WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1802号 2008年(平成20年)12月1日 月曜日 (1) WING DAILY 【HEADLINE NEWS】 ★ANAに成田−デンバー開設を要望Ă10年就航期待 デンバー空港社長来日ĂANAĂNAAと話合い進める 米国デンバー国際空港は、成田ーデンバー線の開設に向け て、全日空(ANA)、成田国際空港会社(NAA)と話し合い を進めている。ANA、NAAとの成田−デンバー線の開設を話 し合うために、このほど来日したデンバー国際空港のキム・ デイ社長は、本紙取材に対して、「ANAとの交渉は順調に進 んでおり、早くて2010年、おそらく2011年には成田−デン バー線に就航してくれると信じている。ANAは来年の冬頃ま に決断するとしているが、非常に前向きに検討してくれてい る」と述べ、今回の来日でANA、NAA関係者のデンバー訪問 を要請する。 デイ社長によると、ANAと成田−デンバー間の旅客需要と 貨物需要などについても市場調査を進め、旅客便とともに貨 物便の就航の可能性なども話し合っているという。デイ社長 は「デンバー国際空港は新しい空港で、ユナイテッド航空、 スターアライアンスのハブ空港として米国のゲートウェイに なっており、米国内150の主要都市に約2時間でアクセスでき る」と述べ、北米のハブ空港としての利点を指摘した。 ANAは来年度中に成田−デンバー線の就航の可否を決断す るみられるが、デイ社長は来年度中に実現しなくても、2010 年度以降の就航に向けてANAと粘り強く交渉を続ける意向を 示した。 デイ社長はANAとの交渉について、「この業界は非常にダ イナミックに変化し、航空会社は常に議論を重ねている。デ ンバーは過去数年に渡り、交渉の機会を持っており、デン バーに訪問してくれるように呼びかけている」と説明した。 デイ社長は、ANAが現在ボーイング社に発注しているB787 ドリームライナーについて、「燃費の良い長距離路線も運航 でき、約200席の総座席数はデンバーの市場規模に適してい る」とし、ANAにB787型機による成田ーデンバー線就航を要 望している。 デイ社長はNAAとの話し合いについては、「非常に前向き で、成田ーデンバー線の就航をめざすことで意見が一致して いる」と述べた。デンバー空港と成田空港は、同じスターア ライアンスの航空会社が乗り入れる空港として、旅客の乗り 継ぎの利便性向上や最終就航目的地の拡大などのメリットに ついて話し合い、双方が協力することで合意しているとい う。 さらに、デイ社長は成田ーデンバー線就航を切望する理由 について、「日本との直行便就航は、コロラド州のビジネス 発展のために非常に重要」と述べ、成田−デンバー線の就航 実現で、コロラド州と日本・アジアのビジネス促進を期待す る。コロラド州政府は、州を挙げて産業の育成に取り組んで おり、観光業のほか、バイオサイエンスや再生可能エネル ギー、IT産業の研究および企業誘致に積極的に取り組んでい Airline & Aviation E-mail News 発行所 航空新聞社:W I N G D A I L Y 編集部 〒1 0 7 - 0 0 5 2 東京都港区赤坂 4 - 8 - 6 赤坂余湖ビル3 階 TEL(03)3796-6647 FAX(03)3796-6643 URL=http://jwing.com [email protected] 購読料半年33,600円年間63,000円(消費税含む) る。 デンバー国際空港はユナイテッド航空のハブ空港だけに、 UALによる成田−デンバー線の可能性が高いと思われたが、 コロラド州政府、デンバー空港側はANAの就航を期待してい る。 ANAでは、コロラド州政府やデンバー国際空港側から成田 −デンバー線の開設に向けて話があったことは認めている が、現状の日米間の航空需要で、新たに航空路線を開設する ことは難しく、成田北伸と羽田国際化以後の2010年以降の需 要動向を見てからになるとの見解を示している。 以前から日米間の新地点としてデンバーは候補に挙がって いるが、海外渡航需要の低迷に加えて景気減速下の現状で は、ANAがデンバー線を開設するには経済環境、旅客需要の 好転が必須条件となろう。 【航空関連ニュース】 ★NAA、10月航空旅客・貨物数とも低迷 2008年は開港30周年迎え大きな節目に 成田国際空港会社(NAA)は11月28日に行った定例会見 で、2008年10月の空港運用状況を発表。 航空機発着回数は、ほぼ前年並みで大きな変動はなかった が、国内線の発着回数は前年同月とは2%減で98%となった が、旅客便は1%増だった。 しかし10月の航空旅客総数は、7%減の279万6379人。国 際線は270万2717人で6%減となり、日本人が143万3276人で 10%減、外国人が76万7547人で6%減。国内線は9万3662人 で12%減となった。 今回発表を行ったNAAの平山由次郎常務取締役は、今回の 航空旅客数の2%減は、2007年10月のその他便が機材調整に よるフェリーが多かったためで問題はないが、航空旅客数に ついては相変わらず厳しい状況としている。 航空旅客数については、10月1日は中国建国記念日の国慶 節であり中華圏の旅客需要の高まり、10月中旬から始まった 急激な円高による日本人の出国者数の増加、10月26日から冬 ダイヤ運航の開始など、航空旅客数の増加を見込んだが、さ ほどの影響はなかった。 航空貨物数も、例年10・11月にはクリスマスや年末商戦、 ボジョレー・ヌーボーの輸送などにより、需要が増加する時 期ではあるが、景気悪化への変動などを受けて9月並みの横ば い。給油量は機体のダウンサイジング化が進み、1機当たりの 給油量は減少しており、前年同月を下回る結果となってい る。 誰もが楽しめる空港としてソフト面を強化 初日の出フライトを初めて実施 また、NAA10大ニュース2008として、2008年の主立った 出来事を発表。この中でまず、開港30周年を迎えたことを挙 WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1802号 2008年(平成20年)12月1日 月曜日 (2) げている。平山常務は「2008年は成田空港として開港30 周年記念という、非常に記念すべき節目の年。今後も“日 本の表玄関は成田だ”という認識を日本だけでなく世界中 に認識されるよう、成田を利用してよかったと感じる取り 組みをやっていく。滑走路の北進工事が完了し、発着回数 22万回達成以降の話だが、『成田国際空港都市づくり推進 会議』の試算では、年間30万回まで拡大可能。地域住民と 協力し、達成が実現できれば、今後ますます増大するであ ろう国際航空需要に対応した豊富なネットワークを有する 国際拠点空港として使命を果たすことができる。また空港 周辺地域と運営委員の関係を構築できる大きなチャンスと 考えている」と、より利用者や周辺地域に歩み寄る空港の 変革について意欲を示した。 そして、着実に整備が進む空港のハード面だけでなく、 ソフト面でも魅力を高め新しい成田空港をつくろうという テーマの下、実施されるのが、成田で初の試みとなる初日 の出フライト。 これはNAAと空港内関連企業が協力しオアシスプロ ジェクトというチームを2008年7月末に組織し、現在NAA の若手社員約20人によって検討してきた結果実現可能と なった。旅行する乗客が楽しめる空港、旅行者以外でも空 港に魅力が感じられる空港、そして空港の従業員が誇りを 持って働くことができる空港を目指してチームがアイデア を出し合い活動している。 この初日の出フライトはオアシスプロジェクトの第1弾 として実施。成田では初めて。初日の出、初富士を拝み、 フライト後も希望者には空港の見学ツアーなどを企画、募 集はすでに完売している。 資本規制はあってしかるべき 民営化は各施設工事完成に合わせて 平山常務は、国交省と内閣府主催の空港インフラ研究会 で、完全民営化後の資本・行為規制については、正確なこ とはまだ分からず、なんとも言えないとするも、空港は公 共性の高いインフラ設備であるから、当然一定の割合での 規制、大口規制などはあってしかるべきとし、「完全民営 化段階論などが出ているが、民営化を生かした形での自由 度のあるバランスのよい規制の中で、よい空港をつくって いきたい、とコメント。 行為規制についても、必要であれば意見を述べ、国際競 争力のあるよい空港にするための道なら受け入れるとまた 研究会が12月11日にまとめる中身はまだはっきりしてい ないが、NAAではいつでも民営化できるように準備を 行っており、その際の望ましいタイミングは、平行滑走路 の2500メートル化、羽田−成田の新たな鉄道アクセスの 開通などに合わせるなど、株価が上がるなどが予測できる 時期にしたいとも話した。 ★関空・中部のマニラなど大幅増便 日本とフィリピンの航空協議が合意 日本とフィリピンとの航空協議が11月26日から27日間 マニラで開かれていたが、首都圏を除く関空、中部などか らマニラなどへの輸送力拡大が合意した。 関空・中部とマニラなどとの輸送力増強合意内容は、関 空又は中部=マニラ14便/週増、関空又は中部=クラーク6便/週 増、福岡=マニラ10便/週増、そして東京以外=マニラ以外で28 便/週増となっており、セブ島などが対象になる。便数はA320型 相当の機材で換算する。 また、成田空港の2010年以降の増便は、日本側は第3国のコー ドシェアの実現を増便関係で提案したものの、フィリピン側が需 要などを理由に反対し進展がなかったものの、乗り入れ地点の自 由化は合意した。 さらに、輸送力に関連して日本側はアジアゲートウェイに基づ き首都圏関係路線を除く輸送量の増強を提案。しかしながら、。 需要面からも時期尚早とされ段階的に輸送力を増強することで対 応すべきだとして合意しなかったという。 なお、現在の日・フィリピン間の運航状況は旅客51便/週、貨 物1便/週を運航しており、そのうち日本企業は日本航空(JAL) が旅客便14便/週、貨物便1便/週を運航。一方、フィリピン企業 はフィリピン航空とセブ・パシフィック航空が旅客便を37便/週 を運航している。日本側は東京−マニラ間のみの運航だが、フィ リピン側は東京/大阪/名古屋/福岡−マニラ/セブ間を運航してい る。 なお、2007年度は前年度比6%減少して136万人だった。 ★新千歳の重大インシデントなど2件の原因 運輸安全委員会、新千歳空港は管制のミス 運輸安全委員会は28日、航空重大インシデントの調査結果2件 を発表した。これは平成19年1月6日に秋田空港平行滑走路へ進入 した大韓航空のB737−900型が南側にある平行誘導路に直陸した ことと、平成19年6月27日に新千歳空港から離陸しようとするス カイマークのB767−300型が滑走路を横断しようとした全日空 B777−200型に気づき離陸を中止したもの。 そのうち大韓航空機が平行誘導路を滑走路と誤認して着陸した ことについては、同機の機長らが滑走路と誘導路の位置関係の失 念・再確認を怠り、有視界気象状態下の局地的な視界低下及び VORのNo1アプローチ経路が滑走路と平行していたことに関する 知識不足が関与していたものと考えられる。 さらに、HUDのFDGCが滑走路方向を指示しているものと誤解 したことも関与していたことも考えられる、としている。 また、この原因に関連して、基準内にある非精密進入経路延長 線と滑走路中心線延長の乖離を公示は一般に求められていない が、No1アプローチでの誤着陸が発生したため公示情報もその相 対位置を明らかにする必要性について検討することが望ましいこ とを航空局に指摘している。 一方、新千歳空港での重大インシデントは、飛行場管制席管制 官(自衛隊担当)が、A機(スカイマーク機)に対して滑走路 19R上待機の指示計画を立てたが誤って離陸許可を出し、その錯 覚に気が付かないままB機(全日空機)に同滑走路の横断許可を 出したため、離陸を開始したA機が横断するB機を視認し離陸を 中止したもの。 管制官が誤って離陸許可を出したのは、管制官に疲労があり、 交代がないまま1時間を超えて業務を行い、注意力が薄れたこと が関与した可能性がある。また、リジェクト通報があるまで錯誤 したことはA機が離陸開始地点で待機していると思い込んだの は、B機が滑走路を横断したのち地上管制室に移管し、滑走路を 横断を終了するまで同機をよく見ていなかったことなどが原因 で、さらにリジェクトの通報があるまで状況を把握できなかった のは、適切な人員配置が行なわれず、運用主任が副管制官席等複 WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1802号 2008年(平成20年)12月1日 月曜日 (3) 数席を兼務するなど、適切な配分が行なわれず、飛行場の走 行地域全体に注意が向けなかったためとされている。 また、A機とB機は距離は約1400メートルと推定し、衝突 を避けるのに十分な距離があったとしている。 なお、この事例で事故調は防衛大臣と国土交通大臣に意見 を述べており、その内容は管制官の勤務体制、平行滑走路の 管制処理、管制機器の改良などに所見などについて。 ★スターフライヤー、TCDの点検期限超過 航空局、各航空会社にも確実な実施を要請 航空局は28日、スターフライヤーが運航しているエアバス A320型機4機のうち2機が耐空性改善通報での繰り返し点検 の期限を超えて運航した事例が判明しことが同社より報告が あり、同日厳重注意しその原因調査と再発防止対策を検討し 報告を求めた。 耐空性改善通報では、11月に要求されている点検期限超過 が判明したばかりで、小型機会社でも同様なケースがあり、 このため他の航空運送会社に対しても耐空性改善通報の確実 な実施の指導を行うと共に今後の監査の中で重点的に確認を 行うことにしている。 スターフライヤーがのTCDの要求されている繰り返し点検 期限を超えたのは、A320型4機のうち2機で、この点検は主 脚扉の作動状態について、900回飛行経験毎の繰り返し点検 を行うもので、2006年9月に発行した。同社はこれまで繰り 返し点検を実施してきたが、この11月の整備計画で繰り返 し、点検の作業指示が漏れたことから900飛行点検回数を超 過したもので、2機の飛行超過回数は1機が74回、他の1機が 72回で、この2機は直ちに点検を実施、問題のないことが確 認された。 スターフライヤーへの厳重注意は、月間整備計画から点検 が漏れたことは極めて遺憾で、全てのTCDについて処理の適 性化及び実施状況を早急に点検するとともに、今後このよう な事態が行ないように再発防止策を検討し12月13日までに文 書で報告するよう求めた。また全日本航空事業連合会に対し ても会員各社にTCDの重要性を再認識し、通報に基づく整備 作業を確実に実施するよう周知徹底を通知した。 ★有害鳥類防除業務で空港管理者に注意喚起 航空局、散弾銃暴発し車両の床貫通事故で 航空局管制保安部運用課は、去る24日神戸空港で、有害鳥 類防除業務を行なっていた散弾銃が暴発し弾が車両の床を貫 通する事故が発生したことを受け、27日、各空港管理者に銃 器取扱いで注意を喚起、また有害鳥類防除業務を委託してい る航空保安協会にも銃器取扱いの注意喚起をした。 この事件は車両の運転をしていた作業員がブレーキを踏ん だ際散発弾が暴発、車両の床を貫通したというもの。空港管 理者への銃器取扱いの注意では、幸い人や施設への被害、航 空機運航への影響がなかったものの、一歩間違えれば多大な 影響を及ぼすのことになりかねないので、現在発生原因を調 査中であるが、空港内で銃器を使用して鳥類防除を行う空港 では、関係者に注意喚起とともに、法令の遵守、銃器携行時 の安全措置の確認、銃器の取扱いに万全を期すよう周知徹底 を図るよう注意喚起を行った。航空保安協会にも同様な注意 喚起を通達した。 ★JAL、来年2・3月特便割引設定、先特割引も一部追加 日本航空(JAL)は、27日、来年2月と3月搭乗分の「特便 割引」を設定、ならびに運航ダイヤ確定に伴う10月30日発表 済み「先特割引」の一部追加設定を決定し、国土交通省へ届 け出た。 今回設定したのは2月1日~3月31日の期間の「特便割引7 (セブン)」「特便割引1(ワン)」。 また同期間の先特割引で一部追加を行ったのは名古屋−札 幌線、仙台−札幌線。 名古屋−札幌線では札幌発名古屋行JL3112便で62%引きな どを行っている。 ★ADO「オリジナルIDカードケース」販売 北海道国際航空(ADO)は、来たる12月20日に就航10周 年を迎えることを記念して、ソメスサドル社との共同企画商 品「オリジナルIDカードケース」の機内販売を行う。 この商品はブラウン・レッド・ブラックの3種類を用意して おり、価格は各種5000円。 全5路線において販売する。 販売数量はブラウン・ブラックが各400個、レッドが200個 展開する。 ソメスサドル社の製品は本年6月に開催された北海道洞爺湖 サミットにおいて各国首脳並びに首脳夫人のお土産となった という。 ★日本空港ビルディング、羽田空港に新店舗 1タミに「羽田スタースイーツ」がオープン 羽田空港第1旅客ターミナルのリニューアルを推進する日本 空港ビルディングは12月1日、第1ターミナル2階マーケット プレイスに新店舗「羽田スイーツ」をオープンする。 この店舗のコンセプトは、店舗名のとおりスターになるス イーツを全国・世界に広めていこうという、スイーツのセレ クトショップ。期間を限定して、厳選されたブランドのス イーツを発信していく。営業時間は6−20時。 現在決定している出展ブランドは、糖朝、銀座甘楽、銀座 マルキーズ、バニラシュガー。 ★SKY、2月分各種運賃設定 スカイマーク(SKY)はこのほど、2月1日~2月28日搭乗 分の各種運賃を設定、国土交通省に届け出ている。 今回設定したのは「普通運賃」「身体障害者割引運賃」 「お帰り割引」「スカイフレックス」「前割21」「前割10・ 7・1」。 発売開始は搭乗便の2ヵ月前の9時30分からとなっている。 ★ANA、2~3月「乗継旅割」「特定便乗継割引」設定 全日空(ANA)は、このほど2009年2月1日~3月31日搭乗 分の「乗継旅割」「特定便乗継割引」運賃を設定、国土交通 省に提出した。 今回設定した「乗継旅割」は札幌・沖縄と各地、北海道の WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1802号 2008年(平成20年)12月1日 月曜日 (4) 道東エリアと大阪・福岡を乗り継ぎ便で結ぶ計44区間で設定 する。 運賃額は片道運賃と比較すると福岡−釧路線福岡発252便 など、最大で76%の割引き、短区間「旅割」の合算と比較す ると、最大で1万8000円安くなる。 【航空工業/防衛ニュース】 ★空自、ゴラン高原派遣輸送隊に物資輸送 航空自衛隊は、11月29日~12月7日の間、U-4によるイス ラエルのゴラン高原国際平和協力業務を行う。 この航空輸送は、陸上自衛隊のゴラン高原派遣輸送隊に対 して半年に1度の割合で定期的に実施してるものであり、今回 が26回目となる。そのほか国際平和協力業務に係わる物資も 輸送する。指揮官は山崎昭2等空佐。使用航空機はU-42機 (うち1機は本邦待機)、C-1301機(本邦待機)。 現在ゴラン高原に展開する国連兵力引き離し監視隊 (UNDOF)の活動に参加している陸上自衛隊輸送部隊(隊 長・藤田宗徳3佐)は約40名。 ★空将補、セクハラ容疑で懲戒処分 防衛省は25日、更迭された宮下今朝芳(けさよし)前第1 術科校長(55)の懲戒処分を行った。処分量定は停職3日。 宮下空将補は、女性隊員に対し、日頃行っていた余暇活動 の練習相手をさせ、その練習中に身体に接触し著しい不快感 を与えたとして処分を受けた。 ★2日、第4回日新防衛当局間協議を開催 来たる2日、ニュージーランドのウェリントンにおいて第4 回ニュージーランド防衛当局間(MM)協議が実施される。 日本からは鈴木大臣官房審議官ほか、ニュージーランド側か らはシンクレア国防省国際防衛関係局長ほかが参加する予 定。 前回の同協議は昨年10月に行われ、両国の防衛政策、国際 平和協力活動等について意見交換が行われた。 【海外メーカーニュース】 ★ボーイング、実機・シミュレータの合成目標組合せ成功 空対空に次ぎ空対地訓練も実証、効果的訓練を低コストで可能へ ボーイングは、昨年のIntegrated Live、Virtual and Constructive(I-LVC)コンセプト実証実験に続き、11月中旬 「プロジェクト・アルパイン」の2番目の実証試験をセントル イスで実施した。 ボーイングは既存の技術を使い、F-15E(実機)とF-15E シミュレーター(バーチャル)、それにコンピューターで生 成した脅威(コンストラクティブ)を共通の環境の中でネッ トワーク接続して機能させた。 ボーイングの訓練システムおよびサービス担当のマーク・ マッグロウ副社長は「プロジェクト・アルパインのスパイラ ル2は、昨年の空対空訓練の成功の上に、新たな、洗練され た、空対地能力をもたらした。I--LVC技術の使用により、い かなる訓練ミッションでも、兵士達が演習で直面する脅威へ の激しさと反応を高めることができる」と述べた。 一方、米空軍メサ研究施設指揮官兼戦闘員即応性研究課長 のダニエル・ウォーカー大佐は、「アルパイン・チームは、 軍にいくつもの驚くべき能力を示した。パイロットが合成、 仮想システムを、実物システムと同じ方法で認識できるとい うことは、効果的訓練にとって非常に重要だ」と述べた。 実証の間、ボーイングF-15E のパイロットは、3ソー ティーの、いくつかの新しい訓練能力を実証するため設計さ れた積極的ミッションを達成した。最初のソー ティーでは、1機のF-15E実機と1機のバーチャルF-15E(シ ミュレーター)が、コンピューターで生成された地上目標を、 シミュレート武器で狙い、破壊した。2番目のソーティーで は、パイロットはコンピューター生成の突発的な空中および 地上の脅威を制圧して、本来の任務を達成した。3番目のソー ティーは、実物のリンク16データリンクを用いた、仮想の指 揮統制リソースに重点を置き、現実と仮想のF-15Eパイロッ トを、時刻に敏感な目標に割り当て、現実世界の通信をシ ミュレートした。 この成果により例えば6機を必要とする訓練を、実機は1機 とすることで、訓練経費の削減と環境負荷の低減も見込める と言う。マッグロー副社長によれば、プロジェクト・アルパ インは、スパイラル3として次の段階に進めていくという。 【海外エアラインニュース】 ★DLH新ブランド、「ルフトハンザ イタリア」 来年2月ミラノーパリ線、3月までに7欧州内路線 ルフトハンザドイツ航空(DLH)は、11月27日より、イタ リアで「ルフトハンザイタリア」のブランド展開を開始し た。同ブランドは、信頼性と高品質なサービスという伝統的 なルフトハンザのブランドバリューに、イタリアのスタイル が融合した新しい航空会社で、来年2月から運航を開始する。 DLHは、来年始めに同ブランド名でイタリア国籍の航空会社 を設立、伊政府に航空運航事業許可を申請する予定。 当初は6機のエアバスA319により、ミラノのマルペンサ空 港と欧州域内の主要都市を結ぶ直行便を運航する。運航開始 は来年2月2日のバルセロナーパリ線で、3月頃にはブリュッ セル、ブタペスト、マドリッド、ブカレストに就航する予 定。また、来年3月末の夏季スケジュールからロンドン・ヒー スローおよびリスボン線を開設する。 DLHによると、A319は総座席数138席で、ビジネスおよび エコノミーの2クラス仕様。機内はイタリア風の控えめなデザ インでまとめられ、イタリア人客室乗務員がサービスする。 また、来年春には、ミラノ・マルペンサ空港にラウンジ施設 が拡充され、保安検査場での優先通路を完成させる予定。 DLHのヴォルフガング・マイヤーフーバー会長兼CEOは、 「ルフトハンザイタリアは、北イタリアと欧州の都市を結ぶ ネットワークをイタリアの顧客に提供する。ロンバルディア 州およびミラノはヨーロッパ経済において重要な地域であ り、大きな需要がある。将来へ向けて成長の機会を提供して くれる重要なマーケットであり、同地域と欧州主要都市を結 ぶネットワークは不可欠だ」と述べている。 WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1802号 2008年(平成20年)12月1日 月曜日 (5) 【旅行関連ニュース】 ★ウタパオ空港から2日までに計16便の臨時便運航 タイ・スワンナプーム空港は1日18時まで閉鎖 タイ・バンコクのスワンナプーム空港閉鎖は、12月1日午 後6時まで延長されたが、軍用基地のウタパオ空港からの臨 時便が12月28日から順次運航されている。ツアー参加者で現 地に足止めされていた旅行者も、順次帰国している状況で、 旅行各社は情報の集約を急いでいる。また、スワンナプーム 空港閉鎖が続いていることから、ツアー催行は引き続き中止 を余儀なくされている。 在タイ日本国大使館によると、小町在タイ日本大使は11月 28日午後2時30分、サンティ・タイ運輸大臣を訪問し、スワ ンナプーム空港閉鎖で足止めされている邦人旅行者の早期帰 国を実現するため、臨時便受け入れへの協力を強く要請し た。これに対してサンティ大臣は、全面的に協力する意向を 示し、同席した日本航空(JAL)および全日空(ANA)関係 者も、臨時便の運航のスムーズな許可を要望した。また、隈 丸在タイ日本国大使館次席公使は、マノハーン観光庁長官を 訪問し、情報不足や資金面・物資面の困難から、邦人旅行者 が不安を抱えているとして、これに対処するための具体的な 協力を要請した。 この結果、タイ軍用空港のウタパオ空港からの臨時便が11 月28日より順次運航されている。 日本航空(JAL)は、11月29日にウタパオから成田に1 便、11月30日に関空および成田に各1便、12月1日に中部お よび成田に各1便、12月2日に関空および成田に各1便を運航 する予定で、12月2日までに計7便の臨時便が運航される予 定。 全日空(ANA)は、11月29日にウタパオから成田に1便、 11月30日に成田に1便、12月1日に成田に1便を運航する予定 で、12月2日も成田または羽田への運航に向けて調整してい る。これにより、2日までに計4便の臨時便が運航される予 定。 タイ国際航空(THA)は11月28日にウタパオから成田に1 便、11月29日に成田に1便、11月30日に成田に1便、12月1日 に成田に1便、12月2日に成田に1便の臨時便を運航する予定 で、2日までに計5便の臨時便をウタパオ空港から運航する予 定。また、11月28日には、プーケットから成田への臨時便も 1便運航した。 これにより、JAL、ANA、THAの3社で、11月28日~12月 2日までの5日間で、計16便の臨時便がウタパオ空港から成 田、関空、中部に運航されることになる。本日12月1日以 降の臨時便の運航計画などに関する詳細は、別項を参照のこ と。 ■足止め客も順次帰国、旅行各社は情報集約急ぐ ツアー催行中止は継続、JTBは1日ăKNTは2日まで 旅行各社によると、現地に足止めされていた旅行者も順次 帰国している。 JTBでは、現時点で現地に足止めされているツアー参加者 (募集型企画旅行)は、70名強としており、本日以降の臨時 便で帰国する予定。先週末時点で200名強が足止めされてい たが、ウタパオ空港からの臨時便で既に100名以上が帰国した ことになる。今後のツアー対応については、12月1日出発分ま でのツアー催行を中止し、12月2日以降の対応については本日 午前に決めるとしている。 近畿日本ツーリスト(KNT)では、11月30日17時現在の現 地滞在者数はホリデイ・団体合計で150名以上いたが、30日 にはTHAの臨時便で団体客40名が帰国、残る60~70名の団体 客も本日12月1日の臨時便で帰国する予定としている。ホリデ イの参加者40~50名については、現在情報を集約中だ。 また、KNTは今後のツアー対応について、12月2日出発分 まで催行中止を継続することを決めた。催行中止対象となる のは、タイ・バンコクを目的地とするホリデイと、バンコク 経由で第三国(ベトナム、カンボジア等)を目的地とするホ リデイで、取消料は収受しない。 日本旅行では、11月29日現在の現地滞在者数は144名いた が、11月30日の臨時便で78名が帰国。残る66名については、 本日12月1日以降に帰国する予定としている。また、今後のツ アー対応については、12月1日午後6時までスワンナプーム空 港の閉鎖が続くことから、12月1日出発分のツアーは催行を中 止する予定。 ■バンコク空港閉鎖、2日間で3000人以上に影響 タイ国際、足止め旅行者に宿泊施設を無償提供 タイ国政府観光庁(TAT)によると、スワンナブーム国際 空港閉鎖の影響は、11月25日~26日で3000人以上の旅客に及 んだ。タイ国際航空(THA)は、THAの予約者に対して11月 26日~27日の宿泊施設を無償提供した。 提供宿泊先は以下の通り。 ▼リージェント・スワンナブームホテル ▼ツイン・タワーズホテル ▼IBISホテル ▼イースティンホテル ▼セントリック・ラチャダ ▼アンバサダー・ホテル・バンコク そのほか、ローズガーデン・リバーサイド・ホテルも、旅 行者に11月26日~27日の宿泊施設を提供した。ホテル・ソ フィテル・センタラ・グランド・バンコクも、11月26日以前 にチェックアウトし、空港閉鎖により帰国できない宿泊客に 対して、無償で宿泊施設を提供した。 また、TATと観光スポーツ省は、スワンナブーム空港の業 務再開までの期間で、足止めされている旅行者に対し、宿泊 施設と食事を提供する。宿泊施設に関する問い合わせは、タ イ旅行業協会(Tel+662237-6064-8/+662632-7400-2) または、観光スポーツ省(1414)、TAT(1672)、ツーリズ ム・ポリス(1155)で受け付けている。 さらに、TATは、11月26日以降に滞在ビザが失効する旅客 に対して、空港業務再開までの期間における罰金を徴収しな いとしている。ただし、旅客は購入済みの航空券を提出する 必要がある。 ■JAL、ANA、THAの臨時便運航スケジュール 日本航空(JAL)は、バンコク国際空港の閉鎖により、引 き続きバンコク国際空港発着便を全便欠航しており、タイ・ ウタパオ空港より日本への臨時便を運航している。12月1日の WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1802号 2008年(平成20年)12月1日 月曜日 (6) 運航便は、ウタパオ空港の出発混雑時間を避けるため、当初 のスケジュールより変更している。 臨時便のスケジュールは以下の通り。 【12月1日】 ▼JAZ8738=ウタパオ(現地時間12月1日02:00発)→中部 (日本時間09:15着) ▼JAZ8718=ウタパオ(現地時間05:00発)→成田(日本時 間12:45着) 【12月2日】 ▼JAZ8728=ウタパオ(現地時間12月2日03:00発)→関空 (日本時間10:10着) ▼JAZ8718=ウタパオ(現地時間12月2日06:00発)→成田 (日本時間13:45着) JALは、本日日本時間午前10時より、12月2日に運航する 臨時便について、JAL予約センターで予約を受け付けてい る。なお、JALによると、日本からウタパオ空港への臨時便 運航は予定していないという。 全日空(ANA)は、本日の953便(成田ーバンコク)およ び954便(バンコクー成田)を欠航する。また、915便(成 田ーバンコク)および916便(バンコクー成田)の運航の可 否については、日本時間11時頃に発表するとしている。 ANAは、12月2日に、ウタパオ空港発成田または羽田行の 臨時便を運航するとしている。予約は、本日日本時間午前11 時(現地時間午前9時)よりANA予約・案内センターにて受 け付ける予定。ANAは、運航決定後、臨時便のスケジュール をホームページ上で発表するとしている。なお、本日のウタ パオ発東京行(成田もしくは羽田)の予約は満席となってい る。 タイ国際航空(THA)は、現在、バンコク発着便を欠航し ており、ウタパオ発成田行の臨時便を運航している。運航ス ケジュールは、12月1日~12月2日の期間でTG6409便(22: 35発→6:15着)、12月1日~12月3日の期間でTG641便(10: 45発→15:45着)。 ※JAL予約センター ▼日本国内(8:00~20:00) 【フリーダイヤル】0120-25-5931 【携帯電話】0570-025-031(有料) ▼タイ国内 【フリーダイヤル】011-800-852-5511(日本語)/011800-852-5533(英語・中国語) ※ANAの問い合わせ先 ▼日本国内(8:00~19:00) 【フリーダイヤル】0120-029-333 【携帯電話】0570-029-333(有料) ▼海外 【日本予約・案内センター/8:00~19:00】81-3-6741-6685 (日本語)/81-3-6741-1120(英語) 【バンコク予約・案内センター/現地時間8:30~17:30(月~ 金)/8:30~13:30(土日・祝)】66-2-238-5121 ※THAの問い合わせ先 【問い合わせセンター/現地時間6:00~24:00】66-2-5454000(日本語対応可能) 【フライトインフォメーションセンター/24時間対応】662356-1111(英語・タイ語) 【バンコク本社内予約センター】66-2-545-4000 【バンコク・シーロムオフィス/8:00~17:00】66-2-288- 7000 【ラーンルアンオフィス/8:00~17:00】66-2-356-1111 ■首相府で爆発Ă新政府グループも抗議行動で緊迫 在タイ日本国大使館によると、11月25日から現在まで、反 政府グループの市民民主化同盟(PAD)がスワンナプーム空 港とドンムアン空港を占拠しており、両空港が閉鎖に追い込 まれ、非常事態宣言が発令されている。 11月30日未明には、PADが占拠している首相府とドンムア ン空港で爆弾が爆発し、首相府では40名以上が負傷する事件 が発生した。 一方、親政府グループの反独裁民主戦線(UDD)は11月30 日夜、バンコク都庁舎周辺で、長期化するPADの空港占拠に 対する抗議と、政府を支持することを目的とした1万人規模の 集会を行っており、集会場付近は非常に緊迫した情勢だとし ている。 このため、現在行われているデモ活動が不測の事態に発展 する可能性もあるとして、PADが占拠しているスワンナプー ム空港とドンムアン空港、UDDが集会を行っているバンコク 都庁舎周辺に加え、首相府、国会付近には近づかないよう注 意を呼びかけている。 【人事異動】 ★KWE、組織一部改正および人事異動 近鉄エクスプレス(KWE)は本日1日付で組織の一部改 正、ならびに人事異動を行った。 KWEは、関西地区における本格的なロジスティクス販売活 動の業務運営のさらなる強化を図るため、ロジスティクス営 業部に「大阪輸入ロジスティクスセンター」を新設した。そ れにともない管理職の人事異動も行う。人事異動は以下の通 り。 ▼大阪輸入ロジスティクスセンター所長(ロジスティクス 営業部担当係長)谷康行 ★航空局関係人事異動(1日付) 国土交通省は1日付で人事異動を発表した。航空局関係では 次のとおり ▼辞職(新千歳空港事務所次長)小笠原博道 ▼新千歳空港事務所次長(運輸安全委員会事務局総務課広 報室課長補佐)鶴見博巳 ▼運輸安全委員会事務局総務課広報室課長補佐(東京航空 局総務部航空振興課長)赤平公明 ▼東京航空局総務部航空振興課長(航空保安大学校事務局 総務課長)古舘康男 ▼航空保安大学校事務局総務課長(岡山空港出張所長)後 藤辰男 ▼岡山空港出張所長(航空局空港部空港政策課空港保安防 災教育センター課長補佐)大塚博 ▼航空局空港部空港政策課空港保安部防災教育訓練セン ター課長補佐(大阪航空局空港部環境・地域新興課長補佐) 平田利幸
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