医薬品・医療用具等安全性情報 308 号 第162号 2014.1 市民総合

第162号
2014.1
市民総合医療センター
薬剤部 医薬品情報(DI)室
Tel. 253-5340(内 2413)
Fax. 253-5343(内 1902)
医薬品・医療用具等安全性情報 308 号
平成 25 年 12 月厚生労働省
1.医療用医薬品の自動車運転等の注意等の記載に関する見直し等について
医薬品を服用することにより、自動車の運転・機械の操作・高所作業等危険を伴う作業(以下、「自動車運転等」と
いう。)に従事している最中に、意識レベルの低下・意識消失・意識変容状態・失神・突発的睡眠等の副作用が発現
し、事故が発生した場合は、第三者に対しても危害を及ぼす危険性があるため、このような副作用が報告されている
医薬品の使用に当たっては、特段の注意が必要であると考えられます。添付文書には自動車運転等に関する注意
等の記載がなされていますが、医薬品の服用と自動車運転等による因果関係が明確でない場合には、添付文書に
注意等の記載がなされていないものもあります。
平成 25 年 3 月 22 日付けで総務省より厚生労働省に対して、自動車運転等の禁止等の記載がある医薬品を処方
又は調剤する際は、医師又は薬剤師からの患者に対する注意喚起の説明を徹底させる勧告が出されました。
PMDA では、添付文書に意識障害等の記載のある医薬品で自動車運転等の注意喚起がなされていない医薬品を
抽出し、検討した結果、新たに注意喚起を行う必要があると判断された医薬品は改訂指示を行いました。また、糖尿
病薬については添付文書への記載状況を整理中です。
医療関係者に置かれては、今後とも患者への適正使用についての情報提供をお願いします。
<新たに注意喚起が必要であると判断された医薬品>
医薬品名【先発品名】
・ドネペジル【アリセプト】
自動車運転等の注意等の追加事項の内容
自動車の運転等には従事しない
・レボフロキサシン(経口剤、注射剤)【クラビット】
・ベラプロストNa【プロサイリン・ドルナー】
・アジスロマイシン(成人用錠剤、成人用ドライシロップ
剤、注射剤)【ジスロマック】
・オフロキサシン(経口剤)【タリビット】
・メシル酸ガレノキサシン【ジェニナック】
・テラプレビル【テラビック】
・ファムシクロビル【ファムビル】
・ピルシカイニド(経口剤)【サンリズム】
・プロパノフェン【プロノン】
・ベプリジル【ベプリコール】
・アシクロビル(経口剤、注射剤)【ゾビラックス】
・バラシクロビル【バルトレックス】
意識障害等があらわれることがあるので、自動車
運転等の際は注意する
市大センター病院
めまい等があらわれることがあるので、自動車運
転等の際は注意する
意識障害等があらわれることがあるので、自動車
運転等には注意すること。なお、腎機能障害患者
では特に意識障害等があらわれやすいので患者
の状態によっては従事させないよう注意すること
薬剤部医薬品情報室(内線 2413)
薬報 H26.1
1
【参考】…「今日の治療薬 2013」には「運転禁止、運転注意」を示す略号が新設されています。また、「運転禁
止」の略号がある薬剤を抜粋した一覧表を作成しましたので、下に示します。あわせてご確認ください。
運転禁止、運転注意の略号
今日の治療薬 2013
今日の治療薬 2013 ページ見本
<今日の治療薬 2013 より、運転禁止の略号がついている薬剤一覧>
薬効分類
抗菌薬・抗ウイルス薬
抗悪性腫瘍薬
販売名(多数あるものは分類名で表示)
一般名(多数あるものは省略)
ミノマイシン
ミノサイクリン
アベロックス
モキシフロキサシン
デノシン
ガンシクロビル
バリキサ
バルガンシクロビル
ストックリン
エファビレンツ
ブイフェンド
ボリコナゾール
ビルトリシド
プラジカンテル
メファキン
メフロキン
タキソール
パクリタキセル
ベルケイド
ボルテゾミブ
タシグナ
ニロチニブ
サレド
サリドマイド
レブラミド
レナリドミド
トーリセル点滴静注
テムシロリムス
PL、ペレックス、SG配合顆粒
鎮痛薬
抗アレルギー薬
市大センター病院
ボルタレン
ジクロフェナク
インテバン
インドメタシン
ランツジール
アセメタシン
インフリー
インドメタシンファルネシル
ミリダシン
プログルメタシン
モービック
メロキシカム
メブロン
エピリゾール
リリカ
プレガバリン
セレスタミン
ポララミン、ベタメタゾン
ザジテン
ケトチフェン
アゼプチン
アゼラスチン
セルテクト
オキサトミド
ゼスラン・ニポラジン
メキタジン
ジルテック
セチリジン
ザイザル
レボセチリジン
レミカット・ダレン
エメダスチン
アレロック
オロパタジン
レスタミン(A)コーワ・ベナ
ジフェンヒドラミン
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薬報 H26.1
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薬効分類
抗アレルギー薬
糖尿病性神経障害治療薬
視床下部下垂体ホルモン
ニーマン・ピック病C型治療薬
ビスホスホネート製剤
降圧薬
狭心症治療薬
抗不整脈薬
気管支喘息治療薬
中枢性呼吸刺激薬
肺線維化抑制薬
販売名(多数あるものは分類名で表示)
一般名(多数あるものは省略)
レスカルミン注
ジフェンヒドラミン、臭化Ca
ハイスタミン注
ジフェニルピラリン
タベジール
クレマスチン
ポララミン
クロルフェニラミン
ベネン
トリプロリジン
ピレチア・ヒベルナ
プロメタジン
アリメジン
アリメマジン
アタラックス、アタラックスP
ヒドロキシジン
ホモクロミン
ホモクロルシクリジン
ペリアクチン
メキシチール
テルロン
シプロヘプタジン
メキシレチン
テルグリド
ブレーザベス
ミグルスタット
アレディア点滴静注
アーチスト
アポプロン
パミドロン
カルベジロール
レセルピン
ニトログリセリン舌下錠
ニトログリセリン
ニトロール(注射剤を除く)
イソソルビド
ニトロールR
イソソルビド
フランドル、フランドルテープ
イソソルビド
アイトロール
一硝酸イソソルビド
シベノール
ピメノール
メキシチール
アスペノン
メトキシフェナミン錠
アストモリジン、アストフィリン配合剤
アネキセート注
ピレスパ
シベンゾリン
ピルメノール
メキシレチン
アプリンジン
メトキシフェナミン
リン酸コデイン
コデインリン酸塩
ジヒドロコデインリン酸塩
メデバニール錠
メジコン
ジヒドロコデインリン酸塩
オキシメテバノール
デキストロメトルファン
フルマゼニル
ピルフェニドン
濃厚ブロチンコデイン配合シロップ
鎮咳薬
セキコデ配合シロップ
フスコデ配合錠、シロップ
カフコデN配合錠
アストーマ配合カプセル
オピセゾールコデイン配合液
胃腸機能調整薬
消化性潰瘍治療薬
腸疾患治療薬
肝疾患治療薬
市大センター病院
プリンペラン
メトクロプラミド
サノレックス
マジンドール
ブスコパン
ブチルスコポラミン
セスデン
チメピジウム
プロ・バンサイン
プロパンテリン
ダイピン
メチルスコポラミン
ビセラルジン注
チエモニウムヨウ化物
エスペラン
オキサピウムヨウ化物
ロートエキス
ロートエキス
硫酸アトロピン
アトロピン硫酸塩
ロペミン
ロペラミド
ペガシス
ペグインターフェロンα
ペグイントロン
ペグインターフェロンα2b
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薬報 H26.1
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薬効分類
販売名(多数あるものは分類名で表示)
一般名(多数あるものは省略)
フェノチアジン系抗精神病薬
ブチロフェノン系抗精神病薬
ベンザミド系抗精神病薬
セロトニン・ドパミン遮断薬
MARTA
エビリファイ
その他の抗精神病薬
抗精神病薬
抗うつ薬
気分安定薬
精神刺激薬
アリピプラゾール
三環系抗うつ薬
四環系抗うつ薬
ルボックス
フルボキサミン
サインバルタ
デュロキセチン
トレドミン
ミルナシプラン
レスリン・デジレル
トラゾドン
リーマス
炭酸リチウム
リタリン・コンサータ
メチルフェニデート
モディオダール
モダフィニル
ストラテラ
アトモキセチン
ベンゾジアゼピン系抗不安薬
ベンゾジアゼピン系睡眠薬
抗不安薬
睡眠薬
抗てんかん薬
非ベンゾジアゼピン系睡眠薬
ロゼレム
ラメルテオン
ブロバリン
ブロモバレリル尿素
トリクロリール
トリクロホスNa
抱水クロラール・エスクレ
抱水クロラール
抗てんかん薬全般
トリプタン系片頭痛治療薬
片頭痛治療薬
制吐・鎮暈薬
パーキンソン病治療薬
レストレスレッグス症候群治療薬
脳梗塞治療薬
抗認知症薬
ミオクローヌス治療薬
筋弛緩薬
麻薬
麻酔薬
腎疾患用剤
ミグシス・テラナス
ロメリジン
ミグリステン
ジメトチアジン
ドラマミン
ジメンヒドリナート
ドプス以外のパーキンソン治療薬
レグナイト
ガバペンチン
シンンメトレル
アマンタジン
イクセロン・リバスタッチ
リバスチグミン
メマリー
メマンチン
ミオカーム
ピラセタム
筋弛緩薬
麻薬(メサペインは除く)
スープレン
デスフルラン
ディプリバン
プロポフォール
アルチバ
レミフェンタニル
ラボナ
ペントバルビタールCa
レミッチ
ナルフラフィン
加齢性黄斑変性治療薬
(アイリーアを除く)
眼科用剤
市大センター病院
サンピロ点眼
ピロカルピン
アロトピン点眼
アトロピン
リュウアト眼軟膏
アトロピン
ネオシネジン点眼
フェニレフリン
ミドリンM・P点眼
トロピカミド
サイプレジン点眼
シクロペントラート
キサラタン点眼
ラタノプロスト
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薬報 H26.1
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薬効分類
眼科用剤
抗アレルギー薬点鼻液
ハンセン病治療薬
鉄過剰症治療薬
アルコール依存症治療薬
禁煙補助薬
販売名(多数あるものは分類名で表示)
一般名(多数あるものは省略)
トラバタンズ点眼
トラボプロスト
タプロス点眼
タフルプロスト
ルミガン点眼
ビマプロスト
ピバレフリン点眼
ジピベフリン
ザラカム配合点眼
ラタノプロスト、チモロール
デュオトラバ配合点眼
トロボプロスト、チモロール
ザジテン点鼻液
ケトチフェン
リボスチン点鼻液
レボカバスチン
ランプレンカプセル
クロファジミン
デスフェラール注
デフェロキサミン
シアナマイド液
シアナミド
ノックビン
ジスルフィラム
チャンピックス
バレニクリン
2.使用上の注意の改訂について(重大な副作用を抜粋)
・アリセプト:心室頻拍(torsades de pointes を含む)、心室細動、洞不全症候群、洞停止、高度頻脈、血小板減少
・フロセミド:血小板減少
・クリンダマイシン:急性汎発性発疹性膿疱症、薬剤性過敏症症候群
Drug Safety Update (DSU) <医薬品安全対策情報>No.226 2014.1 より
禁忌・相互作用情報
*一部抜粋ですので詳細は、http://www.info.pmda.go.jp/dsu/dsu_index.html を確認して下さい
DSU は、日本製薬団体連合会が厚生労働省監修のもと、添付文書の改訂内容をお知らせしているも
のです。以下、採用医薬品について改訂内容の一部を記載しています。
<併用注意>
薬剤名
相互作用をおこす薬剤
臨床症状・機序・危険因子等
CYP3A4 誘導作用を
有する薬剤
CYP3A4 が誘導されることによって、トピラマート
の血中濃度は非併用時に比べ低下する
トピラマート
(トピナ)
アスピリン末
アスピリン坐剤
(サリチゾン坐剤)
アスピリン腸溶錠
(バイアスピリン)
抗凝固薬
(第 Xa 因子阻害剤、抗トロン
ビン薬、トロンボモデュリンα等)
血栓溶解剤
(ウロキナーゼ、t-PA 製剤等)
併用により出血の危険性が増大するおそれが
あるので、観察を十分に行い、注意すること
尿酸排泄促進剤
(プロベネシド、ベンズブロマロン)
これらの薬剤の作用を減弱させることがある
ナプロキセン
(ナイキサン)
メトトレキサート
アスピリン腸溶錠
(バイアスピリン)
血小板凝集抑制作用を
有する薬剤
選択的セロトニン再取り込み
阻害剤(SSRI)
クロピドグレル
(プラビックス)
選択的セロトニン再取り込み
阻害剤(SSRI)
市大センター病院
血小板のシクロオキシゲナーゼ-1(COX-1)と
アスピリンの結合を阻害するため、アスピリンの
血小板凝集抑制作用を減弱するとの報告があ
る。
メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消
化器障害等)が増強されることがある
併用により出血傾向が増強されるおそれがある
ため、観察を頻繁に行い注意すること
皮膚の異常出血(斑状出血、紫斑等)、出血症
状(胃腸出血等)が報告されている
SSRI の投与により血小板凝集が阻害され、クロ
ピドグレルとの併用により出血を助長すると考え
られる
薬剤部医薬品情報室(内線 2413)
薬報 H26.1
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薬剤名
相互作用をおこす薬剤
臨床症状・機序・危険因子等
点眼剤を含むβ遮断剤
クラスⅢ抗不整脈剤
交感神経系の過剰の抑制(除脈、心不全等)を
きたすことがあるので、減量するなど慎重に投
与すること
プロプラノロール
(インデラル)
メトプロロール
(セロケン)
麻酔剤
(セボフレン等)
フィンゴモリド
(イムセラ、ジレニア)
メトプロロール
(セロケン)
クリゾチニブ
(ザーコリ)
降圧作用を有する他の薬剤
(アドシルカ等)
反射性頻脈が弱まり、低血圧のリスクが増加す
ることがある。陰性変力作用の小さい麻酔剤を
選択すること。また、心筋抑制作用を有する麻
酔剤との併用は出来るだけ避けること。
共に除脈や心ブロックを引き起こすおそれがあ
るため、フィンゴモリドの投与開始時に併用する
と重度の除脈や心ブロックが認められることがあ
る
過度の降圧をきたすおそれがあるので、用量に
注意すること
ミラベグロン
(ベタニス)
ミラベグロンの CYP2D6 阻害作用により、セロケ
ンの血中濃度が上昇し、AUC が 3.29 倍上昇し
たとの報告がある
有機カチオントランスポーター
(OCT)1 及び OCT2 の
基質となる薬剤
リゾチニブは OCT1 及び OCT2 に対して阻害作
用を示したことから、これらの薬剤の血中濃度を
上昇させる可能性がある
月経困難症治療剤「ヤーズ配合錠」による血栓症への注意喚起について
1 月 17 日に院内一斉メール等でもお知らせして
おりますが、ヤーズ配合錠との因果関係が否定で
きない血栓症による死亡例が報告されたため、安
全性速報(ブルーレター)が発出されました。
右の文書は、PMDAが掲載している患者様とご
家族の皆様にあてた説明文書で、ホームページ
から見ることができます。また、患者携帯用のカー
ドがメーカーから作成されており、ヤーズ配合錠を
服用する患者にはこのカードを必ず渡すこと、他
の医療機関を受診する際には提示するように注
意喚起されていますので、カードの提示があった
際にはご注意くださいますよう、お願いいたしま
す。
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薬報 H26.1
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