2011年4月18日 各 位 ホソカワミクロン株式会社 http://www.hosokawamicron.co.jp/ 代表取締役社長 宮田 清已 (6277)東証・大証 1 部 連絡先:広報・IR 室 荒川 隆 TEL.072−855−2226 ホソカワの DDS 開発が 製剤機械技術研究会における 最高賞「仲井賞」を受賞 本日(4 月 18 日)開催された「製剤機械技術研究会」の平成 23 年度総会・特別講演会において、 同会の最高レベルの賞である『仲井賞』が当社の製薬・美容科学研究センター長 辻本広行およ び愛知学院大学教授 川島嘉明氏に授与されることが決定されました。 なお、本年 10 月に開催予定の「平成 23 年度大会」において、表彰式および受賞者による特別講 演が行われる予定です。 1)「製剤機械技術研究会」 会長:岡田 弘晃氏(東京薬科大学教授) 本会は、医薬品製剤の製造に関して、ハードとソフトの両面から巾広い業種の専門的知識と技術の 融合を目的として、大学、製薬、製剤機械、建設、電気、コンピュータ等の多領域にわたる会員が参加 し、1991 年に設立された非営利団体である。 事業内容として、毎年、総会・特別講演会、研究大会、 講演会、教育研修会、工場見学会、シンポジウム等が行われており、年 4 回の会誌が刊行され、技術 研究論文、技術解説、製剤機械の紹介、国際情報など豊富な内容が発表されている。会員には事業 体会員と個人会員の 2 種類があり、現在、事業体会員約 200 社、個人会員約 250 名、会員総数約 850 名となり、ますます発展しつつある。(同会ホームページより) 2)「仲井賞」 同会名誉会長仲井由宣氏(千葉大学名誉教授)が設けた賞で、製剤機械技術の進歩、発展に貢献 した個人またはグループの功績を顕揚するために設けられた。 <受賞テーマ> 「医工薬/産官学の研究体制を特徴とするPLGAナノスフェアのプラットフォームと ナノメディカルシステムへの展開および実用化」 <受賞理由> 受賞者らが開発したPLGAナノスフェアシステム(特許出願 23 件)は、産官学の連携により 長年にわたり研究を行い、数多くの成果をあげられました。特に、PLGAナノスフェアは従来の マイクロスフェアのサイズをダウンサイジングした技術であり、ナノサイズまで小さくすることにより、 その体内動態などが大きく変化する。そのため吸収性やQOLの改善のためのDDS製剤など に利用することが可能である。このような技術は、化粧品や育毛剤としてすでに上市されており、 この技術の実用性化と生産性に関しては十分な成果がみられる。医薬品等の製剤分野では、 現在、遺伝子治療薬の分野において研究が続けられており将来に大いに期待が持てる。 以上のことより、仲井賞に相応しい業績であると考える。 *同会からの「受賞のお知らせ」より. 1 (注)DDS(Drug Delivery System)=薬物送達システム ・薬物の効果は体内に投与された薬物が、目的とする標的部位に到達することによって 発現します。従来の薬物投与法では、体内に投与された薬物は目的とする標的部位に まで効率的に到達することができないばかりか、代謝・排泄を受けたり、目的とする部位 以外に留まったりするので、有効濃度を維持することが困難となります。このため、薬理 活性を示すに必要な濃度を全身において維持するために、投与する薬物量は多くなり、 副作用が生じてしまいます。標的性のある製剤を調製し、標的部位において薬剤が有 効濃度に達するように調整するとこのような欠点を克服することができます。 このように 必要なときに、必要な量の薬剤を、必要とする部位に到達させる仕組み がDDSです。 <製薬・美容科学研究センターの活動概要> 今回の表彰対象となった事業(製品、技術)は、PLGA(乳酸グリコール酸共重合体)ナノ 粒子による DDS 技術とその事業モデル並びにそのDDS機能を活用した化粧品や育毛剤 および医療デバイス分野における人工核酸医薬のキャリアとしての応用開発に関する事業 展開が大きく評価されたものです。 当社が開発したこの PLGA ナノ粒子は、安全性に優れるとともに、人体になじみやすく (生体適合性)、優れた吸収性を有し、持続的に内包成分を放出する(徐放性)という特徴が あることから、DDSキャリアとして様々な応用が期待されています。 当社は、このPLGAナノ粒子に薬物等の有効成分を独自の方法でナノコンポジット粒子として、 複合化処理することによって、医薬品や化粧品等への幅広い応用が可能な、機能性ナノコンポ ジットを作り出すことに成功しています。 特に、新規遺伝子治療用製剤の開発には、核酸医薬のDDSが必須となりつつありますが、 こうした中、当社の粉体技術・固形製剤技術が応用でき、多様な製剤化(注射、経口、経皮、 経肺など)が可能となりうるPLGAナノコンポジット粒子への期待は大きく、これまで動物実験の 好結果を受けて現在、治験(臨床試験)が準備中であるなど、今後のナノバイオ分野での大い なる貢献が期待されています。 (本技術の医薬分野における応用例) アンジェス MG 社などと治験準備中の血管狭窄治療用バルーンカテーテル(H20 年 9 月発表) や難治性腸疾患用経口製剤(H23 年 2 月発表)などの他、九州大学大学院などと共同開発中の 冠状動脈の革新的血管医療デバイス(新規薬剤溶出ステント、H18 年 11 月発表)等は、既に 動物実験で好成績を得ています。 また、この技術を応用した製品として、美白、アンチエージングを目的とする「ホソカワミクロン 化粧品」や発毛促進剤「薬用ナノインパクト」を製造販売しており、好評を得ています。 以上、お知らせいたします。 2 参考資料 <受賞歴> 2002 年 03 月 『第1回ナノテック大賞』 2006 年 11 月 『粉体工学会 技術賞 』 2007 年 06 月 『第 23 回 DDS 学会 優秀ポスター賞 』 http://www.hosokawamicron.co.jp/news/2007/062001/ 2007 年 08 月 『第 2 回ものづくり日本大賞 優秀賞 』 http://www.hosokawamicron.co.jp/news/2007/080801/ 2007 年 09 月 『第 5 回日本バイオベンチャー大賞 グランプリ 』 http://www.hosokawamicron.co.jp/news/pdf/news20101028.pdf 2008 年 03 月 『平成 19 年度 第 33 回発明大賞 考案功労賞 』 http://www.hosokawamicron.co.jp/news/pdf/news20101028.pdf 2008 年 06 月 『第 24 回 DDS 学会 ベストポスター賞 』 http://www.hosokawamicron.co.jp/news/pdf/news20101028.pdf 2009 年 10 月 『粉体工学会 技術賞 』 2010 年 10 月 『粉体工学会 技術賞 』 http://www.hosokawamicron.co.jp/news/pdf/news20101028.pdf 3
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