マリアナの鉱滓が海に到達=紺碧の海が茶色に染ま る=生態系への

マリアナの鉱滓が海に到達=紺碧の海が茶色に染まる=生態系
への被害は甚大か=被害規模予想を超える – ブラジル知るな
らニッケイ新聞WEB
元の水と泥水でコントラストの起こっているドッセ川河口の様子(Fred Loureiro/Secom ES)
マリアナの鉱滓が海に到達=紺碧の海が茶色に染ま
る=生態系への被害は甚大か=被害規模予想を超
える
2015年11月24日
【既報関連】ミナス州マリアナ市で5日に発生した鉱滓ダムの堤防決壊事故により、有毒物質を含む大量の堆積
物(鉱滓)が泥水と共に流出した。この鉱滓は同州からエスピリトサント州(ES)を通って大西洋に流れこむドッ
セ川に流入し、同河川から生活、灌漑、工業、農業用水を得ている流域の自治体は壊滅的な打撃を受けた。こ
の鉱滓は22日に大西洋に達したと23日付伯字各紙が報じた。
最初の鉱滓の波は21日午後、事故現場から650キロ、ドッセ川が大西洋に注ぎこむES州北部リニャーレス市
の河口に到達したが、22日の泥水はそれよりもずっと濃い色で、海岸は一面ココア色に染まった。
裁判所の命令を受け、事件を起こしたサマルコ社は河口に鉱滓の海への流出を防ぐ防護ヴイを浮かべたが、
細かい泥は網の目を通過し、海にも流れ込んだ。ドッセ川河口に泥が集中する事を防ぐため、21日午後から
22日午前にかけてはショベルカーを使って浅瀬に水路が掘られたが、その試みも失敗した。
リニャーレス市の漁師エミリオ・ピメンタさん(58)は、泥が到着する前から風評被害にあっていた。「もうレストラ
ンでは『あなたのところの魚は汚染されている』と言って買ってくれなかった」と嘆く。
同地の漁業組合は、ドッセ川河口で漁が再開できるようになるまで、10年はかかるだろうとしている。
リオ・デ・ジャネイロ連邦大学(UFRJ)の予測に基づいて環境省が発表した見込みでは、鉱滓はES州沖合いに
9キロにわたって拡がるとされていたが、現況を監視している専門家は、鉱滓はドッセ川上流数10キロに渡って
残っており、汚染の拡大は予想を上回るだろうとしている。
専門家はまた、川底に沈殿した泥は、有毒性の有無に関わらず、河川の生態系に深刻な影響を及ぼすとしてい
る。
環境省傘下の生物多様性保全のためのシコ・メンデス研究所(ICMBio)調査員は22日、ドッセ川河口で魚の
死骸を発見した。調べたところ、水中の酸素量は通常のレベルだったが、〃えら〃に泥が詰まり、窒息死した事
が分かった。
同研究所魚類調査保護センター(Cepta)の生物学者パウロ・セッカレッリ氏によると、魚類の大量死は〃氷山
の一角〃に過ぎず、「食物連鎖の基礎となるプランクトンや小さな生物が死滅すれば、水中生物から地上の肉
食動物まで長期的かつ広大な影響が出る」と懸念している。
<http://www.nikkeyshimbun.jp/2015/151124-21brasil.html> から挿入
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