WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1595号 2008年(平成20年) 1月25日 ( 金曜日) WING DAILY 【HEADLINE NEWS】 ★ANA、原動機センターは2〜4月に竣工へ 供用開始は調整中、整備業務の効率化 全日空(ANA)の新原動機センター今年2〜4月頃に竣工、 順次、設備移転が開始される。供用開始については現段階で調 整中とのことだ。同センターの隣には、機装センターも併設し ている。 新原動機センターは従来の原動機センターに比べると、機体 メンテナンスセンターなど、整備本部組織と距離が近づくこと になり、ANAの羽田における整備体制が1ヵ所に集約、今後の さらなる業務効率の向上やコミュニケーション向上に一役買い そうだ。 新しい原動機センターでは、B787型搭載用エンジン、 Trent1000にも対応できる体制が備えられることになる。ANA としては、実にトライスター搭載のRB211以来ののロールス・ ロイスのエンジンとなり、ロールス・ロイス側から、同セン ターにおけるサポート提供も考えられる。そのほか、この新し い原動機センターの特徴としては、これまでエンジンを吊り下 げるクレーンは、エンジンの大きさや重量ごとに吊り下げられ るものが決まっていたが、新原動機センターで導入されるク レーンは、どのようなエンジンも吊り下げられるタイプに変更 される。 また、ANAでは従来の原動機センターからは撤退すること になる。その後、この原動機センターについては、建物を所有 する東京航空計器によると、今後はANAが出た後の借り手を 探し、建屋を残す方向にあるという。東京航空計器としても、 この建屋において、現在もフライトシミュレーターによる訓練 などのサービスを提供している。 ★UAL、夏期スケジュールより成田―台北線運休 ANA コードシェアにシフト、フィーダー路線撤退続く ユナイテッド航空(UAL)は、3月30日からスタートする夏 期スケジュールより、成田—台北線を運休する。今後、同区間 は全日空(ANA)のコードシェア便(現在、エアーニッポン 便での運航)で対応する。 同社は成田—香港、ソウル線、中部—台北線など、いわゆる フィーダー路線の運休を進めており、今回の成田—台北線もそ の一環。同社ではこれらアジア各都市から直接米本土へ飛ぶノ ンストップ便の拡充を並行して進めており、台北に関しても昨 年6月に台北—サンフランシスコ線を開設している。 【航空関連ニュース】 ★沖縄の進入管制業務、日本への移管遅れる 平成21年度までに移管、早期移管に向け努力 航空局では、24日開催した日米合同委員会で、米軍の嘉手納 (1) Airline & Aviation E-mail News 発行所 航空新聞社:W I N G 〒1 0 7 - 0 0 5 2 D A I L Y 編集部 東京都港区赤坂4 - 8 - 6 赤坂余湖ビル 3 階 TEL(03)3796-6647 FAX(03)3796-6643 URL=http://jwing.com [email protected] 購読料半年33,600円年間63,000円(消費税含む) ラプコン(※RAPCON)で実施している進入管制業務の日本 への移管業務は、日本側の航空管制官の訓練の進捗が大幅に遅 れていたため、今後の対応について調整を行なった結果、平成 21年度までに移管を完了ことが承認された。 ただ、それより以前に運用要件が満たされることを前提に、 できるだけ早期の移管に向けて努力することも確認されてい る。 米軍との会話での意思疎通が円滑でないことや、戦闘機の進 入が多いなど、いまのところ移管については訓練が必要となっ ている。このラプコン移管は平成16年12月に日本側では管制 官の訓練開始しており、訓練開始から約3年で移管の実現を目 指していたが、19年度の移管が間に合わないことが確認され、 今回、移管時期を延期した。 ※RAPCON:RaderApproachControl=レーダー管制所。離 陸後の上昇飛行、着陸のための降下を行う航空機にレーダーを 使用して行う管制業務。 ★第2回滑走路誤進入防止で意見交換 航空局は去る23日、第2回滑走路誤進入防止対策検討会議を 開催し、滑走路進入について、パイロット及び管制官からコ ミュニケーションに関する意見を聴取し、防止誤進入の各メン バーによる意見交換を行った。 意見交換では、滑走路誤進入防止は、パイロットと管制官の コミュニケーションが円滑に行われることが必要なことかれ、 その背景として、パイロットと管制官がそれぞれの業務の状況 について、相互理解が重要な一つの要素であることや、管制官 とパイロットに対して視覚等に訴える支援システムの導入が滑 走路誤進入防止に有効であるとの意見が出された。 次回は、海外事例調査の報告及び対策等についての検討を行 う。 ★4月から福岡線に国内線ファーストクラス導入 JAL、札幌線も今上期中に拡大へ 日本航空(JAL)は国内線のファーストクラスのサービスを 4月1日から羽田−福岡線にも拡大する。昨年12月に東京−大 阪で開始したファーストクラスは快適なシートとプライベート な空間など提供し好評を得ているが、今回のサービス開始で は、福岡空港のサクララウンジをメゾネットスタイルにリ ニューアルし、ラウンジ内に専用のセキュリティーゲートを用 意する。 また2008年上期中の東京−札幌への拡大も予定している。東 京−福岡は当初2便で5月以降逐次拡大する。料金は運賃に 8000円を上乗せすることで利用可能だ。 対象便は以下の通り。 ▼羽田→福岡=0 6 :2 5 発(J A L 3 0 5便)、1 2:2 0 発 (JAL323便) ▼福岡→羽田=0 9 :2 0 発(J A L 3 1 0便)、1 5:1 5 発 WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1595号 2008年(平成20年) 1月25日 ( 金曜日) (JAL328便) ★航空局、D滑走路建設でコスト縮減・技術検討合同委員会 プロジェクトのコスト削減や新技術導入について聴取 航空局は1月29日に羽田空港のD滑走路工事について19年度 第1回「コスト縮減検討委員会」及び「技術検討委員会」の合 同委員会を開催する。D滑走路工事は去る昨年3月30日に着 工、工事も順調に進み、今月になって桟橋構造部分のジャケッ トが設置されるなど、その姿が海上からうかがえるようになっ てきた。 開催される合同委員会では、工事の進捗状況、契約後のコス ト縮減の取組みなどが議題として取り上げられる。とくに、契 約後・着手後もプロジェクト全体のコスト縮減の推進やプロ ジェクト全体を通じての新技術の導入に向けた取り組みなどの 意見を聞いていく方針だ。 ★インドネシアに事故調査手法等の支援で 航空事故調査委員会、事故調査官を派遣 (2) 同3.8%増となった。アジア太平洋の伸び率は同3.3%。 空港別の旅客数では、羽田空港が同2.9%減ながら3位。北京 は同1.3%増と伸び率が鈍化し10位、香港は同7.0%増と好調で 13位となった。また、成田が同1.2%増で26位。最も高い伸び 率を残したのはジャカルタの同23.2%増。 貨物では、香港が同7.3%増で1位になり、このほかアジアで は仁川、上海、成田がトップ10に入った。一方、北京は同 19.1%減と大幅に減り19位になった。北京は発着機回数も同 3.0%減(29位)となっている。 ※表=空港別の実績〔http://wingnews.net/w-daily/ pict2008/0801/aci-oct.xls〕 ※表=地域別の実績〔http://wingnews.net/w-daily/ pict2008/0801/aci-oct-region.xls〕 ★ANA、鳥取県で「森林保全・管理協定」を調印 白兎海岸などで植樹を計画 航空・鉄道事故調査委員会は、国際協力機構(JlCA)が 実施する「インドネシアでの航空事故調査プロジェクト」に、 初めて同委員会から職員をインドネシア国家交通安全調査委員 会に派遣する。 このプロジェクトは、事故調査手法、特に大型機の事故調査 に必要な飛行記録装置(DFDR)、操縦室音声記録装置(C VR)の解析技術の移転を中核とした事故調査官の能力強化を 目的するもので、またこのプロジェクトを通じ、インドネシア の安全調査委員会の人材育成を支援して行くことにしている。 派遣されるのは、内田俊一航空事故調査官。 なお、派遣期間は今年1月30日から来年7月29日までの予定 だ。 全日空(ANA)は鳥取県と県内2市とともに、鳥取県で推進 している「とっとり共生の森」事業に参画、今後3年間で鳥取 空港と米子空港の近隣で、森づくりをすることで合意した。今 回、ANAと鳥取県、鳥取市、そして境港市の間で、「森林保 全・管理協定」を調印した。 ANAが推進してきた「私の青空 森づくり」も、はや5年目 を迎え、全国に展開している。今回の鳥取県との調印で、山陰 地方でははじめての森づくりが展開されることになる。 3月23日には、「私のあおぞら鳥取空港・白兎の森」とし て、因幡の白兎で有名な白兎海岸近く、鳥取市伏野宇砂浜で、 地元の学校や企業と協力、約100名のボランティアとクロマツ を約500本植樹する計画だ。 また、今秋には鳥取県2ヵ所目となる米子空港近隣で「私の 青空 米子空港・ハマヒルガオの森」としてクロマツの苗木を 植樹する計画もあるという。 ★SFJ、京急/南海と提携し関空線の利用促進 3社合同で関東・関西の認知向上を図る ★スカイシャトル、「シークル」にも停車 関空、りんくうタウンと連携強化促進 スターフライヤー(SFJ)と、京浜急行と南海鉄道の3社は 共同で『Wアクセスキャンペーン』を展開する。このキャン ペーンでは、昨年、スターフライヤーが就航した関空−羽田線 など、3社の関東・関西地区のそれぞれの認知度向上と利用促 進を図ることが狙いだ。 スターフライヤーの関空→羽田線利用者に、京急の羽田−品 川間の乗車券(400円相当)、一方羽田→関空線利用者には南 海空港特急ラピートの特急券(500円相当)がプレゼントされ る。 このキャンペーン期間は2月1日〜3月31日まで。 関西国際空港会社(関空)は、関空とりんくうタウンと連携 を強化する。この連携強化により、このエリアの魅力向上を図 ることが狙いだ。 そのための施策の1つとして、すでに運行している周遊バス 「スカイシャトル」の停留所として、あらたに複合商業施設 「りんくうプレジャータウンシークル」にも停車する。また、 始発の時間も1時間はやめて、9:55分から運行することにな る。 なお、「スカイシャトル」は、関空とりんくうプレミアムア ウトレットやイオンモールを運賃100円で結んでいる。 ★旅客数・羽田は3位に、北京の貨物は大幅減 ACI、07年10月世界の空港実績 【航空工業ニュース】 エアポート・カウンシル・インターナショナル(ACI)が発表 した2007年10月の世界の空港運用確定実績によると、航空旅 客数は、全地域で前年同月比で増加し、全体では同7.1%増の およそ3億8484万人となった。そのうちアジア太平洋地域は同 6.7%増のおよそ8925万人となった。 一方、貨物も全地域で前年同月実績を上回り、世界全体では ★旭硝子、フッ素塗料「ルミフロン(R)」増産へ 生産能力50%増強、千葉工場で今夏増産工事へ 旭硝子は、高耐候性塗料用フッ素樹脂「ルミフロン(R)」 の生産能力を増強することを決定した。同社の千葉工場内にお いて、生産能力を増強することとしており、生産能力は現在に 比べて50%増強されることになる。増産工事は、今年夏に行わ WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1595号 2008年(平成20年) 1月25日 ( 金曜日) (3) 念で、あらゆるプラットフォームが相互に通信できるようにし れる計画だ。 ている。 フッ素塗料はその高い耐候性から塗替え回数を大幅に減らす 情報の共有は、友軍相撃のような事態を防ぐこともできる。 ことができ、ライフサイクルでのコスト削減が可能だ。ルミフ 弾道ミサイル防衛システムなども典型的なNCOであり、こ ロン(R)は航空機や車両、橋梁、煙突などの塗料として用い れがなければ成り立たない。 られており、2005年末に改訂・発刊された公共の橋梁の塗装 スペックである「鋼道路橋塗装・防食便覧」の中で、標準塗装 【海外エアラインニュース】 仕様として指定されたという。また工業用のタンクやマンショ ン、戸建住宅など様々な分野で採用が広がっているとのこと ★JST、メルボルン―シンガポール線を開設 だ。 ダーウィン経由、片道運賃は399豪ドル〜 【海外メーカーニュース】 オーストラリアのローコスト・キャリアであるジェットス ター航空(JST)は、今年4月17日よりメルボルン—ダーウィ ★ボーイング、ネットワーク・セントリック・オペレーションを紹介 全米に開発拠点、アジアにも拠点検討 ン—シンガポール便の運航を開始する(政府認可申請中)。機 材はA320型機を利用、デイリーで運航する。同区間の運賃は 「2008TOKYOTECHNET」が23日より25日までニューサ 片道399豪ドル〜とし、メルボルン—ダーウィン間は129豪ド ンノウホテル(東京都港区にある米軍厚生施設)で開催されて ル〜となる。これにより、同航空のメルボルン—ダーウィン線 いる。これは軍事通信関係のコンファレンスで、合わせて関連 およびダーウィン—シンガポール線は既存便を合わせ、1日2便 企業のブース出展が行われている。 での運航となる。 昨年より始まったこのコンファレンスの主要テーマは、 ★AAL、機内ブロードバンド接続サービスを導入 C4ISRとかネットワーク・セントリック・オペレーション 今年中に技術試行実施、米国内全路線に導入予定 (NCO)といった最新の軍事通信技術。 出展者のひとつであるボーイング社統合防衛システムの NCO専門家であるワルター・スタイナー氏(SeniorManager AMSE-AdvancedSystemsBusinessDevelopment)に、会場 でインタビューした。 ボーイングは、米軍のNCOにおいて主導的な役割を果たし ており、米陸軍のFCS(フューチャー・コンバット・システ ム)のような大規模な多数のシステムをさらにシステム化する 「システム・オブ・システムズ」の主契約者を務めてきた。 NSOの研究開発については、全米各地にセンターがあり、 このうちスタイナー氏は、ワシントンDC近郊のバージニア州 クリスタル・シティにあるコマンド&コントロール・センター に勤務し、米軍を始め同盟国軍のNCOについて、モデリング& シミュレーションなどにより開発に当たっている。同様の NCO開発組織は、セントルイス、シアトル、ハンツビル、 フィラデルフィア、メサ、パームデール、アナハイム、ハンチ ントンビーチとボーイング統合防衛システムの主要製造拠点に 配置され、それらが相互にネットワークを組んで研究開発を 行っている。また、米軍との接点となるネットワーク・ポータ ルをコロラドスプリングス、ハンプトン、レキシントン、ノー フォークに置いている。更に海外にも英国のキネティック社と 共同で英国ファンボローにチームがあり、オーストラリアにも ボーイング・オーストラリア社のチームがある。アジアではま だ無いが、シンガポール、韓国から要請もあり、日本について も今後、日本の防衛機器メーカーとの協力の可能性はあるとい う。 NCOの利点は、これまで度々言われてきたことだが、情報 の共有、意志決定の迅速化、兵力の有効活用など多々あり、現 在ボーイングが製造している航空機はいずれもNCOに対応で きるようになっている。 最前線の一兵士に至るまで携帯情報端末により大きなデータ ベースにアクセスすることができ、誘導爆弾JDAMの一発も NCOの情報端末(ノード)ということができる。NCOの基盤 は当然のことながら通信であるが、共通の通信機を持つわけで はなく、通信方式を統一するいわゆるソフトウエア通信機の概 アメリカン航空(AAL)は、米系航空会社では初めてエアセ ル(Aircell)を利用した機内ブロードバンド接続サービスを導 入する。主として米国大陸横断路線に就航するB767-200型の 15機すべてに導入する予定で、2008年中に技術試行を行う。 同サービスの導入で、機内においてノートパソコンやPDAな どのWiFi対応機器を通じ、インターネット接続や私設ネット ワーク(VPN)アクセス、Eメール利用などが可能となる。 AALでは今回の接続試行が成功した後、全ての国内線の航空機 にも導入していく計画。 エアセルの航空機—地上間機内インターネットシステムは、 客室天井に配置された無線アクセスポイントを通じて接続でき るもので、技術試行では実際の乗客の利用に先立ち、米連邦航 空局(FAA)による認可に必要な各種チェックが行われる。 【旅行関連ニュース】 ★システム投資とリスク商品投入が試練に JTB佐々木社長、巨額資金確保に今から準備 JTBの佐々木隆社長は1月24日、都内で開催した新春経営講 演会で、JTBの長期的な経営戦略について、「近未来の5〜10 年の間に、システム投資とリスク商品の投入の2つの試練を乗 り越えることに旅行会社として存続を掛ける」と述べ、その対 応策として、「JTBは総力を挙げて既存ビジネスの効率化とグ ループ会社の多様化を進めていく」と明言した。 システム投資について佐々木社長は、「巨額な投資を現在も 負担しているが、インターネットを含めた個人の高度情報化社 会が花開いた中で、満足できる専門的なシステムを構築しなけ ればならない。個人の欲求が多様化している中で、膨大な手配 情報を全世界、全施設に瞬時に届けるシステムをつくるととも に、何千、何万の端末を有する巨大な販売網にオンラインシス テムを稼働させるために、今以上に巨大が費用を要求される。 その投資に費用と知恵の面でどう応えていくかが第1の戦いに WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1595号 2008年(平成20年) 1月25日 ( 金曜日) なる」と説明した。 第2のリスクのある商品の投入 については、佐々木社長は、航空 会社がイールド志向により、ビジ ネス・トラベル中心となり、レ ジャー・マーケットから定期便を 撤退している中で、旅行会社が 「自らリスクを取って大量の チャーターを投入する。また、中 国、インドなど数億人規模で海外 JTB佐々木隆社長 に出掛ける中で、世界中のホテ ル、レジャー施設の仕入にが巨額な買い取り資金が必要にな る」と述べた。 JTBはルック中心に海外に150万人近くを送客、3000億円以 上の販売額を上げているが、佐々木社長は「そうした商品を造 成、マーケットに流通する中で、もし原価の買い取りが急速に 拡大した場合は、1000億円単位の仕入資金が必要になる」と し、こうした投資に伴うリスク管理が大きな試練になると強調 した。 JTBは2006年度からの中期計画で、無借金で、年間100億円 の投資と連結経常利益200億円の確保を目標として掲げている が、06年度、07年度は各80億円の投資、連結経常利益200億円 を確保している。佐々木社長は「06〜08年度は未来に向かっ て強いJTBグループをつくるための準備期間」と述べ、その後 の試練に向けて経営基盤を強化していくことを強調した。 また、今後の経営戦略としては、海外では欧州、中国への進 出を中心としたグローバル戦略を展開、国内では分社化による 地域密着、活性化へ着地型旅行の拡大と地域情報発信を挙げ た。 佐々木社長は経営のキーワードとして、「変化と多様性」の 2点を指摘。変化については、「世の中の変化のスピードに対 応するには、自分たちがそれ以上のスピードで変化する」、多 様性については、「過去の企業活動にとらわれず、自由にな り、経営者は従業員を心の呪縛から常に解き放ち続けなければ ならない」とし、「変化のスピードには変化のスピードで応 え、多様性には自由で応える」と述べた。 ★新海外系システム稼働、初年度増収8億円見込む 日旅、業務効率化で年間7000万円の経費削減も 日本旅行は、「新海外系システム」を本日1月25日より本格 稼働し、マッハ・ベストツアーの2008年度上期商品の販売を 開始するが、素材組合せ型の新商品「Myレシピ」を投入、既 存商品についても行程カスタマイズ機能で大幅に自由度が増す ほか、CRS等とのシステム結合により仕入・手配の自動化を図 ることで業務を効率化し、販売拡大とコスト削減を実現する考 えだ。 新システム稼働による初年度の増収効果については、新商品 「Myレシピ」で6億円、新システムを利用したその他商品やイ ンターネット商品で2億円の計8億円の増収を見込んでいる。一 方で、業務効率向上によるマンパワー圧縮や業務委託費用の削 減によって、年間7000万円のコスト削減効果を見込む。新海 外系システムは、構想から足かけ5年をかけ、開発費用10億円 (ソフトウェア7.5億円、ハードウェア2.5億円)を投じて開発 した。 金井耿社長は、1月24日に行われたカットオーバーセレモ (4) ニーで、「海外旅 行商品のあり方や モデルの転換が迫 られている中で、 先行きに十分対応 できる機能を兼ね 備えたものと自負 している」と述 べ、今後は販売サ イドの協力を得つ つ、「新システム の機能をフル活用 し、最大限の成果 に繋げていきた い」と大きな期待 感を示した。2006 年に稼働した新国 内 系 シ ス テ ム で 新海外系システムの本格稼働を記念した テープカットセレモニーの様子(写真 は、稼働当初に不 上)、金井耿社長が新システム稼働を確 具 合 が 発 生 し た 認した後、挨拶した(写真下) が、「新海外系で は絶対に問題を起 こさないよう配慮 した」とも述べ、 「最初からフルに 機能を発揮でき る」ことを強調し た。 また、前中弘美 執行役員情報シス 前中弘美執行役員情報システム部長営業企画本 部副本部長(左)と、堀田正昭執行役員海外旅 テム部長営業企画 行事業部長 本部副本部長(2月 1日付で執行役員ICT事業本部長)は、「新システムは、従来 の延長線上ではなく、商品の作り方、手配や発券業務などの仕 事の仕方を抜本的に変革することを命題に開発した」と述べ、 その分開発費用が増加、稼働時期がずれ込んだものの、「画期 的なシステム」が誕生したと自信を示した。新システム稼働に より、販売が低迷しているマッハ、ベストツアーの販売が「劇 的に改善する」ことに期待感を示した。 ★阪急阪神再編、中間持株会社傘下に4社並列 社長に小島氏、旅行取扱高は業界4位の約4111億に 阪急阪神ホールディングスグループは、4月から再編する旅 行事業と国際輸送(貨物)事業の再編とそれに伴う役員人事を 発表した。それによると、阪急交通社が、旅行および国際輸送 の両事業を統括する中間持株会社「株式会社阪急阪神交通社 ホールディングス」へ移行するとともに、同社社長に小島弘現 阪急交通社社長が就任する。 また、新たに設立した阪急交通社の旅行部門を承継する① 「阪急交通社旅行事業分割準備株式会社(4月1日から「阪急交 通社」に商号変更予定)」、②国際輸送部門を承継する「阪急 エクスプレス」、③阪神電気鉄道の旅行部門を承継する「阪神 航空」、従来の④「阪神エアカーゴ」の4事業会社が、中間持 株会社の傘下で、並列事業会社として再編される。 4月1日からの阪急交通社社長は小島社長が兼務するととも WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1595号 2008年(平成20年) 1月25日 ( 金曜日) に、副社長に生井一郎専務執行役員が昇格する。 阪急阪神交通社ホールディングスにおける旅行事業の取扱高 は約4111億5600万円、国際輸送事業における航空輸出混載取 扱重量実績は約3万5539トン、航空輸入通関取扱件数実績は12 万9912件で、これはそれぞれ業界内で4位に相当する。 なお、組織再編に伴うグループ内旅行事業部門の役員人事は 別項に記載。 【人事異動】 ★JAL人事 (1月20日付) ▼技術部整備金整備基準グループマネジャー(羽田整備事業 部整備技術グループマネジャー)丹羽宏之 ▼部品企画部品質管理室業務グループマネジャー(整備企画 室付きJALアビテック)民野史郎 ▼経営企画室付ジェイエア(部品企画部企画グループマネ ジャー兼経営企画室付ジェイエア)山口龍夫 (1月31日付) 〈定年退職者〉 ▼DC9運航乗員部兼DC9運航乗員部長付 明島順志 ▼技術部 浅田敏一 ▼経営企画室付JALウェイズ 浅田政彦 ▼カスタマーサポートセンター 英保恵一郎 ▼羽田整備事業部第2運航整備部 荒井功 ▼宮崎支店宮崎空港所 石川清堅 ▼整備企画室付日本航空技術協会 石原保彦 ▼羽田整備事業部第1運航整備部 泉紀義 ▼経営企画室付JALウェイズ 磯治夫 ▼経営企画室付北海道エアシステム 伊藤義雄 ▼747-400運航乗員部 植田克己 ▼羽田整備事業部第2運航整備部 鵜澤芳雄 ▼A300-600運航乗員部 遠藤俊男 ▼747-400運航乗員部 大井享 ▼羽田整備事業部整備統括事業部 大嶋四郎 ▼経営企画室付JALウェイズ 大沼正宏 ▼整備企画室付JAL航空機整備東京 柏明 ▼部品企画部 梶為雄 ▼第1客室常務部 上山敏夫 ▼東京支店北関東営業所件関連事業室付ジャルセールス 木 内保江 ▼第2客室乗員部(定年退職準備特別休暇制度) 菊池良江 ▼第1客室乗員部 喜田睦夫 ▼第1客室乗員部(定年退職準備特別休暇制度) 小脇陽修 ▼767運航乗員部 後藤映二 ▼経営企画室付ジャル・エクスプレス 櫻井秀行 ▼整備訓練部 佐藤吉子 ▼整備企画室付きJAL航空機整備成田 清水正治 ▼羽田整備事業部第1運航整備部 新宮芳隆 ▼空港業務部付ジャルスカイサービス 杉田國昭 ▼ITサービス企画室 杉谷幸郎 ▼運航乗員査察部 鈴木雅明 ▼羽田整備事業部第1運航整備部 高木忠男 ▼貨物郵便業務部付JALカーゴサービス兼成田貨物支店業務 部 高橋寛 ▼羽田整備事業部機体整備部 滝口和夫 (5) ▼747-400運航乗員部長付 竹本粹 ▼羽田整備事業部機体整備部 多田羅博文 ▼羽田整備事業部整備統括業務部 龍野睦子 ▼カスタマーサポートセンター(定年退職準備特別休暇制 度)田中幸一 ▼整備企画室付JALアビテック 玉置誠一 ▼運航企画室付航空医学研究センター 近久康雄 ▼整備企画室付JALアビテック 徳田重喜 ▼747-400運航乗員部 友山幸雄 ▼経営企画室付ジェイエア 中野春吉 ▼関連事業室付JALカード 中村一美 ▼福岡支店販売部 永松純子 ▼737運航乗員部 野田文雄 ▼第2客室乗員部 浜谷悦子 ▼技術部 早川日出夫 ▼経営企画室付日本エアコミューター 平賀喜久夫 ▼部品企画部 樋渡安博 ▼経営企画室付JALウェイズ 藤本康子 ▼経営企画室付ジャル・エクスプレス兼シドニー支店付 布 施康善 ▼整備企画室付JAL航空機整備成田 古野逸朗 ▼客室サービス企画部 堀内憲一 ▼第2客室乗員部(定年退職準備特別休暇制度)宮崎志朗 ▼767運航乗員部長付 武良敬治 ▼747-400運航乗員部 村井恒雄 ▼部品企画部 村井雄次 ▼休職 村河忠嘉 ▼空港業務部付ジャルスカイサービス 山川裕子 ▼経営企画室付JALウェイズ 若宮明 ▼人事部キャリア開発支援室付 渡辺秀一 〈早期退職優遇制度〉 ▼運航技術部 佐藤啓一 ▼カスタマーサポートセンター 鈴木綾子 ▼整備企画室付JAL航空機整備成田 立川剛 〈雇用延長期間終了〉 ▼整備企画室付JALアビテック 今泉勝司 ▼整備企画室付JAL航空機整備成田 坂手準 ▼部品企画部 津田洋一 〈転籍退職者〉 ▼関連事業室付ジャルキャピタル 勝野光昭 ▼整備企画室付JALエンジンテクノロジー出向兼整備企画室 島谷秀和 ▼整備企画室付JALアビテック 三野晴夫 ▼人事部付JALサンライト 山口光俊 〈退職者) ▼空港業務部付 島田三朝 ▼成田空港支店総務部 土井清右 ▼空港業務部付JALスカイ関西 平井邦則 ▼空港業務部付JALスカイ関西 渡辺芳夫 (2月1日付) 〈管理職2・3職級進路選択制度に基づく雇用延長者〉 ▼人事部キャリア開発支援室付 渡辺秀一
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