WING DAILY

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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1632号 2008年(平成20年)3月19日(水曜日) WING DAILY
Airline & Aviation E-mail News
発行所 航空新聞社:W I N G
D A I L Y 編集部
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【HEADLINE NEWS】
【航空関連ニュース】
★AZA、AFR/KLMの買収提案受け入れ
2010年度の単体黒字化目指す
アリタリア航空(AZA)は、3月15日の取締役会でエール
フランス航空/KLMオランダ航空(AFR/KLM)からの買収
提案を受け入れることを決定、同時に2008年から2010年まで
の再建計画を発表、2010年度の単体黒字化を目指す方針を打
ち出した。
買収が実現すれば、AZAはAFR/KLM同様、持ち株会社の
傘下に入り、ブランド自体は維持される。また再建計画では
ローマのハブ化を推進。同社は3月30日からスタートする夏
期スケジュールより、日本路線においてもローマへのノンス
トップ便を増便、これもハブ化の一環となる。なお、ミラノ
はゲートウェイとしての機能を維持するとしており、成田を
含む一部長距離便は存続される見通し。また不採算路線は今
後整理される予定で、機材更新も進める。
中期計画受入れが条件、3億ユーロの増資と払い戻しなど
なお、AZAでは、買収提案受け入れに関して、受け入れ条
件を発表。それによると、アリタリア取締役会が前述の
2008-2010年再建計画を正式に承認すること、第2に、その
経営計画の実施、就業規則、社会的な影響を軽微にする計
画、予定されている買収について、アリタリア労働組合が、
エールフランス-KLMが満足する形で正式に合意すること、
必要なリストラの方法とその影響を緩和する計画について、
同社労働組合が、エールフランス-KLMが満足する形で正式
に合意することなどを条件としている。
また、イタリア財務省がアリタリアに対して融資限度額を
供与、あるいはアリタリアが3億ユーロの融資限度額を得るた
めに必要な保証を与えることなどを条件に盛り込み、その3億
ユーロは増資後すぐに払い戻されることになる。
さらに、アリタリアとAeroportidiRomaとの間でローマ・
フィウミチノ空港と2008-2010経営計画の実施にあたって必
要とされるサービスについて正式な合意がなされることも条
件とした。
一方、SEAがアリタリアに対して起こした申し立てについ
ては、その申し立てを正式に取り下げること、エールフラン
ス-KLMが満足する形で解決されること、適切な法令を執行
する必要がある場合はイタリア財務省がアリタリアに対して
適切な補償を約束すること、エールフランス-KLMに対し
て、申し立てによって生じるリスクを確実に取り除くことが
できる解決を保証することのいずれかを求めている。
★DHL、2012年までにインフラ整備など20億投資
地方拠点進出を拡大、年内に那覇営業所開設へ
DHLグローバルフォワーディングジャパン(DHL)の
チャールス・カウフマン代表取締役社長が18日、記者会見を
開き、2012年までに日本市場のあらゆる貨物分野に対して、
総額20億1200万円の投資を進めるなど、とくに航空分野の
フォワーディング事業において日本で上位3位に入る、と目標
を掲げた。同社は過去6年間、M&Aを中心として、インフ
ラ、人材確保などに23億円の投資を進めてきているが、2012
年までの投資については、M&Aが中心ではなく、インフラ整
備や、人材確保が中心となってくるという。
日本において、DHLは航空貨物輸出において3.6%の市場
シェアを持つ。2007年には同社は、航空貨物輸入市場におい
てシェアを伸ばしており、9%の成長を達成したという。カウ
フマン社長は、2012年までに日本市場では対前年比12%増の
年間成長を見込んでいるおし、フォワダーとして認知度も高
めていきたい方針だ。
そこで日本においては、とくに地方への展開を強化してい
く方針。この戦略は、顧客のトレンドが大都市圏より、地方
へ移行する傾向にあるためで、現在同社が進出していない地
方に新たな拠点を構えることなど、インフラ整備進めること
を検討しているという。カウフマン社長は「フォワーディン
チャールス・カウフマン代表取締役社長
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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1632号 2008年(平成20年)3月19日(水曜日) グビジネスでは、顧客についていくことが大切。米国でも
北から南へと顧客がシフトしたように、日本でも大都市か
らそうではない地方都市へ顧客が動いていくため、その流
れに付いていくことが重要だ」と地方戦略展開を強化して
いく方針を示した。
そこでまず、那覇へ進出し、2008年第2四半期に営業所
を構える。那覇には、全日空(ANA)が貨物拠点を構築
することを表明しているが、同社ではANAの拠点構築と
の関連を否定している。
一方、既に進出している名古屋地区でも大きな貨物需要
が見込まれるとし、昨年新規顧客を獲得したこともあっ
て、リソースを注入していく。名古屋では、成長率15%を
見込んでおり、施設の拡充や、人員の増員などを図る計
画。しかし、中部空港も大切、としながらもリソース注入
の中心となるのは、名古屋港、つまり海の輸送モードが中
心となるようだ。そのほか、福岡、京都についても数カ月
で大きく伸張しているとして、今後、営業所の開設や従業
員の新規雇用を進めていくという。
また、顧客のトレンドが地方にシフトしてきているよう
だが、とはいっても首都圏には膨大な貨物需要があること
には変わりはない。羽田再拡張に際して、羽田拠点進出の
検討は進めているようだが、具体的な形はこれから、のよ
うだ。
また、上述の地方戦略と同時に、国際ネットワーク拡充
も図る。カウフマン社長はDHLは主に中国、インド、北米
に重点を置いているとのことで、例えば、米国では2008
年第2四半期に4名を増員するなど、海外の仕向地にコント
ロールタワーを設立、日本の顧客に対して、日本と同等の
サービス品質を確保していくために、海外拠点の充実化を
図っていく。そこで日本からも従業員を異動させていくと
いう。
そのほか、国際ネットワーク関連では、ライフサイエン
スおよびファッション分野で主要プレイヤーになる、と
し、今後数年間で15%の成長を見込んでいるほか、ITを強
化することで、顧客への迅速な対応を提供、より品質を高
めたサービス展開を狙っていく方針だ。
カウフマン社長はこの2012年までの戦略のなかで、地
方を伸ばしていくとともに、顧客自身がグローバル化が進
むなかで、その需要に応えていくため、国際ネットワーク
も強化に対応していく、としている。
★航空局、航空貨物ワークショップ開催
セキュリティ途上国に助言も、統一基準など課題
航空局は去る13日〜14日まで、「航空貨物セキュリ
ティワークショップ」を都内で開催した。このワーク
ショップで、航空貨物のセキュリティ対策に係わる各国の
手法を紹介、航空貨物全般に亘る現状認識と課題について
議論が行われたという。多種多量な貨物を扱う航空貨物分
野は、複雑な保安制度や関係国の制度上の違いなどによ
り、世界的な統一基準が進んでいないのが現状で、とくに
航空貨物セキュリティ対策が遅れている、いわゆる航空貨
物セキュリティ途上国との統一基準構築などが今後の課題
となりそうだ。
航空貨物は多種多量のため、セキュリティを高める
と、スピードが遅くなり、逆にスピードを速めようとする
と、セキュリティが甘くなるなど、課題があるという。とくに航
空貨物セキュリティの分野で途上にある国々とっては、セキュリ
ティ対策に課題が顕在化しており、テロの標的にもなりかねな
い。航空局によると、日本はこの貨物セキュリティ分野で先進的
な立場にあるようで、このワークショップを通じて、航空貨物セ
キュリティ途上国に、日本の取り組み事例を紹介もしたようだ。
そのほか、諸外国やICAOの航空セキュリティ専門官らが集まっ
て、将来の方向性を議論したという。
なお、今回のワークショップには、ブルネイ、中国、香港、マ
レーシア、シンガポール、英国、米国、ベトナム、そして
ICAO、航空セキュリティの専門家約60人が参加。去る平成18年
1月に東京で開催された「国際交通セキュリティ大臣会合」で採
択された航空セキュリティに関する大臣声明のフォローアップと
して行われた。
★JAL、東京五輪のオフィシャルパートナーに
五輪招致ロゴなど使用可能に、旅客輸送で協力も
日本航空(JAL)は東京都が進めている2016年東京五輪招致
活動のオフィシャルパートナープログラムに協賛することが決定
した。契約期間は2009年10月2日まで。
今回、JALは東京オリンピック招致委員会とオフィシャルパー
トナープログラム参画を基本合意、航空旅客輸送サービスの分野
で協賛することになった。
協賛企業となったJALでは、「TOKYO2016オフィシャルパー
トナー」などの呼称権や招致ロゴを使用できるようになる。
JALはこれまで、日本代表選手団の輸送に協力しており、
1998年に開催された長野五輪から、2004年のアテネ五輪まで
JOC唯一のオフィシャルエアラインとして五輪に協力してきて
いる。今年開催の北京五輪では、オフィシャルパートナーとして
選手や関係者、その貨物の移動を支援しているという。
なお、JALがオフィシャルパートナーとなったことで、東京五
輪招致の協賛企業は、アシックス、デサント、ヤフー、TBCグ
ループ、そして大塚商会とあわせ、計6社となっている。
★ADO、旭川線100万人突破記念でボーナスポイント
ニッポンレンタカーと提携し就航5周年企画も
北海道国際航空(ADO)は、旭川−東京線の就航5周年と、利
用者数100万人突破を記念して、「MyAIRDO」ボーナスポイン
トのプレゼントを実施する。さらに、ニッポンレンタカーサービ
スと提携して、「旭川5周年GO!GO!レンタカープラン」を展開
する。
ADOによると、利用者数100万人突破は4月初旬の見込みで、
「MYAIRDO」に入会し、対象期間中に旭川−東京線に搭乗する
と、初回搭乗時に1ボーナスポイントが付与される。対象期間は
4月25日〜6月30日まで。
一方、就航5周年企画の「旭川5周年GO!GO!レンタカープラ
ン」では、4月1日〜6月30日に旭川−東京線搭乗者を対象に、
ニッポンレンタカーを特別料金5000円〜で利用できる。また
「AIRDOオリジナル ラベンダーアロマセット」もプレゼント
する企画だ。
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WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1632号 2008年(平成20年)3月19日(水曜日) 【航空工業/防衛ニュース】
★アドバンスドコンポジットセンターを09年4月開所
東レ、名古屋事業所内に40億投資へ
東レは、名古屋事業所に、コンポジット製品の技術開発施
設「アドバンスドコンポジットセンター」(ACC)を設置
し、同社の愛媛工場にあるコンポジット開発センター、愛媛
工場と滋賀事業所にあるコンポジット技術部を移転する。東
レによると、この「アドバンスドコンポジットセンター」建
設にかかる投資は40億円。2009年4月には、移転、開所する
計画だ。
この「アドバンスドコンポジットセンター」に、同社の主
力事業ともいえるコンポジット製品の開発中核拠点を構築、
その機能も、これまでのものより強化していく方針だ。そこ
で、製品設計や成形加工技術、熱可塑樹脂を適用した次世代
コンポジット製品の開発や、愛媛工場でこれまで培った炭素
繊維、プリプレグ開発との連携も強化。くわえて、名古屋事
業場の樹脂・ケミカル技術の開発機能との融合や、今年6月
開所予定の総合開発拠点「オートモーティブセンター」との
自動車分野との連携もすすめる。名古屋事業所は、自動車・
航空産業の顧客と隣接する立地で、顧客との共同開発体制の
強化や開発のスピードアップ化が期待される、という。
なお、この「アドバンスドコンポジットセンター」が完成す
ることで、名古屋事業所内には自動車・航空機分野向けの総
合開発拠点「A&Aセンター」(Automotive&Aircraft
Center)が完成する。「A&Aセンター」は、「アドバンスド
コンポジットセンター」、建設中の「オートモーティブセン
ター」、そして「樹脂応用開発センター」の3センターから
成る。
★NEC、エクスプレスジェットの24拠点ネットワーク設計
100拠点拡大も、NECは運用・保守まで提供
NECグループのNECUnifiedSolutions(NECUS)は、北
米のエクスプレスジェット社に1300台ものIPテレフォニーシ
ステムとコンタクトセンターを構築、そのコンサルティング
から設計、運用・保守までを代行する。これにより、
NECUSはエクスプレスジェットの北米24拠点に、サービス
を提供していくことになる。なお、エクスプレスジェットで
は、今後の事業拡大にあわせて、対象エリアを100拠点まで
拡大していく計画だ。
エクスプレスジェットは北米、カリブ海沿岸で運航してい
る中近距離定期便、チャーター便を運航しており、IT基盤強
化を進めてきたという。そこで、今回、NECUSがネット
ワークシステムの運用・保守を代行することになった。同社
のネットワークシステムはテキサス州のNECのネットワーク
オペレーションセンターにおいて、全て遠隔監視・運用され
るという。
導入されるシステムは、NEC製のSIP対応テレフォンサー
バ「UNIVERGESV7000」を設置し、1300台のIPテレフォ
ニーシステムを構築する。「UNIVERGESV7000」を二重化
することで、自動バックアップも可能だという。また、空港
オフィスには「UNIVERGENEAX(R)2000IPS-DML
(UNIVERGE3600i)」を導入しているという。
さらに、エクスプレスジェット社内には、IPテレフォニー
システムを導入すると同時に、コンタクトセンターも新設す
る。これにより、従来は拠点ごとに設置されていた問い合わ
せ窓口を一本化することができ、利便性が向上するという。
★空自、KC-767空中受油訓練を実施中
小牧基地配属KC767実用試験に伴う訓練
航空自衛隊は17日〜31日にかけて、空中受油訓練を実施中
だ。この訓練は、小牧基地で実施中のKC-767実用試験に伴
い、実施されている。この試験を通じて、受油機側(F-15)
の試験飛行要領を確認するため。
訓練規模はF-15機×2機〜3機で、訓練では米空軍教官によ
る空中受給に関する講義をうけるほか、F-15が飛行し、米空
軍空中給油機から受油する。
訓練実施部隊は航空開発実験集団。同訓練は米空軍空中給
油機の支援を受けて行われており、使用基地は那覇基地およ
び同周辺空域。
同種の訓練は平成15年度から実施しており、今年で6回目
となる。
【海外メーカーニュース】
★ル・ブルジェのBJセンターがEASAの認証取得
エンブラエル
エンブラエルは18日、ル・ブルジェ空港の新しいエグゼク
ティブ・ビジネスジェットセンターをEASAよりPart145の認
証を受領した。
この新しいエグゼクティブ・ビジネスジェットセンター
は、ポルトガルのオグマ社や、そのほかの欧州地域のエンブ
ラエルが認めたサービスセンターとともに、サービスネット
ワークを構築していく。
なお、ル・ブルジェ空港のエグゼクティブ・ビジネス
ジェットセンターやこれらのサービスセンターでは、
Legacy600やPhenom100とPhenom300の整備を担当、2008
年から2009年にかけて運用が開始される計画だ。
【海外エアラインニュース】
★CPA、羽田チャーターは定期便実現への「布石」
ウッドロー支社長、羽田国際化に「大きな関心」
キャセイパシフィック航空(CPA)日本支社長のジェーム
ズ・ウッドロー氏は、先日都内ホテルで行われた記者会見の
席上、「将来的に香港が羽田空港から運航できる国際線デス
ティネーションとなることを望んでいる」と語り、2010年に
予定されている羽田空港の国際化に高い関心を示した。同社
は既報の通り、4・5月に羽田—香港間のチャーター便を運航
する予定。同チャーター便が今後の定期便実現へ向けた「布
石」となるかが注目される。
同社の羽田チャーター便は、羽田空港の深夜/早朝・特定
時間帯を利用し、4月4・6日及び5月2-3・6日に運航する計
画。主に4月は、連休となる香港発のインバウンド需要、また
5月は、ゴールデンウイーク時期の日本発の旅行需要に対応す
る。なお、早朝に到着した機材は、深夜の出発まで羽田空港
(4)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1632号 2008年(平成20年)3月19日(水曜日) に駐機するスケジュールと
なる。
ウッドロー氏は「(昼間
駐機は)明らかに運航上理
想的ではない。昼間のス
ロットが空けば、上海やソ
ウルのように効率の良いフ
ライトとなるだろう」と説
明。さらに「2010年の羽田
国際化で、新たなスロット
が生まれ、国際線の運航が
どういう条件で可能となる
か見守りたい。その際は
ケース・バイ・ケースで対
応していきたい」と語り、
羽田への乗り入れに前向き
な姿勢を示した。
また同社日本支社営業本
CPA日本支社長のジェームズ・ウッ 部長のスティーブ・ウォン
ドロー氏
氏は「今後も羽田チャー
ター便を検討していきたい」とコメント。先日の弊紙インタ
ビューでも言及した通り、「羽田へのチャーター便運航によ
り、2泊3日のパターンが可能となる」と語り、羽田チャー
ター実現による新たな需要創出の可能性を強調した。
同社は、子会社の香港ドラゴン航空(HDA)と合わせ、昨
年日本へ合計103本のチャーター便を運航。冬期スケジュー
ルの定期便化を前に数多く運航した仙台など、就航地点も全
国16空港をカバー。今年は「昨年と同様もしくはそれ以上の
設定を検討している」(ウォン営業本部長)とのことだ。
円高で香港の割安感を強調
燃油サーチャージの安さもアピール
また、ここ最近の円高ドル安傾向について、ウォン営業本
部長は「香港ドルは米ドルとリンクしている。今、香港は日
本人にとって割安感のあるデスティネーションだ」と強調。
さらに他社と比べて割安な燃油サーチャージについても触
れ、「燃油サーチャージがリーズナブルな当社や香港ドラゴ
ン航空は、良い選択肢となると自負している」と自信を見せ
た。
対して、円高による香港発のインバウンド需要への影響に
ついて、ウォン氏は「日本は人気の高いデスティネーション
なので、円高は需要に水を指すものではないと思う。ドル安
で日本同様、オーストラリアやヨーロッパへ行くのも負担増
となっており、燃油サーチャージの負担が大きいロングホー
ルから日本を含むショートホールへのシフトが考えられる」
と指摘した。
「香港逃避行」は今年も継続
6月に東京ミッドタウンで消費者向けイベント
一方、キャセイパシフィック航空は、2005年4月より展開
している香港への需要促進キャンペーン「香港逃避行」を
2008年4月以降も継続展開する。イメージキャラクターには
引き続きモデルやタレントで活躍する森泉氏を起用。広告ビ
ジュアルには森氏に加え、今回初めて同社の客室乗務員も登
場。広告展開はメディア(新聞・女性誌)や地下鉄のトレイ
ンジャック(6月1-15日に東京メトロ銀座線及び丸の内線で
予定)を行う計画。また6月6-7日に東京ミッドタウンで消費
者向けのイベントを開催。イベントでは、東京FMと連動し、
森泉氏のトークショーや広告写真を担当したアンディ・チャ
オ氏の写真展を開く予定だ。
「香港逃避行」の主ターゲットは若い女性層や熟年層。同
キャンペーンに合わせ、旅行会社各社がキャンペーンツアー
を造成しており、ツアー参加者には特典として小冊子「とっ
ておき香港ガイド」と「干支ねずみのぬいぐるみ」がプレゼ
ントされる。
★カタール、ドーハ−ヒューストンに11月就航
12月にはデイリー化、B777-200LR投入
カタール航空では、今年後半からドーハ−ヒューストン線
に就航、北米路線を強化する。来る11月10日には、B777200LR型を投入して、ドーハ−ヒューストン線直行便を3便/
週で運航、12月には1日1便のデイリー運航とする計画だ。
カタール航空では、昨年度夏に、ニューヨーク線やワシン
トンDC線を開設、今回開設するヒューストン線は同社にとっ
て、3路線目の北米路線となる。
投入されるB777-200LR型には、ビジネスクラス42席、エ
コノミークラス217席。座席配列はビジネスクラスで2-2-2、
エコノミークラスで3-3-3。
現在、カタール航空では、B777-300型を2機、ワシントン
線に投入しているが、B777-200LR型は、ヒューストン線開
設に合わせて納入される計画。
カタール08年度計画、広州線3月末4便/週で就航
5月に5便/週へ、ドイツ新就航先も検討中
またカタール航空はこのほど、夏期スケジュールで、広州
への就航など、ネットワークを強化すると発表した。広州線
の開設は同社にとって、中国路線として4番目の路線。同社は
3月31日より4便/週で運航、5月1日には5便/週に増便する計
画。さらに上述の通り、11月にはヒューストン線を開設する
ほか、ロンドン、ミラノ、ヨハネスブルグ、ソウル、イスラ
マバード、ニューヨークなど各都市への増便も計画してい
る。
ロンドン線については、現在の1日3便から1日4便に増強す
る。ソウル便やヨハネスブルグなどではそれぞれ7便/週とす
る計画だ。さらに、現在、24便/週を運航しているドイツ路
線について、運航中のフランクフルト、ベルリン、ミュンヘ
ンの3都市以外の新たな都市への就航を検討しているという。
なお、ドーハ発の増便計画は以下の通り。
▼ロンドン=3月30日より4便/日(21便/週→28便/週)
▼ベイルート=3月30日より2便/日(7便/週→14便/週)
▼バーレーン=3月30日より40便/週→42便/週
▼ジュネーブ=5月5日より5便/週→6便/週
▼イスラマバード=3月30日より2便/週→4便/週
▼イスタンブール=3月30日より5便/週→6便/週
▼ヨハネスブルグ=8月1日より4便/週→7便/週
▼ラゴス=3月31日より3便/週→4便/週
▼ラホール=3月30日より2便/週→4便/週
▼ミラノ=5月1日より4便/週→7便/週
(5)
WING DAILY(毎週月−金曜発行、祝日休刊) 第1632号 2008年(平成20年)3月19日(水曜日) ▼ニューヨーク=5月5日より5便/週→6便/週
▼ソウル(大阪経由)=3月30日より6便/週→7便/週
【旅行関連ニュース】
★ルックJTB、SAS利用の北欧周遊8コースを発売
成田→ベルゲンをチャーター、復路は定期便で
JTBワールドバケーションズは、7月12日に運航するスカ
ンジナビア航空の成田−ベルゲン間のチャーター直行便
(A340型機245席)の往路を全席買い取り、北欧周遊8コー
スを3月21日に発売する。復路は各都市からの通常の定期便
を利用することで、北欧4カ国周遊やクルーズ船でフィヨル
ドを巡るツアーなどのコースと日数のバリエーションを実現
した。大自然が魅力の中高年層の旅行需要を喚起すること
で、参加者の拡大を目指す。ベストシーズンの北欧で、一機
全席245名の完売が目標。
出発は7月12日限定、往路は成田ーベルゲン直行チャー
ター便を利用することで、所要時間が18時間から11時間に7
時間短縮される。予定発着時刻は成田発午前11時40分・ベル
ゲン着午後3時55分。余裕を持ってホテルにチェックインす
ることが可能になる。
また、復路はコースそれぞれが定期便を利用することで、
8〜12日間のバラエティ豊かなコース設定が可能になり、ス
ケジュール、予算に合わせて選択肢を増やした。さらに、往
路が土曜日発としたことで、8日間なら土曜日着、9日間なら
日曜日着と効率的な土日を含んだ日程を組んだ。
代表的なコースは、「タリンクシリヤの優雅な船旅北欧
3ヶ国巡り8日間 ヘルシンキ航路(A )/トゥルク航路
(B)」。旅行代金は大人1人34万9900円。目玉は2日目の
「フロム山岳鉄道」と5日目の「タリンクシリヤの船旅」。
ヘルシンキ航路はヘルシンキで自由行動、トゥルク航路は
フィンランドの古都トゥルクで観光から選べる。
また、「世界遺産の2大フィヨルドと珠玉の街美しき北欧
紀行11日間」は、旅行代金が50万9000円。全長約200km、
水深約1.300mと世界最長、最深のソグネ、世界遺産の支流
ネーロイ、有数の美しさを誇るゲイランゲルの各フィヨルド
を巡る。
座席グレードアップはビジネスクラスが33万円、上級エコ
ノミークラスが11万円。
今回のチャーター利用商品の発売を記念して、スウェーデ
ン駐日大使の協力を得て、通常では中に入れないスウェーデ
ン大使館で事前旅行説明会を開催する。日程は4月10日
(木)、21日(月)の午後2時から4時まで。定員は各日70名
(先着順)、参加費は無料。予約制で希望者は旅行販売店に
申し込む。
★比較.comがグローバルトラベルオンライン買収
中小規模のオンライン旅行販売が限界に
商品の比較サイトを運営する比較.comは、グローバルトラ
ベルオンライン(GTO=谷口伸一社長)の全株式を親会社の
住友商事から取得して、子会社化すると発表した。比較.com
では、GTOが持つ旅行分野の強みと比較.comを連動させる
ことで、サービスレベルの高い比較情報をワンストップで消
費者に提供することが可能になり、グループとしてのシナ
ジー効果が発揮できることを期待している。
GTOの資本金は3億円、総資産は2007年3月期で4億6400万
円、発行済株式総数は1万2000株で、全株式を住友商事が保
有する。比較.comは2億6600万円でGTOの全株式を住友商事
から4月1日に取得譲渡契約を締結、4月8日に取得する予定。
日本におけるダイナミック・パッケージの草分け的存在の
GTOは、旅行商品のリアルタイム空席照会、即時予約、即時
決済のワンストップ提供と、2000社以上の海外取引先を持っ
ている。
近年、格安航空券販売の通販、オンライン旅行会社の買収
が目立っている。大手オークション・ショッピングサイト、
ビッダーズを運営するディー・エヌ・エーがエアーリンク、
スカイゲート、さらにアルキカタ・ドッコ・コムを傘下に収
めた。また、パラダイムシフトがコスモツアーシステムを買
収している。
大手サイトは買収により、旅行商品、航空券販売のコンテ
ンツを充実、オンライン旅行会社は大手の傘下に入ることで
スケールメリットが得られる。
オンライン旅行販売も大手や異業種の本格参入で体力勝負
の様相を呈しており、海外旅行需要が低迷し、ダイナミッ
ク・パッケージがそれほど伸びない中で、中小規模のオンラ
イン旅行会社による利益幅の薄い低価格旅行商品や格安航空
券の販売は限界に来ているといえる。今後も、オンライン旅
行販売の再編、集約化が進みそうだ。