適正使用ガイド - ゼルヤンツ総合サイト

日本標準商品分類番号 873999
適正使用ガイド
ゼルヤンツを安全にご使用いただくために
【警 告】
1. 本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発
現もしくは悪化等が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の
発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報
を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を
上回ると判断される場合にのみ投与すること。
また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致命的な経過をたどることがあるので、
緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用し、本剤投与後に副作用が発現
した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
[「重要な基本的注意」、
「重大な副作用」
の項参照]
2. 感染症
(1)重篤な感染症
敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染症が報告されて
いるため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること。
[「重要な基本的注
意」、
「重大な副作用」
の項参照]
(2)結核
播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(脊椎、脳髄膜、胸膜、リンパ節等)
を含む結
核が報告されている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがある
ため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加
え、インターフェロン -γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部
CT 検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有
する患者及び結核の感染が疑われる患者には、結核等の感染症について診療経
験を有する医師と連携の下、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投
与すること。
ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められ
た例も報告されている。
[「重要な基本的注意」、
「重大な副作用」
の項参照]
3. 関節リウマチ患者では、本剤の治療を行う前に、少なくとも1 剤の抗リウマチ薬等の使
用を十分勘案すること。また、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ
医師が使用すること。
【禁 忌(次の患者には投与しないこと)】
1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2. 重篤な感染症(敗血症等)
の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
3. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
4. 重度の肝機能障害を有する患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
「重大な副作用」
の項参照]
5. 好中球数が 500/mm3 未満の患者[「重要な基本的注意」、
「重大な副作用」
の項参照]
6. リンパ球数が 500/mm3 未満の患者[「重要な基本的注意」、
7. ヘモグロビン値が 8g/dL 未満の患者[「重要な基本的注意」、
「重大な副作用」
の項参照]
8. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物試験において催奇形性が報告されてい
る。
「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」
の項参照]
監修:東京大学大学院 医学系研究科内科学専攻 アレルギー・リウマチ学 教授 山本 一彦 先生
適正使用に関するお願い
ゼルヤンツ錠(以下、本剤)
は、種々のサイトカインの細胞内
シグナル伝達に重要なヤヌスキナーゼ(Janus kinase:JAK)
の阻害剤です。2013 年 3 月、国内において
「既存治療で効果
不十分な関節リウマチ」
を効能・効果として、製造販売承認を
取得しました。
本剤の国内における使用経験は限られているため、本剤投与に
よる未知の副作用が発現する可能性があります。また、国内外
を問わず臨床試験においては、重篤な副作用を含む多様な副
作用の発現が認められています。
そこで、本剤の適正使用の推進と安全性確保の一助として
いただくため、
「適正使用ガイド」
を作成しました。
この適正使用ガイドでは、対象患者の選択、適正使用基準、
投与期間中の注意事項、注意すべき副作用とその対策につい
て紹介しています。
本剤をご使用いただく前に、必ず最新の添付文書及びこの
適正使用ガイドを熟読の上、適正使用をお願いいたします。
「警告・禁忌を含む使用上の注意」
は、最新の添付文書をご参照ください。
2
目次
1 治療スケジュール
4
2 投与に際して
5
2.1 対象患者の選択
2.2 患者への説明
2.3 投与前に確認する項目
2.4 投与方法
3 注意すべき副作用とその対策
3.1 感染症
3.2 消化管穿孔
3.3 血液障害
3.4 肝障害
3.5 間質性肺炎
3.6 脂質代謝異常
3.7 心血管系リスク
(血圧上昇を含む)
3.8 悪性腫瘍(悪性リンパ腫、固形癌等)
3.9 B 型肝炎ウイルスの再活性化
5
10
14
16
20
20
30
32
42
45
46
49
50
54
4 関連資材のご案内
56
5 付録
58
4.1 関連資材
5.1 安全性
5.2 全例市販後調査のためのトファシチニブ使用ガイドライン
6 Drug Information
56
58
66
72
3
1 治療スケジュール
1.1 治療スケジュール
対象患者の選択
→ p.5 参照
投与前
患者への説明と同意
→ p.10 参照
投与前の問診・検査
→ p.14 参照
適合
投与
投与期間中
4
○ 患者への注意喚起の継続
○ 副作用モニタリング
→ p.16 参照
→ p.20 参照
2 投与に際して
1 治療スケジュール
特定使用成績調査(全例調査)期間においては、日本リウマチ学会作成の「全例市販後
調査のためのトファシチニブ使用ガイドライン」
(p.66~71)
を参照し、適正使用の推進に
ご協力ください。
2.1 対象患者の選択
■ 2.1.1 効能・効果(添付文書「効能・効果」
の項参照)
既存治療*で効果不十分な関節リウマチ
*既存治療については、
原則として十分量のメトトレキサートによる治療を考慮すること。
ゼルヤンツの国内で
実施した3つの二重盲検試験において88.3%の患者で前治療にメトトレキサートが使用されていた。
2 投与に際して
[効能・効果に関連する使用上の注意]
過去の治療において、メトトレキサートをはじめとする少なくとも1 剤の抗リウマチ薬等による適切な治
療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与する。
■ 2.1.2 禁忌
解説
2. 重篤な感染症(敗血症等)
の
患者
本剤は免疫応答を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可
能性があります。重篤な感染症(敗血症等)
の患者に本剤を投与することによ
り症状を悪化させるおそれがあるため、本剤を投与しないでください。
3. 活動性結核の患者
本剤の投与により、播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(脊椎、脳髄膜、胸
膜、リンパ節等)
を含む結核が報告されています。本剤の投与により活動性結
核の症状を悪化させるおそれがあるため、本剤投与に先立って、結核に関する
十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン -γ遊離試験
又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部 CT 検査等を行うことにより、
結核感染の有無を確認してください。活動性結核と診断された場合には、
本剤を投与しないでください。
4. 重度の肝機能障害を有する
患者
本剤の主な代謝経路は肝臓であり、
未変化体の約 70%が肝臓で代謝されます。
本剤を重度の肝機能障害を有する患者に投与することにより副作用が強くあ
らわれるおそれがあるため、本剤を投与しないでください。
5. 好中球数が
500/mm3 未満の患者
本 剤 投 与 により好 中 球 減 少 があらわれることがあります。好 中 球 数 が
500/mm3 未満の患者には、本剤を投与しないでください。
6. リンパ球数が
500/mm3 未満の患者
本剤投与によりリンパ球減少が認められています。また、リンパ球減少と感染
症発現に関連がみられることから、リンパ球数が 500/mm3 未満の患者には
本剤を投与しないでください。
7. ヘモグロビン値が
8g/dL 未満の患者
本剤の作用機序から、ヘモグロビン減少のリスクを有すると考えられます。
ヘモグロビン値が 8g/dL 未満の患者には本剤を投与しないでください。
8. 妊婦又は妊娠している
可能性のある婦人
動物実験で催奇形性が報告されているため、妊婦又は妊娠している可能性の
ある婦人には投与しないでください。
なお、妊娠する可能性のある婦人に投与する場合は、投与中及び投与終了後
少なくとも1月経周期は、妊娠を避けるよう指導してください。
5
5 付録
過敏症状が出現する可能性があるため、本剤を投与しないでください。
4 関連資材
1. 本剤の成分に対し
過敏症の既往歴のある患者
3 投与中の注意
禁忌
6
DI
2 投与に際して
■ 2.1.3 慎重に投与すべき患者
慎重投与
(1)感染症の患者又は感染症が
疑われる患者
解説
本剤は免疫応答を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を
与える可能性があります。
本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や増悪に
注意してください。本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合は、
速やかに適切な処置を行い、感染症がコントロールできるようになる
までは投与を中止してください。また、患者に対し、発熱、倦怠感等
があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導してくだ
さい。本剤投与時に発現する重篤な感染症は、本剤単独投与時と
比較して抗リウマチ薬(メトトレキサートを含むDMARD)併用投与時
では発現率が高い傾向が認められているため、特に注意してください。
(2)結核の既感染者
(特に結核の既往歴のある患者及び
胸部レントゲン上結核治癒所見の
ある患者)
本剤の投与により、播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(脊椎、
脳髄膜、胸膜、リンパ節等)
を含む結核が報告されています。結核の
既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与
に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に
加え、インターフェロン -γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を
行い、適宜胸部 CT 検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認
してください。結核の既往歴を有する患者及び結核の感染が疑われ
る患者には、結核の診療経験を有する医師と連携の下、原則として
本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与してください。
ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性
結核が認められた例も報告されています。
(3)
易感染性の状態にある患者
本剤は免疫応答を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を
与える可能性があります。
本剤投与により、日和見感染症を含む感染症を発現するリスクが
増加する可能性があります。
本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や増悪に
注意してください。本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合は、
速やかに適切な処置を行い、感染症がコントロールできるようになる
までは投与を中止してください。また、患者に対し、発熱、倦怠感等が
あらわれた場合には、
速やかに主治医に相談するよう指導してください。
本剤投与時に発現する重篤な感染症は、本剤単独投与時と比較して
抗リウマチ薬(メトトレキサートを含むDMARD)併用投与時では発
現率が高い傾向が認められているため、特に注意してください。
(4)高齢者
高齢者において重篤な感染症の発現頻度の上昇が認められています
ので、感染症には十分に注意してください。
一般に高齢者では生理機能(免疫機能等)
が低下しているので、十分
に注意し、減量も考慮してください。
6
(5)腸管憩室のある患者
解説
本剤の投与により、消化管穿孔があらわれることがあります。腸管
憩室を有する患者では、本剤投与により憩室炎が悪化し、穿孔に至る
可能性があるため、十分注意してください。
(6)好中球減少、リンパ球減少、
(7)軽度又は中等度の肝機能障害を
有する患者
本剤の投与により、好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン値減少
が更に悪化するおそれがあるため、本剤投与前及び投与中は定期
的に検査を実施してください。
本剤の主な代謝経路は肝臓であり、未変化体の約 70%が肝臓で
代謝されます。
本剤を軽度又は中等度の肝機能障害を有する患者に投与することに
本剤を、腎機能障害を有する患者に投与することにより、副作用が
強くあらわれるおそれがあります。
中等度又は重度の腎機能障害を有する患者に対しては、5mg を
1 日 1 回の投与とし、十分に注意してください。
(9)間質性肺炎の既往歴のある患者
本剤の投与により、間質性肺炎が増悪又は再発することがあります。
本剤投与中は、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に
注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、
胸部 CT 検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止する
とともにニューモシスティス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定
等)
を考慮に入れ適切な処置を行ってください。なお、間質性肺炎の
既往歴のある患者には、定期的に問診を行うなど、十分に注意して
ください。
4 関連資材
(8)腎機能障害を有する患者
3 投与中の注意
より、副作用が強くあらわれるおそれがあります。
中等度の肝機能障害を有する患者に対しては、5mg を1日1 回の
投与とし、十分に注意してください。
2 投与に際して
ヘモグロビン値減少のある患者
1 治療スケジュール
慎重投与
5 付録
6
DI
7
2 投与に際して
■ 2.1.4 授乳婦、小児等への投与
授乳婦への投与
本剤投与中は授乳を中止してください。ラットで乳汁中へ移行することが報告されています。
小児等への投与
小児等に対する使用経験がないため、安全性は確立していません。
■ 2.1.5 その他の注意すべき患者
悪性腫瘍の既往のある患者
本剤の投与中に、悪性腫瘍の発現が報告されています。
臨床試験の対象から除外されていたため、悪性腫瘍の既往を有する
患者に対する本剤の安全性は確認されていません。治療上の有益性
が危険性を上回ると判断される場合のみ、本剤の投与を考慮して
ください。
B 型肝炎ウイルスキャリアの患者
又は既往感染者(HBs 抗原陰性、かつ
HBc 抗体又は HBs 抗体陽性)
(p.54 参照)
ヘルペスウイルスの既感染者
抗リウマチ生物学的製剤を投与されたB 型肝炎ウイルスキャリアの
患者又は既往感染者(HBs 抗原陰性、かつ HBc 抗体又は HBs 抗体
陽性)
において、B 型肝炎ウイルスの再活性化が報告されています。
本剤投与に先立って、B 型肝炎ウイルス感染の有無を確認して
ください。
B 型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者に本剤を投与する
場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行
うなど、B 型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意し
てください。
なお、本剤投与時には、日本リウマチ学会による
「B 型肝炎ウイルス
感染リウマチ性疾患患者への免疫抑制療法に関する提言」及び日本
肝臓学会による
「B 型肝炎治療ガイドライン」
を参考にするとともに、
肝臓専門医等に相談のうえ、適切な処置を行ってください。
本剤投与によりヘルペスウイルス等の再活性化(帯状疱疹等)
が報告
されています。また、本剤の臨床試験において日本人関節リウマチ
患者で認められた重篤な日和見感染症のうち多くが重篤な帯状疱疹
であったこと、播種性帯状疱疹も認められていることから、ヘルペス
ウイルス等の再活性化の徴候や症状の発現に注意してください。
徴候や症状の発現が認められた場合は、すぐに受診するよう患者に
指導し、速やかに適切な処置を行ってください。
生ワクチン接種予定患者
本剤投与中のワクチン接種の影響又は、生ワクチン接種による二次
感染については明らかではありませんが、感染症発現のリスクを否定
できないため、本剤投与中の生ワクチン接種は行わないでください。
必要な予防接種は、本剤投与開始前の接種を考慮してください。
8
* 3 種のインフルエンザ抗原のうち2 種以上で抗体価が 4 倍以上の上昇
** 12 種の抗原のうち6 種以上で抗体濃度が 2 倍以上の上昇
1)Winthrop KL, et al. : Ann Rheum Dis 75(4)
:687, 2016
3 投与中の注意
長期投与試験(A3921024 試験)
において、本剤 10mgを1日2 回投与されている関節リウマチ患者を、投与
継続群及び休薬群(ワクチン接種の前後 1 週間ずつ休薬)
に割り付けし、ワクチン接種 35日後の抗体価を評
1)
価しました 。
その結果、MTX 併用の有無にかかわらず、本剤投与継続群及び休薬群ともに、60%以上の患者で肺炎球菌
ワクチン及びインフルエンザワクチンに対する十分な免疫応答*, **が認められました。肺炎球菌ワクチン接種
患者では、第 2 相試験と同様に、本剤単剤投与群と比較して、MTX 併用群では十分な免疫応答が得られた
患者の割合が低下しました。
2 投与に際して
第 2 相試験(A3921129 試験)
では、関節リウマチ患者を対象とし、本剤 10mg1日2 回単剤投与群及び
MTX 併用投与群におけるインフルエンザワクチン及び肺炎球菌ワクチンの抗体価(液性免疫応答)
に対する
1)
影響をプラセボ群と比較しました 。
インフルエンザワクチン接種患者全体では、十分な免疫応答*が得られた割合は、本剤投与群及びプラセボ群
において同様でした。
肺炎球菌ワクチン接種患者では、プラセボ群と比較して、本剤単剤投与群では十分な免疫応答**が得られた
患者の割合が低下し、特にMTX 併用群において低下が認められました。MTX 単剤投与群における十分な
免疫応答**が得られた割合は本剤単剤投与群と同程度でした。
1 治療スケジュール
本剤のワクチン接種に対する影響
4 関連資材
5 付録
6
DI
9
2 投与に際して
2.2 患者への説明
本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等が報告
されており、本剤との関連性は明らかではありませんが、悪性腫瘍の発現も報告されています。本剤が疾病を完治
させる薬剤ではないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認したうえで、治療上の
有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与してください。
また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致命的な経過をたどることがあります。本剤投与後に副作用が発現
した場合には、服用を中止し、主治医に連絡するよう、患者にご説明ください。
なお、本剤服用に際して、特に患者に注意して説明すべき有害事象としては以下があげられます。
・感染症(結核、肺炎、敗血症、帯状疱疹 等)
・肝機能障害、黄疸
・ヘモグロビン減少
・消化管穿孔
・悪性腫瘍
■ 治療をはじめるにあたって
重篤な副作用の発現を防ぐため、本剤による治療開始前に患者の既往歴及び状態を必ず確認してください。
以下に該当する患者は、ゼルヤンツによる治療が適切ではない場合や副作用が出やすい場合があります。
副作用を未然に防ぎ、より安全に治療を行うために、少しでも思い当たる場合には必ず主治医に連絡するよう患者に
ご説明ください。
以下に該当する場合、副作用があらわれやすい
ことがあります。
以下に該当する場合、
ゼルヤンツによる治療を受けられません。
□ 肺炎:咳、から咳等の症状がある
□ ゼルヤンツを飲んで
アレルギー症状が出たことがある
□ 感染症にかかりやすい状態:
糖尿病、免疫抑制剤や抗がん剤を投与中等
□ 重い感染症(敗 血 症等)
:
咳や発熱等の症状がある
□ 結核にかかったことがある
□ 活動性結核
□ 身近な人で結核にかかった人がいる
□ 現在、妊娠中または授乳中
□ 腸管憩室を指摘されたことがある
以下に該当する場合、ゼルヤンツによる治療を
受けられないことがあります。 □ 肝機能の低下を指摘されたことがある
□ 腎機能の低下を指摘されたことがある
□ 間質性肺炎:咳、から咳等の症状がある
□ 悪性腫瘍
以下に該当する場合、副作用があらわれやすい
ことがあります。受診ごとに患者自身の状態を
チェックするようご説明ください。
□ 予防接種の予定がある
□ 妊娠の予定がある注 1)
□ 他の診療科や医療機関にかかっている
注 2)
□ 肝炎(とくに B 型肝炎)
:
身体がだるい、食欲低下等の症状がある
□ 帯状疱疹(ヘルペスウイルスによる皮疹)
:
痛みを伴う発疹、しびれ等の症状がある
□ 脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が
多過ぎる病気)
□ 現在、服用中のお薬がある
□ 生物学的製剤の投与を受けたことがある
注 1:ゼルヤンツは妊娠、授乳中は服用できません。
注 2:他の診療科や医療機関にかかる時には、医師にゼルヤンツを服用していることを必ず伝えるよう指示してください。
10
本剤による副作用の重篤化を防ぐために、患者の状態の変化には十分注意してください。また、自覚症状が発現
した際には服用をやめ、速やかに医師に相談するよう説明してください。
以下の症状に続き、重篤な副作用が発現する可能性がありますので、注意をお願いします。
□ しびれ
□ 咳、から咳
□ 食欲低下
□ 息苦しい
□ 息切れ
□ のどの痛み
□ めまい、ふらつき
□ 身体がだるい
□ 激しい/持続性の腹痛
□ 痛みを伴う発疹(帯状疱疹)
□ 胃の痛み
2 投与に際して
□ 発熱(高熱、長引く微熱等)
1 治療スケジュール
■ 特に注意すべき症状
■ 注意すべき副作用
3 投与中の注意
注意すべき副作用の説明に際しては、以下をご参考にしてください。
感染症
・結核、肺炎、敗血症*等
* 敗血症:病原性の細菌が血液の中に入って全身に広がり、菌が増えた状態
〈患者への警告〉
治療が遅れると命にかかわることがあるため、症状に気づいたら服用をやめ、すぐに医師に相談してください。
〈特徴的な症状〉
〈患者への説明〉
ゼルヤンツにより免疫の働きが低下するため、感染症にかかりやすくなります。
感染症予防のために、インフルエンザ流行期などにおける外出時はマスクを着用したり、日頃から手洗いやうがいを
するなど心がけてください。
4 関連資材
風邪のような症状(発熱、咳(から咳)、息苦しい、のどの痛み、身体がだるい 等)
・帯状疱疹
〈患者への警告〉
〈特徴的な症状〉
痛みを伴う発疹(帯状に発生することが多い)、しびれ
5 付録
帯状疱疹の治療が遅れた場合には、後遺症として痛みやしびれが残ることがありますので、症状に気づいたら
服用をやめ、すぐに医師に相談してください。
〈患者への説明〉
帯状疱疹は、神経に沿った帯状の赤い斑点や水ぶくれに加え、痛みが生じる疾患です。発現した場合には、
抗ヘルペスウイルス薬を用いて帯状疱疹の原因であるウイルスの増殖を抑え、痛みを和らげる治療を行います。
肝機能障害、黄疸
〈患者への警告〉
重症化する場合がありますので、症状に気づいたら服用をやめ、すぐに医師に相談してください。
6
DI
〈特徴的な症状〉
身体がだるい・食欲低下、発熱、皮膚や白目が黄色くなる
このほか、血液検査で肝機能検査値(AST、ALT 等)
が上昇することがあります。
11
2 投与に際して
ヘモグロビン減少
〈患者への警告〉
鉄分で改善される一般的な貧血とは原因が違います。症状に気づいたら服用をやめ、すぐに医師に相談してください。
〈特徴的な症状〉
息切れ、めまい
〈患者への説明〉
ヘモグロビンは、酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質です。赤血球中のヘモグロビン量が少なくなると、血液は酸素
を十分に供給できなくなります。組織に酸素が十分に供給されないと、貧血の症状があらわれます。
ここでいう貧血は、血液中の赤血球が減少している状態です。
「鉄欠乏性貧血」
とは違い、サプリメント等で鉄分を
補っても改善しないため、症状に気づいたら服用をやめ、すぐに医師にご相談ください。
消化管穿孔
〈患者への警告〉
緊急手術が必要な場合もありますので、症状に気づいたら服用をやめ、すぐに医師に相談してください。
〈特徴的な症状〉
消化管穿孔の症状:激しい腹痛、突然おこり、その後持続する腹痛
消化管穿孔に至る可能性がある症状:胃の痛み、空腹時のみぞおちの痛み、黒色便
〈患者への説明〉
消化管穿孔は、消化管に何らかの原因で穴があくものです。腸管憩室*を指摘されたことがある場合には、消化管
穿孔になりやすいと考えられていますので、必ず医師にお伝えください。また、消化管穿孔に至る前に、胃の痛み
などの症状があらわれることがありますので、症状に気づいたら服用をやめ、すぐに医師に相談してください。
* 腸管憩室:腸管の壁の一部が袋状に膨らんだもの
悪性腫瘍
〈患者への説明〉
因果関係は明らかではありませんが、ゼルヤンツを服用した患者さんは、服用しなかった患者さんと比べ悪性腫瘍
の発現率が高いという報告があります。
ゼルヤンツ服用時の悪性腫瘍や、感染症などの重篤な副作用について詳しく調べるための調査を実施中です。
12
本剤の投与前には、必ず服用方法及び服用時の注意点をお伝えください。また、服用に関して不明点がある場合
には必ず医師又は薬剤師に相談するよう説明してください。なお、説明に際しては、以下をご参考にしてください。
服用方法
1 治療スケジュール
■ 服用方法
〈用法・用量〉
通常、1 回 1 錠、1日2 回で毎日服用します。
患者さんの状態によって、飲む回数を減らすこともありますので、必ず医師の指示に従ってください。
指示どおり以外の服用は、重い副作用につながるおそれがあります。
〈高齢者への説明〉
ゼルヤンツ服用中の高齢の方は、感染症にかかりやすい傾向があるため、特に体調の変化に注意してください。
気になる症状があらわれた場合は、医師に相談してください。
服用する時に気をつけること
・シートから取り出して服用してください。
・コップ 1 杯以上の水や白湯と一緒に服用して
ください。
・服用し忘れた場合、気がついた時点で 1 回分
を服用し、翌日からは通常どおり1日2 回服用
してください。2 回分をまとめて服用しないで
ください。
服用中の生活で気をつけること
・治療開始前とくらべて体調に変化がないか
気をつけましょう。
・気になる症状があらわれた場合は、
服用をやめ、すぐに医師にご相談ください。
・他の診療科や医療機関にかかる時には、
医 師 にゼ ル ヤンツを 服 用していることを
必ずお伝えください。
4 関連資材
・グレープフルーツジュースと一緒に服用すると
ゼルヤンツの作用が強くなることがあります
ので、一緒に飲まないでください。
3 投与中の注意
服用時の注意点
2 投与に際して
〈患者への説明〉
・妊娠、授乳中は服用できません。
治 療 中は 妊 娠を避 け、妊 娠を希 望される
場合はあらかじめ医師にご相談ください。
・予 防 接 種 の 予 定 が ある 場 合 に は 医 師 に
ご相談ください。
種類によって接種できないものがあります。
5 付録
6
DI
13
2 投与に際して
2.3 投与前に確認する項目
■ 2.3.1 問診
■ 主な問診事項
・感染症(敗血症、肺炎 等)
・結核
・重篤な血液疾患
(汎血球減少、再生不良性貧血 等)
・脂質異常症
・間質性肺炎
・B 型及び C 型肝炎
・帯状疱疹
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍、憩室症 / 憩室炎
・悪性腫瘍
・その他の合併症
・生ワクチン接種の予定
・妊娠又は妊娠している可能性
・授乳の有無
■ 主な検査項目
血球数、ヘモグロビン値、生化学検査[AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-P、Cr、LDH、HDL コレステロール、
LDLコレステロール、トリグリセリド、BUN]、B 型肝炎ウイルス検査(p.54 参照)、HCV 抗体、β-Dグルカン等
好中球数、リンパ球数、ヘモグロビン値について
・好中球数が 500/mm3 未満の患者には、本剤を投与しないこと。1000/mm3 未満の患者には、
本剤投与を開始しないことが望ましい。
・リンパ球数が 500/mm3 未満の患者には本剤を投与しないこと。
・ヘモグロビン値が 8g/dL 未満の患者には、本剤を投与しないこと。9g/dL 未満の患者には、
本剤投与を開始しないことが望ましい。
■ 2.3.2 結核スクリーニング検査
通常検査項目
・問診(既往歴、家族歴、結核患者との接触歴 等)
・胸部レントゲン検査
・インターフェロン-γ遊離試験(クォンティフェロン又はTスポット.TB)又は
ツベルクリン反応検査
必要に応じて
・胸部 CT 検査
本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験又は
ツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部 CT 検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認してください。結核の
既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談してください。以下の
いずれかの患者には、原則として本剤の投与開始前に適切な抗結核薬を投与してください。
1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
2)結核の治療歴(肺外結核を含む)
を有する患者
3)
インターフェロン -γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者
4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者
また、本剤投与中も胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に
対し、結核を疑う症状が発現した場合
(持続する咳、発熱等)
には速やかに主治医に連絡するよう説明してください。
なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないでください。
14
1 治療スケジュール
参考
生物学的製剤投与時の結核予防対策の例を以下に示します。
生物学的製剤投与時の結核予防対策
十分な問診、胸部 X 線検査、胸部 CT 検査、IGRA and/or ツベルクリン反応検査
結核に関する総合的評価
2 投与に際して
疑わしい もしくは 不明
評価可能
呼吸器 / 放射線専門医の評価
呼吸器 / 放射線専門医の評価
活動性結核
活動性結核に対する治療開始
結核既感染(疑いを含む)
3 投与中の注意
診断結果
結核の既往歴は認められない、
あるいは、結核の確実な治療歴あり
抗結核薬*予防投与開始
TNF 阻害薬投与開始
日本呼吸器学会:“生物学的製剤と呼吸器疾患診療の手引き”各論 2 抗酸菌感染症 a 結核症:49, 2014
4 関連資材
*TNF 阻害薬投与に先立つ 3 週間、
抗結核薬(INH 等)
の投与を行い、
以後も計 6~9ヵ月間並行して投与。
IGRA(Interferon-Gamma Release Assay)
:インターフェロン-γ遊離試験
5 付録
6
DI
15
2 投与に際して
2.4 投与方法
■ 2.4.1 用法・用量
通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
[用法・用量に関連する使用上の注意]
1. 中等度又は重度の腎機能障害を有する患者には、5mgを1日1 回経口投与する。
[「薬物動態」
の項
参照]
2. 中等度の肝機能障害を有する患者には、5mgを1日1 回経口投与する。
[「薬物動態」
の項参照]
3. 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF 阻害剤、
IL-6 阻害剤、T 細胞選択的共刺激調節剤等の生物製剤や、タクロリムス、アザチオプリン、シクロス
ポリン、ミゾリビン等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)
との併用はしないこと。なお、関節リウマチ
患者においてこれらの生物製剤及び免疫抑制剤との併用経験はない。
参考
腎機能障害によるトファシチニブの薬物動態
本剤の腎クリアランスは、全身クリアランスの約 30%を占めます。
第 1 相試験(A3921006 試験)
において、軽度、中等度、重度の外国人腎機能障害被験者各 6 例及び、
腎機能正常被験者 6 例に本剤 10mgを単回経口投与した結果、全被験者の Cmax の平均値は類似してい
ました 1)。中等度腎機能障害時のAUCの平均値は正常時の約1.7倍となり、フルコナゾール
(200mg1日1 回)
がトファシチニブの AUCに与える影響と同程度でした。
腎機能障害によるトファシチニブの薬物動態への影響(FDA ガイダンスに基づく腎機能の区分による)
正常な腎機能被験者に対する比(比の 90%信頼区間)
薬物動態パラメータ
軽度
(60≦CLcr≦89)
AUC0-∞
1.41(0.94, 2.12)
1.71(1.13, 2.59)
2.50(1.61, 3.87)
Cmax
1.01(0.68, 1.51)
1.02(0.68, 1.53)
1.19(0.78, 1.83)
中等度
(30≦CLcr≦59)
CLcr:クレアチニンクリアランス
(単位:mL/min)
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
16
重度
(15≦CLcr≦29)
本剤の主な代謝経路は肝臓であり、未変化体の約 70%が肝臓で代謝されます。 第 1 相試験(A3921015 試験)
において、軽度
(Child-Pugh 分類 A)
及び中等度
(Child-Pugh 分類 B)
の外
国人肝機能障害被験者各 6 例、外国人肝機能正常被験者 6 例に本剤 10mgを単回経口投与した時、軽
度肝機能障害群のCmax の平均値は肝機能正常群よりも0.6%低く、AUC0-∞の平均値は3.2%高値でした。
中等度肝機能障害群のCmax の平均値は肝機能正常群よりも49%高く、AUC0-∞の平均値は65%高値で
した 2)。t1/2 の平均値については、肝機能正常群の4.1 時間から中等度肝機能障害群の5.4 時間まで増加
しました。
2 投与に際して
肝機能正常者及び肝機能障害患者(軽度及び中等度)
に
トファシチニブ 10mgを単回経口投与した時の薬物動態パラメータ 2)
肝機能障害の程度別の投与群
軽度(N=6)
中等度(N=6)
AUC0-∞(ng·h/mL)
355±82.6
366±55.9
584±280
Cmax(ng/mL)
60.5±14.2
60.1±17.0
89.9±30.6
3.0(1.0-6.0)
2.5(0.5-4.0)
0.8(0.5-2.0)
4.09±0.94
4.37±0.41
5.41±1.08
tmax(h)
t½(h)
3 投与中の注意
正常(N=6)
1 治療スケジュール
肝機能障害によるトファシチニブの薬物動態
AUC0-∞及び Cmax:幾何平均値±標準偏差、tmax:中央値(範囲)、t1/2:算術平均値±標準偏差
参考
Child-Pugh 分類
スコア
1
2
3
ない
腹水
ない
少量
中等量
血清ビリルビン値(mg/dL)
<2.0
2.0 ~ 3.0
>3.0
血清アルブミン値(g/dL)
>3.5
2.8 ~ 3.5
<2.8
プロトロンビン時間延長(秒)
<4
4~6
>6
又は
又は
又は
又は
<1.7
1.7 ~ 2.3
>2.3
PT-INR
軽度(1~2 度) 重度(3~4 度)
各項目のスコアの合計により、クラスA~Cに
分類する。
総スコア
クラス
重症度
5~6
A
軽度
7~9
B
中等度
10 ~ 15
C
重度
5 付録
脳症の程度
4 関連資材
臨床所見・生化学検査
1)社内資料:腎機能障害患者における単回投与試験(1006 試験)
2)社内資料:肝機能障害患者における単回投与試験(1015 試験)
17
6
DI
2 投与に際して
■ 2.4.2 相互作用(添付文書「相互作用」
の項参照)
本剤は主としてCYP3A4 及び一部 CYP2C19により代謝されます。
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
CYP3A4 阻害剤
マクロライド系抗生物質
(クラリスロマイシン、
エリスロマイシン等)
ノルフロキサシン等
アゾール系抗真菌剤
(イトラコナゾール、ボリコナゾール等)
カルシウム拮抗剤
(ジルチアゼム、ベラパミル)
アミオダロン
シメチジン
フルボキサミン
抗 HIV 剤
(リトナビル、
インジナビル、
アタザナビル、
ネルフィナビル、サキナビル)
抗ウイルス剤
(テラプレビル;C 型肝炎)
本剤の曝露量が増加するおそれが
あります。
本 剤とCYP3A4 阻 害 剤 で ある
ケトコナゾール(経口剤;国内未
承 認)併 用での 単 回 投 与 時 に、
本 剤 のAUC が 103 %、Cmax が
16%増加したとの報告があるので、
併用時には本剤を5mg1日1 回に
減 量 する など 用 量 に 注 意 して
ください。
これらの 薬 剤 等 は
CYP3A4 による本 剤 の
代謝を阻害するため、本
剤の血中濃度が上昇す
る可能性があります。
フルコナゾール
本剤の曝露量が増加するおそれが
あります。
本 剤とフルコナゾール併 用での
単 回 投 与 時 に 本 剤 のAUC が
79%、Cmax が 27%増加しました。
フルコナゾールとの併 用 時には
本 剤を5mg1日1 回に減 量する
など用量に注意してください。
フルコ ナゾ ー ル は
CYP3A4 及び CYP2C19
の代謝活性を阻害するた
め、本 剤 の 血 中 濃 度 が
上昇する可能性があります。
CYP3A4 誘導剤
抗てんかん剤
(バルビツール酸誘導体、
カルバマゼピン、
フェノバルビタール、フェニトイン等)
リファンピシン
リファブチン
モダフィニル
本剤の曝露量が減少するおそれが
あります。
本 剤とリファンピシン併 用 時 に
本剤のAUCが84%、
Cmax が74%
減少しました。
これらの 薬 剤 等 は
CYP3A4を 誘 導 するた
め、本剤の効果が減弱す
る可能性があります。
グレープフルーツ
セイヨウオトギリソウ
(St. John's Wort、
セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
ゼルヤンツ添付文書
本剤とマクロライド系抗生物質の併用について
国内で実施された臨床試験において、治験実施計画書で併用禁止薬と規定されていたクラリスロマイシン
を服薬後、入院を要する重篤な感染症を来した事例が報告されています。
18
PK
比及び比の 90% 信頼区間
メトトレキサート
AUC
Cmax
用量調節の必要性なし。
CYP3A 基質 AUC
ミダゾラム Cmax
ミダゾラム等の CYP3A
基質については
用量調節の必要性なし。
経口避妊薬 AUC
レボノルゲストレル Cmax
用量調節の必要性なし。
エチニル AUC
エストラジオール Cmax
用量調節の必要性なし。
OCT 及び AUC
MATE 基質
Cmax
メトホルミン
用量調節の必要性なし。
0
0.25
0.5
0.75
1
1.25
用量調節
1.5
1.75
2 投与に際して
併用薬
1 治療スケジュール
本剤が他剤の PK に及ぼす影響
2
注:対照群では併用薬を単剤投与した。OCT= 有機カチオントランスポーター、MATE=Multidrug and Toxic Compound Extrusion
ゼルヤンツ添付文書(米国)
他剤による本剤の PK への影響
併用薬
PK
比及び比の 90% 信頼区間
用量調節
本剤を5mg1日1 回に減量
CYP3A 及び AUC
CYP2C19 阻害剤
Cmax
フルコナゾール
本剤を5mg1日1 回に減量
CYP 誘導剤 AUC
リファンピシン Cmax
メトトレキサート
有効性が減弱する可能性あり。
AUC
Cmax
4 関連資材
CYP3A 阻害剤 AUC
ケトコナゾール Cmax
3 投与中の注意
基準値に対する比
用量調節の必要性なし。
本剤とタクロリムスの併用に
より免疫抑制作用が増強され
る危険性がある。
AUC
シクロスポリン
Cmax
本剤とシクロスポリンの併用
により免疫抑制作用が増強さ
れる危険性がある。
0
0.5
1
1.5
2
5 付録
AUC
タクロリムス
Cmax
2.5
基準値に対する比
注:対照群ではトファシチニブを単剤投与した。
ゼルヤンツ添付文書(米国)
[用法・用量に関連する使用上の注意]
(抜粋)
3. 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF 阻害剤、IL-6 阻害剤、T 細
胞選択的共刺激調節剤等の生物製剤や、タクロリムス、アザチオプリン、シクロスポリン、ミゾリビン等の強力な免疫抑
制剤(局所製剤以外)
との併用はしないこと。なお、関節リウマチ患者においてこれらの生物製剤及び免疫抑制剤との併
用経験はない。
19
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
本項目で示す第 2 相試験、第 3 相試験(単剤投与、DMARD 併用投与)
及び長期投与試験の対象となる試験は次のとおりです。
第 2 相試験:A3921035、A3921019、A3921025、A3921039、A3921040、A3921109 試験
第 3 相 試 験:単 剤 投 与(A3921045 試 験)、DMARD 併 用 投 与(A3921032、A3921044、A3921046、A3921064 試 験)
長期投与試験:A3921024、A3921041 試験
なお、第 3 相試験の全体は単剤投与及び DMARD 併用投与を合わせた5 試験*を対象としています。
*3.8 悪性腫瘍のみ単剤試験 A3921069 試験を含む
3.1 感染症
■ 3.1.1 重篤な感染症
本剤は、免疫抑制作用を有する薬剤であり、帯状疱疹、肺炎(ニューモシスティス肺炎等を含む)、結核、
敗血症等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)
があらわれ、致命的な経過をたどることがあります。
高齢者において重篤な感染症の発現頻度の上昇が認められています。
高齢者では一般に生理機能(免疫機能等)
が低下しているため、特に注意してください。
〈曝露量あたりの発現率(因果関係を問わない有害事象)〉
第 3 相試験における重篤な感染症の発現率は、本剤単剤投与試験と比較して5mg1日2 回投与群では
DMARD 併用試験で高い傾向がみられました。
曝露量あたりの重篤な感染症の発現率
トファシチニブ
5mg1日2 回
プラセボ
10mg1日2 回
発現例数 / 評価対象例数
発現率 発現例数 / 評価対象例数 発現率
発現例数 / 評価対象例数
発現率
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
第 3 相試験
(単 剤 投 与:6 ヵ月 間 の 二 重
盲検比較試験)
1/243
(0.4)
0.85
4/245
(1.6)
3.52
0/122
(─)
0
第 3 相試験
(DMARD 併用投与:6 ヵ月間
又は 12 ヵ月投与の二重盲検
比較試験)
28/973
(2.9)
3.57
23/969
(2.4)
2.89
3/559
(0.5)
1.72
29/1216
(2.4)
3.22
27/1214
(2.2)
2.97
3/681
(0.4)
1.48
84/1421
(5.9)
2.62
100/2681
(3.7)
3.60
─
─
第 3 相試験全体
(投与開始~12 ヵ月時点)
長期投与試験 1)*
*データカットオフ:2012 年 4月19日
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
20
年齢別の重篤な感染症の発現率
重篤な感染症の年齢別発現率は、65 歳以上の被験者で 65 歳未満の被験者に比べて高い発現率でした。
曝露量あたりの年齢別の重篤な感染症の発現率(/100 人・年)1)
トファシチニブ
長期投与試験*
10mg1日2 回
65歳未満
2.47
2.69
1.73
65歳以上
7.63
4.71
0
65歳未満
2.38
2.78
─
65歳以上
3.89
8.06
─
2 投与に際して
第 3 相試験全体
(投与開始~12 ヵ月時点)
プラセボ
5mg1日2 回
1 治療スケジュール
参考
*データカットオフ:2012 年 4月19日
〈 投与中の注意 〉
3 投与中の注意
4 関連資材
本剤の投与に際しては、十分な観察を行い感染症の発現や増悪に注意してください。本剤の第 2 相、第 3 相
試験及び長期投与試験参加症例を対象に解析した結果、高齢者(65 歳以上)、糖尿病の合併、ステロイド
剤の併用
(プレドニゾロン換算で7.5mg 以上)及び本剤の投与量(5mg1日2 回と比較して10mg1日2 回)
が、重篤な感染症発現のリスクとして報告されています 1)。
リンパ球数減少と重篤な感染症発現には関連がみられることから、本剤投与中は定期的にリンパ球数を
確認してください。リンパ球数が 500/mm3 未満であった場合には、本剤を投与しないでください
[リンパ球
減少の項(p.36~39)参照]。
臨床試験において、好中球数が 500/mm3 を下回った症例は認められませんでしたが、好中球減少が認め
られた場合は、感染症が発現する可能性があるため、好中球数が 500/mm3 未満の患者には本剤を投与
しないでください。本剤投与中に継続して500~1000/mm3 の好中球減少が認められた患者は、好中球数
が 1000/mm3 を超えるまで本剤の投与を中断してください。
患者に発熱、咳、呼吸困難などの症状があらわれた場合には、投与を中止し、日本リウマチ学会の
「トファ
シチニブ投与中における発熱、咳、呼吸困難に対するフローチャート」
(p.71 参照)等を参考に、適切な
処置を行ってください。
また、患者にあらかじめ感染症の主な初期症状を説明し、これらの症状があらわれた場合には、速やかに
主治医に相談するよう指導してください。
5 付録
1)Cohen, S. et al.:Arthritis Rheumatol 66(11)
:2924, 2014
本解析は、ファイザー(株)
のスポンサーシップのもと実施されました。
21
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
■ 3.1.2 帯状疱疹
〈 副作用発現率 〉
国内外で実施された第 3 相試験(試験開始から3 ヵ月時点まで)
において主治医により報告された本剤と
の因果関係を否定できない帯状疱疹発現率は 0.7%、長期投与試験における発現率は 3.5%でした。
帯状疱疹の発現率(%)
トファシチニブ
第 3 相試験全体
(投与 3ヵ月時点)
長期投与試験*
プラセボ
全体
5mg1日2 回
10mg1日2 回
16/2430
(0.7)
3/1216
(0.2)
13/1214
(1.1)
2/681
(0.3)
112/3227
(3.5)
77/1321
(5.8)
35/1906
(1.8)
─
発現例数 / 評価対象例数(%)
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
日本人患者における帯状疱疹の発現率は、第 3 相試験 4.3%
(4/94 例)、長期投与試験 11.9%
(51/427
例)
であり、全集団と比較して発現率が高い傾向が認められました。
参考
曝露量あたりの発現率(因果関係を問わない有害事象)
帯状疱疹の発現率は、本剤単剤投与試験と比較して、DMARD 併用試験で高い傾向が認められました。
100 人・年あたりの発現率で比較すると長期投与試験 1)において発現率の上昇は認められませんでした。
曝露量あたりの帯状疱疹の発現率
トファシチニブ
5mg1日2 回
10mg1日2 回
プラセボ
発現例数 / 評価対象例数
発現率 発現例数 / 評価対象例数 発現率
発現例数 / 評価対象例数
発現率
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
第 3 相試験
(単 剤 投 与:6 ヵ月 間 の 二 重
盲検比較試験)
1/243
(0.4)
0.85
3/245
(1.2)
2.64
0/122
(─)
0
第 3 相試験
(DMARD 併用投与:6 ヵ月間
又は 12 ヵ月投与の二重盲検
比較試験)
38/973
(3.9)
4.93
35/969
(3.6)
4.46
3/559
(0.5)
1.73
39/1216
(3.2)
4.39
38/1214
(3.1)
4.23
3/681
(0.4)
1.49
128/1421
(9.0)
4.2
122/2681
(4.6)
4.5
─
─
第 3 相試験全体
(投与開始~12 ヵ月時点)
長期投与試験 1)*
*データカットオフ:2012 年 4月19日
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
22
帯状疱疹の年齢別発現率は、第 3 相試験では帯状疱疹の発現率に年齢の明確な影響はみられませんでし
たが、長期投与試験では 65 歳以上の被験者で 65 歳未満の被験者に比べて高い発現率でした。
曝露量あたりの年齢別の帯状疱疹の発現率(/100 人・年)
トファシチニブ
長期投与試験*
10mg1日2 回
65 歳未満
4.61
4.02
1.74
65 歳以上
3.08
5.52
0
65 歳未満
3.93
4.50
―
65 歳以上
5.85
7.40
―
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
2 投与に際して
第 3 相試験全体
(投与開始~12ヵ月時点)
プラセボ
5mg1日2 回
1 治療スケジュール
年齢別の帯状疱疹の発現率
3 投与中の注意
4 関連資材
5 付録
6
DI
1)Wollenhaupt, J. et al.:J Rheumatol 41(5)
:837, 2014
本解析は、ファイザー(株)
のスポンサーシップのもと実施されました。
23
3 注意すべき副作用とその対策
地域別の帯状疱疹の発現率 1)
地域別では、他の地域と比較してアジアにおいて発現率が高く、アジアの国別では、日本 / 韓国で高い
発現率が認められました。
地域別の帯状疱疹の発現率:第 2 相試験、第 3 相試験、長期投与試験*
発現件数
曝露量
(人・年)
239
5482
4.4
(3.8-4.9)
米国 /カナダ / オーストラリア
40
1216
3.3
(2.4-4.5)
西ヨーロッパ
12
450
2.7
(1.5-4.7)
東ヨーロッパ
43
1425
3.0
(2.2-4.1)
ラテンアメリカ
37
991
3.7
(2.7-5.2)
107
1388
7.7
(6.4-9.3)
85
920
9.2
(7.5-11.4)
インド
8
90
8.9
(4.4-17.7)
タイ/マレーシア/フィリピン
3
137
2.2
(0.7-6.8)
11
241
4.6
(2.5-8.2)
第 2 相試験、第 3 相試験及び長期投与試験*
地域別
アジア
日本 / 韓国
アジアの国別
中国 / 台湾
発現率(/100 人・年)
(95%CI)
*データカットオフ:2011 年 3月29日
日本人における帯状疱疹発現率
2、3)
第 2 相試験、第 3 相試験及び長期投与試験全体*において、556 例(1705 人・年)中 120 例(21.6%)、
138 件で帯状疱疹の発現が認められました。100 人・年あたりの発現率は、8.01(95%信頼区間:6.64、
9.57)
でした。138 件のうち、19 件(13.8%)
は重篤(入院または静注抗ウイルス薬投与を必要とした)
と
判断されました。
播種性帯状疱疹が 2 例(重篤および非重篤各 1 例)、耳帯状疱疹が 1 例認められました。
帯状疱疹の年齢別の発現率を10 歳ごとの年代別で比較した結果、60-69 歳で高い発現率(100 人・年
あたりの発現率:14.5)
が認められました。
*データカットオフ:2014 年 4月
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
24
片側の神経分布領域に一致して神経痛様疼痛、知覚異常あるいは掻痒感が数日から1 週間続き、やがて
浮腫性の紅斑や紅色丘疹が出現する。
好発部位:三叉神経節、体幹 等
特徴的な前駆症状(2、3日から1 週間程度)
:発症部位の皮膚に知覚異常や疼痛の発症 等
特徴的な初期症状:片側性の紅斑、小水疱の出現、しばしば神経痛様の疼痛 等
本剤投与中は、問診や視診等により主な初期症状の出現に注意してください。本剤投与中に出現する
帯状疱疹を早期に発見し適切な抗ウイルス薬による治療を行ってください。
また、患者にはあらかじめ帯状疱疹の主な初期症状を説明し、これらの症状が出現した場合は速やかに
受診するよう繰り返し指導してください。
2 投与に際して
〈 投与中の注意 〉
1 治療スケジュール
〈 主な症状 4、5)〉
3 投与中の注意
4 関連資材
5 付録
1)Winthrop, K et al.:Artiritis Rheumatol 66(10)
:2675, 2014
2)社内資料:日本人関節リウマチ患者におけるトファシチニブの帯状疱疹リスクの検討(データカットオフ:2014 年 4月)
3)第 59 回日本リウマチ学会総会・学術総会:山岡 邦宏 他 W15-4, 2015
4)本田 まりこ:”帯状疱疹の臨床像” 水痘・帯状疱疹のすべて 浅野喜造編 第 1 版 メジカルビュー社:128, 2012
5)
白木 公康ほか:”水痘帯状疱疹ウイルスの基礎” 水痘・帯状疱疹のすべて 浅野喜造編 第 1 版 メジカルビュー社:26,2012
1、2、3)
の解析は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
25
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
■ 3.1.3 結核
〈 副作用発現率 〉
国内外で実施された第 3 相試験(試験開始から3ヵ月時点まで)又は実施中の長期投与試験において主治医
により報告された本剤との因果関係を否定できない結核の発現率は以下のとおりでした。長期投与試験に
おける発現率は 0.1%未満でした。
結核の発現率(%)
トファシチニブ
第 3 相試験全体
(投与 3ヵ月時点)
長期投与試験*
プラセボ
全体
5mg1日2 回
10mg1日2 回
0/2430
(─)
0/1216
(─)
0/1214
(─)
0/681
(─)
1/3227
(<0.1)
0/1321
(─)
1/1906
(0.1)
─
発現例数 / 評価対象例数(%)
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
参考
曝露量あたりの発現率(因果関係を問わない有害事象)
因果関係の有無に関わらず、第 3 相試験で6 例、長期投与試験 1)で10 例
(うち5 例は5mg1日2 回投与群)
に結核の発現が報告されています。長期投与試験 1)において、結核発現率の上昇は認められませんでした。
曝露量あたりの結核の発現率
トファシチニブ
5mg1日2 回
プラセボ
10mg1日2 回
発現例数 / 評価対象例数
発現率 発現例数 / 評価対象例数 発現率
発現例数 / 評価対象例数
発現率
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
第 3 相試験
(単 剤 投 与:6 ヵ月 間 の 二 重
盲検比較試験)
0/243
(─)
0
1/245
(0.4)
0.88
0/122
(─)
0
第 3 相試験
(DMARD 併用投与:6 ヵ月間
又は 12 ヵ月投与の二重盲検
比較試験)
0/973
(─)
0
5/969
(0.5)
0.63
0/559
(─)
0
0/1216
(─)
0
6/1214
(0.5)
0.66
0/681
(─)
0
5/1421
(0.4)
0.2
5/2681
(0.2)
0.2
─
─
第 3 相試験全体
(投与開始~12 ヵ月時点)
長期投与試験 1)*
*データカットオフ:2012 年 4月19日
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
26
持続する咳、発熱、倦怠感等
〈 投与中の注意 〉
本剤投与中は、胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意して
ください。ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告
されています。患者に対しては、結核を疑う症状が発現した場合には速やかに主治医に連絡するよう指導
してください。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないでください。
1 治療スケジュール
〈 主な初期症状 〉
2 投与に際して
3 投与中の注意
4 関連資材
5 付録
1)Wollenhaupt, J. et al.:J Rheumatol 41(5)
:837, 2014
本解析は、ファイザー(株)
のスポンサーシップのもと実施されました。
27
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
Pneumocystis pneumonia:PCP)
■ 3.1.4 ニューモシスティス肺炎( 〈副作用発現率〉
国内外で実施された第 3 相試験(試験開始から3 ヵ月時点まで)又は長期投与試験において主治医により
報告された本剤との因果関係を否定できない PCP 発現率は 0.1%未満でした。なお、第 3 相試験において、
日本人での死亡例が 1 例報告されています。
ニューモシスティス肺炎の発現率(%)
トファシチニブ
第 3 相試験全体
(投与 3ヵ月時点)
長期投与試験*
プラセボ
全体
5mg1日2 回
10mg1日2 回
1/2430
(<0.1)
1/1216
(0.1)
0/1214
(─)
0/681
(─)
1/3227
(<0.1)
1/1321
(0.1)
0/1906
(─)
─
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
発現例数 / 評価対象例数(%)
参考
曝露量あたりの日和見感染の発現率(因果関係を問わない有害事象)
第 3 相 試 験 全 体における、100 人・年あたりの PCPを含む日和 見 感 染の発 現 率は、トファシチニブ
5mg1日2 回投与群及び10mg1日2 回投与群で0.33、1.10でした。長期投与試験 1)における日和見感
染の発現率はトファシチニブ 5mg1日2 回投与群及び10mg1日2 回投与群で0.4、0.5であり、日和見感
染症発現率の上昇は認められませんでした。
曝露量あたりの日和見感染(PCP を含む)
の発現率
トファシチニブ
5mg1日2 回
プラセボ
10mg1日2 回
発現例数 / 評価対象例数
発現率 発現例数 / 評価対象例数
発現率
発現例数 / 評価対象例数
発現率
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
第 3 相試験
(単 剤 投 与:6 ヵ月 間 の 二 重
盲検比較試験)
0/243
(─)
0
1/245
(0.4)
0.88
0/122
(─)
0
第 3 相試験
(DMARD 併用投与:6 ヵ月間
又は 12 ヵ月投与の二重盲検
比較試験)
3/973
(0.3)
0.38
9/969
(0.9)
1.13
0/559
(─)
0
第 3 相試験全体
(投与開始~12 ヵ月時点)
3/1216
(0.2)
0.33
10/1214
(0.8)
1.10
0/681
(─)
0
13/1421
(0.9)
0.4
14/2681
(0.5)
0.5
─
─
長期投与試験 1)*
*データカットオフ:2012 年 4月19日
28
乾性咳嗽、進行性の息切れ、発熱、自然気胸等であり、理学所見(ラ音)
に乏しい。
〈 投与中の注意 〉
発熱、咳、呼吸困難などの症状があらわれた場合には、投与を中止し、日本リウマチ学会の
「トファシチニブ
投与中における発熱、咳、呼吸困難に対するフローチャート」
(p.71 参照)等を参考に、適切な処置を行っ
てください。
なお、急速に病状が進行するおそれがあるので、確定診断よりも治療を優先(間質性肺炎か感染症か不明
の場合には、両者の可能性を考慮)
してください。
1 治療スケジュール
〈主な初期症状〉
2 投与に際して
3 投与中の注意
4 関連資材
5 付録
1)Wollenhaupt, J. et al.:J Rheumatol 41(5)
:837, 2014
本解析は、ファイザー(株)
のスポンサーシップのもと実施されました。
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
29
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
3.2 消化管穿孔
〈 副作用発現率 〉
国内外で実施された第 3 相試験(試験開始から3ヵ月時点まで)
において主治医により報告された本剤との
因果関係を否定できない消化管穿孔発現率は 0.1%未満、長期投与試験における発現率は 0.1%でした。
消化管穿孔の発現率(%)
トファシチニブ
第 3 相試験全体
(投与 3ヵ月時点)
長期投与試験*
プラセボ
全体
5mg1日2 回
10mg1日2 回
1/2430
(<0.1)
0/1216
(─)
1/1214
(0.1)
0/681
(─)
2/3227
(0.1)
1/1321
(0.1)
1/1906
(0.1)
─
発現例数 / 評価対象例数(%)
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
参考
曝露量あたりの発現率(因果関係を問わない有害事象)
第 3 相試験又は長期投与試験 1)における消化管穿孔の発現率は以下のとおりでした。報告された10 例中9 例
が下部消化管穿孔でした。
曝露量あたりの消化管穿孔の発現率
トファシチニブ
5mg1日2 回
プラセボ
10mg1日2 回
発現例数 / 評価対象例数
発現率 発現例数 / 評価対象例数 発現率
発現例数 / 評価対象例数
発現率
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
第 3 相試験全体
(投与開始~12 ヵ月時点)
長期投与試験 1)*
0/1216
(─)
0
2/1214
(0.2)
0.2
0/681
(─)
0
4/1421
(0.3)
0.1
4/2681
(0.1)
0.1
─
─
*データカットオフ:2012 年 4月19日
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
30
消化管穿孔あり
(消化管穿孔疑いを含む)
と判定された被験者の多くは、憩室症 / 憩室炎の既往歴や、
NSAIDとコルチコステロイドの併用等のリスク因子を有していました。
〈 主な初期症状 〉
急に出現する持続性の腹痛、激しい腹痛、下血等
〈 投与中の注意 〉
2 投与に際して
本剤と消化管穿孔発現の関連は明らかではありませんが、本剤は正常な免疫応答に影響を与える可能性が
あることから、憩室炎の増悪に伴い消化管穿孔が発生する可能性があります。憩室があることがあらかじめ
わかっている患者や、
憩室炎の既往のある患者では、
腹痛等の臨床症状に注意しながら慎重に投与してください。
また、本剤とNSAID、コルチコステロイド、メトトレキサートとの併用投与中に胃潰瘍穿孔を来した報告が
あります。NSAIDとコルチコステロイドを併用している患者に本剤を投与する場合も、十分な注意が必要です。
本剤投与中に急性腹痛や腹部の炎症所見が出現した場合は、消化管穿孔を念頭に置いて速やかに腹部
レントゲン、CT 等の検査や処置を行ってください。
1 治療スケジュール
〈リスク因子 〉
3 投与中の注意
4 関連資材
5 付録
1)Wollenhaupt, J. et al.:J Rheumatol 41(5)
:837, 2014
本解析は、ファイザー(株)
のスポンサーシップのもと実施されました。
31
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
3.3 血液障害
■ 3.3.1 好中球減少
本剤の投与中に好中球減少があらわれることがあります。
第 3 相試験及び長期投与試験において好中球数が 500/mm3 を下回った症例は認められませんでしたが、
好中球減少が認められた場合は、重篤な感染症が発現する可能性があります。
〈 副作用発現率 〉
国内外で実施された第 3 相試験(試験開始から3 ヵ月時点まで)
において主治医に報告された因果関係を
否定できない好中球減少の発現率は0.2%、長期投与試験における発現率は0.4%でした。
好中球減少の発現率(%)
トファシチニブ
第 3 相試験全体
(投与 3ヵ月時点)
長期投与試験*
発現例数 / 評価対象例数(%)
5mg1日2 回
10mg1日2 回
6/2430
(0.2)
2/1216
(0.2)
4/1214
(0.3)
0/681
(─)
13/3227
(0.4)
7/1321
(0.5)
6/1906
(0.3)
─
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
32
プラセボ
全体
好中球数減少の程度別感染症発現の割合
長期投与試験において、好中球数が 500/mm3 を下回った症例は認められず、好中球数減少の程度と
治療を受けた感染症または重篤な感染症の発現率との関連は明らかではありませんでした。
好中球数減少の程度別※の感染症の治療を受けた被験者の割合:長期投与試験*
トファシチニブ
10mg1日2 回
742/3103
(23.9)
344/1251
(27.5)
398/1852
(21.5)
1500/mm3 以上 2000/mm3 未満
23/100
(23.0)
12/60
(20.0)
11/40
(27.5)
500/mm3 以上 1500/mm3 未満
3/16
(18.8)
3/8
(37.5)
0/8
(─)
0/0
(─)
0/0
(─)
0/0
(─)
減少なし
500/mm3 未満
発現例数 / 評価対象例数(%)
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
※OMERACT(Outcome Measures in Rheumatoid Arthritis Clinical Trials)基準による好中球数減少の程度
3 投与中の注意
5mg1日2 回
2 投与に際して
全体
1 治療スケジュール
参考
好中球数減少の程度別※の重篤な感染症を発現した被験者の割合:長期投与試験*
トファシチニブ
5mg1日2 回
10mg1日2 回
49/1251
(3.9)
42/1852
(2.3)
1500/mm3 以上 2000/mm3 未満
1/100
(1.0)
0/60
(─)
1/40
(2.5)
500/mm3 以上 1500/mm3 未満
1/16
(6.3)
1/8
(12.5)
0/8
(─)
500/mm3 未満
0/0
(─)
0/0
(─)
0/0
(─)
発現例数 / 評価対象例数(%)
5 付録
91/3103
(2.9)
減少なし
4 関連資材
全体
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
※OMERACT(Outcome Measures in Rheumatoid Arthritis Clinical Trials)基準による好中球数減少の程度
6
DI
33
3 注意すべき副作用とその対策
〈 臨床検査値の変動 〉
好中球数への影響について検討するため、第 3 相試験におけるベースラインから投与 12 ヵ月後の変動に
ついて検討しました。本剤投与中に好中球数の減少が認められましたが、投与開始後 3ヵ月時点までに
定常状態に達しました。本剤の投与期間中、好中球数はおおむね基準値範囲内で推移しました。
好中球数のベースラインからの平均変化量(±標準誤差)
:第 3 相試験(投与開始~ 12ヵ月時点)
(1000/mm3)
0.5
好中球数の
ベースラインからの平均変化量
0.0
-0.5
-1.0
-1.5
-2.0
0
1
3
6
9
投与期間
12 (月)
■トファシチニブ 5mg1日2 回 ■トファシチニブ 10mg1日2 回 ■ アダリムマブ 40mg2 週間 1 回 ■ プラセボ
長期投与試験における60ヵ月間の、好中球数のベースライン § からの変化量について検討しました。1ヵ月
時に好中球数の減少がみられました 1、2)。
好中球数のベースラインからの平均変化量(± 標準誤差)1、2):長期投与試験*
好中球数の
ベースラインからの平均変化量
(1000/mm3)
2.0
1.0
0.0
-1.0
-2.0
-3.0
6
12
24
■ トファシチニブ
1312
5mg1日2 回
1229
1142
■ トファシチニブ
2487
10mg1日2 回
2330
2138
例数
1
36
48
54
909
629
457
314
79
1347
205
48
25
6
投与期間
60 (月)
§ 先行する第 2 相もしくは第 3 相試験終了後 7日
(A3921041 試験)
または14日
(A3921024 試験)以内に組み入れられた患者のベースラインは
先行試験開始時とし、それ以降に組み入れられた患者のベースラインは長期投与試験開始時とした。
*データカットオフ:2013 年 4月10日
34
第 2 相試験(A3921019 試験)
において、本剤投与 6 週間後の好中球数のベースラインからの変化を検討
しました。本剤投与中に好中球数の減少が認められましたが、本剤 5mg1日2 回投与群において、好中球
数は投与中止後 6 週間で回復傾向にありました 3、4)。
好中球数のベースラインからの変化 3、4):第 2 相試験
(1000/mm3)
6.0
幾何平均値
1 治療スケジュール
〈 臨床検査値の可逆性〉
2 投与に際して
好中球数の
ベースラインからの変化
5.0
4.0
0
1
2
4
6
投与期間
8
10
12(週)
投与中止期間
■ ゼルヤンツ5mg1日2 回群 ■ ゼルヤンツ15mg1日2 回群 ■ ゼルヤンツ30mg1日2 回群 ■プラセボ群
3 投与中の注意
3.0
〈 投与中の注意 〉
4 関連資材
本剤投与中は定期的に検査を実施し、好中球数が 500/mm3 未満の患者には本剤を投与しないでくだ
さい。本 剤 投 与 中に継 続して500 ~ 1000/mm3 の好 中 球 減 少 が 認められた患 者は、好 中 球 数 が
1000/mm3 を超えるまで本剤の投与を中断してください。
5 付録
1)社内資料:オープンラベル長期投与試験における5 年間にわたる安全性と有効性の検討
(MTX 併用・単剤、1024+1041 試験、データカットオフ:2013 年 4月10日)
2)77th ACR/ARHP Scientific Meeting 2013:American College of Rheumatology, Wollenhaupt, J. et al. 2328, 2013
3)社内資料:短期および長期投与後の薬力学的効果の可逆性の検討
4)77th ACR/ARHP Scientific Meeting 2013:American College of Rheumatology, Genovese, M. C. et al. 444, 2013
これらの解析は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
35
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
■ 3.3.2 リンパ球減少
本剤の投与中にリンパ球減少が認められ、
またリンパ球減少と重篤な感染症発現に関連が認められています。
〈副作用発現率〉
国内外で実施された第 3 相試験(試験開始から3ヵ月時点まで)
において主治医により報告された本剤との
因果関係を否定できないリンパ球減少の発現率は0.1%未満、長期投与試験における発現率は0.2%でした。
リンパ球減少の発現率(%)
トファシチニブ
第 3 相試験全体
(投与 3ヵ月時点)
長期投与試験*
プラセボ
全体
5mg1日2 回
10mg1日2 回
1/2430
(<0.1)
0/1216
(─)
1/1214
(0.1)
0/681
(─)
8/3227
(0.2)
7/1321
(0.5)
1/1906
(0.1)
─
発現例数 / 評価対象例数(%)
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
参考
リンパ球数減少の程度別感染症発現の割合
長期投与試験において、リンパ球数減少による治療を要した感染症、重篤な感染症及び日和見感染症の発
現への影響について検討しました。
リンパ球数が 500/mm3 以上の患者において、感染症の発現率の増加は認められませんでしたが、リンパ球
数が 500/mm3 未満の患者では、治療を要する感染症、重篤な感染症及び日和見感染症の発現率が上
昇していました 1、2)。
治療を要した感染症:抗菌薬投与又は、外科的処置を行ったもの
重篤な感染症:非経口抗生物質療法又は、入院を要するもの
リンパ球数の減少:2 回連続してOMERACT 基準による測定値の減少が認められた場合
OMERACT(Outcome Measures in Rheumatoid Arthritis Clinical Trials)基準によるリンパ球数の分類は、
①2,000/mm3
以上、②1,500/mm 3 以上 2,000/mm 3 未満、③1,000/mm 3 以上 1,500/mm 3 未満、④500/mm 3 以上 1,000/mm 3 未満、
⑤500/mm3 未満とする。
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
36
リンパ球数
トファシチニブ
2000/mm3 以上
53/168
(31.5)
205/693
(29.6)
1500/mm3 以上 2000/mm3 未満
95/290
(32.8)
254/721
(35.2)
500/mm3 以上 1500/mm3 未満※
321/951
(33.8)
478/1248
(38.3)
500/mm3 未満
6/9
(66.7)
3/8
(37.5)
475/1418
(33.5)
940/2670
(35.2)
※1000/mm3 以上 1500/mm3 未満と500/mm3 以上 1000/mm3 未満を合わせたデータしか得られなかった。
発現例数 / 評価対象例数(%)
*データカットオフ:2012 年 4月19日
リンパ球数減少の程度別の重篤な感染症の発現率 1、2):長期投与試験*
リンパ球数
トファシチニブ
2000/mm3 以上
13/168
(7.7)
26/693
(3.8)
1500/mm3 以上 2000/mm3 未満
17/290
(5.9)
28/721
(3.9)
1000/mm3 以上 1500/mm3 未満
31/612
(5.1)
30/906
(3.3)
500/mm3 以上 1000/mm3 未満
21/339
(6.2)
13/342
(3.8)
500/mm3 未満
2/9
(22.2)
3/8
(37.5)
合計
84/1418
(5.9)
100/2670
(3.7)
5 付録
10mg1日2 回
4 関連資材
5mg1日2 回
発現例数 / 評価対象例数(%)
3 投与中の注意
10mg1日2 回
2 投与に際して
5mg1日2 回
合計
1 治療スケジュール
リンパ球数減少の程度別の治療を要した感染症の発現率 1、2):長期投与試験*
*データカットオフ:2012 年 4月19日
37
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
リンパ球数減少の程度別の日和見感染症(結核を含む)
の発現率 1、2):長期投与試験*
トファシチニブ
リンパ球数
5mg1日2 回
10mg1日2 回
2000/mm3 以上
1/168
(0.6)
0/693
(0)
1500/mm3 以上 2000/mm3 未満
3/290
(1.0)
1/721
(0.1)
1000/mm3 以上 1500/mm3 未満
3/612
(0.5)
10/906
(1.1)
500/mm3 以上 1000/mm3 未満
5/339
(1.5)
3/342
(0.9)
500/mm3 未満
1/9
(11.1)
0/8
(0)
合計
13/1418
(0.9)
14/2670
(0.5)
発現例数 / 評価対象例数(%)
*データカットオフ:2012 年 4月19日
〈 臨床検査値の変動 〉
リンパ球数への影響を検討するため、第 3 相試験におけるベースラインから投与 12ヵ月後の変動について
検討しました。本剤投与後 1ヵ月時点でリンパ球のベースラインからの増加が認められましたが、その後は
減少が認められました。
リンパ球数のベースラインからの平均変化量(±標準誤差)
:第 3 相試験(投与開始~ 12ヵ月時点)
リンパ球数の
ベースラインからの平均変化量
(1000/mm3)
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
-0.1
-0.2
0
1
3
6
投与期間
9
■トファシチニブ 5mg1日2 回 ■トファシチニブ 10mg1日2 回 ■ アダリムマブ 40mg2 週間 1 回 ■ プラセボ
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
38
12 (月)
リンパ球数のベースラインからの平均変化量(± 標準誤差)3、4):長期投与試験*
リンパ球数の
ベースラインからの平均変化量
(1000/mm3)
0.2
0.0
1 治療スケジュール
長期投与試験における60ヵ月間の、リンパ球数のベースライン § からの変化量について検討した結果は、
以下のとおりでした 3、4)。
-0.2
2 投与に際して
-0.4
-0.6
-0.8
-1.0
1
12
24
■ トファシチニブ
1312
5mg1日2 回
1229
1142
■ トファシチニブ
2487
10mg1日2 回
2330
2138
60 (月)
36
48
54
909
629
457
314
79
1347
205
48
25
6
投与期間
§ 先行する第 2 相もしくは第 3 相試験終了後 7日
(A3921041 試験)
または14日
(A3921024 試験)以内に組み入れられた患者のベースラインは
先行試験開始時とし、それ以降に組み入れられた患者のベースラインは長期投与試験開始時とした。
〈 投与中の注意 〉
*データカットオフ:2013 年 4月10日
3 投与中の注意
6
リンパ球減少と重篤な感染症発現には関連がみられることから、本剤投与中は定期的にリンパ球数を確認
してください。リンパ球数が 500/mm3 未満であった場合には、本剤を投与しないでください
(重篤な感染症
p.20~21 参照)。
4 関連資材
5 付録
1)社内資料:トファシチニブ投与によるリンパ球数減少と感染症リスクの関連の検討(データカットオフ:2011 年 3月29日)
2)77th ACR/ARHP Scientific Meeting 2013:American College of Rheumatology, van Vollenhoven, R. F. et al. 2330, 2013
3)社内資料:オープンラベル長期投与試験における5 年間にわたる安全性と有効性の検討(MTX 併用・単剤、1024+1041 試験、データカットオフ:2013 年 4月10日)
4)77th ACR/ARHP Scientific Meeting 2013 : American College of Rheumatology, Wollenhaupt, J. et al. 2328, 2013
これらの解析は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
39
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
■ 3.3.3 ヘモグロビン減少
本剤は、その作用機序からJAK2を介する受容体活性を阻害することによりエリスロポエチンのシグナル
伝達を抑制すると考えられるため、ヘモグロビン減少が認められる可能性があります。
第 3 相試験及び長期投与試験で認められた貧血はほとんどが軽度から中等度でしたが、重度の貧血の
発現にも注意してください。
〈副作用発現率 〉
国内外で実施された第 3 相試験(試験開始から3ヵ月時点まで)
において主治医により報告された本剤との
因果関係を否定できないヘモグロビン減少及び貧血発現率は各 0.1%、0.6%でした。長期投与試験に
おける発現率は各々 0.3%、1.1%でした。
ヘモグロビン減少及び貧血の発現率(%)
トファシチニブ
評価対象例数
第 3 相試験全体
(投与 3 ヵ月時点) ヘモグロビン減少
貧血
評価対象例数
長期投与試験 *
ヘモグロビン減少
貧血
プラセボ
全体
5mg1日2 回
10mg1日2 回
2430
1216
1214
3(0.1)
15(0.6)
1(0.1)
10(0.8)
3227
1321
1906
─
9(0.3)
34(1.1)
7(0.5)
22(1.7)
2(0.1)
12(0.6)
─
─
2(0.2)
5(0.4)
681
1(0.1)
5(0.7)
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
発現例数(%)
参考
ヘモグロビン減少の程度別被験者の割合
第 3 相試験及び長期投与試験 1)で認められたヘモグロビン減少の多くは、1g/dL 以上 2g/dL 以下の減少※
でした。
※ベースラインからの変化量
ヘモグロビン減少の程度別の被験者の割合
トファシチニブ
評価対象例数
第 3 相試験全体
(投与開始~
3 ヵ月時点)
1g/dL 以上 2g/dL 以下の減少
2g/dL 超 3g/dL 未満の減少※又は
ヘモグロビン値が7g/dL 超 8g/dL 未満
3g/dL 以上の減少※又は
ヘモグロビン値が 7g/dL 以下
※
評価対象例数
長期投与試験
1)*
1g/dL 以上 2g/dL 以下の減少※
2g/dL 超 3g/dL 未満の減少※又は
ヘモグロビン値が7g/dL 超 8g/dL 未満
3g/dL 以上の減少※又は
ヘモグロビン値が 7g/dL 以下
5mg1日2 回
10mg1日2 回
1220
1217
35( 2.9)
681
4.8)
29( 4.3)
3(<1.0)
6(<1.0)
1(<1.0)
0( ─ )
1(<1.0)
1(<1.0)
1419
2676
─
187(13.2)
334(12.5)
─
49( 3.5)
60( 2.2)
─
24( 1.7)
17(<1.0)
─
発現例数(%)
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
40
58(
プラセボ
*データカットオフ:2012 年 4月19日
ヘモグロビンへの影響を検討するため、第 3 相試験におけるベースラインから投与 12ヵ月後の変動について
検討しました。本剤投与後 5mg1日2 回投与群でヘモグロビンのベースラインからのわずかな増加が認め
られました
(6ヵ月時点で約 0.2g/dL)。本剤投与期間中のヘモグロビン濃度は、おおむね基準範囲内で
推移しました。
ヘモグロビンのベースラインからの平均変化量(±標準誤差)
:第 3 相試験(投与開始~ 12ヵ月時点)
1 治療スケジュール
〈 臨床検査値の変動 〉
0.5
2 投与に際して
ヘモグロビンの
ベースラインからの平均変化量
(g/dL)
0.6
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
-0.1
1
3
6
9
投与期間
12 (月)
■トファシチニブ 5mg1日2 回 ■トファシチニブ 10mg1日2 回 ■ アダリムマブ 40mg2 週間 1 回 ■ プラセボ
長期投与試験における60ヵ月間の、ヘモグロビンのベースライン § からの変動について検討した結果は以下
のとおりでした 2、3)。
3 投与中の注意
0
2、3)
ヘモグロビンのベースラインからの平均変化量
(± 標準誤差)
:長期投与試験*
0.4
4 関連資材
ヘモグロビンの
ベースラインからの平均変化量
(g/dL)
0.6
0.2
0.0
-0.2
-0.4
-0.6
-0.8
-1.0
-1.2
1
6
12
24
36
48
54
1254
1161
924
635
461
315
80
2336
2142
1351
205
48
25
6
投与期間
60 (月)
5 付録
例数
■ トファシチニブ
5mg1日2 回 1337
■ トファシチニブ
10mg1日2 回 2493
§ 先行する第 2 相もしくは第 3 相試験終了後 7日
(A3921041 試験)
または14日
(A3921024 試験)以内に組み入れられた患者のベースラインは
先行試験開始時とし、それ以降に組み入れられた患者のベースラインは長期投与試験開始時とした。
*データカットオフ2013 年 4月10日
〈 投与中の注意 〉
本剤投与中は定期的に検査を実施し、ヘモグロビン8g/dL 未満の患者又は本剤投与開始後に2g/dLを
超える低下を示した患者では正常化するまで本剤の投与を中断してください。
1)Wollenhaupt, J. et al.:J Rheumatol 41(5)
:837, 2014
2)社内資料:オープンラベル長期投与試験における5 年間にわたる安全性と有効性の検討(MTX 併用・単剤、1024+1041 試験、データカットオフ:2013 年 4月10日)
3)77th ACR/ARHP Scientific Meeting 2013:American College of Rheumatology, Wollenhaupt, J. et al. 2328, 2013
これらの解析は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
41
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
3.4 肝障害
〈 副作用発現率 〉
国内外で実施された第 3 相試験(試験開始から3ヵ月時点まで)
において主治医により報告された本剤との
因果関係を否定できない肝機能障害発現率は AST(GOT)上昇 0.7%、ALT(GPT)上昇 0.9%でした。長期
投与試験における発現率は AST(GOT)上昇 0.9%、ALT(GPT)上昇 1.2%、黄疸 0.1%未満でした。
肝障害の発現率に経時的な上昇は認められませんでした。
肝障害の発現率(%)
トファシチニブ
評価対象例数
第 3 相試験全体
(投与3 ヵ月時点)
AST(GOT)上昇
ALT(GPT)上昇
黄疸
評価対象例数
長期投与試験*
発現例数(%)
AST(GOT)上昇
ALT(GPT)上昇
黄疸
5mg1日2 回
2430
1216
1214
681
17( 0.7)
23( 0.9)
0( ─ )
10(0.8)
11(0.9)
0( ─ )
7(0.6)
12(1.0)
0( ─ )
3(0.4)
5(0.7)
0( ─ )
3227
1321
1906
─
30( 0.9)
40( 1.2)
1(<0.1)
26(2.0)
30(2.3)
1(0.1)
4(0.2)
10(0.5)
0( ─ )
─
─
─
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
42
10mg1日2 回
プラセボ
全体
長期投与試験 1)において、いずれかの測定時点で基準値上限以上の肝機能検査値が認められた患者の割合を
検討しました。その結果、基準値上限の 3 倍を超える検査値異常が認められています。
いずれかの測定時点で基準値上限以上の肝機能検査値が認められた被験者の割合:長期投与試験 1)*
トファシチニブ
評価対象例数
5mg1日2 回
10mg1日2 回
4054
1413
2641
≧1×ULN
≧2×ULN
≧3×ULN
1205(29.7)
152( 3.8)
50( 1.2)
471(33.3)
69( 4.9)
25( 1.8)
734(27.8)
83( 3.1)
25( 1.0)
ALT
(GPT)
≧1×ULN
≧2×ULN
≧3×ULN
1134(28.0)
244( 6.0)
90( 2.2)
451(31.9)
109( 7.7)
43( 3.0)
683(25.9)
135( 5.1)
47( 1.8)
AST
(GOT)
≧1×ULN
≧2×ULN
≧3×ULN
1516(37.4)
202( 5.0)
63( 1.6)
545(38.6)
90( 6.4)
31( 2.2)
971(36.8)
112( 4.2)
32( 1.2)
ALT
(GPT)
≧1×ULN
≧2×ULN
≧3×ULN
1513(37.3)
355( 8.8)
133( 3.3)
553(39.1)
154(10.9)
64( 4.5)
960(36.4)
201( 7.6)
69( 2.6)
全体
ULN=基準値上限 発現例数(%)
3 投与中の注意
AST
(GOT)
2 投与に際して
ベースラインの
検査値が正常
全体
1 治療スケジュール
〈 臨床検査値の変動〉
*データカットオフ:2012 年 4月19日
4 関連資材
5 付録
6
DI
43
3 注意すべき副作用とその対策
〈メトトレキサート併用による肝機能への影響 〉
本剤とメトトレキサート併用投与による臨床検査値異常の発現率は、単剤投与と比較してメトトレキサート
併用群で高い傾向が認められました。
メトトレキサートの用量別では、
発現率に大きな差は認められませんでした。
メトトレキサート
(MTX)
の併用有無及び用量別の臨床検査値異常の発現率:第 3 相試験(投与開始~3 ヵ月時点)
トファシチニブ
プラセボ
5mg1日2 回
10mg1日2 回
MTX の併用なし
1/243
(0.4)
2/245
(0.8)
3/122
(2.5)
MTX の併用あり
15/817
(1.8)
17/804
(2.1)
8/480
(1.7)
MTX10mg/ 週以下
4/208
(1.9)
5/199
(2.5)
3/113
(2.7)
MTX10mg/ 週超かつ15mg/ 週以下
3/355
(0.8)
9/331
(2.7)
3/207
(1.4)
MTX15mg/ 週超
8/241
(3.3)
3/265
(1.1)
2/153
(1.3)
MTX の
用量別
発現例数 / 評価対象例数(%)
〈 肝機能障害を有する患者への投与 〉
軽度から中等度の肝機能障害の患者に投与する場合には、トランスアミナーゼ値の上昇に注意するなど観察を
十分に行ってください。中等度の肝機能障害を有する患者には、5mg を1日1 回投与してください。重度の
肝機能障害の患者に対する臨床試験は実施されていませんが、副作用が強くあらわれるおそれがあるため、
本剤を投与しないでください。
〈 投与中の注意 〉
臨床試験においてメトトレキサートを含むDMARD 等併用時に肝機能障害の発現率の上昇が認められている
ことから、肝機能障害を起こす可能性のある薬剤と併用する場合には、トランスアミナーゼ値上昇に注意する
など観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行ってください。
1)Wollenhaupt, J. et al.:J Rheumatol 41(5)
:837, 2014
本解析は、ファイザー(株)
のスポンサーシップのもと実施されました。
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
日本国内におけるメトトレキサートの関節リウマチに対する用法・用量
通常、1 週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1 週間単位の投与量を1 回又は2 ~ 3 回に分割して経口投与する。
分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12 時間間隔で投与する。1 回又は2 回分割投与の場合は残りの6日間、3 回分割
投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1 週間ごとに繰り返す。
なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1 週間単位の投与量として16mgを超えない
ようにする。
44
〈 副作用発現率 〉
国内外で実施された第 3 相試験
(試験開始から3ヵ月時点まで)
において主治医により報告された本剤との因果
関係を否定できない間質性肺炎の発現率は以下のとおりでした。長期投与試験における発現率は0.1%でした。
間質性肺炎の発現率(%)
トファシチニブ
長期投与試験*
プラセボ
全体
5mg1日2 回
10mg1日2 回
0/2430
(─)
0/1216
(─)
0/1214
(─)
0/681
(─)
2/3227
(0.1)
1/1321
(0.1)
1/1906
(0.1)
─
発現例数 / 評価対象例数(%)
2 投与に際して
第 3 相試験全体
(投与 3ヵ月時点)
1 治療スケジュール
3.5 間質性肺炎
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
曝露量あたりの発現率(因果関係を問わない有害事象)
第 3 相試験(試験開始から12ヵ月時点まで)
における100 人・年あたりの発現率は、本剤 5mg1日2 回投与
群で0.11、10mg1日2 回投 与 群で 0.11、長 期 投 与 試 験では本 剤 5mg1日2 回投 与 群で 0.05、10mg
1日2 回投与群で 0.45でした。
間 質 性 肺 炎と判 断された症 例は、いずれも間 質 性 肺 炎との関 連が知られている関 節リウマチ治 療 薬
(メトトレキサート及び/又はプレドニゾン※、プレドニゾロン、サラゾスルファピリジン)
を使用していました。
3 投与中の注意
参考
※プレドニゾン:本邦未承認
トファシチニブ
5mg1日2 回
10mg1日2 回
プラセボ
発現例数 / 評価対象例数
発現率 発現例数 / 評価対象例数
発現率
発現例数 / 評価対象例数
発現率
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
(%)
(/100 人・年)
第 3 相試験全体
(投与開始~12 ヵ月時点)
0.11
1/1214
(<0.1)
0.11
1/681
(0.1)
0.49
1/1321
(<0.1)
0.05
4/1906
(0.2)
0.45
─
─
5 付録
長期投与試験*
1/1216
(<0.1)
4 関連資材
曝露量あたりの間質性肺炎の発現率
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
〈 主な初期症状 〉
発熱、
(乾性)咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等
〈 投与中の注意 〉
発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン
検査、胸部 CT 検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスティス肺炎との
鑑別診断
(β-Dグルカンの測定等)
を考慮に入れ適切な処置を行ってください。なお、間質性肺炎の既往歴のあ
る患者には、定期的に問診を行うなど、注意してください。
45
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
3.6 脂質代謝異常
本剤の投与中に、総コレステロール、LDLコレステロール及び HDLコレステロールの増加等の脂質検査値
異常があらわれることがあります。
〈 副作用発現率 〉
国内外で実施された第 3 相試験(試験開始から3ヵ月時点まで)
において主治医により報告された本剤との
因果関係を否定できないLDLコレステロール増加、HDLコレステロール変動及び血中コレステロール増加の
発現率は各々 0.2%、0.2%、0.4%でした。長期投与試験における発現率は各々 0.6%、0.1%未満、0.8%
でした。
脂質代謝異常の発現率(%)
トファシチニブ
評価対象例数
第 3 相試験全体
LDL 増加
(投与3 ヵ月時点) HDL 変動
血中コレステロール増加
評価対象例数
長期投与試験*
発現例数(%)
LDL 増加
HDL 変動
血中コレステロール増加
5mg1日2 回
10mg1日2 回
2430
1216
1214
6( 0.2)
4( 0.2)
10( 0.4)
1(0.1)
2(0.2)
4(0.3)
5(0.4)
2(0.2)
6(0.5)
3227
1321
1906
─
19( 0.6)
1(<0.1)
26( 0.8)
17(1.3)
1(0.1)
15(1.1)
2(0.1)
0( ─ )
11(0.6)
─
─
─
681
0( ─ )
0( ─ )
1(0.1)
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
46
プラセボ
全体
LDLコレステロール及びHDLコレステロールへの影響を検討するため、第 3 相試験におけるベースラインから
投与 12 ヵ月後の変動について検討しました。本剤投与開始後 1ヵ月時点までにLDL 及びHDLコレステロールの
増加がみられ、それ以降の変動はわずかでした。12ヵ月時点におけるLDLコレステロールのベースラインからの
変化率は本剤 5mg1日2 回投与群で14.2%、10mg1日2 回投与群で19.7%、HDLコレステロールのベース
ライン からの 変 化 率 は 本 剤 5mg1日2 回 投 与 群 で 15.5%、10mg1日2 回 投 与 群 で 17.6%でした。
LDL /HDL 比の大きな変動は認められませんでした。
1 治療スケジュール
〈 臨床検査値の変動 〉
LDLコレステロールのベースラインからの平均変化率(±標準誤差)
:第 3 相試験(投与開始~ 12ヵ月時点)
20
10
3 投与中の注意
コレステロールの
LDL
ベースラインからの平均変化率
2 投与に際して
(%)
30
0
-10
0
1
3
6
12 (月)
4 関連資材
投与期間
9
■トファシチニブ 5mg1日2 回 ■トファシチニブ 10mg1日2 回 ■ アダリムマブ 40mg2 週間 1 回 ■ プラセボ
HDLコレステロールのベースラインからの平均変化率(±標準誤差)
:第 3 相試験(投与開始~ 12ヵ月時点)
(%)
20
5 付録
コレステロールの
HDL
ベースラインからの平均変化率
10
0
-10
0
1
3
6
投与期間
9
12 (月)
■トファシチニブ 5mg1日2 回 ■トファシチニブ 10mg1日2 回 ■ アダリムマブ 40mg2 週間 1 回 ■ プラセボ
47
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
長期投与試験における60ヵ月間の、総コレステロールのベースライン § からの変動について検討しました。本剤
投与により総コレステロールの増加がみられました 1、2)。
1、2)
総コレステロールのベースラインからの平均変化量(± 標準誤差)
:長期投与試験*
(mg/dL)
30
25
ベースラインからの平均変化量
20
15
10
5
0
-5
1
6
12
24
■ トファシチニブ
5mg1日2 回
368
1248
1165
■ トファシチニブ
10mg1日2 回
2268
2231
2063
例数
36
48
54
927
625
456
311
75
1410
217
48
24
6
投与期間
60 (月)
§ 先行する第 2 相もしくは第 3 相試験終了後 7日
(A3921041 試験)
または14日
(A3921024 試験)以内に組み入れられた患者のベースラインは
先行試験開始時とし、それ以降に組み入れられた患者のベースラインは長期投与試験開始時とした。
*データカットオフ:2013 年 4月10日
〈 投与中の注意 〉
本剤投与開始後は定期的に脂質検査値を確認してください。
臨床上必要と認められた場合には、高脂血症治療薬の投与等の適切な処置を考慮してください。
本剤投与中のアトルバスタチンの脂質への影響を検討した臨床試験において、関節リウマチ患者にア
トルバスタチンを投与した結果、プラセボ投与群と比較して有意な LDLコレステロールの減少が認められてい
ます
(p<0.0001)。
1)社内資料:オープンラベル長期投与試験における5 年間にわたる安全性と有効性の検討
(MTX 併用・単剤、1024+1041 試験、データカットオフ:2013 年 4月10日)
2)77th ACR/ARHP Scientific Meeting 2013:American College of Rheumatology, Wollenhaupt, J. et al. 2328, 2013
これらの解析は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
本邦におけるアトルバスタチンの効能・効果 高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症
[効能・効果に関連する使用上の注意]
(1)適用の前に十分な検査を実施し、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を
考慮すること。
(2)
家族性高コレステロール血症ホモ接合体については、LDL -アフェレーシス等の非薬物療法の補助として、あるいはそれらの治療
法が実施不能な場合に本剤の適用を考慮すること。
48
〈 副作用発現率 〉
国内外で実施された第 3 相試験(試験開始から3ヵ月時点まで)及び長期投与試験における主治医により
報告された本剤との因果関係を否定できない心血管系障害発現率は以下のとおりでした。
第 3 相試験における高血圧の発現率は 0.9%、長期投与試験における発現率は 1.7%でした。
1 治療スケジュール
3.7 心血管系リスク
(血圧上昇を含む)
心血管系障害の発現率(%)
評価対象例数
第 3 相試験全体
(投与 3 ヵ月時点)
心臓障害
血管障害
高血圧
評価対象例数
心臓障害
血管障害
高血圧
5mg1日2 回
10mg1日2回
2430
1216
1214
8(0.3)
30(1.2)
21(0.9)
4(0.3)
11(0.9)
9(0.7)
4(0.3)
19(1.6)
12(1.0)
3227
1321
1906
─
36(1.1)
70(2.2)
56(1.7)
23(1.7)
46(3.5)
41(3.1)
13(0.7)
24(1.3)
15(0.8)
─
─
─
681
2(0.3)
4(0.6)
3(0.4)
*申請時データ
(データカットオフ:2011 年 3月29日)
発現例数(%)
参考
3 投与中の注意
長期投与試験*
プラセボ
全体
2 投与に際して
トファシチニブ
曝露量あたりの発現率(因果関係を問わない有害事象)
心血管系有害事象の発現率(曝露量あたり)
トファシチニブ
5mg1日2 回
評価対象例数
心血管系の死亡
致命的でない心筋梗塞
致命的でない脳血管発作
うっ血性心不全
評価対象例数 長期投与試験 1)*
心血管系の死亡
致命的でない心筋梗塞
致命的でない脳血管発作
うっ血性心不全
発現例数
発現率
(/100 人・年)
発現例数
発現率
(/100 人・年)
発現例数
発現率
(/100 人・年)
1216
1216
1214
1214
681
681
0
2
3
0
0
0.22
0.33
0
2
2
2
5
0.22
0.22
0.22
0.55
0
0
2
0
0
0
0.99
0
1421
1421
2681
2681
─
─
8
3
3
2
0.25
0.09
0.09
0.06
8
0
7
3
0.29
0
0.25
0.11
─
─
─
─
─
─
─
─
*データカットオフ:2012 年 4月19日
1)Wollenhaupt, J. et al.:J Rheumatol 41(5)
:837, 2014
本解析は、ファイザー(株)
のスポンサーシップのもと実施されました。
49
5 付録
第 3 相試験全体
(投与開始~
12 ヵ月時点)
プラセボ
10mg1日2 回
4 関連資材
第 3 相試験における心血管系有害事象の発現率は、プラセボ群と比較して大きな差は認められませんでした。
長期投与 1)における発現率の上昇は認められませんでした。
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
3.8 悪性腫瘍(悪性リンパ腫、固形癌等)
本剤との因果関係は明らかではありませんが、本剤の投与中に、悪性リンパ腫、固形癌等の悪性腫瘍が発現
することがあります。
〈 発現率 〉
第 2 相試験、第 3 相試験及び長期投与試験*全体において、本剤の投与を受けた被験者 5671 例のうち107
例に悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌:NMSCを除く)
の発現が認められました。
発現例数の多かった悪性腫瘍は、肺癌 24 例、乳癌 19 例、リンパ腫 10 例、胃癌 6 例でした。
最長 2 年間の第 3 相試験 6 試験において、本剤を3196 例
(3363.3 人・年)
、
プラセボを681 例
(202.7 人・年)
に投与した結果、プラセボ群では悪性腫瘍(NMSC を除く)
の発現は認められませんでしたが、本剤投与群
では 21 例に発現しました。
*データカットオフ:2013 年 4月10日
〈投与量別及び投与期間別の悪性腫瘍(NMSC を除く)
の発現率〉
本剤の、投与量別の悪性腫瘍(NMSCを除く)
の発現率及び、投与期間別の発現率は以下のとおりでした 1)。
投与量別の悪性腫瘍(NMSC を除く)
の発現率 1):第 2 相、第 3 相、長期投与試験*
(/100 人・年)
4
95%信頼区間
3
発現率
2
1
0
0.85
0.90
0.87
1.02
0.81
0.55
0.00
トファシチニブ全体
5671
107※
人・年 12664.0
評価対象例数
発現例数
トファシチニブ トファシチニブ
5mg1日2 回 10mg1日2 回
1587
8
1464.2
1609
13
1501.0
プラセボ
681
0
202.7
長期投与試験
全体
トファシチニブ
5mg1日2 回
トファシチニブ
10mg1日2 回
4827
83
9195.9
1452
41
4005.3
3375
42
5190.6
第 3 相試験
長期投与試験
※第 2 相試験における発現例 3 例を含む *データカットオフ:2013 年 4月10日
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
50
1 治療スケジュール
投与期間別の悪性腫瘍(NMSC を除く)
の発現率 1):第 2 相、第 3 相、長期投与試験*
(/100 人・年)
2.5
2.0
1.5
0.70
0.5
0.94
1.04
0.66
0.83
1.00
1.04
0.79
95%信頼区間
0
評価対象例数
発現例数
6-12
12-18
18-24
24-30
30-36
36-42
>42
5671
18
2569
4811
15
2259
4295
18
1912
3519
17
1643
3165
12
1449
2720
12
1202
2152
6
759
1016
9
865
投与期間
(月)
*データカットオフ:2013 年 4月10日
■ 3.8.1 肺癌
第 2 相試験、第 3 相試験及び長期投与試験全体*において、肺癌が 24 例に認められました。本剤投与中の
肺癌の発現率(/100 人・年)
は、0.19
(95%信頼区間:0.13, 0.28)
でした。
3 投与中の注意
人・年
0-6
2 投与に際して
発現率
1.0
■ 3.8.2 乳癌
■ 3.8.3 悪性リンパ腫
第 2 相試験、第 3 相試験及び長期投与試験全体*において、悪性リンパ腫が 10 例に認められました。本剤
投与中の悪性リンパ腫の発現率
(/100 人・年)
は、0.08
(95%信頼区間:0.04, 0.14)
でした。
4 関連資材
第 2 相試験、第 3 相試験及び長期投与試験全体*において、乳癌が 19 例に認められました。本剤投与中の
乳癌の発現率(/100 人・年)
は、0.18
(95%信頼区間:0.12, 0.28)
でした。
外国で実施された腎移植患者を対象とした臨床試験において、複数の免疫抑制剤併用下で、シクロスポリン
を投与した群のリンパ腫の発現率は0%
(0/111 例)
であるのに対して、本剤を投与した群でEBウイルス関
連のリンパ腫の発現率は2.3%
(5/218 例、非ホジキンリンパ腫 4 例、ホジキンリンパ腫 1 例)
でした。
第 2 相試験、第 3 相試験及び長期投与試験全体*において、NMSCが 66 例に認められました。本剤投与中
のNMSCの発現率
(/100 人・年)
は、0.53
(95%信頼区間:0.41, 0.67)
でした。
投与量別の発現率は、長期投与試験において、5mg1日2 回投与群 0.35(95%信頼区間:0.21, 0.59)、
10mg1日2 回投与群 0.84(95%信頼区間:0.62, 1.13)
であり、10mg1日2 回投与群で高い傾向が
みられました。
米国の添付文書において、
「副作用」
の項目にNMSC が追記され、
「警告及び使用上の注意」
の項目に下
記内容が記載されています
(2015 年 6月改訂)。
「警告及び使用上の注意」
ゼルヤンツを投与された患者において、NMSCの発現が報告されています。
皮膚癌のリスクの高い患者には、定期的な皮膚検査を実施してください。
*データカットオフ:2013 年 4月10日
51
5 付録
■ 3.8.4 非黒色腫皮膚癌:NMSC
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
■ 3.8.5 日本人における悪性腫瘍発現率
〈 発現率 〉
第 2 相試験、第 3 相試験及び長期投与試験全体*において、556 例(1705 人・年)中 22 例で悪性腫瘍
(NMSCを除く)
の発現が認められました。発現例数の多かった悪性腫瘍は、胃癌 5 例、乳癌 3 例、肺癌 3 例
でした。リンパ腫は2 例に認められました。その他、同一症例における多重癌
(甲状腺癌、食道癌、大腸癌)
が
1 例認められました。
また、本剤投与 1294日後に、長期投与試験の日本人患者 1 例で NMSC(メルケル細胞癌)が認められ
ました。
本剤投与中の悪性腫瘍(NMSCを除く)
の発現率(/100 人・年)
は、1.29(95% 信頼区間:0.81、1.96)
でした。
*データカットオフ:2014 年 4月
日本人患者における悪性腫瘍発現状況 2、3):第 2 相、第 3 相、長期投与試験*
肺癌
1 枠は1 件を示す
リンパ腫
子宮頸癌
stage 0
リンパ腫
胃癌
卵巣癌
脂肪肉腫
大腸癌
胃癌
胃癌
乳癌
直腸
S 状結腸癌
食道癌
胃癌
胃癌
乳癌
乳癌
移行上皮癌 甲状腺癌
0-6
6-12
12-18
18-24
卵管癌
24-30
30-36
肺癌
肺癌
卵巣癌
急性骨髄性
白血病
36-42
42-48
48-54
>54
368
1
173
321
0
116
157
1
52
72
2
62
(月)
投与期間
評価対象例数
発現件数
総曝露量
(人・年)
52
556
1
254
493
5
235
463
4
220
434
3
207
412
3
198
388
4※
187
※ 1例で3 件の多重癌が報告された。
(甲状腺、食道、大腸)
本剤の投与期間別の発現率は以下のとおりでした。6-12、12-18ヵ月において、発現率は高い傾向でした 2、3)。
投与期間別の日本人における悪性腫瘍の発現率 2、3):第 2 相、第 3 相、長期投与試験*
(/100 人・年)
8
7
1 治療スケジュール
〈投与期間別の悪性腫瘍(NMSC を除く)
の発現率〉
95%信頼区間
発現率
2 投与に際して
6
5
4
3
2
0
0-6
6-12
12-18
18-24
24-30
30-36
36-42
42-48
48-54
>54
368
1
0.58
321
0
0
157
1
1.93
72
2
3.23
(月)
投与期間
評価対象例数
発現例数
発現率
556
1
0.39
493
5
2.13
463
4
1.82
434
3
1.45
412
3
1.52
388
2
1.07
3 投与中の注意
1
*データカットオフ:2014 年 4月
本剤投与中に全身倦怠感、発熱、胸水、胃部不快感等が認められた場合には、関節リウマチの全身症状、
感染症、胃潰瘍等の他、悪性腫瘍も念頭においた鑑別診断を行ってください。腫瘍の発見に先行して胸水が
認められた症例も報告されています。
4 関連資材
〈 投与中の注意〉
5 付録
1)Curtis, JR. et al.:Ann Rheum Dis. 75(5)
:831, 2016
2)社内資料:臨床試験における悪性腫瘍の発生頻度の検討(データカットオフ:2014 年 4月)2015 年 JCR 発表
3)第 59 回日本リウマチ学会総会・学術総会:田中 良哉 他 W15-2, 2015
これらの解析は、ファイザー株式会社のスポンサーシップのもと実施されました。
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
53
6
DI
3 注意すべき副作用とその対策
3.9 B 型肝炎ウイルスの再活性化
B 型肝炎及び C 型肝炎のウイルスキャリアの患者は本剤の臨床試験の対象患者から除外されていました。
そのため、B 型肝炎ウイルスの再活性化に対する本剤の影響は明らかではありませんが、生物学的製剤を
投与されたB 型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs 抗原陰性、かつHBc 抗体又は HBs 抗体
陽性)
において、B 型肝炎ウイルスの再活性化が報告されています。
〈 投与中の注意 〉
B 型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルス
マーカーのモニタリングを行うなど、B 型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意してください。
なお、本剤投与時には、日本リウマチ学会による
「B 型肝炎ウイルス感染リウマチ性疾患患者への免疫抑制療
法に関する提言 1)」及び日本肝臓学会による
「B 型肝炎治療ガイドライン 2)」
を参考にするとともに、肝臓専門
医等に相談のうえ適切な処置を行ってください。
免疫抑制・化学療法により発症するB 型肝炎対策ガイドライン 2)
注 1)
スクリーニング(全例)HBs 抗原
HBs 抗原(+)
注 2)
HBs 抗原(-)
HBc 抗体、HBs 抗体
HBe 抗原、HBe 抗体、
HBV DNA 定量
HBV DNA 定量
2.1 log copies/mL 以上
注 6)
HBc 抗体(-)
かつ
HBs 抗体(-)
HBc 抗体(+)
または
HBs 抗体(+)
注 4)
通常の対応
2.1 log copies/mL 未満
モニタリング
HBV DNA 定量 1 回 /1~3 か月
AST/ALT
1 回 /1~3 か月
(治療内容を考慮して間隔・期間を検討する)
注 6)
核酸アナログ投与
注 5)a. b. c.
注 2), 8), 9), 10)
注 7)
2.1 log copies/mL 以上
54
注 3)
2.1 log copies/mL 未満
注 1)免疫抑制・化学療法前に、HBVキャリアおよび既往感染者をスクリーニングする。まず HBs 抗原を測定して、HBVキャリアかどうか確認する。
HBs 抗原陰性の場合には、HBc 抗体および HBs 抗体を測定して、既往感染者かどうか確認する。HBs 抗原・HBc 抗体および HBs 抗体の測
定は、高感度の測定法を用いて検査することが望ましい。また、HBs 抗体単独陽性(HBs 抗原陰性かつHBc 抗体陰性)例においても、HBV
再活性化は報告されており、ワクチン接種歴が明らかである場合を除き、ガイドラインに従った対応が望ましい。
1 治療スケジュール
補足:血液悪性疾患に対する強力な化学療法中あるいは終了後に、HBs 抗原陽性あるいは HBs 抗原陰性例の一部にHBV 再活性化によりB 型肝炎
が発症し、その中には劇症化する症例があり、注意が必要である。また、血液悪性疾患または固形癌に対する通常の化学療法およびリウマチ
性疾患・膠原病などの自己免疫疾患に対する免疫抑制療法においてもHBV 再活性化のリスクを考慮して対応する必要がある。通常の化学療
法および免疫抑制療法においては、HBV 再活性化、肝炎の発症、劇症化の頻度は明らかでなく、ガイドラインに関するエビデンスは十分では
ない。また、核酸アナログ投与による劇症化予防効果を完全に保証するものではない。
注 2)HBs 抗原陽性例は肝臓専門医にコンサルトすること。全ての症例で核酸アナログ投与にあたっては肝臓専門医にコンサルトするのが望ましい。
注 4)既往感染者の場合は、リアルタイムPCR 法によりHBV DNAをスクリーニングする。
注 5)
a. リツキシマブ・ステロイド、フルダラビンを用いる化学療法および造血幹細胞移植例は、既往感染者からのHBV 再活性化の高リスクであり、注
意が必要である。治療中および治療終了後少なくとも12か月の間、HBV DNAを月1 回モニタリングする。造血幹細胞移植例は、移植後長期
間のモニタリングが必要である。
b. 通常の化学療法および免疫作用を有する分子標的薬を併用する場合においても頻度は少ないながら、HBV 再活性化のリスクがある。HBV
DNA 量のモニタリングは 1 ~ 3か月ごとを目安とし、治療内容を考慮して間隔および期間を検討する。血液悪性疾患においては慎重な対応が
望ましい。
注 6)免疫抑制・化学療法を開始する前、できるだけ早期に投与を開始するのが望ましい。ただし、ウイルス量が多い HBs 抗原陽性例においては、
核酸アナログ予防投与中であっても劇症肝炎による死亡例が報告されており、免疫抑制・化学療法を開始する前にウイルス量を低下させてお
くことが望ましい。
注 7)免疫抑制・化学療法中あるいは治療終了後に、HBV-DNA が 2.1 log copies/mL 以上になった時点で直ちに投与を開始する。免疫抑制・
化学療法中の場合、免疫抑制薬や免疫抑制作用のある抗腫瘍薬は直ちに投与を中止せず、対応を肝臓専門医と相談するのが望ましい。
注 8)核酸アナログはエンテカビルの使用を推奨する。
3 投与中の注意
c. 副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、免疫抑制作用あるいは免疫修飾作用を有する分子標的治療薬による免疫抑制療法においても、HBV 再活
性化のリスクがある。免疫抑制療法では、治療開始後および治療内容の変更後少なくとも6か月間は、月1 回の HBV DNA 量のモニタリング
が望ましい。6か月後以降は、治療内容を考慮して間隔および期間を検討する。
2 投与に際して
注 3)初回化学療法開始時にHBc 抗体、HBs 抗体未測定の再治療例および既に免疫抑制療法が開始されている例では、抗体価が低下している場
合があり、HBV DNA 定量検査などによる精査が望ましい。
注 9)下記の条件を満たす場合には核酸アナログ投与の終了を検討してよい。
スクリーニング時にHBs 抗原陽性例では B 型慢性肝炎における核酸アナログ投与終了基準を満たす場合。
スクリーニング時にHBc 抗体陽性または HBs 抗体陽性例では、
(2)
この継続期間中にALT(GPT)
が正常化していること。
(但しHBV 以外にALT 異常の原因がある場合は除く)
(3)
この継続期間中にHBV DNA が持続陰性化していること。
注 10)核酸アナログ投与終了後少なくとも12か月間は、HBV DNA モニタリングを含めて厳重に経過観察する。経過観察方法は各核酸アナログの
使用上の注意に基づく。経過観察中にHBV DNA が 2.1 log copies/mL 以上になった時点で直ちに投与を再開する。
4 関連資材
(1)免疫抑制・化学療法終了後、少なくとも12か月間は投与を継続すること。
1)
日本リウマチ学会 B 型肝炎ウイルス感染リウマチ性疾患患者への免疫抑制療法に関する提言
https://www.ryumachi-jp.com/info/news110906_new.pdf
2)
日本肝臓学会 B 型肝炎治療ガイドライン
(第 2.1 版)
https://www.jsh.or.jp/files/uploads/HBV_GL_ver2.1_May11.pdf
5 付録
6
DI
55
4 関連資材のご案内
4.1 関連資材
■ 患者用資材
患者用資材として以下の資材をご用意しています。
服薬指導冊子
(B5 版)
ゼルヤンツ手帳
(A6 版)
ゼルヤンツ服用時の副作用
や服用時の注意点、治療の
進 め 方、服 用 方 法 などに
ついてわかりやすく解説して
います。
ゼルヤンツ服用時の体調管
理を記録できる手帳です。
副作用の徴候や発現の早期
発見にお役立てください。
受診時や調剤を受ける際に、この手帳をお持ちください。
服薬指導箋(A5 版)
患者指導箋(A4 版)
ゼルヤンツを服用中に注意
事項をリマインドしていただく
ためのリーフレットです。
相互作用の説明や、体調変
化のポイントをコンパクトに
まとめています。服薬指導時
にご利用ください。
ゼルヤンツ服用中の患者さ
んとそのご家族に注意して
いただきたい内容を服薬指
導時にリマインドしていただ
く事項としてまとめました。
インフォームドコンセント用下敷き、冊子
(インフォームドコンセント用下敷き:A4 版)
(患者さん用リーフレット:B5 版)
ゼルヤンツによる関節リウマ
チ治療の内容をご説明いた
だく際のサポートツールです。
ゼルヤンツの服用を考慮さ
れる患 者さんへの 説 明 に
お役立てください。
ゼルヤンツの服用を始める患者さんへ
監修:天野 宏一 先生(埼玉医科大学総合医療センター リウマチ・膠原病内科 教授)
「過剰なサイトカインのシグナル伝達」を抑えるお薬には、
「ゼルヤンツ」や「生物学的製剤」があります。
ゼルヤンツ(飲み薬)
● 1 日 2 回の飲み薬
(錠剤)
● 関 節リウマチの 炎 症に 係わる複 数 の
「炎症性サイトカイン」の働きを抑え、関
節の炎症を抑えます。
生物学的製剤(注射剤)
● 自己注射、または点滴
● 特定の
「炎症性サイトカイン」の働きを
抑え、関節の炎症を抑えます。
ゼルヤンツは関節リウマチの炎症を引き起こす、
「過剰なサイトカインのシグナル伝達」を抑える「飲み薬」
タイプのお薬です。
通常、1回 1錠、1日 2 回で毎日服用します。
患者さんの状態によって、飲む回数を減らすこともありますので、 錠剤
(実物大)
必ず医師の指示にしたがってください。
56
患者さん用 webサイト
ゼルヤンツを服用されている患者さん向けに、
ゼルヤンツに関する様々な情報をご紹介しています。
URL:http://www.xeljanz.jp/riumachi/
特定使用成績調査(全例調査)
における安全性情報等は、適正使用情報及び下記 webサイトをご参照く
ださい。
なお、適正使用情報は、下記 webサイトでご覧いただけます。
1 治療スケジュール
■ 特定使用成績調査(全例調査)
の最新状況
ゼルヤンツ. jp URL:http://www.xeljanz.jp/medical/report/01.html
2 投与に際して
PfizerPRO ゼルヤンツ製品サイトURL:http://pfizerpro.jp/cs/sv/xeljanz/report/index.html
3 投与中の注意
4 関連資材
5 付録
6
DI
57
5 付録
5.1 安全性
承認時までに国内外で実施された第 3 相試験の試験開始から3ヵ月までに本剤が投与された総症例 2430 例
(日本人
94 例を含む)
中 765 例(31.5%)
において副作用が認められた。主な副作用は、頭痛 61 例(2.5%)、上気道感染 51
例(2.1%)
、下痢 44 例(1.8%)、悪心 36 例(1.5%)等であった。日本人患者では94 例中 51 例(54.3%)
に副作用が
認められ、主な副作用は、鼻咽頭炎 10 例
(10.6%)
、発熱 4 例(4.3%)
、帯状疱疹 4 例(4.3%)等であった。
また、承認時に国内外で実施中の長期投与試験において、本剤が投与された総症例 3227 例中 1365 例(42.3%)
に
おいて副作用が認められた。主な副作用は、鼻咽頭炎 215 例(6.7%)
、上気道感染 129 例(4.0%)、帯状疱疹 112
例(3.5%)
、気管支炎 84 例(2.6%)等であった。国内で実施中の長期投与試験では、本剤が投与された総症例 427
例中 375 例(87.8%)において副作用が認められた。主な副作用は、鼻咽頭炎 182 例(42.6%)
、帯状疱疹 51 例
(11.9%)
、高脂血症 35 例(8.2%)、高血圧 30 例(7.0%)等であった。
(承認時)
なお、重大な副作用として感染症、消化管穿孔(0.1%)
、好中球減少(0.4%)
、リンパ球減少(0.2%)、ヘモグロビン
減少
(0.3%)
、肝機能障害、黄疸、間質性肺炎(0.1%)
が報告されている。
■ 副作用発現状況一覧表
● 国内外第 3 相試験 5 試験(試験開始から3 ヵ月まで)
においてみられた副作用
第 3 相試験
評価対象例数
副作用発現例数(%)
副作用により中止した例数(%)
第 3 相試験
副作用の種類
血液及びリンパ系障害
貧血
鉄欠乏性貧血
汎血球減少症
血小板減少症
リンパ節痛
リンパ節症
好酸球増加症
白血球減少症
リンパ球減少症
好中球減少症
心臓障害
右脚ブロック
洞性頻脈
頻脈
動悸
心筋梗塞
うっ血性心不全
耳及び迷路障害
耳不快感
耳痛
乗物酔い
回転性めまい
頭位性回転性めまい
眼障害
眼球乾燥
眼乾燥
眼部腫脹
流涙増加
結膜炎
角膜炎
潰瘍性角膜炎
5mg1日2 回
20( 1.6)
10( 0.8)
0
0
0
0
4( 0.3)
1( 0.1)
3( 0.2)
0
2( 0.2)
4( 0.3)
0
0
2( 0.2)
2( 0.2)
0
0
3( 0.2)
0
0
0
3( 0.2)
0
9( 0.7)
1( 0.1)
2( 0.2)
1( 0.1)
0
2(
1(
0
0.2)
0.1)
発現例数(%)
10mg1日2 回
20( 1.6)
5
( 0.4)
1
( 0.1)
1
( 0.1)
1
( 0.1)
1
( 0.1)
0
0
10
( 0.8)
1
( 0.1)
4
( 0.3)
4( 0.3)
1
( 0.1)
1
( 0.1)
10mg1日2 回
1216 例
1214 例
総症例
2430 例
372(30.6)
393(32.4)
765(31.5)
41( 3.4)
35( 2.9)
76( 3.1)
計
第 3 相試験
副作用の種類
5mg1日2 回
発現例数(%)
10mg1日2 回
40
( 1.6)
15
( 0.6)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
4
( 0.2)
1
( <0.1)
13
( 0.5)
瞳孔不同
霧視
視力低下
視力障害
胃腸障害
裂肛
齲歯
歯肉出血
歯肉痛
0
1
( 0.1)
1
( 0.1)
1
( 0.1)
8( 0.7)
1
( 0.1)
3
( 0.2)
1
( <0.1)
6
( 0.2)
8
( 0.3)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2
( 0.1)
3
( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
11
( 0.5)
1
( <0.1)
3
( 0.1)
歯肉炎
歯周炎
歯痛
胃障害
胃酸過多
胃炎
逆流性胃炎
逆流性食道炎
便秘
下痢
排便回数増加
胃食道逆流性疾患
1
(
1
(
2
(
0
2
(
7
(
1
(
1
(
11
(
29
(
1
(
1
(
0.2)
0.6)
0.1)
0.1)
0.9)
2.4)
0.1)
0.1)
1
( 0.1)
4
( 0.3)
1
( 0.1)
6( 0.5)
1
( 0.1)
1
( <0.1)
7
( 0.3)
1
( <0.1)
15
( 0.6)
2
( 0.1)
腹部不快感
腹部膨満
腹痛
下腹部痛
上腹部痛
7
(
3
(
6
(
1
(
17
(
0.6)
0.2)
0.5)
0.1)
1.4)
4
(
5
(
5
(
0
8
(
0.3)
0.4)
0.4)
腹部圧痛
消化不良
心窩部不快感
鼓腸
消化器痛
悪心
1
(
15
(
1
(
7
(
1
(
21
(
0.1)
1.2)
0.1)
0.6)
0.1)
1.7)
1
(
18
(
0
2
(
0
15
(
0.1)
1.5)
0
1
(
1
(
0
0
1
(
副作用名はMedDRA v13.1の基本語(PT)
で記載
58
5mg1日2 回
0.1)
0.1)
0.1)
2
( 0.1)
2
( 0.1)
1
( <0.1)
2
( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
計
1
( 0.1)
0
1
( <0.1)
0
1
( 0.1)
1
( <0.1)
1
( 0.1)
0
1
( <0.1)
0
1
( 0.1)
1
( <0.1)
131
( 10.8) 108
( 8.9) 239
( 9.8)
0
1
( 0.1)
1
( <0.1)
1
( 0.1)
0
1
( <0.1)
0
2
( 0.2)
2
( 0.1)
0
1
( 0.1)
1
( <0.1)
0.1)
0.1)
0.2)
2
( 0.2)
0
1
( 0.1)
1
( 0.1)
1
( 0.1)
7
( 0.6)
0
0
12
( 1.0)
15( 1.2)
0
2
( 0.2)
0.7)
0.2)
1.2)
3
( 0.1)
1
( <0.1)
3
( 0.1)
1
( <0.1)
3
( 0.1)
14
( 0.6)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
23
( 0.9)
44
( 1.8)
1
( <0.1)
3
( 0.1)
11
( 0.5)
8
( 0.3)
11
( 0.5)
1
( <0.1)
25
( 1.0)
2
( 0.1)
33
( 1.4)
1
( <0.1)
9
( 0.4)
1
( <0.1)
36
( 1.5)
5mg1日2 回
発現例数(%)
10mg1日2 回
1(
0.1)
0
嘔吐
8(
0.7)
3
(
0.2)
1
( <0.1)
憩室穿孔
胃潰瘍
0
4(
1
(
0
0.1)
0.3)
腸潰瘍
1(
0.1)
痔出血
1(
0.1)
痔核
0
アフタ性口内炎
0
口唇炎
1(
口唇水疱
口腔内潰瘍形成
5mg1日2 回
発現例数(%)
10mg1日2 回
計
癜風
1( 0.1)
2( 0.2)
3( 0.1)
外陰腟真菌感染
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
4
( 0.2)
急性扁桃炎
気管支炎
0
7( 0.6)
1( 0.1)
5( 0.4)
1
( <0.1)
12
( 0.5)
0
1
( <0.1)
気管支肺炎
1( 0.1)
2( 0.2)
3( 0.1)
0
1
( <0.1)
子宮頚管炎
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.1)
11
(
0.5)
1
(
0.1)
1
( <0.1)
膀胱炎
4( 0.3)
5( 0.4)
9( 0.4)
2
(
0.2)
2
(
0.1)
糖尿病性足感染
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
0.1)
2
(
0.2)
3
(
0.1)
耳感染
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
0
5(
0.4)
1
(
1
(
0.1)
0.1)
1
( <0.1)
6
( 0.2)
子宮内膜炎
眼感染
1( 0.1)
0
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
口腔内不快感
1(
0.1)
0
口内炎
口内乾燥
流涎過多
舌炎
舌痛
舌障害
舌浮腫
舌潰瘍
2(
3(
0
0
0
1(
1(
1(
0.2)
0.2)
5
(
2
(
2
(
1
(
2
(
0
0
0
3( 0.2)
9( 0.4)
24( 2.0)
18( 1.5)
42( 1.7)
1( 0.1)
7( 0.6)
2( 0.2)
1( 0.1)
2( 0.2)
4( 0.3)
0
0
0
7( 0.6)
0
0
4( 0.3)
2( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
3( 0.2)
0
5
( 0.4)
0
2
( 0.2)
0
3
( 0.2)
1
( 0.1)
1
( 0.1)
1
( 0.1)
3
( 0.2)
1
( 0.1)
1
( 0.1)
3( 0.2)
2
( 0.2)
1( 0.1)
0
0
1
( <0.1)
12
( 0.5)
2
( 0.1)
3
( 0.1)
2
( 0.1)
7
( 0.3)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
10
( 0.4)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
7( 0.3)
4
( 0.2)
2( 0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
0
0
0
0
0
0
4( 0.3)
1( 0.1)
18
( 1.5)
1( 0.1)
2( 0.2)
1( 0.1)
3( 0.2)
0
0
1( 0.1)
1( 0.1)
0
0
0
2( 0.2)
2( 0.2)
0
6( 0.5)
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
1
( 0.1)
4( 0.3)
0
17
( 1.4)
0
2( 0.2)
0
6( 0.5)
1( 0.1)
1( 0.1)
0
0
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
5( 0.4)
4( 0.3)
1( 0.1)
3( 0.2)
1( 0.1)
0
0
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
8( 0.3)
1
( <0.1)
35
( 1.4)
1
( <0.1)
4( 0.2)
1
( <0.1)
9( 0.4)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
7( 0.3)
6( 0.2)
1
( <0.1)
9( 0.4)
2( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
歯感染
気管気管支炎
上気道感染
尿道炎
尿路感染
2( 0.2)
1( 0.1)
26
( 2.1)
0
8( 0.7)
0
2( 0.2)
25
( 2.1)
1( 0.1)
9( 0.7)
2( 0.1)
3( 0.1)
51
( 2.1)
1
( <0.1)
17
( 0.7)
細菌性気管支炎
蜂巣炎
毛包炎
レンサ球菌性咽頭炎
ブドウ球菌皮膚感染
細菌性扁桃炎
ダニ皮膚炎
体部白癬
カンジダ症
皮膚真菌感染
口腔カンジダ症
ニューモシスティスジロ
ヴェシ肺炎
0
2( 0.2)
2( 0.2)
0
1( 0.1)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
3( 0.2)
3( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.2)
1( 0.1)
0
1( 0.1)
0
1( 0.1)
2( 0.2)
2( 0.2)
1
( 0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
4( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
3( 0.1)
5( 0.2)
4( 0.2)
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
皮膚カンジダ
股部白癬
白癬感染
足部白癬
0
0
2( 0.2)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
2( 0.1)
0
0
1( 0.1)
0
0
1( 0.1)
0
2( 0.2)
1( 0.1)
3( 0.2)
1( 0.1)
2( 0.2)
2( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
0
1( 0.1)
3( 0.2)
1( 0.1)
13
( 1.1)
0
5( 0.4)
3( 0.2)
0
0
0
0
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
5( 0.2)
2( 0.1)
16
( 0.7)
1
( <0.1)
7( 0.3)
5( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
一般・全身障害及び
投与部位の状態
注射部位血腫
発熱
無力症
胸痛
顔面浮腫
疲労
インフルエンザ様疾患
易刺激性
浮腫
末梢性浮腫
疼痛
口渇
肝胆道系障害
肝機能異常
肝炎
肝毒性
免疫系障害
薬物過敏症
食物アレルギー
季節性アレルギー
感染症及び寄生虫症
細菌性関節炎
0.1)
0.1)
0.1)
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
122
( 10.0) 139
( 11.4) 261
( 10.7)
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
腟感染
外陰部腟炎
マイコプラズマ性肺炎
肛門性器疣贅
サイトメガロウイルス血症
ウイルス性胃腸炎
陰部ヘルペス
単純ヘルペス
ヘルペスウイルス感染
帯状疱疹
播種性帯状疱疹
インフルエンザ
口腔ヘルペス
ウイルス性肺炎
水痘
ウイルス感染
ウイルス性扁桃炎
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
59
5 付録
6( 0.5)
歯肉感染
麦粒腫
切開部位感染
迷路炎
肝膿瘍
限局性感染
下気道感染
肺感染
鼻咽頭炎
骨髄炎
爪囲炎
耳下腺炎
咽頭炎
咽頭扁桃炎
肺炎
術後創感染
歯髄炎
腎盂膀胱炎
腎盂腎炎
膿疱性皮疹
気道感染
鼻炎
唾液腺炎
副鼻腔炎
皮膚感染
扁桃炎
歯膿瘍
4 関連資材
胃腸炎
7
( 0.3)
5
( 0.2)
2
( 0.1)
1
( <0.1)
2
( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3 投与中の注意
1
( <0.1)
0.4)
0.2)
0.2)
0.1)
0.2)
2 投与に際して
吐き戻し
第 3 相試験
副作用の種類
計
1 治療スケジュール
第 3 相試験
副作用の種類
6
DI
5 付録
第 3 相試験
副作用の種類
ウイルス性上気道感染
傷害、中毒及び
処置合併症
手首関節骨折
転倒
誤用量投与
臨床検査
拡張期血圧上昇
血圧上昇
収縮期血圧上昇
心音異常
血中アルカリ
ホスファターゼ減少
5mg1日2 回
3( 0.2)
発現例数(%)
10mg1日2 回
0
計
3( 0.1)
計
高コレステロール血症
9( 0.7)
12
( 1.0)
21
( 0.9)
高脂血症
2( 0.2)
4( 0.3)
6
( 0.2)
高トリグリセリド血症
3( 0.2)
4( 0.3)
7
( 0.3)
15
( 1.2)
11( 0.9)
26
( 1.1)
5( 0.2)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.2)
1
( <0.1)
3( 0.1)
筋骨格系及び
結合組織障害
2( 0.2)
2( 0.1)
骨膜炎
1( 0.1)
0
72( 5.9) 127
( 5.2)
関節痛
2( 0.2)
1( 0.1)
3
( 0.1)
0
55
( 4.5)
1
( <0.1)
1( 0.1)
1
( <0.1)
関節炎
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
3( 0.2)
0
0
1( 0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
関節リウマチ
6( 0.5)
0
1( 0.1)
3( 0.2)
7
( 0.3)
3
( 0.1)
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
0
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
1( 0.1)
2( 0.1)
血中クレアチン
ホスホキナーゼ増加
6( 0.5)
20
( 1.6)
26
( 1.1)
ヘマトクリット減少
ヘモグロビン減少
INR増加
リンパ球数減少
リンパ球数増加
好中球数減少
血小板数減少
血小板数増加
プロトロンビン時間延長
赤血球数減少
白血球数減少
0
1( 0.1)
2( 0.2)
2( 0.2)
1( 0.1)
3( 0.2)
3( 0.2)
0
1( 0.1)
3( 0.2)
3( 0.2)
2( 0.2)
2( 0.2)
0
2( 0.2)
0
2( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
0
3( 0.2)
5( 0.4)
2( 0.1)
3( 0.1)
2( 0.1)
4( 0.2)
1
( <0.1)
5( 0.2)
4( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
6( 0.2)
8( 0.3)
アラニン・アミノトランス
フェラーゼ増加
11
( 0.9)
12
( 1.0)
23
( 0.9)
アスパラギン酸アミノ
トランスフェラーゼ増加
10
( 0.8)
7( 0.6)
17
( 0.7)
血中ビリルビン増加
γ-グルタミルトランス フェラーゼ増加
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.2)
2( 0.2)
4( 0.2)
肝酵素上昇
肝機能検査異常
トランスアミナーゼ上昇
アポリポ蛋白A-I増加
4( 0.3)
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.2)
2( 0.2)
0
6( 0.2)
3( 0.1)
1
( <0.1)
0
1( 0.1)
4( 0.3)
0
2( 0.2)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
0
6( 0.5)
1( 0.1)
2( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
10
( 0.4)
1
( <0.1)
4( 0.2)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
0
0
9( 0.7)
2( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
21
( 1.7)
3( 0.2)
1( 0.1)
0
1( 0.1)
3( 0.2)
0
5( 0.4)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
11
( 0.9)
2( 0.2)
0
0
0
1( 0.1)
23( 1.9)
0
0
1( 0.1)
0
3( 0.2)
1
( <0.1)
6( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
20
( 0.8)
4( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
44( 1.8)
3( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
6( 0.2)
副作用名はMedDRA v13.1の基本語(PT)
で記載
60
発現例数(%)
10mg1日2 回
4( 0.3)
1( 0.1)
脂質増加
低比重リポ蛋白減少
低比重リポ蛋白増加
血中ブドウ糖増加
体温上昇
体重減少
体重増加
血中クレアチニン増加
血中尿素増加
尿中蛋白陽性
尿中白血球陽性
血中カルシウム増加
代謝及び栄養障害
食欲減退
食欲亢進
脱水
高血糖
脂質異常症
5mg1日2 回
1( 0.1)
血中アルカリ
ホスファターゼ増加
アポリポ蛋白B増加
血中コレステロール増加
血中トリグリセリド増加
高比重リポ蛋白増加
脂質異常
第 3 相試験
副作用の種類
筋痙縮
筋肉痛
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
椎間板突出
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
背部痛
筋骨格系胸痛
筋骨格痛
頚部痛
四肢痛
3( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.2)
0
0
1
( <0.1)
1
( <0.1)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.2)
3( 0.2)
5
( 0.2)
良性、悪性及び詳細不明の
新生物(嚢胞及び
ポリープを含む)
乳癌
皮膚乳頭腫
扁平上皮癌
転移性腎細胞癌
基底細胞癌
神経系障害
頭痛
片頭痛
緊張性頭痛
記憶障害
頭部動揺
振戦
灼熱感
浮動性めまい
味覚異常
感覚鈍麻
意識消失
錯感覚
傾眠
末梢性ニューロパチー
過眠症
坐骨神経痛
精神障害
激越
不安
抑うつ気分
うつ病
食物嫌悪
不眠症
悪夢
睡眠障害
腎及び尿路障害
排尿困難
血尿
排尿異常
頻尿
蛋白尿
膿尿
尿失禁
生殖系及び乳房障害
乳房不快感
乳房うっ滞
5
( 0.2)
0
0
0
1( 0.1)
1( 0.1)
58
( 4.8)
36
( 3.0)
3( 0.2)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
0
10
( 0.8)
2( 0.2)
0
0
5( 0.4)
1( 0.1)
1
( <0.1)
1( 0.1)
1
( <0.1)
1( 0.1)
1
( <0.1)
0
1
( <0.1)
0
1
( <0.1)
46( 3.8) 104
( 4.3)
25
( 2.1) 61
( 2.5)
2( 0.2)
5
( 0.2)
1( 0.1)
1
( <0.1)
0
1
( <0.1)
0
1
( <0.1)
0
1
( <0.1)
1( 0.1)
1
( <0.1)
7( 0.6) 17
( 0.7)
0
2
( 0.1)
2( 0.2)
2
( 0.1)
1( 0.1)
1
( <0.1)
1( 0.1)
6
( 0.2)
3( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
16
( 1.3)
0
3( 0.2)
6( 0.5)
0
1( 0.1)
2( 0.2)
10( 0.8)
1( 0.1)
3( 0.2)
9
( 0.4)
1
( <0.1)
2
( 0.1)
3
( 0.1)
26
( 1.1)
1
( <0.1)
6
( 0.2)
1( 0.1)
4( 0.3)
1( 0.1)
7( 0.6)
1( 0.1)
1( 0.1)
4( 0.3)
1( 0.1)
1( 0.1)
0
1( 0.1)
0
0
1( 0.1)
7( 0.6)
1( 0.1)
1( 0.1)
0
2( 0.2)
0
2( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
5( 0.4)
2( 0.2)
0
1( 0.1)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
0
7( 0.6)
0
0
1
( <0.1)
6
( 0.2)
1
( <0.1)
9
( 0.4)
2
( 0.1)
2
( 0.1)
9
( 0.4)
3
( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1( <0.1)
14
( 0.6)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
5mg1日2 回
発現例数(%)
10mg1日2 回
第 3 相試験
副作用の種類
計
5mg1日2 回
発現例数(%)
10mg1日2 回
計
乳汁漏出症
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
湿疹
0
2( 0.2)
2( 0.1)
子宮頚管ポリープ
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
手掌紅斑
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
前立腺炎
無月経
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
1( 0.1)
1
( <0.1)
月経困難症
2( 0.2)
1( 0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
光線過敏性反応
多形日光疹
0
1( 0.1)
0
痒疹
0
1( 0.1)
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
1
( <0.1)
月経過多
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
そう痒症
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.1)
不規則月経
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
全身性そう痒症
1( 0.1)
0
1
( <0.1)
子宮出血
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
発疹
3( 0.2)
8( 0.7)
11
( 0.5)
腟分泌物
2( 0.2)
1( 0.1)
0
0
2( 0.1)
1
( <0.1)
全身性皮疹
1( 0.1)
0
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
腟障害
35( 1.4)
1( 0.1)
3( 0.2)
1( 0.1)
0
2( 0.2)
0
1
( <0.1)
5( 0.2)
1
( <0.1)
1( 0.1)
3( 0.2)
0
1( 0.1)
0
2( 0.2)
3( 0.2)
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.2)
1( 0.1)
0
0
1( 0.1)
25
( 2.1)
0
3( 0.2)
0
0
0
0
0
4( 0.3)
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.2)
2( 0.2)
0
0
0
2( 0.2)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
0
40( 3.3)
2( 0.2)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
1
( <0.1)
7( 0.3)
1
( <0.1)
2( 0.1)
2( 0.1)
4( 0.2)
3( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
4( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
65( 2.7)
2( 0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.1)
ひび・あかぎれ
0
1( 0.1)
1
( <0.1)
皮膚亀裂
皮膚病変
皮膚腫脹
顔面腫脹
色素沈着障害
皮膚潰瘍
ざ瘡
脱毛症
ざ瘡様皮膚炎
多汗症
爪の障害
寝汗
点状出血
外科及び内科処置
切開排膿
血管障害
大動脈狭窄
血栓性静脈炎
潮紅
ほてり
蒼白
血腫
高血圧
1( 0.1)
2( 0.2)
0
0
5( 0.4)
1( 0.1)
1
( <0.1)
7( 0.3)
1
( <0.1)
0
1( 0.1)
0
3( 0.2)
4( 0.3)
0
1( 0.1)
0
1( 0.1)
0
1( 0.1)
1( 0.1)
11( 0.9)
0
0
0
2( 0.2)
0
0
9( 0.7)
1( 0.1)
0
1( 0.1)
3( 0.2)
5( 0.4)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
0
1( 0.1)
0
0
19
( 1.6)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
1( 0.1)
2( 0.2)
12
( 1.0)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
6( 0.2)
9( 0.4)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
(<0.1)
1
( <0.1)
30( 1.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
21
( 0.9)
副作用名はMedDRA v13.1の基本語(PT)
で記載
● 国内外長期投与試験 2 試験においてみられた副作用
長期投与試験
計
評価対象例数
3227 例
副作用発現例数(%)
1365(42.3)
血液及びリンパ系障害
貧血
二血球減少症
低色素性貧血
鉄欠乏性貧血
汎血球減少症
播種性血管内凝固
血栓性血小板減少性
紫斑病
発現例数(%)
計
96( 3.0)
34
( 1.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
13
( 0.4)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
長期投与試験
副作用の種類
赤血球減少症
リンパ節痛
リンパ節炎
リンパ節症
白血球増加症
白血球減少症
リンパ球減少症
好中球減少症
心臓障害
発現例数(%)
計
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
8( 0.2)
1
( <0.1)
22
( 0.7)
8( 0.2)
13
( 0.4)
36( 1.1)
長期投与試験
副作用の種類
発現例数(%)
計
不整脈
心房細動
2( 0.1)
2( 0.1)
心房粗動
心房頻脈
第一度房室ブロック
徐脈
左脚ブロック
伝導障害
洞性不整脈
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
副作用名はMedDRA v13.1の基本語(PT)
で記載 データカットオフ時点
(2011 年 3月29日)
まで
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
61
5 付録
138( 4.3)
副作用により中止した例数(%)
長期投与試験
副作用の種類
4 関連資材
15( 1.2)
3 投与中の注意
急性呼吸窮迫症候群
咳嗽
咽喉乾燥
発声障害
呼吸困難
労作性呼吸困難
口腔咽頭痛
湿性咳嗽
呼吸障害
鼻漏
上気道うっ血
上気道の炎症
鼻出血
鼻閉
鼻乾燥
アレルギー性鼻炎
副鼻腔うっ血
皮膚及び皮下組織障害
蕁麻疹
皮膚嚢腫
水疱
皮膚炎
アレルギー性皮膚炎
接触性皮膚炎
20
( 1.6)
2 投与に際して
呼吸器、胸郭及び
縦隔障害
丘疹性皮疹
そう痒性皮疹
1 治療スケジュール
第 3 相試験
副作用の種類
6
DI
5 付録
長期投与試験
副作用の種類
発現例数(%)
計
長期投与試験
副作用の種類
発現例数(%)
計
長期投与試験
副作用の種類
発現例数
(%)
計
洞性徐脈
1
( <0.1)
眼筋麻痺
1
( <0.1)
痔核
上室性期外収縮
1
( <0.1)
眼精疲労
1
( <0.1)
アフタ性口内炎
2( 0.1)
頻脈
発作性頻脈
1
( <0.1)
1
( <0.1)
網膜血管障害
夜盲
1
( <0.1)
1
( <0.1)
口唇炎
歯肉腫脹
4( 0.1)
1
( <0.1)
心室性期外収縮
2( 0.1)
霧視
2( 0.1)
口腔内潰瘍形成
5( 0.2)
心室細動
1
( <0.1)
視力低下
2( 0.1)
嚥下痛
1
( <0.1)
心室性頻脈
1
( <0.1)
304( 9.4)
11
( 0.3)
5( 0.2)
胃腸障害
口内炎
動悸
狭心症
3
( 0.1)
心筋梗塞
心筋虚血
裂孔ヘルニア
4( 0.1)
2( 0.1)
腹水
1
( <0.1)
結腸ポリープ
1
( <0.1)
口内乾燥
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
十二指腸ポリープ
胃ポリープ
1
( <0.1)
3( 0.1)
耳下腺腫大
流涎過多
2( 0.1)
1
( <0.1)
プリンツメタル狭心症
1
( <0.1)
齲歯
17
( 0.5)
舌炎
3( 0.1)
心不全
慢性心不全
うっ血性心不全
心筋症
心嚢液貯留
心膜炎
2( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
一般・全身障害及び
投与部位の状態
86
( 2.7)
先天性、家族性及び
遺伝性障害
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
8( 0.2)
2( 0.1)
13
( 0.4)
1
( <0.1)
6( 0.2)
1
( <0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
4( 0.1)
7( 0.2)
19
( 0.6)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
20
( 0.6)
46
( 1.4)
発熱
胸部不快感
胸痛
悪寒
疲労
熱感
重力性浮腫
インフルエンザ様疾患
易刺激性
倦怠感
浮腫
末梢性浮腫
疼痛
異物感
恥骨上痛
口渇
薬効欠如
異形成
腫瘤
小結節
肝胆道系障害
胆道ジスキネジー
胆嚢炎
慢性胆嚢炎
胆石症
29
( 0.9)
2( 0.1)
8( 0.2)
3( 0.1)
11
( 0.3)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
6( 0.2)
3( 0.1)
15
( 0.5)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
19
( 0.6)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
4( 0.1)
4( 0.1)
無歯症
混合型高脂血症
耳及び迷路障害
耳不快感
耳の障害
耳痛
感音性難聴
聴力低下
メニエール病
耳鳴
回転性めまい
頭位性回転性めまい
前庭障害
中耳滲出液
内分泌障害
甲状腺腫
甲状腺機能亢進症
慢性甲状腺炎
眼障害
1
( <0.1)
1
( <0.1)
36
( 1.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
4( 0.1)
8( 0.2)
16
( 0.5)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
5( 0.2)
3( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
59
( 1.8)
歯肉障害
歯肉増殖
歯肉炎
歯周病
歯周炎
歯の障害
歯痛
膵炎
慢性膵炎
胃障害
胃腸障害
胃酸過多
血便排泄
メレナ
直腸出血
虚血性大腸炎
小腸炎
腸炎
胃炎
萎縮性胃炎
出血性胃炎
胃十二指腸炎
食道炎
肛門周囲炎
逆流性食道炎
便秘
下痢
排便回数増加
胃食道逆流性疾患
排便回数減少
過敏性腸症候群
腹部不快感
1
( <0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
18
( 0.6)
肝臓うっ血
肝機能異常
脂肪肝
肝炎
急性肝炎
乾燥症候群
緑内障
結膜出血
眼瞼炎
霰粒腫
結膜炎
アレルギー性結膜炎
上強膜炎
眼脂
眼刺激
眼そう痒症
眼瞼浮腫
角膜炎
黄斑浮腫
瞼板腺炎
眼充血
網膜炎
1
( <0.1)
2( 0.1)
4( 0.1)
3( 0.1)
2( 0.1)
15
( 0.5)
1
( <0.1)
2( 0.1)
2( 0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
腹部膨満
腹痛
下腹部痛
上腹部痛
腹部圧痛
消化不良
鼓腸
悪心
嘔吐
イレウス
憩室穿孔
十二指腸潰瘍
びらん性十二指腸炎
胃潰瘍
びらん性胃炎
出血性びらん性胃炎
痔出血
2( 0.1)
20
( 0.6)
3( 0.1)
30
( 0.9)
3( 0.1)
30
( 0.9)
1
( <0.1)
38
( 1.2)
19
( 0.6)
2( 0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
7( 0.2)
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
胆汁うっ滞性肝炎
中毒性肝炎
肝毒性
黄疸
肝障害
免疫系障害
アレルギー性浮腫
過敏症
季節性アレルギー
感染症及び寄生虫症
細菌感染
細菌尿
蜂巣炎
細菌性結膜炎
大腸菌性膀胱炎
丹毒
大腸菌性尿路感染
白内障
眼乾燥
眼の障害
乾性角結膜炎
流涙増加
6( 0.2)
7( 0.2)
1
( <0.1)
3( 0.1)
2( 0.1)
副作用名はMedDRA v13.1の基本語(PT)
で記載 データカットオフ時点
(2011 年 3月29日)
まで
62
1
( <0.1)
1
( <0.1)
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
794( 24.6)
1
( <0.1)
2( 0.1)
8( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
発現例数(%)
計
長期投与試験
副作用の種類
発現例数(%)
計
発現例数(%)
計
4( 0.1)
胃腸炎
中枢神経系結核
1
( <0.1)
ヘモフィルス感染
1
( <0.1)
消化管感染
1
( <0.1)
マイコプラズマ性肺炎
1
( <0.1)
ヘリコバクター性胃炎
ヘリコバクター感染
1
( <0.1)
2( 0.1)
歯肉膿瘍
歯肉感染
2( 0.1)
1
( <0.1)
サイトメガロウイルス感染
ウイルス性腸炎
1
( <0.1)
3( 0.1)
眼窩周囲蜂巣炎
1
( <0.1)
血腫感染
1
( <0.1)
百日咳
1
( <0.1)
麦粒腫
7( 0.2)
エプスタイン・
バーウイルス感染
1
( <0.1)
細菌性咽頭炎
1
( <0.1)
膿痂疹
2( 0.1)
ロタウイルス胃腸炎
1
( <0.1)
細菌性肺炎
2( 0.1)
感染性表皮嚢胞
2( 0.1)
ウイルス性胃腸炎
5( 0.2)
ヘモフィルス性肺炎
1
( <0.1)
感染性皮膚潰瘍
1
( <0.1)
ウイルス性消化管感染 1
( <0.1)
レジオネラ菌性肺炎
肺炎球菌性肺炎
1
( <0.1)
2( 0.1)
感染性脊椎炎
関節膿瘍
1
( <0.1)
1
( <0.1)
陰部ヘルペス
ヘルペス性皮膚炎
2( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
迷路炎
1
( <0.1)
単純ヘルペス
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
8( 0.2)
1
( <0.1)
3( 0.1)
17
( 0.5)
3( 0.1)
ニューモシスティスジロ
ヴェシ肺炎
1
( <0.1)
アスペルギルス性
副鼻腔炎
1
( <0.1)
腹部膿瘍
膿瘍
四肢膿瘍
急性副鼻腔炎
急性扁桃炎
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
9( 0.3)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
84
( 2.6)
4( 0.1)
1
( <0.1)
4( 0.1)
39
( 1.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
5( 0.2)
2( 0.1)
1
( <0.1)
5( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
副鼻腔炎
皮膚感染
皮下組織膿瘍
扁桃炎
歯膿瘍
歯感染
気管炎
気管気管支炎
上気道感染
尿路感染
尿路性敗血症
腟感染
外陰部膿瘍
外陰部炎
外陰部腟炎
創部膿瘍
創傷感染
骨結核
播種性結核
マイコバクテリウム・アビ
ウムコンプレックス感染
結核
40
( 1.2)
3( 0.1)
7( 0.2)
6( 0.2)
5( 0.2)
6( 0.2)
2( 0.1)
8( 0.2)
129
( 4.0)
77
( 2.4)
1
( <0.1)
5( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
6( 0.2)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
ヘルペスウイルス感染
帯状疱疹
眼帯状疱疹
インフルエンザ
伝染性軟属腫
口腔ヘルペス
ウイルス感染
ウイルス性咽頭炎
ウイルス性上気道感染
傷害、中毒及び
処置合併症
足骨折
半月板障害
肋骨骨折
脊椎圧迫骨折
手首関節骨折
挫傷
転倒
交通事故
皮膚裂傷
腱断裂
歯牙破折
創部分泌
誤用量投与
投薬過誤
過量投与
臨床検査
拡張期血圧上昇
血圧上昇
心電図QT間隔異常
心電図QT延長
心電図ST-T変化
心電図T波逆転
心電図異常
心拍数増加
心拍数不整
左室拡張終期圧上昇
19
( 0.6)
4( 0.1)
112
( 3.5)
1
( <0.1)
41
( 1.3)
1
( <0.1)
25
( 0.8)
3( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
25
( 0.8)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
5( 0.2)
3( 0.1)
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
273( 8.5)
1
( <0.1)
9( 0.3)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
血中アルカリ
ホスファターゼ増加
10
( 0.3)
血中クレアチン
ホスホキナーゼ異常
1
( <0.1)
血中クレアチン
ホスホキナーゼ増加
28
( 0.9)
血中乳酸脱水素酵素増加
便潜血
好酸球数増加
ヘマトクリット異常
ヘマトクリット減少
ヘモグロビン異常
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
63
5 付録
アデノイド咽頭炎
虫垂炎
気管支拡張症
気管支炎
気管支肺炎
熱傷部感染
慢性副鼻腔炎
膀胱炎
涙嚢炎
医療機器関連感染
憩室炎
耳感染
感染性湿疹
感染性腸炎
感染性小腸結腸炎
硬膜外膿瘍
せつ
1
( <0.1)
1
( <0.1)
6( 0.2)
1
( <0.1)
25
( 0.8)
4( 0.1)
2( 0.1)
5( 0.2)
4( 0.1)
6( 0.2)
4( 0.1)
7( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
215
( 6.7)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
6( 0.2)
5( 0.2)
1
( <0.1)
39
( 1.2)
2( 0.1)
27
( 0.8)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
4( 0.1)
7( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
6( 0.2)
9( 0.3)
2( 0.1)
2( 0.1)
4 関連資材
皮膚カンジダ
頭部白癬
白癬感染
手白癬
足部白癬
癜風
トリコフィトン感染症
外陰部腟カンジダ症
外陰腟真菌感染
喉頭炎
限局性感染
下気道感染
筋膿瘍
鼓膜炎
爪床感染
爪感染
鼻咽頭炎
壊死性筋膜炎
口腔感染
中耳炎
爪囲炎
耳下腺炎
咽頭炎
咽頭扁桃炎
肺炎
処置後感染
術後創感染
歯髄炎
腎盂腎炎
急性腎盂腎炎
膿皮症
膿疱性皮疹
気道感染
鼻炎
敗血症
敗血症性ショック
3 投与中の注意
ブドウ球菌感染
細菌性腟炎
女性外陰部蜂巣炎
ダニ皮膚炎
寄生
体部白癬
カンジダ症
皮膚糸状菌症
真菌感染
皮膚真菌感染
クリプトコッカス性髄膜炎
食道カンジダ症
爪真菌症
口腔カンジダ症
2 投与に際して
毛包炎
皮膚細菌感染
28
( 0.9)
長期投与試験
副作用の種類
1 治療スケジュール
長期投与試験
副作用の種類
6
DI
5 付録
長期投与試験
副作用の種類
ヘモグロビン減少
リンパ球数減少
発現例数(%)
計
長期投与試験
副作用の種類
発現例数(%)
計
長期投与試験
副作用の種類
発現例数
(%)
計
良性、悪性及び詳細不明の
新生物(嚢胞及び
ポリープを含む)
34( 1.1)
9( 0.3)
高カリウム血症
2( 0.1)
17
( 0.5)
低カリウム血症
3( 0.1)
リンパ球数増加
リンパ球形態異常
1
( <0.1)
1
( <0.1)
低ナトリウム血症
多飲症
2( 0.1)
1
( <0.1)
乳癌
2( 0.1)
後骨髄球数増加
1
( <0.1)
糖尿病
1
( <0.1)
乳房パジェット病
単球数増加
1
( <0.1)
高血糖
4( 0.1)
脂漏性角化症
1
( <0.1)
1
( <0.1)
骨髄球数増加
1
( <0.1)
1型糖尿病
1
( <0.1)
8( 0.2)
2型糖尿病
3( 0.1)
皮膚乳頭腫
甲状腺新生物
4( 0.1)
好中球数減少
好中球数増加
1
( <0.1)
脂質異常症
22
( 0.7)
胃癌
1
( <0.1)
血小板数減少
赤血球数減少
1
( <0.1)
3( 0.1)
高コレステロール血症
高脂血症
42
( 1.3)
39
( 1.2)
胃癌第4期
1
( <0.1)
1
( <0.1)
白血球数減少
24
( 0.7)
白血球数増加
アラニン・アミノトランス
フェラーゼ増加
アスパラギン酸アミノ
トランスフェラーゼ増加
血中ビリルビン増加
γ-グルタミルトランス
フェラーゼ増加
肝酵素異常
肝酵素上昇
肝機能検査異常
トランスアミナーゼ上昇
血中免疫グロブリンG減少
アポリポ蛋白A-Ⅰ増加
アポリポ蛋白A-Ⅱ増加
アポリポ蛋白B増加
血中コレステロール異常
血中コレステロール増加
血中トリグリセリド増加
高比重リポ蛋白
脂質異常
低比重リポ蛋白増加
血中ブドウ糖増加
体重減少
体重増加
血中アルブミン増加
C-反応性蛋白増加
総蛋白増加
血中クレアチニン増加
血中尿素増加
腎クレアチニン・
クリアランス減少
尿中白血球エステラーゼ
尿中白血球
尿中白血球陽性
血中重炭酸塩減少
血中カルシウム増加
血中クロール増加
血中カリウム減少
血中カリウム増加
血中ナトリウム増加
代謝及び栄養障害
食欲減退
食欲亢進
肥満
糖尿病性ケトアシドーシス
脱水
体液貯留
1
( <0.1)
40
( 1.2)
30
( 0.9)
1
( <0.1)
15
( 0.5)
1
( <0.1)
20
( 0.6)
12
( 0.4)
10
( 0.3)
1
( <0.1)
2( 0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
26
( 0.8)
8( 0.2)
1
( <0.1)
2( 0.1)
19
( 0.6)
3( 0.1)
1
( <0.1)
21
( 0.7)
1
( <0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
16
( 0.5)
8( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
134
( 4.2)
3( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
高トリグリセリド血症
9( 0.3)
ビタミンD欠乏
4( 0.1)
筋骨格系及び
結合組織障害
100
( 3.1)
骨痛
骨粗鬆症
骨膜炎
脊椎障害
シェーグレン症候群
関節痛
関節炎
関節障害
関節破壊
関節硬直
関節腫脹
変形性関節症
関節リウマチ
肩回旋筋腱板症候群
変形性脊椎症
線維筋痛
筋肉疲労
筋痙縮
筋力低下
筋肉痛
筋膜疼痛症候群
ミオパチー
斜頚
頚部脊柱管狭窄症
1
( <0.1)
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
12
( 0.4)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
13
( 0.4)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
8( 0.2)
2( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
椎間板突出
脊柱後弯症
脊柱管狭窄症
背部痛
側腹部痛
2( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
13
( 0.4)
1
( <0.1)
鼡径部痛
筋骨格系胸痛
筋骨格痛
筋骨格硬直
頚部痛
四肢の結節
四肢痛
足底筋膜炎
上肢腫瘤
滑液包炎
滑液嚢腫
滑膜炎
腱障害
腱炎
腱鞘炎
弾発指
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
5( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
副作用名はMedDRA v13.1の基本語(PT)
で記載 データカットオフ時点
(2011 年 3月29日)
まで
64
腹膜新生物
リンパ増殖性障害
B細胞性リンパ腫
リンパ節転移
線維腫
扁平上皮癌
感染性新生物
悪性腹水
悪性胸水
髄膜腫
眼瞼の良性新生物
子宮平滑筋腫
子宮内膜癌
転移性卵巣癌
気管支癌
肺腺癌
転移性肺腺癌
肺新生物
転移性小細胞肺癌
基底細胞癌
悪性黒色腫
脂肪腫
脂肪肉腫
神経系障害
脳炎
脳出血
脳梗塞
一過性脳虚血発作
聴神経炎
顔面不全麻痺
第3脳神経麻痺
3( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
2( 0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
142
( 4.4)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
第7脳神経麻痺
頭痛
片頭痛
緊張性頭痛
健忘
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
62
( 1.9)
8( 0.2)
4( 0.1)
1
( <0.1)
注意力障害
記憶障害
頭部動揺
精神運動亢進
振戦
灼熱感
浮動性めまい
体位性めまい
異常感覚
構語障害
味覚異常
感覚鈍麻
反射減弱
肋間神経痛
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
5( 0.2)
1
( <0.1)
20
( 0.6)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
発現例数(%)
計
長期投与試験
副作用の種類
発現例数(%)
計
長期投与試験
副作用の種類
発現例数(%)
計
意識消失
1
( <0.1)
乳房腫脹
1
( <0.1)
褥瘡性潰瘍
2( 0.1)
神経痛
2( 0.1)
線維嚢胞性乳腺疾患
1
( <0.1)
皮膚炎
5( 0.2)
錯感覚
ヘルペス後神経痛
6( 0.2)
3( 0.1)
子宮頚管ポリープ
子宮頚部びらん
2( 0.1)
1
( <0.1)
アレルギー性皮膚炎
水疱性皮膚炎
3( 0.1)
1
( <0.1)
失神寸前の状態
1
( <0.1)
精巣上体炎
1
( <0.1)
接触性皮膚炎
感覚障害
2( 0.1)
閉経期症状
1
( <0.1)
湿疹
12
( 0.4)
傾眠
3( 0.1)
閉経後出血
1
( <0.1)
紅斑
12
( 0.4)
失神
4( 0.1)
無月経
2( 0.1)
顔面感覚鈍麻
手根管症候群
1
( <0.1)
月経過多
1
( <0.1)
間擦疹
2( 0.1)
肘部管症候群
末梢性ニューロパチー
1
( <0.1)
2( 0.1)
不正子宮出血
卵巣嚢胞
1
( <0.1)
1
( <0.1)
硬化性苔癬
丘疹
1
( <0.1)
1
( <0.1)
多発ニューロパチー
1
( <0.1)
性器分泌物
1
( <0.1)
光線性皮膚症
1
( <0.1)
痙攣
てんかん
側頭葉てんかん
頚腕症候群
坐骨神経痛
大脳萎縮
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
妊娠、産褥及び
周産期の状態
1(<0.1)
精巣痛
子宮内膜増殖症
子宮出血
腟分泌物
腟障害
腟出血
腟ポリープ
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
呼吸器、胸郭及び
縦隔障害
126
( 3.9)
口腔咽頭痛
湿性咳嗽
呼吸障害
気道うっ血
鼻漏
16
( 0.5)
3( 0.1)
17
( 0.5)
2( 0.1)
4( 0.1)
脱毛症
紅色汗疹
汗腺炎
多汗症
爪の障害
上気道の炎症
鼻出血
鼻閉
鼻の炎症
副鼻腔分泌過多
咽頭紅斑
アレルギー性鼻炎
副鼻腔うっ血
血管運動性鼻炎
皮膚及び皮下組織障害
血管浮腫
蕁麻疹
日光性角化症
過角化
前癌性皮膚病変
皮膚線条
皮膚嚢腫
18
( 0.6)
2( 0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
4( 0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
136( 4.2)
1
( <0.1)
7( 0.2)
4( 0.1)
5( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
寝汗
酒さ
皮膚血管炎
皮下出血
血管障害
動脈硬化症
循環虚脱
低血圧
深部静脈血栓症
表在性血栓性静脈炎
静脈血栓症
潮紅
末梢血管障害
血腫
高血圧
高血圧クリーゼ
静脈瘤
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
70
( 2.2)
4( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
56
( 1.7)
2( 0.1)
1
( <0.1)
承認された用法・用量 通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
65
5 付録
1
( <0.1)
11
( 0.3)
2( 0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
11
( 0.3)
5( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
26
( 0.8)
1
( <0.1)
2( 0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
24
( 0.7)
3( 0.1)
8( 0.2)
3( 0.1)
2( 0.1)
4 関連資材
糖尿
血尿
高カルシウム尿症
白血球尿
排尿異常
夜間頻尿
頻尿
蛋白尿
膿尿
尿失禁
尿管結石
尿路結石
腎結石症
生殖系及び乳房障害
乳房過形成
乳房腫瘤
乳房痛
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
5( 0.2)
1
( <0.1)
喘息
気管支痙攣
慢性閉塞性肺疾患
急性肺水腫
急性呼吸窮迫症候群
間質性肺疾患
肺浸潤
器質化肺炎
肺肉芽腫
胸水
胸膜炎
急性呼吸不全
アレルギー性咳嗽
咳嗽
発声障害
呼吸困難
労作性呼吸困難
口腔咽頭不快感
7( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
30
( 0.9)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
5( 0.2)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
3( 0.1)
3( 0.1)
7( 0.2)
3 投与中の注意
急性腎不全
腎機能障害
アルブミン尿
排尿困難
遺尿
1
( <0.1)
32
( 1.0)
9( 0.3)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
9( 0.3)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
8( 0.2)
3( 0.1)
47
( 1.5)
1
( <0.1)
2( 0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
1
( <0.1)
2 投与に際して
自然流産
精神障害
不安
パニック発作
落ち着きのなさ
錯乱状態
抑うつ気分
うつ病
リビドー亢進
初期不眠症
不眠症
睡眠障害
腎及び尿路障害
非感染性膀胱炎
緊張性膀胱
高窒素血症
腎嚢胞
腎障害
腎不全
そう痒症
全身性そう痒症
膿疱性乾癬
発疹
斑状皮疹
斑状丘疹状皮疹
丘疹性皮疹
そう痒性皮疹
小水疱性皮疹
痂皮
瘢痕
脂漏性皮膚炎
皮膚障害
皮膚剥脱
皮膚亀裂
皮膚病変
うっ滞性皮膚炎
顔面腫脹
肝斑
過剰肉芽組織
皮膚粘膜潰瘍形成
皮膚びらん
皮膚腫瘤
皮膚小結節
皮膚潰瘍
皮下結節
ざ瘡
2( 0.1)
1 治療スケジュール
長期投与試験
副作用の種類
6
DI
5 付録
5.2 全例市販後調査のためのトファシチニブ使用ガイドライン
(2014 年 6 月29 日改訂版)
トファシチニブは、ヤヌスキナーゼファミリーの分子を阻害することによって、サイトカインシグナル伝達抑制を
初めとする免疫抑制作用を介して抗リウマチ効果を示す薬剤である 1)。2013 年 3月に本邦で RAの適応が承
認された。米国においても2012 年 11月に承認されている。一方、欧州では、2013 年 4月に、専門委員会
においてベネフィット•リスクの観点から承認に対して否定的な見解が表明された。
〈ガイドラインの目的〉
トファシチニブは、関節リウマチ患者の臨床症状の改善・関節破壊進行の抑制・身体機能の改善が臨床試験
により証明された薬剤であるが、投与中に重篤な有害事象を合併する可能性がある 1、2)。本指針は、国内外
で実施された治験の結果を基に、市販後調査におけるトファシチニブ投与にあたって、その適応や、有害事象
の予防・早期発見・治療のための注意点を示し、薬剤の適正使用を促すことを目的とした。
本ガイドラインは、現時点における臨床試験の成績に基づき作成されたものである。今後、市販後臨床試験
調査の成績を反映して、
『実地臨床における適正使用のためのガイドライン』
を策定する予定である。
〈対象患者〉
1.メトトレキサート
(MTX)8mg/ 週を超える用量を3 ヶ月以上継続して使用してもコントロール不良の関節
リウマチ患者。MTX の承認用量が 16mg/ 週に引き上げられた2011 年 2 月23日以降、上記治療歴のあ
る患者を対象とする。但し、現時点において安全性の観点からMTXを投与出来ない患者は原則として対象
としないことが望ましい。
・疼痛関節数 6 関節以上
・腫脹関節数 6 関節以上
・CRP2.0mg/dL 以上あるいは ESR28mm/hr 以上
上記 3 項目を満たさない患者においても、
・DAS28-ESR、SDAI、CDAIで moderate activity 以上
のいずれかを認める場合も使用を考慮する。
2.さらに、日和見感染に対する安全性を配慮して以下の 3 項目も満たすことが強く推奨される。
・末梢血白血球 4000/mm3 以上
・末梢血リンパ球数 1000/mm3 以上
・血中β-D-グルカン陰性
66
1 治療スケジュール
〈用法・用量〉
・トファシチニブ 5mg 錠を、1日2 回経口投与する。
〈 投与禁忌〉
1. 活動性結核を含む,重篤な感染症を合併している患者。
2. 本剤の成分に過敏症を示した患者。
3. 重篤な感染症(敗血症等)
の患者。
2 投与に際して
・明らかな活動性を有している感染症を保有する患者においては、その種類に関係なく感染症の治療を
優先し、感染症の治癒を確認後に本剤の投与を行う。本剤は、CRP などの炎症マーカーや、発熱など
の症状を著明に抑制するため、感染症の悪化を見過ごす可能性がある。
4. 好中球 1000/mm3 未満、リンパ球 500/mm3 未満、ヘモグロビン値 8g/dL 未満のいずれかを示す患者。
3 投与中の注意
5. 重度の肝機能障害を有する患者。
6. 妊婦、授乳婦、妊娠している可能性のある患者。
7. 悪性腫瘍を有する患者。
4 関連資材
5 付録
6
DI
67
5 付録
〈 要注意事項〉
1.リウマチ専門医等の生物学的製剤治療の経験を十分に有する医師が勤務し、重篤な副作用が出現した際
に、緊急かつ十分な対応が可能な施設で投与を行う事。
2. 国内外の臨床試験で B 型肝炎および B 型肝炎ウイルス
(HBV)再活性化が報告されている 3)。HBV 感染者
(キャリアおよび既往感染者)
に対しては、日本リウマチ学会による
「B 型肝炎ウイルス感染リウマチ性疾患
患者への免疫抑制療法に関する提言」
(http://www.ryumachi-jp.com/info/news140423.pdf)
および
日 本 肝 臓 学 会「B 型 肝 炎 治 療 ガ イドライン」
(http://www.jsh.or.jp/doc/guidelines/HBV_GL_ver
2.201406.pdf)
を参考に対処する。C 型肝炎ウイルス
(HCV)感染者(キャリア)
への本剤の投与例は少な
く、一定の見解は得られていない。したがって、現時点ではキャリアへの投与は避けるのが望ましい。
3. 因果関係は明らかでないものの、多重がん・進行がんを含む悪性腫瘍、リンパ増殖性疾患の発現が国内外
の臨床試験で報告されている 3)。II 相・III 相・長期試験で認められた50 例の悪性腫瘍のうち6 例が死亡し、
28 例は投与開始後 1 年以内に認められた 3)。本剤の高用量を用いたRA 以外の臨床試験では中枢神経系・
乳房などの稀な部位のリンパ増殖性疾患が報告されている。本剤群の、曝露当たりの悪性腫瘍発現率は、
用量依存的かつ投与期間依存的に増加する傾向が認められている 3)。これらの点を踏まえたリスク•ベネ
フィットを十分考慮し、患者に十分説明した上で、適応を慎重に判断する事。
4. 悪性腫瘍の既往歴・治療歴を有する患者、前癌病変(食道、子宮頸部、大腸など)
を有する患者への投与
は避ける事が望ましい。
5. 国内外での臨床試験において、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染などによる重篤な感染症および死亡例
が報告されている 3)。また、日本人を含むアジア人集団では、他の人種に比較して重篤感染症発現率が高
かった 3)。
なお、呼吸器感染はその頻度と生命予後への影響から重要であり、副作用対策の観点から以下の項目に
注意をして投与を行う必要がある。また、本剤投与中に発熱、咳、呼吸困難などの症状が出現した場合は、
細菌性肺炎・結核・ニューモシスチス肺炎・薬剤性肺障害・原疾患に伴う肺病変などを想定した対処を行う。
フローチャートおよび
「生物学的製剤と呼吸器疾患・診療の手引き
(日本呼吸器学会)」等を参照のこと。
1)肺炎などの感染症
・胸部X線撮影が即日可能であり、呼吸器内科専門医、放射線科専門医による読影所見が得られること
が望ましい。
・サイトカインシグナル伝達を阻害する事によって、CRP などの炎症マーカーや、発熱、倦怠感といった
症状が、感染症合併時に抑制される可能性があるため、特に臨床症候の変化に注意が必要である。
・サイトカインを標的とする生物学的製剤の市販後調査で明らかにされた肺炎・重篤感染症危険因
子 4、5、6、7)が重複する患者(高齢、肺合併症、副腎皮質ステロイド投与、糖尿病、など)への本剤の使
用は、治療上の有益性が危険性を大きく上回ると判断される場合にのみ投与する。また、本剤の特徴
に関して、家族にも十分注意するよう指導する必要がある。
・呼吸器感染症予防のために、インフルエンザワクチンは可能な限り接種すべきであり、65 歳以上の高
齢者には肺炎球菌ワクチンの接種も積極的に考慮すべきである。
68
・スクリーニング時には問診・インターフェロン-γ遊離試験(クオンティフェロン、T-SPOT)
またはツベル
クリン反応・胸部 X 線撮影を必須とし、必要に応じて胸部 CT 撮影などを行い、肺結核を始めとする
感染症の有無について総合的に判定する。
・潜在性結核の可能性が高い患者では、本剤開始 3 週間前よりイソニアジド
(INH)内服(原則として
300mg/日、低体重者には 5mg/kg/日に調節)
を6 ~ 9 ヶ月行なう。
2 投与に際して
・結核の既感染者、胸部 X 線写真で陳旧性肺結核に合致する陰影(胸膜肥厚、索状影、5mm 以上の石
灰化影)
を有する患者、インターフェロン-γ遊離試験あるいはツベルクリン反応が強陽性の患者は潜
在性結核を有する可能性があるため、必要性およびリスクを十分に評価し慎重な検討を行った上で、
本剤による利益が危険性を上回ると判断された場合には本剤の開始を考慮してもよい。
1 治療スケジュール
2)結核・非結核性抗酸菌症
・非結核性抗酸菌感染症に対しては確実に有効な抗菌薬が存在しないため、同感染患者には原則とし
て投与すべきでない。
・ニューモシスチス肺炎は、諸外国に比較して本邦関節リウマチ患者での発現頻度が非常に高く、本剤
投与中においても報告例・死亡例が存在する。危険因子(高齢、肺合併症、副腎皮質ステロイド投与、
糖尿病、末梢血リンパ球減少など)
を複数有する患者では ST 合剤などの予防投与を考慮する 9)。
3 投与中の注意
3)
ニューモシスチス肺炎
4)
ヘルペスウイルスを含むウイルス感染症
6. 本剤投与中は、定期的に、好中球数、リンパ球数、ヘモグロビン値を測定し、好中球 1000/mm3 未満、
リンパ球 500/mm3 未満、ヘモグロビン8g/dL 未満または 2g/dL 以上の低下を示した場合は、本剤の投
与を中止し、原因を精査する。
8. 肝機能障害が出現する事がある 3)ため、本剤投与中は、定期的にトランスアミナーゼ値を測定するなど慎
重に観察し、異常が認められた場合は適切な処置を行う。
5 付録
7. 本剤投与によってコレステロール値、中性脂肪値等の脂質系の検査項目の上昇が報告されている 9)ため、
必要に応じて、日本動脈硬化学会動脈硬化性疾患予防ガイドラインなどにのっとり脂質異常症治療薬の投
与を行うことが推奨される。
4 関連資材
・国内外の臨床試験では帯状疱疹の発現頻度の上昇が報告されている。また、ヘルペスウイルスの再活
性化によると思われるは種性帯状疱疹を含む重篤な帯状疱疹が報告されている 3)。投与開始前に初発
症状と早期受診を患者に説明し、重篤化を防止する。特に、帯状疱疹の既往のある患者では、治療上
の有益性が危険性を大きく上回ると判断される場合にのみ、投与することが望ましい。このほか、
Epstein-Barrウイルス、サイトメガロウイルスの再活性化なども報告されている。
9. 本剤投与中に消化管穿孔を起こした症例の報告がある 3)。憩室炎の既往・合併例には慎重な投与が必要
である。なお、消化管穿孔が疑われる症状が認められた場合には、腹部 X 線検査、CT 検査等を実施する。
10. 本剤投与中に間質性肺炎を起こした症例の報告がある 3)。早期発見・治療のため、投与中は定期的に
呼吸器症状、経皮的酸素濃度、胸部画像検査を行う。
69
6
DI
5 付録
11. 本剤投与中の周術期リスク、また、手術後の創傷治癒に関するエビデンスは十分でない。現段階では、
周術期には本剤の休薬を含む慎重な対応を行い、局所症状に注意して手術部位感染(SSI)
の早期発見
に努める。SSI の診断においては、CRP、白血球数も参考とするが、休薬による関節リウマチの再燃との
鑑別が必要である。手術後は創がほぼ完全に治癒し、感染の合併がないことを確認した後の再投与が
望ましい。
12. 肝機能障害、腎機能障害を有する患者、潜在的な生理機能の低下が考えられる高齢者等では本剤の
曝露量が増える可能性があるため、患者の状態に応じて本剤 5mg を1日1回など、減量を考慮する 3)。
13. 本剤は、CYP3A4、及び一部 CYP2C19 により代謝される 3)。代謝阻害作用のある薬剤(マクロライド
系抗生物質、ノルフロキサシン、アゾール系抗真菌薬、カルシウム拮抗薬、アミオダロン、シメチジン、フ
ルボキサミン、抗 HIV 薬、テラブレビルなどの C 型肝炎抗ウイルス薬、フルコナゾール、タクロリムス、シ
クロスポリンなど)
と併用する場合には、トファシチニブの効果が増強される可能性があるため、本剤
5mg を1日1回に減量するなど用量に注意する。一方、CYP3A4 誘導薬(抗てんかん薬、
リファンピシン、
リファブチン、モダフィニルなど)
との併用では、効果が減弱する可能性がある。
参考文献
1)Mod Rheumatol. 2013;23(3)
:415
2)Curr Opin Rheumatol. 2013 May;25(3)
:391
®
ファシチニブクエン酸塩)審査結果報告書 .
3)独立行政法人医薬品医療機器総合機構 ゼルヤンツ(ト
4)Ann Rheum Dis. 2008 Feb;67(2)
:189
5)J Rheumatol. 2009 May;36(5)
:898
6)Ann Rheum Dis. 2011. Dec;70(12)
:2148
7)Mod Rheumatol. 2012 Aug;22(4)
:498
8)N Engl J Med. 2007 Nov 1;357(18)
:1874
9)Ann Rheum Dis. 2014;73(5)871-82.
一般社団法人日本リウマチ学会
調査研究委員会
生物学的製剤使用ガイドライン策定小委員会
委員長 竹内 勤
(2014.6.29)
更新記録
2013 年 6月 全例市販後調査のためのトファシチニブ使用ガイドライン初版策定
2014 年 6月 改訂第 2 版
70
1 治療スケジュール
生物学的製剤、トファシチニブ投与中における発熱、咳、呼吸困難に対するフローチャート
発熱、咳、呼吸困難(PaO2、SpO2 の低下)
2 投与に際して
胸部 X 線、CT、身体所見、臨床検査
生物学的製剤、トファシチニブ一旦中止
呼吸器内科医、放射線専門医の読影
実質性陰影
インフルエンザ、マイコプラズマ、
クラミジア、レジオネラの検査
抗菌薬治療が無効
ないし悪化で病原体不明
薬剤性肺炎
リウマチ肺など
β-DG、PCR および
他の病原体すべて陰性
β-DGまたは
PCR 陽性
ニューモシスチス
肺炎(PCP)
β-DG、PCRとも陰性
他の病原体検査で陽性
PCP 以外の
非定型肺炎
5 付録
細菌性肺炎
または結核
血中β-Dグルカン
(β-DG)測定可能なら
誘発喀痰ないしBALでPneumocystis 菌体染色・PCR
4 関連資材
いずれかで
陽性
すべて陰性
3 投与中の注意
喀痰培養、血液培養
抗酸菌染色・培養
間質性陰影
6
DI
71
6 Drug Information
ゼルヤンツ ® 錠 5mg の概要
販
一
売
般
和 名 ゼルヤンツ ® 錠 5mg
名
日本標準商品分類番号
®
名
洋 名 XELJANZ Tablets 5mg
製
和 名 トファシチニブクエン酸塩
販
洋 名 Tofacitinib Citrate
国
造
際
販
誕
873999
承
認
番
号 22500AMX00869
包
装 28 錠(PTP)
貯
法 室温保存
売 ファイザー株式会社
承
認
年
月 2013 年 3月
売 武田薬品工業株式会社
薬
価
収
載 2013 年 5月
生 2012 年 11月
販
売
開
始 2013 年 7月
使
用
期
限 最終年月を外箱等に記載
規 制 区 分 劇薬 処方箋医薬品 注意―医師等の処方箋により使用すること
1. 製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正
使用に必要な措置を講じること。
2. 適切な製造販売後調査を実施し、本剤の安全性について十分に検討するとともに、感染症等の発現を含めた長期投与時の安全性及び有効性について検討すること。
承 認 条 件
【警告】
1. 本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感
染症の新たな発現もしくは悪化等が報告されており、本剤との関連性は
明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を
完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、
患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回
ると判断される場合にのみ投与すること。
また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致命的な経過をたどるこ
とがあるので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用し、
本剤投与後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者
に注意を与えること。
[
「重要な基本的注意」
「
、重大な副作用」
の項参照]
2. 感染症
(1)重篤な感染症
敗血症、肺炎、真菌感染症を含む日和見感染症等の致死的な感染
症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注
意すること。
[「重要な基本的注意」、
「重大な副作用」
の項参照]
(2)結核
播種性結核(粟粒結核)及び肺外結核(脊椎、脳髄膜、胸膜、リンパ
節等)
を含む結核が報告されている。結核の既感染者では症状の顕
在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関す
る十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ
遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部 CT 検査等を
行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を
有する患者及び結核の感染が疑われる患者には、結核等の感染症
について診療経験を有する医師と連携の下、原則として本剤の投与
開始前に適切な抗結核薬を投与すること。
ツベルクリン反応等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結
核が認められた例も報告されている。
[「重要な基本的注意」、
「重大
な副作用」
の項参照]
3. 関節リウマチ患者では、本剤の治療を行う前に、少なくとも1 剤の抗
リウマチ薬等の使用を十分勘案すること。また、本剤についての十分
な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること。
【禁忌(次の患者には投与しないこと)】
1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2. 重篤な感染症(敗血症等)
の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
3. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
4. 重度の肝機能障害を有する患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
「重大な副
5. 好中球数が 500/mm3 未満の患者[「重要な基本的注意」、
作用」
の項参照]
「 重大な
6. リンパ球数が 500/mm 3 未満の患者[「重要な基本的注意」、
副作用」
の項参照]
7. ヘモグロビン値が 8g/dL 未満の患者[「重要な基本的注意」、
「 重大な
副作用」
の項参照]
8. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[動物試験において催奇形性
が報告されている。
「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」
の項参照]
組成・性状
1. 組成
1 錠中:
有効成分
(含量)
トファシチニブクエン酸塩 8.078mg
(トファシチニブとして5mg)
添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、
ヒプロメロース、クロスカルメロースナトリウム、
ステアリン酸マグネシウム、酸化チタン、マクロゴール 4000、トリアセチン
2. 性状
外形
上面
下面
直径:約 8.0mm
側面
厚さ:約 4.2mm
識別
コード
色調等
JKI
5
白色
フィルム
コーティング錠
効能・効果
既存治療で効果不十分な関節リウマチ
[効能・効果に関連する使用上の注意]
過去の治療において、メトトレキサートをはじめとする少なくとも1 剤の抗リウマチ薬等による適切な
治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与する。
用法・用量
通常、トファシチニブとして1 回 5mgを1日2 回経口投与する。
[用法・用量に関連する使用上の注意]
1. 中等度又は重度の腎機能障害を有する患者には、5mgを1日1 回経口投与する。
[「薬物動態」
の
項参照]
2. 中等度の肝機能障害を有する患者には、5mgを1日1 回経口投与する。
[「薬物動態」
の項参照]
3. 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF 阻害
剤、IL-6 阻害剤、T 細胞選択的共刺激調節剤等の生物製剤や、タクロリムス、アザチオプリン、シ
クロスポリン、ミゾリビン等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)
との併用はしないこと。なお、関
節リウマチ患者においてこれらの生物製剤及び免疫抑制剤との併用経験はない。
使用上の注意
1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1)感染症の患者又は感染症が疑われる患者[本剤は免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫
応答に影響を与える可能性があるので、適切な処置と十分な観察が必要である。
「重要な基本的
注意」
の項参照]
(2)結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)
[結核を活動化させるおそれがあるので、胸部レントゲン検査等を定期的に行うなど、結核症状の
発現に十分注意すること。
「重要な基本的注意」
の項参照]
(3)
易感染性の状態にある患者[感染症を発現するリスクが増加する。]
(4)高齢者[「高齢者への投与」
の項参照]
(5)腸管憩室のある患者[消化管穿孔があらわれるおそれがある。
「重大な副作用」
の項参照]
(6)好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン値減少のある患者[好中球減少、リンパ球減少、ヘモ
グロビン値減少が更に悪化するおそれがある。「重要な基本的注意」、
「その他の注意」
の項参照]
(7)軽度又は中等度の肝機能障害を有する患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。
「用法・用量
に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照]
(8)腎機能障害を有する患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。
「用法・用量に関連する使用上
の注意」、「薬物動態」の項参照]
(9)間質性肺炎の既往歴のある患者[間質性肺炎が増悪又は再発することがある。
「重大な副作用」
の
項参照]
2. 重要な基本的注意
(1)本剤は、免疫反応に関与するヤヌスキナーゼ
(JAK)
ファミリーを阻害するので、感染症に対する
宿主免疫能に影響を及ぼす可能性がある。本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の
発現や増悪に注意すること。本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合は、速やかに適切な処
置を行い、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること。また、患者に対し、
発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること。本剤投与
時に発現する重篤な感染症は、本剤単独投与時と比較して抗リウマチ薬(メトトレキサートを含む
DMARD)併用投与時では発現率が高い傾向が認められているため、特に注意すること。
[「その
他の注意」
の項参照]
(2)悪性リンパ腫、固形癌等の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明らかでは
ないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。
[「臨床成績」
の項参照]
(3)本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン検査に加え、インターフェロ
ン-γ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部 CT 検査等を行うことにより、結核感
染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の
診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として本剤の開始前に適
切な抗結核薬を投与すること。
1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
2)結核の治療歴(肺外結核を含む)
を有する患者
3)
インターフェロン -γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑
われる患者
4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者
また、本剤投与中も胸部レントゲン検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十
分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)
には速やかに主
治医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は本剤を投与しないこ
と。
[「慎重投与」
の項参照]
*
(4)抗リウマチ生物製剤を投与されたB 型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs 抗原陰
性、かつHBc 抗体又はHBs 抗体陽性)
において、B 型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。
本剤投与に先立って、B 型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。B 型肝炎ウイルスキャリアの
患者又は既往感染者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリ
ングを行うなど、B 型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
(5)
ヘルペスウイルス等の再活性化(帯状疱疹等)
が報告されている。また、日本人関節リウマチ患者
で認められた重篤な日和見感染症のうち多くが重篤な帯状疱疹であったこと、播種性帯状疱疹
も認められていることから、ヘルペスウイルス等の再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
徴候や症状の発現が認められた場合には、患者に受診するよう説明し、速やかに適切な処置を行
うこと。また、ヘルペスウイルス以外のウイルスの再活性化にも注意すること。
[「重大な副作用」、
「その他の注意」
の項参照]
(6)本剤投与により好中球減少があらわれることがあるので、本剤投与開始後は定期的に好中球数
については、本剤投与を開始しないこ
を確認すること。好中球数が低い患者(1000/mm3 未満)
とが望ましい。また、本剤投与後、好中球数が継続して500 ~ 1000/mm3 である場合は、好中
3
球数が 1000/mm を超えるまで本剤の投与を中断すること。好中球数が 500/mm3 未満の場
合は、本剤を投与しないこと。
[「重大な副作用」
の項参照]
(7)本剤投与によりリンパ球減少が認められることから、リンパ球数が 500/mm3 未満の患者には
本剤投与を開始しないこと。本剤投与開始後は定期的にリンパ球数を確認し、リンパ球数が
[「重大な副作用」、
「その他の注意」
の項参照]
500/mm3 未満の場合には、投与を中止すること。
(8)本剤投与開始後は定期的にヘモグロビン値を確認すること。ヘモグロビン値が 9g/dL 未満の患
者については、本剤投与を開始しないことが望ましい。また、ヘモグロビン値が 8g/dL 未満であ
る患者又は本剤投与開始後に2g/dLを超える低下を示した患者については、正常化するまで本
剤を投与しないこと。
[「重大な副作用」、
「その他の注意」
の項参照]
(9)総コレステロール、LDLコレステロール及び HDLコレステロールの増加等の脂質検査値異常が
あらわれることがある。本剤投与開始後は定期的に脂質検査値を確認すること。臨床上必要と認
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
CYP3A4 阻害剤
マクロライド系抗生物質
(クラリスロマイシン、エリスロマイシン等)
ノルフロキサシン等
アゾール系抗真菌剤
(イトラコナゾール、
ボリコナゾール等)
カルシウム拮抗剤
(ジルチアゼム、ベラパミル)
アミオダロン
シメチジン
フルボキサミン
抗 HIV 剤
(リトナビル、インジナビル、アタザナ
ビル、ネルフィナビル、サキナビル)
抗ウイルス剤
(テラプレビル;C 型肝炎)
本剤の曝露量が増加す
るおそれがある。
本剤とCYP3A4 阻害剤
であるケトコナゾ ール
(経口剤;国内未承認)
併用での単回投与時に、
本 剤 のAUC が 103%、
Cmax が 16% 増加したと
の報 告 があるので、併
用 時 には 本 剤 を 5mg
1日1 回に減量するなど
用量に注意すること。
これらの薬剤等は CYP
3A4による本剤の代謝
を阻 害するため、本 剤
の血中濃度が上昇する
可能性がある。
5% 以上
0.1% 以上 1% 未満
貧血
白血球減少、好中球
減少、リンパ球減少
代謝及び
栄養障害
高脂血症
脂質異常症
精神障害
頭痛
血管障害
高血圧
呼吸器、胸郭
及び縦隔障害
下 痢、悪 心、消 化
不良
脂肪肝
皮膚及び
皮下組織障害
発疹、紅斑、そう痒症
筋骨格系
及び結合組織
障害
筋骨格痛、関節痛
一般・全身障害
及び投与部位の
状態
発熱、疲労、末梢性
浮腫
血中クレアチンホ
スホキナーゼ増加
本剤の曝露量が減少す
るおそれがある。
本剤とリファンピシン併
用 時 に 本 剤 のAUC が
84%、C max が 74% 減
少した。
これらの薬剤等は CYP
3A4を 誘 導 するため、
本剤の効果が減弱する
可能性がある。
1% 以上 5% 未満
0.1% 以上 1% 未満
0.1% 未満
帯状疱疹、気管支
炎、インフル エン
ザ、副 鼻 腔 炎、膀
胱炎、咽頭炎
肺炎、細菌性肺炎、
肺 炎 球 菌 性 肺 炎、
腎盂腎炎、蜂巣炎、
ウイルス性胃腸炎、
ウイルス感染、単純
ヘルペス
脳炎(BKウイルス
脳炎を含む)、壊死
性 筋 膜 炎、クリプ
トコッカス性 髄 膜
炎、ニュー モシス
ティス肺炎、ブドウ
球菌性菌血症、結
核、細菌性関節炎、
非定型マイコバク
テリア感染、マイコ
バクテリウム・アビ
ウムコンプレックス
感染、サイトメガロ
ウイルス感 染、菌
血症
5. 高齢者への投与
高齢者において重篤な感染症の発現頻度の上昇が認められている。一般に高齢者では生理機能が低
下しているので減量するなど注意すること。
[肝機能及び腎機能の低下により本剤の血中濃度の増加
が認められている。
「薬物動態」
の項参照]
6. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
[動物実験では催奇形性が報
告されており、ヒトに本剤を投与したときの血漿中濃度と比較したとき、催奇形性に関する安
全域はラット及びウサギでそれぞれ 78 倍(無毒性量:30mg/kg/日)及び 2.8 倍(無毒性量:
10mg/kg/日)
であった。また、ラットで受胎能、出産、胎児の発達への影響が報告されており、
雌ラットの受胎能及び初期胚発生に関する安全域は5.7 倍(無毒性量:1mg/kg/日)
であった。
]
(2)本剤投与中は授乳を中止させること。
[ラットで乳汁中へ移行することが報告されている。]
7. 小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない
(使用経験はない)。
8. 過量投与
過量投与の場合、本剤に特異的な解毒薬はないので、患者の状態を十分に観察すること。副作用症
状が発現した場合は適切な対症療法と支持療法を行うこと。
9. 適用上の注意
薬剤交付時:PTP 包装の薬剤は PTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
[PTPシート
の誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症
を併発することが報告されている。]
10. その他の注意
(1)本剤の単剤投与での6 ヵ月間の二重盲検比較試験において、100 人・年あたりの重篤な感染
症の発現率はプラセボ群では0であったのに対し、トファシチニブ 5mg1日2 回投与群及び
10mg1日2 回投与群注)でそれぞれ 0.85 及び 3.5であった。
本剤の DMARD 併用投与での 6 ヵ月間又は 12 ヵ月間投与の二重盲検比較試験において、
100 人・年あたりの重篤な感染症の発現率はプラセボ群では 1.7 であったのに対し、トファシ
チニブ 5mg1 日 2 回投与群及び 10mg1 日 2 回投与群注)でそれぞれ 3.6 及び 2.9 であった。
また、本剤の長期間投与を受けた関節リウマチ患者における100 人・年あたりの重篤な感染症
の発現率は、トファシチニブ 5mg1 日 2 回投与群及び 10mg1 日 2 回投与群 注)でそれぞれ 2.3
及び 4.9 であった。
(2)本剤は JAK 阻害作用を有することから免疫系及び造血系へ影響を及ぼす可能性があり、非臨床
試験ではリンパ球数及び赤血球数の減少などに加え、免疫抑制(IFN-α/β、IFN-γ、TNF-α等
のサイトカインの抑制等)
に起因する二次的な作用(細菌及びウイルス感染ならびにリンパ腫)
が
みられた。また、その他に肝臓や消化管への影響(トランスアミナーゼの上昇や胃腸の拡張など)
もみられた。
(3)
ラットのがん原性試験(24 ヵ月投与)
において、良性ライディッヒ細胞腫(75mg/kg/日の雄)、
褐 色 脂 肪 腫(30mg/kg/日以 上 の 雌)、良 性 胸 腺 腫(75mg/kg/日の 雌)、良 性 血 管 腫(10
mg/kg/日の雄)
の発現頻度の上昇が認められた。
(4)
サル 39 週間投与試験では 10mg/kg/日で 8 例中 3 例に、サル腎同種片移植試験ではミコフェ
ノール酸モフェチルを併用投与した動物 8 例中 1 例でリンパ腫が認められた。
*
(5)関節リウマチ患者を対象とした海外臨床試験において、本剤とメトトレキサート併用群では、プラ
セボ群及び本剤単剤投与群と比較して、肺炎球菌ワクチンに対する免疫応答を減弱させることが
示唆されている。
5 付録
5% 以上
鼻咽頭炎
関節捻挫、肉離れ
4 関連資材
4. 副作用
承認時までに国内外で実施された第Ⅲ相試験の試験開始から3 ヵ月までに本剤が投与された総症
例 2430 例(日本人 94 例を含む)中 765 例(31.5%)
において副作用が認められた。主な副作用は、
頭 痛 61 例(2.5%)、上 気 道 感 染 51 例(2.1%)、下 痢 44 例(1.8%)、悪 心 36 例(1.5%)等であっ
た。日本人患者では 94 例中 51 例(54.3%)に副作用が認められ、主な副作用は、鼻咽頭炎 10 例
(10.6%)、発熱 4 例(4.3%)、帯状疱疹 4 例(4.3%)等であった。
また、承認時に国内外で実施中の長期投与試験において、本剤が投与された総症例 3227 例中
1365 例(42.3%)
において副作用が認められた。主な副作用は、鼻咽頭炎 215 例(6.7%)、上気道
感染 129 例(4.0%)、帯状疱疹 112 例(3.5%)、気管支炎 84 例(2.6%)等であった。国内で実施中
の長期投与試験では、本剤が投与された総症例 427 例中 375 例(87.8%)
において副作用が認めら
れた。主な副作用は、鼻咽頭炎 182 例(42.6%)、帯状疱疹 51 例(11.9%)、高脂血症 35 例(8.2%)、
高血圧 30 例(7.0%)等であった。 (承認時)
(1)重大な副作用
1)感染症:帯状疱疹(3.5%)、肺炎(ニューモシスティス肺炎等を含む)
(0.9%)、敗血症(0.1%)、
結核(0.1% 未満)等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)
があらわれ、致命的な経過をたど
ることがある。本剤投与後は、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を
中止し、適切な処置を行うこと。
2)消化管穿孔(0.1%)
:消化管穿孔があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投
与を中止するとともに、腹部レントゲン、CT 等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処
置を行うこと。
3)好中球減少(0.4%)、リンパ球減少(0.2%)、ヘモグロビン減少(0.3%)
:好中球減少、リンパ
球減少、ヘモグロビン減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、適切な
処置を行うこと。
4)肝機能障害、黄疸:AST(GOT)
(0.9%)、ALT(GPT)
(1.2%)の上昇等を伴う肝機能障害、
黄疸(0.1% 未満)
があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合に
は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
5)間質性肺炎(0.1%)
:間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼
吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部レントゲン検査、胸部
CT 検査及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスティス肺
炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)
を考慮に入れ適切な処置を行うこと。なお、間質性
肺炎の既往歴のある患者には、定期的に問診を行うなど、注意すること。
(2)
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
感染症及び
寄生虫症
肝 酵 素 上 昇、低 比
重 リ ポ 蛋 白 増 加、
高 比 重リポ 蛋白増
加、血 中 コ レ ス テ
ロ ー ル 増 加、体 重
増加、トランスアミ
ナ ー ゼ 上 昇、血 中
クレアチニン増 加、
γ-GTP 増 加、肝 機
能検査異常
傷害、中毒
及び処置
合併症
セイヨウオトギリソウ
(St. John's Wort、
セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
腱炎、関節腫脹
3 投与中の注意
CYP3A4 誘導剤
抗てんかん剤
(バルビツール酸 誘 導 体、カルバマ
ゼピン、フェノバルビタール、フェニ
トイン等)
リファンピシン
リファブチン
モダフィニル
フルコナゾールはCYP
3A4 及び CYP2C19の
代謝活性を阻害するた
め、
本剤の血中濃度が上
昇する可能性がある。
腹痛、嘔吐、胃炎
肝胆道系障害
臨床検査
本剤の曝露量が増加す
るおそれがある。
本 剤とフルコナゾール
併用での単回投与時に
本 剤 のAUC が 79%、
Cmax が 27% 増 加した。
フルコナゾールとの併用
時には本剤を5mg1日
1 回に減 量するなど用
量に注意すること。
錯感覚
呼吸困難、咳嗽、副
鼻腔うっ血
グレープフルーツ
フルコナゾール
脱水
不眠症
神経系障害
胃腸障害
0.1% 未満
2 投与に際して
薬剤名等
1% 以上 5% 未満
血液及び
リンパ系障害
1 治療スケジュール
められた場合には、高脂血症治療薬の投与等の適切な処置を考慮すること。
(10)感染症発現のリスクを否定できないので、本剤投与中の生ワクチン接種は行わないこと。
(11)肝機能障害があらわれることがあるので、トランスアミナーゼ値上昇に注意するなど観察を十
分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。なお、メトトレキサートを含む
DMARD 等併用時に本剤単独投与時と比較して肝機能障害の発現率上昇が認められているた
め、肝機能障害を起こす可能性のある薬剤と併用する場合には特に注意すること。
[「重大な副作
用」
の項参照]
(12)妊娠する可能性のある婦人に投与する場合は、投与中及び投与終了後少なくとも1月経周期は、
妊娠を避けるよう注意を与えること。
[「禁忌」、
「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」
の項参照]
3. 相互作用
本剤は主としてCYP3A4 及び一部 CYP2C19 により代謝される。
併用注意(併用に注意すること)
[「薬物動態」
の項参照]
注:本剤の承認用法・用量は、5mg1日2 回経口投与である。
資料請求先
ファイザー株式会社 製品情報センター
●詳細は添付文書をご覧ください。
●添付文書の改訂に十分ご留意ください。
6
DI
* 2015 年 1月改訂(第 3 版)
memo
memo
XEL54D001G
2016年6月作成