風景画教室 - 橋梁研究室

2009
風景画教室
参加者
土居令奈 坪井亜美 小原和也 玉田誠
担当:藤野陽三
指導:広瀬晴美先生
藤野
広瀬先生
土居
坪井
小原
第一回
第二回
第三回
第四回
第五回
本郷キャンパス工学部一号館
四ツ谷
平川門
永代橋
お台場
5/16
6/6
7/4
7/25
4/25
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真夏の陽炎でかすんでしまいそうな強い日差しの中、よくレインボー
ブリッジの細かい部材の構成を観察して描きました。ゆるやかに弧を
描く感じがよく表現できています。橋の細かい部分の描写には鉛筆
を使い、手前の砲台島には色鉛筆で着彩をするなどモチーフによっ
て画材も変えてみる工夫があります。やや実際の橋より長さが詰
まってみえるのが残念ですが、次回は風景画制作にあう横長(パノラ
マタイプ)のスケッチブックで描いてみることもお勧めします。
風景画教室 レポート
社会基盤学専攻 37-096947 M
1 土居 令奈
風景画教室に参加して、久しぶ
りに絵を描きました。いろいろと時
間に追われる毎日の中で、時間
をかけて芸術作品を制作するとい
う機会がなかったので、とても新
鮮で、貴重な時間でした。風景画
を描いた経験はあったのですが、
構造物を中心に作品を仕上げた
ことはなかったので、その難しさ
に驚きました。見た雰囲気で描い
ていると、鉄筋が上下でかなりず
れていたり、縦横の比がおかし
かったりと、構造を理解して描か
なければいけませんでした。
一番好きな絵は、最後に描いた
レインボーブリッジです。それまで
の絵より、橋の構造的な部分を
しっかりと描くように心掛けて描く
とうまく調和がとれました。また、
絵を描いているうちに構造の美し
さを理解できました。見たままに
正確に構造を描くことは、単調な
ようですが、とてもおもしろかった
です。
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本人のコメントにもありますが、屋外でのスケッチは天候に左右され
ることがよくあります。レインボーブリッジを描いた最終回の日はお天
気が良く気温も高く、暑さとのたたかいでした。きらきら光る海と眩し
い空の感じがよく表現されています。特に影の部分に黒を使わず深
い青で表現をしたことが、色彩を暗く重くしない水彩絵の具の持ち味
を生かした透明感のある表現になりました。
少人数セミナー風景画教室感想
河川/流域研究室M1 37-096045
坪井亜美
私は中学・高校と美術部で油絵
を描いていたので、大学院から東
大に入学し、このような機会があ
ることを知って大変うれしく感じま
した。油絵の風景画は写真を基
にして数ヶ月かけて一枚を描くこ
とが多かったので、数時間の水彩
画スケッチでどこまで描きこめる
か不安でしたが、無事5回終える
ことができてほっとしています。
強く印象に残ったのが、屋外で
のスケッチは天候に大きく左右さ
れるということと、東京には水と緑
が予想以上にたくさんあるという
ことです。逆に考えると、橋という
のはその性質上、都会の中でも
開けた背景を与えられた数少な
い構造物なのかとも思いました。
雨のせいで全体的に橋の絵が
少なくなってしまいましたが、精緻
な構造物を根気強く書き上げたと
きの達成感は何事にも代えがたく、
また同時に自分の技量不足を実
感させられました。隅田川には意
匠を凝らした橋がいくつもあるそう
なので、機会があれば橋の絵を
描き続けたいと思っています。
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縦の構図に自由の女神像と遠景にレインボーブリッジさらにその
奥に東京タワーも描きました。東京タワーが描かれていなかったら
この風景はNYと思う人がいるかもしれません。実際より東京タ
ワーは大きく描かれていますが、それぞれのモチーフがここは東
京だと主張をしているようにも見えます。色鉛筆は細かい描写をす
るには使いやすい画材ですが、思い通りの色を作るには混色をす
るのではなく個々の色を重ねて色を作る(見せる)タイプの画材で
すので、使い方を選びましょう。
風景画教室感想
3年 03-090005 小原 和也
今回東京23区内の様々な場所
で、橋や建物などを描かせても
らって、2つのことに気がつきまし
た。1つは東京には植物が多いこ
と。5回とも全て色鉛筆を使って着
色していましたが、色鉛筆では
木々の色彩の機微が難しく、意図
的に植物の入らない構図にしたこ
ともありました。もう1つは白色の
建物が多いこと。橋桁やコンク
リートビルなど、多くの場所が白
色でした。しかし、自分の持ってい
る色鉛筆の中に灰色が無かった
ので、白色の部分の着色に苦労
しました。これらのことは絵を描い
てみて初めて気がつくことだと思
います。
こうやって絵を描くのは中学生
以来ですが、あの時よりも、そし
てたった5回だったとはいえ回を
重ねるごとに、絵が進歩していく
のが体験できてとても良かったで
す。
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レインボーブリッジを近景からデッサンをしました。絵の構図で注意したい
ことは対象物の配置です。この作品の場合には橋も螺旋を描いておりてく
る自動車道路も左右に切られてしまっているのですが、橋を構成する部材
を細かく表現するためにあえてこのような構図になったのだとしたら、この
セミナーで絵を描く目的のひとつ、物をよく見て観察し表現するとことが達
成されていると思います。描きたい所から描き始めた結果こうなったので
あれば、次回は全体の構図をもう少し考えてみましょう。
2009年度少人数セミナー
風景画セミナー感想文
玉田誠
自分は小学校の頃、絵の描くの
が好きではなかった。授業の時間
も真面目に取り組んでみるけれど、
思ったように描けない。見ている
ものとはまったく別物の、それこそ
妖怪のようなものが白い紙に現
れてくる。だから筆を持ちたくな
かった。
転機となったのは大学受験のと
き。受けようとした大学の入試に
「鉛筆画」があったのだ。それまで
避けて通ってきた絵画を、「合格」
という目標のために始めてみるこ
とにした。最初は真っ直ぐな線も
引けない。濃淡も出せない。見本
を見て描いてもリアルさが伝わっ
てこない。しかし、描き続けている
うちにだんだん絵を描くことが楽し
くなってきた。自分のダメな部分
が見えてきて、もっと描きたいと思
うようになった。
今回の風景画を受講したのも、
もっと自分の描きたいものを表現
できるようになりたいと思ったこと
が理由です。これからも何度も描
き続け、自分の納得できるものを
描きたいと思います。
藤野陽三
この角度からの清洲橋を描くのは
なかなか難しい。それを描いていて
強く感じました。先生が言われるよ
うにビルが傾いてしまいましたが、
そのことにはいわれるまで、気がつ
きませんでした。橋にばかり、注意
が行ってしまったのでしょう。
この絵は2010年の年賀状に使いま
した。
アーチ状のカーブが難しい位置から永代橋を思い切りのよい構図で描か
れました。橋の部材の複雑な様子やカーブの感じがよく表現されていま
す。橋のカーブといっしょに背景のビルが少し傾いてしまったのが残念で
すが、先生の作品はいつも明るい色彩で表現されていて見せて頂くのが
楽しみです。
あとがき
2009年度の風景画教室は、初回以外は天気にも概して恵まれ、
楽しく行えました。参加が3名で男は一人というのが少しさびしか
ったです。今年も広瀬先生にはご指導いただきました。ありがたい
ことです。
来年はもっと学生が集まるように努力します (藤野記)