わりだ。「出たとこ勝負」の危
険な賭けに終始する議論は噛み合わず、成果ゼロの可能性もあるようだ。
何れにしても、訪朝に際して、もし小泉総理が功を焦って暴走することになれば、政局がこれにより
一挙に流動化していく可能性が出てきたようだし、米国の北朝鮮攻撃を前にして、米国が日本側の暴
走、出しゃばり、横やり、邪魔をどう判断するのか予断を許さなくなってきたようだ。実に、猛スピード
による歴史の展開が始まったようだ。下手に妥協したり、何も成果も生まずに国民の不満が高まれば、
小泉訪朝は失敗に終わる可能性が高いようだ。
過度の期待や実績を追い掛けて無茶せずに、経済協力方式で国交正常化の糸口を付けて打開し
て無難に終始すれば、何事もなく危機を回避し、長期政権化して行くことであろう。それに、今回の民
主党党首選の行方によっては民主党消滅乃至大崩壊の兆候も出てきたからだ。これは総選挙でも自
民党の大勝をもたらし、小泉政権には追い風となっていくことであろう。
追加4-1: 小泉訪朝も某勢力が仕掛けたもの(2002年9月19日)
日朝首脳会談の背景(2002年10月12日)に関しては17項追記2
17項追記2を参照
日朝首脳会談の背景(2002年10月12日)に関しては17項追記2を参照
小泉訪朝の急遽決定した背景がなかなか解らなかったが、会談に至るまでの総理の行動やその前
の北側の行動を見ると、そして歴史的と謳われた会談が終わってみると、次第に、見えざる某勢力の
存在が浮かび上がってくるようだ。そして、知らずの内に、日本国民も従来の形骸化しつつあった国
家意識像を変革させて、自虐的な国家観、国家意識が次第に根底から改革されるように真の神仏に
よって仕組まれていくような想いがする。この国民意識の静かなる改革は、2001年末の不審船事件
や、2002年に入ってから中国瀋陽事件などの一連の事件を通じて、次第に広く進展してきているも
のだ。
ところで、北側は従来否定していた拉致事実を認めたものの、金総書記は自らの責任を回避して知
らぬこととし、一部の跳ね返りの責任にして行ったようだ。それに拉致疑惑には何ら触れないままで、
小泉総理が安倍官房副長官の制止を振り切って共同宣言の国交回復調印文書に合意し署名したの
は思慮不足であったと言えよう。何も交渉決裂にするべきと言っているのではなく、一旦、席を立って
現下の諸問題と展望:124
しっかりと拉致事実と謝罪を口頭ではなく、文書にきちんと残すまでは署名すべきではなく、その場で
書き直させるように交渉をするべきであったであろう。
相手の手の内を充分に吟味すべき余裕が無かったと言うべきか、功を焦り過ぎたというか、最初か
ら共同宣言ありき、国交回復ありきの規定路線であったのではないかと思われる。そうした姿勢が思
慮深さを欠いて、署名か否かの二者択一の選択に硬直化していったものと懸念される。
なお、今回の歴史的会談は、北側が小泉氏に訪朝を持ちかけて実現したものであるが、その北の
金総書記に吹き込んだのが、これより少し前に訪ロして北朝鮮国境付近で会談したロシアのプーチン
大統領であったようだ。そのプーチン大統領に指令を与えたものは、世界統一政府樹立を目指す某
勢力の奥の院であったようだ。即ち、欧州に本拠をおく世界支配権力から出た指令であったものと思
われる。
また、小泉総理は米国の事前了解を取ったかのように伝えられているが、それは全くなかったと言
えよう。米国の頭越しの訪朝であったと言える。また世界支配権力は日本側には何も働きかけてはい
ないようだ。日本が米国に従属しており、事前に日朝首脳会談の歴史的情報を米国に通報し破談に
なることを警戒したものであろう。
その後、小泉総理が9月11日の9.11テロ事件追悼式に訪米した際に、米国外交問題評議会で講
演している事実を見て、闇の世界権力の日本側への差し金とする者もいるが、それは的外れであろう
と思われる。外交問題評議会は欧州系ではなくロックフェラー系であるから、むしろ、小泉総理は外交
問題評議会で講演して、訪朝の事実を事後報告をしたつもりであったものと思われる。外交問題評議
会こそが米国側の某勢力の根城と言えるからだ。従って、米国政府自身も日朝会談の計画を事前に
知らなかったし、小泉総理も米国の事前承諾を得ないで、強気で独走したようだ。
なお、欧州に本拠を置く某勢力が、こうした歴史的事件を画策した背景ないし意図は、世界の火薬
庫としての危険地帯から危機を回避し除去することであり、北の崩壊を食い止めて、日本から経済復
興資金を巻き上げることであったものと思われる。それはそれなりに評価できるものだ。某陰謀勢力
と言っても、何も邪悪な想念でもって破壊工作ばかりしているものでもない。自分達にとって何がベス
トであるかの視点に立って、歴史的解決に動き出したと言うことであろう。何やら某勢力にも、次第に
邪悪な想念が衰滅して意識の変化が現れてきているように思われる。
しかし、日本から膨大な資金を引き出して北の経済破綻を救済していくシナリオも、拉致問題の解
決の結果次第では、某勢力にとっても、北の金正日総書記にとっても、そして小泉総理にとっても大
きな誤算となっていく可能性も出てきた。即ち、日本人拉致問題に対する国民全体の心理を読み切れ
ず、正直に全てを明らかにした結果が大きな誤算に終わり、国交回復はすんなりとは進展しないとい
うことだ。
ところで、今回の小泉総理の訪朝も、アメリカの頭越しに実行できたのも、某勢力からの強い指令が
あったものと思われるが、それ以上に、アメリカの弱体化、衰退が見られると言うことであろう。矢張り、
ここは北側の経済崩壊や米国の北攻撃に伴う大混乱を招来させていくよりは、金総書記を救済して、
経済支援して破局による大混乱を回避していった方が日本を始め、周辺諸国にとっても賢明であり、
その意味では小泉総理の決断は、多少の不満は残るものの、大筋においては正解であり、正に勇断
であったとも言えるものだ。しかし、北への厳しい態度を軟化させない米国との対応如何によっては、
墓穴を掘って、政権を転覆させられるであろうと懸念される。
後は吾々国民が如何に過去の恩讐を乗り越えて、歴史の総決算が出来るかであるが、拉致問題は、
正に日本国家の主権が関係しており、国民感情上、簡単には解決には至らないであろうと思われる。
単なる経済的視点での解決を優先させたことが大きな誤算になっていく公算も強まってきそうだ。日
韓や日中の国交回復と大きく相違して、今回の日朝国交回復は容易には進展して行かないように思
われる。
現下の諸問題と展望:125
なお、今回の拉致事件に対する正直なほどの拉致犠牲者の情報公開は、金総書記の心境の大転
換を感じるものだ。幾らでも死亡日などのデータは捏造や改竄が出来たにも拘わらず、どうしてここま
で妥協したかは大きな疑問である。恐らく、軍部や共産党との軋轢、クーデターの勃発を回避せざる
を得ないほどの捨て身の戦法に打って出たと見た方が良いだろう。下手すれば、金総書記は軍部に
より暗殺される危険性も高まってきたようだ。
ところで、金総書記を始め、某勢力の意識に知らずの内に指令を与えて囁き、心境の変化を招来さ
せた存在こそ、宙天に鎮座される真の神仏による神仕組みであろうと思われる。彼等が信奉するルシ
ファーなる大魔神に代わって、背後から真の神仏がルシファーに代わってこっそりと指令を与えていっ
たものであろう。既に数千年来、彼等がお伺いを立てているルシファーなる大魔王は、この地上界か
ら姿を消していったように思われ、某勢力の次第に邪悪な想念が一掃され、意識変革が促進されて
いくことであろう。
なお、余談だが、田中真紀子前外務大臣を追い落とした外務省の某事務次官も、解任後は英国公
使に格下げされた形を取りながらも、何と、某勢力の牙城とも言える英国の某国際問題研究所に研
究員として就職して行ったのには、やっぱりと背景が解ってきた次第だ。田中真紀子失脚の背景には、
矢張り、日本と中国の接近を排除する意図を有した某勢力の力が働いていたということだ。それに彼
女の精神錯乱現象も、闇の勢力からの呪法による呪いを受けていったものであろう。
吾々にもエシュロンなどを通じて呪いを掛けられているはずであるが、吾々の崇高な行動実践を守
護する真の神仏の波動によって、逆に彼等に自らの邪悪な想念波動が跳ね返されていくことであろう。
これらが積もり積もって、次第に彼等の陰謀も破綻していくものだ。2005年には世界統一政府の樹
立を目論んでいるようであるが、そしてその為に、2003年頃にも世界経済破綻を仕掛けていき、大
混乱の演出と共に、救世主的に世界を統一して行く計画のようだ。しかし、彼等の天下は40ヶ月で終
了するだろう。即ち、3年ほどであり、2007,8年頃には某勢力による世界制覇は破綻するものと思
われる。これらは全て聖書に預言されてもいるようだ。
ところで、今回の拉致問題の北側の謝罪により、これまで拉致自体を否定してきた朝鮮総連や社民
党内部は混乱して分裂し始めたようだ。社民党の消滅が始まったようだ。民主党の分裂も含めて、日
本国家の破産や米国崩壊に至るまで、実に、当方が、2002年7月10日以降、歴史のスピードが従
来の100倍にも達するほどの勢いで進展し始めたと指摘する所以であろう。その100倍の速度も
益々加速度的に増していくことであろう。
追記5: 民主党の大分裂化(2002年9月12日)
今回の民主党の党首選を契機にして、一応、若手からの立候補者は、前原誠司氏と野田佳彦氏と
の間で調整がついて、松下政経塾の先輩でもあり、推薦人の数を若干多く上回った野田氏に一本化
できたようだ。対抗するのは現党首の鳩山由起夫氏と幹事長の管直人氏であり、外の横路孝弘氏を
加えて、これら四者の一騎打ちとなるであろう。一体誰が選ばれるか予断を許さないが、当方の観測
では、第一戦は管氏はトップにはならないかも知れないが、第二戦で辛うじて逆転トップになる可能性
もあるのではないだろうか。それは、現状を代えたいという若手からの期待・願望が、少なくとも現在
の党首交代を選択するからだ。また、鳩山氏が三選されれば、一体何のための党首選だったのかと
疑問が残っていくことであろう。
何れにしてもこの党首選を通して、民主党は左派から右派まで大分裂を起こすであろう。そして右派
は自民党に合流していくことになって政界再編成に拍車を掛けるであろう。後は党首選を実施して結
果を見なければ何とも言えない。世代間の対立は如何とも修復不可能であろう。また、鳩山氏と管氏
の間も、表面上の融和した関係を通り越して深刻な亀裂や対立感情が残っていくことであろうと思わ
れる。管氏は鳩山氏を厚遇できても、鳩山氏は逆に管氏を厚遇どころか、協力できないところまで精
現下の諸問題と展望:126
神的に追い詰められて行かざるを得ないであろう。
民主党の国会議員の殆どが、靖国神社問題を軽々しく考えて中国に迎合しているのはいただけな
い。矢張り、これも若いと言うだけの浅薄な考えから来ているものであろう。死霊魂の慰謝と供養を蔑
ろにしたり、中国や韓国に媚びを売ったりする政治姿勢からの脱却を目指していくべきなのに、全く、
友愛とか、友好などの偽善めいた感覚では熾烈な国際競争社会を乗り切っていくことは不可能であろ
う。政治の厳しい環境を理解できていないものと懸念される。矢張り、しっかりとした国家の概念の把
握が出来ていないと言うことであろうか。
目下、1000円払えば誰でも投票に参加出来るサポーター制も、参加費用を立て替える無断登録も
横行している有様だ。自民党筋から可成り手を突っ込んでかき混ぜられて、大混乱に陥っているよう
だ。自民党の意向では鳩山氏の方が与しやすいことは確かだ。某評論家の分析では、現時点では、
鳩山氏が一歩リード、管、野田がこれを追う展開という。そして、「国会議員の票は鳩山60、野田40、
管35、横路30でぽぼ固まりつつある。問題はサポーター票で、最新情報では鳩山氏12万、野田氏
10万、管氏、横路氏が各6万票。終盤まで大きな変化がなければ鳩山優位は動かないだろう。」と予
想しているようだ。
当方は、肝心のサポーター票の行方により、管氏が票を伸ばして辛うじて勝利か、鳩山氏に可成り
肉薄するものと予想するが、自民党筋からも介入してきていると噂される別のサポーター票により、ま
た管氏を嫌う若手グループの反乱が何処まで鳩山氏に流れるか、結果が楽しみだ。案外、小泉氏の
当選の時と同様な想いも掛けない現象が現れる可能性もあるのではなかろうか。一方、鳩山氏、管
氏の何れがなっても若手が果たしてこのまま付いて行けるかどうかであろう。何れにしても次第に民
主党は大分裂し、消滅の憂き目にあっていくものと思われる。実に、加藤紘一氏、鈴木宗男氏、田中
真紀子氏、辻本清美氏の失脚と同じ現象であろう。全ては神仕組みによる一掃、淘汰、廃絶が始まっ
たと言えよう。
なお、民主党の大分裂、大崩壊によって、その後の年内にも想定されている総選挙では、自民党の
圧勝に終わるであろう。それでも自民党内の抵抗勢力を一掃できずに改革は容易には進展して行か
ないでないであろうと思われる。ただ懸案となっている個人情報保護法とか有事立法は、国会で自民
党が多数を占めることによって成立していくことであろう。それにしても野党は次第に衰退していく傾
向が一段と強まってきたようだ。
なお、個人情報保護法や有事立法の成立に関する影響、功罪などは、極めて危険な賭ではあるが、
当初の危惧に反して、世界統一政府の陰謀計画の破綻、米国連邦政府の崩壊の兆し共に次第にそ
第3
の神仕組みによる大勝負、即ち、見えざる神が仕掛けるプラス面が見えてきた。これに関しては、第3
章31、
32項で述べることにしよう。
章31
、32項
追記5-1: 民主党の党首選が終わって見れば(2002年9月25日)
民主党の党首選が終わって見れば(2002年9月25日)
なお、23日に実施された民主党の党首選では、第一線では鳩山氏が管氏を破って一番で、第二戦
では鳩山氏と管氏の決戦投票になり、鳩山氏が僅差で管氏を破って三選された。国会議員の投票で
は管氏が僅差で優位に立ったが、サポーター票による鳩山氏が逆転したものだ。何かありふれた結
果になって、これでは政権交代どころか民主党の内部的混乱に拍車を掛けていくことであろう。サポ
ーター票は案外、自民党当たりの外部から介入されて、与しやすい鳩山氏優位に誘導された可能性
もあると言えよう。予想していた通り、矢張り実質的には管氏の勝利だったが、サポーター票により鳩
山氏が逆転したようだ。恐らく、大量のサポーター票は、与しやすい鳩山氏を当選させるための自民
党筋からの差し金であろうと思われる。
これで、鳩山氏の管氏を、また若手を如何に処遇するかによって、民主党分裂の懸念も出てきたよ
うだ。逆に言えば、管氏では党が分裂していく恐れがあったからこそ、無難な鳩山氏を選出したとも言
現下の諸問題と展望:127
えよう。幹事長に三選に功績のあった元民社党系の中野氏を任命し、若手の大反発を招き、野田氏
も執行部入りを拒否しているようだし、管氏も執行部に参加しないようだ。鳩山氏を担いだ岡田氏から
も中野幹事長に難色を示しているようだ。正に、当方が指摘する民主党の大分裂が近いと言えよう。
追記6: 小泉政権後は政局大混乱へ(2002年9月15日)
吾々は、余りにも先を急ぎ過ぎて諸情勢の分析を展望しているようだと自負していたり、ある反面で
は後悔し制御しなければと自戒しているのが事実だ。他から見れば、今後、洞察力有り、先見性有り
と評価されるか、それとも、荒唐無稽、アナクロニズム、奇想天外、空理空想と揶揄されたり、非難中
傷されるか、非常に危険な選択にも迫られているものと思っている。
ところが、数十年先の事件に関するものなら、そうした分析や予想もある程度核心を付いている面
でもあって注意しなければならないとも思うが、今後の情勢の急展開により、今や数年後に急迫して
きた国家破産や世界経済恐慌の到来が迫ってきた。こうした激動の将来を前にして、今後の情勢展
開を分析し予想することは決して無意味ではなく、むしろ警鐘を鳴らす意味で絶対必要なことと確信
するからに他ならない。
さて、拉致問題で混迷状態を継続しながらも、小泉政権が長期化していく可能性が高まってきてい
るが、例え長期化してもその後は、実に、2004,5年頃に予想される国家破産、そして遅くとも2005,
6年頃の世界大恐慌に遭遇し、誰も解決することが出来ないほどの緊急事態に突入していくことと思
われる。実に、2005,6年頃からの5年間が地獄の苦しみに突入していくことであろう。
目下、注目されている色んな政治家でも対処できないであろう。多くが大して政策も出せないのに、
売名、利得行為、パフォーマンスばかりが横行し、国家社会の為にといった目的を大きく欠如して、自
己中心の行動であるからだ。ましてや経済界や学界などやマスコミ界、そして評論家でも解決できな
い難題山積の状態であろう。国家破産、失業者増大、企業倒産、社会不安、一体こういう事態に誰が
解決できるというのであろう。
正に、小泉政権の長期化は、何も彼が特別に優れているからでも無い。改革を真剣に実行する意
欲を有した政治家がいないだけの後継者不在であるからだ。ある程度の改革は推進して行けるが、
別の面では改革が膠着状態に陥っていくことであろう。民主党の大分裂に伴う総選挙で、自民党圧勝
で大多数を占めて、野党が反対勢力の懸案事項に関しては、可成り改革が進展していくものと期待さ
れる。ところが逆に自民党内の抵抗勢力を相手にした利権構造の解体に関しては、殆ど改革が進展
しないままに終始することであろうと危惧される。
そうした中で、国民の間で、倦怠ムード、諦観ムードが広がり、一気に欲求不満が高まり、救世主的
な人物の登場を期待するような環境が形成されていくことであろう。様々な諸難題を一挙に解決でき
る者こそが救世主的人物として多くの国民が一気に受け入れていく状況が生まれていくことであろう。
正に、某所で指摘するように、優れた大局的な指導理念や身命を賭した責任感を有し、国家社会の
諸課題を総合的に把握し、解決策を提示できる者の登場が期待されるであろう。実に、真の救世主
的、天才的な人物の登場も期待されていく政治経済の環境、国民意識の醸成が生まれていくことで
あろう。
そしてそのような人物を国民全体が真剣に且つ好意的に受け入れていくような環境が生まれてくる
ことも必要であろう。その環境こそが、実に国家破産や世界経済大恐慌による歴史的大混乱の到来
であろう。これによって、国民全体が総懺悔に陥って、国民意識の根底的変革が成されていく必要が
あると言えるであろう。実にその為に、あらゆる事態が神仕組みによって導かれていくことと思われる。
即ち、先に指摘したように、小泉政権の長期化であり、国民の飽き飽きムードの充満であり、諦めム
ードの限界点到達の状況に追い詰められていくことであろう。
仮にこうした優れた救世主的人物が登場して来たとしても、また彼に国民全体が突いていくような、
現下の諸問題と展望:128
国民全体が一丸となって諸改革が実践されていくような環境が醸成されたとしても、最後には、国際
環境の根底からの大変化が成されて行かねばならないであろう。日本だけが国家破産して、諸外国
が健全で一層の発展し国力が増大化して行けば、逆に日本は押し潰されて、外国勢力の草刈り場に
至り、亡国の運命に巻き込まれていくことであろうと危惧されるものだ。
即ち、対米、対中、対ロシア、対韓国の関係で見ても、米軍基地問題、安保条約、領土問題、教科
書問題や靖国神社問題、歴史認識問題、東京裁判、現行憲法、ODA問題などの国内外の諸外交課
題を解決して行く必要があることは歴然としている。そうした課題解決に向けて諸政策を展開して行く
ためにも、こうした外国との関係を外交的にも総決算して行くことが不可避であると言えよう。正に、日
本の国家破産や世界大恐慌は、先進諸国や諸地域をも巻き込んで行き、これまでも不合理や不正義
のリンクを解除して、一挙に解決する好機の到来と言えるであろう。正に、肉を切らせて骨を断つの実
践が可能になるものであろう。
そういう事態を想定しての解決を身命を賭して新しい国家社会の建設に立ち向かっていける創造性
ある人物の登場が期待されるのである。目下の多くの政治家や官僚、評論家や学者などは過去や現
状の分析には長けていても、新しい国家社会の展望を見出し得ていないのが現状である。こうした連
中は時代に大きく取り残されていき、既に過去の人物として次第に失脚して行かざるを得ないであろ
う。小泉氏が期待されているのも改革に情熱的であるからだ。
今後は、正に総合的に正しい解決策を一気に提示し且つ実戦できることが要求されているものだ。
のんびりと専門家を集めて長い期間審議させて複数の結論を得て、それらを取捨選択していくための
検討期間は全く無いほどの急展開の情勢に対して迅速果敢な判断と決断実行が求められるであろう。
日本の諸課題を改革できる好機の到来と言うことは、逆に言えば、一歩誤れば、即ち、時期(タイミン
グ)や解決策の判断を誤れば、亡国の危機に陥っていく危険性もあることは確かだろう。
追記6-1: 今や八方塞がりの膠着状態の果てに到来するものは(2002年11月8日)
今や八方塞がりの膠着状態の果てに到来するものは(2002年11月8日)
北朝鮮の経済的焦りから日朝国交正常化が急展開しそうだが、こういう策略に乗せられてはいけな
い。北朝鮮は後数ヶ月、2,3ヶ月で崩壊寸前だ。恐らく、軍部か共産党によるクーデターを伴うものと
思われる。こうした背景から来たイッカパチかの賭けに出た日朝首脳会談による経済開放路線であっ
たものと思われる。今や、北朝鮮崩壊と共に、日本国家の破産、米国崩壊へと世界は歴史的大激動
に突入した。
一方、国内の政局を見ても、2001年末の沖縄南方海上での不審船事件、2002年5月の瀋陽事
件、日韓共同開催のサッカーにおける日の丸国旗の乱舞、日朝首脳会談の実現により、国民の中で
も親中国派や親北朝鮮派が大きく勢力後退し意識も次第に変化していく傾向が出てきた。小泉政権
も不思議な神仕組みによる追い風に乗って、今や民主党党首選の混迷から民主党の大分裂化、社
民党の消滅の危機が到来し始めた中で長期化していく傾向が出てきたようだ。
しかし、補選の結果で自民党が圧勝したとは言え、史上最低の投票率の結果(千葉などは20数%
だ)を見ても、とても小泉政権の改革路線が全国民的規模で支持されたとはとても言えないようだ。こ
うした中で、改革の中味はともあれ、小泉氏ほどの改革を唱える情熱家の全くの不在により、小泉政
権が長期化する傾向が濃厚になってきたようだ。さりとて、改革が大きく進展していくことには成らない
ように思われる。何故なら、小泉人気に便乗して改革を叫んで当選してくる連中の殆どが、大して改
革の展望をも持たずに、意識は保守の抵抗勢力に安住して与しながら、単に改革世論に迎合して当
選してきているに過ぎないからだ。
こうした似非改革論者も次第に化けの皮が剥がれて一掃されていくことであろう。とても現下の歴史
的大激流の中での大改革を担えるものではないからだ。その高い志と正しい現状分析力、そして改
革に向けた熱い情熱と意欲、更には身命を賭した実行能力の何れも合わせ有したものとは言えない
現下の諸問題と展望:129
からだ。単なる売名、立身出世的な利欲行為、パフォーマンスでしかないものを感じる想いだ。
恐らく、小泉政権の長期化の果てに来るものは、2004,5年頃の国家破産であり、大多数の指導
者階級や階層の権威や権力が瓦解し崩壊し破綻していくことであろう。そしてそうした現実の動きと併
行して、景気の低迷(倒産の増加)、失業者の増大(現在の5.4%から10%にも達するであろう)、住
宅ローンの破綻に見られるような国民生活の崩壊の蔓延が相次いで行くにつれて、国民意識の中に
も飽き飽きムードや倦怠ムードが一気に広がっていき、意識的には革命前夜にも酷似した状況の到
来となるであろう。
そうしたどん詰まり状態に追いやられて、地獄の底に行き着く果てに待ち受けているものこそ、大い
なる国民意識の変革の機会であり、悔悟であり、真摯な改革への始まりになるものと思われる。正に、
国民総決起の下に、救世主的な指導者の登場が期待されていく環境が次第に整っていくものと思わ
れる。その際には、先述したような極めて高い志、熱い情熱と強烈な実行能力、そして広き人望を併
せ有した正に破天荒な者がおれば、身分や境遇や経歴を問わずに、誰でも天下が取れて国家的指
導者に成り得る大動乱の状況に至るものと思われる。恰も、戦国時代の豊臣秀吉や、幕末動乱にお
ける勤王の志士の下級侍の登場のような事態の到来であろう。
それにしても、平時では優秀な人物がジェットコースターのように軒並み沈没していったり、衰退し衰
滅していくのも実に不思議な現象だ。既に多くの人物が時代の波に取り残されて用済み、使い捨て、
役割終了に陥って賞味期限が切れていくようだ。折角の優秀な能力も活かせ切れないのは、恰も、プ
ールでは優れた水泳選手であっても、激流が渦巻く岩だらけの危険な急流の中では溺れ死んでいく
と言った喩えが適当であろうか。最早、破局後の新しい時代を切り開いていくためにも主役の大幅な
交代が必至と言えよう。
追記7: 諸々の改革の展望
追記8: 自民党総裁選の混沌とした行方から戦国乱世が急迫か(2003年9月4日)
本来ならば9月4日現在で明確な予想をするのは回避すべきであるが、目下、9月8日告示、12日
投票に迫った自民党総裁選を巡って、反小泉陣営が混沌としてきた。なかなか一本化できずに混迷
の度を極めてきたようだ。テレビや新聞でも、小泉再選の是非を問うアンケート調査を行っており、そ
れによると何と小泉再選支持は60%近くにも登るという。中でも中高年の女性票が多いようだ。小泉
総理が独身というわけでもないだろうが、政策に共鳴しての支持と言うよりも、抵抗勢力に対して果敢
に立ち向かっている孤高な姿に共感していると言った感も否めない。
何よりも小泉総理に交代するような新鮮な候補者がいないことが大きいようだ。小泉総理誕生の時
でもそうだった。彼は新鮮にも改革を連呼して登場してきた。その改革の中味は精々が10年前以来
の郵政民政化や道路公団民営化ぐらいの他には何も具体策はなく、今から(当選後に)考えると言っ
たお粗末さだ。そして見ての通り、全くの丸投げであり、様々な改革も一向に実現できていないようだ。
ただ自民党をぶっ潰すと言うことだけは、政党の空洞化が進展するに連れて着実に実現しているよう
だ。
当方は小泉首相を全面的に支持している者ではないが、既成権力を解体し新しい時代を建設する
に当たっては、織田信長的な破壊者、解体者、反逆児が是非とも必要なのだ。その意味からも、今そ
の役割を演じられるのは小泉首相しかいない。確かに親米従属派ではあり、ある面では抵抗勢力派
が指摘するような売国奴かも知れないが、今は既成秩序の解体を優先すべきであろう。万一、小泉
首相が亡国的政策を採ろうものならば、そこは不思議な神仕組みにあって成功しないであろうと思わ
れる。事実、改革は何一つ成就していないではないか。
ところで今回、5月中旬頃、自民党有力者3人がアメリカ大使館に呼ばれて、小泉総理に協力せよと
の強い厳命があったようだ。表向き、小泉再選に反対はしては見たが、所詮、アメリカの掌(てのひ
現下の諸問題と展望:130
ら)の上で踊らされているにしか過ぎないものだろう。矢張り、日本は米国の属国だなと帰ってから嘆
いた自民党有力者もいたようだ。ここらで崩壊していく米国と袂を分かつ運命が待っているように思わ
れるが、この辺の歴史的転換が日本の難しい舵取りとなるであろう。
今回の自民党総裁選では、堀内光雄総務会長も不出馬を決めたし、参議院橋本派も小泉支持に
回った。つまりは橋本派も総崩れの中で、橋本派から立候補した藤井孝男衆院予算委員長、笹川堯
元科学技術庁長官、熊代昭彦衆院議員の三人も一本化する過程で梯子を外された感じだ。後は、亀
井静香元政調会長と高村正彦元外相が単独で名乗りを上げる程度で、小泉再選は動かし難いようだ。
プリンスといわれた平沼赳夫経済産業大臣も小泉現閣僚の手前、動きが鈍いようだ。他の連中にし
ても、政策の中身を越えて、何処か目付きが悪い、覇気がない、格好を気にしすぎるなどで、とても小
泉首相の対抗馬にはなり得ないようだ。
今回の総裁選でも露呈したが、最早、派閥は体を成さなくなってきたようだ。特に最大派閥と言われ
た橋本派は大混乱で分裂状態、空中分解の有様だ。熊代氏が派の了解が無くとも自分だけでも出る
と言ったところ、橋本氏が相手の発言を確認した上で、この場から立ち去れと言ったそうだ。また青木
幹雄参院幹事長を派閥から除名しろと言う圧力が藤井氏から出たようだ。
一方、堀内派も大分裂状態だ。堀内光雄総務会長は派閥会長であるが名目的であり実質的は大し
て実力がない堀内氏が小泉支持に回ったことで、古賀元幹事長が丹羽雄哉元厚生相派閥会長代行
を担ぎ出して堀内氏を除名しかかったことで大混乱だ。丹羽氏も総裁戦に出るならこの場から出てい
って貰いたいと太田誠一元総務庁長官から噛み付かれたそうだ。丹羽氏は最終的には擁立されない
見通しだが、実に堀内派も、最早派閥は脳死状態だとも言われ始めたようだ。堀内氏が小泉再選に
寝返ったのは、古賀氏周辺からは、森吉朗前首相や中川秀直国体委員長から次期財務相の手形を
貰ったためだとも指摘されているようだ。
総裁選の焦点は、1回目の投票で小泉首相が過半数を取れるかどうか、過半数を割れば、首相の
発言力は激減する。そのため首相支持派は過半数確保に必死だ。今度の総裁選は国会議員357票
と、党員票300票の計657票で争われる。しかし、勝敗を決めるのは国会議員票、地方票は「総取り
方式」から「得票数に応じた「ドント式」に変わったため、圧勝も大敗もないからだ。
小泉陣営の基礎票は森派60人、山崎派27人、旧加藤グループ14人の約100票だ。これに青木
幹雄参院幹事長率いる参院橋本派42人の相当数を加えても、自民党に所属する国会議員票の過
半数179票には及ばない。無派閥の20票が加わっても20票近く足りない計算だ。今や堀内派51人
の票が小泉再選の当落のキャスチングボートを握っていると言えよう。即ち、2位、3位連合による決
選投票で逆転劇を演じる最後のカギは第4派閥の堀内派の動向となったと言えよう。なお、国会議員
票357票の内訳は、橋本派100人、江藤・亀井派59人、森派59人、堀内派51人、山崎派27人、
高村派16人、旧加藤派14人、河野グループ11人、無派閥20人だ。
しかし、例え小泉首相が自民党総裁から首相に再選されても、3年の任期中の2004,5年頃に襲来
すると思われる国家破産は回避できないように思われ、その後に大変動の到来が急襲しそうだ。むし
ろ、小泉首相に再選させて責任を取らせ、他の誰をも登場させないで、一気に救世主的指導者の待
望論が急浮上してくるものと思われる。国民の苛立ち、欲求不満、忍耐の限界に至るまで時間を経過
した暁にこそ、最早何でもありの経歴、財産、社会的地位を問わずに、真の国家的指導者が現れる
環境が次第に整いだしてくるように思われる。
小泉首相には何かをやらせるというのが天の意志ではなくて、むしろ、誰にも間違った改革をやらせ
ず、また既得権益を解体して新しい時代を創出させる環境作りをやらせるものと思える。勿論、小泉
首相の目指す改革も、天のご意志に適わないことが多いように思えるから、改革も何時までも道半ば
で破綻して行くであろう。イラク特措法も国会は通ったが、派兵の実現は殆ど不可能な状況下であろ
現下の諸問題と展望:131
う。自衛隊の海外派遣という米国への積極的な軍事協力は是非とも回避すべきであるからだ。
ところで、某M評論家からの情報では、実際には小泉首相の支持率は10%ぐらいであり、後は適
当な人物がいないための消極的支持でしかなく、真の人格、識見が高い人物が現れれば小泉首相
の再選が消えるだろうと言う。その人物は額に賢明さが漂っている人物Hだという。このHとは、堀内
氏か、平沼氏か、それともあっと驚く橋本氏か、非常に思わせぶりに示唆しているが、果たしてそのよ
うな人物はいるのであろうか。
現時点では立候補者は、小泉総理の他には、橋本派の藤井孝男元運輸相、亀井静香元政調会長
の三人が確定した。この他に今後は堀内派の丹羽雄哉元厚相、高村派会長の高村正彦元外相が立
候補するかどうかが焦点となるようだが、4日午後では丹羽氏も降りたようだ。最後は4,5人の立候
補になるらしいが、そこには橋本氏も堀内氏も平沼氏もいない。そこでM評論家が言うようなH氏とは
橋本派の藤井氏しかいないことになるが、まさか藤井氏が・・・
このM氏の言うことは何処まで信じられるだろうか。このM氏は、先頃の一連の著作でも、「フセイン
特需」で米国によるイラク戦争でもフセイン特需が来るとか喧伝したし、またユダヤ資本の日本流入で
日本経済が低迷を脱し急浮上するとか言ったりしたが、イラク戦争では一部の米国軍事産業が在庫
一掃で企業業績を回復したが、米国経済全体は何も景気が上向かないし、有事のドル高に反してド
ル安が進行している有様だ。またユダヤ資本の日本への流入で東京や大阪では高層ビルラッシュで
はあるが、不動産市況は外資系同士の売買でしかないし、日本経済全体を活性化させるものにはな
り得ていないようだ。その内に、当方が示唆するように、第二のバブル崩壊が到来するだろう。
なおM氏は、色んな講演会でも、日本はアメリカの属国だと息巻いて聴衆を感激させ、これぞ真の
日本男児であると感動させるのであるが、最後には「だから、皆さん、アメリカは日本が支えて上げな
ければ上手く行かなくなる可哀想な国家です」と言って、対米盲目的従属を正当化して、集まった見
識ある聴衆を大いに失望させているようだ。もっとも彼はアメリカCIAの回し者だという情報もあり、日
本人の富を巻き上げるのが目的のようだとも言う。
どうも某側近者の霊感に頼っているようだし、投資先の某外国投資信託に丸投げしており、投資の
専門家ぶってはいるが、独自の経済評論ほどには自分の判断で集めた資金の運用・投資をしている
ものでもないようだ。先頃、欧州訪問したのもドルからユーロへと切り替えるための調査ではなかった
のかと勘ぐられるようだ。落ち目の米国から欧州へと軸足を移し始めたように思われる。
何れにしても小泉首相が例え過半数を制しても、決選投票で、第2,3位が結託すれば危うくなって
きたようで、そう小泉総裁の再選は簡単には行かなくなってきたようだ。背後で米国が支援し恫喝を
喰らわしても、最早、米国の神通力が不思議と消えかかってきたようだ。そこには対米従属派が潮流
や判断を読み間違えて、失脚し一掃・排除される予兆さえ感じられる思いだ。
最早誰が国家指導者になっても、2004,5年に急迫してきた国家破産を前にして、適切な対応は
不可能であろう。取り敢えずは、日米の選挙絡みで来年の11月の米国大統領選挙までは、日米協
力で経済の建て直しが画策されるであろうが、それ以降は、ハイパーインフレ到来などの劇的な展開
が待っているだろう。無理に堰き止めていた激流が堤防を決壊させて濁流となって押し寄せるであろ
う。
正に救世主的指導者の登場に相応しい展開になってきたようだ。最早誰が指導者になっても上手く
行かないようだ。と言うことは誰でもが天下を取り得ると言うことだろう。誰も出来ない難題山積と言う
ことは、創造力や先見性や洞察力があるものならば、誰でも天下を取れる時代、正に戦国乱世の到
来と言うことだろう。果たしてこの平成乱世を勝ち抜く者は何処から出て来るであろうか。既成の政官
財界やマスコミ界、そして学界や宗教界などからではないだろう。
恐らく、2004,5年頃の国家破産とは言うものの、あくまでも政治的な介入がなければの話だ。今
や、露骨な日米選挙協力による政治的介入が現れてきたようだ。即ち、日本からの米国国債買い,ド
現下の諸問題と展望:132
ル買いだ。その一方で米国からの日本株買いだ。2003年9月の小泉首相の再選と、2004年11月
のブッシュ大統領の再選とを画策した政治絡みの経済運営が露骨に出てきたようだ。この介入が果
たして何時まで上手く行くのか。恐らくは2004年秋までは何とか持たすであろうが、問題はそれ以後
であろう。
当方が予想する2005,6年頃の世界大恐慌と上手く符合して行くであろう。そしてその後約5年間
ほどの地獄の大混乱の苦しみを経て行くであろうとも予想するものだ。そして2010年頃からが、この
HP上で提唱する新しい国家社会の建設が始まろうというものだ。このHPを見た大多数の者が、荒唐
無稽なことを言うなと攻撃してきたが、全く近視眼的な明きメクラとしか言いようがない。もっとも、現在
の有識者の大多数が、天下の情勢に対して全くの方向音痴でしかないのも事実だ。
追記9: 民主党と自由党の合併の背後関係を洗う(2003年8月18日)
今回、民主党と自由党とが合併したのは、鳩山党首時代から陰で進行してきたものだが、ここに来
てこれまで敬遠してきた管直人党首が大きく踏み込んで合意に達したものだ。しかし、某自民党員が
指摘するように、「鳥小屋に野犬が入ったようなものだ」と言う評価が当たるかどうかは五分五分だろ
う。そもそも自民党でも野合の様相を呈してきている有様だから、今や政党自体が存在意義を喪失し
て大きく崩壊しつつあると言えよう。単なる思いつき、野合の繰り返しの果てに衰退し衰滅していく運
命となろう。
本来ならば政党とは政策を共にする同志で集合するべきだが、今や政権奪取のためなら如何なる
手段をも厭わないと言った無節操、無定見、無原則一筋に突っ走りだしたと言うことだろう。政権取得
の暁には、空中分解し破綻し分裂していく可能性が極めて大であり、むしろ、軒を貸して母屋を取られ
かねない事態となる公算が強いものと思われる。管直人氏も攻撃型の政治家、市民運動家の政治家
であり、差ほどの政権構想や難局打開の創造力があるものではないように思われる。何れは小沢氏
に出し抜かれるだろう。
なお親米保守系の某評論家によれば、8月7日付けの某夕刊紙上で「小沢党首の無謀とも思える
民主党への合流の決断の背後には、米民主党の有力者、ロックフェラー上院議員の影がちらついて
いる。小沢氏が平成五年に出版した『日本改造計画』、その英語版序文はジョン・ロックフェラー四世
上院議員の筆になるものである。
同上院議員は言うまでもなく、米財界を代表する財閥ファミリーの一員であり、現在では上院情報委
員会の共同委員長として、大量破壊兵器の未発見をブッシュ政権に対して追求する側である。アメリ
カ既成支配層を代表するグローバリストのロックフェラー上院議員からすれば、ネオコンやイスラエル
のシャロン政権と近いブッシュ政権は、アメリカの国益を損なう危険な存在と言うことになるのだ。
小沢氏は、米政界の盟友ロックフェラー議員から、ブッシュ大統領がイラクの大量破壊兵器未発見
問題で何れ窮地に立たされ、大統領再選が危うい旨の示唆を受けたのではないか。
ブッシュ沈没となれば、ブッシュと一心同体の小泉政権が崩壊する可能性も大である。小沢氏はロ
ックフェラー議員の示唆を受け、政権の受け皿として、民・自合併を急いだのであろう。
なおドメスチックな方では、小泉政権周辺のスキャンダルも取りざたされている。これが噴出すれば、
首相の総裁選出馬断念の可能性もある。首相の自民党総裁再選は、マスコミ一般で言われるほど容
易ではない。」と鋭く指摘している。
この小沢氏は愛国民族派でもなく親米従属でもなく、どちらかというと国連重視のグローバリストで
あり、自衛隊も国連軍に差し出すことを考えており、換言すれば、ワンワールドオーダー側であるよう
だ。幹事長時代でもお忍びで欧州を訪問し、世界支配権力側から指示を仰いでいたようだ。今回、国
内的には民主党と自由党を合流させたのは某ハイテク企業の会長氏が動いたようだが、某氏も欧州
側の世界支配権力側に通じるグローバリスト的人物だ。
現下の諸問題と展望:133
ということは、親米重視の現小泉政権と、これに対抗する欧州闇の世界支配権力側とが、日本でい
よいよ激突する時代が到来したと言えようか。一旦、お払い箱になった亡霊の小沢氏を担ぎ出したの
も大して人材がいないと言うことと、民主党という餌がぶら下がっている最大のチャンスをものにしよう
と言うことだろう。もっとも、自民党内の反小泉勢力は、民族派の面を有した既得権益グループであろ
うか。何れにしても欧米の覇権争いが政変に影を落とし、共に日本を収奪し傘下におくように熾烈な
闘いが始まったと言うことだろう。こうした背景で今後の政変を見ていく必要があろう。日本の真の自
主独立国家の樹立にはこれらの売国奴・亡国奴的勢力の相互対立から共倒れを伴った破綻・崩壊が
必須だろう
追記10: 保守党党首の小沢氏の言動の背後にあるものは・・(2003年9月11日)
小沢氏の講演会や座談会における言動を詳細に観察していると、何処か褒め殺しのようなものを痛
感します。例えば、次のようなセリフが実に多く出てきます。
「管代表を頂点にして、みんなで協力することが大切だ。自民党には絶対に出来ない政策を打ち出し、
出来なければ責任を取って(国会議員を)辞めるぐらいの勇気を持って欲しい」と言う、一見すれば大
変力強い御言葉です。
しかしこれが大変なクセモノであり、言葉の裏に大変な野望、野心、邪心が潜んでいるものと思われ
ます。お人好しの管氏ではその内、梯子を外されていくことでしょう。大きく持ち上げて、責任を取らせ
て失脚させるという狙いが最初から現れた発言でしょう。お坊ちゃん育ちで、甘いマスクの管氏では、
自民党幹事長として、権謀術策の修羅場の中を潜ってきた小沢氏の奥深い心の中までも見抜くこと
は無理でしょう。
他にも、民主党の中に忍び込んで主要な地位を占めるようになった方々も、案外、将来は民主党の
中で、次第に借りた軒から母屋を乗っ取っていくように思います。公家的な民主党の中核の崩壊も近
いでしょう。それに管氏では、熾烈な政治には不向きでしょう。精々が攻撃向きで、守りの政治家では
ないようです。所詮は、市民運動の延長での政治でしょうか。そこが小沢氏などに狙われていくようで
す。呉々も寝首を掻かれないことを祈りたいものです。
追記11: 売国的政策に国民が目覚める兆候か(2003年10月28日)
今や堂々と有識者が小泉政権を批判するようになってきた。矢張り、産業の空洞化や長引く景気の
低迷、失業率の悪化、税収の悪化など、経済全般に亘る先行き不透明感が次第に国民全体に浸透
し始めたからだろう。それでも大方の有識者には、総選挙の行方は、小泉政権が継続する確率は五
分五分だが、辛うじて小泉政権は維持される方が勝っており、何れにしても、敗北した側には厳しい
内部分裂が待っているだろうと言うのが予想であるようだ。
しかし、中曽根氏との対応や道路公団総裁解任を巡って指導力に陰りが見え始めたことも確かだ。
田中真紀子氏も小泉政権にとっては波乱要因だ。また米国のイラク戦争への実質加担に繋がる自衛
隊のイラク派遣に関しても、失敗すれば政権の命取りになるであろう。既に米国はイラク戦争の長期
泥沼化に足を取られてしまっている。それも案外、中東戦争に導くための布石にも思えてくる。即ち、
敢えてテロを遮断することもなく、故意にテロを扇動して、シリアやサウジ、イランなどへの攻撃を正当
化するシナリオを描いているのではないかと勘ぐりたくもなる。事実そのように指摘する有識者もいる
のは確かだ。
政権交代がひょっとしたら有り得るかも知れないと言うことであるが、当方は民主党と小沢自由党と
の組み合わせは可成り危険な意図を有しているものと思っている。米国追随からの脱却ではある程
度評価でき、また官僚支配構造を打破する意気込みも評価できるのであるが、憲法や自衛隊の在り
方、靖国神社問題や中国や韓国との関係などを見ると、矢張りバックの世界統一政府にそっくり日本
現下の諸問題と展望:134
を明け渡すような売国的謀略を感じざるを得ない。
要するに現在の日本は米国に隷属して米国好みの構造改革を遂行する売国奴政権か、国連中心
とは言いながら、日本の主権を世界支配権力側に明け渡す亡国的政策かの何れかであり、どちらも
真の愛国的なものではないのが懸念される。最後には両勢力の激突から共倒れに至り、そこから真
の愛国的中道・中庸勢力が台頭してくるものと思っている。勿論、そこに至るまでには、欧米の熾烈な
覇権争いにより、闇の世界支配権力共が破綻し崩壊することが必須だと思っている。真の自主、独立
国家の樹立を目指す日本の改革に際しては、どうしても世界大再編に似た大激動が必至だからであ
る。
既に9.11テロ事件は、米国の自作自演だったことが暴露されている。そしてイラク攻撃も石油利権
を確保するため、またはイスラエルの安全保障のため、そして軍事産業の要請によるもの、更には中
近東一帯からユーラシア大陸全体の原油や天然ガスの利権争奪に向けて大きく野望を剥き出しにか
かったシナリオの遂行に他ならないことまで指摘され出したようだ。日本はこうした状況に対して、余り
にもノー天気で、人道支援とか復興などのお題目に乗せられているようだ。
何れにしても、2004,5年頃に国家破産の兆候がでてくるであろう。最早イラク復興に莫大な資金
をむしり取られて、財政再建どころではなくなってしまったようだ。これに対して国民が全く無関心にな
ってしまい、ただマニフェスト論争ばかりに明け暮れているようだ。今や自民党も民主党も役割は終え
つつあると言って良いだろう。
ところで、参考までに某夕刊紙に登場した有識者の小泉政権批判の記事を紹介しておこう。
10月21日付け某夕刊紙報道
【恐ろしいことになっている小泉政権下のこの国】
【改革のペテン、景気回復のウソ 一寸先は闇の日本経済】
・・・慶応大教授の榊原英資氏は、小泉政権に対し、「こんな不真面目な政権は見たことがない」と某
夕刊紙に答えている。
確かにこの2年半、小泉首相は口ばっかり達者で、具体的なことは全て丸投げ。自分が率先して取
り組んだことと言えばブッシュのご機嫌取りくらいのものだ。今月発売の月刊各誌は一斉に小泉政治
の批判や特集を組んでいるが、戦後、これほど不真面目な政権はなかったのではないか。
道路公団民営化にしても袋小路の状況だ。郵政民営化も然りだ。小泉首相は”何とかの一つ覚え”
みたいに民営化を叫んでいるが、自民党の政権公約は「国民議論を行い、04年秋頃までに結論を得
る」のとどうでも取れる書きようだ。案の定、郵政族の代弁者・荒井広幸氏は公然と民営化反対の署
名集めを始めている。
それ以前にこの小泉郵政民営化論はデタラメである。榊原教授はその矛盾をこう喝破している。
「郵貯を民営化して、民間金融機関にするつもりなのか、財政投融資になってばらまかれている郵貯
簡保の資金は、不良債権の塊です。金融庁が精査すれば、あっという間に引き当て不足になり、公的
資金投入国有化になっちゃう。民営化したら国有化されちゃったなんて、ブラックジョークです」と言
う。・・・
【データが示す「景気回復」のウソ八百】
経済政策もデタラメでいい加減だ。「改革の芽が出てきた」などと景気回復をPRしているが、内閣発
足時より良くなった経済指標は、殆ど皆無だ。
「株価が1万円回復したと胸を張っているが、小泉内閣がスタートした2年半前、株価は1万4500
円合った。自分で7600円まで下落させたのが、多少戻っただけです。設備投資が活発になったと言
っても、小泉内閣以前の水準には遠く及ばないし、GDPも税収も落ち込んでいる。反対に”失業者
数”と”自己破産件数”は、森内閣の頃より増えている。小泉首相が主張する”景気回復”は真っ赤な
現下の諸問題と展望:135
うそです」(経済ジャーナリスト・小泉深氏)
大新聞は「企業業績が急回復」などと無責任に報じているが、業績が回復しているのは一部の大企
業だけ。しかも、多くが”減収減益”である。要するにコスト削減、リストラで利益を確保しただけの話だ。
「株価1万円回復も、日本が10兆円以上を投入した”為替介入”の巨額資金が、回り回って日本の
株式市場に流れ込んだのが実体です。タコが自分の足を食べているようなもの。一種の自作自演で
す」(大手商社マン)
【「円高」と「株価暴落」が直撃する日本経済】
しかも、この先景気はさらに悪化する恐れが大きい。すでに外国人投資家が、東京市場から撤退す
る準備を始めているという。
「外資系の銀行や証券会社が『日本株は買い』という情報を流しながら、徐々に売り越しに転じてい
るのです。6兆円超を買い越し、株高を支えていた外国人投資家が撤退したら、日本株は確実に大暴
落です」(小泉深=前出)
急ピッチで進んでいる円高も日本経済を直撃する。すでに1ドル=108円台まで円高が進行してい
るが、それでも「総選挙が終わるまでは急激な円高にはしない」という日米の密約によって歯止めが
掛かっているといわれている。選挙後に、一気に1ドル=100円まで進みかねない。
「輸出企業の採算レートは1ドル=115円。これ以上の円高水準では、輸出企業は軒並みダウンで
す。ホンダは1円の円高で年間の営業利益が100億円、ソニーは65億円も吹っ飛ぶ。唯一の命綱で
ある輸出がアウトになったら、日本経済は再び泥沼です」(霞ヶ関関係者)・・・
榊原教授は、「体力のある大企業はほっておいても自助努力でどうにでもなる。本来、政治の役割
は負け組とされる弱者の面倒を見ることなのに、何もしていない」と小泉改革を痛烈に批判しているが、
正にその通りだ。小泉首相のせいで、この国は恐ろしいことになっている。
【小泉改革をどう評価するか】
アメリカ頼みの経済が少し順調になってきているというだけの話です。今、景気循環のサイクルが 20
世紀とは比べものにならないほど短くなってきていることや、日本の貿易黒字も実は企業内取引にほ
とんど依存した、実質的に貿易収支は赤字だという状態に鑑みれば、今の景気回復は長続きするわ
けがないという感じがします。結局、マクロ政策は柔軟にやればいいだけの話です。構造問題に取り
組むということは大変な痛みを伴うはずであり、実は供給の削減にしても、年金、社会保障の構造改
革に消費税アップは避けて通れないという問題にしても、その痛みの部分について小泉総理は何も
言わない。臭いものに蓋です。
10月23日某夕刊紙報道
・・・今月発売の有力月刊誌も、一斉に小泉内閣の悪政失政を批判している。
「世界」は『経済回復は本物か?---小泉構造改革を再評価する』という大特集。その中で京大経
済研究所長の佐和隆光教授は「改革の手順とテンポが間違っている」と小泉改革を痛烈に批判。エコ
ノミストの紺谷典子氏は「ぶっ壊したのは日本経済だ」と題する論文で『限界を超えた不良債権処理を
迫った結果、無用な倒産を招き、逆に不良債権を増加させる結果になった』と一刀両断にしている。
「中央公論」も『小泉自民党よ、政策で勝負しろ。これでは日本は立ち直れな い』の座談会を載せて
いる。
「文芸春秋」では、作家の柳田邦男氏が『銀行の不良債権処理は思うように進まず、道路公団の分
割民営化や郵政の民営化を巡るゴタゴタばかり』『これらの改革は「それによって日本の国はどうなる
現下の諸問題と展望:136
のか」となると、本質的なところではそれほど影響をもたらすようなことはない』と断じている。立正大
教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「月刊誌が小泉改革を批判するのは当然です。小泉内閣の2年半で日本経済も国民生活もメチャク
チャにされてしまった。景気は低迷を続け、自殺者、ホームレス、自己破産は急増。世相は悪化の一
途です。小泉総理が2年半でやったのは、国民の負担増と行政サービスの低下だけ。これ以上,小泉
政権を続けさせたら、日本は本当に取り返しの付かないことになります」
月刊各誌の小泉批判はむしろ遅いくらい。即刻退陣させ、選挙で政権交代させるべきである。
【小泉自民党が勝つ】という幾つかの根拠
しかし、残念ながら、11月の総選挙での政権交代は、かなり難しいのが現実だ。
政治ジャーナリストの石川真澄氏が「やっぱり”政権交代”は起こらない」と雑誌「世界」でこう論じて
いる。
『中選挙区制の時は、当落の境界は紙一重で、有権者の3~5%が投票行動を変えるだけで、次の
総選挙で次点候補が当選できた。しかし、小選挙区制では、”当選”と”落選”との票差の割合である
「当落距離」が中選挙区制に比べて大きくなった。前回選挙を当てはめると、投票者の13%が投票
行動を変えないと当落は変わらない』
小選挙区では自民党の前職が強く『これだけの票差をひっくり返すのは相当に難しい』というのだ。
さらに、民主党との”合併効果”も限定的だという。そして石川氏は『今の日本ではそう簡単に交代な
ど起こらないほど与党は強く、とくに小選挙区制によって増幅されている』と結論づけているのだ。
しかも、小泉自民党は”マニフェスト論争”では民主党にかなわないと、徹底したミーちゃん、ハーち
ゃん選挙で逃げ切るつもりだから、ますます政権交代は絶望的になってくる。
「小泉首相は、大衆を扇動することにかけては天才的です。奇をてらった人事や、口八丁手八丁の
パフォーマンス、国民受けするキャッチフレーズ・・・選挙で勝つためなら何だってやる。政治意識の高
い有権者なら、ペテンと見抜くでしょうが、安倍自民党幹事長誕生にキャーキャー騒いでいるミーちゃ
んハーちゃんはコロリとだまされる恐れがあります。」(政治評論家・本澤二郎氏)
【政権交代を可能にする秘策がある】
こうして見ると、今のところ政権交代は無理。民主党がどんなに頑張っても解散時議席137を100
議席以上増やし、過半数の241議席を確保するのは不可能だからである。となると選挙なんかやっ
てもムダという気にもなる。
しかし、この状況をひっくり返す方法が実はある。自民党が議席を大幅に減らせば小泉への風当た
りが強くなり党内抗争が始まる。これが政権交代に向けた序幕になるものである。
そのカギが支持政党ナシの無党派層の動向だ。ここ十数年の選挙で自民党を震撼させる結果が出
たのは、いずれも無党派層の反乱によるものだった。89年参院選のリクルート・消費税選挙、93年
衆院選の政治改革選挙、98年参院選での恒久減税選挙---。いずれも自民党が大敗したり、非
自民政権が誕生する大波乱が起きている。
最近の朝日新聞の世論調査によれば、すでに投票する政党を決めている有権者は、自民党が3割
の、民主党が2割、まだ決めていないが4割いる。この「支持政党ナシ」の無党派層の動きがカギであ
る。立命館大学客員教授の福岡政行氏(政治学)が言う。
「有権者の4割いる無党派層のうち15%が政治意識が高い層です。この意識的無党派層が動くと選
挙結果は予想を超える。今回の選挙もその兆候があるのです。私の調査では300小選挙区のうち自
民・民主が接戦になっているが100選挙区。その大半は大都市部や県庁所在地などの1区で、地縁
血縁では投票しない無党派有権者が多い選挙区です。公示後に民主党候補が政権交代のビジョン
現下の諸問題と展望:137
を明快に打ち出せば、自民党候補優勢の予想はオセロゲームのようにひっくり返る公算が強いので
す」
マスコミの事前予測を裏切る大乱は無党派層が起こすのである。
【自民党を20議席減らせば政界は激震】
小泉首相は総選挙で過半数の241議席を目標にしているが、ここ3回の衆院選挙を見ると、93年
223、96年239、00年233で自民党単独で過半数は取れていない。無党派有権者が反乱を起こし
自民党議席を減らすことは、それほど難しいことではないのだ。その時、小泉の修羅場が始まる。前
出の福岡政行氏が言う。
「マイナス20の220議席台だと党内から小泉・安倍の責任を問う声が出ます。完全に冷や飯食い
になった亀井派は選挙で中曽根氏への冷遇もあって反小泉になり、高村、麻生、平沼らを立てて、小
泉方針にことごとく反対するようになる。政権はきわめて不安定になります」
210議席台になれば、公明、保守新党と組んでも過半数ギリギリ。総選挙後の国会での首相指名
で”反乱”が起きると見る向きもある。自民当幹部が言う。
「亀井派の20人前後が欠席戦術を取れば小泉指名は危うくなる。さらにイヤイヤ小泉を支えてきた
橋本派のドン・青木幹雄氏も『小泉は来年の参院選挙の顔ではないわね』と言い出すだろうし、そうな
れば権力の座にしがみつく小泉と熾烈な党内抗争になる。となると来年7月の参院選まで党内はグチ
ャグチャになり、本当に政権交代をさせられるかも知れません」
民主党が一挙に過半数の議席を得ることは不可能であっても、自民党の議席を20減らすことは可
能で、政界は大激動だ。そのためには無党派層の10%前後が反自民候補に投票し当選させればい
い。無党派層の動き一つで日本の政治はガラリと変わるのである。---
以上である。
ところで、当方も余り現政権を露骨に批判したくもないのだが、余りにも当方の警告や提言を無視し
たりしていくところに、危険な亡国の方向を痛感せざるを得ないために、身命を賭して、警鐘を鳴らす
ものだ。事態は今や極めて危険な国家危急存亡の事態に到達しているものだ。のんびりと自己保身
に執着している限界を遙かに超えてしまったようだ。最早、日本の国家破産を目前にして、また売国
奴政策の遂行完成を前にして、更には外資系による日本占領を直視して、止むに止まれない心境で
ある。
既に、能力以上のことを頑迷固陋に実施しようとして、自民党でも政策には猛反対の中で、選挙に
は有利だという単純な理由で不思議にも多大な訳の分からない支持を受けている小泉首相であるが、
その背後には、強力な米国の権力が付いており、膨大な日本からの資金も環流しているのであろう。
単に改革を志向する後継者がいないとかの単純な理由で君臨しているものでしかない。その目指す
構造改革とは、米国に利権を売り渡し、米国が参入しやすいような仕組みに変えるためでしかない。
実に危険な売国的政策と言えるであろう。今や多くの有識者が気付き始めたと言うことであろう。
郵政民営化構想にしても、効率化という謳い文句の背後に、外資系に利権や資産を売り渡す意図
も秘められているように思われる。先の榊原教授も指摘しているが、民営化した途端に不良債権が暴
露発生し、巨額の公的資金が投入されて再度国有化していく漫画チックなシナリオになる可能性もあ
る。何よりも通信の秘密は国家主権に関わることであり、民間経営、特に外資系に経営を明け渡すな
ど以ての外である。それに今は郵政民営化などは最優先課題でもない。目下はデフレ脱却の景気対
策、不良債権処理などが当面する緊急課題なのだ。
道路公団の民営化にしても、世界で何処の国でも道路を民営化しているところは皆無だ。道路は公
共財であり、それを民間に売却して一体何を考えているのかと疑いたくなる。まさか外資系にも売却
する可能性もあるのか。「民間で出きることは民間で」とは、単に効率性だけに注目していけば、確か
現下の諸問題と展望:138
に口当たりが良くて大多数の国民に受け入れられ易いが、ここには「民間で出きることでも、国家主
権に関わることは、例え非効率であっても国家が関与して行かねばならないのである。」それは防衛
でも教育でも言えることだ。経営の効率性の問題ではないのだ。国家主権との関係、国の関与の問
題に対する理念、思想が大きく欠落しているというものだ。
目下、喧伝されている経済特区構想も、本当は規制緩和政策の遂行により全国的規模で適切に実
施するべきであろう。ただ盲目的に無原則的に官僚支配に風穴を開けるだけの単純な理由で実施し
ていけば、外国資本に門戸開放して、外国資本による経済租借地を形成していく政策と何ら変わりは
ないであろう。言うなれば、単なる思い付きの付け刃的な規制緩和の猛進の果てに、日本各地に治
外法権の地域をくれてやるものだ。これも単なる経済活性化と言うよりも、下手すれば外資系租借地
の植民地に道を開くことになるであろう。もっと本質的で抜本的な国土開発の構想を実施していく必要
があるのに、外国から言われたような政策しかできないのも情けない有様だ。
現在、「日本が再度陽が昇る」などと言った趣旨の本が外国研究所により出回っているが、背景や
意図を洞察すれば、案外、こうした外資系の侵出による経済支配からの経済再生を指しているものだ
ろう。即ち、外資系に門戸開放した暁に、当該外資系により、日本経済が再浮上するというシナリオで
あろう。確かに経済だけ見れば再浮上することもあるだろうが、問題はその中身であろう。国家主権を
侵害された上での再生とならなければいいがと懸念するものだ。それに安定的な雇用や前週確保が
図られていくかどうかは予断を許さない状況だ。
さて、某評論家氏が10月中旬の先日、都内某ホールで講演したそうだ。その講演内容では、「小泉
構造改革の中身」として、アメリカでのブッシュ対小泉会談の中身(=約束)がアメリカの雑誌に掲載さ
れたと言う。彼は深刻な米国による本音を吐露し、日本買収を指摘し警告を発したが、ある程度真理、
真実を突いているものだ。そして多くの聴衆はその愛国的言動に感動し魅惑し拍手喝采を送るわけ
だが、彼は何も真の愛国者でもなく、むしろ米国の代弁者である。
一説によれば米国CIAのスパイではないかとも指摘されているようだ。換言すれば、家畜と言う日
本の立場に立って言っているのではなく、家畜を屠殺する牧場主の米国の立場で、換言すれば、家
畜を追い立てるシェパードの側で、米国の代理人として言っているのではないかというものだ。こう考
えれば解りやすいとも一有識者から指摘されている。それでも日本人への良心の呵責からか、警告・
警鐘を鳴らす動機や目的、意義を越えて、既に米国の日本占領支配を完了したが故に、自信を持っ
て堂々と愛国者気取りで、無知盲目の日本人への哀れみの言葉で真実をある程度暴露しているもの
ではないかと懐疑されているようだ。
なお、イラク戦争に際しても、彼は露骨にアメリカの戦争経済への誘導を指摘し、その陰謀や野望を
暴露している。これは別項で紹介するが、自作自演のテロ撲滅の戦争に世界を駆り出していく魂胆で
あろうと指摘するものだ。正に巨大な軍事産業の復活再生であり、米国の中近東からユーラシア大陸
全体に広がる覇権の確立である。
彼の可成り真実を付いている話を聴いた者の情報から、当方独自の解釈を加えて分析して適当に
まとめると次のようになろうか。
『小泉構造改革とは日本を米国に売り渡す売国的政策だ』
小泉構造改革とは---
1)三角合併
現在のNY株式ダウは1万ドルで、東証日経平均は1万円。その差は100倍、即ち、アメリカ企業の
株価は日本の企業の100倍であり、アメリカは自国の株券を印刷すれば、日本の企業を簡単に購入
できると言うものだ。そこで現在は外国企業に解禁されていない企業買収を法制化して、簡単にソニ
ーもトヨタも簡単に購入できるようになると言うものだ。ただ日本企業は防戦のために日銀からお金を
現下の諸問題と展望:139
借りるしかないが、その日銀のオーナーとはロスチャイルドであり、その配下にいるのがロックフェラ
ーなのだ。この企業合併を容易にならしめる手段が三角合併である。なお、三角合併に関してはとは、
以下を参照。
http://www5.cao.go.jp/keizai1/2002/1121tainichi/1121item3.pdf
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/keizai/kanwa/hokoku_1_2_9.html
http://busuibon.at.infoseek.co.jp/ronbun/shoho/genkingappei.htm
2)教育改革
アメリカの大学が学校法人でなくても日本国内に学校を設立することができる。アメリカ大学の進出
に政府が補助金を拠出して支援すると言う。アメリカの偉大さを教育し、日本国内にアメリカ人を育て
るのが目的だ。そのための教育基本法の改正でもあるようだ。
3)医療改革
アメリカ医療機関の日本国内での活動を認める。医療は国の根幹であるが、他民族に国民の命を
預けることになるのだ。医療が崇高な人命救助の仁術なんて思っている者は極めて少ないであろう。
現実は医療は金儲けの手段であり金術の支配するものに他ならない。事実、アメリカの医者は、目の
前で死にそうな人がいても自身の身の安全のために治療はしないのが常識になっている。万一、治
療して救助すれば、経営委員会や裁判で負けて多額の損害を蒙るのが落ちだ。日本の医者ならほぼ
間違いなくこれを助け、表彰されることはあっても損害請求されることはない。アメリカの医療機関が
日本の病院にM&A攻勢を掛けてくるようだ。M&Aが露骨すぎて購入できない病院に関しては、病
院業務をアウトソーシングする行政指導を行なうようだ。
4)デューデリゲンス・コスト(会計監査)
公認会計士改正法により、アメリカ式の会計監査への切り替えを図るつもりだ。日本は現在に至る
まで一貫して長期決算に終始してきたが、とうとう単年度決算への変更をしていくようだ。目先の株価
に一喜一憂することが経営者に求められるようだ。そうなれば、短期に利益を上げることばかりを優
先するような経営に転換させられるものだ。また年功序列と談合による和の精神になる日本型共産
主義から、アメリカ型能力主義への変更へと止めの一撃を刺されるであろう。現在のアメリカは弱肉
強食の結果、毎年、5~700万人がダンボールの中で死亡しているのが実体だ。
5)産業再生機構
公的資金を注入する小泉構造改革の柱として、企業の債務(買掛金など)を債権化し、産業再生機
構が債権をまとめる、そしてスポンサーに債権を分散して売却するという。このスポンサーとはアメリ
カの禿鷹ファンドに他ならない。なお、リップルウッドの長銀買収は、数兆円の企業を株券を増刷した
10億円で購入し、向う2年間赤字が出た場合は、日本政府が負担という瑕疵担保条項を付けられた
ものだった。アメリカの企業がハゲタカファンドなどと揶揄されないよう、日本政府は広報・教育を行な
うと言う密約もあるようだ。そして5年間ほどでアメリカの投資を5倍にする予定だ。現在、東証1部投
資額は50兆円だから、5年では250兆円となろう。ところで、現在の東証1部全企業時価総額は30
0兆円だから、どれほど凄まじい外資の侵入であるかが予想できるだろう。
6)グリーンフィールド投資
グリーフィールドとは、水田・林野・緑野のことであるが、アメリカ企業によるグリーフィールドの買収・
投資を開放する計画だ。地方自治体が外資を受け入れる場合、国は補助金を出す予定とも言う。日
現下の諸問題と展望:140
本全国に経済特区を創設する。先ほどの経済特区構想が正に外資系のためにあると言うことだ。そ
こで外資に対する反感・誤解を解消するためのPR活動を日本政府は行なうと言うことになっているよ
うだ。
以上の約束を履行するための74法案中、90%は既に成立し、今後3年間で実行する計画だ。これ
は米国ブッシュ大統領と小泉総理大臣との確認事項であるようだ。これらの施策は、2005年以降、
所轄大臣の許可がなくとも履行できる永久法とする予定だ。なお、推進する担当大臣の竹中平蔵氏
は、1983~88年にアメリカのシンクタンクに所属していたものだ。85年のBIS規制は、そのシンクタ
ンクが提言し履行されたものである。小泉首相は竹中売国的教祖に完全に洗脳感化され、竹中教の
熱烈な信奉者となっているようだと酷評している。実に恐ろしいことになっているのが現在の日本の状
況なのだ。
なお、当方は既成権力を解体するのならば、小泉首相でも仕方ないかと一時は思ったが、余りにも
米国の利益に従属で忠犬ポチ公みたいに振る舞う売国奴的政策であり、独自の創造性にも欠如して
いく中で、米国に付け入られる隙を与えていくきわめて危険な存在になってきたようだ。さりとて民主
党では、憲法や靖国神社、教科書問題、ジェンダーフリーなどの国家観、家庭観、教育観、歴史観な
どが全てに亘って、亡国的政策を痛感せざるを得ない。脱官僚だけは支持できるが、全く両者には失
望する限りだ。恐らく有識者の大半が虚脱感、無力感に苛まれているのではないだろうか。
追記12: 田中真紀子氏の復活登場の背景は如何に(2003年11月22日)
田中真紀子氏が自民党を離脱して無所属で当選し、民主党と統一会派を結成したが、これは小沢
一郎氏が智恵を与えて担ぎ出したと言うのが真相だろう。小沢氏こそ、田中角栄氏の墓前に毎年参
拝し、角栄氏を心より崇拝する人物であるという。しかしながら、当時は田中角栄氏を裏切って竹下と
共に経世会に走った人物であるのも真実であろう。またロックフェラーの配下であり、国連中心主義を
唱える背景には、日本を国連に従属させる思想の持ち主であり、一見、愛国者ぶっているが、真の国
益を追求し民族的思想の持ち主であった田中角栄氏とは似ても似つかぬ思想である。一体何時から
変身したのであろうか。つい最近変わったと言うが、果たして何処まで本物か。
この小沢一郎氏が田中真紀子氏を担ぎ出し、将来は日本発の女性総理にすると言う野心を抱いて
いるようだ。それも単に彼女を利用して支配すると言うことであろう。むしろ自分が描く日本改革に向
けて、彼女の新鮮さや個性の強烈さを利用すると言うことであろうか。当然に管直人を見限り始めた
と言うことであろう。今回の総選挙でも、既に管直人氏率いる民主党執行部に対して批判的見解を表
明し始めたようだ。
選挙中に管直人氏が、選挙カーの上で、小沢氏と何の事前の相談もなく、小沢氏を副総理として迎
えるなどと言及したことに対して、こんな重要なことを選挙カーの上で話したり、影の内閣名簿を選挙
後は解消したりすることに対して、管氏の選挙対策の目先の打算的な思い付き発想に頭に来たらし
い。それに余りにも民主党の甘ちゃん連中に嫌気を差したと言うことだろう。最終的には国家観や憲
法観が全く正反対で和解できない限界を感じたのであろう。しかし、そういうことは既に解っていたこと
ではないのか。
矢張り最初から民主党を解体するのが目的であったように思われる。管直人氏を高く持ち上げて、
政権交代できなければ、潔く責任を取るぐらいの覚悟でと連発していたのも、既に管氏を追い落とす
計画であったのであろう。今回も選挙戦を大勝利とする管執行部と、自民党と大差がある結果では政
権交代など夢であり、敗北であると総括する小沢氏では既に相容れない仲となってきたようだ。管執
行部の責任を追求するのも既に計算済みであろう。それに代わる顔として、無所属派では国会での
単独質問が出来ないとか、議案提出権がないとか言って、真紀子氏を説得して担ぎ出して民主党と
現下の諸問題と展望:141
提携して組み入れ、自分のために利用し始めたと言うことであろう。
情報筋によると真紀子氏と小沢氏が一緒になれば田中角栄氏が誕生すると言うことであるが、そう
簡単には行かないだろう。真紀子氏の天才的直感と、小沢氏の天下国家の思想や構想とが合体化し
ても、それだけでは田中角栄が誕生はしないであろう。一体何が欠落しているのであろうか。それは
情であり、人望であり、苦労というものであろう。たった1年半ぐらいの謹慎蟄居では苦労などは身に
付かないものだ。それも年齢の行かない若い時ならいざ知らず、現在の年齢で多少攻撃され下野し
たぐらいで、人の心が真底から解る苦労など身に付かないと言えよう。周囲から反感を買うような人
格では、人望など有り得ない話だ。
田中真紀子氏も、ニュー真紀子と謳ってはいるが、果たして周囲の嫉妬や怨念を跳ね返していける
のであろうか。当方は田中角栄氏を最大限に尊敬しているが、その家族は案外に部分的に似ている
ようで、肝腎な本質的なところで似ていないものだ。家庭の主婦がしゃしゃり出て来るというのも、歓迎
できない。皆が真似する社会的影響も由々しきものを痛感する次第だ。自民党を解体する原動力ぐら
いしか期待できないものだ。それでも再登場する価値や意義はあるようなので、今後の成り行きを見
守るようにしたい。
今回の選挙を通じて、最早、自民党は公明党に乗っ取られたとも言えよう。そして創価学会の世話
になって当選した自民党員が数多く存在する中で、今や、創価学会党による政界支配が顕著になっ
てきたようだ。自民党と公明党との分裂、そして民主党と小沢自由党との分裂が次第に現実味を帯び
ていくようになるだろう。何れにしても小沢氏と田中真紀子氏との連携により、政界大編成を仕掛けて
いくように思われる。真紀子氏が言及していたような新党結成も、既に小沢氏と話が付いていたと言う
ことであろう。
なお検察側が田中真紀子氏を不起訴にしたのも、同じような犯罪という割には社民党の辻本氏と比
べてその告訴立件の正否の相違がよく解らないのも大方の感想だろう。何か10月5日前後に大きな
変化があったと見るべきだろう。闇の権力が働き掛けて、田中真紀子氏を解放して日本政界の再編
を仕掛けたと見るべきだろう。とすれば闇の支配権力は、自民党政権を解体するために行動を開始し
たと見るべきだろう。
24.インフレターゲット論(2001年9月20日)
20世紀後半から世界をリードしてきたインフレ傾向の経済が、20世紀末の1990年代頃からのバ
ブル経済の崩壊の日本に端を発して、今や21世紀に入ってから世界的なデフレ経済に波及して来
た。しかも70年前の松方デフレと大きく異なって、今やグローバル経済下で、国境の消滅による経済
統合が進む世界的なデフレであることに、歴史的認識の大転換が必要だ。日本一国だけの金融鎖
統合が進む世界的なデフレであることに、歴史的認識の大転換が必要
だ。日本一国だけの金融鎖
国的政策によっては解決できないものだ。
このデフレは経済規模の縮小(物価下落、賃下げ、生産縮小等)をもたらしていくもので、最後には
恰も「筋萎縮症」のように心臓の筋肉をも止めてしまう死に至る病であるが、次第に日本から欧米へ
と全世界に波及して、日本以上に深刻化していき、世界経済の大混乱から資本主義経済の崩壊をも
たらしていくことであろう。このデフレ傾向は、グローバリゼーションの完全な終焉、即ち資本主義の
崩壊の2010年頃まで、実に今後、10年ぐらいは継続するであろうと思われる。なお、グローバリゼ
崩壊の2010年頃まで、実に今後、10年ぐらいは継続するであろうと思われる。なお、グロ
ーバリゼ
ーションの終焉、資本主義の崩壊への始まりの兆候は2005,6年頃から現れてくることだろう。
追記:
追記: デフレ経済の行き着く先は(2002年11月10日)
目下、凄まじい勢いでデフレ傾向が蔓延し、一部で泥沼化のデフレスパイラルに陥って来たという指
摘もあるようだ。デフレ現象は、日本のみならず、欧米へと世界中に浸透しつつあるようだ。そこで、
日本では、デフレスパイラル解消の秘策として、インフレを待望するべく、調整インフレとかインフレタ
現下の諸問題と展望:142
ーゲット論が表面化しつつあるようだ。デフレ下で構造改革は成功した例しはないとかの意見も、一
見、説得力を持っているように見える。そして、戦前のある時期においても同様なデフレ経済の危機
の事例があったようだ。しかし、国際環境や国内環境は、当時とは大きく異なるとも言えよう。今やグ
ローバル経済下でのデフレなのである。70年前の松方デフレに見られるような過去の一国の閉鎖的
な経済下での状況とは大きく異なると言えよう。
ところで、デフレ下の物価下落の状況では、消費者の消費マインドが萎縮し、経済が縮小していくの
が理由であるようだ。しかし、物価下落により消費者の生活は実質的には楽になり、それほどの不況
感はないようだ。ただ企業はコストを切りつめるべく、リストラを断行せざるを得ないが、元々の高コス
トな社会や組織を国際競争に合わせて、構造改革を断行していくのは時代の要請でもあり、むしろ、
規制を緩和したり、新しい産業を創造したり、開発して雇用を吸収していくことの方が大切であろう。正
に、デフレの真の原因を考慮して除することなく、安易にインフレを政策的に誘導するのは邪道であろ
う。デフレの真の原因を早急に突き止めての、総合的な対策こそが現在に求められていると言えよう。
つまり、現在のインフレターゲット論や調整インフレ論とは、言うなれば、高熱の患者に対して、高熱
の原因を取り除かないで、安易に頭や身体を氷付けにして冷やすと言った発想や手法にも近いであ
ろう。熱は下がったが患者が死亡したと言った結果になりやすいと言えよう。今正に、デフレの真因を
直視し、それを解消する形でデフレに対処していくことが期待されているのである。また、目下の経済
不況の解決策として、当方が提唱する新日本列島大改造の実践こそが不可欠となってきたようであ
る。
ところで、現在、物価は1990年の(平成2年)のバブル崩壊時点をも通り越して、1980年代の後
半にまで逆戻りしてしまったようだ。当方は既に、1980年代前半の時点で、余りにも賃上げ運動を展
開する労働運動に対して、これでは企業側に賃上げ分が製品価格に転嫁され、最後には、高コスト、
高負担の社会を現出し、労働者自らの首切りにまで行って、自分で自分の首を絞めるような結果にな
るであろうと危惧していたものである。事実、そうした状況になってきたようである。賃金と物価のどち
らが鶏で卵か解らないと言う異論もあるだろうが、賃上げが先で物価上昇が後から付いていったので
あろう。
現在の日本は、世界的にも際立って、高コスト、高負担、高賃金の社会構造になってしまったと言え
よう。これでは国際競争力の回復などは不可能であろう。事実、一流企業の部長クラスの給料は米国
大統領並である。国内で地価が幾ら安くなっても人件費が高いために、多くの企業は海外に逃亡して
行かざるを得ない状況である。その傾向は今後とも一段と加速化されていくことであろう。デフレなら
ばそれに併せて年金や賃金、給料、人件費等の支出を大幅にカットしていくべきであるが、一向にそ
うなっていない分野が余りにも多い。
さて、現在のデフレ状況はなるべくしてなった環境を、今、改めて思い起こす必要があるであろう。思
えば、東西冷戦の終結と共に、1990年のベルリンの壁が崩壊して、東西ドイツが統合された際にも、
人、物、金の流通が自由になり、賃金コストや物価が高い西ドイツでは、逆にそれらが極端に安価な
東ドイツからの影響により、凄まじいデフレ圧力に苛まれていった。一方、東ドイツでは、逆に賃金の
高騰、物価の上昇傾向に拍車がかかって、インフレ傾向に拍車がかかって行ったようだ。ちょうどそれ
と同様の現象が、目下のグローバリズムの進展と共に、我が国にも到来していると言った認識が必
要である。
即ち、国境が消滅するほどのグローバル経済下の下で、先進諸国の産業や技術が資金が、安い労
働力を求めて国外に脱出して、国外から安価な製品を日本に向けて大量に輸出攻勢を掛けて、そし
て国内産業の空洞化を増大していけばどうなるであろうか。換言すれば、高コストや高負担の日本と、
中国や東南アジア等の低コスト、低負担、低賃金の国家社会との統合が経済面で進展していけば、
一体どうなるかは自明のことであろう。そうした国際環境の下で、目下、日本を始め、先進諸国は凄ま
現下の諸問題と展望:143
じいデフレ傾向が強まっているとも言えるのである。
そうした観点を抜きにして、何も構造改革をしないで、再度、高負担、高コストの社会構造に戻せと
言うのは、正に時代に逆行するものでしかないであろう。それに年率2%程度の目標値のインフレタ
ーゲットを設定してインフレを政府が誘導しても、歯止めが無くなり、何時、ハイパーインフレに突入す
るかも知れないのである。またインフレによって得するのは不良債権を多く抱えた金融機関であるし、
財政赤字に苦しむ政府や地方自治体に他ならず、大きく損をするのは国民自身である。それに国際
競争力を構築して行かねばならないのに、これでは世界に大きく取り残されて行かざるを得ないので
ある。
某経済評論家などに至っては、今時の資産デフレによる債務負担を軽減するためか、所得を増加し
て消費を煽れば景気も回復するなどと言っているが、インフレ経済下での発想でしか有り得ず、現在
の深刻なデフレ経済下での対応が何も理解できないでいるようだ。所得を上げると言うことは、給料を
上げると言うことであり、住宅ローンに苦しんでいる階層には効果的かも知れないが、国際競争力に
苛まれている企業にとっては、とんでも無い話であろう。ただでさえ、低賃金の中国などに工場を移転
させて国際競争力を求めて事業展開しているのに、賃上げなどしたら、益々、企業が海外に逃避して
国内経済の空洞化を招き、雇用環境の悪化に拍車を掛けることになるであろう。デフレ経済下では、
債務者にとっては酷かも知れないが、一般的にはむしろ賃下げをするべきであろう。
また、目下、国債の新規発行枠を30兆円に抑えるかどうかで議論が沸騰しているが、確かに景気
の振興やデフレからの脱却のためには、国債の増額発行は魅力的であるが、しかし、これ以上の国
債の発行は、財政の専門家も指摘しているが、国債の暴落をもたらし、金利が上昇し、経済がめちゃ
めちゃになる限界なのである。あっと言う間に、インフレからハイパーインフレに火が付き、恐慌状態
に突入していくことであろう。どうしてもこれ以上国債を発行できないジレンマにあるようだ。最早、重
ねて言うが、当方の提唱する世界最大の未利用資源の火山灰を活用した「新日本列島大改造の実
践」にしか活路を見出すことは出来ないであろう。勿論、古くなった社会全体のシステムの大改造とし
ての構造改革をしていくことが大切なのは言うまでもない。
なお、当方はインフレ調整論を完全に否定するものではない。いやむしろデイスデフレ政策と言った
方が良いかも知れない。兎に角、70年振りの高橋是清以来のデフレ脱却としてのインフレを起こす
政策を実施するにはあまりにも時代環境が異なっているのである。金利が限りなくゼロに近いのにも
かかわらず、資金需要が起きずに、多額の資金が行き場を見失っているのが現状である。そして銀
行の貸し渋りが一向に解消していないのも大きな問題である。
公的資金を銀行に注入して資金が中小企業に回転し得るような環境を作っても、当の銀行は資金
を民間の中小企業に回さずに、国債を購入しているような有様である。まるでタコが自分の足を食べ
ているようなのが実体である。そうした観点から、インフレを起こしても債務が帳消しになるというメリッ
トがあるかも知れないが、景気を向上させるように資金需要が円滑に働いて行くようにはならないで
あろうと思われる。
それにゼロ金利を良いことにして、ユダヤ系を中心とする国際金融資本が、安く日本から資金を調
達し、それを欧州や米国に投資して利ざやを稼いでいたり、日本の不動産を買い占めている有様で
ある。日本の銀行にしても公的資金の注入の趣旨をはき違えて外国人投資家に資金を貸しているの
も由々しき問題であろう。税金を銀行に投入するのは、中小企業に資金が行き渡るようにするのが目
的の一部であったはずであるが、銀行は利益のみを追求するあまりに、国際ユダヤ資本に資金を提
供するに至っているのが実体だ。日本のゼロ金利と欧米の数パーセントの金利の利ざやを稼ぐため
に、銀行が協力するのは利益追求のためとは言え、背信行為でもあろう。
それではこうした諸々も問題を解決するためにはどうしたら良いのかと言えば、グローバル経済を
脱却して、固定制相場に戻って、資金の流出を防止するべく鎖国体制を構築して行くか、国際競争力
現下の諸問題と展望:144
を回復していくかして、外国からの安価な製品の流入を排除し、そうしたデフレ圧力を制限して、産業
の国内空洞化現象を停止させ、そして多額の資金の投資を呼び込むような国家的なプロジェクトを立
ち上げて、正に新たな産業技術革命を起こしていくことが必要であろう。即ち、内需の喚起を国家政
策的に実践することであろう。
投資を喚起させることのないままに、紙幣のみを増刷しても、債務の帳消しや不良債権の一時的な
解消にはなっても、そのうちインフレに火が付き、あっという間にハイパーインフレと化して国民経済
が崩壊していくことであろう。それ故に、国民の需要を促進させるような、即ち、内需拡大を図るような
政策の展開と共に、デイスデフレ政策と言った方が良いかも知れないが、インフレがやむを得ずに生
じるならば仕方ないであろう。単なる紙幣の増刷では混乱を引き起こすだけであろう。もっとも政府に
よる大量の国債発行では、単なる市中の資金の回収乃至環流であり、日銀の紙幣発行と性格が大き
く異なるもので効果が半減することは否めない。
日銀による紙幣の大々的な発行ではなく、政府による大量の国債発行では、大々的な景気回復に
火が付けば、あっという間に金利が上がり、国債価格が急落し、インフレが加速する危険があることも
視野に入れておかねばならないであろう。目下は景気が低迷している故に、ゼロ金利で資金が余って
いてもインフレにはならずに極端なデフレで何とか経済が保っているのである。景気振興とインフレ、
景気低迷とデフレ、これらは紙一重であることを忘れてはいけない。従って、景気対策よりも、経済の
グローバル化に併せた国内産業や社会の様々な構造改革を促進させて、国際競争力に耐えうる社
会にしていくことが優先されるのである。このままの国内外の環境では、3,4年後の2004,5年頃の
国家破産以降も続き、このデフレ傾向は今後10年間ぐらいは継続していくことであろう。逆に言えば、
10年後になって始めて国内外の環境が変化してデフレ傾向が終焉して行くことであろう。実にその時
がグローバリズムの終焉とも言えるであろう。なお、別項で指摘するが、グローバリズムの終焉の始
まりは4年後の2006年頃であろう。
ところで、ここに来て、米国同時多発テロ事件の発生により、米国経済は戦時経済に突入していく傾
向が強まり、至っては世界的な同時不況から同時恐慌にもなっていく感がする。緊縮財政の政府の
政策も一辺に吹き飛んでしまうことになるであろう。言うなれば、米国の戦争遂行、経済復興のために、
日本が財政負担を迫られるからである。ただでさえ、公共工事を大幅な削減に対して、今度は米国の
ために大幅な出費を余儀なくされて、大増税や国債の大量発行に道を開いて行くことになりかねない。
いやでも、インフレ傾向に拍車がかからざるを得なくなるだろう。なお、公的債務や不良債権を一挙に
解決する方向として、他には新円切り替えによるデノミ政策も陰で密かに財務省当たりで検討されて
いるようだ。
当方にとっては、正に国家社会の崩壊前夜であり、新しい国家社会の改革を目指した環境が整い
つつあることは、皮肉なことながら別の面では歓迎すべきことかも知れないと言えよう。最早、ある程
度の改革は進展するかも知れないが、基本的且つ根底的で根本的な国家社会の改革においては、
あらゆる面に亘る改革が、その実行の前提として国家社会が崩壊しなければ不可能になってきたの
も事実である。
最早、土台が腐った家屋とでも言える国家社会の再建には、国民意識の大変革が必要であり、崩
壊こそが真の創造的な改革を可能にしていくことになってきたようだ。これは幾多の歴史的な教訓で
もあると言えよう。ただ相異する点は、戦いをして勝ち取るような革命ではなく、自然の崩壊をゆっくり
と待つことによる神仕組みによる自然の流れによる改革となるであろう。ここでも、当方は提唱する火
山灰活用の新素材による「新日本列島大改造の実践」しか解決策が無くなってきたようである。
追記: デフレ経済の行き着く先は(2002年11月10日)
目下、凄まじい勢いで世界的なデフレ現象が進行しつつある。デフレ経済はこれまで全く想定していな
現下の諸問題と展望:145
かったもので、現在の経済システムの殆どはインフレ経済を想定して組み立てられたものだ。デフレは、
周知のように、物価(資産価値)下落、過当(安売り)競争、賃下げ、労働強化を伴い経済規模が次第に
先細って縮小し、社会全体が疲弊していく現象と言えるであろう。この期に及んで、未だに、世界中から
安価なモノが購入できて物価が下落すれば大変結構ではないかといった些(いささ)かまともに見えて真
実が解っていない旧来思考の経済学者も多いようだ。
これから購入するモノの価格が下落すれば申し分ないが、既に購入したモノの価値が下落する、所謂
資産デフレが大きな問題として浮上してきているのである。その結果、住宅ローンを組んでいるような
人々は、見る見るうちに担保価値が下がって、負債が大きく膨れ上がって行き、賃金収入の減少に対し
て、支払い負担が追い付かないと言った状況に追い込まれていくものだ。
今や、日本やドイツのみならず、世界的デフレ現象の中で、中国でも過当競争に追い込まれて大した収
益向上が見込まれない中で、日系企業を始め、世界中から進出した企業が呻吟しているようだ。安売り
競争、過当競争が行き着く果ては、共食い・共倒れであろう。労働者も消費者である面、一方では生産者
である。賃下げ圧力が加わり収入が上がらない中で、資産デフレに追い込まれている結果は、個人も企
業も膨大な不良債務・債権の山を築くことに至るものだ。
既に、銀行が抱える100兆円から200兆円とも言われる大量の不良債権は、正にデフレ経済の影響
が次第に社会問題化、政治問題化してきたものだ。最早、米国がかつて経験したような中小企業が大多
数を占めていた不良債権とは大きく異なって、現在の日本の不良債権は、大企業が保有しているもので、
しかも金融の心臓部を担って産業の中枢機能を果たしている巨大銀行群が保有して破綻し機能不全に
陥っている状況だ。
こうした中での不良債権処理の加速化は、企業倒産、失業者の増大などから大恐慌を招来していくも
のと言えよう。今や、不良債権絡みの企業は膨大な数に上り、経済規模が余りにも大きく成りすぎた。既
に処理の限界を突破し極めて危険な危篤状態下での大手術となるもので、大波乱を防止するためにも
大手術は回避し、不良債権は凍結して行くべきであろう。こういう状況で推移しても、ソフトランデングを取
ろうが、ハードランデングを取ろうが、結果的には同様なものであり、破局の時期の先送りに他ならず、最
後は経済的廃墟が待ち受けているものだ。
即ち、資産デフレの行き着く先は、貸し渋りや貸し剥がし等の資金引き上げによる倒産や退去で空き家
になった建物が続出し、景気の後退局面下では売るに売れない状況に至り、建物や住宅の廃墟のゴー
ストタウンが現出してくるであろう。正に、空き家同然となった近代ビルが林立する下で、多くのホームレ
スが満ち溢れる光景の社会が現れてくるだろうと予想される。現在の可成りの資産家や宗教団体などに
しても、ペイオフなどとも相俟って最後には相当の資産も消えていき、組織・勢力も崩壊していくことにな
るだろう。
現在のデフレ不況は、眼に見えない不況、即ち、不況の実感なき不況であり、痛みのない安楽死を迎え
つつあるのが実状だ。実に、単に死期を遅らせるだけの無意味な手術ばかりだ。改革の必要性も痛みも
実感しない中で、改革論議ばかりが氾濫して実効性がなく、静かに死を迎えていくものだ。最早、万策尽
きて、デフレは回復出来ない死に至る病であることが次第に解ってくることであろう。即ち、デフレは通貨
システム経済・資本主義体制の崩壊と共に最終的に終息するものだ。そしてその先にこそ、主役が大きく
交代して、新しい国家社会の建設に向けた歴史的な大事業が待ち受けているものと言えよう。
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