2013 年度 春期 4

独検(ドイツ語検定試験)
2013 年度 春期 4 級
1.発音
(1)つづり
bを「ブ」と読むか,「プ」と読むかです。語あるいは音節の末尾にある場合は無声
の「プ」になることは学習対象になりますが,例外的な単語は例外として覚える以外
にないようです。
(2)アクセント
基本的に第一音節にアクセントがあります。しかし,外来語は,アクセントが複雑な
ので,それが出題対象になりました。
発音は,息を吐いてするものですので,息が苦しくなるようなアクセントはないはず
です。困ったときは,下線部にアクセントを置いて読んで,直観的に判断することに
なります。案外当たるのではないでしょうか?
(3)母音の長さ
ふつう,母音の後ろの子音が一つの場合,前の母音は長く発音されると言われます。
この規則を知っていれば,解答できましたね。
(4)文中で強調される語
「どの位かかるか?」と尋ねられているのですから,「かかる時間」が強調されるこ
とになりますね。
2.適切な語
(1)選択肢は müssen。Sarah は,女性の名前。それを受ける人称代名詞は,3人称単
数 sie。
(2)選択肢は lesen。不規則変化動詞。主語は du。
(3)選択肢は antworten。Lehrerin を受ける人称代名詞 sie が主語。もちろん現在形で
すね。
(4)選択肢は動詞 sein。主語は,敬称の Sie。
3.適切な語
(1)選択肢は代名詞。
「(新しいアイデアがない。)休憩しよう!」という提案の文の主語は何かと問われ
ています。「定形の動詞+wir ...!」で提案の文が作られます。
(2)選択肢は定冠詞。前置詞 an は,3・4格支配。
stellen は「
を∼に接触させて立てる」。「どこそこに」と方向が問題になっていま
すね。方向は4格。
(3)選択肢は不定冠詞。
Park 男性名詞の格が問題になりますね。es gibt は,4格と結びついて,「
があ
る」という熟語。疑問文にすると,Gibt es ...?
(4)選択肢は,所有冠詞 ihr「彼女の」。
kaufen は「買う」という意味ですが,買ってやる相手は,3格で表します。ただし,
Kindern は,複数3格でしかないので,それだけでも解答できますね。自分に買う時
はどうしますか?再帰代名詞を使いますね:sich3+4格+kaufen
4.語句を挿入する適切な箇所
(1)まず,挿入語句と関係なく,ドイツ語文を訳すと,
「私のガールフレンドに私は毎日メールを書きます」。
挿入語句は「ほとんど」。
(2)まず,挿入語句と関係なく,ドイツ語文を訳すと,
「君はもっと食べるつもりですか?」。
挿入語句は nicht。nicht mehr「もはや
ない」という決まり文句を知っていたら問
題ないですね。
nicht の位置はもう毎回でると思っていいのではないでしょうか?
(3)まず,挿入語句と関係なく,ドイツ語文を訳すと,
「私は運転免許書はあるのですが,しかし私は Auto
」。
訳せなくなってしまいますが, Auto fahren で,「車を運転する」。挿入語句は fahren。
aber は,語順に影響を与えることがないので,それと無関係に,挿入語句の入るとこ
ろを探します。
(4)まず,挿入語句と関係なく,ドイツ語文を訳すと,
「昨日寒いです」。
意味不明ですね。挿入語句は「
以来,
から(今まで)」。「昨日以来,昨日から」
とする以外にありえません。したがって,gestern と結びつかせます。
5.挿入する適切な語句
(1)「ケーキが欲しいか」と尋ねられて,言う言葉です。決まり文句ですね。覚えてお
くべき重要な会話表現ですね。
(2)「
そのワンピースをとてもかわいいと
」と来たら,finden ですね。finden は,
よく出題されます。
(3)選択肢は,話法の助動詞。文は,疑問文。bitte「どうぞ」がありますね。物事を頼
む際の決まり文句ですね。「
してくれますか?」
(4)選択肢は,疑問詞。応答文は,「週に2回」。回数が尋ねられているのですね。
6.適切な応答文
(1)A の疑問文は,具合を尋ねる時のお医者さんの決まり文句。Herr Doktor からも,
A がお医者さんということはわかりますね。
選択肢で,持っていないものは,鉛筆とお金。
持っているものは時間と熱。
僕だったら,Freund とか Freundin を出題するけど,ふざけているかな?
(2)A の疑問文は,「待っててくれる?」。
選択肢の単語は,辞書を引いてくださいね。
(3)A の疑問文は,「( )朝そんな早く起きねばならないのですか?」。選択肢は疑問
文。応答文をみなくともすぐ正解の語句が思い浮かびますね。
(4)A の文の noch は,訳せましたか?Einen schönen Tag! ではなく,Einen schönen
Tag noch! と言うと,何かドイツ語的じゃないですか?
ある時,ホテルのバーで飲んでいたとき,隣の席にドイツ人の二人連れがいて,バ
ーを出る時,Einen schönen Abend noch!と言ったら,驚いていました。その時の
ことが未だ忘れられません。... noch! 気持ちがよかったです。
gleichfalls も使えると,恰好がいいです。
なお,応答文の3は,「ご機嫌いかが?」と尋ねられた時のものですね。
7.道順
このような設問では,
rechts 右側に
gegenüber の向かいに
dann そうすると
links 左側に
hinter Ecke 角
geradeaus まっすぐに
vor の後
の前
Kreuzung 交差点
などの単語を知っておかなければなりませんね。
まず,駅にいて,左に進んで,2番目の交差点で右に曲がります。
そうすると,交差点に来て,角に Polizei があるのですね。
その向かい側の左に Post があって,交差点の後ろで左側に Café があるようです。
さらに行くと Kino があるとのことです。
選択肢の名詞の意味が分からなくても,解答できますね。序数の erst, zweit, dritt 位
は覚えておいた方がいいかも知れませんね。
8 会話文
スイスに向かう列車で偶然一緒になった Marcel と Lukas の会話ですね。初めて会ったわ
けですね。
Marcel が「すみません」と言って,1番目のカッコの文を言います。それに対して,
Lukas が Ja, bitte!「どうぞ」と答えます。
したがって,( )に入る文は,何かを求めて,尋ねる発言になります:「この席,空いて
いますか?」でしょうね。
--------------------自己紹介をし終わった後,Lukas が Zermatt に行くと言うと,Marcel が Zermatt!と,少
し興奮して,2番目のカッコの文を言いいます。
それに対して,Lukas が Ja, genau!「まさにそうです」とうなずきます。
したがって,( )に入る文は,Zermatt に関する発言になります:「素敵なところです
ね」とかなんとか。
------------------その後,「自分は旅行者ではない」と断ったうえで,3番目のカッコの文を言います。
したがって,( )に入る文は,旅行者かどうかに関する発言になります:「そこに住んで
いるんだ」。
-----------------その後,Marcel が Heidelberg 出身で,Zürich の大学に行っていると言うと,Lukas が
3番目のカッコの文を言います。
それに対して,Marcel が Jura und Wirtschaft と答えます。
したがって,( )に入る文は,何を学んでいるかという発言になります:「何を専攻して
るの?」。
-------------その後,外国語に関する会話があり,Lukas が「それはすばらしい!」と Marcel をほめ
ると,Marcel が4番目の文を言います。
Du bist ja Schweizer. の ja が訳せますか?
「だって君はスイス人でしょ」と,ja は,先行する発言の理由づけを表します。
したがって,( )に入る文は,「(君はスイス人だから)
でしょう」という感じの発言
になりますね:「でも君はもう複数の言語を話せるんだよね?(だってスイス人なんだか
ら)」。
スイスは,多言語国家なんですね。
9 内容把握
このような内容把握の問題で,選択肢が日本語の場合,日本語の選択肢をしっかり読ん
で , 何が話題になって,どのような点が設問の対象になっているかをま ず 始 め に 把握す
るのが一番の対策になると思います。それを前提に,一文ずつ大まかな訳を付けてみます。
------------------・1番目の文:「山田さんはこの冬にドイツ旅行を計画している」„
・2番目の文:「奥さんと Nürnberg のクリスマス市を訪れたいと思っています」。
・3番目の文:「ドイツへの飛行便を探している」。
・4番目の文:「夜の1時に出発して,Frankfurt に5時 25 分に着く」。
・5番目の文:「この飛行便は昨年の1月末からのもので,かなり新しいものである」。
・6番目の文:「1時間後に乗り換えて,Nürnberg に8時 15 分に着く」。
・7番目の文:「山田さんは,朝早く着いて,一日中観光できるので,この飛行便を便利
だと思う」。
*したがって,上の文の「8時 15 分」は朝のことですね。
・8番目の文:「奥さんに質問をする:飛行時間は本当に約4時間?そんなに近いの?」。
・9番目の文:「奥さんは答える:ドイツは冬は8時間,夏は7時間早い」
*時差のことを言っているのですね。文中の es は,何かを指すのではなく,いわゆる
非人称主語です。
・10番目の文:「彼はそのことを理解する」。
・11番目の文:「飛行時間は結局は約 12 時間かかる」。
------------------選択肢との内容的照合は,自分でできますね。すでに書きましたが,日本語の選択肢をま
ず始めにしっかり頭に入れ,合ってる,合ってないと判断すればよいのです。