平成23年7月発行 vol.2 2011年 夏号vol.2 北海道の短くて厳しい夏がやってきました。水分や、栄養不足になっていないでしょうか。 暑くて食欲が無いからといって、食事をおろそかにすると、エネルギー不足により夏バテが悪化して しまいます。元気に働くためにも、たんぱく質をしっかり摂って、体力を維持してください。 今回は、必要栄養量の算出方法についてご紹介します。一人一人、エネルギーやたんぱく質の必要量 が異なるので、病院食ではそのバランスを整えて食事提供をしています。 食事カロリーは、どうやって決めているの? 体を動かす程度や、体にかかるストレス、また、患者 さまの目標体重を考えて計算します。 かける 必要 エネルギー量 = 基礎エネルギー 消費量 × かける 活動係数 × ストレス係数 ◆ 基礎エネルギー消費量とは、安静時のエネルギー消費量のことで、 生きていく上で最小限必要なエネルギー量です。 【計算式】 男性:66.5+(13.7×体重kg)+ (5× 身長cm)-(6.7×年齢) ちなみに、この計算式は、ハリスベネディクトさんが作ったので、ハリスベネディクトの 方程式と呼ばれ、1920年代から使われています。現在まで新しい方程式が作られて いないので、90年たった今も使われています。他にも色んな算出式がありますが、臨床栄養の 現場で広く使われていることから、当院ではハリスベネディクトの方程式を用いています。 ◆ 活動係数は、その名のとおり、動いている程度のことです。 C1.2=1.0、B1.2=1.1、A1.2=1.2、J1.2=1.3 としています。 ◆ ストレス係数は、体にかかる侵襲の程度のことです。 手術や熱傷、褥瘡、発熱の程度によって1.1~1.8 としています。 係数は、使用する現場によって異なります。そして、患者さまの活動量が変化した時や、 侵襲が増えたときに、いかに柔軟に対応できるかが、栄養管理のポイントになります。 患者さまの活動・ストレスが変化したと思ったときには、是非栄養科までご連絡を! 患者さまの目標体重とは? やせている人なら、 理想体重 【IBW】 (身長m×身長m×22) に近づけるように! やせている人とは、理想体重比 80%以下を指します 理想体重の人は、 現体重 【BW】 維持できるように! 肥満の人なら、 調整体重 【ABW】 現体重-理想体重=A A×0.25=B 肥満の人とは、理想体重比 120%以上を指します 発行:医療法人刀圭会 協立病院 栄養科
© Copyright 2024 Paperzz